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特許7012057反射型センサおよびこれを備える光学式エンコーダ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】反射型センサおよびこれを備える光学式エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
G01D5/347 110S
G01D5/347 110C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019202624
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021076452
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2019-11-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000104630
【氏名又は名称】キヤノンプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(72)【発明者】
【氏名】松山 和樹
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特許第6407502(JP,B1)
【文献】特開2013-70078(JP,A)
【文献】特開2010-223636(JP,A)
【文献】特開2011-196870(JP,A)
【文献】特開2005-156549(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108021225(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26-5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を射出する発光素子と、
パターンが形成されているスケールからの反射光を受光する受光素子と、
前記発光素子および前記受光素子を覆う透明部材とを有し、
前記発光素子の発光部から前記透明部材の上面までの距離をG、前記受光素子の受光部から前記上面までの距離をJとし、前記発光部から射出された光が前記透明部材の該上面に角度θ1で入射し全反射する場合、
前記受光部は、前記発光部の第1の端部から
R=(G+J)×tanθ1
なる式で決定される距離Rだけ離れた位置までの間に配置され、
前記発光部の前記第1の端部に対向する第2の端部から前記透明部材の側面までの距離をD1とし、該上面で全反射された光が角度θ2で該側面に入射し全反射するとした場合、
D1>(G+J)/tanθ2
なる条件式を満足することを特徴とする反射型センサ。
【請求項2】
前記第2の端部は、前記第1の端部と前記距離Rだけ離れた位置までの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の反射型センサ。
【請求項3】
前記受光素子は、1つの受光素子から構成され、
前記発光部の端部から最も近い前記透明部材の側面までの距離をD2とし、前記発光部から射出された光が角度θ3で該側面に入射し全反射するとした場合、
D2>G/tanθ3
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型センサ。
【請求項4】
前記受光素子は、複数の受光素子から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型センサ。
【請求項5】
前記透明部材は、透明ガラスと透明樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の反射型センサ。
【請求項6】
前記透明部材は、透明樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の反射型センサ。
【請求項7】
前記発光素子および前記受光素子は、非反射部材の上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の反射型センサ。
【請求項8】
前記発光部から前記上面までの距離は、前記受光部から前記上面までの距離と等しいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の反射型センサ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の反射型センサと、
