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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】リソースを自己配分するシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220120BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019134353
(22)【出願日】2019-07-22
(65)【公開番号】P2020017278
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2019-09-17
(31)【優先権主張番号】16/043,452
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516044864
【氏名又は名称】アバイア インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ケジア ポーター
(72)【発明者】
【氏名】エデル ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ポール デラニー
(72)【発明者】
【氏名】ダヌシュカ ミゲル ワサム
【審査官】橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511940(JP,A)
【文献】特開2016-158078(JP,A)
【文献】特開2010-166627(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045444(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマイクロプロセッサと、
前記少なくとも1つのマイクロプロセッサからアクセス可能であり、前記少なくとも1つのマイクロプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリと、
前記少なくとも1つのマイクロプロセッサは、
複数のリソースであって、前記複数のリソースは、少なくとも計算リソースと、通信リソースと、データ記憶リソースとを含み、前記通信リソースはネットワークへの第1のネットワークインターフェースをさらに備え、前記ネットワークを利用して第1のエンドポイントと第2のエンドポイントとの間の通信を選択的に可能にし、前記複数のリソースは、前記リソース間の通信のために相互接続され、前記第1のエンドポイントが前記第2のエンドポイントからデータを取得又は前記第1のエンドポイントが前記第2のエンドポイントにデータを提供することを可能にする、複数のリソースと、
前記ネットワークへの第2のネットワークインターフェースを備えるイベントモニターであって、イベントに関してイベント源からイベント情報を取得する、イベントモニターと、
イベント評価構成要素であって、前記取得されたイベント情報が前記データ記憶リソース内の履歴イベントと一致するか否かを判断する、イベント評価構成要素と、
イベント応答プロセッサであって、前記履歴イベントに関連付けられた履歴解決策から求められた解決策に従ってシステムを再構成する、イベント応答プロセッサと、
として命令を実行する、マイクロプロセッサを備える、システム。
【請求項2】
前記イベント応答プロセッサが前記システムを再構成して、前記複数のリソース内のリソースではない少なくとも1つの未配分のリソースを追加して前記複数のリソースの内の1つとなるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のリソースのうちの少なくとも1つのリソースの、少なくとも1つの動作パラメータに、以前は第3のエンドポイントと通信できなかった前記第1のエンドポイントが前記第3のエンドポイントと通信可能にすることを含む前記システムを、前記イベント応答プロセッサが再構成する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2および第3のエンドポイントは、メディアのタイプ、自動化された通信のコンテンツと人間が生成した通信のコンテンツ、またはリアルタイムと非リアルタイムの通信タイプの内の1つ以上が異なる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1および第2のエンドポイントに加えて複数のエンドポイントをさらに備え、前記イベント応答プロセッサが前記システムを再構成して、少なくとも1つのエンドポイントが第1通信タイプで利用される少なくとも1つの他のエンドポイントとは異なる第2通信タイプで、データを、前記複数のエンドポイントのうちの少なくとも1つの他のエンドポイントから取得または前記少なくとも1つの他のエンドポイントに提供できるようにした後に、前記システムは、前記複数のエンドポイントのうちの前記少なくとも1つのエンドポイントが前記第1通信タイプで、データを、前記複数のエンドポイントのうちの前記少なくとも1つの他のエンドポイントから取得または前記少なくとも1つの他のエンドポイントに提供できるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1および第2のエンドポイントに加えて複数のエンドポイントをさらに備え、前記イベント応答プロセッサが前記システムを再構成して、少なくとも1つのエンドポイントが、データを、第1通信タイプで利用される少なくとも1つの他のエンドポイントとは異なる少なくとも1つの追加のエンドポイントから取得または前記少なくとも1つの追加のエンドポイントに提供できるようにした後に、前記システムは、前記複数のエンドポイントのうちの前記少なくとも1つのエンドポイントが前記第1通信タイプで、データを、前記複数のエンドポイントのうちの前記少なくとも1つの他のエンドポイントから取得または前記複数のエンドポイントのうちの前記少なくとも1つの他のエンドポイントに提供できるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記解決策は、前記第2のエンドポイントが前記第1のエンドポイントとの通信を開始することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマイクロプロセッサは、評価構成要素の一部として命令をさらに実行し、
前記評価構成要素が、イベント中のシステムの予想性能を、イベント中のシステムの観測した性能と比較し、前記予想性能と前記観測した性能との差とともに前記解決策を格納する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記取得したイベント情報および解決策を、追加の履歴イベントおよび関連する履歴解決策として前記データ記憶リソースに格納する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記データ記憶リソースは、履歴イベントと履歴解決策とを使用して、システムの履歴解決策および予想性能に従ってシステムが構成される間、前記履歴イベント中に観測される前記システムの性能と前記予想性能との差を維持し、
前記イベント応答プロセッサは、前記履歴イベントと関連する前記システムの性能と前記予想性能との前記差に従って前記解決策を決定する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[著作権表示]
本特許文書の開示内容の一部分は、著作権保護を受ける内容を含んでいる。著作権者は、米国特許商標庁の特許ファイル又は記録において見られるとおりの本特許文書又は本特許開示内容の何人による複製にも反対していないが、それ以外においては、いかなる場合も全ての著作権は留保される。
【0002】
本発明は、包括的には、システムリソース管理のためのシステム及び方法に関し、特に、システムによって利用される処理リソース、データ記憶リソース、及び通信リソースに関する。
【背景技術】
【0003】
通信、データ処理、記憶、タスクルーティング、及び他の構成要素を利用するシステムのような複合システムは、不規則な要求を受けることが多い。イベント(event:事象、出来事)には、予想できるものもあるが、予想外のものもある。予想外のイベントが世界中で発生すると、それらのイベントは、システムに突然の影響を与える場合がある。例えば、人気のある休暇訪問先における自然災害又はテロリスト攻撃が発生する場合がある。その結果、その影響を受けて情報又は動作を、システムを介して探し求める人々の突然の増加に起因したアクティビティによって、システムは大きな負荷を受ける場合がある。システムは、アクティビティの突然の上昇に対処することができるように準備されていない場合があり、そのような対処ができるように手動の作業が必要とされる場合がある。そのような作業には、解決策を評価及び考案する時間と、その解決策をシステム上で実施する時間とが必要とされる。イベントの間中ずっと、時間が非常に重要となり得る。
【発明の概要】
【0004】
これらの必要性及び他の必要性は、本発明の様々な実施の形態及び構成によって対処される。本発明は、特定の構成に応じた複数の利点を提供することができる。これらの利点及び他の利点は、本明細書に含まれる本発明(複数の場合もある)の開示から明らかになる。したがって、コンタクトセンターのアクティビティの急増の前に検出された情報及び状況に基づく既知の同様の過去の問題の解決策に基づいて、既知の問題及び新たな問題を事前に検出、分析、及び解決するシステム及び方法が提供される。
【0005】
1つの実施の形態では、システムが開示され、該システムは、
複数のリソースであって、該複数のリソース(正:resources)の少なくとも一部分は、第1のマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶する第1のメモリとを含むコンピューターリソース、ネットワークへのネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークを利用して第1のエンドポイントと第2のエンドポイントとの間の通信を選択的に可能にする通信リソース、又はデータ記憶リソースのうちの少なくとも(正:at least)1つを含み、該複数のリソースは、該リソース間の通信のために相互接続され、前記第1のエンドポイントがデータを取得し又は前記第2のエンドポイントにデータを提供することを可能にする、複数のリソースと、
ネットワークインターフェースと、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリとを備えるイベントモニターであって、イベントに関してイベント源からイベント情報を取得するように構成されている、イベント監視構成要素と、
マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリとを備えるイベント評価プロセッサであって、前記取得されたイベント情報が前記データ記憶リソース内の履歴イベントと一致するか否かを判断するように構成されている、イベント評価構成要素と、
マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリとを備えるイベント応答プロセッサであって、前記履歴イベントに関連付けられた履歴解決策から求められた解決策に従って該システムを再構成するように構成されている、イベント応答プロセッサと、
