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  • 特許-画像補正方法及びその装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】画像補正方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220120BHJP
   G06T 5/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H04N5/232 290
G06T5/00 725
H04N5/232 450
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019205827
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2020092418
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】62/760,057
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502433416
【氏名又は名称】創惟科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】蔡 米莱
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/014071(WO,A3)
【文献】特開2014-115824(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0102868(US,A1)
【文献】国際公開第2012/044619(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06T 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得画像の補正方法であって、
画像装置により参照オブジェクトに対して第1画像を取得し、該参照オブジェクトが複数の参照点と校正基準点とを有し、該画像装置がレンズ及びセンサを備え、該センサが複数の画素を有し、該参照オブジェクトが該レンズを介して画像を該センサに投射することと、
コントローラにより該第1画像内の該参照オブジェクトにおける該参照点及び該校正基準点を識別し、該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算することと、
各該参照点の該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成することと、
校正画像資料を形成するために、該画像装置によりオブジェクトに対して第2画像を取得し、画像画素系列によって該センサにおける対応位置の該第2画像の画素資料を読み取り、該対応位置が該位置比関係表に基づいて計算して得られたものであることと、を含み、
該コントローラが該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算した場合、更に、
該コントローラにより該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向及び垂直方向における該拡張/圧縮比をそれぞれ計算することを含む取得画像の補正方法。
【請求項2】
該参照オブジェクトが1組の直交スケールを含む請求項1に記載の取得画像の補正方法。
【請求項3】
該参照オブジェクトはスケールを含み、該スケールは水平夾角を有し、該水平夾角は20°~70°である請求項1に記載の取得画像の補正方法。
【請求項4】
該画像装置は光軸中心を備え、該画像装置が該参照オブジェクトに対して該第1画像を取得した場合、該光軸中心は該校正基準点と重なっている請求項1に記載の取得画像の補正方法。
【請求項5】
該参照オブジェクトは、第1パターン及び該第1パターンと相互に交差している第2パターンを含む請求項1に記載の取得画像の補正方法。
【請求項6】
該参照オブジェクトが碁盤パターンである請求項5に記載の取得画像の補正方法。
【請求項7】
該第1パターンが水平スケールであり、且つ該第2パターンが垂直スケールである請求項5に記載の取得画像の補正方法。
【請求項8】
該垂直スケールと該水平スケールとの交差方式が直交である請求項7に記載の取得画像の補正方法。
【請求項9】
該コントローラが各該参照点の該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成する場合、更に、
該コントローラが該水平方向と該垂直方向との該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向位置比関係表及び垂直方向位置比関係表をそれぞれ作成することを含む請求項に記載の取得画像の補正方法。
【請求項10】
画像装置とコントローラとを備える画像補正装置であって、
該画像装置はレンズ及びセンサを備え、該センサは複数の画素を有し、該画像装置が光軸中心を有し、
コントローラは、運算ユニット及びメモリユニットを備え、