前記反射型センサからの光を反射するスケールとを有することを特徴とする光学式エンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型センサおよびこれを備える光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子から光を照射された測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、その光量変化によって測定対象物の変位を検出する反射型センサが知られている。反射型センサでは、発光素子から射出された光のうち発光素子および受光素子を覆う透明部材で全反射して受光素子に入射した光が、ノイズ光としてセンサ信号光に重畳してしまうという問題がある。特許文献1には、透明部材の上面で全反射した光よりも発光素子の側に受光素子の受光領域を設けた反射型センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-70078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の反射型センサでは、透明部材の上面で全反射した後、透明部材の側面で全反射して受光素子に入射した光が、ノイズ光としてセンサ信号光に重畳してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、小型であると共に、内部反射光の影響を低減可能な反射型センサおよびこれを備える光学式エンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての反射型センサは、光を射出する発光素子と、パターンが形成されているスケールからの反射光を受光する受光素子と、発光素子および受光素子を覆う透明部材とを有し、発光素子の発光部から透明部材の上面までの距離をG、受光素子の受光部から上面までの距離をJとし、発光部から射出された光が透明部材の該上面に角度θ1で入射し全反射する場合、
R=(G+J)×tanθ1
なる式で決定される距離Rだけ離れた位置までの間に配置され、発光部の第1の端部に対向する第2の端部から透明部材の側面までの距離をD1とし、該上面で全反射された光が角度θ2で該側面に入射し全反射するとした場合、
D1>(G+J)/tanθ2
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型であると共に、内部反射光の影響を低減可能な反射型センサおよびこれを備える光学式エンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の光学式エンコーダの外観図である。
図2】実施例1の反射型センサの外観図である。
図3】実施例1の反射型センサの側面図である。
図4】実施例1のスケールの側面図である。
図5】実施例1の反射型センサの主要部品の平面図である。
図6】実施例1の反射型センサの上面図である。
図7】実施例1の反射型センサの側面図である。
図8図6のA-A線断面図である。
図9図6のB-B線断面図である。
図10】条件式(2)を満足しない場合の図6のB-B線断面図に対応する断面図である。
図11】条件式(2)を満足する場合の図7のPL-PL線断面での照度分布図である。
図12図11の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図13】条件式(2)を満足しない場合の図7のPL-PL線断面での照度分布図である。
図14図13の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図15】実施例2の反射型センサの上面図である。
図16】実施例2の反射型センサの側面図である。
図17図15のA-A線断面図である。
図18】条件式(3)を満足しない場合の図16のA-A線断面図に対応する断面図である。
図19】条件式(3)を満足する場合の図16のPL-PL線断面での照度分布図である。
図20図19の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図21】条件式(3)を満足しない場合の図16のPL-PL線断面での照度分布図である。
図22図21の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図23】実施例3の反射型センサの上面図である。
図24】実施例3の反射型センサの側面図である。
図25】条件式(2)を満足する場合の図24のPL-PL線断面での照度分布図である。
図26図25の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図27図25の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図28】条件式(2)を満足しない場合の図24のPL-PL線断面での照度分布図である。
図29図28の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
図30図28の受光素子における各受光セルでの受光量グラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