を備える。
【0006】
別の実施の形態では、方法が開示され、該方法は、
複数のリソースを利用して、第1のエンドポイントと第2のエンドポイントとの間に接続を提供することであって、前記複数のリソース(正:resources)の少なくとも一部分は、第1のマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶する第1のメモリとを含むコンピューターリソース、ネットワークへのネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークを利用して通信を選択的に可能にする通信リソース、又はデータ記憶リソースのうちの少なくとも(正:at least)1つを含み、該複数のリソースは、該リソース間の通信のために相互接続され、前記第1のエンドポイントがデータを取得し又は前記第2のエンドポイントにデータを提供することを選択的に可能にすることと、
イベントに関してイベント源からイベント情報を取得することと、
前記取得されたイベント情報が履歴イベントに一致するか否かを判断することと、
前記履歴イベントに関連付けられた履歴解決策から求められた解決策に従って前記リソースを自動的に再構成することと、
を含む。
【0007】
別の実施の形態では、システムが開示され、該システムは、
複数のリソースであって、該複数のリソース(正:resources)の少なくとも一部分は、第1のマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行される命令を記憶する第1のメモリとを含むコンピューターリソース、ネットワークへのネットワークインターフェースを備え、前記ネットワークを利用して第1のエンドポイントと第2のエンドポイントとの間の通信を選択的に可能にする通信リソース、又はデータ記憶リソースのうちの少なくとも(正:at least)1つを含み、該複数のリソースは、該リソース間の通信のために相互接続され、前記第1のエンドポイントがデータを取得し又は前記第2のエンドポイントにデータを提供することを可能にする、複数のリソースと、
イベントに関してイベント源からイベント情報を取得する手段と、
前記取得されたイベント情報が前記データ記憶リソース内の履歴イベントと一致するか否かを判断する手段と、
前記履歴イベントに関連付けられた履歴解決策から求められた解決策に従って前記リソースを再構成する手段と、
を備える。
【0008】
リソースの再配分を必要とする1つ以上の以前のイベントに対する1つ以上の以前の解決策に基づいて新たな問題を事前に検出、分析、及び解決するシステム及び方法が提供される。
【0009】
コンタクトセンター等のシステムは、リソースの効率的な使用及び顧客満足度の観点から成功を定義することができるが、これらのうちの一方の成功は、他方を犠牲にする場合がある。例えば、利用されるリソースを最小限にすると、得られる顧客満足度は最低になる場合がある。代替的に、コンタクトセンターは、起こり得る最も高い利用状況等に対応するために、リソースの過剰配分を受けることができる。しかしながら、未使用リソースが存在し、これらの未使用リソース自体が、アイドルのときであっても、メンテナンスのために材料及び他のリソース(例えば、セキュリティ監視、職員配置、電気使用、アドレス利用、ポート利用等)を要する。したがって、コンタクトセンター等のシステムは、多くの場合、アクティビティの履歴のピーク及び谷の場合のリソース(人間、データ処理、通信等)を配分するように十分に装備されている。しかしながら、予想外のイベントが起こることが多い。このイベント自体、イベントのタイミング、ロケーション、及び/又は深刻度は予想外である場合があり、システムは、リソース利用の突然の上昇に対して準備できていない場合がある。
【0010】
コンタクトセンターに関連した不足の解消は、予想外の外部イベントに事前対応するコンタクトセンター決定サポートシステム(DSS)を作製することによって提供することができる。DSSは、事例ベース推論にアクセスしてこれを利用し、コンタクトセンターの影響を生み出す予想外のイベントの解決策の取り出し、再利用、修正、及び保持を行うことができる。コンタクトセンターに対する影響は、通常の動作パラメーターの範囲内であり、他の手段によって処理される場合もあるし、重大な場合もあり、これは、許容可能な動作パラメーターの範囲外である1つ以上のキーメトリックとして定義され得る。例えば、顧客からエージェントへの音声呼を含む通信を接続する平均待ち時間が3分であることが許容可能であり得るが、発呼者の15パーセント未満の経験では5分まで許容可能であり得る。しかしながら、5分よりも長いもの又は発呼者の15パーセントよりも多くの人の場合には3分よりも長いものには、待ち時間を許容可能なレベルに下げる動作が必要とされる。配分解除閾値は、上記例のような場合には同じとすることができ、この待ち時間が3分にまで下がるか又は発呼者の15パーセント以下については5分までとなると、許容できない待ち時間に対処するために新たに配分されたリソースを配分解除することができる。しかしながら、配分解除は、新たに配分された(又は他の)リソースが配分解除される前の一般的には1分、発呼者の20パーセントについては2分以下のように、異なる閾値を有する場合がある。
【0011】
しかしながら、予想外のことが発生する。「予想外のこと」という用語は、これまで遭遇したことがないイベント、又は、既知のイベント若しくは既知のタイプのイベントではあるが、タイミング、ロケーション、深刻度、及び/又は他の因子を事前に予期することができないイベントとすることができることが理解されるであろう。例えば、テロリスト活動が発生することは不運な現実である。犯罪者は、予想外に攻撃を加える、人目を忍んだ行為者である。その結果、テロリスト攻撃が発生することを想定することは理に適ったことではあるが、タイミング、ロケーション、深刻度等は想定することができない。システムは、緊急サービスのサポートを提供するにせよ、航空会社が旅行キャンセルを受けるにせよ、いずれにしても、アクティビティの殺到をハンドリングする準備ができていない場合がある。別の例として、悪天候(例えば、ハリケーン、トルネード、降水による氾濫等)は、特定のロケーション及び時期については少なくとも部分的に予測可能に発生し得る。一方、嵐には、軽微で短期間の不便しか与えないような深刻度が限られたものもあるが、影響が破局的で深刻な状況が長期に及ぶものもある。
【0012】
1つの実施の形態では、既知の同様の過去の問題の解決策に基づいて既知の問題及び新たな問題を事前に検出して解決するシステム及び方法を含む事例ベース推論解決策が提供される。このシステムは、取り出し、再利用、修正、及び保持を含むポリシー及び動作を含むことができる。この解決策は、適用されると、コンタクトセンターリソース(例えば、ハードウェア、方法論、ルーティング等)を、許容可能なサービスレベルを維持するように自動的に再構成する。この解決策は、過去の同様の出来事の解決策として以前に記憶された過去のイベントに基づいて決定される。選択された解決策を自動的に適用することができ、アドミニストレーターは、手動の制御/オーバーライドを調停及び回復することができる。以前の挙動を再適用すると、CCは、反復的な微調節を有する特定の解決策を用いて以前のトリガーに反応することができる。
【0013】
システムによって監視することができるイベント源の例は、気象、ニュース、ソーシャルメディア、金融、対象ウェブサイト(例えば、緊急サービス、サイト固有、イベント固有等)、及び/又は或る特定の対象物(複数の場合もある)(例えば、モノのインターネット、測候所、水位報告所等)を含む。
【0014】
システムが候補イベントを検出すると、事前対応応答を開始することができる。事前対応応答は、記憶されたイベント及びそれらに関連付けられた解決策を取り出すことと、記憶されたイベントを分析して候補イベントとの類似点を求めることと、候補イベントに最も密接に一致する記憶されたイベントに関連付けられた解決策を選択することと、候補イベント及び取られた動作並びに観測されたシステムに対する実際の影響及びあらゆる不足/過剰配分に従って解決策を更新することとのうちの1つ以上を含むことができる。
【0015】
イベントは、同一であることはめったにない。しかしながら、システムに影響を与える類似点が存在する。1つの実施の形態では、候補イベントとの類似点の観点から、既存の解決策をソート、ランク付け、又は別の方法で順序付けすることができる。別の実施の形態では、k最近傍法が、候補イベントと記憶されたイベント又はイベント分類との類似点を求める。次に、システムは、最もよく一致するイベントに関連付けられた解決策を選択する。イベントが複数のイベントである場合、解決策の加重平均を実施することができる。加えて又は代替的に、解決策は、候補イベントと最もよく一致するイベントとの間の任意の相違(複数の場合もある)に基づいて変更することができる。イベント解決策の基盤(base)が十分大きいとき又は十分大きくなると、他の選択手段(例えば、kd木、事例取り出しネット(case-retrieval nets)、弁別ネットワーク等の特定のインデックス構造体)を提供することができる。
【0016】
システムが、候補イベントを検出し、記憶されたイベント及びそれらの解決策を取り出すと、システムは、複数の解決策から最良適合解決策を選び、候補イベント及び/又は記憶されたイベント並びにそれらの解決策のパラメーター分析に基づいて1つ以上の既存の解決策を変更することによって最良適合解決策を適合させ、及び/又は、候補イベントと特定の記憶されたイベントとの間の一致が同じ又は実質的に同じであるようなときは、取り出された解決策を変更することなく再利用して実施するように動作可能である。
【0017】
アドミニストレーター及びエージェントへの自動通知、エージェントの再割当て、ビジネスプロセスのストリームライン化、インタラクティブ音声応答(IVR)パラメーター(例えば、音楽、メッセージ、オプション等)の変更、作業のための追加のエージェントの呼び出し、追加のトランクの自動プロビジョニング、ロードバランシングのための追加のサーバーの自動電源投入、自動オン感情モニタリング、アウトバウンドキャンペーン開始/終了、顧客ニーズ及び追加のイベント/詳細に基づく自動再ルーティング、任意の追加の既定ルールの実行、及び/又は他の解決策又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む解決策を実施のために選択することができる。
【0018】
解決策が実施され、イベントが過ぎ去ったとき、システムが、特定のメトリックの許容可能範囲外のパラメーター変更を経験していない場合には、解決策は成功であると判断することができる。一方、システムは、より多くのインシデントが検出され、イベント及び解決策が追加されるにつれて、進化し、より高知能かつ反応性の優れたものになることができる。例えば、解決策が実施されたが、着信音声呼が拒否された場合(話中信号)のように、特定のメトリックが満たされていなかった場合、そのイベント及び解決策は不十分として識別することができ、その解決策は、データベース又は他の記憶装置内にポピュレートされると、将来の候補イベントの可能性のある解決策として選択された場合、それに応じて、将来の候補イベントの解決策に影響を与えるようになる。例えば、将来の候補イベントが、(システムへの影響の観点から)記憶されたイベントと同一であると判断され、関連付けられた解決策が、音声通信に利用されるリソース(例えば、トランク、スイッチ、ルーター、IVR等)の追加の20パーセントを配分することになっていた場合、将来の候補イベントは、音声通信に利用されるリソースの追加の30パーセントが配分される解決策を実施することができる。追加の増加量は、記憶された解決策の分析及び実施中の分析によって求めることができる。例えば、拒否された呼の数が分かっている場合、記憶された解決策において実施されたリソースを上回る追加のリソースを、以前のイベントの間に発生した既知の数の拒否された呼のハンドリング等を行うように配分することができる。
