(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】2次元分布型アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20220120BHJP
H04R 7/04 20060101ALI20220120BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H04R17/00
H04R7/04
H04R1/02 102Z
(21)【出願番号】P 2019563173
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 GB2018053712
(87)【国際公開番号】W WO2019122892
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-01
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,マーク・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】イースト,ジェイムズ
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-129971(JP,A)
【文献】特開2006-116399(JP,A)
【文献】特表2007-505539(JP,A)
【文献】国際公開第2007/102305(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/02
H04R 7/04- 7/10
H04R 17/00-17/10
H01L 41/08-41/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分布型アクチュエータシステムであって、
力を発生させて負荷の振動を引き起こし、音波を生成するように構成されたトランスデューサを備え、前記トランスデューサは、第1の軸に沿って第1の幅を有し、前記分布型アクチュエータシステムはさらに、
第1の側面に沿って前記トランスデューサに接続された伝達部を備え、前記第1の側面は、前記第1の軸に平行であり、かつ前記第1の軸に沿って前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、前記分布型アクチュエータシステムはさらに、
前記伝達部の第2の側面に沿って前記伝達部に接続されたスタブを備え、前記第2の側面は、前記第1の軸に平行であり、かつ前記トランスデューサに接続された前記第1の側面とは反対側の側面であり、前記スタブは、前記第2の幅よりも大きい第3の幅を有し、前記スタブは、前記トランスデューサから前記伝達部を介して受けた前記力を前記負荷に伝達して前記負荷を振動させるために、前記負荷に接続するように構成された表面を有する、分布型アクチュエータシステム。
【請求項2】
前記トランスデューサは、前記第1の幅よりも短く、かつ前記第1の軸に直交する第2の軸に沿った第1の高さを有するとともに、前記第1の高さよりも長く、かつ前記第1の軸および前記第2の軸の両方に直交する第3の軸に沿った第1の長さを有し、および/または、
前記伝達部は、前記第1の高さと等しく、かつ前記第2の軸に沿った第2の高さを有するとともに、前記第2の幅よりも小さく、かつ前記第3の軸に沿った第2の長さを有し、および/または、
前記スタブは、前記第3の幅よりも小さく、かつ前記第2の軸に沿った第3の高さを有するとともに、前記第3の幅よりも小さく、かつ前記第3の軸に沿った第3の長さを有する、請求項1に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項3】
前記トランスデューサは、前記トランスデューサの前記第1の幅および第1の長さによって規定された第2の表面を有し、
前記第2の表面は、第2の軸に沿って、互いに別々に動くように構成された2つ以上のセクションを含む、請求項1または2に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項4】
前記第1の長さは前記第1の幅よりも長い、請求項2または3に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項5】
前記伝達部は、前記トランスデューサ
の表面の一端部のみに接続している、請求項1~4のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項6】
前記伝達部は、前記トランスデューサ
の表面の中央部に接続している、請求項1~4のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項7】
前記伝達部の前記第2の幅の、前記トランスデューサの前記第1の幅に対する比
は1:5
~4:5である、請求項1~6のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項8】
前記伝達部の前記第2の幅の、前記トランスデューサの前記第1の幅に対する比
は2:5である、請求項7に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項9】
前記トランスデューサによって発生した力は、第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間に段差を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項10】
前記第1の共振ピークは300Hz~1kHzであり、前記第2の共振ピークは3kHz~8kHzである、請求項9に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項11】
前記スタブに接続され、前記トランスデューサの少なくとも2つの表面を取り囲むフレームをさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項12】
前記トランスデューサは圧電性である、請求項1~11のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項13】
前記トランスデューサはセラミックである、請求項12に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項14】
