(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】カバー
(51)【国際特許分類】
E01D 24/00 20060101AFI20220120BHJP
B28D 1/22 20060101ALI20220120BHJP
B28D 7/02 20060101ALI20220120BHJP
E04G 23/08 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E01D24/00
B28D1/22
B28D7/02
E04G23/08 D
(21)【出願番号】P 2019069488
(22)【出願日】2019-03-30
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】596118530
【氏名又は名称】テクノス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502345278
【氏名又は名称】株式会社誠和ダイア
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】西川 寧
(72)【発明者】
【氏名】森田 栄治
(72)【発明者】
【氏名】谷内 健治
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝
(72)【発明者】
【氏名】田近 正春
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3210349(JP,U)
【文献】特開2010-030074(JP,A)
【文献】特開2018-145797(JP,A)
【文献】特開昭63-251574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0192389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00-24/00
B28D 1/00-7/04
E04G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーソーを有した切断装置のワイヤーソー及びワイヤーソーをガイドするガイド手段を覆うように構成された
カバーであって、
カバーの一方向に延長する開口と、ワイヤーソー側に位置するカバーの内側における開口の幅方向の両側の位置に開口の延長方向に沿って設けられたレールと、レール上を移動可能な移動手段を有した取付部とを備え、
吸引装置と吸引装置に一端が連結された吸引ホースとを備えた吸引手段における当該吸引ホースの他端側、及び、冷却装置と冷却装置に一端が連結された冷却媒体供給用ホースとを備えた冷却手段における当該冷却媒体供給用ホースの他端側のうちの少なくとも一方の他端側が、開口を介してカバーの内側に導かれて取付部に取付けられたことを特徴とするカバー。
【請求項2】
ワイヤーソーによる切断動作中の状況を目視可能な窓を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカバー
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーソーを有した切断装置のワイヤーソーを覆うカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、橋梁のコンクリート構造物としてのコンクリート床版(以下、床版という)を更新する工事においては、現存の桁を再利用することから、桁の上面に取付けられた古い床版を切断して撤去し、新しい床版と桁とを接合するようにしている。
当該橋梁の床版を更新する際の解体工事においては、桁の上面に取付けられた床版と桁の上面との境界近傍部分を、ワイヤーソーを備えた切断装置を用いて切断する切断方法が知られている。
例えば、当該切断装置を、床版の上面、即ち、道路の上面側に設置して切断する方法(特許文献1参照)、あるいは、切断装置を床版の下面側に設置して切断する方法(特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-145797号公報
【文献】特開2018-145668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1;2に開示された切断装置によれば、ワイヤーソーが露出し、また、切断中に発生した塵が周囲に拡散するため、安全性の面で問題がある。
本発明は、安全性を確保できるようにしたカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るカバーは、ワイヤーソーを有した切断装置のワイヤーソー及びワイヤーソーをガイドするガイド手段を覆うように構成されたカバーであって、カバーの一方向に延長する開口と、ワイヤーソー側に位置するカバーの内側における開口の幅方向の両側の位置に開口の延長方向に沿って設けられたレールと、レール上を移動可能な移動手段を有した取付部とを備え、吸引装置と吸引装置に一端が連結された吸引ホースとを備えた吸引手段における当該吸引ホースの他端側、及び、冷却装置と冷却装置に一端が連結された冷却媒体供給用ホースとを備えた冷却手段における当該冷却媒体供給用ホースの他端側のうちの少なくとも一方の他端側が、開口を介してカバーの内側に導かれて取付部に取付けられたことを特徴とするので、安全性を確保でき、かつ、ワイヤーソーにより切断中に発生した塵を効率的に吸引できるとともに、ワイヤーソーによる切断箇所に効率的に冷却媒体を供給できるようになるので、効率的な切断作業を実現できるようになる。