【0019】
システムは、より多くのイベントが検出され、それらに関連付けられた解決策が実施及び評価されるにつれて、より高知能で正確になる。システムは、イベントの期間全体を通して維持されるサービスレベルを分析すること、待機中の呼の急増の発生及び/又は深刻度を判断し、急増した場合には、それらの呼がどれだけ多くどれだけ迅速に解決されるのかを判断すること、IVRメッセージが、顧客を他の情報源(例えば、ウェブサイト)に再ルーティングするそれらのタスクを遂行しているか否かを判断すること、アクティビティの増加に起因してハードウェア障害/不備が発生したか否かを判断すること、解決策の一部として配分されたハードウェアが、必要とされるタスクを実行するように適切に構成されたか否かを判断すること、及び/又は、イベント及び保持の応答を評価し、将来の検討を可能にすることのうちの1つ以上によって自己改良(「学習」)することができる。
【0020】
別の実施の形態では、システムは、イベントがシステムにどのような影響を与えるのかを学習することができる。例えば、特定の影響を有する変更を選択することができる。その変更を実施すると、観測された影響及び予想された影響が同じであるか否か又は少なくとも実質的に同じであるか否かを確かめるために、システムを評価することができる。この変更が予想外の結果を生み出す場合(例えば、予想よりも所望の結果がより多くなる、予想よりも所望の結果がより少なくなる、結果が予想したものと異なる等)、システムは、予想された結果を生み出すように、特定の解決策が他の変更を必要とすることを自己学習することができる。例えば、全体的な解決率を10%増加させる一方で、音声チャネルにおける平均待ち時間を5%しか増加させないように、データチャネルへの音声チャネルの特定の再配分を予想することができる。そのような解決策が選択されて実施されたが、20%の解決率の増加が観測された場合、10%の増加を得ようとするその後の反復は、最初の反復と比較して、上記音声チャネル数の半数をデータチャネルに再配分することを選択することができる。音声チャネルの待ち時間の15%の付随した増加(一般的にはマイナスの効果)等の、プラスの効果又はマイナスの効果を問わず他の効果が存在した場合、そのような増加が事前に定められたガイドライン外である場合、平均音声チャネル待ち時間が許容できないレベルに達しないように、解決策の追加の態様を選択して実施することができる。
【0021】
別の実施の形態では、システムは、事例ベース推論解決システムであり、そのため、システムは、データをシステムの学習フェーズに追加し、及び/又は、データベースにおいて詳細を追加しイベント及び解決策を修正するように動作可能である。
【0022】
システムがイベントを検出し、イベントに基づいて動作することに加えて、アドミニストレーターが迅速に応答することができる。追加の実施の形態では、アドミニストレーターには、幾つかの特定のイベントに効果的に応答するか又は応答せず、選択されたイベントが観測され及び/又は解決策が候補イベントにとって誤っていると判断されたときに、学習システムに入力を提供する手動のオーバーライドを提供することができる。
【0023】
本明細書において用いられるような「イベント」という用語は、その発生が、コンタクトセンター等の対象システムに対する動作によって又は対象システムによって引き起こされたものでもなく、回避されるものでもなく、緩和されるものでない、対象システムの外部のインシデンスを指す。イベントの発生は、完全に対象システムの影響外にある。対象システムは、イベントが発生したと判断すること、及び、このイベントに起因し得るシステムの動作変動に応答すること又は動作変動前にイベントに応答すること等のイベントに応答することに限定される。イベントは、様々に具現化することができ、自然の行為(例えば、気象、地震、津波、火山等)、テロリストの行為(例えば、一般市民への実際の危害又は差し迫った危害)、戦争、暴動、若しくは内戦の勃発、インフラの障害若しくは損傷(例えば、道路、空路、又は鉄道の損傷、サイバー攻撃、停電、通信停止等)、及び/又は通常通りビジネスを行う公共団体若しくは民間団体の障害(例えば、鉄道会社又は航空会社の倒産、政府動乱、労働者ストライキ等)、公共団体若しくは民間団体の予想外のアナウンス(例えば、スポーツイベント又はコンサートのロケーション)等のうちの1つ以上を含むことができる。本明細書において用いられるような「イベント」は、システム、システムを備える構成要素、及び/又はそれらの動作若しくは管理によって引き起こされ、回避され、又は緩和される行為又は状況を明確に除外する。
【0024】
「少なくとも1つ」、「1つ以上」、「又は/若しくは」、及び「及び/又は」という語句は、その働きが接続的及び離接的の双方であるオープンエンドな表現である。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、「A、B、又はCのうちの1つ以上」、「A、B、及び/又はC」、及び「A、B、又はC」という表現のそれぞれは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを合わせたもの、A及びCを合わせたもの、B及びCを合わせたもの、又はA、B、及びCを合わせたものを意味する。
【0025】
数量を明示していないエンティティは、そのエンティティの1つ以上を指す。したがって、数量を明示していないもの、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において区別なく用いることができる。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語も、区別なく用いることができることに留意されたい。
【0026】
本明細書において用いられるような「自動的」という用語及びその変形形態は、通常は連続的又は半連続的な任意のプロセス又は動作であって、そのプロセス又は動作が実行されるとき、人間の物質的な入力(material human input)なしに行われるプロセス又は動作を指す。一方、プロセス又は動作の遂行が人間の物質的な入力又は人間の非物質的な入力(immaterial human input)を用いていても、その入力がプロセス又は動作の遂行前に受信されていた場合には、このプロセス又は動作は自動的であるとすることができる。人間の入力は、そのような入力が、プロセス又は動作をどのように実行するのかに影響を与える場合には物質的であるとみなされる。プロセス又は動作の遂行と同意する人間の入力は、「物質的である」とみなされない。
【0027】
本開示の態様は、全体がハードウェアである実施の形態、全体がソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)である実施の形態、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施の形態の形を取ることができ、これらは全て、本明細書において「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称される場合がある。1つ以上のコンピューター可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピューター可読媒体は、コンピューター可読信号媒体又はコンピューター可読記憶媒体とすることができる。
【0028】
コンピューター可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又はこれらの任意の適した組み合わせとすることができるが、これらに限定されるものではない。コンピューター可読記憶媒体のより具体的な例(全てを網羅列挙したものではない)は、次のもの、すなわち、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピューターディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又はそれらの任意の適した組み合わせを含む。この文書の文脈では、コンピューター可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はこれらに関連して用いられるプログラムを収容又は記憶することができる任意の有形の媒体とすることができる。
【0029】
コンピューター可読信号媒体は、コンピューター可読プログラムコードが具現化された伝播データ信号を、例えば、ベースバンド内に又は搬送波の一部として含むことができる。そのような伝播信号は、電磁気、光、又はそれらの任意の適した組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態のうちの任意の形態を取ることができる。コンピューター可読信号媒体は、コンピューター可読記憶媒体でないとともに、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はこれらに関連して用いられるプログラムを通信、伝播、又はトランスポートすることができる任意のコンピューター可読媒体とすることができる。コンピューター可読媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF等、又はそれらの任意の適した組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信することができる。
【0030】
本明細書において用いられるような「求める」、「算出する」、「計算する」、及びそれらの変形形態は、区別なく用いられ、任意のタイプの方法論、プロセス、数学演算又は技法を含む。
【0031】
本明細書において用いられるような「手段」という用語は、米国特許法第112条(f)項及び/又は第112条第6段落に従ったその可能な最も広い解釈を与えられるものとする。したがって、「手段」という用語を組み込んだ請求項は、その請求項に記載された全ての構造、材料、又は作用、及びそれらの均等物の全てを包含するものとする。さらに、これらの構造、材料又は作用及びそれらの均等物は、発明の概要、図面の簡単な説明、発明を実施するための形態、要約書、及び特許請求の範囲自体に記載された全てのものを含むものとする。
【0032】
上記内容は、本発明の幾つかの態様の理解を提供するための本発明の簡略化した概要である。この概要は、本発明及びその様々な実施の形態の広範な概観でも網羅的な概観でもない。以下に提示するより詳細な説明への導入として本発明の選択された概念を簡略化した形態で提示することを除いて、本発明の重要又は重大な要素を特定することも、本発明の範囲を画定することも意図していない。理解されるように、上述した特徴又は以下で詳細に説明される特徴のうちの1つ以上を単独又は組み合わせで利用した本発明の他の実施の形態が可能である。また、本開示は、例示的な実施の形態の観点で提示されるが、本開示の個々の態様は、個別に特許請求することができることが理解されるであろう。