前記トランスデューサの長さの幅に対する比
は1:1
~3:1である、請求項1~13のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項15】
前記トランスデューサの長さの幅に対する比
は1.5:1である、請求項14に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項16】
前記負荷は表示パネルを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の分布型アクチュエータシステム。
【請求項17】
スマートフォンであって、
ディスプレイと、
分布型アクチュエータとを備え、前記分布型アクチュエータは、
力を発生させて負荷の振動を引き起こし、音波を生成するように構成されたトランスデューサを備え、前記トランスデューサは、第1の軸に沿って第1の幅を有し、前記分布型アクチュエータはさらに、
第1の側面に沿って前記トランスデューサに接続された伝達部を備え、前記第1の側面は、前記第1の軸に平行であり、かつ前記第1の軸に沿って前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、前記分布型アクチュエータはさらに、
前記伝達部の第2の側面に沿って前記伝達部に接続されたスタブを備え、前記第2の側面は、前記第1の軸に平行であり、かつ前記トランスデューサに接続された前記第1の側面とは反対側の側面であり、前記スタブは、前記第2の幅よりも大きい第3の幅を有し、前記スタブは、前記トランスデューサから前記伝達部を介して受けた前記力を前記負荷に伝達して前記負荷を振動させるために、前記負荷に接続するように構成された表面を有する、スマートフォン。
【請求項18】
前記ディスプレイは前記負荷を含む、請求項17に記載のスマートフォン。
【請求項19】
前記分布型アクチュエータは、1つ以上の電極に電圧を与える駆動モジュールを備え、
前記1つ以上の電極の各々は、前記トランスデューサに接続され、かつ前記分布型アクチュエータに含まれており、
前記駆動モジュールは、前記1つ以上の電極に電圧を与えることによって、前記トランスデューサを動かして前記力を発生させる、請求項17または18に記載のスマートフォン。
【請求項20】
方法であって、
トランスデューサが活性化信号を受信するステップを含み、前記トランスデューサは、分布型アクチュエータに含まれ、かつ、軸に沿って第1の幅を有しており、前記方法はさらに、
前記トランスデューサが前記活性化信号を力に変換するステップと、
前記トランスデューサが前記力のうちの少なくとも一部を伝達部に伝達するステップとを含み、前記伝達部は前記分布型アクチュエータに含まれており、前記伝達部は、前記伝達部の第1の側面に沿って、前記第1の幅の一部のみにわたって前記トランスデューサに固定的に接続されており、前記第1の側面は、前記軸に沿って前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、前記方法はさらに、
前記伝達部が前記力のうちの少なくとも一部をスタブに伝達することによって、前記スタブが前記力のうちの少なくとも一部を負荷に伝達して音波を生成させるステップを含み、前記スタブは、
a)前記伝達部の前記第1の側面とは反対側の側面である第2の側面に沿って前記伝達部に固定的に接続されており、
b)前記軸に沿って前記第2の幅よりも大きい第3の幅を有している、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
デバイスの中には、パネルスピーカを用いて音声を生成するものがある。パネルスピーカは、パネルを振動させることによって音声を生成するスピーカである。パネルスピーカは、パネルを振動させて音声を生成するために、ボイスコイルアクチュエータではなく、例えば圧電トランスデューサなどの分布型アクチュエータ(distributed mode actuator:「DMA」)を用いる場合がある。例えば、スマートフォンは、当該スマートフォンの表示パネル(例えば、LCDまたはOLEDパネル)に力を加えるDMAを備える場合がある。この力によって表示パネルの振動が生じ、その振動が周囲空気と結合することによって、人間の耳で聞くことのできる音波(例えば、20Hz~20kHzの範囲)が生成される。
【発明の概要】
【0002】
概要
一方向(例えば、1次元アクチュエータの長さに沿った方向)に力を生成する1次元分布型アクチュエータと比較すると、2次元分布型アクチュエータは多次元の力を生成することができるため、2次元分布型アクチュエータを備えるシステム(例えば、スマートフォン)では、出力周波数帯域を広くすること、もしくはアクチュエータの長さを短くすること、またはその両方が可能になる。例えば、2次元アクチュエータは、当該アクチュエータの長さおよび幅に沿って個別に力を生成し、それらの力を負荷(例えば、スピーカ)に伝達することによって、負荷に音声を生成させることができる。また、2次元分布型アクチュエータでは、当該アクチュエータの幅に沿って垂直の変位量(例えば、高さの変位量)が変化する。これに対して、1次元アクチュエータでは、その幅に沿って垂直の変位量が一定である。
【0003】
2次元分布型アクチュエータは、スタブに接続されたトランスデューサを備える。トランスデューサは、2次元分布型アクチュエータのための力を生成する表面を規定する幅および長さを有する。トランスデューサとスタブとの間の接続部は、トランスデューサの幅の一部のみ、かつ、スタブの幅の一部のみにわたるものであってもよい。これにより、トランスデューサの表面は、当該表面の長さおよび幅に沿って個別に動くことができる。
【0004】
2次元分布型アクチュエータが入力信号を受信すると、2次元分布型アクチュエータは、トランスデューサの表面における異なるセクションを、高さ軸に沿って別々に動かすことができる。高さ軸は、アクチュエータの長さ軸および幅軸に直交している。トランスデューサのうち、スタブとの接続部に隣接または近傍の第1のセクションは、最小限だけ動くか、または静止したままであり得る。トランスデューサの第2のセクション、すなわち、スタブとの接続部であるトランスデューサの端部に沿い、かつスタブからある間隔をおいて離隔したセクションは、受信された入力に応じて高さ軸に沿って動き得る。トランスデューサの第3のセクション、すなわち、スタブとの接続部から長さ方向に離隔したセクションもまた、受信された入力に応じて高さ軸に沿って動き得る。アクチュエータは、第2のセクションと第3のセクションとを別々に動かすこともできる。例えば、第2のセクションと第3のセクションとは、高さ軸に沿って異なる位置となり得る。
