(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】照度測定装置および照度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01J 1/42 20060101AFI20220120BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20220120BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20220120BHJP
【FI】
G01J1/42 J
G01J1/02 S
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2019206573
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2019-11-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501493358
【氏名又は名称】株式会社セック
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】串間 宏崇
(72)【発明者】
【氏名】平井 一聡
(72)【発明者】
【氏名】芳野 博行
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
(72)【発明者】
【氏名】水野 靖紀
(72)【発明者】
【氏名】陳 永波
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-247199(JP,A)
【文献】特開2011-150473(JP,A)
【文献】特開2017-026412(JP,A)
【文献】特開2016-186753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00- G01J 1/02
G01J 1/42- G01J 1/46
G01M 11/00
G01D 7/00- G01D 7/12
G01D 9/00- G01D 9/42
G01D 21/00
G05D 1/00- G05D 1/12
H05B 39/00- H05B 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域内の照度を
無人で測定する照度測定装置であって、
前記対象領域内を
、前記対象領域内の地図を作成するためおよび前記照度を測定するために走行する走行台車と、
前記走行台車に搭載され、
この走行台車が前記照度の測定の前に行う前記対象領域内の移動により前記対象領域内に水平方向を中心に電磁波を照射しその反射波を捉えることにより反射位置を測定する距離センサと、
前記走行台車に搭載され、前記距離センサの反射位置測定データに基づいて前記対象領域
全体の平面的な前記地図の作成、および
作成された前記地図および測定点ピッチに関するデータに基づいて前記対象領域において前記照度を測定する複数の測定
点の決定のための演算を行う演算部と、前記演算の結果を記憶する記憶部と、を有する演算制御処理部と、
前記走行台車に搭載され、この走行台車の走行により前記対象領域内における前記測定点において前記照度を測定し照度データを出力する照度計と、
前記走行台車、前記距離センサ、前記演算制御処理部、および前記照度計の動作を統合的に制御する進行制御部と、
を備えることを特徴とする照度測定装置。
【請求項2】
前記演算部は、
前記距離センサによる前記対象領域中の壁位置の情報に基づいて前記地図を作成する地図作成部と、
前記地図
および前記測定点ピッチに関する前記データに基づいて前記複数の
測定点のそれぞれについての測定点座標を決定する測定点座標決定部と、
を有し、
前記記憶部は、
前記距離センサによる前記対象領域中の前記壁位置の情報を記憶する壁位置等測定データ記憶部と、
前記地図作成部が作成した前記地図、および前記測定点座標決定部が決定した前記複数の測定点座標を記憶する地図情報記憶部と、
前記照度計により測定された前記照度データを記憶する照度測定データ記憶部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照度測定装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記地図情報記憶部に収納された前記地図および前記複数の測定点座標、ならびに前記照度測定データ記憶部に収納された前記照度データに基づいて報告書用データの形式で収納する報告書用データ収納部を有することを特徴とする請求項2に記載の照度測定装置。
【請求項4】
前記報告書用データは、前記地図については画像情報形式または図形情報形式で、また、前記照度データについては表形式を含むテキスト形式であることを特徴とする請求項3に記載の照度測定装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記走行台車からの情報に基づいて、前記走行台車の充電の要否を判定する充電要否判定部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の照度測定装置。
【請求項6】
外部からの入力を可能とし、前記記憶部に収納されたデータを出力可能な入出力インターフェイスをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の照度測定装置。
