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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/00 20060101AFI20220120BHJP
   B41J 13/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
B65H5/00 A
B41J13/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018055225
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019167195
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】柳田 慧
(72)【発明者】
【氏名】阿部 栄文
(72)【発明者】
【氏名】本田 和広
(72)【発明者】
【氏名】西山 輝
(72)【発明者】
【氏名】北村 雅彦
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-144597(JP,A)
【文献】特開2002-025644(JP,A)
【文献】特開平08-048432(JP,A)
【文献】特開2011-037096(JP,A)
【文献】特開2004-155041(JP,A)
【文献】特開2008-265008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/00
B65H 5/04
B65H 5/08- 5/20
B65H 5/24- 5/38
B65H 29/52
B41J 13/00-13/32
B41J 15/00-15/24
B41J 29/00-29/70
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に対する印刷を行う印刷部と、
前記印刷部を支持するフレームと、
前記フレームに取り付けられ、前記印刷媒体の前記印刷部への搬送をガイドする搬送ガイドと、
前記搬送ガイドの搬送面から露出して設けられ、前記搬送面上の前記印刷媒体を検知する検知センサと、
前記検知センサの周囲において露出した露出部と、前記露出部から前記フレームの側壁部に向って延在する延在部とを有し、当該延在部が前記側壁部の上端部に当接することにより、前記フレームに対して電気的に接続されるアース部材と
を備え、
前記延在部は、
前記上端部に当接して押し上げられることによって、上方に弾性変形しており、且つ、弾性復帰力によって、前記上端部を下方へ押圧している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記延在部は、
前記搬送ガイドが前記フレームに対して押し下げられる組立工程が行われる前に、前記上端部の上方に位置し、
前記組立工程が行われたときに、前記上端部に向って下方へ移動することにより、前記上端部に当接して押し上げられ、上方に弾性変形するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送ガイドは、
前記組立工程において、前記フレームに対して押し下げられた際、スナップフィット構造を有する係合部によって前記フレームと係合することにより、前記フレームに固定的に取り付けられるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記アース部材は、
前記露出部と、前記延在部とが、互いに同一平面上に形成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記延在部は、
前記搬送ガイドの側壁部に形成された貫通孔を貫通することにより、前記露出部から前記フレームの側壁部に至る
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記アース部材は、
前記露出部から前記延在部が延在する第1の方向とは反対方向の第2の方向に突出して設けられた係合部をさらに備え、
前記アース部材を前記第1の方向に移動させることにより、前記延在部を前記貫通孔に貫通させた後、前記アース部材を前記第2の方向に移動させることによって、前記係合部を前記搬送ガイドに形成された挿入孔に係合させることにより、前記アース部材が前記搬送ガイドに取り付けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記延在部は、
前記側壁部の上部破断面に当接する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーマルプリンタでは、サーマルヘッドとプラテンローラとの間において印刷媒体(例えば、感熱紙)を挟持することにより、印刷媒体をサーマルヘッドに押し当て、その状態で、サーマルヘッドに設けられた発熱素子によって印刷媒体を加熱することにより、印刷媒体に画像を形成する構成を採用している。
【0003】
このようなサーマルプリンタに関し、例えば、下記特許文献1には、画像プリンタにおいて、紙搬送口の近くに設けられた紙検出センサの周囲にアース部材を設け、当該アース部材を、筐体にビス等で固定することにより、紙検出センサの周囲で発生した静電気を、筐体に逃がすことができるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-220736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、アース部材をビス等で筐体に固定する必要があるため、画像プリンタの組み立て作業を容易に行うことが困難であった。特に、近年では、サーマルプリンタの小型化が顕著であり、各構成部品が小型化しているうえに、各構成部品間の距離も近接しているため、このような小型のサーマルプリンタに、上記特許文献1の技術を採用した場合、サーマルプリンタの組み立て作業を容易に行うことが極めて困難になる虞がある。
【0006】
このようなことから、検出センサの周囲において発生した静電気を、安定的且つ確実にフレームに逃がすことが可能な構成を採用しつつ、組み立て作業を容易に行うことが可能な、画像形成装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の画像形成装置は、印刷媒体に対する印刷を行う印刷部と、印刷部を支持するフレームと、フレームに取り付けられ、印刷媒体の印刷部への搬送をガイドする搬送ガイドと、搬送ガイドの搬送面から露出して設けられ、搬送面上の印刷媒体を検知する検知センサと、検知センサの周囲において露出した露出部と、露出部からフレームの側壁部に向って延在する延在部とを有し、当該延在部が側壁部の上端部に当接することにより、フレームに対して電気的に接続されるアース部材とを備え、延在部は、上端部に当接して押し上げられることによって、上方に弾性変形しており、且つ、弾性復帰力によって、上端部を下方へ押圧している。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態によれば、検出センサの周囲において発生した静電気を、安定的且つ確実にフレームに逃がすことが可能な構成を採用しつつ、組み立て作業を容易に行うことが可能な、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るサーマルプリンタの外観を示す斜視図である。
図2】一実施形態に係るサーマルプリンタの外観を示す斜視図である。
図3】一実施形態に係るサーマルプリンタの平面図である。
図4】一実施形態に係るサーマルプリンタの左側面図である。
図5】一実施形態に係るサーマルプリンタの右側面図である。
図6】一実施形態に係るサーマルプリンタの正面図である。
図7図1に示すサーマルプリンタのA-A断面図である。
図8】一実施形態に係るサーマルプリンタの一部拡大図である。
図9】一実施形態に係るサーマルプリンタにおけるアース部材の接触状態を示す図である。
図10】一実施形態に係るサーマルプリンタにおけるアース部材の接触状態を示す図である。
図11】一実施形態に係るサーマルプリンタが備えるアース部材の外観を示す斜視図である。
図12】一実施形態に係るサーマルプリンタが備えるアース部材の平面図である。
図13】一実施形態に係るサーマルプリンタが備えるアース部材の側面図である。
図14】一実施形態に係るサーマルプリンタが備える搬送ガイドの一部拡大図である。
