(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】自動体外式除細動器AEDに関する外部準備モニタにおける異常識別ロジック
(51)【国際特許分類】
A61N 1/08 20060101AFI20220120BHJP
A61N 1/39 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A61N1/08
A61N1/39
(21)【出願番号】P 2018548310
(86)(22)【出願日】2017-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2017056626
(87)【国際公開番号】W WO2017162627
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2019-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ハルスン エリック グラント
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】井上 哲男
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-225835(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156737(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/08
A61N 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常インジケータと電源インジケータの両方を持つ除細動器の作動状態を検出する方法において、
前記除細動器に隣接して配置される監視デバイスを提供するステップであって、前記監視デバイスが、前記除細動器の異常インジケータに隣接して配置され、前記異常インジケータの作動を検出するよう作動可能な異常インジケータセンサと、前記除細動器の電源インジケータに隣接して配置され、前記電源インジケータの作動を検出するよう作動可能なパワーセンサと、前記異常インジケータセンサ及び前記パワーセンサの両方と電気通信するコントローラと、前記除細動器の作動状態を示す信号を提供するため、前記コントローラと通信する出力部とを含む、ステップと、
前記異常インジケータセンサにより、所定の時間の間、前記異常インジケータの作動を検出する検出ステップと、
前記パワーセンサにより、前記所定の時間の間、前記電源インジケータの作動を検出する第2の検出ステップと、
前記検出ステップにおいて前記異常インジケータの作動が検出されず、かつ前記第2の検出ステップにおいて前記電源インジケータの作動が検出されない場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す出力信号を生成し、前記検出ステップにおいて前記異常インジケータの作動が検出されるか、又は前記第2の検出ステップにおいて前記電源インジケータの作動が検出される場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す出力信号を生成しないステップとを有し、
前記所定の時間が、前記除細動器の予定されたセルフテストを行っている期間に適合される、方法。
【請求項2】
前記コントローラと通信する送信機を提供するステップと、
前記送信機から前記出力信号を送信するステップとを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異常インジケータセンサが、LCDアイコンを検出する光センサと、点滅インジケータライトを検出する光電センサと、除細動器ディスプレイパネルを検出するカメラと、電気機械的状態インジケータ信号を検出する磁気センサとのグループから選択される1つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異常インジケータの作動の検出に基づき、前記除細動器の異常作動状態を示す出力信号を生成するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
除細動器と組み合わされる異常インジケータと電源インジケータとの両方を持つ除細動器の作動状態を検出する監視デバイスであって、
前記除細動器に隣接して配置される基板と、
前記除細動器の異常インジケータに隣接して配置される異常インジケータセンサと、
前記基板に配置され、前記除細動器電源インジケータに隣接するパワーセンサと、
前記基板に配置され、前記異常インジケータセンサ及び前記パワーセンサの両方と電気的に通信するコントローラと、
前記除細動器の作動状態を示す信号を提供するため、前記コントローラと通信する出力部とを有し、
前記コントローラが、所定の時間の間、前記異常インジケータセンサによる前記異常インジケータの作動を検出し、前記所定の時間の間、前記パワーセンサによる前記電源インジケータの作動を検出し、前記所定の時間の間前記異常インジケータの作動が検出されず、かつ前記所定の時間の間前記電源インジケータの作動が検出されない場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す出力信号を生成し、前記所定の時間の間前記異常インジケータの作動が検出されるか、又は前記所定の時間の間前記電源インジケータの作動が検出される場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す出力信号を生成しないソフトウェア命令を実行し、
前記所定の時間が、前記除細動器の予定されたセルフテストを行っている期間に適合される、監視デバイス。
【請求項6】
前記異常インジケータセンサが、マイクロフォンと、異常インジケータダイアフラムのダイアフラム運動に関連する非可聴パラメータを検出するよう作動可能なセンサとのグループから選択される1つを有する、請求項
5に記載の監視デバイス。
【請求項7】
前記パワーセンサが、点灯された除細動器の電源インジケータを検出する光センサを更に有する、請求項
5に記載の監視デバイス。
【請求項8】
前記コントローラと制御可能に通信する送信機を更に有し、前記送信機が、前記出力信号を送信する、請求項
5に記載の監視デバイス。
【請求項9】
クロックを備える低電力スタンバイ回路を更に有し、前記低電力スタンバイ回路が、前記コントローラと通信し、所定の周期で前記所定の時間の間、前記コントローラを作動させるよう作動可能である、請求項
5に記載の監視デバイス。
【請求項10】