また、ワイヤーソーによる切断動作中の状況を目視可能な窓を備えたことを特徴とするので、ワイヤーソーによる切断動作中の状況を、カバーの外側から、安全、かつ、容易に確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】床版の下面に取付けられた切断装置及びカバーを床版の上方から見た平面図。
【
図2】床版の下面に取付けられた切断装置及びカバーを
図1の右側から見た側面図。
【
図3】床版の下面に取付けられた切断装置及びカバーを
図1の下側から見た正面図。
【
図4】従動プーリを示す図であって、(a)は無頭ボルトによる回転中心軸を備えたプーリを示す断面図、(b)は有頭ボルトによる回転中心軸を備えたプーリを示す断面図。
【
図5】取付手段を示す図であって、(a)は第1取付部材を示す斜視図、(b)は第2取付部材を示す斜視図。
【
図6】床版の下面に取付けられた第1取付部材及びカバーの拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
実施形態1に係る構造物の切断方法及び切断装置を、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
尚、
図1は橋梁の床版を更新する際の解体工事において、床版の下面に取付けられた切断装置を床版の上方から見た平面図であるので、床版の下方に位置する切断装置、桁、カバーは、本来、点線で示すべきであるが、構成を明確に表すため実線で示した。
【0008】
実施形態1に係る構造物の切断方法は、例えば、橋梁の床版を更新する際の解体工事において、
図3に示すように、ワイヤーソー10を備えた切断装置1を用いて、桁2の上面2tにずれ止め2K等の定着部材を介して取付けられた構造物としての鉄筋コンクリート製の床版3と桁2の上面2tとの境界近傍における床版3の切断対象部位3Aを切断する場合に、切断装置1を床版3の下面3uに取付けて切断装置1を床版3に支持させた状態でワイヤーソー10を駆動して、床版3における桁2の上面2tとの境界近傍部分である切断対象部位3Aを切断するようにしたことにより、切断装置1を床版3の下面3u側に設置して床版3を切断できるとともに、切断して撤去する部分以外の再利用する部分である桁2を損傷する可能性を低くできるようにした切断方法である。
尚、切断対象部位3Aは、例えば、桁2の上面2tの幅方向両端側より上方に向けて傾斜する傾斜下面3utに形成された床版3のハンチ(テーパ)部分における桁2の上面2tとの境界近傍部分である。
また、床版3の下面3uは、ハンチ部分の傾斜下面3ut以外の下面である。
尚、本明細書において、幅方向は、
図1,
図3,
図8において「W」で示した方向、上下方向は、
図2,
図3,
図8において「上下」で示した方向と定義して説明する。
また、
図2,3において、符号4は足場板などの作業台である。
【0009】
切断装置1は、ワイヤーソー10と、ワイヤーソー10のガイド部と、ワイヤーソー10の駆動装置と、ガイド部及び駆動機構を床版3の下面3uに取付けるための取付手段とを備える。
【0010】
ワイヤーソー10は、例えば、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだビーズを一定間隔に装着した無端環状のワイヤー(ダイヤモンドワイヤー)により構成される。
【0011】
切断装置1は、ワイヤーソー10が、例えば、床版3の切断対象部位3Aであるハンチ部分の一方の傾斜下面3utと他方の傾斜下面3utとに亘って貫通するように形成された貫通孔3aに通されるとともに、駆動プーリ20、複数の従動プーリに掛け渡されて無端環状に構成され、駆動プーリ20が回転しながら移動してワイヤーソー10を牽引することにより、ワイヤーソー10がコンクリート部分に食い込んで切断対象部位3Aを切断するように構成されている。
【0012】
ワイヤーソー10のガイド部は、ガイド手段と、ガイド手段を支持する支持手段とを備える。
【0013】
ガイド手段は、例えば、駆動プーリ20と、複数の従動プーリ群とを備える。
【0014】
複数の従動プーリ群は、例えば
図1,
図2に示すように、ワイヤーソー10を切断方向にガイドする切断側配列プーリ群21と、ワイヤーソー10の循環経路を構成する切断方向に沿った切断側経路と駆動側経路との境界に設けられた少なくとも2つの経路変換用プーリ22,22と、ワイヤーソー10を駆動側にガイドする駆動側配列プーリ群23とを備える。
切断側配列プーリ群21は、例えば
図1に示すように、桁2の上面2tの幅方向両側において、桁2の上面2tの延長方向に沿って間隔を隔てて配置された2個のプーリ、即ち、合計4個の従動プーリ25,25…により構成される。尚、切断側配列プーリ群21、及び、駆動側配列プーリ群23を構成する従動プーリの数は、複数個であればよい。
【0015】
切断側配列プーリ群21を構成する複数の各従動プーリ25,25…は、例えば
図4(a)に示すように、回転中心軸25aと、回転中心軸25aを回転中心として回転可能なように設けられたプーリ本体(回転体)25bと、回転中心軸25aとプーリ本体25bとの間に位置されるように、プーリ本体25bの中心孔に組み込まれたベアリング25cとを備え、回転中心軸25aがブラケット25Zに固定された構成である。
尚、当該従動プーリ25は、