【請求項7】
前記複数の測定
点は、互いに直交するX座標とY座標の2次元座標系により規定され、前記複数の測定点座標のX座標での間隔とY座標での
前記測定点ピッチは、それぞれ前記外部からの入力に含まれることを特徴とする請求項6に記載の照度測定装置。
【請求項8】
前記演算部は現在位置から目標位置に至る走行路を演算する走行演算部を有し、
前記走行演算部は、前記走行路上に事前に検知しなかった障害物が出現した場合には、前記障害物を回避する新たな走行路を演算することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の照度測定装置。
【請求項9】
前記走行演算部は、さらに、前記走行路上の前記現在位置から前記走行路上を移動していることを確認し、前記目標位置への到達の有無を判定することを特徴とする請求項8に記載の照度測定装置。
【請求項10】
前記照度計により測定された前記照度データは、オフライン通信、ワイヤード通信、またはワイヤレス通信のいずれかの通信手段により、
外部に取り出し可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の照度測定装置。
【請求項11】
無人で対象領域の照度を測定する照度測定方法であって、
距離センサ、演算制御処理部および照度計を備える走行台車を前記対象領域内に配置するステップと、
前記走行台車が前記対象領域内の前記照度を測定する前に前記対象領域内を移動して前記距離センサが前記対象領域内に水平方向を中心に電磁波を照射しその反射波を捉えることにより反射位置を測定
し、前記演算制御処理部の演算部が前記距離センサからの前記反射位置測定データに基づいて前記対象領域
全体の
平面的な地図を作
成する地図作成ステップと、
前記演算部が、前記地図および
測定点ピッチに関するデータに基づいて複数の測定
点を決定する測定
点決定ステップと、
前
記走行台車が
前記対象領域内を走行して決定された前記複数の測定
点に移動し、
前記複数の測定点のそれぞれにおいて前記照度計が照度測定を実施する照度測定ステップと、
を有することを特徴とする照度測定方法。
【請求項12】
前記走行台車の移動は、
前記
演算制御処理部が、走行路上に事前に検知しなかった障害物が出現した場合には、前記障害物を回避する新たな走行路を演算する走行路演算ステップを有することを特徴とする請求項11に記載の照度測定方法。
【請求項13】
前記走行台車はバッテリを備えるものであって、
前記走行台車の移動は、
充電要否判定部が、
前記バッテリの充電の要否を判定する充電要否判定ステップと、
充電要と判定された場合は、前記
演算制御処理部の走行演算部が、充電設備までの走行路と現在位置へ復帰するための走行路を演算する充電移動演算ステップと、
を有することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の照度測定方法。
【請求項14】
前記照度測定ステップは、前記照度測定の完了の後に、初期位置に戻るステップを有することを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載の照度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度測定装置および照度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明設備工事においては、照明機器の取り付け後に、JIS等の基準に基づいて設計照度が確保されていることを実際の照度を測定して確認し、また、これにより施工品質が確保されていることを確認する。
【0003】
具体的には、対象となる測定範囲に測定点を配置し、照度計で各測定点の照度を測定する。各測定点の測定値は、たとえば、平均値、最小値、および最大値の比率を算出して、設計値通りに照度が得られていることを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-3626号公報
【文献】特開2019-21220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図17は、従来の照度測定方法の全体の手順の例を示すフロー図である。
【0006】
まず、測定準備として、建屋図面および照明器具の配置情報に基づく測定ピッチの決定および現地記録用紙の作成(測定格子、測定点)を行う。次に、現場での測定として、巻尺等を用いての測定点の位置割り出し、照度の測定および照度の記録を行う。これにより得られたデータ整理として、測定データの転記/清書、平均照度等の算出を行う。最終的に、顧客提出資料の作成(測定データを添付)を行う。
【0007】
照度測定は、外光の影響を受けないようにするため、その大半は、夜間の作業となる。照度の測定作業は、人間が行うため、大規模オフィスや大きな面積を有する工場等の照明設備の場合は、測定点が多くなり、作業負荷は大きくなる。
【0008】
また、工程短縮の観点から、照明設備の工事終了後に速やかに事務所什器や工場設備を搬入したいという顧客からの要望によって、短時間で測定作業を完了させるために人員を緊急増員して対応するということが多くあった。
【0009】
このため、照度測定作業の効率化により人員の緊急増員を緩和することが求められていた。
【0010】