前記パワーセンサが、前記除細動器から出力される無線データ通信及び赤外線データ通信IRDAの1つを検出するよう作動可能であり、前記コントローラは、前記検出された無線データ通信又は赤外線データ通信IRDAに基づき、前記所定の周期を調整するよう作動可能である、請求項
9に記載の監視デバイス。
【請求項11】
前記コントローラが、前記所定の時間後に低電力スタンバイ動作モードに入る、請求項
9に記載の監視デバイス。
【請求項12】
前記コントローラ及び前記出力部と通信するコンピュータ記憶メモリを更に有し、前記コンピュータ記憶メモリが、前記異常インジケータセンサ及び前記パワーセンサが検出したパラメータに関するデータを記憶する、請求項
5に記載の監視デバイス。
【請求項13】
除細動器状態通信システムであって、
異常インジケータ出力部と電源インジケータ出力部とを持つ除細動器と、
前記除細動器の外部に配置され、前記異常インジケータ出力部及び前記電源インジケータ出力部の両方に隣接する電子監視デバイスであって、前記異常インジケータ出力部の作動を検出するよう作動可能な異常インジケータセンサと、前記電源インジケータ出力部の作動を検出するよう作動可能なパワーセンサと、前記異常インジケータセンサ及び前記パワーセンサの両方と電気通信するコントローラと、所定の時間の間前記異常インジケータ出力部の作動が検出されず、かつ前記所定の時間の間前記電源インジケータ出力部の作動が検出されない場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す信号を提供し、前記所定の時間の間前記異常インジケータの作動が検出されるか、又は前記所定の時間の間前記電源インジケータの作動が検出される場合、前記除細動器のデッドバッテリ状態を示す出力信号を提供しない出力部であって、前記コントローラと通信する出力部とを含む、電子監視デバイスと、
前記出力部と通信する無線送信機であって、前記信号に基づき、除細動器状態報告を送信するよう作動可能な無線送信機とを有し、
前記所定の時間が、前記除細動器の予定されたセルフテストを行っている期間に適合される、除細動器状態通信システム。
【請求項14】
前記無線送信機と無線通信し、前記除細動器状態報告を受信するよう作動可能な遠隔サービスプロバイダコンピュータを更に有し、前記遠隔サービスプロバイダコンピュータが、前記除細動器状態報告に基づき、サービス警告メッセージを自動的に生成する、請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動体外式除細動器(AED)を維持するための改良された装置及び方法に関する。特に、本発明は、共同配置されたAEDの準備状態を捕捉し、その後、遠隔サービスプロバイダの位置にその状態を通信する監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のAED100を上から見た斜視図を示す。AED100は、ケース内部の電子回路を保護し、また、ユーザを衝撃から保護する頑丈なポリマーケース102に収容される。斯かるAEDは一般に、交通量の多い領域の壁といった独特な場所に、その場所を表示及び示すような看板を伴い取り付けられるか、又はAEDは家のどこかに配置されることができる。家庭用AEDは、他のAEDと同様に、使用せずに長時間経過する場合があり、従って、それは、クローゼット又は引き出しのような目立たない場所に保管される場合がある。
【0003】
ケース102には、電気リードにより、一対の電極パッドが取り付けられる。
図1の実施形態では、電極パッドは、AED100の上面側の凹部に配置された密閉気密カートリッジ104内にある。電極パッドは、電極パッド上のプラスチックカバーを取り外すことを可能にするハンドル108を引き上げることにより使用するためにアクセスされる。小さな準備ライト106は、AEDの準備ができていることをユーザに知らせる。この実施形態では、AEDが適切にセットアップされ、使用準備が整った後、準備ライトが点滅する。準備ライト106は、AEDが使用されているとき常にオンであり、AEDが注意を必要とするときはオフのままである。
【0004】
準備ライトの下には、オン/オフボタン110がある。使用するためAEDをオンにするのに、オン/オフボタンが押される。AEDをオフにするには、ユーザはオン/オフボタンを1秒以上押し続ける。注意ライト114は、ユーザにとって利用可能な情報があるとき点滅する。ユーザは、情報ボタンを押して利用可能な情報にアクセスする。注意ライト114は、AEDが患者から心拍情報を取得しているとき点滅し、ショックが推奨されるとき連続的に点灯し、これらの時間中に誰も患者に触れないように救助者及び他者に警告する。心臓信号が取得されている間の患者との相互作用は、検出されるECG信号に望ましくないアーチファクトを導入する可能性がある。ショックが推奨されることをAEDが救助者に知らせた後、ショックを与えるため、ショックボタン116が押される。AEDの側面の赤外線ポート118は、AEDとコンピュータとの間でデータを転送するために使用される。このデータポートは、患者が救出された後に、医師が詳細な分析のためAEDイベントデータを自分のコンピュータにダウンロードしたいと望むとき使用される。
【0005】
スピーカ120は、救助者に音声命令を提供し、患者を治療するためのAEDの使用を通して救助者を誘導する。電極パッドの交換又は新しい電池を必要とするといったAEDが注意を必要とするとき、「チャープ」するブザー122が提供される。アナンシエータは、音響エネルギーを生成する振動ダイアフラムを含む。典型的なタイプのアナンシエータは、カリフォルニア州フリーモントのMyn Tahl Corporationにより製造された5VオーディオトランスデューサEMX-7T05SCL63のような圧電ディスクビーパである。もちろん、ブザー122は、AEDバッテリ電力が作動することを必要とする。
【0006】
図2は、デバイスセルフテストの間に発見された可聴異常アラート200の結果としてAEDビーパ122から発せられる典型的なビープシーケンス202を示す。異常が検出された後、AED100は、ブザー122を駆動して、約875mSのビープ間隔206により分離された125mSの長さの一連のビープ204を発する。この例においてビープ周波数は2400Hzである。ビープシーケンス202は、3つの「チャープ」であり、これは、デバイスを「使用準備ができていない」状態にする異常を示す。ユーザの注意を必要とするが、デバイスを作動不能にするほど深刻ではない異常、例えば軽度の低バッテリ状態のような場合、ビープシーケンスは単に1つの「チャープ」とすることができる。異常が修正されるか、又はバッテリが消耗されるまで、ビープシーケンスが8秒ごとに繰り返される。