図4(a)に示すように、回転中心軸25aとして無頭のボルトを使用し、当該回転中心軸25aの上端(一端)がプーリ本体25bの上面25rより上方に突出しないように構成されている。そして、当該回転中心軸25aの上端(一端)には、ベアリング押さえとして機能する低頭ねじ25dの雄ねじ部25eが螺着される雌ねじ部25fが形成されている。
当該従動プーリ25は、例えば、ブラケット25Zを介して後述する支持体28の延長方向に固定位置を変更できるように当該支持体28に固定される。例えば、従動プーリ25がブラケット25Zに固定され、当該ブラケット25Zが支持体28の延長方向に固定位置を変更できるよう図外のねじ等を用いて当該支持体28に固定される(
図6参照)。
【0016】
即ち、ブラケット25Zに形成された貫通孔25gに回転中心軸25aの他端側を貫通させて当該回転中心軸25aの他端側のねじ部に座金25hを挿入してナット25iを締結することにより、回転中心軸25aをブラケット25Zに固定する。そして、回転中心軸25aの一端側から当該回転中心軸25aに、スペーサ25jを挿入した後、ベアリング25cが組み込まれたプーリ本体25bを挿入し、その後、回転中心軸25aの一端(上端)に低頭ねじ25dを締結することにより、ブラケット25Zに固定された従動プーリ25が構成される。
尚、プーリ本体25bの円形外周面には、ワイヤーソー10が挿入されてワイヤーソー10を循環移動させるためのガイド溝25mが形成されている。
また、低頭ねじ25dの低頭部25tの上面の中心には、六角レンチ等の工具を挿入して低頭ねじ25dを回転させるための工具挿入孔25kが形成されている。
【0017】
駆動側配列プーリ群23を構成する複数の各従動プーリ27,27…、及び、経路変換用プーリ22は、通常構成のプーリを使用すれば良い。
即ち、従動プーリ27,22は、例えば
図4(b)に示すように、回転中心軸として有頭のボルト27aが使用された構成のプーリを用いればよい。
即ち、当該従動プーリ27,22は、ボルト27aを、ベアリング押さえ27cの中心孔、ベアリング25cが組み込まれたプーリ本体25bにおける軸受孔、スペーサ25jの中心孔、ブラケット25Zの貫通孔25gに貫通させた後、ボルト27aの先端側に座金25hを挿入してナット25iを締結することにより構成される。
尚、駆動側配列プーリ群23を構成する複数の各従動プーリ27,27…、及び、経路変換用プーリ22として、
図4(a)に示した構成のプーリを使用しても良い。
【0018】
従動プーリ25の低頭ねじ25dの低頭部25tの高さ寸法h1(
図4(a)参照)は、プーリ27,22の回転中心軸を構成する有頭のボルト27aの頭部27bの高さ寸法h2(
図4(b)参照)よりも小さい。
即ち、切断側配列プーリ群21を構成する複数の各従動プーリ25,25…は、プーリ本体25bの上面25rから上方への突出量が、プーリ27,22と比べて小さくなるように構成されている。
【0019】
支持手段は、切断側配列プーリ群21を構成する各従動プーリ25,25…を支持する第1支持装置と、駆動側配列プーリ群23を構成する各従動プーリ27,27…、2つの経路変換用プーリ22,22、駆動プーリ20、及び、ワイヤーソー10の駆動装置を支持する第2支持装置と、経路変換用プーリ22を支持する第3支持装置とを備える。
【0020】
第1支持装置は、例えば
図1に示すように、床版3の下面3uよりも下方において床版3の下面3uに沿って延長するように設けられた複数本の支持体28,28により構成される。
第2支持装置は、例えば
図2に示すように、床版3の下面3uよりも下方において床版3の下面3uに沿って延長するように設けられた複数本の支持体28,28と、垂直方向に延長するように設けられた複数本の支持体29,29とが組み合わされた支持枠289により構成される。
第3支持装置は、例えば
図3,
図5(b)に示すように、支持体29に対して上下方向に移動可能に設けられた支持体30により構成される。
支持体28,29,30は、例えば、断面矩形状の金属管等の長尺材により形成される。
【0021】
ワイヤーソー10の駆動装置は、駆動プーリ20と、駆動プーリ20を回転させるとともに、駆動プーリ20を直線往復移動させる駆動制御装置32とを備えて構成される。
駆動制御装置32は、例えば、駆動プーリ20の回転中心軸20Cに連結された回転駆動源としての図外のプーリ回転用モータ、駆動プーリ20の回転中心軸20Cを回転可能に支持する図外の軸受、駆動プーリ20を支持体29に沿って上下方向に往復動させる直線移動機構33とを備える。
【0022】
直線移動機構33は、例えば、支持体29側に設けられた図外のラックと、筐体側に設けられてラックと噛み合う図外のピニオンと、ピニオンを回転させる駆動源としての図外のプーリ移動用モータ(例えば油圧モータ)と、当該プーリ移動用モータの制御回路等とを備えて構成される。
即ち、ピニオンを回転させることで、ラックの延長方向、即ち、支持体29の上下延長方向に駆動プーリ20が往復動可能となるように構成されている。
【0023】
ガイド部及び駆動機構を床版3の下面3uに取付けるための取付手段は、第1支持装置を構成する複数本の支持体28,28を床版3の下面3uに取付けるための複数の第1取付部材41,41…と、第2支持装置を構成する支持枠289、及び、第3支持装置を構成する支持体30を床版3の下面3uに取付けるための複数の第2取付部材42とを備える。
【0024】
第1取付部材41は、例えば、
図5(a),