【0033】
本開示は、添付した図とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の実施形態によるプロセスを示す図である。
図2】本開示の実施形態によるシステムを示す図である。
図3】本開示の実施形態によるブロック図である。
図4】本開示の実施形態による第1のデータ構造を示す図である。
図5】本開示の実施形態による第2のデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、単に実施形態を提供しているにすぎず、特許請求の範囲の範囲も、利用可能性も、構成も限定することを意図するものではない。逆に、以下の説明は、実施形態を実施するための実施可能な説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成に様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。
【0036】
図には部分要素識別子が存在するが、説明では部分要素識別子を有しない要素番号を含むいずれの参照も、その要素が複数形で用いられているときは、同じ要素番号を有する任意の2つ以上の要素を参照することを意図している。そのような参照が単数形で行われているとき、その参照は、同じ要素番号を有する要素のうちの特定の1つに限定せずにそれらの要素のうちの1つを参照することを意図している。本明細書においてこれとは逆の明示的な使用法がされている場合又は更なる制限若しくは識別が設けられている場合、それらが優先するものとする。
【0037】
本開示の例示的なシステム及び方法は、分析ソフトウェア、モジュール、及び関連付けられた分析ハードウェアについても説明される。しかしながら、本開示を不必要に不明瞭にしないために、以下の説明は、よく知られた構造、構成要素、及びデバイスを省略している。これらの構造、構成要素、及びデバイスは、図から省略されている場合もあるし、図において簡略した形態で示されている場合もあるし、別の方法で要約されている場合もある。
【0038】
説明を目的として、非常に多くの詳細が、本開示の十分な理解を提供するために述べられている。しかしながら、本開示は、本明細書において述べられている具体的な詳細よりも多くの様々な方法で実施することができることが理解されるであろう。
【0039】
図1は、本開示の実施形態によるプロセス100を示している。1つの実施形態では、プロセス100は、図3に関してより完全に説明されるように、プロセッサ(すなわち、マイクロプロセッサ)又はプロセッサの集合体によって実行される。1つの実施形態では、プロセス100は、ステップ102から開始するが、開始すると、プロセス100は、永続的に動作する(例えば、ステップ124がステップ102に直接先行する)こともできるし、プロセスが終了されるまで動作することもできる。プロセス100は、複数のリソース(例えば、処理リソース、データ記憶リソース、及び/又は通信/接続リソース)を有するコンタクトセンター等のシステムを監視するために実施することができる。
【0040】
1つの実施形態では、ステップ102はイベントを検出する。全てのイベントがシステムの動作に影響を与えるとは限らず、テスト104は、イベントが候補イベントであるか否かを判断する。例えばステップ102において検出されたイベントが無関係であるとき又はこのイベントの深刻度が僅少であるとき、テスト104は、システムによる動作の必要性を否定するものとして判断することができる。テスト104の判断が否定的である場合、プロセス100は、ステップ102に戻って、次のイベントを検出することができる。テスト104の判断が肯定的である場合、処理は、ステップ106に進むことができ、これによって、記憶されたイベント又は履歴イベントにアクセスすることができる。ステップ108は、記憶されたイベントを候補イベントと比較し、テスト110は、記憶されたイベントと一致するものが見つかるか否かを判断する。
【0041】
候補イベントであると判断(正:determined)されないイベントは、非イベント記録に肯定的に一致するものによって判断することができることが理解されるであろう。加えて又は代替的に(正:alternatively)、プロセス100の最初の反復等において新たに遭遇したイベントは、ステップ116がデフォルトの解決策を決定する一般的な候補イベントとして処理することができる。
【0042】
1つの実施形態では、テスト110において一致するものが見つからない場合、処理は、ステップ102に戻って、次のイベントを検出することができる。別の実施形態では、最もよく一致するものを複数の記憶された候補イベントから見つけることができる(例えば、テスト110において判断結果が否定的である場合に、ステップ108において処理を再開し、候補イベントを次の記憶されたイベントと比較する)。そのような実施形態では、この最もよく一致するものが、その後選択されるか、又は、妥当な近接範囲内で一致するものが見つからない場合には、プロセス100はステップ102に戻ることができる。ステップ108及び/又はステップ110は、k最近傍法を利用して、記憶されたイベント及び/又はイベントカテゴリーに最もよく近接したものを求めることができる。
【0043】
テスト110の判断が肯定的である場合、ステップ112が、単数又は複数の履歴イベントと候補イベントとの間の相違(例えば、デルタ)を求める。これらの相違は、時間、ロケーション、深刻度等のうちの1つとすることができる。例えば、シーズンオフ中の人気観光目的地での地震は、シーズンたけなわ中とは異なる影響を有する。シーズンオフ中に行われ得る旅行の計画は、実際の旅行に対して大きな影響を受ける場合がある。逆に、シーズンたけなわ中、計画が受け得る影響は最小限であるが、この計画は実際の旅行に大きな影響を与え得る。次のステップ116は解決策を求める。オプションとして、ステップ114が、履歴解決策デルタ(historic solution deltas)を求めることができる。例えば、履歴イベントが、45%の電話に基づくキャンセルの増加を引き起こしている場合がある。例えば、半分のより少ない(正:lesser)深刻度(例えば、深刻度デルタ)を有するとステップ112において判断された候補イベントは、上記履歴イベントのほぼ2分の1、すなわち、22.5%の効果を有すると予想することができる。したがって、ステップ114は、その場合、履歴イベントの電話に基づくキャンセルの増加に対応するように配分されたもの又は配分されたはずのものの2分の1の解決策デルタを示すことができる。例えば、履歴イベントに応答して、電話トラフィックがキャンセルを処理する専用IVRにルーティングされ、エージェントスタッフィングへの接続が10%増加した場合、履歴イベントの2分の1の履歴解決策デルタは、解決策の場合として、同様のIVRが配分され、エージェントスタッフィングへの接続が5%増加されることを示すことができる。ステップ114は、k最近傍法を利用して、最もよく一致するものを見つけることができる。例えば、休暇リゾート地における気象が原因の自然災害は、旅行客の少ないロケーションにおける気象が原因の自然災害とは対照的に、異なる休暇リゾート地における地震が原因の自然災害とより密接に関係付けることができる。
【0044】
ステップ116は、顧客に関連付けられ、或るタイプの通信用に構成されたシステムの第2のエンドポイント(例えば、音声通信及び/又はビデオ通信用に構成されたエージェントエンドポイント)に接続された第1のエンドポイントから/への通信を、異なるタイプの通信用に構成されたシステムの第3のエンドポイント(例えば、音声メール、IVR、テキスト通信用に構成されたエージェントエンドポイント)に転送することもできる。
【0045】
加えて又は代替的に、ステップ112及び/又はステップ114は、特定の領域に制限することができる。例えば、システムが、飛行機旅行をスケジューリング及び管理するのに利用される場合、列車旅行を混乱させる候補イベントが、ステップ112及び/又は114におけるデルタの決定を介して更に調整することができる同様の影響を有する場合がある。例えば、一般旅行者の広い区分(1つの領域)及び候補イベントに影響を及ぼす履歴の航空会社ストライキ、鉄道線路の混乱は、一般旅行者のより狭い区分に影響を及ぼす場合がある。一方、停電(異なる領域)は、一般旅行者の少なくとも部分的に重複する区分に影響を及ぼす場合があり、それに応じて選択されたデルタを有することができる。
【0046】
次のステップ118は解決策を実施する。ステップ118は、確立された電話通信接続、トランクライン等のスイッチポートを配分する「スピニングアップ」サーバー等によって現在配分されていないハードウェアを配分することができる。加えて又は代替的に、ハードウェアは再構成することができる。例えば、音声プロンプトを変更し、候補イベントに対処するオプションを提示することができる。決定木を変更して、より多くのプロンプト、より少ないプロンプト、又は異なるプロンプトが提示される際に発呼者がエージェントに接続することを可能にすることができる。エージェントへの通信(例えば、勤務シフト、交互タイプの勤務等の配分通知)も提供することができ、加えて又は代替的に、エンドポイントは、候補イベントに対処するように配分及び/又は構成されたエージェントに関連付けることができる。
【0047】
別の実施形態では、ステップ118は、システムにおいて、候補イベントの影響に事前に対処することができる。例えば、ステップ114は、複数のエンド顧客(例えば、旅行者)が情報を必要とすることになると判断することができる。ステップ118は、電子メール又はテキストメッセージ等を用いて、これらの複数のエンド顧客に事前にコンタクトすることができ、これによって、着信呼を処理するのに利用される構成要素の利用を削減することができるとともに、顧客満足度を改善することができる。加えて又は代替的に、アウトバウンド音声呼は、記録されたメッセージを配信し及び/又はリソース(図2の項目212参照)のエンドポイントに顧客のエンドポイントを接続するように構成及び実施することができる。
【0048】
ステップ120は、ステップ118に続いて又は並行して実行され、候補イベント中のシステム性能と、候補イベントに起因するシステムに対する影響の緩和の試みとを評価することもできる。例えば、インバウンド発呼者が「話中信号」を受信していたか又は許容できない長い期間の間保留状態に置かれていたことを知ることができる。次に、ステップ122は、所望の結果と観測結果との間のデルタを求めることができる。この例を続けて、追加の電話通信接続が必要とされていた場合があり、及び/又は、さらに、非電話通信接続(例えば、IVR、アウトバウンド電話通信、アウトバウンドテキスト等)が、インバウンド電話通信構成要素に対する負荷を低減するのに利用された場合がある。ステップ122は、追加で配分されたハードウェア(例えば、電話通信機器、スイッチ等)及び/又は再構成された構成要素が適切に構成されたか否かも検討することができる。例えば、IVRは、候補イベントがない場合に、発呼者に多くのオプション及びサブオプションを提示しており、複数の選択の後、航空便のキャンセルに関する情報に到達されていた場合がある。飛行機旅行に影響を及ぼす候補イベントに応答して、ステップ118は、IVRを誤って再構成していた可能性がある。再構成されたIVRは、旅行キャンセルオプションをIVRのルートメニューに置かれることが期待されていた可能性があるが、エラーに起因して、この旅行キャンセルオプションを除去していた。その結果、IVRシステムは、発呼者がその時点で不在のオプションを探したので過剰利用され、音声回路は、発呼者がエージェントへのアクセスを必要としたので過剰利用されたことになる。