【0007】
他のAEDは、異なるビープシーケンス、周波数、繰り返し間隔を持つことができる。しかしながら、全ての場合において、特定のシーケンスは、セルフテスト異常を明白に示し、所定の既知の音響署名となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術における1つの問題は、セルフテスト異常アラートが局所的であることである。ユーザがAEDの視覚的又は可聴的な範囲内にない場合、AEDがアラートを発行し始めても、是正措置は不可能である。AEDバッテリがなくなるまでアラートが続く場合、必要なときにデバイスを使用する準備ができていない可能性がある。AEDバッテリが完全に消耗している場合、デバイスが機能していないことの明白な外部インジケーションが存在しない場合がある。AEDは、この状態ではチャープしない。視覚的準備インジケータがフェールセーフでない場合、即ち、AEDが実際には使えないことの肯定的なインジケーションをたとえ電力がなくても提供するものでない場合、ユーザは、そのデバイスが使用可能であると想定する場合がある。こうして、心停止犠牲者の治療に対する不必要な遅延が生じる場合がある。
【0009】
発明者らは、好ましくはAED格納場所に隣接して配置され、AEDの状態を監視し、その状態を遠隔地に伝達するデバイスを記載することにより、従来技術のAEDの問題を克服する装置及び方法を説明する。本発明のいくつかの特徴は、バッテリ電力が完全に消耗されたAED及び/又は格納場所から取り外されたAEDが遠隔地に肯定的に報告される状態を確実にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態では、異常インジケータと電源インジケータの両方を持つ除細動器の作動状態を検出する方法が、除細動器に隣接して配置される監視デバイスを提供するステップ(702)と、所定時間にわたる上記異常インジケータの起動の欠如を上記異常インジケータセンサにより検出する検出ステップと、第2の所定の時間の間、上記電源インジケータの欠如を上記パワーセンサにより検出する第2の検出ステップと、上記検出ステップ及び上記第2の検出ステップの両方に基づき、上記除細動器異常作動状態出力信号を生成するステップとを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記監視デバイスは、上記除細動器の異常インジケータに隣接して配置され、上記異常インジケータの起動を検出するよう作動可能な異常インジケータセンサと、上記除細動器の電源インジケータに隣接して配置され、上記電源インジケータの起動を検出するよう作動可能なパワーセンサと、上記異常インジケータセンサ及び上記パワーセンサの両方と電気通信するハードウェアプロセッサと、上記除細動器の作動状態を示す信号を提供するため、上記ハードウェアプロセッサと通信する出力部とを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、斯かる方法及び装置は、上記監視デバイスハードウェアプロセッサと通信する送信機を提供するステップ、及び/又は上記生成ステップに基づき、上記送信機から除細動器異常作動状態メッセージを送信するステップを更に含むことができる。
【0013】
他の実施形態では、上記第2の所定の時間期間が、上記除細動器の予定されたセルフテスト起動時間に対応する。第2の検出ステップは、毎日繰り返されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記パワーセンサが、点灯された除細動器の電源インジケータを検出する光センサである。光センサは、赤外線データ通信(IrDA)信号に対応するような赤外線データ通信信号ストリームを検出するよう構成されることができ、AEDはスケジュールベース及び反復ベースで自動的に送信する。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記異常インジケータセンサが、マイクロフォンと、異常インジケータダイアフラムのダイアフラム運動に関連する非可聴パラメータを検出するよう作動可能なセンサとのグループから選択される1つを含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記異常インジケータセンサが、LCDアイコンを検出する光センサと、点滅インジケータライトを検出する光電センサと、除細動器ディスプレイパネルを検出するカメラと、電気機械的状態インジケータ信号を検出する磁気センサとのグループから選択される1つを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、斯かる方法は、上記異常インケータセンサによる上記異常インジケータの起動を検出するステップ、及び/又は上記起動の検出に基づき、除細動器異常作動状態出力信号を生成するステップを更に含むことができる。
【0018】
他の実施形態では、除細動器状態通信システムが、異常インジケータ出力部と電源インジケータ出力部とを持つ除細動器、上記除細動器の外部に配置され、上記異常インジケータ出力部と上記電源インジケータ出力部との両方に隣接する電子監視デバイス、及び/又は上記出力部と通信する無線送信機であって、上記信号の機能に基づき、除細動器状態報告を送信するよう作動可能な無線送信機を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、斯かるシステムは、上記無線送信機と無線通信し、上記除細動器状態報告を受信するよう作動可能な遠隔サービスプロバイダコンピュータを更に含むことができる。上記遠隔サービスプロバイダコンピュータが、上記除細動器状態報告に基づき、サービス警告メッセージを自動的に生成することができる。
【0020】
本開示の目的のため本書で使用される用語「プロセッサ」は一般的に、人工呼吸器装置、システム、又は方法の作動に関する様々な装置を説明するために使用される。プロセッサは、本書で論じられる様々な機能を実行するため、(例えば、専用ハードウェアを用いて)多数の方法で実現されることができる。プロセッサはまた、本書で論じられる様々な機能を実行するため、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされることができる1つ又は複数のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用して、又は使用せずに実現されることができ、いくつかの機能を実行する専用ハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサの組み合わせ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)として実現されることもできる。本開示の様々な実施形態で使用され得るコントローラ要素の例は、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0021】