図6に示すように、床版3の下面3uにアンカーボルト40等で取付けられる床側取付部材43と、支持体28に取付けられる支持体側取付部材44とを備え、支持体側取付部材44が床側取付部材43の上下延長板43bに対して上下方向に移動可能となるように取付けられていることにより、支持体28の上下を位置調整して従動プーリ25の上下位置を調整可能な上下位置調整機構を備えた構成となっている。構成されている。
即ち、第1取付部材41は、ガイド手段としての従動プーリ25を床版3の下面3uに固定するとともに、従動プーリ25の上下位置を調整するための上下位置調整機構を備えた構成となっている。
【0025】
床側取付部材43は、アンカーボルト40等で床版3の下面3uに固定される固定板43aと、固定板43aの板面より当該板面と直交する下方に延長する上下延長板43bと、上下延長板43bの下端より上下延長板43bの板面と直交する方向に延長する落下防止板43cとを備える。
固定板43aにはアンカーボルト40を貫通させる貫通孔43dが形成され、上下延長板43bには上下延長板43bの延長方向に延長するように形成された長孔43eが形成され、落下防止板43cには上下調整用のねじ47が螺着される貫通ねじ孔44f(
図6参照)が形成されている。
【0026】
支持体側取付部材44は、図外のブラケット及びボルト,ナット等の連結具で支持体28に連結された連結板44aと、連結板44aの一端より連結板44aの板面と直交する方向に延長して板面と上下延長板43bの板面とが接触した状態で上下延長板43bに連結される上下移動連結板44bとを備える。上下移動連結板44bには、連結ボルト45が貫通する貫通孔44c(
図6参照)が形成されている。
【0027】
第1取付部材41は、支持体側取付部材44の上下移動連結板44bの上端が床側取付部材43の固定板43a側に位置されるように、上下移動連結板44bの板面と床側取付部材43の上下延長板43bの板面とを接触させ、かつ、支持体側取付部材44の連結板44aの下面を形成する板面と落下防止板43cの上面を形成する板面とを対向させた状態で、連結ボルト45を上下移動連結板44bの貫通孔44c及び上下延長板43bの長孔43eに通して、長孔43eより突出する連結ボルト45の先端側にナット46を締結することにより、支持体側取付部材44と床側取付部材43とが連結される。
そして、上下調整用のねじ47を、例えば、二重ナット48,49のねじ孔及び落下防止板43cの貫通ねじ孔44fに貫通させて、ねじ47の先端47t(
図6参照)を連結板44aの下面を形成する板面に接触させることにより、第1取付部材41が構成される。
【0028】
従って、当該第1取付部材41の固定板43aがアンカーボルト40等で床版3の下面3uに固定されたことによって、支持体28,28が床版3に固定され、切断側配列プーリ群21を構成する複数の各従動プーリ25,25…が床版3に支持された構成となる。
そして、当該第1取付部材41が床版3に固定された状態で、連結ボルト45の先端側に締結されたナット46を緩めて、上下調整用のねじ47を上下動させることにより、連結板44aに連結された支持体28、及び、支持体28にブラケット25Zを介して固定された従動プーリ25の上下位置を調整できるようになる。
【0029】
例えば、
図1の左側の3つの第1取付部材41の上下位置調整機構を調整して、
図1の左側の支持体28のレベルを調整することによって、当該支持体28上にブラケット25Zを介して固定された
図1の左側の2つの従動プーリ25,25を切断面上に位置させることができる。
また、
図1の右側の3つの第1取付部材41の上下位置調整機構を調整して、
図1の右側の支持体28のレベルを調整することによって、当該支持体28上にブラケット25Zを介して固定された
図1の右側の2つの従動プーリ25,25を切断面上に位置させることができる。
【0030】
そして、上下位置調整が完了したら、連結ボルト45の先端側のナット46を締結するとともに、二重ナット48,49を締結することにより、従動プーリ25の上下位置が固定されることになる。
即ち、当該第1取付部材41は、従動プーリ25がブラケット25Zを介して連結された連結板44aを上下移動可能とした、長孔43e、連結ボルト45,ナット46,上下調整用のねじ47等を有し、従動プーリ25の上下位置を調整可能とした上下位置調整機構を備えている。
【0031】
支持枠289、及び、支持体30を床版3の下面3uに取付けるための第2取付部材42は、例えば、
図5(b),
図3に示すように、床版3の下面3uにアンカーボルト40等で取付けられる床側取付部材50と、ボルト51と、ボルト51の延長方向に移動自在となるようボルト51に連結された支持体側取付部材52とを備える。
床側取付部材50にはアンカーボルト40を貫通させる貫通孔50aが形成され、支持体側取付部材52にはボルト51を貫通させるための貫通孔52aが形成されている。
【0032】
例えば、
図5(b)に示すように、ボルト51の上端(一端)が例えば床側取付部材50の下面に溶接された袋ナット56等の連結具によって床側取付部材50に連結され、ボルト51の下端(他端)を、ナット53のねじ孔、床側取付部材50の貫通孔50a、ナット54のねじ孔、ナット55のねじ孔に貫通させることにより、第2取付部材42が構成される。
そして、支持枠289の支持体29の上端(一端)が図外のブラケット及びボルト,ナット等の連結具によって床側取付部材50の下面に連結される。
また、支持体30がスライダ31を介して支持体29に上下方向に移動可能に取付けられており、当該スライダ31と支持体側取付部材52とが例えばブラケット57等の連結具を介して連結される。
さらに、