該画像装置が較正モード(calibration)にある場合、該画像装置が第1画像を形成するために参照オブジェクトを取得することに用いられ、該参照オブジェクトは、複数の参照点と校正基準点とを有し、各該参照点と該校正基準点とは所定距離離れ、該コントローラが該第1画像と該参照オブジェクトとの拡張/圧縮比を計算して、該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成することに用いられ、
該画像装置が校正モード(correction)にある場合、該画像装置がオブジェクトに対して第2画像を取得することに用いられ、該第2画像の校正画像を作成するために、該コントローラが画像画素系列によって該第2画像の各画素位置の画像内容を取得して、該位置比関係表に基づいて各画素の該画像内容の該拡張/圧縮比を計算し、
該コントローラが該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算した場合、更に、
該コントローラにより、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向及び垂直方向における該拡張/圧縮比をそれぞれ計算することを含む画像補正装置。
【請求項11】
該拡張/圧縮比の計算はまず該第1画像の該参照点と該校正基準点との校正距離を計算し、該校正距離及び該所定距離に基づいて計算する請求項10に記載の画像補正装置。
【請求項12】
該参照オブジェクトは1組の直交スケールを含む請求項10に記載の画像補正装置。
【請求項13】
該参照オブジェクトはスケールを含み、該スケールは水平夾角を有し、該水平夾角は20°~70°である請求項10に記載の画像補正装置。
【請求項14】
該画像装置が該参照オブジェクトに対して該第1画像を取得した場合、該光軸中心は該校正基準点と重なっている請求項10に記載の画像補正装置。
【請求項15】
該参照オブジェクトは第1パターン及び該第1パターンと相互に交差している第2パターンを含む請求項10に記載の画像補正装置。
【請求項16】
該参照オブジェクトは碁盤パターンである請求項15に記載の画像補正装置。
【請求項17】
該第1パターンが水平スケールであり、且つ該第2パターンが垂直スケールである請求項15に記載の画像補正装置。
【請求項18】
該垂直スケールと該水平スケールとの交差方式は直交である請求項17に記載の画像補正装置。
【請求項19】
該コントローラが各該参照点の該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成する場合、更に、
該コントローラが該水平方向と該垂直方向との該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向位置比関係表及び垂直方向位置比関係表をそれぞれ作成することを含む請求項10に記載の画像補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像補正方法及びその装置に関し、特に歪み画像の補正方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、カメラが広角レンズ又は魚眼レンズを利用して広視野角を有する画像を取得すると、画像のエッジの湾曲及び不自然な画像外観表現をもたらしてしまう。広角画像又は魚眼画像は一般的にバックミラーの画像表示、ネットワークカメラ(IP camera)、監視システム、ユビキタスネットワークカメラ及びマシンビジョン等の製品に使用される。このような電子装置の画像システムにおいて、歪んだ画像に起因して画像内容が識別されにくく、見る際にユーザーの目の調子が悪くなってしまう。画像分析は歪んだ画像のない環境に適用されるため、画像分析方法を実行する前に該歪んだ画像を補正しなければならず、それによりその画像の歪み度を低下させ、後続の応用に役立つ。従来技術における広角レンズ又は魚眼レンズを有するカメラは複雑なハードウェア又はソフトウェアを必要とするため、コストがより高い。これに鑑みて、上記問題を解決するために、現在、依然として新しい画像補正方法及びその装置を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は歪んだ画像をコントローラにより容易且つ効果的に補正し、コストを節約する画像補正方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明の実施例の画像補正方法は、画像装置により参照オブジェクトに対して第1画像を取得し、該参照オブジェクトが複数の参照点と校正基準点とを有し、該画像装置がレンズ及びセンサを備え、該センサが複数の画素を有し、該参照オブジェクトが該レンズを介して画像を該センサに投射することと、コントローラにより該第1画像内の該参照オブジェクトにおける該参照点及び該校正基準点を識別し、該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算することと、各該参照点の該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成することと、校正画像資料を形成するために、該画像装置によりオブジェクトに対して第2画像を取得し、画像画素系列によって該センサにおける対応位置の該第2画像の画素資料を読み取り、該対応位置が該位置比関係表に基づいて計算して得られたものであることと、を含む。