様々な実現において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数のコンピュータ記憶媒体(一般的に「メモリ」と呼ばれる。例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等)に関連付けられることができる。いくつかの実現では、記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラで実行されるときに、本書で説明される機能の少なくとも一部を実行する1つ又は複数のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ若しくはコントローラ内に固定されてもよく、又は運搬可能であってもよい。その結果、そこに記憶された1つ又は複数のプログラムが、本書で説明される本発明の様々な態様を実現するため、プロセッサ又はコントローラにロードされることができる。本書で使用される用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラをプログラムするのに使用されることができる任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すために一般的な意味で使用される。
【0022】
様々な実施形態において、「低電力スタンバイ回路」、「クロック」、「状態変化モニタ」、「コンパレータ/比較器」という用語は、当技術分野で一般的に既知の要素に適用され、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)において実現されるか、又は上述のプロセッサ若しくはコントローラに一体化されてもよい。「出力」及び「信号」は、特定の検出又は処理結果を表す電気又は光エネルギーインパルスであると理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】上部斜視図で示された従来技術のAEDを説明する図である。
【
図2】従来技術のAEDからの例示的な可聴アラートシーケンスの一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による例示的な監視デバイス300を示す図である。
【
図4】AED監視デバイスにおけるセンサのいくつかの代替実施形態を示す図である。
【
図5】ダイアフラムを備える可聴アナンシエータを持つ除細動器の作動状態を検出する監視デバイスの例示的なブロックダイアグラムを示す図である。
【
図6】一実施形態による除細動器を遠隔地から維持するシステムを示す図である。
【
図7】一実施形態によるAED100を監視する方法を示す図である。
【
図8】一実施形態による主題装置の一態様を示す図である。
【
図9】本主題の別の実施形態による除細動器作動状態902を検出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
任意の特定の要素又はステップの議論を容易に識別するため、参照番号における最上位の数字は、その要素が最初に導入された図番号を参照している。
【0025】
「一実施形態では」、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」などの表現が繰り返し使用される。斯かる表現は必ずしも同じ実施形態を指すものではない。文脈上他のことが指示されない限り、「有する」、「持つ」、及び「含む」という用語は同義語である。
【0026】
以下、図面に示された実施形態の説明への参照が詳細になされる。実施形態は、図面及び関連付けられる説明に関連して記載されるが、本書に開示された実施形態にその範囲を限定する意図はない。逆に、すべての代替、修正及び均等を網羅することが意図される。代替的な実施形態では、本書に開示された実施形態の範囲を限定することなく、追加のデバイス又は説明されるデバイスの組み合わせが、追加又は組み合わせられることができる。
【0027】
図3は、一実施形態による、除細動器又はAED100の作動状態を検出する例示的な監視デバイス300を示す。前述したように、AED100は、振動ダイアフラムを備える可聴アナンシエータ122を含む。AED100は、赤外線ポート118も含むことができる。
【0028】
AED100の作動状態を検出する監視デバイス300は、除細動器に隣接して配置された好ましい位置に示される。この配置は、センサ304がアナンシエータに隣接して配置されるような配置である。特にセンサ304は、アナンシエータにおける振動ダイアフラムの動きに関連付けられる非可聴パラメータを検出するよう作動可能なタイプのものである。監視デバイス300は、センサ304と通信するように配置されたハードウェアプロセッサ306を含む。センサ304が、アナンシエータの起動に関するハードウェアプロセッサ306への入力を提供するとき、プロセッサ306は、その検出に対応する出力部308において信号を発する。説明されるように、出力部308は好ましくは、対応する除細動器状態報告を遠隔受信機に送信するよう作動可能な無線送信機に提供される。
【0029】
また、監視デバイス300には、ハードウェアプロセッサ306と通信する低電力スタンバイ回路310、クロック312及び電源314が示される。これらの要素は、監視デバイス300を大部分の時間低電力スタンバイモードに置くことにより、外部電源なしでデバイス300を長期間にわたって、例えば数ヶ月にわたり作動させることを可能にする。クロック312は、スタンバイ回路310を駆動し、所定の周期で、及び短時間の所定時間、ハードウェアプロセッサ306を起動する。起動間隔は、アナンシエータ誘発振動があれば、それを捕捉する間隔であるよう選択される。
【0030】
監視デバイス300の要素は、プリント回路基板などの1つ又は複数の基板316に配置される。
【0031】
また、アナンシエータの周り又はその近くにAED100に適用されるよう構成されたオプションのデカール302が示される。デカールは、アナンシエータ誘発振動に対するセンサ304の感度を高めるために使用されるよう選択される。従って、デカール302は、センサ304がダイアフラムの動きにより誘発される電気的変化に敏感である場合には導電性であり、又は、センサ304がダイアフラムの動きに誘発される振動、反射、又は位置の変化に敏感である場合には光学的に反射的とすることができる。デカール302は好ましくは、AED100に接着剤で適用される。