そこで、本発明は、照度測定作業を効率化し、照明工事における業務の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明に係る照度測定装置は、対象領域内の照度を無人で測定する照度測定装置であって、前記対象領域内を、前記対象領域内の地図を作成するためおよび前記照度を測定するために走行する走行台車と、前記走行台車に搭載され、この走行台車が前記照度の測定の前に行う前記対象領域内の移動により前記対象領域内に水平方向を中心に電磁波を照射しその反射波を捉えることにより反射位置を測定する距離センサと、前記走行台車に搭載され、前記距離センサの反射位置測定データに基づいて前記対象領域全体の平面的な地図の作成、および前記作成された地図および測定点ピッチに関するデータに基づいて前記対象領域において前記照度を測定する複数の測定点の決定のための演算を行う演算部と、前記演算の結果を記憶する記憶部と、を有する演算制御処理部と、前記走行台車に搭載され、この走行台車の走行により前記対象領域内における前記測定点において前記照度を測定し照度データを出力する照度計と、前記走行台車、前記距離センサ、前記演算制御処理部、および前記照度計の動作を統合的に制御する進行制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る照度測定方法は、無人で対象領域の照度を測定する照度測定方法であって、距離センサ、演算制御処理部および照度計を備える走行台車を前記対象領域内に配置するステップと、前記走行台車が前記対象領域内の前記照度を測定する前に前記対象領域内を移動して前記距離センサが前記対象領域内に水平方向を中心に電磁波を照射しその反射波を捉えることにより反射位置を測定し、前記演算制御処理部の演算部が前記距離センサからの前記反射位置測定データに基づいて前記対象領域全体の平面的な地図を作成する地図作成ステップと、前記演算部が、前記地図および測定点ピッチに関するデータに基づいて複数の測定点を決定する測定点決定ステップと、前記走行台車前記対象領域内を走行して前記決定された複数の測定点に移動し、前記複数の測定点のそれぞれにおいて前記照度計が照度測定を実施する照度測定ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照度測定作業を効率化し、照明工事における業務の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る照度測定装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る照度測定装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る照度測定方法の全体の手順を示すフロー図である。
【
図4】実施形態に係る照度測定方法における対象領域の地図の自動作成ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【
図5】実施形態に係る照度測定方法における対象領域の地図の自動作成ステップにおける自律走行のルートの例を概念的に説明する配置図である。
【
図6】実施形態に係る照度測定方法における自律走行の内容を示すフロー図である。
【
図7】実施形態に係る照度測定方法における自律走行の変形例の内容を示すフロー図である。
【
図8】実施形態に係る照度測定方法における自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【
図9】実施形態に係る照度測定方法における自律走行および障害物回避ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【
図10】実施形態に係る照度測定方法における測定点位置の決定、配置ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【
図11】実施形態に係る照度測定方法における測定点位置の決定、配置ステップで得られた測定点位置の例を示す配置図である。
【
図12】実施形態に係る照度測定方法における照度測定時の第1の走行パターンを示す配置図である。
【
図13】実施形態に係る照度測定方法における照度測定時の第2の走行パターンを示す配置図である。
【
図14】実施形態に係る照度測定方法における照度測定時の第3の走行パターンを示す配置図である。
【
図15】実施形態に係る照度測定方法における各測定点での照度測定ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【
図16】実施形態に係る照度測定方法における測定結果の例を示す表である。
【
図17】従来の照度測定方法の全体の手順の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る照度測定装置および照度測定方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0016】
図1は、実施形態に係る照度測定装置の構成を示す斜視図である。
【0017】
照度測定装置10は、自律走行式の測定装置である。照度測定装置10は、入出力インターフェイス11、少なくとも一つの距離センサ12、走行台車13、照度計14、バッテリ17、および演算制御処理部100を備える。
【0018】
入出力インターフェイス11および距離センサ12は、支持板15に搭載されている。バッテリ17は、走行台車13上に搭載されている。演算制御処理部100は、