【0005】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該参照オブジェクトは1組の直交スケールを含む。
【0006】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該参照オブジェクトはスケールを含み、該スケールは水平夾角を有し、該水平夾角は20°~70°である。
【0007】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該画像装置は光軸中心を備え、該画像装置が該参照オブジェクトに対して該第1画像を取得した場合、該光軸中心は該校正基準点と重なっている。
【0008】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該参照オブジェクトは、第1パターン及び該第1パターンと相互に交差している第2パターンを含む。
【0009】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該参照オブジェクトは碁盤パターンである。
【0010】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該第1パターンが垂直スケールであり、且つ該第2パターンが水平スケールである。
【0011】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該垂直スケールと該水平スケールとの交差方式は直交である。
【0012】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該コントローラが該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算した場合、更に、該コントローラにより該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向及び垂直方向における該拡張/圧縮比をそれぞれ計算することを含む。
【0013】
一実施例に記載の取得画像の補正方法では、該コントローラが各該参照点の該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成する場合、更に、該コントローラが該水平方向及び該垂直方向における該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向位置比関係表及び垂直方向位置比関係表をそれぞれ作成することを含む。
【0014】
本発明の実施例の画像補正装置は、画像装置とコントローラとを備える。画像装置はレンズ及びセンサを備え、該センサは複数の画素を有し、画像装置は光軸中心を有する。コントローラは、運算ユニット及びメモリユニットを備える。該画像装置が較正モード(calibration)にある場合、該画像装置が第1画像を形成するために参照オブジェクトを取得することに用いられ、該参照オブジェクトが複数の参照点と校正基準点とを有し、各該参照点と該校正基準点とは所定距離離れ、該コントローラが該第1画像と該参照オブジェクトとの拡張/圧縮比を計算して、該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成することに用いられ、該画像装置が校正モード(correction)にある場合、該画像装置がオブジェクトに対して第2画像を取得することに用いられ、該第2画像の補正画像を作成するために、該コントローラが画像画素系列によって該第2画像の各画素位置の画像内容を取得して、該位置比関係表に基づいて各画素の該画像内容の該拡張/圧縮比を計算する。
【0015】
一実施例に記載の画像補正装置では、該拡張/圧縮比の計算はまず該第1画像の該参照点と該校正基準点との校正距離を計算し、該校正距離及び該所定距離に基づいて計算する。
【0016】
一実施例に記載の画像補正装置では、該参照オブジェクトは1組の直交スケールを含む。
【0017】
一実施例に記載の画像補正装置では、該参照オブジェクトはスケールを含み、該スケールは水平夾角を有し、該水平夾角は20°~70°である。
【0018】
一実施例に記載の画像補正装置では、該画像装置が該参照オブジェクトに対して該第1画像を取得した場合、該光軸中心は該校正基準点と重なっている。
【0019】
一実施例に記載の画像補正装置では、該参照オブジェクトは第1パターン及び該第1パターンと相互に交差している第2パターンを含む。
【0020】
一実施例に記載の画像補正装置では、該参照オブジェクトは碁盤パターンである。
【0021】
一実施例に記載の画像補正装置では、該第1パターンが垂直スケールであり、且つ該第2パターンが水平スケールである。
【0022】
一実施例に記載の画像補正装置では、該垂直スケールと該水平スケールとの交差方式は直交である。
【0023】
一実施例に記載の画像補正装置では、該コントローラが該第1画像内の各該参照点と該校正基準点との距離及び各該参照点の拡張/圧縮比を計算した場合、更に、該コントローラにより、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向及び垂直方向における該拡張/圧縮比をそれぞれ計算することを含む。
【0024】