【0032】
要素を見るのを容易にするために
図3には示されていないが、AED100の少なくとも1つの側面を囲む監視デバイス300に関するエンクロージャが存在する。エンクロージャは好ましくは、AED100運搬ケース又は壁面マウントと一体化される。
【0033】
図4は、AED100のアナンシエータ起動からの非可聴パラメータを検出するよう作動可能なセンサのいくつかの代替的な実施形態を示す。センサ304は、監視デバイス300の一部としてのいくつかの技術の1つであってもよい。ハードウェアプロセッサ306による回路及び処理は、技術間で幾分異なり得るが、本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0034】
センサ304は、温度センサ402であってもよい。ブザー122は、作動中にわずかに加熱され、温度変化はアナンシエータダイアフラムの急速な振動運動により誘発されることが知られている。従って、温度センサ402は、ブザー122のダイアフラムに近接して配置され、既知の「チャープ」又は一連のチャープに対応する時間間隔にわたる所定の温度変化を検出するのに十分な感度で選択される。ハードウェアプロセッサ306は例えば、「チャープ」又はビープシーケンス202中のブザー122の既知の温度応答をセンサ信号と比較することにより、対応する信号を処理する。比較ステップが一致する場合、ブザー122のダイアフラム運動が示される。その後、ハードウェアプロセッサ306は、対応する信号を出力部に供給する。
【0035】
代替的に、センサ304は振動センサ404であってもよい。振動センサ404の一実施形態は、プリント回路アセンブリに取り付けられた加速度計、又はハードウェアプロセッサ306と一体化された加速度計である。振動センサ404は、AEDケース102に誘起される振動を検出するよう構成され、ブザー122と結合するケース102により可能にされる。この実施形態では、ハードウェアプロセッサ306は、振動の検出された周波数、持続時間及び/又は反復パターンを既知のパラメータと比較し、アナンシエータが作動したかどうかを決定する。
【0036】
振動センサ304とケース102との間に短絡カプラ410を配置することにより、振動センサ404とAEDケース102との振動結合がオプションで改善されることができる。短絡カプラ410は好ましくは、監視デバイス300と共に設置されるときケース102に載置されるよう構成される。短絡カプラ410は、物体間の良好な振動結合を提供することが知られている硬い「ウィスカー」、プロング又は他のデバイスであってもよい。
【0037】
代替的に、センサ304は光センサ406であってもよい。光センサ406は好ましくは、アナンシエータダイアフラム又はケース102における光学反射面のいずれかを照射する光を含む。光センサ304における感光性検出器は、反射光を捕捉し、対応する電気出力信号を生成するよう構成される。こうして、光センサ406は、ダイアフラム運動中のダイアフラム位置における変化によりもたらされる反射率の変化を検出する。光センサ406の一例は、LEDレーザダイオードベースの光トランシーバであり、これは、レーザ光ダイオードと、高感度及びノイズ抑制のためにレーザダイオード周波数に調整された光センサとの両方を含む。
【0038】
代替的な構成は、光学反射デカール302を含み、これは、光センサ406がケース102に結合されたアナンシエータ誘発振動によりもたらされるデカール302位置における変化を検出するよう、ブザー122の周りに適用され得る。従って、アナンシエータダイアフラムに対する光センサ406の位置決めはあまり敏感ではない。
【0039】
代替的に、センサ304は、作動を示すアナンシエータダイアフラムの動きを検出する容量性センサ408であってもよい。容量性センサ408は、3つの態様の1つの態様で配置されることができる。充分に敏感であれば、容量性センサ408は、AEDケース102におけるアナンシエータポートにわたり直接配置されることができる。代替的に、容量性センサ408は、可撓性ステムの端部に配置され、このステムは、容量性センサ408をダイアフラムのより近くに配置するため、ケース102のポート孔へと延在する。代替的に、導電性デカールが、アナンシエータに隣接する除細動器表面に適用されてもよい。容量性センサ408は、デカールに隣接して配置され、こうして、AED100表面のアナンシエータ誘発振動を検出することができる。
【0040】
図5は、除細動器の作動状態を検出する監視デバイスの例示的なブロック図を示し、除細動器は、ダイアフラムを備える可聴アナンシエータを有する。監視デバイス502は、いくつかの要素を含む。機能ブロックとして示されるが、各要素は、ワイヤトレース、半導体プロセッサ及びメモリ、並びに検出デバイスにより基板において相互接続された回路などの構造により可能にされる。要素は、メモリに常駐し、1つ又は複数のプロセッサで実行されるソフトウェア命令により制御されてもよい。
【0041】
監視デバイス502は、非可聴関連パラメータであるダイアフラム運動パラメータ520において、関連付けられるAED100のアナンシエータの起動を示す入力を取得する。前述のタイプのセンサ504は、入力を捕捉する。センサ504は、電気通信を介してハードウェアプロセッサ506に信号を送る。ハードウェアプロセッサ506は信号を分析し、分析がダイアフラム動作に対応する信号を示す場合、プロセッサは出力508を提供する。
【0042】
信号分析は、比較器516及び非一時的媒体などからなるコンピュータ記憶メモリ524を用いて行われることができる。メモリ524は、前述の周波数、持続時間、反復速度データ、並びに既知の温度及び加熱プロファイルのようなアナンシエータの既知の特性に対応するデータを記憶する。比較器516は、特性プロファイルを受信パラメータと比較する。検出閾値内の相関は、ダイアフラムの動きに対応する信号を示す。オプションで、ハードウェアプロセッサ506は、後に診断及びトラブルシューティングに使用するため、検出されたダイアフラムの動き示すデータ、例えば、チャープの数、検出されたアラートのタイプ、及び検出されたダイアフラムの累積チャープ数又は作動数を格納することができる。
【0043】