図15】一実施形態に係るサーマルプリンタが備える搬送ガイドの一部拡大図である。
図16】一実施形態に係るサーマルプリンタにおけるアース部材の取り付け手順を説明するための図である。
図17】一実施形態に係るサーマルプリンタにおけるアース部材の接続手順を説明するための図である。
図18】一実施形態に係るサーマルプリンタが備えるフレームおよび搬送ガイドの外観(正面側)を示す斜視図である。
図19】一実施形態に係るサーマルプリンタが備えるフレームおよび搬送ガイドの外観(背面側)を示す斜視図である。
図20】一実施形態に係るサーマルプリンタが備える搬送ガイドの側面図である。
図21】フレームに対して搬送ガイドの上流側の部分が取り付けられた状態を示す側面図である。
図22】フレームに対して搬送ガイドの全体が取り付けられた状態を示す側面図である。
図23】フレームに対して搬送ガイドの全体が取り付けられた状態(背面側から見たときの状態)を示す斜視図である。
図24】中央係合部による係合状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0011】
〔サーマルプリンタ100の基本的な構成〕
初めに、図1図7を参照して、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の基本的な構成について説明する。
【0012】
図1および図2は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の外観を示す斜視図である。図3は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の平面図である。図4は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の左側面図である。図5は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の右側面図である。図6は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の正面図である。図7は、図1に示すサーマルプリンタ100のA-A断面図である。
【0013】
なお、以降の説明では、便宜上、図中X軸方向(感熱紙Pの搬送方向、サーマルヘッド105の短手方向)を、前後方向とし、図中Y軸方向(感熱紙Pの搬送方向と直交する方向、サーマルヘッド105の長手方向)を、左右方向とし、図中Z軸方向(X軸およびY軸と直交する方向)を、上下方向とする。但し、X軸正方向を前、Y軸正方向を右、Z軸正方向を上とする。また、以降の説明では、感熱紙Pの搬送方向における上流側(図中X軸負側)を、単に「上流側」と示し、感熱紙Pの搬送方向における下流側(図中X軸正側)を、単に「下流側」と示す。
【0014】
図1図7に示すサーマルプリンタ100は、「画像形成装置」の一例であり、感熱紙Pをサーマルヘッド105に押し当て、その状態で、サーマルヘッド105に設けられた発熱素子によって感熱紙Pを加熱することにより、感熱紙Pに画像を形成することができる、いわゆる感熱式のサーマルプリンタである。
【0015】
図1図7に示すように、サーマルプリンタ100は、フレーム101、プラテンローラ102、支持部材103、プレート104、サーマルヘッド105、FPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板)106、FPCカバー120、および搬送ユニット130を備えて構成されている。
【0016】
支持部材103、プレート104、およびサーマルヘッド105は、互いに固定されることによって一体化される。なお、以降の説明では、支持部材103、プレート104、およびサーマルヘッド105が一体化されたものを、「ヘッドユニット」と称する。
【0017】
フレーム101は、金属板を加工することにより形成される、受け皿状の部材である。フレーム101は、当該フレーム101の左端部(図中Y軸負側の端部)において垂直に立設された左側壁部101aと、当該フレーム101の右端部(図中Y軸正側の端部)において垂直に立設された右側壁部101bと、当該フレーム101の下端部において、横幅方向(図中Y軸方向)に延在し、左側壁部101aと右側壁部101bとを互いに繋ぎ合わせる底板部101cとを有する。
【0018】
プラテンローラ102は、フレーム101の左右両側壁部101a,101bの間において、横幅方向(図中Y軸方向)に延伸する、円柱状の部材である。プラテンローラ102は、フレーム101の左右両側壁部101a,101bに取り付けられる軸受け101Aによって、その回転軸102Aの両端が軸支される。プラテンローラ102は、サーマルヘッド105の下側において、サーマルヘッド105と対向して設けられている。プラテンローラ102は、サーマルヘッド105との間の隙間内に、感熱紙P(図7参照)を挟み込むことにより、感熱紙Pの表面をサーマルヘッド105に押し当てることができる。また、プラテンローラ102は、駆動モータ133の駆動によって回転することにより、感熱紙Pを所定の搬送方向(図中X軸正方向)に搬送することができる。例えば、プラテンローラ102は、そのローラ部に、ゴム等の弾性素材が用いられる。また、例えば、プラテンローラ102は、その回転軸102Aに、金属等の比較的硬質な素材が用いられる。
【0019】
支持部材103は、金属板を加工することにより形成される、概ね水平な平面を有する蓋状の部材である。支持部材103は、フレーム101の内部空間の一部(プレート104およびサーマルヘッド105が収容されている部分)を上方から閉塞するように、フレーム101の上部に取り付けられる。支持部材103の裏面には、上方から当該支持部材103を貫通する固定ネジ103Bにより、プレート104がネジ止め固定される。これにより、支持部材103は、プレート104とともに、サーマルヘッド105を支持する。支持部材103は、その左右方向(図中Y軸方向)における両端部において、上方から当該支持部材103を貫通する固定ネジ103Aにより、フレーム101に対してネジ止め固定される。これにより、サーマルヘッド105とプラテンローラ102との間の隙間、および、サーマルヘッド105の角度は、一定に保たれるようになっている。
【0020】
プレート104は、支持部材103の裏面に取り付けられている。プレート104は、概ね水平な平面を有する平板状の部材である。例えば、プレート104は、金属等の比較的硬質な素材が用いられる。
【0021】
サーマルヘッド105は、「印刷部」の一例である。サーマルヘッド105は、プレート104の裏面において、プラテンローラ102と対向して設けられている。サーマルヘッド105は、複数の発熱素子が横幅方向(図中Y軸方向、感熱紙Pの搬送方向と直交する方向)に並べて設けられている。サーマルヘッド105とプラテンローラ102との間には、感熱紙Pの厚さよりも小さい、僅かな隙間が形成される。例えば、感熱紙Pの厚さを0.25mmとした場合、サーマルヘッド105とプラテンローラ102との間に、0.15mmの隙間が形成される。これにより、サーマルヘッド105とプラテンローラ102との間に、感熱紙Pを挿通させたときに、サーマルヘッド105に対して、感熱紙Pの表面を適切な圧力で押し当てることができる。サーマルヘッド105は、感熱紙Pの表面が押し当てられた状態で、外部回路からFPC106を介して供給された制御信号によって、複数の発熱素子の発熱が制御されることにより、感熱紙Pに対して画像を形成することができる。
【0022】
FPC106は、サーマルヘッド105に制御信号を供給するために、サーマルヘッド105と外部回路(図示省略)とを接続する部材である。FPC106は、金属膜からなる配線がポリイミド等の樹脂フィルムによって挟まれてなる積層構造を有するフィルム状の配線部材である。FPC106は、可撓性を有しているため、折り曲げることが可能である。
【0023】
搬送ユニット130は、フレーム101に対して着脱可能であり、フレーム101の後部に組み込まれる。搬送ユニット130は、搬送ガイド131、給紙ローラ132、駆動モータ133、第1のセンサ134、第2のセンサ135、およびアース部材136を有している。
【0024】
