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特許7012100ダイアフラムシール付きダブルシートバルブおよび駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ダイアフラムシール付きダブルシートバルブおよび駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/44 20060101AFI20220120BHJP
   F16K 31/122 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
F16K1/44 B
F16K31/122
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019563055
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2018062377
(87)【国際公開番号】W WO2018215229
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】102017005062.7
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513050121
【氏名又は名称】ゲーエーアー トゥーヘンハーゲン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】ブルメスター イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ピープロウ ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】テグトマイヤー ステファニー
【審査官】西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102006025653(DE,A1)
【文献】特表2015-530533(JP,A)
【文献】特表2016-503155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00 - 1/54
F16K 31/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルシートバルブであって、
第1のバルブシート(34)に関連付けられた第1の閉鎖要素(14)と、
第2のバルブシート(40)に関連付けられた第2の閉鎖要素(16;16’)と、
前記第2の閉鎖要素(16;16’)に接続された中空ロッド(20)と、
前記第1の閉鎖要素(14)に接続され、前記中空ロッド(20)を通じて延伸するように配置されたバルブロッド(18)と、
前記中空ロッド(20)および前記ダブルシートバルブのハウジング(2)に固定された第1のダイアフラム(44)と、
前記バルブロッド(18)と前記中空ロッド(20)との間のチャネル(58)をシールするように配置された第2のダイアフラム(56)とを備え、
前記第2の閉鎖要素(16;16’)は、接続領域(120)内で支持区画(68)に接続された環状体(72;72’)を備え、
前記環状体(72;72’)および前記支持区画(68)は、前記第2のダイアフラム(56)をクランプするように設計され、
前記接続領域(120)は、内部(54)に対して、前記第2のダイアフラム(56)およびギャップシール(78)にシールされており、
前記支持区画(68)が、前記接続領域(120)と前記チャネル(58)との間の流体接続の区画を形成する漏出チャネル(122)を含み、
前記第2のダイアフラム(56)の内縁部(60)を、前記バルブロッド(18)の肩部(62)との間に固定する第2のクランプ要素(64)と、
前記第2のクランプ要素(64)を支持および案内するように配置される第2のベアリング(70)と、を含む、
ことを特徴とする、ダブルシートバルブ。
【請求項5】
主駆動装置(24;24’)が、シリンダ(92、94)内で可動なピストン(98)ならびに駆動ロッド(106)およびばね(102)を備えることを特徴とし、前記バルブロッド(18)および/または前記中空ロッド(20)の回転に対する持ち上げ運動を安定させる第1の回転安定化手段が設けられることを特徴とする、請求項1、請求項3、 及び請求項4のいずれか一項に記載のダブルシートバルブ。
【請求項10】