また、監視デバイス502には、低電力スタンバイ回路510が含まれ、これは、クロック512及び状態変化モニタを含むことができる。スタンバイ回路510は、監視デバイス502バッテリ514の寿命を最大にするため、監視デバイス502を非常に低電力のスタンバイ動作モードに維持する。好ましくは、クロック512は、AED100のセルフテスト周期性に対応する所定のスケジュールで、所定の持続時間の間スタンバイ回路510を作動させる。こうして、監視デバイス502は、AED100がアクティブでセルフテストを行っている期間だけアクティブとなる。監視デバイス502がAED100の状態を確認し、必要な通知を出力508に渡した後、スタンバイ回路510は、ハードウェアプロセッサ506を低電力スタンバイ動作モードに戻す。
【0044】
監視デバイス502には、ハードウェアプロセッサ506と通信するオプションの第2のセンサ518も含まれる。第2のセンサ518は、AED100に隣接して配置され、除細動器から出力されるAEDデータ信号522を検出するよう作動可能である。データ通信は、無線RFからのものであってもよく、従って、第2のセンサ518は、Wi-Fi、近距離通信(NFC)、ブルートゥース(登録商標)受信機などであってもよい。データ通信は、赤外線データ通信(IRDA)といった光学的なものであってもよいので、第2のセンサ518は、IrDA受信機であってもよい。スタンバイ回路510はオプションで、検出されたAEDデータ信号522に基づき、ハードウェアプロセッサ506を起動するようトリガされてもよい。AED100が起動するときAEDデータ信号522が典型的に送信されるので、ハードウェアプロセッサ506は、この検出された無線データ通信に基づき、所定の周期性及び次のウェイクアップ起動のタイミングを調整することができる。
【0045】
通信機信号526はオプションで、監視デバイス502への別の入力として含まれてもよい。このデータ経路は、遠隔プロバイダからの通信に基づき、AEDデータ信号522を介して、監視デバイス502が自身を調整し又はAED100を調整することを可能にすることができる。例えば、通信機信号526は、メモリ524内に保持されるすべての収集された保守データを送信するよう、ハードウェアプロセッサ506に通知することができる。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態による、除細動器を遠隔地から維持するための状態通信システム602を示す。システムは、監視される除細動器又はAED100に加えて、4つの主要な要素を有する。前述したように、監視デバイス300は、ブザー122のダイアフラムの動きに関連する非可聴パラメータを検出するよう作動可能なセンサ304を含む。センサ304は、ハードウェアプロセッサ306に信号を送信し、これは次に、出力部308を介して無線送信機604に状態信号を提供する。
【0047】
無線送信機604は、状態通信システム602の第2の要素である。好ましくは、無線送信機604は、スマートフォン又はWi-Fiネットワークノードなどの標準的な通信デバイスであり、このデバイスは、監視デバイス300からの入力を受信する手段を含むよう構成される。入力手段は、USBケーブル、カスタムハードワイヤリボンケーブル、NFC/ブルートゥース(登録商標)無線接続、又は同様のインターフェースであってもよい。無線送信機604は好ましくは、それ自体の電源を維持し、定期的又は必要に応じて除細動器状態情報を送信するための命令を実行するソフトウェアを有する。従って、無線機604は、除細動器状態報告送信612を無線ネットワーク606を介して遠隔受信機610に送信する。そこで、サービスプロバイダは、AED100の所有者に連絡する又はサービスコールを開始するなど、必要な修正措置を取ることができる。オプションで、状態通信システム602は、双方向であってもよい。その結果、受信機610は、無線送信機604、監視デバイス300、又はAED100に関連付けられる画面に表示するために応答メッセージを送信機604に送り返すことができる。応答メッセージは、検出された異常の性質に適応するようAED100又は監視デバイス300の状態を変更する制御信号であってもよい。
【0048】
図7は、ダイアフラム700を備える可聴アナンシエータを持つ除細動器の作動状態を検出する方法を示す。方法700は、本発明の装置による監視デバイスを提供する提供ステップ702から始まり、監視デバイスは好ましくは、除細動器格納ケース又は壁掛けの一体部分として除細動器に隣接して配置される。監視デバイス300は好ましくは、低電力スタンバイモードでサービスを開始し、所定のスケジュールに基づき、従って作動を開始する。監視デバイス300は、このステップで、手動又は自動のいずれかで、AED100と同期されることができる。例えば、直ちに起動し、監視デバイス300が次のAED100の起動を検出するまで、起動したままにすることにより、行われる。この後、両方のデバイスは、低電力スタンバイ動作モードに再び入る。
【0049】
ステップ704において、監視デバイス300は、それ自体を起動する。起動の好ましい方法は、所定のスケジュール又は周期性に従う。スケジュール及び周期性は更に好ましくは、AED100の既知のセルフテスト周期に対応する。代替的に、監視デバイス300は、監視デバイス300のバッテリ電力を更に節約するため、2つ又は3つの周期的セルフテストのようなAED100のセルフテストの複数の周期性で起動することができる。監視デバイス300とAED100との間の同期を維持するため、監視デバイス300のクロックは、AED100のタイマと一致するように起動時に調整されてもよい。
【0050】
検出ステップ706において、起動された監視デバイスは、前の装置の説明の実施形態の1つに基づき、隣接するAED100のアナンシエータの動きを検出する。例えば、検出ステップ706は、ダイアフラム運動の光学的又は容量的検出、起動により誘発されるアナンシエータの温度変化検出、又はアナンシエータにより誘発されるAED100の機械的振動の検出であり得る。所定の時間内に検出が行われないと、方法は、対応する出力ステップ710に進むか、又は次のスケジュールされた起動までステップ714で低電力スタンバイモードに再突入する。
【0051】
オプションの比較ステップ708において、検出ステップ706からの検出された動きの特性が、前述の方法の1つにより、起動されたアナンシエータダイアフラムの既知の特性と比較される。比較ステップ708におけるハードウェアプロセッサ306が一致を決定する場合、生成ステップ710に対して起動が示される。
【0052】
生成ステップ710は、検出ステップ706及び/又は比較ステップ708に対応する出力信号を生成する。出力信号は好ましくは、関連付けられる無線送信機604へと監視デバイス300により提供され、この送信機604は、対応する無線通信信号を遠隔受信機に送信する。代替的に、出力信号は、作動性能の記録を維持するため、又はシステム電力を節約するため若しくは迷惑アラームを低減するために信号が遅延されることを可能にするため、コンピュータ記憶メモリ524に提供される。