【0049】
次に、ステップ124は、解決策を記憶し、記憶されない場合には、候補イベントを記憶し、これらの候補イベント及び解決策が、ステップ106、108、110、及び/又は112の今後のインタラクションにおいて考慮される履歴イベントのプールの一部となるようにするとともに、解決策が、ステップ114、116、118、120、及び/又は122の将来の反復において考慮される解決策のプールに追加されるようにする。
【0050】
別の実施形態では、ステップ102において検出されたイベントは、既知の持続時間を有する場合もあるし、知られていない場合には、テスト104のその後の反復が、イベントが縮小又は通過したことを判断することができる。したがって、ステップ116において選択され、ステップ118において実施された解決策は、イベントが縮小するにつれて、削減又は中止することができ、それによって、システムは、ステップ118の実行前に存在した状態に次第に又は突然戻ることが可能になる。
【0051】
次に図2を参照すると、ネットワーク接続構成要素200が、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に従って論述される。ネットワーク接続構成要素200は、分散システムとすることができ、幾つかの実施形態では、1つ以上の通信デバイス208を作業割り当てメカニズム216に接続する通信ネットワーク204を備える。この作業割り当てメカニズムは、企業が管理運営するコンタクトセンター202が所有及び運用することができ、コンタクトセンター内において、複数のリソース212が、顧客通信デバイス208から着信する作業項目(work item)(コンタクトの形態を有する)をハンドリングするために分散されている。
【0052】
コンタクトセンター202等のシステムは、作業項目並びに1つ以上のリソース212による作業項目の処理及び管理(例えば、スケジューリング、割り当て、ルーティング、生成、アカウンティング、受信、監視、レビュー等)であるか又はそれらに関連したメッセージを受信及び/又は送信するように様々に具現化することができる。作業項目は、一般に、電子メッセージ及び/又は電磁気的に搬送されたメッセージとして又はその構成要素として具現化された処理リソース212の生成及び/又は受信された要求である。コンタクトセンター202は、図示したものよりも多くの構成要素を備えることもできるし、少ない構成要素を備えることもでき、及び/又は、図示したものよりも多くのサービスを提供することもできるし、少ないサービスを提供することもできる。コンタクトセンター202を示す境界は、物理的な境界線(例えば、建物、キャンパス等)、法律上の境界線(例えば、会社、企業等)、及び/又は論理的な境界線(例えば、コンタクトセンター202の顧客について、顧客にサービスを提供するのに利用されるリソース212)とすることができる。
【0053】
さらに、コンタクトセンター202を示す境界は、図示するとおりのものとすることもできるし、他の実施形態では、変更点、及び/又は、図示したものよりも多くの及び/又は少ない構成要素を含むこともできる。例えば、他の実施形態では、リソース212、顧客データベース218、及び/又は他の構成要素のうちの1つ以上は、そのような構成要素が公衆ネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続するようなときは、通信ネットワーク204を介してルーティングエンジン232に接続することができる。別の実施形態では、通信ネットワーク204は、公衆ネットワークを少なくとも部分的にプライベート利用したもの(例えば、VPN)とすることもできるし、コンタクトセンター202内に少なくとも部分的に配置されたプライベートネットワークとすることもできるし、本明細書において説明した構成要素の電子通信を提供するのに利用することができるプライベートネットワーク及び公衆ネットワークを混合したものとすることもできる。加えて、ソーシャルメディアサーバー230及び/又は他の外部データ源234等の外部のものとして図示された構成要素は、外部で収集されたデータをミラーリング等するように、物理的及び/又は論理的にコンタクトセンター202内に存在することもできるが、引き続き外部とみなすこともできることが理解されるであろう。加えて又は代替的に、コンタクトセンター202は、ソーシャルメディアサーバー230(例えば、顧客及び/又はリソース212からのユーザーメッセージを受信するように動作可能であるウェブサイト)を、それらの顧客通信デバイス208を介して顧客とインタラクトする1つの手段として運用することができる。外部データ源234及び/又はソーシャルメディアサーバー230は、ウェブサイト、データベース、他の構成要素のAPI、又はイベントを検出することができる他の源とすることができる。外部データ源234は、気象庁、通信社、政府機関、ソーシャルメディア(ソーシャルメディアサーバー230及び/又は他のソーシャルメディア源の構成要素として)、IoTデバイス(例えば、氾濫、雪塊氷原、地震、及び/又は停電センサー、カメラ等)、及び/又はステップ102等にイベント情報を提供するために選択された他の源を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
エンドポイントは、1つ以上の顧客通信デバイス208として具現化することができ、これらのデバイスは、それらのそれぞれのユーザーのより直接的な制御下にあるとき、コンタクトセンター202の外部のものとして更に具現化される。一方、顧客が、キオスクにおける顧客通信デバイス208を利用し、コンタクトセンター202のプライベートネットワーク(例えば、キオスクへのWiFi接続等)にアタッチするとき、コンタクトセンター202内の顧客通信デバイス208を利用するとき、又はコンタクトセンター202によって制御される顧客通信デバイス208を利用するときのように、1つ以上の顧客通信デバイス208が物理的及び/又は論理的にコンタクトセンター202内に配置されるが、それでもコンタクトセンター202の外部とみなされる実施形態を提供することができる。
【0055】
コンタクトセンター202の説明は、以下の実施形態を、そのような実施形態を限定することなくより容易に理解することができる少なくとも1つの実施形態を提供することが理解されるであろう。明示されている場合を除いて、本明細書において説明されるいずれの実施形態の範囲からも逸脱することなく、また、実施形態又は特許請求の範囲の範囲を限定することなく、コンタクトセンター202の更なる変更、コンタクトセンター202への更なる追加、及び/又はコンタクトセンター202からの更なる除去を行うことができる。
【0056】
加えて、コンタクトセンター202は、ソーシャルメディアウェブサイト230を併合及び/又は利用することができ、及び/又は、他の外部データ源234は、コンタクトを受信し及び/又は取り出し、それらのエンドポイント(顧客通信デバイス208)を介して顧客に接続するリソース212の1つの手段を提供するのに利用することができる。他の外部データ源234は、サービスビューロ、サードパーティーデータプロバイダー等のデータ源を含むことができる。顧客は、それらのそれぞれの顧客通信デバイス208を利用して、ソーシャルメディアサーバー230を利用する通信を送信/受信することができる。
【0057】
本開示の少なくとも幾つかの実施形態によれば、通信ネットワーク204は、任意のタイプの既知の通信媒体又は通信媒体の集合体を備えることができ、任意のタイプのプロトコルを使用してエンドポイントの間で電子メッセージをトランスポートすることができる。通信構成要素は、或る特定の容量及び/又はタイプの通信(例えば、POTS、ボイスオーバーIP、電子メール、テキスト、ビデオ等)を提供する配分及び/又は構成を必要とし得る。通信ネットワーク204は、有線通信技術及び/又は無線通信技術を備えることができる。インターネットは、多くの電話システム及び他の手段を通じて接続された世界中に配置された多くのコンピューター、コンピューティングネットワーク、及び他の通信デバイスからなるインターネットプロトコル(IP)ネットワークを構成する通信ネットワーク204の一例である。通信ネットワーク204の他の例は、限定ではなく、標準的な基本電話システム(POTS)、サービス統合デジタルネットワーク(ISDN)、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セッション開始プロトコル(SIP)ネットワーク、ボイスオーバーIP(VoIP)ネットワーク、セルラーネットワーク、及び当該技術において既知の他の任意のタイプのパケット交換ネットワーク又は回線交換ネットワークを含む。加えて、通信ネットワーク204は、どの1つのネットワークタイプにも限定される必要はなく、代わりに、複数の異なるネットワーク及び/又はネットワークタイプから構成されてもよいことが分かる。1つの例として、本開示の実施形態は、グリッドベースコンタクトセンター202の効率を高めるのに利用することができる。グリッドベースコンタクトセンター202の例は、Steinerの米国特許出願公開第2010/0296417号により十分に記載されている。この米国特許出願公開の全内容は、引用することによって本明細書の一部をなす。その上、通信ネットワーク204は、同軸ケーブル、銅ケーブル/ワイヤ、光ファイバーケーブル、無線メッセージを送信/受信するアンテナ、及びそれらの組み合わせ等の複数の異なる通信媒体を備えることができる。
【0058】
通信デバイス208は、顧客のエンドポイントに対応することができる。本開示の少なくとも幾つかの実施形態によれば、顧客は、それらの通信デバイス208を利用して、作業項目を開始することができる。例示の作業項目は、コンタクトセンター202に向けられ、そこで受信されたコンタクト、サーバーファーム(例えば、サーバーの集合体)に向けられ、そこで受信されたウェブページ要求、メディア要求、アプリケーション要求(例えば、SIPアプリケーションサーバー等のリモートアプリケーションサーバー上のアプリケーションリソースロケーションの要求)等を含むが、これらに限定されるものではない。作業項目は、通信ネットワーク204を介して送信されるメッセージ又はメッセージの集合体の形態のものとすることができる。例えば、作業項目は、電話呼、パケット又はパケットの集合体(例えば、IPネットワークを介して送信されるIPパケット)、電子メールメッセージ、インスタントメッセージ、SMSメッセージ、ファックス、及びそれらの組み合わせとして送信することができる。幾つかの実施形態では、通信は、必ずしも作業割り当てメカニズム216に送られない場合があり、逆に、通信ネットワーク204内のソーシャルメディアサーバー230等の他の或るサーバー上に存在する場合がある。このサーバーでは、通信が作業割り当てメカニズム216によって採取され、採取された通信(harvested communication)の作業項目が生成される。そのような採取された通信の一例は、ソーシャルメディアネットワーク又はサーバー230から作業割り当てメカニズム216によって採取されたソーシャルメディア通信を含む。ソーシャルメディア通信を採取し、この通信に基づいて作業項目を生成する例示的なアーキテクチャは、2010年3月20日、2010年2月17日、及び2010年2月17日にそれぞれ出願された米国特許出願第12/784,369号、第12/706,942号、及び第12/707,277号に記載されている。これらの米国特許出願のそれぞれは、その全体が、引用することによって本明細書の一部をなす。