図1では走行台車13上に搭載されている場合を例にとって示しているが、支持板15等に搭載してもよい。また、机上照度測定用の照度計14は、支持板15から上方に延びた第1支持部16aにより支持され床面から所定の高さに、検出側を上方に向けて固定されている。
【0019】
なお、走行台車13には、床面から、たとえば10cmなど所定の高さの位置に、第2支持部16bが着脱可能に設けられており、照度計14を移し替えて床面近傍の高さ位置での床面照度を測定可能に構成されている。なお、第2支持部16bは、常時取り付けられ上方とは別の照度計14を常時取り付けて、照度計の信号を選択可能としてもよい。
【0020】
入出力インターフェイス11は、たとえばグラフィックタッチパネルであり、外部入力の入力操作を受け入れ可能で、かつ、画面表示など、外部への出力が可能に構成されている。
【0021】
距離センサ12は、支持板15の上面の側方に取り付けられており、水平方向にたとえば中心角270度の範囲に広がる電磁波を照射可能である。距離センサとしては、たとえば、レーザレーダ、あるいは電波式レーダである。なお、水平方向に加えて、床面方向の落下防止センサをさらに設けてもよい。
【0022】
なお、走行台車13は、上方からみて、時計回りおよび反時計回りにそれぞれ回転可能に構成されている。
【0023】
照度計14は、有線または無線での通信機能を有するもので、JISなどの規格・基準に規定する要件を満たすものである。通信機能としては、ワイヤード通信(USB)、ワイヤレス通信(WiFi、Bluetooth(登録商標))などがある。照度計14からの情報は、後述する照度測定データ記憶部125に収納、記憶される。
【0024】
走行台車13は、進行方向に距離センサ12が向くような状態で、水平方向の任意の方向に移動可能である。また、同一個所で、回転可能に構成されている。走行台車13には、たとえば回転検出器など走行方向を検出する検出器と、走行距離を検出する距離メータが設けられており、走行方向と走行距離に関する情報が走行台車13から演算制御処理部100に送られる。さらに、走行台車13は、自力式であるがゆえに、バッテリ17を内蔵しており、バッテリ17の電圧値に関する情報が走行台車13から演算制御処理部100に送られる。
【0025】
図2は、実施形態に係る照度測定装置の構成を示すブロック図である。
図2では、照度測定装置10の全体構成とともに、演算制御処理部100の構成を示している。
【0026】
演算制御処理部100は、演算部110と、記憶部120、入力部130、出力部140、および進行制御部150を有する。
【0027】
入力部130は、入出力インターフェイス11を介して、外部からの入力を受け入れる。外部入力としては、照度測定装置10の設置後の最初の走行方向、測定ピッチ(X方向、Y方向のそれぞれについて)、高さ位置の選択、測定点の壁等からの最小離隔距離、測定時の走行パターンの指定等がある。高さ位置は、照度計14を、どの高さ位置にするか、たとえば、床面近傍か上方の位置かなどの指定などがある。
【0028】
出力部140は、演算制御処理部100での処理結果等を入出力インターフェイス11に出力する。進行制御部150は、照度測定装置10が、自動的にその機能を遂行するように、演算部110と、記憶部120、入力部130、出力部140の処理を、統合的に制御する。ここで、照度測定装置10の機能とは、対象領域1(
図5)の地図の作成、測定点の決定、各測定点での照度測定、およびその結果を報告書用データとして出力可能とすることであり、かつ、自律走行について、予知しない障害物の回避、および自動的な充電と元の位置への自動復帰を行う等がある。
【0029】
演算部110は、自己位置演算部111、走行演算部112、地図作成部113、測定点座標決定部114、目標位置到達判定部115、および、充電要否判定部116を有する。
【0030】
自己位置演算部111は、走行台車13から送られる走行方向と走行距離に関する情報と、距離センサ12から送られる直視可能な領域に存在する壁等の距離情報に基づいて、自己位置を、演算する。演算結果は、XYの2次元座標系に基づいて、走行経路の実績として記憶部120が収納する。
【0031】
走行演算部112は、現在位置から目標位置に至る走行路を演算する、走行路上に事前に検知しなかった障害物が出現した場合には障害物を回避する新たな走行路を演算する、実際の現在位置から走行路上を移動していることを確認し目標位置への到達の有無を判定する、等を行う。
【0032】
地図作成部113は、距離センサ12により測定された壁位置等のデータに基づいて、測定対象の平面的な地図を作成する。
【0033】
測定点座標決定部114は、地図作成部113により作成された地図を用いて、後述する入力部が受け入れた外部入力としての測定点ピッチに関するデータに基づいて、測定点の座標を決定する。座標は、互いに直交するX座標とY座標の2次元平面における座標とする。測定点ピッチは、X座標でのピッチΔXと、Y座標でのピッチΔYとは、互いに同一でもよいし、あるいは互いに異なっていてもよい。
【0034】
目標位置到達判定部115は、走行演算部112に対して、目標位置が次の測定点である旨を出力し、走行演算部112が、目標位置に到達したと判定した場合に、次の測定点に到達したと判定する。
【0035】