搬送ガイド131は、各構成部品(給紙ローラ132、駆動モータ133、第1のセンサ134、第2のセンサ135、およびアース部材136等)が組み込まれた状態でフレーム101に取り付けられる樹脂製の部材である。搬送ガイド131は、水平な搬送面131aと、搬送面131aの左端部に垂直に設けられた左側壁部131bと、搬送面131aの右端部に垂直に設けられた右側壁部131cとを有している。搬送ガイド131は、その搬送面131aに感熱紙P(「印刷媒体」の一例)が載置されるとともに、その搬送面131aによって、感熱紙Pの高さ位置を規定しつつ、その左側壁部131bおよび右側壁部131cによって、感熱紙Pの左右位置を規定することにより、感熱紙Pの搬送位置が適切なものとなるように、感熱紙Pの印刷位置への搬送をガイドする。なお、実際には、搬送ガイド131は、「印刷媒体載置部」の一部を構成するものであり、「印刷媒体載置部」は、搬送ガイド131と、搬送ガイド131の後方に延在する他の部材(例えば、ケース等。図示省略)とによって、同一の高さの載置面が形成され、当該載置面に感熱紙Pが載置されることとなる。
【0025】
給紙ローラ132は、プラテンローラ102との間に介在する複数のギヤを介して、プラテンローラ102の回転に従動して回転することによって、搬送ガイド131の搬送面131aに載置された感熱紙Pを、プラテンローラ102とサーマルヘッド105との間の隙間内へ送出する。
【0026】
駆動モータ133は、その回転軸133A(図5参照)が、搬送ガイド131の右側壁部131cを貫通して外側に露出するように、当該右側壁部131cの内側に取り付けられている。駆動モータ133は、外部回路(図示省略)からFPC133Bを介して供給された制御信号によって、その回転軸133Aが回転する。これにより、駆動モータ133は、感熱紙Pに対する印刷タイミングに応じて、複数枚のギヤ110A~110E(図5参照)を介して、プラテンローラ102を回転させる。駆動モータ133には、例えば、ステッピングモータ等が用いられる。
【0027】
第1のセンサ134は、感熱紙Pの搬送位置(具体的には、感熱紙Pの先端位置)を検出するセンサである。第1のセンサ134は、搬送ガイド131の搬送面131aにおける、プラテンローラ102よりも上流側において、当該搬送面131aから露出して設けられている。第1のセンサ134としては、例えば、フォトセンサ等が用いられる。
【0028】
第2のセンサ135は、感熱紙Pに形成された識別マークを検出することにより、感熱紙Pの種類(例えば、通常紙、クリーニング用紙等)を検出するセンサである。第2のセンサ135は、搬送ガイド131の搬送面131aにおける、右端部(図中Y軸正側の端部)において、当該搬送面131aから露出して設けられている。第2のセンサ135としては、例えば、フォトセンサ等が用いられる。
【0029】
アース部材136は、薄板状の導体板(例えば、金属板)が加工されることによって形成される部材であり、第2のセンサ135の周囲を取り囲むように、搬送ガイド131の搬送面131aから露出して設けられている。アース部材136は、フレーム101の右側壁部101bの方向へ直線状に延在しており、当該右側壁部101bの上端部(上部破断面)に接触している。これにより、アース部材136は、第2のセンサ135の周囲において発生した静電気を、右側壁部101bを介して、フレーム101に逃がすことができるようになっている。
【0030】
FPCカバー120は、ヘッドユニットの後縁部に取り付けられる。FPCカバー120は、サーマルヘッド105から引き出されたFPC106の一部(ヘッドユニットに沿って配設された部分)を、ヘッドユニットとの間で挟み込むことにより、当該FPC106の一部の表面を覆いつつ、当該FPC106の一部を、ヘッドユニットの表面(上面、後面、および下面)に這わせた状態を維持することが可能な部材である。これにより、FPCカバー120は、FPC106の一部が、ヘッドユニットの周囲の各方向(上方、後方、および下方)に浮き上がってしまうことを防止することができ、したがって、FPC106の一部が、ヘッドユニットの周囲の各部材(たとえば、ヘッドユニットの後方に載置される感熱紙P等)と干渉してしまうことを防止することができる。
【0031】
このように構成されたサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131の搬送面131aに載置された感熱紙Pが、給紙ローラ132の回転によって、サーマルヘッド105とプラテンローラ102との間の隙間内に送り込まれる。これにより、サーマルヘッド105およびプラテンローラ102が、送出されてきた感熱紙Pを挟持する。その状態で、駆動モータ133によって駆動されたプラテンローラ102が回転しつつ、印刷データに応じた制御信号が、FPC106を介して、外部回路(図示省略)からサーマルヘッド105へ入力される。サーマルヘッド105は、入力された制御信号に応じて複数の発熱体が発熱することにより、感熱紙Pを加熱する。これにより、サーマルヘッド105は、感熱紙Pに対して、印刷データに応じた画像を形成する。
【0032】
サーマルプリンタ100においては、このような一連の印刷動作が行われる際、第1のセンサ134によって、感熱紙Pの搬送位置が検出されるとともに、第2のセンサ135によって、感熱紙Pの種類が検出されることにより、感熱紙Pに対する印刷は、感熱紙Pの搬送位置および種類に応じて適切に制御されることとなる。また、例えば、感熱紙Pを搬送ガイド131の搬送面131aに載置するときに、第2のセンサ135の周囲において、ユーザの指から発せられた静電気が生じた場合であっても、第2のセンサ135の周囲を取り囲むように設けられたアース部材136により、当該静電気をフレーム101に逃がすことができ、よって、第2のセンサ135の破壊等を防止することができるようになっている。
【0033】
(第2のセンサ135およびアース部材136の設置部分の構成)
ここで、図8を参照して、サーマルプリンタ100における第2のセンサ135およびアース部材136の設置部分の構成について、具体的に説明する。図8は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100の一部拡大図である。図8に示すように、搬送ガイド131における搬送面131aの右側(図中Y軸正側)の端部には、矩形状の凹部137が形成されている。当該凹部137内には、第2のセンサ135と、アース部材136とが露出して設けられている。
【0034】
アース部材136は、露出部136aを有している。当該露出部136aは、凹部137から露出しており、凹部137と同様に矩形状を有している。また、露出部136aは、搬送ガイド131の搬送面131aと同様に水平な平面状であるが、搬送面131aよりも、僅かに低い位置に設けられている。これにより、露出部136aは、感熱紙Pの搬送の妨げとならないようになっている。但し、これに限らず、露出部136aは、搬送面131aと、同一の高さ位置に設けられていてもよい。露出部136aには、矩形状の開口部136bが形成されている。当該開口部136bにおいては、第2のセンサ135が露出している。すなわち、露出部136aは、第2のセンサ135の周囲を、途切れることなく取り囲む形状となっている。但し、これに限らず、露出部136aは、一部が途切れている形状を有していてもよい。第2のセンサ135の設置位置は、搬送面131aに載置された感熱紙Pにおける、所定の識別マークの形成位置に対応する位置となっている。これにより、第2のセンサ135は、搬送面131aに載置された感熱紙Pの識別マークを光学的に検出して、すなわち、当該感熱紙Pの種類を検出することができるようになっている。
【0035】
アース部材136において、露出部136aの右側(図中Y軸正側)の縁部からは、右方(図中Y軸正方向)に向って直線状に延在する、舌片状の延在部136cが設けられている。当該延在部136cは、搬送ガイド131の右側壁部131cを貫通して、フレーム101の右側壁部101bの上端部(上部破断面)に接触している。これにより、アース部材136は、フレーム101に接地した状態となっており、よって、第2のセンサ135の周囲において発生した静電気を、延在部136cを介して、フレーム101へ逃がすことができるようになっている。
【0036】
なお、図8に示すように、第2のセンサ135は、アース部材136の露出部136aよりも低い位置に設けられている。また、開口部136bは、ユーザの指が貫通しない程度のサイズを有している。これにより、本実施形態のサーマルプリンタ100は、ユーザの指が、第2のセンサ135に容易に触れてしまうことのないようになっている。また、本実施形態のサーマルプリンタ100は、ユーザの指が、露出部136aに接触し易くしたことで、ユーザの指から発せられた静電気を、アース部材136を介して、積極的にフレーム101に逃がすことができるようになっている。