【0053】
オプションの同期化ステップ712は、低電力スタンバイ動作モードに戻る前に、監視デバイス300により実行される。このステップでは、監視デバイス300は、周期的な情報IRDAメッセージ出力のような、検出された第2センサ318の出力の開始に基づき、次の「ウェイクアップ」起動を次のAED100のセルフテスト起動時間に調整する。
【0054】
前述の方法ステップを実行した後、監視デバイス300は、低電力スタンバイモードステップ714に入る際に低電力スタンバイ動作モードに戻り、次のスケジュールされた起動ステップ704を待つ。この方法は、AED及び/又は監視デバイス300が使用不能になった場合、ステップ716で終了することができる。
【0055】
図8は、AEDの準備状態を監視及び通信するためのシステム818の局所部分を示す。システム818は一般に、AED100と、AEDの外部に、AEDに隣接して配置された監視デバイス804とを含む。監視デバイス804は、AED100からの出力を検出する2つ以上のセンサを含み、これは、使用のためのAEDの準備状態を決定するために使用されることができる。
図8からわかるように、すべてのAED、監視要素、及び検出要素は、運搬ケース802に含まれる。監視デバイス804が、AED100及び使用に必要な他の付属品から外れるよう、ケースの蓋部分に保持される態様で、運搬ケース802は構成されることができる。
図8は、監視デバイス804が、空間内に収まるようなサイズにされるか、そうでなければ、スペアバッテリにより満たされることができることを示す。従って、基板316は、所望の空間に適切な大きさにされることができる。おそらく、監視デバイス804の監視及び通知機能は、スペアバッテリをデバイスに備える必要性を排除及び置き換えるであろう。
【0056】
監視デバイス804は、いくつかの態様で監視デバイス300及び監視デバイス502に類似していてもよい。監視デバイス804は、AED100の電源とは独立したバッテリ電源814で電力を供給されることができる。好ましくは、電源814は、AED電源にほぼ等しい通常の作動寿命を持ち、従って、監視デバイス804の機能が3年から5年の間で機能するような電源の大きさにされる。
【0057】
監視デバイス804はまた、前述した要素と同様のハードウェアプロセッサ810とスタンバイ回路及びクロック816とを含むことができる。スタンバイ回路及びクロック816は、バッテリ寿命を最大にするため、所定の時間及び所定の周期でハードウェアプロセッサ810を起動するよう作動可能である。一実施形態では、所定の周期性は、AED100の既知のセルフテスト周期性に対応する。ハードウェアプロセッサ810は更に、検出されたAEDウェイクアップ時間に基づき、所定の周期性をセルフテスト周期性と同期させるよう作動可能である。スタンバイ回路及びクロック816は、バッテリ寿命を最大化するため、所定期間外はハードウェアプロセッサ810を低電力スタンバイ動作モードに維持することが好ましい。
【0058】
同様に、アンテナを備える無線送信機812は、無線送信機604と同様であってもよい。AED状態出力部308はまた、前述した方法でハードウェアプロセッサ810から無線送信機812に通信されてもよい。ハードウェアプロセッサ810は、後の出力及び/又は無線送信のため、AED100の状態を示すデータを記憶するコンピュータ記憶メモリ524を含むことができる。
【0059】
図8はまた、監視デバイス804が、AEDブザー122と赤外線ポート118との両方に物理的に配置される必要はないことを示す。この実施形態では、ブザー122の起動は、ここでは異常インジケータとも呼ばれ、基板316に配置され、ブザー122のチャープを検出するマイクロフォンを含む異常インジケータセンサ806により検出されることができる。従って、異常インジケータセンサ806は、ブザー122の可聴範囲内に配置されるだけでよい。もちろん、異常インジケータセンサ806は、必要に応じてセンサ304と同様に構成されることができる。異常インジケータセンサ806は、ハードウェアプロセッサ810に起動インジケーションを提供する。
【0060】
パワーセンサ808は、監視デバイス804から離れて配置されることもできる。この実施形態では、パワーセンサ808は、除細動器からのIRDA出力を検出するよう構成されたセンサを有し、ケーブルを介してハードウェアプロセッサ810に通信可能に接続される。代替的に、パワーセンサ808は、AED100が通常の準備状態のためにそうする場合、準備ライト106の点滅を検出するよう構成された光センサを備える。異常インジケータセンサ806の他の実施形態は、LCD準備アイコンを検出するよう構成された光センサ、点滅インジケータライトを検出するよう構成された光電センサ、除細動器ディスプレイパネルを検出するよう構成されたカメラ、及び電気機械的状態インジケータ信号を検出するよう構成された磁気センサを含む。
【0061】
図6を参照すると、除細動器状態通信システムの局所部分は、前述の状態信号に対応する除細動器状態報告送信612を無線送信機812から送信することにより、遠隔部分と相互作用する。遠隔部分は、除細動器状態報告を受信するよう作動可能なリモート受信機610を持つ遠隔サービスプロバイダコンピュータである。好ましい実施形態では、遠隔サービスプロバイダコンピュータは、AED異常を示す状態報告を受信すると、是正措置を開始するためサービス警告メッセージを自動的に生成する。
【0062】
監視デバイス804は、異常インジケータ122と電源インジケータ118の両方を持つ除細動器の作動状態を検出する方法902に基づき作動する。この方法が
図9に示される。
【0063】
方法902は、前述した装置の実施形態に基づき、除細動器に隣接して配置された監視デバイスを提供するステップ904から始まる。監視デバイスは、除細動器異常インジケータに隣接して配置され、異常インジケータの起動を検出するよう作動可能な異常インジケータセンサと、除細動器の電源インジケータに隣接して配置され、電源インジケータの起動を検出するよう作動可能なパワーセンサと、異常インジケータセンサ及びパワーセンサの両方と電気通信するハードウェアプロセッサと、除細動器の作動状態を示す信号を提供するため、上記ハードウェアプロセッサと通信する出力部とを含むことができる。いくつかの実施形態では、斯かる方法は、監視デバイスハードウェアプロセッサと通信する送信機を提供するステップを更に含むことができる。アーカイブ又は後の送信のため、除細動器の状態情報を保持するオプションのメモリ524が、前述のように提供されてもよい。