各実施例で説明する光学式エンコーダは、光学機器等の各種装置に用いられ、該装置内の可動部材の移動に応じたスケールと反射型センサとの相対移動に伴って可動部材の位置を検出可能である。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例の光学式エンコーダ100の外観図である。光学式エンコーダ100は、反射型センサ10とスケール50を有する。反射型センサ10およびスケール50は、互いに対向するように設けられている。スケール50は、可動部材(不図示)に固定され、X軸方向へ移動可能である。
【0012】
図2および図3はそれぞれ、本実施例の反射型センサ10の外観図および側面図である。反射型センサ10は、発光素子11、受光素子12,13、透明部材14および非反射部材15を有する。発光素子11は、光を射出する発光部11aを備える。発光部11aから射出された光は、スケール50により受光素子12,13はそれぞれ、発光部11aから照射され、スケール50で反射された光を受光する受光部12a,13aを備える。発光素子11および受光素子12,13は、非反射部材15の上に配置されている。なお、本実施例では、反射型センサ10は、2つの受光素子12,13を有するが、受光素子の数はこれに限定されない。受光素子を1つだけ有していてもよいし、3つ以上有していてもよい。
【0013】
透明部材14は、透明樹脂14aおよび透明樹脂14a上に配置された透明ガラス14bから構成され、発光素子11および受光素子12,13を覆っている。透明樹脂14aと透明ガラス14bは、屈折率がほぼ同じ値であるため、光学的には実質的に一体的な部材とみなすことができ、これらの間の境界線は無視できる。なお、透明部材14は、透明樹脂14aのみで構成されていてもよい。
【0014】
図4は、スケール50の側面図である。スケール50は、一定の周期(ピッチ)で交互に配置された反射部(図中、黒色部分)および非反射部(図中、白色部分)を含むパターン(格子)51が形成されている透明部材52と、非反射部材54とが接着剤53により接合されて構成されている。
【0015】
図5は、反射型センサ10の主要部品である発光素子11と受光素子12の平面図である。受光部12aには、図の水平方向に沿って受光セルa,b,c,d,・・・,iw,ix,iy,izが等間隔に配列されている。
【0016】
図6および図7はそれぞれ、反射型センサ10の上面図および側面図である。図8および図9はそれぞれ、図6のA-A線断面図およびB-B線断面図である。
【0017】
発光素子11の発光部11aは、透明部材14の上面14cから距離Gを隔てて配置されている。受光素子12(13)の受光部12a(13a)は、上面14cから距離Jを隔てて配置されている。なお、発光部11aから上面14cまでの距離Gは、受光部12a(13a)から上面14cまでの距離Jと等しいことが好ましい。ここで、等しいとは、厳密に等しい場合だけでなく、実質的に等しい(略等しい)場合も含まれている。すなわち、本実施例では、発光部11aの発光面と受光部12aの受光面の高さの差が十分に小さくなるように構成されている。
【0018】
以下、発光部11aから射出された光が透明部材14で全反射する角度θで上面14cに入射された場合について説明する。この場合、図8および図9に示されるように、発光部11aから射出された光は、上面14cで全反射し、反射型センサ10内を伝搬する。このとき、上面14cで全反射した光は、発光部11aの端部(第1の端部)から以下の式(1)で決定される距離Rだけ離れた位置より内側の領域(発光部11aの端部を中心とする距離(半径)Rの円内の領域)に入射しない。
【0019】
R=(G+J)×tanθ (1)
上面14cで全反射した光は、センサ信号光とは無関係なノイズ光である。そこで、本実施例では、受光部12a,13aを発光部11aの端部から距離Rだけ離れた位置までの間に配置している。これにより、上面14cで全反射したノイズ光が受光部12a,13aに入射することを抑制することができる。また、発光部11aの端部(第1の端部)に対向する端部(第2の端部)は、発光部11aの端部(第1の端部)から距離Rだけ離れた位置までの間に配置されている。
【0020】
透明部材14の側面14dを発光部11aの側に近づけることで、透明部材14を小型化し、反射型センサ10を小型化することができる。しかしながら、側面14dを発光部11aの側に近づけ過ぎると、図10に示されるように上面14cで全反射した後、側面14dで全反射した光が、受光部12a,13aに入射するおそれがある。そこで、本実施例では、発光部11aの端部(第2の端部)から側面14dまでの距離D1が以下の条件式(2)を満足するように構成されている。
【0021】
D1>(G+J)/tanθ (2)
条件式(2)を満足することで、上面14cおよび側面14dを全反射した光が受光部12a,13aに入射することを抑制することができる。
【0022】
図11は、条件式(2)を満足する場合のスケール50が取り除かれた状態における図7のPL-PL線断面での上面14cからの反射光線の照度分布図である。図12は、図11の受光素子12における各受光セルでの受光量グラフ図である。図13は、条件式(2)を満足しない場合のスケール50が取り除かれた状態における図7のPL-PL線断面での上面14cからの反射光線の照度分布図である。図14は、図13の受光素子12における各受光セルでの受光量グラフ図である。