【0037】
(アース部材136の接続状態)
図9および図10は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100におけるアース部材136の接触状態を示す図である。図9および図10は、サーマルプリンタ100におけるアース部材136の設置部分を、上流側から見たときの斜視図である。但し、図10は、アース部材136の接触部分が露出するように、搬送ガイド131およびFPC106の図示を省略している。
【0038】
図9および図10に示すように、アース部材136の延在部136cは、アース部材136の露出部136aの右側の縁部から、右方(図中Y軸正方向)に向って、すなわち、フレーム101の側壁部101bに向って、直線状に延在している。そして、延在部136cは、側壁部101bの上端部(上部破断面)に当接し、且つ、当該上端部によって上方に押し上げられることによって、上方に弾性変形している。この延在部136cの弾性変形は、アース部材136の全体が、側壁部101bの上端部よりも低い位置に設けられていることによる、延在部136cと側壁部101bの上端部との高低差に起因して、生じるものである。そして、延在部136cは、上方への弾性変形によって生じる弾性復帰力によって、側壁部101bの上端部を下方へ押圧した状態となっている。これにより、延在部136cは、フレーム101と搬送ガイド131との間で、がたつきや変形等による、相対的な位置関係の変動が生じた場合であっても、側壁部101bの上端部に接触して電気的に接続された状態を、安定的に維持することができるようになっている。特に、延在部136cは、側壁部101bの上端部に固定されることなく、側壁部101bの上端部に接触して電気的に接続された状態を、安定的に維持することができるようになっている。これにより、本実施形態のサーマルプリンタ100は、アース部材136をネジ止め等によってフレーム101に固定する作業が不要であるため、第2のセンサ135の周囲において発生した静電気を、アース部材136によってフレーム101に逃がすことが可能でありつつ、組み立て作業を容易に行うことが可能となっている。
【0039】
(アース部材136の構成)
図11は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備えるアース部材136の外観を示す斜視図である。図12は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備えるアース部材136の平面図である。図13は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備えるアース部材136の側面図である。
【0040】
図11図13に示すように、アース部材136は、薄板状の部材である。このアース部材136は、弾性変形可能な薄板状の導体板を加工(例えば、パンチング加工、折り曲げ加工等)することによって形成される。アース部材136は、露出部136a、開口部136b、延在部136c、および係合部136dを有している。
【0041】
露出部136aは、搬送ガイド131の搬送面131aに形成された凹部137内に嵌め込まれて、当該凹部137から露出する部分である。本実施形態では、露出部136aは、上方視において矩形状を有しているが、露出部136aの形状はこれに限らない。
【0042】
開口部136bは、露出部136aに形成された開口であり、第2のセンサ135を露出させるための部分である。本実施形態では、開口部136bは、上方視において矩形状を有しているが、開口部136bの形状はこれに限らない。
【0043】
延在部136cは、露出部136aの右側(図中Y軸正側)の縁部から、右方(図中Y軸正方向)に向って直線状に延在する部分である。本実施形態では、延在部136cは、上方視において横長の長方形状を有しているが、延在部136cの形状はこれに限らない。
【0044】
ここで、図11図13に示すように、アース部材136は、露出部136aおよび延在部136cが、同一平面上において連続的に形成されており、すなわち、側方視において、折れ曲がることなく一直線状に形成されている。このため、アース部材136は、露出部136aおよび延在部136cを容易に形成することができるようになっている。
【0045】
係合部136dは、露出部136aの左側(図中Y軸負側)の縁部から、下方(図中Z軸負方向)および左方(図中Y軸負方向)に向って突出する部分である。係合部136dは、側方視においてL字状を有している。すなわち、係合部136dは、露出部136aの左側(図中Y軸負側)の縁部から、下方(図中Z軸負方向)に向って僅かに延在する垂直部分と、当該垂直部分の下端部から、直角に外側に折れ曲がり、左方(図中Y軸負方向)に向って僅かに延在する水平部分とを有している。この係合部136dは、搬送ガイド131の凹部137の底面137A(図14参照)に形成された挿入孔137a(図14参照)に挿し込まれることにより、当該挿入孔137aと係合して、アース部材136の左側(図中Y軸負側)の端部が搬送ガイド131によって支持されるようにするための部分である。すなわち、アース部材136は、係合部136dを挿入孔137aに挿し込むことにより、当該アース部材136をネジ止め等によって固定することなく、搬送ガイド131に対して、容易且つ固定的に設置することが可能となっている。なお、本実施形態では、係合部136dは、露出部136aの左側の縁部において、前端部および後端部の各々に設けられているが、係合部136dの設置数および設置位置は、これに限らない。
【0046】
(凹部137の構成)
図14および図15は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備える搬送ガイド131の一部拡大図である。図14および図15は、搬送ガイド131の搬送面131aに形成された凹部137を拡大して表すものである。特に、図14は、右側(図中Y軸正側)から見たときの凹部137を表すものであり、図15は、左側(図中Y軸負側)から見たときの凹部137を表すものである。
【0047】
図14および図15に示すように、凹部137の底面137Aにおける左側(図中Y軸負側)の端部には、前後に一対の挿入孔137aが形成されている。一対の挿入孔137aの各々には、アース部材136が備える一対の係合部136dの各々が挿し込まれる。
【0048】
また、図15に示すように、凹部137の底面137Aにおける右側(図中Y軸正側)の端部には、搬送ガイド131の右側壁部131cを貫通する貫通孔137bが形成されている。貫通孔137bには、アース部材136が備える延在部136cが貫通される。
【0049】
(アース部材136の取り付け手順)
図16は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100におけるアース部材136の取り付け手順を説明するための図である。
【0050】
まず、図16(a)に示すように、アース部材136を、延在部136cの先端側(図中Y軸正側)が低くなるように斜めに傾いた状態にしつつ、D1方向(図中Y軸正方向,「第1の方向」の一例)に移動させることにより、延在部136cを、搬送ガイド131の右側壁部131cを貫通する貫通孔137b内に貫通させる。そして、アース部材136を、斜めに傾いた状態が解消して水平状態となるように、D2方向(上流側から見て反時計回り方向)に回動させる。
【0051】
これにより、図16(b)に示すように、アース部材136が水平状態になるとともに、アース部材136の係合部136dが、挿入孔137a内に挿入される。この状態では、係合部136dは、挿入孔137aに係合していない。そこで、アース部材136を、水平状態を保ちつつ、D3方向(図中Y軸負方向,「第2の方向」の一例)にスライドさせる。
【0052】
これにより、図16(c)に示すように、係合部136dは、挿入孔137aの天井面の下側に入り込み、よって、挿入孔137aの天井面と係合することとなる。これにより、搬送ガイド131に対するアース部材136の取り付けは完了する。すなわち、アース部材136は、ネジ止め等の作業を行うことなく、容易に搬送ガイド131に取り付けることが可能である。
【0053】