充電要否判定部116は、走行台車13からの電圧信号が、所定の電圧値まで低下したか否かをチェックし、所定の電圧値まで低下したと判定した場合には、走行演算部112に、目標位置を充電場所に変更するよう指示を出力する。また、充電場所に到達した後は、元の位置に復帰するよう、再度目標位置を切り替えるよう、走行演算部112に、指示を出力する。
【0036】
記憶部120は、測定条件記憶部121、自己位置データ記憶部122、壁位置等測定データ記憶部123、地図情報記憶部124、照度測定データ記憶部125、および報告書用データ収納部126を有する
測定条件記憶部121は、外部から入力部130が受け入れた外部入力である測定条件に関するデータ等を記憶する。
【0037】
自己位置データ記憶部122は、自己位置演算部111の演算結果により自己位置データを記憶する。なお、自己位置データは、例えば、XY座標系における2次元データ形式である。
【0038】
壁位置等測定データ記憶部123は、距離センサ12により測定された壁位置等のデータを記憶する。データは、たとえば、2次元座標で指定される。
【0039】
地図情報記憶部124は、地図作成部112により作成された地図データを記憶する。また、自己位置演算部111がその都度演算した経路を経路の実績として記憶する。
【0040】
照度測定データ記憶部125は、測定点座標決定部114により決定された各測定点において照度計14により測定された照度データを記憶する。すなわち、照度計14から、ワイヤード通信(USB)、ワイヤレス通信(WiFi、Bluetooth(登録商標))などの通信手段により送られた情報を受け入れて記憶する。これらの情報は、さらに、出力部140を介して、外部に取り出し可能である。
【0041】
報告書用データ収納部126は、地図情報記憶部124に記憶された地図データを、たとえばJPEGなどの画像情報、あるいは描画線や点群データなど、所定の画像または図形情報形式で、また、各測定点において照度計14により測定された照度データを、たとえばCSVなどのテキストデータによる所定の表形式で、それぞれ記憶する。
【0042】
以上、照度測定装置10について説明したが、以上のように構成された本実施形態の照度測定装置10は、対象領域1に搬入、設置されて以降、自動的に対象領域1の地図を作製し、その地図に基づいて測定点を決定し、それぞれの測定点にアクセスして照度を測定し、報告書用のデータを作成するまでを、自ら、自動的に実施することができる。
【0043】
以下に、本実施形態の照度測定装置10の作用を、全体のフローおよびそれぞれの詳細フローを用いて順次説明する。
【0044】
図3は、実施形態に係る照度測定方法の全体の手順を示すフロー図である。
【0045】
まず、エリア準備、照度測定装置10の搬入、設置を行う(ステップS10)。エリア準備としては、対象領域1で、たとえば開口で出入り可能になっているような箇所のように、その外部との境界に壁等が存在しない箇所に、仮設の閉止板等を設置する。また、対象領域1内の床に壁のない孔が存在する場合、あるいは、下階への階段でドアが無い場合には、同様に仮の蓋等を設置する。なお、落下防止センサを有する場合は、床面の対応は必ずしも必要はない。
【0046】
次に、基本条件の設定を行う(ステップS20)。基本条件の設定は、一つは、演算制御処理部100への外部入力として行う。
【0047】
次に、対象領域1の地図の作成を行う(ステップS30)。
【0048】
図4は、実施形態に係る照度測定方法における対象領域の地図の自動作成ステップの詳細な手順を示すフロー図である。また、
図5は、実施形態に係る照度測定方法における対象領域1の地図の自動作成ステップにおける自律走行のルートの例を概念的に説明する配置図である。
図4および
図5を参照しながら、地図の作成のステップの詳細を説明する。
【0049】
図5に示すように、対象領域1は、壁2に囲まれている。対象領域1内には、たとえば階段室3が設けられており、周囲を壁またはドアで囲まれている。対象領域1の一つの角部に、充電設備5が設置されており、この場所で、走行台車13への充電が可能である。照度測定装置10は、位置P1に設置されている。
【0050】
地図の作成ステップS30として、まず、レーザによる壁位置の測定を行う(ステップS31)。具体的には、照度測定装置10が設置された位置において、走行台車13が必要に応じて回転して距離センサ12が、照射方向を向くようにし、距離センサ照射を行い、壁2の位置を測定する。地図作成部113は、それぞれの壁2の位置を、方向角度と距離とから、XY座標に変換する。
【0051】
次に、壁位置等測定データ記憶部123が、XY座標に変換された壁2の位置データを記憶する(ステップS32)。この結果、位置P1からは、
図5の斜線部で表示した部分以外の壁2について、それらの位置座標を得ることができる。
【0052】
次に、地図作成部113は、全ての壁位置を測定したか否かを判定する(ステップS33)。全ての壁位置を測定したと判定された場合(ステップS33 YES)には、地図の作成ステップS30を終了し、後述する次のステップS40に移行する。
【0053】
図5に示す場合は、W1ないしW7、階段室のW11、W12の位置が得られていない。また、この段階では、これらに係る部分の形状等が把握されていない。したがって、全ての壁位置を測定したとは判定されない(ステップS33 NO)。
【0054】
次に、地図作成部113が、次の移動先位置を決定する(ステップS34)。