【0023】
図11および図13において、中央の黒い四角で示した位置に発光素子11が位置する。発光素子11の左側に受光素子12および受光部12aに対応する位置が点線で示されている。また、発光素子11の右側に受光素子13および受光部13aに対応する位置が点線で示されている。白色に近い色ほど上面14cからの反射光線による照度の高い部分を示し、黒色に近い色ほど照度が低い部分を示している。
【0024】
条件式(2)を満足しない場合、前述したように上面14cで全反射した後、側面14dで全反射した光が、受光部12a,13aに入射してしまう。図13の条件式(2)を満足しない場合に比べて、条件式(2)を満足することで、図11に示されるように、受光部12a,13aにおける照度を低くすることができる。そのため、図14の条件式(2)を満足しない場合に比べて、図12に示されるように、いずれの受光セルに対する受光量も小さくすることができる。すなわち、本実施例の構成によれば、内部反射光の受光部12a,13aへの入射を抑制することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施例の構成により、小型であると共に、内部反射光の影響を低減可能な反射型センサ10およびこれを備える光学式エンコーダ100を提供することができる。
【実施例2】
【0026】
本実施例の光学式エンコーダ100の基本的な構成は、実施例1の光学式エンコーダ100と同様である。本実施例では、実施例1の光学式エンコーダ100と異なる構成について説明する。本実施例の光学式エンコーダ100は、実施例1とは異なる構成を有する反射型センサ20を有する。
【0027】
図15および図16はそれぞれ、本実施例の反射型センサ20の上面図および側面図である。図17は、図15のA-A線断面図である。
【0028】
反射型センサ20は、発光素子21、受光素子22、透明部材23および非反射部材24を有する。実施例1では反射型センサ10は複数の受光素子を有するが、本実施例では反射型センサ20は1つの受光素子22を有する。発光素子21は、光を射出する発光部21aを備える。受光素子22は、スケール50からの反射光を受光する受光部22aを備える。発光素子21および受光素子22は、非反射部材24の上に配置されている。
【0029】
本実施例では、実施例1と同様に、受光部22aを発光部21aの端部(第1の端部)から距離Rだけ離れた位置までの間に配置している。これにより、透明部材23の上面23aで全反射したノイズ光が受光部22aに入射することを抑制することができる。また、実施例1と同様に、発光部21aの端部(第1の端部)に対向する端部(第2の端部)は、発光部21aの端部(第1の端部)から距離Rだけ離れた位置までの間に配置されている。
【0030】
また、本実施例では、実施例1と同様に、発光部21aの端部(第2の端部)から透明部材23の受光素子22が配置されている側の側面23bまでの距離D1が条件式(2)を満足するように構成されている。これにより、透明部材23の上面23aおよび側面23bを全反射した光が受光部22aに入射することを抑制することができる。
【0031】
本実施例では、1つの受光素子22のみが設けられているため、受光素子22が配置されている側とは反対側の側面23cを他の側面23bに比べて発光部21aの側に近づけることができる。これにより、透明部材23を実施例1の透明部材14よりも小型化することができる。しかしながら、側面23cを発光部21aの側に近づけ過ぎると、図18に示されるように側面23cで全反射した後、上面23aで全反射した光が、受光部22aに入射するおそれがある。そこで、本実施例では、発光部21aの端部から最も近い側面23cまでの距離D2が以下の条件式(3)を満足するように構成されている。
【0032】
D2>G/tanθ (3)
条件式(3)を満足することで、発光部21aの端部から最も近い側面23cおよび上面23aを全反射した光が受光部22aに入射することを抑制することができる。
【0033】
図19は、条件式(3)を満足する場合のスケール50が取り除かれた状態における図16のPL-PL線断面での上面23aからの反射光線の照度分布図である。図20は、図19の受光素子22における各受光セルでの受光量グラフ図である。図21は、条件式(3)を満足しない場合のスケール50が取り除かれた状態における図16のPL-PL線断面での上面23aからの反射光線の照度分布図である。図22は、図21の受光素子22における各受光セルでの受光量グラフ図である。
【0034】
図19および図21において、黒い四角で示した位置に発光素子21が位置する。発光素子21の左側に受光素子22および受光部22aに対応する位置が点線で示されている。実施例1と同様に、白色に近い色ほど上面23aからの反射光線による照度の高い部分を示し、黒色に近い色ほど照度が低い部分を示している。
【0035】