主駆動装置(24;24’)が、シリンダ(92、94)内で可動なピストン(98)ならびに駆動ロッド(106)およびばね(102)を備えることを特徴とし、前記バルブロッド(18)および/または前記中空ロッド(20)の回転に対する持ち上げ運動を安定させる第1の回転安定化手段が設けられることを特徴とする、請求項2、請求項8、 及び請求項9のいずれか一項に記載のダブルシートバルブ。
【請求項13】
第2の回転安定化手段を備える補助駆動装置(26)が設けられていることを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載のダブルシートバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のダイアフラムシール付きダブルシートバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
実質的に環状のダイアフラムを備える単座弁であって、ダイアフラムは内縁および外縁を備え、その内縁が閉鎖要素に直接的または間接的に固定され、外縁が単座弁のハウジングに固定されている、単座弁が、従来技術において、例えば特許文献1から知られている。
【0003】
閉鎖要素を互いに独立して通気位置に運ぶことが可能である、各々が関連するバルブシートと協働する第1の閉鎖要素および第2の閉鎖要素を備えたダブルシートバルブも、適用分野である。この種のバルブの目的は、閉鎖要素間に第2のダイアフラムを配置することである。このようにして、望遠鏡のように互いに係合するバルブロッド間の間隙が密閉される。
【0004】
従来技術、特に特許文献2および特許文献3では、さまざまな解決策が提案されている。そこで提案されている2つのバルブは、多くの個別の部品から構成されるバルブロッドおよび閉鎖体を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/170931号
【文献】独国特許出願公開第102006025653号明細書
【文献】欧州特許第2734757号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、単純な設計を有し、信頼性の高い機能が保証された、2つのダイアフラムを備えるダブルシートバルブを導入することである。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有するダブルシートバルブによって達成される。有利な発展が、上記請求項1に従属する請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ダブルシートバルブにおいては、第1のバルブシートに関連付けられた第1の閉鎖要素と、第2のバルブシートに関連付けられた第2の閉鎖要素と、第2の閉鎖要素に接続された中空ロッドと、第1の閉鎖要素に接続され、中空ロッドを通じて延伸するように配置されたバルブロッドと、中空ロッドおよびダブルシートバルブのハウジングに固定された第1のダイアフラムと、バルブロッドと中空ロッドとの間のチャネルをシールするように配置された第2のダイアフラムとを備え、第2の閉鎖要素は、支持区画に接続された環状体を備え、環状体および支持区画は、第2のダイアフラムをクランプするように設計され、互いに対して、第2のダイアフラムおよびギャップシールにシールされている、ことを提案されている。支持区画は、接続領域とチャネルとの間の流体接続の区画を形成する漏出チャネルを含む。第2のダイアフラムまたはギャップシールが、接続領域に入る漏れ及び流体になる場合、これは、提案された設計により検出されることができる。これは、2つのダイアフラムの使用の組み合わせにより、例えば第2のダイアフラムの失敗、という機能的な障害に確かな検出をしながら操作する間、衛生的な設計のために設けている。設計は、先行技術と比較し、僅かな個別部品であり、それ故により費用対効果が高く、より素早く確実に組み立て、操作部内に取り付けることができる。
【0009】
中空ロッドが、リフト軸の方向において第1のダイアフラムおよび第1のクランプ要素を通じて一体に延伸する場合、ダブルシートバルブの設計は、さらに簡潔化される。これはまた、潜在的な損傷の点においても排除する。
【0010】
他の有益な発展によると、第2のベアリングが、第2のクランプ要素を支持および案内するように配置されている。その結果、バルブロッドと中空ロッドとの間で大きなギャップが可能になる。この大きなギャップは代わりに、第2のダイアフラムまたはギャップシールの失敗が生じた場合、より確実で改善された漏れの検出を提供する。
【0011】
ダブルシートバルブの発展において、ギャップシールが、第2のバルブシートと協働するように設計および配置されている。その結果、バルブをより簡単に洗浄することができ、残りの流体が蓄積することができる数々の場所が減少する。