図5に示す場合では、地図作成部113が、壁2の残りの部分の位置の測定のために、次の移動先位置P2を決定する。この位置の決定は、壁2のうち形状が把握されていない部分のうち、最も近い位置を選択する。
図5に示す場合は、W1が最も近いため、W1の最も手前の位置の近傍の位置P2を選択する。
【0055】
次に、走行台車13は、次の移動先位置まで自律走行する(ステップS35)。
図5では、次の移動先は、位置P2である。自己位置演算部111は、次の移動先に到達したか否かを判定する(ステップS36)。次の移動先に到達したと判定されなかった場合(ステップS36 NO)は、ステップS35以下を繰り返す。
【0056】
次の移動先に到達したと判定された場合(ステップS36 YES)には、ステップS31に戻り、再び、レーザによる壁位置の測定を行う。
図5では、位置P2から、W1、W2、W3、W4およびW11の位置が測定される。
【0057】
このようにして、全ての壁位置が測定されたと判定されるまで、繰り返される。
【0058】
なお、目標位置に到達する前に、必要な壁位置の情報が得られた場合に、目標位置への進行状態を切り替えて、壁2のうち形状が把握されていない部分のうち次の最も近い位置を目標位置として、改めて選択する、すなわち、目標位置を切り替える方式でもよい。
【0059】
すべての部分について測定を終了した場合(ステップS33 YES)は、走行台車13は、当初位置に復帰する。
図5の場合は、位置P1に戻る。
【0060】
図6は、実施形態に係る照度測定方法における自律走行の内容を示すフロー図である。測定範囲の地図の自動作成ステップS30における自律走行ステップS35は、
図6に示すように、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341と、自律走行の走行および障害物回避ステップS342を有する。なお、この自律走行ステップS35の詳細なステップは、後述する各測定点での照度測定ステップS50における自律走行についても同様である。
【0061】
図7は、実施形態に係る照度測定方法における自律走行の変形例の内容を示すフロー図である。この変形例においては、自律走行ステップS35は、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341と、自律走行の走行および障害物回避ステップS342を有する点は、
図6に示す場合と同様であるが、
図7に示すように、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341と、自律走行の走行および障害物回避ステップS342が、並列に処理される。すなわち、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341の途中で障害物が出現した場合、あるいは、自律走行の走行および障害物回避ステップS342の途中でバッテリ17の電圧低下が生じた場合には、他方のステップに移行する。このように、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341と、自律走行の走行および障害物回避ステップS342が、互いに他方のステップに移行する場合には、移行前のステップの進行は停止し、他方のステップの必要性が解消し、再度、移行前のステップに自動復帰した後に、移行前のステップの進行が再開する。
【0062】
なお、次の
図8および
図9では、説明の便宜上、
図6で示した場合に基づいて表示している。
【0063】
図8は、自律走行の自動充電および充電後自動復帰ステップS341の詳細な手順を示すフロー図である。
【0064】
まず、充電要否判定部116は、充電の要否を判定する(ステップS341a)。詳細には、充電要否判定部116が、走行台車13からの電圧信号が、所定の電圧値まで低下したか否かをチェックし判定する。充電要と判定されなかった場合(ステップS341a NO)には、自動充電および充電後自動復帰ステップS341から走行および障害物回避
ステップS342に移行する。
【0065】
充電要、すなわち所定の電圧値まで低下したと判定された場合(ステップS341a YES)には、まず、現在の自己位置を復帰位置として、自己位置データ記憶部122が収納、記憶する(ステップS341b)。
【0066】
次に、目標位置を充電設備5位置に変更する(ステップS341c)。具体的には、走行演算部112は、充電設備5を目標位置として、進行経路を演算し決定する。進行経路は、たとえば、最短距離となる経路を演算する。
【0067】
次に、充電設備5の位置に移動する(ステップS341d)。具体的には、走行台車13が、走行演算部112が決定した経路に沿って、充電設備5の位置まで進行する
次に、充電設備5により、充電する(ステップS341e)。充電要否判定部116は、走行台車13が装備するバッテリ17の電圧値が、充電時の所定の電圧に到達したことを確認する。
【0068】
充電が終了したら、復帰位置を目標位置に変更する(ステップS341f)。走行演算部112は、目標位置を、自己位置データ記憶部122が記憶した復帰位置に変更して、進行経路を演算し決定する。
【0069】
次に、復帰位置に復帰する(ステップS341g)。すなわち、走行台車13が、走行演算部112が決定した経路に沿って、目標位置である復帰位置まで進行する。この結果、充電を行い、元の位置に復帰したことになる。
【0070】
次に、走行および障害物回避ステップS342が実行される。