図3に示すように、経路変換用プーリ22が、ブラケット22Zを介して支持体30に連結される。
【0033】
従って、当該第2取付部材42の床側取付部材50がアンカーボルト40等で床版3の下面3uに固定されたことによって、支持枠289,支持体30が床版3に固定され、駆動側配列プーリ群23を構成する各従動プーリ27,27…、2つの経路変換用プーリ22,22、駆動プーリ20、及び、ワイヤーソー10の駆動装置が、床版3に支持された構成となる。
そして、当該第2取付部材42が床版3に固定された状態で、経路変換用プーリ22が、ブラケット22Z,支持体30,スライダ31,ブラケット57を介して連結された支持体側取付部材52を上下移動させることによって、経路変換用プーリ22の上下位置を調整できるようになる。
即ち、当該第2取付部材42は、経路変換用プーリ22が連結された支持体側取付部材52を上下移動可能としたボルト51とナット53,54,55とを有し、経路変換用プーリ22の上下位置を調整可能とした上下位置調整機構を備えている。
【0034】
従って、第1取付部材41の上下位置調整機構、及び、第2取付部材42の上下位置調整機構を操作することで、ガイド手段としての従動プーリ25,22の上下位置を調整し、これら従動プーリ25,22に掛け渡されるワイヤーソー10を切断面上に位置させることができ、予定の切断対象部位3Aを正確に切断できるようになる。
【0035】
実施形態1の切断方法によれば、切断装置1が床版3の下面3uに固定された状態で、プーリ回転用モータとプーリ移動用モータとを駆動させて、駆動プーリ20を回転させて複数の従動プーリと駆動プーリ20とに掛け渡されたワイヤーソー10を循環移動させるとともに、駆動プーリ20を上下方向に移動させてワイヤーソー10を牽引することによって、ワイヤーソー10が切断対象部位3Aのコンクリートに食い込むので、コンクリートが切断される。
この際、取付手段としての第1取付部材41及び第2取付部材42の上下位置調整機構により、切断対象部位3Aに合わせて従動プーリ25,22の上下位置を調整することができ、予定の切断対象部位3Aを正確に切断できるようになる。
【0036】
尚、ワイヤーソー10による切断動作が進行するにつれて
図1のワイヤーソー10の下側の部分が
図1の上方側に移動する。そして、ワイヤーソー10の下側の部分が
図1の下側の両方の従動プーリ25,25の位置まで到達したならば、ワイヤーソー10の駆動を停止してワイヤーソー10の
図1の下側の部分を下側の両方の従動プーリ25,25から外して、下側の両方の従動プーリ25,25を
図1の下方に移動させた後に、ワイヤーソー10の駆動を再開する。その後、ワイヤーソー10が
図1の左上側の従動プーリ25に到達したならば、ワイヤーソー10の駆動を停止してワイヤーソー10の
図1の左上の部分を左上の従動プーリ25から外して、当該左上の従動プーリ25を
図1の上方に移動させた後に、ワイヤーソー10の駆動を再開することにより、
図1の下の貫通孔3aから上の貫通孔3aまでの間の床版3の切断対象部位3Aを切断できる。
そして、所定範囲の床版3を桁2から切り離した後、当該切り離した床版3をクレーンで楊重可能な適当な大きさに分割して、クレーンで撤去する。
【0037】
以上説明したように、実施形態1の切断方法によれば、桁2の上面2tに取付けられた床版3と桁2の上面2tとの境界近傍における床版3の切断対象部位3Aとなるコンクリート部分をワイヤーソー10を有した切断装置1を用いて切断する際に、ワイヤーソー10の駆動機構及びガイド手段を床版3の下面3uに取付けた状態で、ワイヤーソー10を駆動することにより、床版3の切断対象部位3Aを切断するようにした。
即ち、実施形態1の切断方法によれば、切断装置1を床版3の下面3uにのみ取付けた状態でワイヤーソー10を駆動することにより、床版3と桁2の上面2tとの境界近傍における床版3の切断対象部位3Aを切断するようにしたので、床版更新工事において、切断装置1を床版3の下面3u側に設置して床版3を切断することにより、床版3の周辺の利用、すなわち、道路の利用を損なうことなく、かつ、切断して撤去する部分以外の再利用する部分である桁2を損傷する可能性を低くできるようになる。
【0038】
また、実施形態1の切断装置1によれば、ガイド手段は、ワイヤーソー10が掛け渡される複数のプーリ(従動プーリ群、及び、駆動プーリ)により構成されたので、予定の切断位置にワイヤーソー10を精度良く案内できるようになる。
尚、ガイド手段が、切断動作中のワイヤーソー10の下面と接触する回転可能な円周面を有したローラコンベヤやガイドローラ等のローラを備えた構成としてもよい。
また、実施形態1では、プーリ、ローラコンベヤ、ガイドローラ等のガイド手段を、桁2の幅方向の両方の端縁に沿った位置にそれぞれ設けるようにした例を示したが、当該ガイド手段を、桁2の幅方向の両方の端縁のうちの一方の端縁に沿った位置にのみ設けるようにしてもよい。
【0039】
また、実施形態1の切断装置1によれば、ワイヤーソー10と、ワイヤーソー10の駆動機構と、ワイヤーソー10をガイドするガイド手段としての駆動プーリ20及び従動プーリ群と、ガイド手段及び駆動機構を床版3の下面3uに取付けるための取付手段としての第1取付部材41及び第2取付部材42を備えたので、床版更新工事において、床版3の下面3u側に設置して床版3を切断できるようになり、床版3の周辺の利用、すなわち、道路の利用を損なうことなく、かつ、切断して撤去する部分以外の再利用する部分である桁2を損傷する可能性を低くできる切断装置を提供できる。
【0040】