【0012】
ダブルシートバルブの発展において、第1および第2の部品が互いに対して回転するのを防止する固定手段が、第2の閉鎖要素上に配置されている。これにより、ダブルシートバルブの信頼できる機能が保証され、特に操作中に、第1および第2の部品の接続の解除が防止される。
【0013】
ダイアフラムの固定点およびダイアフラム自体の機械的な歪みを引き起こす、ねじり力の導入が、防止される場合、ダイアフラムのシール機能および有効寿命が延長される。これを達成するために、本発明によると、主駆動装置が、シリンダ内で可動なピストンならびに駆動ロッドおよびばねを備え、バルブロッドまたは中空ロッドの回転に対する持ち上げ運動を安定させる第1の回転安定化手段が設けられている。
【0014】
第1の回転安定化手段によると、前記手段は、駆動ロッド上でピストンを回転可能に維持するスライドベアリングを含む。これは、費用対効果が高く、信頼できる実施形態である。
【0015】
回転安定化手段のさらなる費用対効果実施形態は、第1の回転安定化手段が、バーを受け入れる凹部を有するピストン区画を含み、バーはリフト軸の方向においてのみ、凹部内で可動であることからなる。
【0016】
補助駆動装置が設けられる場合、第2の回転安定化手段は、補助駆動装置内に設けられる。これにより、装置においてバルブロッドおよび/または中空ロッドにねじり力が作用することを可能な限り早く防止することが可能になる。これは、バルブロッドおよび中空ロッドの領域においてバルブの設計を簡潔化する。
【0017】
公開された設計バリアントは、流体内の大粒子がダブルシートバルブを通って流れるようにし、詰まりを防止することを可能にするため、有益である。
【0018】
後続において、本発明が、述べられており、有益な点が、代表的な実施形態に基づいて説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】2つのダイアフラムを含むダブルシートバルブを通じる断面
図2】第2のダイアフラムの領域の詳細な断面図
図3】第2のディスクにおいて分割シール溝を含むダブルシートバルブの詳細な断面図
図4】空気圧駆動装置を通じる断面
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、長手方向リフト軸Hに沿った断面において、ダブルシートバルブを示す。ダブルシートバルブは、第1のポート4および第2のポート6を有するハウジング2を備える。第1のポート4と第2のポート6との間の流体経路が、ハウジング2内に形成され、中間チャンバ8内に部分的に延伸する。
【0021】
第1のサイドバルブ10および好ましくは第2のサイドバルブ12が、中間チャンバ8に流体接続することができるように、ハウジング2に接続されている。上記サイドバルブ10および12により、中間チャンバ8からの漏れをダブルシートバルブから外方に案内することができ、例えば、中間チャンバ8を洗浄することができる。中間チャンバ8に、例えばバッフルなどの無菌バリアを形成することも可能である。有利には、サイドバルブ10および12の少なくとも一方は中間チャンバ8に接続されており、結果、リフト軸Hが重力と平行に向けられている場合、流体が残留物を一切残さずにチャンバから流出することができる。
【0022】
第1の閉鎖要素14および第2の閉鎖要素16は、リフト軸Hに沿って移動することができるようにハウジング2内に配置される。第1の閉鎖要素14は、バルブロッド18に接続される。第2の閉鎖要素16は、中空ロッド20に接続され、バルブロッド18は、少なくとも、中空ロッド20の内側でその延伸範囲の一部にわたって配置され、バルブロッド18および中空ロッド20は、リフト軸Hに沿って延伸し、1つまたは複数の部品から形成されている。ロッド18および20は、ハウジング2の外に案内され、ハウジング部分22を通って延伸する。バルブロッド18および中空ロッド20は、ハウジング2の外側の主駆動装置24に動作可能に接続されている。
【0023】
主駆動装置24は、好ましくは空気圧駆動装置であり、ダブルシートバルブの開位置および閉位置をもたらすように設計されている。開位置では、第1のポートと第2のポートの間に流体接続が確立される。閉位置では、上記流体接続が阻止される。バルブロッド18、中空ロッド20および主駆動装置24から成るアセンブリは、主駆動装置24の効果を通じて、バルブロッド18が動き、中空ロッド20がこの動きに追随するように設計することができる。
【0024】