ここで、露出部136aの左右方向(図中Y軸方向)の幅W1(図13参照)は、凹部137の左右方向(図中Y軸方向)の幅W6(図15参照)と略同じサイズである。また、露出部136aの前後方向(図中X軸方向)の幅W2(図13参照)は、凹部137の前後方向(図中X軸方向)の幅W5(図14参照)と略同じサイズである。したがって、アース部材136は、その露出部136aの外周縁部が、凹部137の各内壁面に当接することにより、水平方向(図中X軸方向およびY軸方向)への移動が規制される。よって、アース部材136は、その取り付けが容易でありながらも、水平方向の位置決めが高精度になされつつ、その状態を安定的に維持できるようになっている。
【0054】
また、アース部材136は、露出部136aの裏面が、凹部137の水平な底面137A(図14参照)に当接し、且つ、係合部136dの上記水平部分の上面が、上記挿入孔137aの天井面に当接し、且つ、延在部136cの上面が、貫通孔137bの天井面と当接する。これにより、アース部材136は、上下方向(図中Z軸方向)への移動が規制される。よって、アース部材136は、その取り付けが容易でありながらも、上下方向の位置決めが高精度になされつつ、その状態を安定的に維持できるようになっている。
【0055】
特に、貫通孔137bの上下方向(図中Z軸方向)の幅W7(図15参照)(底面137Aの高さ位置と、貫通孔137bの天井面の高さ位置との差)は、当該貫通孔137bを貫通する延在部136cの上下方向(図中Z軸方向)の幅W5(図13参照)と略同じサイズである。また、貫通孔137bの前後方向(図中X軸方向)の幅W8(図15参照)は、当該貫通孔137bを貫通する延在部136cの前後方向(図中X軸方向)の幅W4(図13参照)と略同じサイズである。
【0056】
これにより、アース部材136は、延在部136cが、貫通孔137bによって、上下方向(図中Z軸方向)および前後方向(図中X軸方向)への移動が規制される。よって、アース部材136は、その取り付けが容易でありながらも、上下方向および前後方向の位置決めが高精度になされつつ、その状態を安定的に維持できるようになっている。
【0057】
(アース部材136の接続手順)
図17は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100におけるアース部材136の接続手順を説明するための図である。
【0058】
後述するように、フレーム101に対する搬送ガイド131の取り付けは、搬送ガイド131の上流側の部分をフレーム101に取り付ける第1の組立工程と、搬送ガイド131の下流側の部分をフレーム101に取り付ける第2の組立工程との、2つの工程を含んで構成されている。
【0059】
図17(a)は、第1の組立工程によって、搬送ガイド131の上流側の部分がフレーム101に取り付けられたときのアース部材136の状態を表している。図17(b)は、第2の組立工程によって、搬送ガイド131の下流側の部分がフレーム101に取り付けられたときのアース部材136の状態を表している。
【0060】
図17(a)に示すように、搬送ガイド131の上流側の部分がフレーム101に取り付けられたとき、アース部材136が備える延在部136cの先端部が、フレーム101が備える側壁部101bの上方に位置した状態となる。但し、この時点では、延在部136cの先端部は、側壁部101bの上端部に当接していない。
【0061】
この状態から、搬送ガイド131の下流側の部分を、作業者が下方(図中D4方向)に押し下げることにより、搬送ガイド131およびフレーム101に設けられたスナップフィット構造によって、搬送ガイド131の下流側の部分がフレーム101に係合する。これにより、搬送ガイド131の下流側の部分を、フレーム101に固定的に取り付けることができる。
【0062】
そして、図17(b)に示すように、搬送ガイド131の下流側の部分がフレーム101に取り付けられたとき、側壁部101bの上端部の高さ位置は、アース部材136の高さ位置よりも高くなる。このため、アース部材136の延在部136cは、搬送ガイド131の下流側の部分が押し下げられて、当該延在部136cが側壁部101bの上端部に向って下方へ移動したとき、その先端部が側壁部101bの上端部に当接して、当該上端部によって上方に押し上げられる。これにより、延在部136cは、図17(b)に示すように、貫通孔137bの天井面の終端点EPを支点として、上方(図中D5方向)へ弾性変形する。同時に、延在部136cは、弾性変形による下方への弾性復帰力が生じるため、当該弾性復帰力により、側壁部101bの上端部を下方へ押圧することとなる。
【0063】
〔フレーム101および搬送ガイド131の取り付け構造〕
図18は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備えるフレーム101および搬送ガイド131の外観(正面側)を示す斜視図である。図19は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備えるフレーム101および搬送ガイド131の外観(背面側)を示す斜視図である。図20は、一実施形態に係るサーマルプリンタ100が備える搬送ガイド131の側面図である。
【0064】
図18および図19に示すように、フレーム101は、左側壁部101aと右側壁部101bとを互いに繋ぎ合わせる底板部101cを有しており、当該底板部101cには、その一部が上方に直角に折り曲げられることにより、左右方向(図中Y軸方向)に延在する、垂直に立設された垂直壁部101dと、垂直壁部101eとが、互いに平行に設けられている。
【0065】
これと対向して、搬送ガイド131の裏側(給紙ローラ132よりも下流側)には、左側壁部131bと右側壁部131cとの間に、左右方向(図中Y軸方向)に延在する、垂直に立設された垂直壁部131eと、垂直壁部131dとが、互いに平行に設けられている。
【0066】
(係合部)
また、搬送ガイド131は、第1のセンサ134よりも上流側に、上流側係合部221,222が設けられており、第1のセンサ134よりも下流側に、下流側係合部212A,212Bが設けられている。さらに、搬送ガイド131は、第1のセンサ134と給紙ローラ132との間に、中央係合部213が設けられている。搬送ガイド131は、上流側係合部221,222、下流側係合部212A,212B、および中央係合部213の各々が、フレーム101の所定の位置に係合することにより、フレーム101に位置決めおよび固定される。
【0067】
上流側係合部221は、搬送ガイド131の左側壁部131bに設けられている。上流側係合部221は、フレーム101における左側壁部101aの上流側の端部に形成された上流側被係合部201A(上縁部の一部が内側に直角に折り曲げられることによって形成された爪状の部分)に係合する。具体的には、図20(a)に示すように、上流側係合部221は、上側規制部221Aおよび下側規制部221Bを有しており、上側規制部221Aと下側規制部221Bとの隙間内に、フレーム101に設けられた上流側被係合部201Aが下流側から挿し込まれることにより、上流側被係合部201Aに係合することとなる。また、図20(a)に示すように、上流側係合部221の上記隙間は、下流側から上流側に向って徐々に上下幅が狭くなる形状を有している。これにより、上流側係合部221は、搬送ガイド131が傾いた状態(図21(a)参照)であっても、上記隙間内に上流側被係合部201Aを容易に挿し込むことができるようになっている。また、上流側係合部221の上記隙間の上下幅は、上流側被係合部201Aの板厚と略同寸法となっている。これにより、上流側係合部221に対して上流側被係合部201Aが係合したときに、上流側被係合部201Aの上下方向へのがたつきが生じないようになっている。
【0068】
上流側係合部222は、搬送ガイド131の右側壁部131cに設けられている。上流側係合部222は、フレーム101における底板部101cの上流側の端部(底板部101cにおける上流側の縁部の右端部)に形成された上流側被係合部201Bに係合する。具体的には、図20(b)に示すように、上流側係合部222は、上側規制部222Aおよび下側規制部222Bを有する、下流側に開口したコの字状をなしており、上側規制部222Aと下側規制部222Bとの隙間内に、フレーム101に設けられた上流側被係合部201Bが下流側から挿し込まれることにより、上流側被係合部201Bに係合することとなる。また、上流側係合部222の上記隙間の上下幅は、上流側被係合部201Bの板厚と略同寸法となっている。これにより、上流側係合部222に対して上流側被係合部201Bが係合したときに、上流側被係合部201Bの上下方向へのがたつきが生じないようになっている。また、上流側係合部222の上記隙間の奥壁部に対し、上流側被係合部201Bの破断面が当接することにより、搬送ガイド131は、フレーム101に対する、前後方向(図中X軸方向)の位置決めがなされることとなる。