図9は、自律走行および障害物回避ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【0071】
まず、走行台車13に駆動指令が出される(ステップS342a)。具体的には、走行演算部112の演算結果にしたがって、走行台車13が走行する。
【0072】
次に目標位置に到達したか否かを判定する(ステップS342b)。すなわち、目標位置到達判定部115が、目標位置に到達したか否かを判定する。目標位置に到達したと判定された場合(ステップS342b YES)には、走行および障害物回避ステップS342を終了し、ステップS36に移行する。
【0073】
目標位置に到達したと判定されなかった場合(ステップS342b NO)には、次の、障害物の有無の判定を行う(ステップS342c)。障害物の有無は、距離センサ12により検知される。障害物が有りとは判定されなかった場合(ステップS342c NO)、ステップS342a以降を繰り返す。
【0074】
障害物が有りと判定された場合(ステップS342c YES)には、自己位置演算部111が自己位置を演算し、自己位置データ記憶部122が記憶する(ステップS342d)。
【0075】
次に、走行演算部112が、迂回ルートを決定し(ステップS342e)、引き続き、ステップS342aの走行台車13への駆動指令以降を繰り返す。
【0076】
次は、測定点座標を決定する(ステップS40)。
【0077】
図10は、実施形態に係る照度測定方法における測定点位置の決定、配置ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【0078】
まず、対象領域内の出発点位置を決定する(ステップS41)。すなわち、測定点座標決定部114が、測定を開始する際の照度測定装置10の位置を決定する。出発点位置として、たとえば、照度測定装置10の現在位置に最も近いコーナー部において、2つの壁からそれぞれ、入力部130が外部から受け入れた最小離隔距離あるいはそれに余裕を持った距離だけ離れた位置を選んでもよい。
【0079】
次に、対象領域1内のX、Y方向の座標範囲の算出を行う(ステップS42)。この際、たとえば、壁の位置で、最もマイナスX方向に配された壁のX座標、および最もマイナスY方向に配された壁のY座標を、それぞれ、X1=0,Y1=0として、2次元座標の原点位置を決定する(
図11参照)。
【0080】
あるいは、
図11において、最も
遠い角の位置にある点(X9、Y13)を、X9=0、Y13=0のように原点とし、X軸はX9からX1に向かう方向、Y軸はY13からY1に向かう方向をそれぞれ、正の方向としてもよい。このような原点のとり方をすれば、X軸、Y軸方向の値が必ず正の値となる。
【0081】
次に、X方向測定位置線およびY方向測定位置線を決定する(ステップS43)。ここで、X方向測定点位置線とは、X方向に1列に並ぶ測定点の位置を結んだものであり、X方向の測定点は、X方向測定点位置線上にある。互いに隣接するX方向測定点位置線同士の間隔は、Y方向の測定ピッチとなる。同様に、互いに隣接するY方向測定点位置線同士の間隔は、X方向の測定ピッチとなる。
【0082】
次に、障害物との干渉点を除外する(ステップS44)。具体的には、X方向測定点位置線とY方向測定点位置線との交点のうち、対象領域1内にある障害物の範囲にあるもの、および障害物との間の距離が、最小離隔距離あるいはそれに余裕を持った距離より小さなものがある場合は、除外する。また、障害物、たとえば階段室3内に配置される点は、測定点より除外する。
【0083】
このようにして得られた測定点マップを収納する(ステップS45)。具体的には、照度測定データ記憶部125に収納する。
【0084】
図11は、実施形態に係る照度測定方法における測定点位置の決定、配置ステップで得られた測定点位置の例を示す配置図である。白塗りのマル印は測定点を、また、黒塗りのマル印は、壁からの距離が所定の値より小さいために除外された交点を示す。2次元XY平面の原点は、X=X1のX方向測定点位置線の延長線と、Y=Y1のY方向測定点位置線の延長線との交点である。階段室と干渉する交点は、測定点から除外されている。
【0085】
この図は、たとえば、JPEG等の画像データで、報告書用データ収納部126に収納される。
【0086】
次に、測定順序を決定する(ステップS46)。具体的には、外部入力された測定時の走行パターンの指定に基づいて、測定順序を決定する。なお、走行パターンを外部からの指定に寄らず、走行演算部112が、各走行パターンのそれぞれについての合計の走行距離を算出し、たとえば、最小の走行距離となる走行パターンを自動的に選択してもよい。
【0087】
図12は、実施形態に係る照度測定方法における照度測定時の第1の走行パターンを示す配置図である。第1の走行パターンは、X方向あるいはマイナスX方向に沿って測定してゆき、それ以上X方向あるいはマイナスX方向に測定点が無いときに、Y方向にずれて、隣のX方向測定点位置線に移り、それまでと同じ方向に測定点がある場合は、測定してゆくパターンである。ただし、既に測定を終えた測定点は素通りする。
【0088】
図13は、照度測定時の第2の走行パターンを示す配置図である。第2の走行パターンでは、たとえば、X方向に測定してゆき、それ以上測定点が無い時に、隣のX方向測定点位置線に移る点は、第1の測定パターンと同様である。ただし、隣のX方向測定点位置線に移った場合は、それまでとは逆の方向について、測定なしに端点まで移動する。したがって、それぞれのX方向測定点位置線上では、必ず、端点から端点まで、連続して測定を行うことになる。