【0059】
作業項目のフォーマットは、通信デバイス208の能力及び通信のフォーマットに依存することができる。特に、作業項目は、コンタクトセンター202において受信された通信にサービス提供することについて実行される作業のコンタクトセンター202(より具体的には、作業割り当てメカニズム216)内の論理表現である。通信は、作業割り当てメカニズム216、作業割り当てメカニズム216に接続されたスイッチ又はサーバー等において受信することができ、リソース212が、その通信を表す作業項目に割り当てられるまで保持することができる。その時点で、作業割り当てメカニズム216は、通信を開始した通信デバイス208を割り当てられたリソース212と接続するために、作業項目をルーティングエンジン232に渡す。
【0060】
ルーティングエンジン232は、作業割り当てメカニズム216から分離したものとして示されているが、ルーティングエンジン232は、作業割り当てメカニズム216内に組み込むこともできるし、その機能は、作業割り当てエンジン220によって実行することもできる。ルーティングエンジン232、作業割り当てメカニズム216、及び/又は作業割り当てエンジン220は、アイドルな構成要素を「ウェイク」し、及び/又は他のタスクに現在利用されているそのような構成要素を配分解除すること等によって配分することができるハードウェア(例えば、スイッチ、ルーター、サーバー、ポート等)を備えることができる。ルーティングエンジン232、作業割り当てメカニズム216、及び/又は作業割り当てエンジン220は、管理ハードウェア及び/又はハードウェア間通信機器の配分等を必要とする2つ以上のロケーションに配置されたハードウェアを備えることができる。加えて又は代替的に、ハードウェアは、特定の候補イベントに対処するストラテジーの少なくとも一部分として構成又は再構成することができる。例えば、追加のリソース212に関連付けられたエンドポイントは、イベントに応答して、既知の又は予期された特定の問題に対処するように構成することができる。リソース212のうちの1つのタイプは、別の状況ではインバウンド呼/メッセージング処理に利用されているのとは対照的にアウトバウンドダイヤリング/メッセージングを実施等するように全体又は一部を再構成することができる。例えば、インバウンドサービスは、構成要素をアウトバウンド呼/メッセージに利用可能にするか又は増加するダイヤリング/メッセージングレートを提供するように構成することを可能にするために、処理待ち行列においてより長い待ち時間を有するように構成することができる。
【0061】
本開示の少なくとも幾つかの実施形態によれば、通信デバイス208は、任意のタイプの既知の通信機器又は通信機器の集合体を備えることができる。適した通信デバイス208の例は、パーソナルコンピューター、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、セルラーフォン、スマートフォン、電話、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。一般に、各通信デバイス208は、他の通信デバイス208及び処理リソース212とのビデオ通信、オーディオ通信、テキスト通信、及び/又はデータ通信をサポートするように適合することができる。通信デバイス208が他の通信デバイス208又は処理リソース212と通信するのに用いられるメディアのタイプは、通信デバイス208において利用可能な通信アプリケーションに依存することができる。
【0062】
本開示の少なくとも幾つかの実施形態によれば、作業項目は、作業割り当てメカニズム216及びルーティングエンジン232の作業を組み合わせることによって、処理リソース212の集合体に向けて送信される。リソース212は、完全に自動化されたリソース(例えば、インタラクティブ音声応答(IVR)ユニット、マイクロプロセッサ、サーバー等)、又はエージェントによって動作されるエンドポイントへの接続部とすることができる。
【0063】
上述したように、作業割り当てメカニズム216及びリソース212は、コンタクトセンター202のフォーマットにおいて、共通のエンティティが所有し動作させることができる。幾つかの実施形態では、作業割り当てメカニズム216は、複数の企業が管理運営することができる。これらの企業のそれぞれは、作業割り当てメカニズム216に接続されたそれ自身の専用リソース212を有する。
【0064】
幾つかの実施形態では、作業割り当てメカニズム216は、作業割り当てメカニズム216が作業項目のインテリジェントルーティング決定を行うことを可能にする作業割り当てエンジン220を備える。幾つかの実施形態では、作業割り当てエンジン220は、米国特許出願第12/882,950号に記載されているように、キューのない(queueless:キューレス)コンタクトセンター202において作業割り当て決定を管理運用し行うように構成されている。この米国特許出願の全内容は、引用することによって本明細書の一部をなす。他の実施形態では、作業割り当てエンジン220は、従来のキューベース(又はスキルベース)のコンタクトセンター102において作業割り当て決定を実行するように構成することができる。
【0065】
作業割り当てエンジン220及びその様々な構成要素は、作業割り当てメカニズム216に存在することもできるし、複数の異なるサーバー又は処理デバイスに存在することもできる。幾つかの実施形態では、作業割り当てメカニズム216の1つ以上の構成要素をクラウド又はネットワークにおいて利用可能にして、複数の異なるユーザー間の共有リソースとすることができるように、クラウドベースのコンピューティングアーキテクチャを用いることができる。作業割り当てメカニズム216は、顧客データベース218にアクセスして、コンタクトセンター202に知られている顧客の記録、プロファイル、購入履歴、以前の作業項目、及び/又は他の態様の取り出し等を行うことができる。顧客データベース218は、作業項目及び/又は作業項目を処理するリソース212からの入力に応じて更新することができる。
【0066】
別の実施形態では、コンタクトセンター202の1つ以上の構成要素は、全体的にオンプレミスでの実施形態に加えて、全体としてクラウドベースのアーキテクチャで実施することもできるし、その構成要素をクラウドベースのアーキテクチャで実施することもできる(例えば、ハイブリッド)。1つの実施形態では、顧客通信デバイス208は、クラウドベースのサービスプロバイダーによって全体的にホストされた構成要素を介して、リソース212のうちの1つに接続される。その場合、処理要素及びデータ記憶要素は、コンタクトセンター202のオペレーターに専用とすることもできるし、複数のサービスプロバイダー顧客の間で共有又は分散することもできる。これらのサービスプロバイダー顧客のうちの1つはコンタクトセンター202である。
【0067】
図3は、本開示の実施形態によるブロック図300を示している。1つの実施形態では、プロセス302は、イベント検出を実行する。1つのサーバー(例えば、少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピューター)、複数のサーバー、又は他のコンピューティングリソースが、ソーシャルメディアサーバー230、他の外部データソース234、及び/又は他の外部のイベントソース等のイベント源を監視することができる。加えて又は代替的に、プロセス302は、特定のイベントに関するキュー(cue)の着信通信のコンテンツを調べることができる。例えば、飛行機又は船舶の搭乗から丁度追い返されたばかりの旅行者は、この問題を解決するための通信を開始することができ、それによって、イベントが発生したことの第1の表示とすることができる。動作を行う前に1つ以上の確認表示を必要とすることができる。更なる実施形態として、サーバーは、この疑わしいイベントに対して具体的に対象となる照会を開始することができ、例えば、航空会社又は船舶会社がそれらの会社のウェブサイト上に何らかの通知を発しているか、引き続き通常通り動作しているか等を判断することができる。図1に関してより十分に説明したように、全てのイベントが、コンタクトセンター202等のシステムの動作に影響を与えるとは限らず、その結果、動作が行われない場合がある。加えて又は代替的に、イベントの領域が関係する場合もあるし、関係しない場合もある。例えば、飛行機旅行の領域は、パイプラインワーカーストライキ(pipeline workers strike)による影響を仮に受けたとしても、その影響は最小限であり得る。
【0068】
プロセス304は、応答を判断する。このプロセス304は、コンピューティングリソースが実行するプロセス100のステップ106によって実行することができるような、イベント/応答記録ブロック306にアクセスすることを含むことができる。次に、ブロック308は、この応答を実施する。この応答実施ブロック308は、システム202のハードウェア構成要素を配分及び/又は構成する1つ以上のサーバー、ロボット、サブシステム等とすることができる。応答実施ブロック308は、アイドル若しくはオフラインの構成要素を「ウェイク」、他のタスクのために以前に配分された追加の構成要素の付加、及び/又は選択された応答を実行するように構成要素の再構成を行うことができる。
【0069】
1つの実施形態では、応答実施ブロック308は、選択された応答に対応するように配分及び/又は再構成されるエージェントリソースブロック310をトリガーする。例えば、応答実施ブロック308は、追加のエージェントリソースの配分を行わせ、イベントに対処するようにエンドポイントを構成し、選択された応答に関係しないタスクを中止/減少させ、選択された応答に従ってタスクのタイプを変更する(例えば、ビデオベースのインタラクション用の追加の帯域幅の配分、別のデータ源への接続の確立/維持、エンドポイントの動作の再構成等をする)ことができる。
【0070】
別の実施形態では、応答実施ブロック308は、選択された応答に対応するように配分及び/又は再構成される処理リソースブロック312をトリガーする。1つの実施形態では、プロセッサ(例えば、サーバー、ブレード、分散システム、「クラウド」プラットフォーム等に組み込まれたもの)が、候補イベントに起因し得る追加の計算タスクを実行するように配分される。これらのプロセッサは、汎用プロセッサであってもよいし、専用プロセッサ(例えば、グラフィカル処理ユニット「GPU」)であってもよい。
【0071】