【0064】
提供するステップ904は、システムを一緒に組み立て、その作動を開始することにより完了される。その作動を開始する1つの部分は、監視デバイス300及び除細動器の「ウェイクアップ」処理を同期させることであってもよい。これは、監視デバイスのクロックを設定することにより手動で、又は次の除細動器のウェイクアップを検出するまで監視デバイスを作動させることにより自動的に行われることができる。その時及び初期チェックに続いて、監視デバイスは、ほぼ次の所定の及び予定された除細動器のウェイクアップまで、低電力のスタンバイ動作モードに入ることができる。
【0065】
所定のスケジュールによる監視が、ステップ906で始まる。監視デバイス804は好ましくは、隣接する除細動器の予定された起動の直前にそれ自体を起動する。次いで、監視デバイス804は、所定の期間の間隔にわたって検出を開始し、異常インジケータセンサ806及びパワーセンサ808は、除細動器異常インジケータ及び電源インジケータからの出力をそれぞれ検出する。1つの例示的な所定の期間は、1日あたり即ち24時間ごとに約8秒である。いずれの場合にも、監視デバイス804が異常インジケータ及び電源インジケータの周期的な起動を検出することが保証されるよう、時間間隔が選択されるべきである。もちろん、特定の時間期間は、除細動器の予定されたセルフテスト起動時間に対応するような、基礎となる除細動器における所定のスケジュールに依存する。
【0066】
代替的な実施形態では、異常インジケータセンサに関する所定の期間は、パワーセンサに関する第2の所定の期間に完全に対応していなくてもよい。この代替的なスケジュールは、監視デバイスにおけるバッテリ電力節約の理由、又はより迅速な異常検出にとって望ましい場合がある。例えば、監視デバイス804は、より頻繁だが期間を短くして作動し、異常インジケータ「チャープ」を検出することができる。しかし、監視デバイス804はまた、他の時間だがより長い持続時間作動し、電力供給センサから出るメッセージストリームを検出することができる。
【0067】
作動中、監視デバイス804は、3つの異なる状態を監視することができる。チャープ異常検出、電源異常検出、及び完全に死んでいる除細動器(completely dead defibrillator)を示す場合のある時間期間、除細動器から検出される出力の欠如である。
【0068】
チャープ検出ステップ908において、異常インジケータセンサは、所定時間の間、異常インジケータの起動又は起動の欠如を検出する。検出された起動は、異常インジケータの単一のチャープ又は複数のチャープであってもよく、これは、チャープタイプステップ910で追加的に検出される。トリプルチャープ3xは、除細動器が異常であり、救助のためには作動不能であることを示すことができる。単一のチャープ1xは、除細動器が救助のために使用され得るが、是正処置が必要であることを示し得る。異常インジケータの起動、タイプ、又はその欠如に関する情報が、ハードウェアプロセッサ810に提供される。
【0069】
電源インジケータ検出ステップ912において、パワーセンサは、デバイススケジューリングに基づき、所定の期間又は第2の所定の期間のいずれかの間、電源インジケータの起動又は起動の欠如を検出する。パワーセンサは、点滅する光除細動器電源インジケータを検出するよう構成された光センサを有することができる。パワーセンサは、パワーセンサ出力において符号化されたIRDAメッセージのような電源インジケータ異常インジケーションを捕捉するよう構成されることもできる。電源インジケータの起動、メッセージタイプ、又はその欠如に関する情報が、ハードウェアプロセッサ810に提供される。
【0070】
監視される除細動器は完全に機能しないが、結果的に異常表示が全くないか、又はモニタデバイスと除細動器との間の同期エラーが発生して異常検出を防止する可能性がある。これらの場合、監視デバイス804は、任意の異常インジケーションの欠如を「良好な」除細動器を示すものとして誤って解釈する可能性が更にある。デッドバッテリ検出ステップ922は、斯かるエラーが発生しないことを保証する。所定の時間期間中にチャープ検出ステップ908及び電源インジケータ検出ステップ912の両方で起動が検出されない場合、バッテリ異常状態が示される。
【0071】
オプションで、ハードウェアプロセッサ810は、確認ステップ914において、バッテリ異常状態を確認するため、監視デバイス804を起動したままに保持することができる。従って、監視デバイス804は、24時間といった第3の所定の期間、又は除細動器からの信号が受信されるまで、除細動器信号を連続的に監視する。
【0072】
この第3の長期間にわたって検出される任意の起動又はその欠如に関する情報は、ハードウェアプロセッサ810に提供される。電源814信号又は異常インジケータ信号が、同期エラーステップ916で監視デバイス804により検出されない場合、デッドバッテリ状態が存在する。監視デバイス804は、対応する状態出力信号を生成する。
【0073】
他方、監視デバイス804が同期エラーステップ916で電源インジケーションを検出する場合、除細動器と監視デバイスとの間の同期エラーが示される。同期エラーステップ916で検出されたインジケーションは、同期ステップ924でルーチンを開始して、除細動器のセルフテストスケジュールを監視デバイス804の起動スケジュールに対応させる。次に、この方法は、次のスケジュールされた起動の準備として監視ステップ906に戻る。
【0074】
除細動器の作動状態902を検出する方法は、状態出力信号生成ステップ918に進む。これは、除細動器の異常又は故障の1つ又は複数のインジケーションを受信させる。前述したように、チャープ検出、パワーセンサ検出、又は両方のセンサからの検出の欠如が確認されたことに基づき、ステップ918で除細動器の異常作動状態出力信号が生成される。出力信号の性質は、光又は可聴アラームのような監視デバイス804における局所的なインジケーションであってもよい。好ましくは、ステップ918は、異常状態メッセージを遠隔サービスプロバイダに送信する送信ステップを更に有する。斯かる送信は、スマートフォンのような中間送信デバイスへの有線電話、インターネット送信、無線電話送信、又は無線短距離送信(例えば、Bフィールド、Bluetooth(登録商標)、近距離通信NFC)などの従来において知られる1つとすることができる。
【0075】
終了ステップ920は、アーカイブして後で検索するため、作動状態メッセージをデバイスメモリ524に入れることを含むことができる。一般的に、この方法はその後、監視ステップ906に戻り、スケジュールに従ってプロセスを繰り返す。