【0089】
図14は、照度測定時の第3の走行パターンを示す配置図である。第3の走行パターンにおいては、同じ測定点に複数回アクセスすることのないように、当初X方向またはマイナスX方向に移動していた状態から、Y方向またはマイナスY方向に移動する状態への変化、あるいは、この逆の変化を有するパターンである。
【0090】
次に、各測定点での照度測定を行う(ステップS50)。すなわち、走行演算部112は、測定点座標決定部115が決定した測定点および測定順序に従って、各測定点に順次アクセスするように走行台車13の走行ルートを算出し、目標位置到達判定部115が、各測定点への到達を確認する。各到達点に到達すると、照度測定装置10の走行台車13は停止する。当該の測定点において、照度計は14、規格基準に従って、たとえば、数秒程度の所定の時間の後に測定を実施する。
【0091】
各測定位置における照度測定結果は、照度測定データ記憶部125に送られ、収納、記憶される。また、この際、平均照度等は、自動的に算出され、併せて記憶される。この結果は、報告書用データ収納部126に送られる。
【0092】
図15は、実施形態に係る照度測定方法における各測定点での照度測定ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
【0093】
まず、測定点を目標位置として設定する(ステップS51)。照度測定装置10の最初の設置位置が最初の測定点であれば、ステップS54に移行し、その位置で照度測定を行う。
【0094】
次に、目標位置に自動走行する(ステップS52)。この自動走行ステップS52は、自動充電および充電後自動復帰ステップS521と、走行および障害物回避ステップS522を有する。この自動充電および充電後自動復帰ステップS521ならびに走行および障害物回避ステップS522の詳細なステップは、前述のように、測定範囲の地図の自動作成ステップS30の自律走行ステップS35において、それぞれ
図8および
図9で示す自動充電および充電後自動復帰ステップS341ならびに走行および障害物回避ステップS342のそれぞれの詳細なステップと同様である。また、自動充電および充電後自動復帰ステップS521ならびに走行および障害物回避ステップS522は、測定範囲の地図の自動作成ステップS30の自律走行ステップS35について
図7で示した変形例と同様に、両ステップを互いに並列に処理してもよい。
【0095】
走行演算部112が、目標位置に到達したか否かを判定し(ステップS53)、到達したと判定されなければ(ステップS53 NO)、ステップS52以降を繰り返す。
【0096】
目標位置に到達した場合(ステップS53 YES)には、目標位置である測定点に停止した状態で照度測定を実施する(ステップS54)。
【0097】
次に、進行制御部150は、全測定点での測定が完了したか否かを判定する(ステップS55)。全測定点での測定が完了したと判定されなかった場合(ステップS55 NO)には、ステップS51以降を繰り返す。
【0098】
全測定点での測定が完了したと判定された場合(ステップS55 YES)には、測定開始時の位置に復帰する(ステップS56)。すなわち、目標位置を、照度測定装置10の最初の設置位置に切り替えて、自動走行して照度測定装置10の最初の設置位置に復帰する。
【0099】
図16は、実施形態に係る照度測定方法における測定結果の例を示す表である。各列は、X1ないしX9まで、各行は、Y1ないしY13までの行列で、測定点のある個所に、その箇所での照度測定結果が収納されている。
【0100】
この表は、たとえば、CSV等のテキスト形式など所定のデータ形式で、報告書用データ収納部126に収納される。
【0101】
次に、以上により得られたデータに基づいて、顧客提出用資料の作成がなされる。この際、報告書用データ収納部126に収納されているデータ、すなわち、JPEG等の画像データあるいは図形データで収納された測定点位置の配置図、表形式を含むCSV等のテキストデータ形式で収納された照度測定結果等が、使用される。
【0102】
以上のように、本実施形態によれば、ステップS10のエリア準備、照度測定装置10および充電器5の設置と、ステップS20の基本条件の設定を行えば、ステップS30の対象領域1地図の作成以降のステップが、無人で実施される。このように照度測定装置10が、照度測定作業を全て自動的に遂行することにより、作業が効率化され、照明工事における業務の負担を軽減することができる。
【0103】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0104】
1…対象領域、2…壁、3…階段室、5…充電設備、10…照度測定装置、11…入出力インターフェイス、12…距離センサ、13…走行台車、14…照度計、15…支持板、16a…第1支持部、16b…第2支持部、17…バッテリ、100…演算制御処理部、110…演算部、111…自己位置演算部、112…走行演算部、113…地図作成部、114…測定点座標決定部、115…目標位置到達判定部、116…充電要否判定部、120…記憶部、121…測定条件記憶部、122…自己位置データ記憶部、123…壁位置等測定データ記憶部、124…地図情報記憶部、125…照度測定データ記憶部、126…報告書用データ収納部、130…入力部、140…出力部、150…進行制御部