また、実施形態1の切断装置1によれば、ワイヤーソー10をガイドするガイド手段としての従動プーリ25,22を備え、取付手段としての第1取付部材41及び第2取付部材42が従動プーリ25,22の上下位置を調整する上下位置調整機構とを備えたので、第1取付部材41及び第2取付部材42により切断装置1が床版3の下面3uに固定された状態で、従動プーリ25の上下位置と経路変換用プーリ22の上下位置とを揃えることができるので、ワイヤーソー10による切断位置のレベル(上下高さ位置)を自由に設定できるようになる。
例えば、桁2と桁2とを接続する添接板が設置された添接板設置区間において、当該添接板及び添接板を固定するボルト等の支障物を逃げるように従動プーリ25を上方位置に設定できるようになり、桁2を損傷する可能性が低くなる。
【0041】
また、実施形態1の切断装置1によれば、従動プーリ25の回転中心軸25aの上端が当該プーリ25の上面25rより上方に突出しないように構成され、当該回転中心軸25aの上端には、ベアリング押さえとして機能する低頭ねじ25dが設けられたので、プーリ25(プーリ本体25b)の上面25rから上方への突出量が、通常構成のプーリ27,22と比べて小さくなる。
従って、例えば、従動プーリ25を、床版3のハンチ(テーパ)部分の傾斜下面3utの下方に位置させる場合において、上述した添接板設置区間で上述した添接板やボルト等の支障物を逃げるように従動プーリ25を上方に設置したい場合に、従動プーリ25を床版3の傾斜下面3utや下面3uにより近付けることができるようになって、上述した添接板やボルト等の支障物よりも上方の位置を切断できるようなり、桁2を損傷する可能性が低くくなる。
即ち、従動プーリ25を床版3の傾斜下面3utや下面3uにより近付けることができるようになり、切断対象部位を決める際の設定範囲の自由度が増すという効果が得られる。
【0042】
尚、添接板やボルト等の支障物を逃げるようにプーリを上方に設置できない場合、当該添接板やボルト等の支障物を切断しないように、ワイヤーソーによる切断動作を中止させたりする必要があり、作業効率が悪くなる。
一方、実施形態1に係る切断装置1によれば、従動プーリ25,22の上下位置を調整可能とする上下位置調整機構、及び、低頭ねじ25dを備えた従動プーリ25を用いて従動プーリ25を床版3の傾斜下面3utや下面3uにより近付けることができるようにした構成を備えているので、上述した添接板やボルト等の支障物を逃げるように従動プーリ25を設置できるようになり、ワイヤーソー10による切断動作を中止させることなく、効率的に切断作業を行えるようになる。
【0043】
以下、上述した切断装置1のワイヤーソー10を覆うように設置される実施形態1に係るカバーについて、
図1乃至
図3、
図6乃至
図8に基づいて説明する。
【0044】
カバー6は、ワイヤーソー10、切断対象部位3A、切断側配列プーリ群21を構成する複数の各従動プーリ25,25…、従動プーリ25を支持する支持体28の外側を囲むように設置されて、第1取付部材41を介して取付部としての床版3の下面3uに着脱可能に構成される。
カバー6は、例えば、
図1,
図3に示すように、桁2の上面2tの幅方向両側において、それぞれ、桁2の上面2tの延長方向に沿って延長するように2つ設けられている。
つまり、桁2の形成するH形鋼のウェブを境界として、桁2の上面2tを形成するH形鋼のフランジの幅方向両側に設けられたハンチ部分と対向するように、それぞれ個別に、カバー6,6が設けられる。
即ち、各カバー6,6は、床版3の切断対象部位3Aに沿うように、桁2の上面2tの延長方向に沿って延長するように配置された支持体28と、当該支持体28に取付けられた従動プーリ25,25と、床版3の切断対象部位3Aと、ワイヤーソー10を覆うように設置される。
【0045】
カバー6は、例えば、第1取付部材41の固定板43aを床版3の下面3uに固定するアンカーボルト40を貫通させる貫通孔が形成された図外の取付板を後述する垂直壁部6aの上端6t側に備えて第1取付部材41と一緒に床版3の下面3uに固定される構成、あるいは、第1取付部材41の固定板43aの下面に後述する垂直壁部6aの上端6t側が溶接されて第1取付部材41と一体とされた構成とすればよい。
【0046】
図6,
図8に示すように、カバー6は、垂直壁部6aと、水平床部6bと、水平床部6bの一端と垂直壁部6aの下端とを繋ぐ傾斜壁部6cと、一端壁部6x(
図1,
図2参照)、他端壁部6y(
図1,
図2参照)とを備える。
垂直壁部6aは、桁2の延長方向及び上下方向に延長する板により形成される。
水平床部6bは、桁2の延長方向及び桁2の上面2tの幅方向に延長する板により形成される。
傾斜壁部6cは、桁2の延長方向及び上下傾斜方向に延長する板により形成される。
一端壁部6x及び他端壁部6yは、桁2の上面2tの幅方向及び上下方向に延長する板により形成される。
尚、以後、カバー6の説明において、桁2の延長方向に沿った方向を、長手方向という。
【0047】
例えば、カバー6は、桁2の延長方向と対応する長手方向に長い長尺板の短手方向における、垂直壁部6aと傾斜壁部6cとの境界部、及び、傾斜壁部6cと水平床部6bとの境界部を折曲げることにより、垂直壁部6aと傾斜壁部6cと水平床部6bとが形成され、長手方向に沿ったこれら垂直壁部6a、傾斜壁部6c、水平床部6bの一端より延長してこれら垂直壁部6a、傾斜壁部6c、水平床部6bの板面と直交する板面を有した一端壁部6xと、長手方向に沿ったこれら垂直壁部6a、傾斜壁部6c、水平床部6bの他端より延長してこれら垂直壁部6a、傾斜壁部6c、水平床部6bの板面と直交する板面を有した他端壁部6yとを備えた構成である。