空気圧駆動装置としても設計され得る補助駆動装置26が提供されてもよい。上記補助駆動装置26は、好ましくは、バルブロッド18および中空ロッド20を、リフト軸Hに沿って互いに独立して動かすように設計される。それにより、ロッド18および20は、部分リフト位置に運ばれ、この位置において、いずれの場合も閉鎖要素14および16のうちの一方は閉位置のままであり、一方で、他方の閉要素14および16は開位置に運ばれる。
【0025】
駆動装置24および26は、ハウジング部分22に直接的または間接的に、機械的に接続されている。ハウジング部分22は、漏出口28を備え、それにより、ハウジング部分内の収集空間30をハウジング部分の周囲Uに接続することができる。
【0026】
本発明をより良好に図解するために、ハウジング2の領域が図2の詳細な断面図に示されている。
【0027】
第1のシール32が、第1の閉鎖要素14の溝に受け入れられる。上記第1のシール32は、第1の閉鎖要素14の閉位置において第1のバルブシート34と密封方式で協働する。第1のシール32は、軸方向にシールまたは半軸方向にシールする。第1の閉鎖要素14は、第1の突起36を備えることができ、第1の突起36は、第1の閉鎖要素14の部分リフト位置においてチョークギャップが第1の突起36とハウジング2との間に形成されるように配置および成形される。チョークギャップは特に、そこを流れる流体を加速させ、したがって、部分リフト位置において実行される洗浄を改善する。
【0028】
第2のシール38が、第2の閉鎖要素16の溝に受け入れられる。上記第2のシール38は、第2の閉鎖要素16の閉位置において第2のバルブシート40と密封方式で協働する。第2のシール38は、軸方向にシールまたは半軸方向にシールする。第2の閉鎖要素16は、第2の突起42を備えることができ、第2の突起42は、第2の閉鎖要素16の部分リフト位置においてチョークギャップが第2の突起42とハウジング2との間に形成されるように配置および成形される。
【0029】
実質的に環状の第1のダイアフラム44は、ハウジング部分22とハウジング2との間に固定された外縁46を備える。持ち上がることを可能にするために、第1のダイアフラム44は、波状の断面を有し、結果、第1のダイアフラム44の内縁48がドームのように裏返される。上記内縁48は、中空ロッド20に固定される。この目的のために、中空ロッド20に固定することができる第1のクランプ要素50を設けることができる。有利には、クランプ要素50は、第1のダイアフラム44がクランプ要素50に部分的に寄りかかるように設計されており、結果、第1のダイアフラム44がダブルシートバルブ内の流体の圧力から解放される。クランプ要素50の外壁には、好ましくはほぼリフト軸Hの方向に延伸する漏出溝124を設けることができる。上記溝は、ダイアフラム44から離れた外壁の一部のみにわたって延伸し、流体誘導方式でハウジング部分22の横方向チャネル126と協働するように設計することができる。漏れやすい第1のダイアフラム44によって引き起こされる漏れは、漏出溝124および任意の横方向チャネル126によってダブルシートバルブから外方に誘導することができ、したがってより確実に検出することができる。
【0030】
クランプ要素50を受け入れる凹部がハウジング部分22に設けられている。第1のベアリング52が上記凹部内に配置され、上記クランプ要素がリフト軸Hに沿って凹部内で動くことができるように、クランプ要素50をスライド可能に維持する。
【0031】
このように配置された第1のダイアフラム44は、周囲Uに対してダブルシートバルブの内部54をシールする。
【0032】
バルブロッド18と中空ロッド20との間に形成されたチャネル58を中間空間8に対してシールするために、第2のダイアフラム56が第2の閉鎖要素16に設けられている。
【0033】
第2のダイアフラム56は、クランプされ、したがって、バルブロッド18の肩部62と第2のクランプ要素64との間に固定された内縁部60を備える。第2のクランプ要素64は、チャネル58の延長部66に受け入れられ、延長部66は、中空ロッド20の支持区画68に配置される。第2のベアリング70が、支持区画68内に受け入れられる。第2のベアリング70の位置および材料は、延長部66内の第2のクランプ要素64の軸方向の動きを案内および維持するために選択される。このように、第2のクランプ要素64は直接的に、バルブロッド18は間接的に、リフト軸Hに沿ったリフト運動中に支えられ、案内される。上記案内は、大きい直径で行われるため、非常に正確である。加えて、この設計は、既知の従来技術と比較して大きい、大きい断面積の流れを有するチャネル58を可能にする。したがって、例えば第2のダイアフラム56を変更する必要があることを示す漏れのシグナリングが大幅に改善される。