一実施例に記載の画像補正装置では、該コントローラが各該参照点の該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像と該参照オブジェクトとの位置比関係表を作成する場合、更に、該コントローラが該水平方向及び該垂直方向における該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像と該参照オブジェクトとの水平方向位置比関係表及び垂直方向位置比関係表をそれぞれ作成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の記述において必要な図面を用いて簡単に説明を行うが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本発明の実施例の一例であって、当業者であれば、これらの図面に基づいて他の図面に想到しうる。
【0026】
図1図1は本発明の実施例の画像補正方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例の画像補正装置のブロック図である。
図3A図3Aは本発明の実施例の参照点を有する参照オブジェクトの模式図である。
図3B図3Bは本発明の実施例の参照点を有する参照オブジェクトの模式図であり、各参照点と校正基準点とが所定距離離れる。
図4図4は本発明の実施例の図3Aの参照オブジェクトの第1画像の模式図である。
図5図5は本発明の実施例の参照オブジェクトと第1画像の対応位置との水平方向における位置比関係表を示す図である。
図6図6は本発明の実施例の参照オブジェクトと第1画像の対応位置との垂直方向における位置比関係表を示す図である。
図7A図7Aは本発明の実施例のセンサにおける複数の画素の模式図である。
図7B図7Bは本発明の実施例のオブジェクトの第2画像の模式図である。
図8図8は本発明の実施例の該第2画像の補正画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図示のように、同じ部品番号は同一部品又は類似の部品を示し、本発明の原理については適切な運算環境において実施する場合を例として説明する。以下の説明は例示した本発明の具体的な実施例に基づくものであり、ここで詳しく説明しない本発明の他の具体的な実施例を制限するためのものであると見なされるべきではない。
【0028】
図1図6に示すように、図1は本発明の実施例の画像補正方法のフローチャートである。図2は本発明の実施例の画像補正装置のブロック図である。図3Aは本発明の実施例の参照点を有する参照オブジェクトの模式図である。図3Bは本発明の実施例の参照点を有する参照オブジェクトの模式図であり、各参照点と校正基準点とが所定距離離れる。図4は本発明の実施例の図3Aの参照オブジェクトの第1画像の模式図である。図5は本発明の実施例の参照オブジェクトと第1画像の対応位置との水平方向における位置比関係表を示す図である。図6は本発明の実施例の参照オブジェクトと第1画像の対応位置との垂直方向における位置比関係表を示す図である。本発明の補正方法及びその装置は、対称及び非対称広角レンズ又は魚眼レンズに適用され、対称レンズがレンズの光軸に対する対称歪み特性を有し、非対称レンズがレンズの光軸に対する非対称歪み特性を有する。本発明の補正方法及びその装置はソフトウェアプログラム又はハードウェア部品により実現されてもよい。図2では、画像補正装置は画像装置900及びコントローラ902を備える。該画像装置はレンズ904及びセンサ906を備え、該センサ904が複数の画素908を有し、該画像装置900が光軸中心を有する。コントローラ902は運算ユニット910及びメモリユニット912を備える。
【0029】
ステップS100では、一実施例において、画像装置900が参照オブジェクト200に対して第1画像202を取得し、該参照オブジェクト200が複数の参照点MS及び校正基準点CCを有し、該画像装置900はレンズ904及びセンサ906を備え、該センサ906が複数の画素908を有し、該参照オブジェクト200が該レンズ904を介して画像を該センサ906に投射する。一実施例において、該参照オブジェクト200は1組の直交スケールを含む。該参照オブジェクト200はスケールを含み、該スケールは水平夾角を有し、該水平夾角が20°~70°であり、例えば水平夾角45°のスケールであってもよい。該画像装置900は光軸中心を備え、該画像装置900が該参照オブジェクト200に対して該第1画像202を取得した場合、該光軸中心が該校正基準点CCと重なっている。水平方向HDにおいて複数の参照点MSを有する該第1パターン200aを形成し、垂直方向VDにおいて該参照点MSを有する該第2パターン200bを形成し、該第1パターン200aと該第2パターン200bとの交差位置が校正中心CCとして定義され、図1及び図3Aに示すように、参照オブジェクト200は該第1パターン200a及び該第2パターン200bを含み、該参照オブジェクト200は画像装置900(図2参照)が広角レンズ又は魚眼レンズで取得したオブジェクトである。別の実施例において、該参照オブジェクト200の第1パターン200a及び第2パターン200bはグリッドパターンであってもよく、碁盤状の格子パターンを形成し、各格子が所定のサイズを有する。一実施例において、該第1パターン200aが水平スケールであり、且つ該第2パターン200bが垂直スケールである。該垂直スケールと該水平スケールとの交差方式は直交である。