尚、桁2の上面2の幅方向両側に設けられた各カバー6,6の水平床部6b,6bの他端には、桁2を形成するH形鋼のウェブの板面との間の隙間を塞ぐための塞板6g(
図3参照)が設けられる。この塞板6gは、各現場において固定されるカバー6の水平床部6bの他端と桁2のウェブとの間の間隔に対応した幅のものを後付けすればよい。
【0048】
図8に示すように、傾斜壁部6cには、長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の窓用開口6h,6h…が形成され、この窓用開口6hを開閉可能なように設けられた開閉可能板6c2を備える。
即ち、傾斜壁部6cは、長手方向に沿って所定間隔を隔てて設けられた複数の窓用開口6hを塞ぐ開閉可能板6c2,6c2…と、隣り合う窓用開口6hと窓用開口6hと間の固定壁6c1,6c1…とで構成される。
また、窓用開口6hと開閉可能板6c2とで開閉可能な窓が構成される。
尚、開閉可能板6c2の代わりに、窓用開口6hに光透過性を有した透明板等の窓板を嵌め込んだ構成としてもよい。この場合、窓用開口6hと当該窓用開口6hに嵌め込まれた窓板とによって所謂嵌め殺しの窓が構成される。
また、窓用開口は、長手方向に沿って連続する1つの窓用開口であってもよい。
即ち、カバー6は、ワイヤーソー10による切断動作中の状況を目視可能な窓を1つ以上備えている。
【0049】
水平床部6bには、長手方向に沿って延長する細長孔6eが形成され、この細長孔6eの幅方向両側における水平床部6b上には、当該細長孔6eの延長方向に沿って延長するレール61,61を備える。
【0050】
そして、カバー6内には、上述したレール61,61上を転動して移動可能な移動手段としての車輪60c,60c…を備えた移動体60が設置される。
図6乃至
図8に示すように、移動体60は、例えば、矩形板により形成された取付部60aと、取付部60aの矩形板の下面を形成する板面の4隅部に固定された4つのフォーク60bと、シャフト60dを介してフォーク60bに回転可能に取付けられた車輪60cと、取付部60aにボルト60yで固定されたハンドル60xと、取付部60aに図外の取付具により取付けられた吸引ホース62と、取付部60aに図外の取付具により取付けられた冷却媒体供給用ホース63とを備えて構成される。
【0051】
取付部60aの矩形板の下面の各長辺縁に沿って並ぶように設けられた前後で2個の車輪60c,60cが、それぞれ、幅方向左右のレール61,61上に設置されることにより、移動体60は、取付部60aの板面と水平床部6bの上面とが平行を維持した状態で走行可能に構成される。
そして、上端が取付部60aに固定されたハンドル60xの下端側が、細長孔6eを介して水平床部6bよりも下方に突出するように設けられる。
【0052】
また、
図2,
図3に示すように、吸引装置/冷却装置65に、吸引ホース62の一端、及び、冷却媒体供給用ホース63の一端が接続される。
また、
図6乃至
図8に示すように、吸引ホース62の他端側、及び、冷却媒体供給用ホース63の他端側が、細長孔6eを介して取付部60aに導かれて取付部60aに取付けられて、吸引ホース63の他端集塵口62t及び冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tが、ワイヤーソー10により切断中の切断対象部位3Aに臨むように構成される。
つまり、
図2,
図3に示すように、作業監視者Mがワイヤーソー10での切断進行状況に応じて、ハンドル60xを持って取付部60aを移動させることにより、吸引ホース62の他端集塵口62t及び冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tを、ワイヤーソー10により切断中の切断対象部位3Aに追随させることが可能となる。
尚、吸引ホース63の他端集塵口62t及び冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tは、ワイヤーソー10による切断の際に、集塵効率の良い位置、冷却効率の良い位置に設定すればよい。
【0053】
尚、
図6に示すように、ハンドル60x、吸引ホース62、冷却媒体供給用ホース63と細長孔6eの幅方向両側孔壁との間の隙間を塞ぐためのゴム板等の塞体6f,6fが設けられていること、及び、上述した塞板6g(
図3参照)が設けられていることにより、切断中に発生する粉塵がカバー6の外に漏れてしまうことを抑制する対策が施されている。
【0054】
以上説明したように、実施形態1に係るカバー6によれば、ワイヤーソー10及びワイヤーソー10をガイドするガイド手段を覆うように設置できるので、ワイヤーソー10が露出したり、切断中に発生した塵が周囲に拡散することを防止でき、切断作業を安全に行えるようになる。即ち、安全性を確保できるカバー6を提供できるようになる。
【0055】
また、実施形態1に係るカバー6は、ワイヤーソー10による切断動作中の状況を目視可能な窓を1つ以上備えているので、作業監視者Mは、ワイヤーソー10による切断動作中の状況を、カバー6の外側から、安全、かつ、容易に確認できる。即ち、切断位置が適切であるか否か、切断進行状況等を、カバー6の外側から、安全、かつ、容易に確認できるようになる。
尚、窓を開閉する開閉可能板6c2を備えた構成とすれば、必要な大きさを確保することにより、カバー6の外側からカバー6の内側に手を入れることが可能となるので、第1取付部材41の上下調整機構の調整、移動体60が脱輪したときの修正などの作業を行えるようになり、好ましい。