【0034】
支持区画68は、第2の閉鎖要素16の一部を形成し、第2シール38を支持する環状体72を支持する。ねじ山74は、支持区画68と環状体72との間の解放可能な接続を確立する。第2のダイアフラム60の外縁76は、特に適切な案内およびクランプならびに適切な噛み合い係合により、支持区画68と環状体72との間に保持される。第2のダイアフラム60は、ねじ山74を中間チャンバ8に対して同時にシールする。支持区画68と環状体72との間で内部54に面する接続部、したがってねじ山74は、ギャップシール78によってシールされる。上記ギャップシール78は、有利には、支持区画68の溝に受け入れられ、環状体72がねじ山74にねじ込まれる前にそこに設置される。この設計により、内部54に面する支持区画68および環状体72の表面を傾斜面として設計し、それらの流体排出が特に良好になるようにそれらを成形することが可能になり、結果、残留物を一切残さず、かつ、ギャップシール78によって妨げられることなく、流体が第2の閉鎖要素16から排出される。
【0035】
バルブロッド18の細長い穴82を通って延伸する中空ピン80が、中空ロッド20内に保持されている。細長い穴82は、中空ピン80と協働して、リフト軸Hの方向においてバルブロッド18が中空ロッド20に対して動くことを可能にするように、ただし、ロッド18とロッド20との互いに対する回転運動が防止されるように配置および成形される。これにより、第2のダイアフラム56のねじれ歪みが防止される。中空ピン80はまた、中実の材料から作成される円筒ピンとして設計されてもよい。
【0036】
図3は、特にギャップシール78および第2のシール38に関連するダブルシートバルブの発展を示している。
【0037】
第1の閉鎖要素14は、バルブロッド18および中空ロッド20と同様に、前の例から変更されずに持ち越されている。実質的な変化は、第2の閉鎖要素16’に関連する。
【0038】
第2の閉鎖要素16’は、例えばねじ山74’によって支持区画68’に接続される環状体72’を備える。シール構成を単純化し、シールを省くことができるように、接続領域120内で、支持区画68’と環状体72’との間に接合部84が、ギャップシール78を受け入れるように成形されているシール溝86において終端するように形成される。シール溝86の輪郭は、部分的に支持区画68’および環状体72’内に延伸してもよい。この設計により、ギャップシール78は、接続領域120をシールすることに加えて、第2のシール38の機能を果たし、第2のバルブシート40と協働する。部品数の削減に加えて、追加の利点は、とりわけ、上記構成をより簡単に洗浄することができるため、より衛生的な設計が達成されることである。
【0039】
支持区画68’と環状体72’との間のねじ接続が解除されるのを防ぐために、例えば止めねじなどの固定手段88を設けることが有利である。固定手段88は、環状体72’および支持区画68’との回転防止の噛み合い係合を形成する。シール溝86の基部に固定手段を配置することが有利であり、その結果、上記手段は、ダブルシートバルブの組み立てられた状態において第2のシール38によって覆われ、したがってダブルシートバルブ内の流体にアクセスすることができない。
【0040】
環状体72’は、有利には、支持区画68’から遠隔した側に少なくとも1つのネック面90を備える。上記ネック面は、支持区画68’と環状体72’との間のねじ接続を確立するために使用されるツールと協働するように設計されている。
【0041】
図4は、圧力媒体によって作動する主駆動装置24の有利な実施形態の詳細を示している。
【0042】
主駆動装置24は、第1のシリンダ部分92と第2のシリンダ部94とを備えている。シリンダ部分92および94はともに、駆動装置ハウジングおよび主駆動装置24の走行面を形成する。ピストン98の周溝内に受け入れられるピストンシール96は、上記走行面上をスライドする。ピストン98は、主駆動装置24の内部を2つのチャンバに分割する。1つは、圧力媒体チャンバ100であり、当該チャンバ内には、リフト軸Hに沿ったピストン98の変位を引き起こす力をピストン98に対して生成するために、一般には気体である圧力媒体を入れることができる。それによる力が、第2のチャンバであるばねチャンバ104内に配置されたばね102によって生成された復元力に対抗して作用する。
【0043】
ピストン98は、持ち上げ運動が伝達される駆動ロッド106上に固定されている。上記駆動ロッド106は、第1のバルブディスク14の動きをトリガするために、バルブロッド18に直接的または間接的に接続することができる。
【0044】