【0069】
下流側係合部212A,212Bは、搬送ガイド131の裏側において、垂直壁部131eに沿って左右一対に設けられている。下流側係合部212Aは、搬送ガイド131の左側壁部131bの近傍に設けられている。下流側係合部212Bは、搬送ガイド131の右側壁部131cの近傍に設けられている。
【0070】
下流側係合部212Aは、フレーム101の垂直壁部101dに形成された下流側被係合部202Aに係合する。具体的には、下流側係合部212Aは、搬送ガイド131の載置面の裏側から下方(図中Z軸負方向)に向けて突出しており、且つ、先端が爪状をなしている、スナップフィット構造を有している。そして、下流側係合部212Aは、下流側被係合部202Aに向って、搬送ガイド131とともに上方から押し込まれたとき、その爪状の先端部分が、垂直壁部101dと当接することにより、垂直壁部101dから離れる方向に弾性変形する。さらに、下流側係合部212Aは、その爪状の先端部分が、下流側被係合部202Aの開口内に達したとき、その弾性復帰力により、下流側被係合部202Aの開口縁部に係合することとなる。
【0071】
下流側係合部212Bは、フレーム101の垂直壁部101dに形成された下流側被係合部202Bに係合する。具体的には、下流側係合部212Bは、搬送ガイド131の載置面の裏側から下方(図中Z軸負方向)に向けて突出しており、且つ、先端が爪状をなしている、スナップフィット構造を有している。そして、下流側係合部212Bは、下流側被係合部202Bに向って、搬送ガイド131とともに上方から押し込まれたとき、その爪状の先端部分が、垂直壁部101dと当接することにより、垂直壁部101dから離れる方向に弾性変形する。さらに、下流側係合部212Bは、その爪状の先端部分が、下流側被係合部202Bの開口内に達したとき、その弾性復帰力により、下流側被係合部202Bの開口縁部に係合することとなる。
【0072】
中央係合部213は、搬送ガイド131の裏側かつ左右方向(図中Y軸方向)における中央において、垂直壁部131dの下側(Z軸負側)の破断面から下方に突出して設けられている。中央係合部213は、フレーム101の垂直壁部101eに形成された中央被係合部203に係合する。具体的には、中央係合部213は、先端が爪状をなしている、スナップフィット構造を有している。そして、中央係合部213は、中央被係合部203に向って、搬送ガイド131とともに上方から押し込まれたとき、その爪状の先端部分が、垂直壁部101eと当接することにより、垂直壁部101eから離れる方向に弾性変形する。さらに、中央係合部213は、その爪状の先端部分が、中央被係合部203の開口内に達したとき、その弾性復帰力により、中央被係合部203の開口縁部に係合することとなる。
【0073】
(凸部)
また、搬送ガイド131の左側壁部131bの下側(Z軸負側)の破断面には、下方(図中Z軸負側)に突出した円柱状の凸部214Aが設けられている。また、搬送ガイド131の右側壁部131cの下側(Z軸負側)の破断面には、下方(図中Z軸負側)に突出した円柱状の凸部214Bが設けられている。凸部214Aは、フレーム101の底板部101cに形成された、当該凸部214Aと略同サイズの円形状を有する開口部204Aに嵌め込まれる。凸部214Bは、フレーム101の底板部101cに形成された、当該凸部214Bと略同サイズの円形状を有する開口部204Bに嵌め込まれる。これにより、凸部214A,214Bは、フレーム101に対する搬送ガイド131の位置決め精度をより高めることができるようになっている。
【0074】
〔フレーム101に対する搬送ガイド131の取り付け手順〕
次に、フレーム101に対する搬送ガイド131の取り付け手順について説明する。フレーム101に対する搬送ガイド131の取り付けは、搬送ガイド131の上流側の部分をフレーム101に取り付ける第1の組立工程と、搬送ガイド131の下流側の部分をフレーム101に取り付ける第2の組立工程との、2つの工程を含んで構成されている。なお、以降の説明において参照する各図面では、説明をわかり易くするために、フレーム101および搬送ガイド131の各々について、各構成部品が組み込まれていない状態を示しているが、実際には、フレーム101および搬送ガイド131の各々について、各構成部品が組み込まれた状態で、同様に、フレーム101に対して搬送ガイド131を取り付けることが可能である。
【0075】
(搬送ガイド131の上流側の部分の取り付け)
図21は、フレーム101に対して搬送ガイド131の上流側の部分が取り付けられた状態を示す側面図である。フレーム101に対して搬送ガイド131を取り付ける際には、まず、図21に示すように、搬送ガイド131の上流側の部分を、フレーム101に対して取り付ける。具体的には、図21(a)に詳しく示されているように、搬送ガイド131の下流側の部分を上方に持ち上げて、搬送ガイド131を傾けた状態で、搬送ガイド131の左側壁部131bに設けられている上流側係合部221の隙間内に、フレーム101の上流側被係合部201Aを下流側から挿し込むことにより、上流側係合部221に上流側被係合部201Aを係合させる。また、図21(b)に詳しく示されているように、搬送ガイド131の右側壁部131cに設けられている上流側係合部222の隙間内に、フレーム101の上流側被係合部201Bを下流側から挿し込むことにより、上流側係合部222に上流側被係合部201Bを係合させる。これにより、図21に示すように、搬送ガイド131の上流側の部分は、各方向(上下方向(図中Z軸方向)、左右方向(図中Y軸方向)、前後方向(図中X軸方向))に対する位置決めが正確になされるとともに、フレーム101に固定されることとなる。
【0076】
(搬送ガイド131の下流側の部分の取り付け)
図22は、フレーム101に対して搬送ガイド131の全体が取り付けられた状態を示す側面図である。図23は、フレーム101に対して搬送ガイド131の全体が取り付けられた状態(背面側から見たときの状態)を示す斜視図である。図24は、中央係合部213による係合状態を示す拡大図である。
【0077】
次に、搬送ガイド131の下流側の部分を、フレーム101に対して取り付ける。これにより、図22図23に示すように、搬送ガイド131の全体が、フレーム101に対して取り付けられることとなる。具体的には、作業者は、搬送ガイド131の上流側の部分がフレーム101に固定された状態のまま、搬送ガイド131が水平状態となるように(すなわち、搬送ガイド131の傾いた状態が解消されるように)、図21の矢印Bに示すように、搬送ガイド131の下流側の部分を、フレーム101の底板部101cに向って下方へ押し込む作業を行うだけでよい。
【0078】
これにより、搬送ガイド131の裏側に設けられた下流側係合部212Aが、そのスナップフィット構造により、フレーム101の底板部101c(垂直壁部101d)に形成された下流側被係合部202Aに嵌め込まれて係合する。また、搬送ガイド131の裏側に設けられた下流側係合部212Bが、そのスナップフィット構造により、フレーム101の底板部101c(垂直壁部101d)に形成された下流側被係合部202Bに嵌め込まれて係合する。また、搬送ガイド131の裏側に設けられた中央係合部213が、そのスナップフィット構造により、フレーム101の底板部101c(垂直壁部101e)に形成された中央被係合部203に嵌め込まれて係合する。
【0079】
各係合部212A,212B,213のスナップフィット構造による係合状態は、図23に詳しく示されており、さらに、図24において、その代表例として、中央係合部213のスナップフィット構造による係合状態が、拡大して示されている。これらの図からも明らかなように、各係合部212A,212B,213は、スナップフィット構造により、確実に各被係合部202A,202B,203に係合され、よって、各被係合部202A,202B,203から容易に抜け落ちることはない。これにより、搬送ガイド131の下流側の部分は、各方向(上下方向(図中Z軸方向)、左右方向(図中Y軸方向)、前後方向(図中X軸方向))に対する位置決めが正確になされるとともに、フレーム101の底板部101cに対して確実に固定されることとなる。
【0080】