【0030】
ステップS102では、コントローラ902により該第1画像202内の該参照オブジェクト200における該参照点MS及び該校正基準点CCを識別し、該第1画像202内の各該参照点MSと該校正基準点CCとの距離及び各該参照点MSの拡張/圧縮比を計算する。該コントローラ902が該第1画像202内の各該参照点MSと該校正基準点CCとの距離及び各該参照点MSの拡張/圧縮比を計算した場合、更に、該コントローラ902が該第1画像202と該参照オブジェクト200との水平方向HD及び垂直方向VDにおける該拡張/圧縮比をそれぞれ計算することを含む。ステップS102の実施例において、第1画像202を形成するために、画像装置900により該参照オブジェクト200の第1パターン200a及び該第2パターン200bを取得し、該第1画像202が第1パターン歪み画像200a1及び該第2パターン歪み画像200b1を含み、それらが相互に交差しており、該歪んだ参照オブジェクト画像202が該校正中心CCを有する。例えば、図1及び図4に示すように、広角レンズ又は魚眼レンズで図3Aの第1パターン200a及び第2パターン200bの元のパターンの画像を取得する。別の実施例において、該第1画像202は歪んだグリッドパターン歪み画像であってもよく、碁盤状の格子パターンの歪み画像を形成する。
【0031】
ステップS104では、各該参照点MSの該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像202と該参照オブジェクト200との位置比関係表Rh、Rvを作成する。該コントローラ902が各該参照点MSの該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像202と該参照オブジェクト200との位置比関係表Rh、Rvを作成する場合、更に、該コントローラ902が該水平方向HDと該垂直方向VDとの該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像202と該参照オブジェクト200との水平方向位置比関係表及び垂直方向位置比関係表をそれぞれ作成することを含む。
【0032】
ステップS104では、図1及び図4に示すように、該コントローラ902により該第1画像202における各参照点MSから該校正中心CCまでの長さを測定する。一実施例において、コントローラ902が水平方向HD及び垂直方向VDにおける該第1画像202の各参照点MSから該校正中心CCまでの長さHLd、VLdを測定し、ここで、長さHLdが水平方向HDにおける歪み参照点MSと校正中心CCとの距離であり、VLdが垂直方向VDにおける歪み参照点MSと校正中心CCとの距離である。
【0033】
ステップS104では、図1及び図3Bに示すように、コントローラ902により該第1画像202と参照オブジェクト200との該水平方向HD及び該垂直方向VDにおける拡張/圧縮比(expanded/compressed ratio)を計算す。一実施例において、長さHLcは該参照オブジェクト200における水平方向HDにおける対応参照点MSと校正中心CCとの距離であり、長さVLcは該参照オブジェクト200における垂直方向VDにおける対応参照点MSと校正中心CCとの距離であり、長さHLc及びVLcが該参照オブジェクト200の参照点及び解像度によって決定される。
【0034】
該コントローラ902が該水平方向HD及び該垂直方向VDにおける該拡張/圧縮比に基づき、該第1画像202の複数の参照点MSと該参照オブジェクト200の対応位置との比率関係表Rh、Rvを作成する。一実施例において、比率関係表Rh、Rvが曲線で示され、図5及び図6に示すように、Rh=HLd/HLcがHLdとHLcとの比を示し、水平方向に設定され、Rv=VLd/VLcがVLdとVLcとの比を示し、垂直方向に設定されるように定義されている。別の実施例において、比率関係表Rh、Rvがデータベースの形態で示されている。比関係値が1より大きい場合、参照点と校正中心CCとの距離が拡張されることを示し、比関係値が1より小さい場合、参照点と校正中心CCとの距離が圧縮されることを示す。一実施例において、図5に示すように、RhとHLcとの対応関係比が水平方向におけるものであって、+HLcと-HLcとが1つの比テーブルであってもよく、校正中心CCで仕切られており、+HLcと-HLcとが更に2つの比テーブルであってもよい。図6に示すように、RvとVLcとの対応関係比が水平方向におけるものであり、+VLcと-VLcとが1つの比テーブルであってもよく、校正中心CCで仕切られており、+VLcと-VLcとが更に2つの比テーブルであってもよい。
【0035】
ステップS106では、校正画像資料を形成するために、該画像装置900によりオブジェクトに対して第2画像を取得し、画像画素系列によって該センサ904における対応位置の該第2画像の画素908資料を読み取り、該対応位置は該位置比関係表Rh、Rvに基づいて計算して得られたものである。
【0036】