別の実施形態では、応答実施ブロック308は、選択された応答に対応するように配分及び/又は再構成される通信リソースブロック318をトリガーする。1つの実施形態では、通信リソースブロック318は、追加の接続リソース(例えば、スイッチ、トランク等)を配分し及び/又は既存のハードウェアを再構成し(例えば、順番に関係なく優先されるインシデントに関連した呼が他のタイプの呼よりも早くエージェントのエンドポイントに接続することを可能にし)、通信タイプをハンドリングするのに必要とされる可能性が高いメディアタイプをハンドリングする(例えば、より多くのリソースをテキスト及びオーディオに配分するとともに、ビデオ等にはより少容量/低容量のリソースを配分する)ことができる。
【0072】
別の実施形態では、応答実施ブロック308は、選択された応答に対応するように配分及び/又は再構成される記憶リソースブロック316をトリガーする。1つの実施形態では、記憶リソースブロック316は、追加のリソースを配分し及び/又は既存のリソースを再構成することができる。例えば、候補イベントは、イベント前の最適化に起因して磁気テープ等の物理媒体に保持されたデータを顧客に調べさせることができる。しかしながら、そのような情報は、ステップ116等によって既知であると予測されるので、そのデータは、より高速のメモリ内にキャッシュすることができる。
【0073】
別の実施形態では、応答実施ブロック308は、選択された応答に対応するように配分及び/又は再構成される予想(anticipatory)リソースブロック314をトリガーする。1つの実施形態では、予想リソースブロック314は、1つ以上の他のブロック(例えば、エージェントリソースブロック310、処理リソース312、記憶リソース316、通信リソース318)を含むことができる。予想リソースブロック314は、システムのエンドポイント(例えば、リソース112)と顧客のエンドポイント(例えば、顧客通信デバイス208)との間の通信を模倣するように前述のブロックのうちの1つ以上を再構成することを行わせることができる。例えば、予想再構成314は、一般的な情報又は顧客固有の情報をデータベース218及び/又は他のリソースから取り出すことが必要となる場合があり、関連のある情報を顧客のエンドポイントに提供するために、記憶リソース316の再構成/配分、追加の及び/又は再構成された通信ブロック318を必要とする。加えて又は代替的に、顧客には、通信を必要とし、これに対する応答又は予想として、応答実施ブロック308に、追加の変更、異なる変更、又は補助的変更を行わせて返答に対応させるオプション又は他の選択肢を提示することができる。アウトバウンド音声呼の場合、エージェントのエンドポイントを顧客のエンドポイントに接続する通信配分の前に、エージェントのエンドポイントを、関連のある情報及び/又はオプションを有するように構成することができる。
【0074】
ステップ116において求められた特定の解決策は、複数のブロック310~318を含むことができる。
【0075】
図4は、本開示の実施形態によるデータ構造体400を示している。1つの実施形態では、1つ以上のデータ構造体400は、テスト104を実行して、検出されたイベントが候補イベントであるか否か及び/又はイベントが履歴イベントと十分一致するものであるか否かを判断する(例えば、ステップ106~110)プロセッサ等によってアクセスすることができる。データ構造体400は、中黒414によって示すようにより多くの記録を含むこともできるし、より少ない記録を含むこともできる。データ構造体400の記録は、特定のデータ構造体400の一意の番号又は他の識別子等のイベント識別子402と、イベントのカテゴリー、サブカテゴリー、又は他の属性を識別するタイプ識別子404(例えば、自然災害、テロリスト攻撃、気象等)と、特定のイベントの深刻度を示すのに利用することができる深刻度406(例えば、カテゴリー5のハリケーン、マグニチュード1.6の地震、軽微な気象インシデント等)と、影響のタイプをカテゴリー化するのに利用することができる影響のタイプ408(例えば、全旅行、飛行機旅行、全動作、海外旅行、ビーチフロントホテル等)と、イベントのロケーション又はエリアをカテゴリー化するのに利用することができる影響のロケーション410(例えば、広範囲に及ぶ停電、河川に沿った氾濫、全国規模の鉄道ストライキ等)と、緩和要因又は強化要因を示すのに利用することができる代替案412(例えば、氾濫は軽微であるが車道の浸水は大規模である、カナリア諸島への航空便はキャンセルされたが追加の旅客船が南モロッコから利用可能である等)とを含むことができる。
【0076】
データ構造体400は、1つのイベント用の「フラットファイル」として示されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、同じ又は同様の情報を含む1つ又は複数のイベント用の他のデータ構造体を利用することができることが理解されるであろう。また、ステップ124は、現在の候補イベント用に書き込まれる新たなデータ構造体400を、その後、ステップ106(図1参照)の記憶されたイベントの要素とすることができる。
【0077】
図5は、本開示の実施形態によるデータ構造体500を示している。1つの実施形態では、1つ以上のデータ構造体500は、候補イベントに対する解決策を求めるステップ116を実行するプロセッサ等によってアクセスすることができる。データ構造体500は、中黒514によって示すようにより多くの記録を含むこともできるし、より少ない記録を含むこともできる。データ構造体500の記録は、特定のデータ構造体500の一意の識別子等を提供する応答識別子502と、応答タイプのカテゴリー又は説明等を提供するタイプ識別子504(例えば、事前対応アウトバウンド通信キャンペーンの開始、通信容量の増加、ビデオ通信容量の減少等)と、応答の規模等を示す応答タイプの程度506(例えば、通信容量の10%増加、処理要求の35%追加等)と、タイミング508(例えば、翌日に出発する航空便を利用する旅行者に次の15分以内に発呼するタイミング、通信容量を次の24時間以内に増加させるタイミング等)、影響510(例えば、ビデオリソースが正常に機能しなくなる/利用不能になる影響、エージェントエンドポイントの利用が22%増加する影響等)、例外512(例えば、通常ならば考慮されない相違の自動エントリー又は手動エントリー)を含むことができる。
【0078】
データ構造体500は、1つのイベント用の「フラットファイル」として示されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、同じ又は同様の情報を含む1つ又は複数のイベント用の他のデータ構造体を利用することができることが理解されるであろう。また、ステップ124は、現在の候補イベント用に書き込まれる新たなデータ構造体500を、その後、ステップ106(図1参照)の記憶されたイベントの要素とすることができる。加えて又は代替的に、データ構造体400及び500は、単一のフラットファイル又は他の構造体に組み合わせることができる。
【0079】
上記説明では、説明を目的として、方法が特定の順序で説明されている。代替の実施形態では、方法は、説明したものとは異なる順序で実行することができることが理解されるであろう。上述した方法は、ハードウェア構成要素によって実行することもできるし、汎用マイクロプロセッサ若しくは専用マイクロプロセッサ(例えば、GPU、CPU)、又は命令を用いてプログラミングされた論理回路(例えば、FPGA)等の機械に方法を実行させるのに用いることができる機械実行可能命令のシーケンスで具現化することもできることも理解されるであろう。別の実施形態では、マイクロプロセッサは、クライアントデバイス上のマイクロプロセッサ及びサーバー上のマイクロプロセッサ等のシステム若しくは処理ハードウェア構成要素の集合体、それぞれのマイクロプロセッサを有するデバイスの集合体、又は共有処理サービス若しくはリモート処理サービス(例えば、「クラウド」ベースのマイクロプロセッサ)とすることができる。マイクロプロセッサのシステムは、処理タスク及び/又は共有処理タスク若しくは分散処理タスクのタスク固有の配分を有することができる。更に別の実施形態では、マイクロプロセッサは、異なる単数又は複数のマイクロプロセッサをエミュレートするサービスを提供するソフトウェアを実行することができる。その結果、第1のハードウェア構成要素セットから構成される第1のマイクロプロセッサは、第1のマイクロプロセッサに関連付けられたハードウェアが第2のマイクロプロセッサに関連付けられた命令セットを用いて動作することができる第2のマイクロプロセッサのサービスを仮想的に提供することができる。
【0080】
これらの機械実行可能命令は、CD-ROM若しくは他のタイプの光ディスク、フロッピーディスケット、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カード若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適した他のタイプの機械可読媒体等の1つ以上の機械可読媒体に記憶することができる。代替的に、方法は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行することができる。
【0081】
機械実行可能命令は、特定の機械(例えば、パーソナルコンピューター、モバイルコンピューティングデバイス、ラップトップ等)にローカルに記憶及び実行することができるが、データ及び/又は命令の記憶及び/又は命令の少なくとも一部分の実行は、リモートデータ記憶装置及び/又は処理デバイス若しくは「クラウド」として一般に知られているデバイスの集合体への接続を介して提供することができるが、公共、プライベート、専用、共有及び/又は他のサービスビューロ、コンピューティングサービス、及び/又は「サーバーファーム」を含むことができることが理解されるであろう。
【0082】
本明細書において説明されるようなマイクロプロセッサの例は、Qualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)800及び801、4G LTE統合及び64ビットコンピューティングを有するQualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)610及び615、64ビットアーキテクチャを有するApple(登録商標)A7マイクロプロセッサ、Apple(登録商標)M7モーションコマイクロプロセッサ、Samsung(登録商標)Exynos(登録商標)シリーズ、Intel(登録商標)Core(商標)マイクロプロセッサファミリー、Intel(登録商標)Xeon(登録商標)マイクロプロセッサファミリー、Intel(登録商標)Atom(商標)マイクロプロセッサファミリー、Intel Itanium(登録商標)マイクロプロセッサファミリー、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5-4670K及びi7-4770K 22nm Haswell、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5-3570K 22nm Ivy Bridge、AMD(登録商標)FX(商標)マイクロプロセッサファミリー、AMD(登録商標)FX-4300、FX-6300、及びFX-8350 32nm Vishera、AMD(登録商標)Kaveriマイクロプロセッサ、Texas Instruments(登録商標)Jacinto C6000(商標)車載インフォテイメントマイクロプロセッサ、Texas Instruments(登録商標)OMAP(商標)車載グレードモバイルマイクロプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex(商標)-Mマイクロプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex-Aマイクロプロセッサ及びARM926EJ-S(商標)マイクロプロセッサ、他の産業対応マイクロプロセッサのうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されるものではなく、任意の既知の又は今後開発される規格、命令セット、ライブラリー、及び/又はアーキテクチャを用いて計算機能を実行することができる。