条件式(3)を満足しない場合、前述したように発光部21aの端部から最も近い側面23cで全反射した後、上面23aで全反射した光が、受光部22aに入射してしまう。図21の条件式(3)を満足しない場合に比べて、条件式(3)を満足することで、図19に示されるように、受光部22aにおける照度を低くすることができる。そのため、図22の条件式(3)を満足しない場合に比べて、図20に示されるように、いずれの受光セルに対する受光量も小さくすることができる。すなわち、本実施例の構成によれば、内部反射光の受光部22aへの入射を抑制することができる。
【0036】
以上説明したように、本実施例の構成により、実施例1に比べてより小型であると共に、内部反射光の影響を低減可能な反射型センサ20およびこれを備える光学式エンコーダ100を提供することができる。
【実施例3】
【0037】
本実施例の光学式エンコーダ100の基本的な構成は、実施例1の光学式エンコーダ100と同様である。本実施例では、実施例1の光学式エンコーダ100と異なる構成について説明する。本実施例の光学式エンコーダ100は、実施例1とは異なる構成を有する反射型センサ30を有する。
【0038】
図23および図24はそれぞれ、本実施例の反射型センサ30の上面図および側面図である。
【0039】
反射型センサ30は、発光素子31、受光素子32,33,34、透明部材35および非反射部材36を有する。本実施例の反射型センサ30は、実施例1,2とは異なり、3つの受光素子32,33,34を有する。発光素子31は、光を射出する発光部31aを備える。受光素子32,33,34はそれぞれ、スケール50からの反射光を受光する受光部32a,33a,34aを備える。発光素子31および受光素子32,33,34は、非反射部材36の上に配置されている。
【0040】
本実施例では、実施例1,2と同様に、受光部32a,33a,34aを発光部31aの端部(第1の端部)から距離Rだけ離れた位置までの間に配置している。これにより、透明部材35の上面35aで全反射したノイズ光が受光部32a,33a,34aに入射することを抑制することができる。また、実施例1,2と同様に、発光部31aの端部(第1の端部)に対向する端部(第2の端部)は、発光部31aの端部(第1の端部)から距離Rだけ離れた位置までの間に配置されている。
【0041】
また、本実施例では、実施例1,2と同様に、発光部31aの端部(第2の端部)から透明部材35の側面35bまでの距離D1が条件式(2)を満足するように構成されている。これにより、上面35aおよび側面35bを全反射した光が受光部32a,33a,34aに入射することを抑制することができる。
【0042】
図25は、条件式(2)を満足する場合のスケール50が取り除かれた状態における図24のPL-PL線断面での上面35aからの反射光線の照度分布図である。図26および図27はそれぞれ、図25の受光素子32,34における各受光セルでの受光量グラフ図である。図28は、条件式(2)を満足しない場合のスケール50が取り除かれた状態における図24のPL-PL線断面での上面35aからの反射光線の照度分布図である。図29および図30はそれぞれ、図28の受光素子32,34における各受光セルでの受光量グラフ図である。
【0043】
図25および図28において、黒い四角で示した位置に発光素子31が位置する。発光素子31の左側に受光素子32および受光部32aに対応する位置が点線で示されている。また、発光素子31の右側に受光素子33および受光部33aに対応する位置が点線で示されている。発光部31の下側に受光素子34および受光部34aに対応する位置が点線で示されている。実施例1,2と同様に、白色に近い色ほど上面35aからの反射光線による照度の高い部分を示し、黒色に近い色ほど照度が低い部分を示している。
【0044】
条件式(2)を満足しない場合、上面35aで全反射した後、側面35bで全反射した光が、受光部32,33,34に入射してしまう。図28の条件式(2)を満足しない場合に比べて、条件式(2)を満足することで、図25に示されるように、受光部22aにおける照度を低くすることができる。そのため、図29,30の条件式(2)を満足しない場合に比べて、図26,27に示されるように、いずれの受光セルに対する受光量も小さくすることができる。すなわち、本実施例の構成によれば、内部反射光の受光部32a,33a,34aへの入射を抑制することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施例の構成により、小型であると共に、内部反射光の影響を低減可能な反射型センサ30およびこれを備える光学式エンコーダ100を提供することができる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
10,20,30 反射型センサ
11,21,31 発光素子
11a,21a,31a 発光部
12,13,22,32,33,34 受光素子
12a,13a,22a,32a,33a,34a 受光部
14,23,35 透明部材
14c,23a,35a 上面
14d,23b,35b 側面
50 スケール
51 パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30