このとき、搬送ガイド131の左側壁部131bの下側の破断面に設けられた凸部214Aが、フレーム101の底板部101cに形成された開口部204Aに嵌め込まれる。また、搬送ガイド131の右側壁部131cの下側の破断面に設けられた凸部214Bが、フレーム101の底板部101cに形成された開口部204Bに嵌め込まれる。これにより、搬送ガイド131は、左右方向(図中Y軸方向)および前後方向(図中X軸方向)に対する位置決めがより正確になされることとなる。
【0081】
また、このとき、搬送ガイド131に設けられたアース部材136の延在部136cは、その先端部が側壁部101bの上端部に当接して、当該上端部によって上方に押し上げられる(図17(b)参照)。これにより、延在部136cは、上方へ弾性変形し、同時に、弾性復帰力により、側壁部101bの上端部を下方へ押圧することとなる。その結果、アース部材136は、フレーム101に電気的に接続された状態になるとともに、その状態が安定的に維持されることとなる。また、延在部136cの弾性復帰力により、フレーム101と搬送ガイド131とのスナップフィット構造による係合部分のがたつきをさらに抑制することができる。
【0082】
以上説明したように、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、フレーム101に対して、搬送ガイド131を着脱可能な構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131をフレーム101に取り付ける前に、当該搬送ガイド131に対して、各構成部品(例えば、給紙ローラ132、駆動モータ133、および第1のセンサ134等)を予め組み込んでおくことができる。また、フレーム101においても、搬送ガイド131が取り付けられる前に、各構成部品(例えば、プラテンローラ102、支持部材103、プレート104、サーマルヘッド105等)を、予め組み込んでおくことができる。そして、各構成部品が組み込まれた状態のフレーム101に対して、各構成部品が組み込まれた状態の搬送ガイド131を取り付けることにより、サーマルプリンタ100を構築することができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、当該サーマルプリンタ100の組み立て作業を容易化することができる。
【0083】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131が、上流側係合部221,222と、下流側係合部212A,212Bとを有しており、上流側係合部221,222および下流側係合部212A,212Bの各々が、フレーム101の所定の位置に係合することにより、フレーム101に位置決めおよび固定される構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131を、フレーム101に対して容易に取り付けることができるとともに、搬送ガイド131の取り付け位置を、上流側係合部221,222および下流側係合部212A,212Bのそれぞれによって高精度に規定し、且つ、搬送ガイド131を複数の係合位置にて安定的に支持することができる。さらに、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131を上記4つの係合部によってフレーム101に固定することにより、搬送ガイド131の変形が生じ難く、搬送ガイド131における各構成部品の位置精度を高精度に維持することができる。このため、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、フレーム101側において各構成部品によって規定される印刷位置と、搬送ガイド131側において各構成部品によって規定される搬送位置との位置関係を、高精度に保つことができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、各構成部品を容易且つ高精度に組み込むことが可能であり、且つ、印刷位置と搬送位置との位置関係を高精度に維持することが可能であるため、印刷媒体に対する印刷性能を高めることが可能である。
【0084】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、下流側係合部212A,212Bおよび中央係合部213を、スナップフィット構造により、下流側被係合部202A,202Bおよび中央被係合部203に嵌め込まれて係合する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131の下流側の部分を、下方へ押し込むだけで、各係合部を嵌め込むことができ、よって、搬送ユニット130の下流側の部分を、フレーム101に位置決めおよび固定することができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、フレーム101に対して、搬送ガイド131をより簡単に、位置決めおよび固定することができる。
【0085】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、上流側係合部221,222が、上側規制部221A,222Aおよび下側規制部221B,222Bを有しており、当該上側規制部221A,222Aと下側規制部221B,222Bとの隙間内に、フレーム101に設けられた上流側被係合部201A,201Bが下流側から挿し込まれることにより、上流側被係合部201A,201Bに対する上下方向への移動を規制可能に、上流側被係合部201A,201Bに係合する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、上流側係合部221,222の隙間内に、上流側被係合部201A,201Bを下流側から挿し込むだけで、搬送ガイド131の上流側の部分を、がたつきを生じさせることなく、フレーム101に位置決めおよび固定することができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、フレーム101に対して、搬送ガイド131をより簡単かつより高精度に、位置決めおよび固定することができる。
【0086】
特に、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、上流側係合部221の上記隙間が、下流側から上流側に向って徐々に上下幅が狭くなる形状を有している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131の下流側の部分をフレーム101に固定する際に、搬送ガイド131が傾いた状態(図24(a)参照)であっても、上流側係合部221の上記隙間内に、上流側被係合部201Aを容易に挿し込むことができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、フレーム101に対して、搬送ガイド131をより簡単に、位置決めおよび固定することができる。
【0087】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131において、上流側係合部221,222と下流側係合部212A,212Bとの間に、印刷媒体の搬送を検出する第1のセンサ134を配置した構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、第1のセンサ134の位置を高精度且つ安定的に維持することが可能となり、よって、第1のセンサ134の検出精度を高精度に維持することができる。また、第1のセンサ134(検出位置)と、サーマルヘッド105(印刷位置)との間に、下流側係合部212A,212B(係合位置)が存在することとなるため、感熱紙Pの検出位置と印刷位置との位置関係を高精度に維持することができる。
【0088】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131において、上記4つの係合部に加えて、中央係合部213を設けており、これら5つの係合部によって、搬送ガイド131をフレーム101に固定する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、搬送ガイド131をより確実に位置決めおよび固定することができるとともに、搬送ガイド131の変形をより生じ難くすることができ、したがって、搬送ガイド131における各構成部品の位置精度をより高精度に維持することができる。