【0056】
実施形態1に係るカバー6によれば、水平床部6bにおいて長手方向(一方向)に延長するように形成された細長孔(開口)6eと、ワイヤーソー10側に位置するカバー6の内側(水平床部6b上)における細長孔6eの幅方向の両側の位置に細長孔6eの延長方向に沿って設けられたレール61,61と、レール61,61上を移動可能な移動手段としての車輪60cを有した移動体60を備え、吸引装置(吸引装置/冷却装置65)と吸引装置に一端が連結された吸引ホース62とを備えた吸引手段における当該吸引ホース62の他端側、及び、冷却装置(吸引装置/冷却装置65)と冷却装置に一端が連結された冷却媒体供給用ホース63とを備えた冷却手段における当該冷却媒体供給用ホース63の他端側が、細長孔6eを介してカバー6の内側に導かれて移動体60の取付部60aに取付けられた構成としたので、吸引ホース62の他端集塵口62t及び冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tを、ワイヤーソー10により切断中の切断対象部位3Aに追随させることが可能となり、ワイヤーソー10により切断中に発生した塵を効率的に吸引できるとともに、ワイヤーソー10による切断箇所に効率的に冷却風を供給できるようになるので、効率的な切断作業を実現できるようなる。
また、レール61,61上を移動可能な移動手段は、例えば、レール61,61上をスライドするスライド体等であっても構わない。即ち、移動手段は、レール61,61上を移動可能であれば、どのような構成であっても構わない。
【0057】
尚、実施形態1においては、取付部60aを有した移動体60を設けた例を示したが、カバー6に、切断動作中に発生した塵を吸引する吸引手段の吸引口の取付部を設けたり、切断動作中の切断対象部位に冷却媒体を供給する冷却手段の冷却媒体供給口の取付部を設けるようにしてもよい。
即ち、吸引ホース62の他端集塵口62tの取付部や、冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tの取付部を、カバー6に設けて、当該取付部に、吸引ホース62の他端集塵口62tや冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tを連結することにより、カバー6内で切断動作中に発生した塵を他端集塵口62tを介して吸引装置に吸引したり、冷却装置からカバ―6内に冷却媒体を供給するようにしてもよい。
つまり、切断動作中に発生した塵を吸引する吸引手段の吸引口の取付部をカバー6に設ければ、ワイヤーソー10により切断中に発生した塵を吸引できることから、周辺環境への影響を低減でき、効率的な切断作業を実現できるようになる。
また、切断動作中の切断対象部位に冷却媒体を供給する冷却手段の冷却媒体供給口の取付部をカバー6に設ければ、ワイヤーソー10による切断箇所に冷却媒体を供給できるようになることから、ワイヤーソー切断時の発熱による切断効率の低下を抑制でき、効率的な切断作業を実現できるようになる。
【0058】
また、上述した吸引ホース62の他端集塵口62tの取付部や、冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tの取付部が、カバー6の板部の一部、例えば、垂直壁部6a、又は、水平床部6bに、移動可能に設けられた構成のカバー6としてもよい。
このように、取付部が移動可能に設けられた構成とすることで、ワイヤーソー10により切断中に発生した塵を効率的に吸引できるとともに、ワイヤーソー10による切断箇所に効率的に冷却媒体を供給できるようになるので、効率的な切断作業を実現できるようになる。
尚、この場合の取付部の移動手段も、どのような構成でも構わないが、例えば、カバー6に形成されたスリットと、当該スリット内を移動可能に構成された移動体とで構成すればよい。
【0059】
また、吸引ホース62の他端集塵口62tの取付部、冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tの取付部のうちの少なくとも1つを備えたカバーであればよい。
【0060】
また、本発明のカバーは、吸引ホース62の他端集塵口62tの取付部、冷却媒体供給用ホース63の他端風供給口63tの取付部を備えずに、ワイヤーソー10による切断動作中の状況を目視可能な窓を1つ以上備えただけのカバーであってもよい。
【0061】
また、上記では、冷却媒体として冷却風を供給する例を示したが、冷却媒体として冷却水を供給するようにしてもよい。
【0062】
また、本発明のカバーは、例えば上述した傾斜壁部6cが無い構造としてもよく、カバーの形状は特に限定されない。
また、本発明のカバーに設ける窓用開口は、例えば垂直壁部6aや水平床部6bに形成してもよく、当該窓用開口の形成場所は特に限定されない。
【0063】
また、本発明のカバーは、特許文献1に開示された切断装置のように、道路の上面側に設置して切断する切断装置のワイヤーソーを覆うカバーとしても使用可能である。この場合、カバーを切断装置に取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 切断装置、3A 切断対象部位、6 カバー、6e 細長孔(開口)、
6h 窓用開口(窓)、10 ワイヤーソー、60a 取付部、
60c 車輪(移動手段)、61 レール、62 吸引ホース、
63 冷却媒体供給用ホース、65 吸引装置/冷却装置。