以上によれば、本発明の取得画像の補正方法において、較正プログラム(Calibration)を利用して第1画像202と参照オブジェクト200との拡張/圧縮比を形成し、それにより補正パラメータの比ルックアップテーブルを後続のリアルタイム画像の処理パラメータとして生成する。上記較正プログラムは画像装置を一回限り較正すればよい点に留意されたい。例えば画像装置の製造プロセスにおいて較正すれば、該画像装置による様々な物体の取得、撮影に使用できることになる。その後は、画像を取得する度に、該補正パラメータの比ルックアップテーブルを利用して校正プログラム(Correction)を行うことにより、歪み画像の補正画像が取得され、製造プロセスが簡素化し、製造コストが下がり、且つ使用容易性及び精度が向上する。
【0037】
図2図7B及び図8に示すように、図2は本発明の実施例の画像補正装置のブロック図である。図7Aは本発明の実施例のセンサの複数の画素の模式図である。図7Bは本発明の実施例のオブジェクトの第2画像の模式図である。図8は本発明の実施例の該第2画像の補正画像の模式図である。画像補正装置は、画像装置900およびコントローラ902を備え、該画像装置900はレンズ904及びセンサ906を備え、該センサ906が複数の画素908を有し、画像装置900が光軸中心を有する。コントローラ902は運算ユニット910及びメモリユニット912を備える。ここで、該画像装置900が較正モード(calibration)にある場合、第1画像202を形成するために、該画像装置900が参照オブジェクト200を取得することに用いられ、該参照オブジェクト200が複数の参照点MS及び校正基準点CCを有し、各該参照点MSと該校正基準点Cとが所定距離離れ、該コントローラ902が該第1画像202と該参照オブジェクト200との拡張/圧縮比を計算して、該拡張/圧縮比に基づいて該第1画像202と該参照オブジェクト200との位置比関係表Rh、Rvを作成することに用いられ、該画像装置900が校正モード(correction)にある場合、該画像装置900がオブジェクトに対して第2画像204を取得することに用いられ、該第2画像204の校正画像を作成するために、該コントローラ902が画像画素系列によって該第2画像204の各画素908位置の画像内容を取得し、且つ該位置比関係表に基づいて各画素908の該画像内容の該拡張/圧縮比を計算する。
【0038】
図7Aでは、該コントローラ902により該画像装置900のセンサ906における複数の画素908から該校正中心CCまでの複数の校正距離CDを計算し、該画素908が画像を形成し、該画像は画像装置900が広角レンズ又は魚眼レンズで取得する前のパターンであり、つまり、該画素908が歪んでいない画像であり、所定の解像度を有し、該歪んでいない画像の解像度が第2画像204に対応する。例えば、画素位置P1の正の距離CDは図7Aに示される。該画素908の歪んでいない画像の解像度を別に設定してもよい。
【0039】
図7Bでは、該画像装置900により第2画像204を取得し、該第2画像204が該校正中心CCに対応し且つ複数の画素位置P2を有し、該第2画像204の各画素位置P2が、図7Aに示されるように、各校正距離CD毎に各画素908に対応する。一実施例において、該校正距離CDの単位が画素単位(pixel unit)である。該第2画像204における該校正中心CCから各画素位置P2までの該校正距離CDが該センサ906における該校正中心CCから各画素908(すなわち、画素位置P1)までの該校正距離CDに等しい。
【0040】
図7Bでは、該コントローラ902が該校正距離CDに基づき、該第2画像204の各画素位置P2の画像内容を該センサ906の各画素908の画像内容として取得し、図7Bに示される。
【0041】
図8では、該コントローラ902により該比率関係表Rh、Rvに基づいて各画素908の該画像内容の該拡張/圧縮比を計算し、それにより該第2画像204の補正画像を作成し、図8に示すように、該補正画像は複数の画素位置PCからなる。一実施例において、4つ又は複数の隣接する画素908の画像内容を利用して補正画像の補間ステップを行う。
【0042】
一実施例において、該参照オブジェクトが例えば対称スケールであり、較正及び校正プログラムを経た後、歪み画像の校正画像を取得する。
【0043】
本発明の画像補正方法及びその装置によれば、補正コントローラが歪んだ画像を容易且つ効果的に減少及び補正し、コストを節約する。
【0044】
本発明は好適な実施例によって説明したが、該実施例が本発明を制限するためのものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨や範囲を逸脱せずに、種々の変更や潤色を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0045】
200 参照オブジェクト
200a 第1パターン
200b 第2パターン
200a1 第1パターン
200b1 第2パターン
202 第1画像
204 第2画像
900 画像装置
902 コントローラ
904 レンズ
906 センサ
908 画素
S100、S102、S104、S106 ステップ
CC 校正中心
CD 校正距離
HD 水平方向
HLd、HLc、VLd、VLc 長さ
MS 参照点
P1、P2、PC 画素位置
Rh、Rv 位置比関係表
VD 垂直方向
HD 水平方向
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8