駆動ロッド106は、圧力媒体チャネル108を備えることができる。駆動ロッド106内の少なくとも1つの入口110は、圧力媒体チャネル108と圧力媒体チャンバ100との間に流体接続を確立する。
【0045】
ばね102の圧縮およびその後の膨張中に、ねじれのためにトルクが生成され、上記トルクはピストン98に作用する。トルクが駆動ロッド106に、したがって最終的に第2のダイアフラム56に伝達されるのを防ぐために、第1の回転安定化手段が設けられる。回転安定化手段の費用対効果の高い実施形態は、それによってピストン98が駆動ロッド106上に回転可能に支持されるスライドベアリングの実施形態である。第1の回転安定化手段、またはスライドベアリングはそれぞれ、フランジ114を有するベアリングブッシュ112を備える。上記ベアリングブッシュは、ベアリングワッシャ116とともにピストン98のためのスライドベアリングを形成する。固定ナット118が、スライドベアリングおよびピストン98を駆動ロッド106に固定し、スライドベアリングにおける規定の力条件を保証する。ベアリングブッシュ112およびベアリングワッシャ116は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの費用効果が高く適切な材料から構成されてもよい。
【0046】
図5は、主駆動装置24’内の第1の回転安定化手段の代替的な実施形態を示す。ピストン98は、駆動ロッド106を取り囲むようにリフト軸Hに沿って延伸し、ばね102によって取り囲まれたピストン区画130を備える。ピストン区画130は、第1のシリンダ部分92の端板に接続されたバー134を受け入れる凹部132を備えている。凹部130は、リフト軸Hの方向に延伸しており、円周方向において円周の一部のみを覆っている。凹部130およびバー134は、バー134がリフト軸Hの方向に運動することができるが、円周方向の運動が阻止されるように寸法決めされている。これは、例えば、その長手方向軸が長手方向スロット内に延伸し、その幅が丸棒の直径にほぼ対応する丸棒によって達成することができる。このようにして、ばね102によってピストン98に導入されるねじり力は、ピストン98の回転、およびその後の回転の駆動ロッド106への伝達を防止する。
【0047】
バルブロッド18と中空ロッド20とが互いに対して回転するのを防ぐ中空ピン80の代替として、またはそれに加えて、主駆動装置24、24’内の第1の回転安定化手段に加えて第2の回転安定化手段を補助駆動装置26内に設けることもできる。上記第2の回転安定化手段は、例えば、図4および図5に関して説明された原理に従って設計されてもよい。また、第2の回転安定化手段は、補助駆動装置26のピストンの回転方向における機械的停止手段として設計することもできる。回転安定化手段により、損傷を与えるねじれがダイアフラム44および56に作用することが防止され、ダイアフラムの有効寿命が延長される。
【符号の説明】
【0048】
2 ハウジング
4 第1のポート
6 第2のポート
8 中間チャンバ
10 第1のサイドバルブ
12 第2のサイドバルブ
14 第1の閉鎖要素
16、16‘ 第2の閉鎖要素
18 バルブロッド
20 中空ロッド
22 ハウジング部分
24、24‘ 主駆動装置
26 補助駆動装置
28 漏出口
30 収集空間
32 第1のシール
34 第1のバルブシート
36 第1の突起
38 第2のシール
40 第2のバルブシート
42 第2の突起
44 第1のダイアフラム
46 第1のダイアフラムの外縁
48 第1のダイアフラムの内縁
50 第1のクランプ要素
52 第1のベアリング
54 内部
56 第2のダイアフラム
58 チャネル
60 第2のダイアフラムの内縁
62 肩部
64 第2のクランプ要素
66 延長部
68、68‘ 支持区画
70 第2のベアリング
72、72‘ 環状体
74、74‘ ねじ山
76 第2のダイアフラムの外縁
78 ギャップシール
80 中空ピン
82 細長い穴
84 接合部
86 シール溝
88 固定手段
90 ネック面
92 第1のシリンダ部分
94 第2のシリンダ部分
96 ピストンシール
98 ピストン
100 圧力媒体チャンバ
102 ばね
104 ばねチャンバ
106 駆動ロッド
108 圧力媒体チャネル
110 入口
112 ベアリングブッシュ
114 フランジ
116 ベアリングワッシャ
118 固定ナット
120 接続領域
122 漏出チャネル
124 漏出溝
126 横方向チャネル
130 ピストン区画
132 凹部
134 バー
136 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5