【0089】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131において、下流側係合部212A,212Bと、中央係合部213との間に、第1のセンサ134を配置した構成を採用している。すなわち、第1のセンサ134の周囲3点が、フレーム101に固定される構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、第1のセンサ134の位置をより高精度且つより安定的に維持することが可能となり、よって、第1のセンサ134の検出精度をより高精度に維持することができる。
【0090】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131に駆動モータ133と第1のセンサ134とを設ける構成を採用しているため、搬送ユニット130において、駆動モータ133のFPC133Bに、第1のセンサ134のFPCを一体化することが可能となり、よって、FPCにかかるコストを低減することができるとともに、駆動モータ133および第1のセンサ134と外部との電気的な接続を容易化することができる。
【0091】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131に第2のセンサ135とアース部材136とを設け、アース部材136の延在部136cが、フレーム101の右側壁部101bの上端部に当接して押し上げられることによって、上方に弾性変形し、且つ、弾性復帰力によって、右側壁部101bの上端部を下方へ押圧する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136をフレーム101に固定することなく、アース部材136をフレーム101に電気的に接続して、第2のセンサ135の周囲において発生した静電気を、アース部材136を介して、フレーム101に逃がすことができ、且つ、アース部材136の弾性復帰力によって、アース部材136がフレーム101に電気的に接続された状態を、安定的に維持することができる。したがって、一実施形態に係るサーマルプリンタ100によれば、第2のセンサ135の周囲において発生した静電気を、アース部材136によってフレーム101に逃がすことが可能な構成を採用しつつ、組み立て作業を容易に行うことができる。
【0092】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136の延在部136cが、搬送ガイド131がフレーム101に対して押し下げられる第2の組立工程が行われる前に、右側壁部101bの上端部の上方に位置し、第2の組立工程が行われたときに、右側壁部101bの上端部に向って下方へ移動することにより、右側壁部101bの上端部に当接して押し上げられ、上方に弾性変形する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、搬送ガイド131をフレーム101に対して押し下げるだけで、搬送ガイド131をフレーム101に取り付けることができるとともに、アース部材136をフレーム101に電気的に接続させることができる。すなわち、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、作業者に、アース部材136の電気的な接続を意識させることなく、サーマルプリンタ100の組み立て作業を行わせることができる。
【0093】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136が、露出部136aと、延在部136cとが、互いに同一平面上に形成されている構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、露出部136aと延在部136cとの間において、折り曲げ等の加工が不要となるため、アース部材136を、容易に形成することができる。
【0094】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、延在部136cが、搬送ガイド131の右側壁部131cに形成された貫通孔137bを貫通することにより、露出部から右側壁部101bに至る構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136に右側壁部131cを迂回させる必要なく、アース部材136を直線状とすることできるため、アース部材136を、容易に形成することができる。
【0095】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136を第1の方向に移動させることにより、延在部136cを貫通孔137bに貫通させた後、アース部材136を第1の方向とは反対の第2の方向に移動させることによって、係合部136dを搬送ガイド131に形成された挿入孔137aに係合させることにより、アース部材136が搬送ガイド131に取り付けられる構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、アース部材136を、ネジ止め等の作業を行うことなく、容易に搬送ガイド131に取り付けることが可能である。
【0096】
また、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、延在部136cが、右側壁部101bの上端部である、右側壁部101bの上部破断面に当接する構成を採用している。これにより、一実施形態に係るサーマルプリンタ100は、フレーム101側に何ら加工することなく、アース部材136をフレーム101に電気的に接続することができる。
【0097】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0098】
例えば、上記実施形態では、フレーム101の右側壁部101bの上部破断面に、アース部材136を当接させる構成を採用しているが、これに限らない。例えば、フレーム101の右側壁部101bに取り付けられている他の設置部材の上端部に対し、アース部材136を当接させる構成を採用してもよい。また、例えば、フレーム101の右側壁部101bの上部破断面以外の上端部に対し、アース部材136を当接させる構成を採用してもよい。また、フレーム101の左側壁部101aの上端部(同様に、上部破断面、それ以外の部分、および他の設置部材を含む)に、アース部材136を当接させる構成を採用してもよい。いずれの構成も、「アース部材をフレームの側壁部の上端部に当接させる」の範疇に含まれる。なお、「側壁部の上端部」とは、側壁部全体において最も高い部分を意味するものではなく、側壁部のある一部の上端部であれば十分である。
【0099】
また、例えば、アース部材136の構成は、上記実施形態で説明した構成とすることが好ましいが、これに限らない。例えば、露出部136aの上方視における形状を、矩形状以外の形状としてもよい。また、例えば、延在部136cの上方視における形状を、矩形状以外の形状としてもよい。また、例えば、露出部136aと延在部136cとを、互いに同一平面上に設けない構成としてもよい。
【0100】
また、本発明の「検知センサ」は、印刷媒体の種類を検知するものに限らない。例えば、本発明の「検知センサ」は、印刷媒体の搬送位置を検知するもの等であってもよい。
【0101】
また、本発明の「画像形成装置」は、サーマルプリンタに限らない。すなわち、本発明の「画像形成装置」は、サーマルプリンタ以外の画像形成装置(例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等)であってもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 サーマルプリンタ(画像形成装置)
101 フレーム
101a 左側壁部
101b 右側壁部(側壁部)
101c 底板部
102 プラテンローラ
103 支持部材
104 プレート
105 サーマルヘッド(印刷部)
106 FPC
120 FPCカバー
130 搬送ユニット
131 搬送ガイド
131a 搬送面
131b 左側壁部
131c 右側壁部
131A 搬送ガイド部
132 給紙ローラ
133 駆動モータ
133A 回転軸
133B FPC
134 第1のセンサ
135 第2のセンサ(検知センサ)
136 アース部材
136a 露出部
136b 開口部
136c 延在部
136d 係合部
137 凹部
137a 挿入孔
137b 貫通孔
P 感熱紙(印刷媒体)
図1
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