【0083】
本明細書において論述したステップ、機能、及び動作のいずれも、連続して自動的に実行することができる。
【0084】
本発明の例示的なシステム及び方法は、通信及びメッセージを監視、強化、及び装飾する通信システム及び構成要素並びに方法について説明されてきた。しかしながら、本発明を不必要に不明瞭にしないために、上記説明は、複数の既知の構造及びデバイスを省略している。この省略は、請求項に記載の発明の範囲の限定として解釈されるべきではない。本発明の理解を提供するために、具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本明細書において述べられた具体的な詳細以外の様々な方法で本発明を実施することができることが理解されるであろう。
【0085】
さらに、本明細書において図示された例示的な実施形態は、システムの様々な構成要素が同じ場所に配置されていることを示しているが、システムの幾つかの特定の構成要素は、LAN及び/又はインターネット等の分散ネットワークの遠方部分にリモートに配置することもできるし、専用システム内に配置することもできる。したがって、システムの構成要素又はそれらの幾つかの部分(例えば、マイクロプロセッサ、メモリ/記憶装置、インターフェース等)は、1つのサーバー、複数のサーバー、コンピューター、コンピューティングデバイス、端末、「クラウド」又は他の分散処理デバイス等の1つ以上のデバイスに組み合わせることもできるし、アナログ及び/又はデジタル電気通信ネットワーク、パケット交換ネットワーク、又は回線交換ネットワーク等の分散ネットワークの特定のノード上の同じ場所に配置することもできる。別の実施形態では、構成要素は、複数の構成要素にわたって物理的(正:physically)又は論理的に分散させることができる(例えば、マイクロプロセッサは、或る構成要素上にある第1のマイクロプロセッサと、別の構成要素上にある第2のマイクロプロセッサとを含むことができ、それぞれは、共有タスク及び/又は配分されたタスクの一部分を実行する)。上記説明から、計算効率の理由によって、システムの構成要素は、システムの動作に影響を及ぼすことなく、分散ネットワークの構成要素内の任意のロケーションに配置することができることが理解されるであろう。例えば、様々な構成要素は、PBX及びメディアサーバー、ゲートウェイ等のスイッチ内に配置することもできるし、1つ以上の通信デバイス内に配置することもできるし、1つ以上のユーザーの構内に配置することもできるし、それらの或る組み合わせに配置することもできる。同様に、システムの1つ以上の機能部分は、電気通信デバイス(複数の場合もある)と、関連付けられたコンピューティングデバイスとの間に分散させることができる。
【0086】
さらに、要素を接続する様々なリンクは、有線リンク若しくは無線リンク、又はそれらの任意の組み合わせであってもよいし、接続された要素へのデータの供給及び/又はそれらの要素からのデータの通信が可能な他の任意の既知の又は後に開発される要素(複数の場合もある)であってもよいことが理解されるであろう。これらの有線リンク又は無線リンクは、セキュアリンクとすることもでき、暗号化情報の通信が可能な場合もある。リンクとして用いられる伝送媒体は、例えば、同軸ケーブル、銅ワイヤ、及び光ファイバーを含む電気信号の任意の適したキャリアとすることができ、電波及び赤外線のデータ通信の間に生成されるような音響波又は光波の形態を取ることができる。
【0087】
また、フローチャートが、特定のイベントシーケンスについて論述及び図示されているが、本発明の動作に実質的に影響を及ぼすことなく、このシーケンスへの変更、追加、及び省略を行うことができることが理解されるであろう。
【0088】
本発明の複数の変形形態及び変更形態を用いることができる。本発明の幾つかの特徴を提供し、それ以外を提供しないことも可能である。
【0089】
更に別の実施形態では、本発明のシステム及び方法は、専用コンピューター、プログラミングされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラー及び周辺集積回路素子(複数の場合もある)、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号マイクロプロセッサ、離散素子回路等のハードワイヤード電子回路又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、PAL等のプログラマブルロジックデバイス又はゲートアレイ、専用コンピューター、任意の同等手段等とともに実施することができる。一般に、本明細書に示した方法論を実施することが可能な任意のデバイス(複数の場合もある)又は手段を用いて、本発明の様々な態様を実施することができる。本発明に用いることができる例示的なハードウェアは、コンピューター、ハンドヘルドデバイス、電話機(例えば、セルラー、インターネット対応、デジタル、アナログ、ハイブリッド等)、及び当該技術において既知の他のハードウェアを含む。これらのデバイスのうちの幾つかは、マイクロプロセッサ(例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ)、メモリ、不揮発性記憶、入力デバイス、及び出力デバイスを備える。さらに、分散処理若しくは構成要素/オブジェクト分散処理、並列処理、又は仮想機械処理を含むが、これらに限定されない代替のソフトウェア実施態様も、本明細書において説明した方法を実施するように構築することができる。
【0090】
更に別の実施形態では、開示された方法は、様々なコンピュータープラットフォーム又はワークステーションプラットフォーム上で用いることができるポータブルソースコードを提供するオブジェクト又はオブジェクト指向型ソフトウェア開発環境を用いてソフトウェアとともに容易に実施することができる。代替的に、開示されたシステムは、標準的な論理回路又はVLSI設計を用いてハードウェアで部分的又は全面的に実施することができる。本発明に従ってシステムを実施するのにソフトウェア又はハードウェアのいずれを用いるのかは、利用されているシステム、特定の機能、及び特定のソフトウェアシステム若しくはハードウェアシステム又はマイクロプロセッサシステム若しくはマイクロコンピューターシステムの速度及び/又は効率の要件に依存する。
【0091】
更に別の実施形態では、開示された方法は、記憶媒体に記憶することができ、コントローラー及びメモリの協力を得たプログラミングされた汎用コンピューター、専用コンピューター、マイクロプロセッサ等において実行することができるソフトウェアで部分的に実施することができる。これらの場合に、本発明のシステム及び方法は、アプレット、JAVA(登録商標)スクリプト又はCGIスクリプト等のパーソナルコンピューターに組み込まれたプログラムとして、サーバー又はコンピューターワークステーション上に存在するリソースとして、専用測定システム、システム構成要素等に組み込まれたルーチンとして実施することができる。システムは、システム及び/又は方法をソフトウェアシステム及び/又はハードウェアシステム内に物理的に組み込むことによって実施することもできる。
【0092】
本発明は、特定の規格及びプロトコルに関連した実施形態において実施される構成要素及び機能を記載しているが、本発明は、そのような規格及びプロトコルに限定されるものではない。本明細書において言及していない他の同様の規格及びプロトコルが存在し、本発明に含まれるように考慮される。その上、本明細書において言及した規格及びプロトコル並びに本明細書において言及していない他の同様の規格及びプロトコルは、本質的に同じ機能を有するより高速の又はより効果的な同等物によって定期的に取って代わられる。同じ機能を有するそのような後継の規格及びプロトコルは、本発明に含まれる考慮された同等物である。
【0093】
本発明は、様々な実施形態、構成、及び態様において、様々な実施形態、それらの部分的組み合わせ、及びそれらのサブセットを含む本明細書において描写及び説明された構成要素、方法、プロセス、システム及び/又は装置を実質的に含む。当業者であれば、本開示を理解した後に本発明をどのように構成及び使用するのかを理解するであろう。本発明は、様々な実施形態、構成、及び態様において、例えば、性能を改善するため、容易さを達成するため、及び/又は実施のコストを低減するために、従来のデバイス又はプロセスで使用されていた可能性がある項目がない場合を含めて、本明細書に、又は本明細書の様々な実施形態、構成、若しくは態様に描写及び/又は記載されていない項目が存在しないデバイス及びプロセスを提供することを含む。
【0094】
本発明の上記論述は、例示及び説明を目的として提示されたものである。上記内容は、本明細書において開示された形態に本発明を限定することを意図するものではない。例えば、上記詳細な説明では、本発明の様々な特徴は、本開示を能率的にすることを目的として1つ以上の実施形態、構成、又は態様にともにグループ化されている。本発明の実施形態、構成、又は態様の特徴は、上記に論述されたもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様に組み合わせることができる。本開示のこの方法は、請求項に記載の発明が各請求項に明確に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。逆に、添付の請求項が反映しているように、発明的な側面は、開示された単一の上記実施形態、構成、又は態様の全ての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、添付の請求項は、この詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、それ自体で、本発明の個々の好ましい実施形態として成立する。
【0095】
その上、本発明の上記説明は、1つ以上の実施形態、構成、又は態様と、幾つかの特定の変形形態及び変更形態との説明を含んでいるが、他の変形形態、組み合わせ形態、及び変更形態も、例えば、当業者が本開示を理解した後に当業者の技術及び知識の範囲内に存在し得るので、本発明の範囲内にある。請求項に記載のものの代替の、交換可能な及び/又は均等の構造、機能、範囲、又はステップが本明細書に開示されているか否かを問わず、あらゆる特許可能な主題を公共のものにすることを意図することなく、そのような代替の、交換可能な及び/又は均等の構造、機能、範囲、又はステップを含めて、代替の実施形態、構成、又は態様を許容される範囲まで含む権利を取得することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5