【0005】
概して、本明細書に記載される主題の革新的な一態様は、例えば分布型アクチュエータシステムなどのシステムとして具現化され得る。このシステムは、力を発生させて負荷の振動を引き起こし、音波を生成するように構成されたトランスデューサを備える。トランスデューサは、第1の軸に沿って第1の幅を有する。システムはさらに、第1の側面に沿ってトランスデューサに接続された伝達部を備える。第1の側面は、第1の軸に平行であり、かつ第1の軸に沿って第1の幅よりも小さい第2の幅を有する。システムはさらに、伝達部の第2の側面に沿って伝達部に接続されたスタブを備える。第2の側面は、第1の軸に平行であり、かつトランスデューサに接続された第1の側面とは反対側の側面である。スタブは、第2の幅よりも大きい第3の幅を有する。スタブは、トランスデューサから伝達部を介して受けた力を負荷に伝達して負荷を振動させるために、負荷に接続するように構成された表面を有する。この態様の他の実施形態は、上記動作の機能を行なうように構成された、対応するコンピュータシステム、方法、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。コンピュータシステムは、1つ以上のコンピュータを備え、当該システムにインストールされて動作時に当該システムに機能を遂行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、その装置に機能を遂行させる命令を含むことによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。
【0006】
概して、本明細書に記載される主題の革新的な一態様は、例えばスマートフォンなどのシステムとして具現化され得る。このシステムは、ディスプレイと、分布型アクチュエータとを備える。分布型アクチュエータは、力を発生させて負荷の振動を引き起こし、音波を生成するように構成されたトランスデューサを備える。トランスデューサは、第1の軸に沿って第1の幅を有する。分布型アクチュエータはさらに、第1の側面に沿ってトランスデューサに接続された伝達部を備える。第1の側面は、第1の軸に平行であり、かつ第1の軸に沿って第1の幅よりも小さい第2の幅を有する。分布型アクチュエータはさらに、伝達部の第2の側面に沿って伝達部に接続されたスタブを備える。第2の側面は、第1の軸に平行であり、かつトランスデューサに接続された第1の側面とは反対側の側面である。スタブは、第2の幅よりも大きい第3の幅を有する。スタブは、トランスデューサから伝達部を介して受けた力を負荷に伝達して負荷を振動させるために、負荷に接続するように構成された表面を有する。この態様の他の実施形態は、上記動作の機能を行なうように構成された、対応するコンピュータシステム、方法、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。コンピュータシステムは、1つ以上のコンピュータを備え、当該システムにインストールされて動作時に当該システムに機能を遂行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、その装置に機能を遂行させる命令を含むことによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。
【0007】
概して、本明細書に記載される主題の革新的な一態様は、方法として具現化され得る。この方法は、トランスデューサが活性化信号を受信する動作を含む。トランスデューサは、分布型アクチュエータに含まれ、かつ、軸に沿って第1の幅を有する。方法はさらに、トランスデューサが活性化信号を力に変換する動作と、トランスデューサが力のうちの少なくとも一部を伝達部に伝達する動作とを含む。伝達部は分布型アクチュエータに含まれている。伝達部は、伝達部の第1の側面に沿って、第1の幅の一部のみにわたってトランスデューサに固定的に接続されている。第1の側面は、軸に沿って第1の幅よりも小さい第2の幅を有する。方法はさらに、伝達部が力のうちの少なくとも一部をスタブに伝達することによって、スタブが力のうちの少なくとも一部を負荷に伝達して音波を生成させる動作を含む。スタブは、a)伝達部の第1の側面とは反対側の側面である第2の側面に沿って伝達部に固定的に接続されており、b)軸に沿って第2の幅よりも大きい第3の幅を有する。この態様の他の実施形態は、上記方法の動作を行なうように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。1つ以上のコンピュータのシステムは、当該システムにインストールされて動作時に当該システムに機能を遂行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、その装置に機能を遂行させる命令を含むことによって、特定の動作または機能を行なうように構成されてもよい。
【0008】
上述の実施形態および他の実施形態の各々は、オプションとして、以下の特徴のうちの1つ以上を単独で、または組み合わせて含んでもよい。トランスデューサは、第1の幅よりも短く、かつ第1の軸に直交する第2の軸に沿った第1の高さを有してもよい。トランスデューサは、第1の高さよりも長く、かつ第1の軸および第2の軸の両方に直交する第3の軸に沿った第1の長さを有してもよい。伝達部は、第1の高さと等しく、かつ第2の軸に沿った第2の高さを有してもよい。伝達部は、第2の幅よりも小さく、かつ第3の軸に沿った第2の長さを有してもよい。スタブは、第3の幅よりも小さく、かつ第2の軸に沿った第3の高さを有してもよい。スタブは、第3の幅よりも小さく、かつ第3の軸に沿った第3の長さを有してもよい。
【0009】
ある実現例では、トランスデューサは、トランスデューサの第1の幅および第1の長さによって規定された第2の表面を有してもよい。第2の表面は、第2の軸に沿って、互いに別々に動くように構成された2つ以上のセクションを含んでもよい。第1の長さは第1の幅よりも長くてもよい。伝達部は、トランスデューサの第1の側面の一端部のみに接続していてもよい。伝達部は、トランスデューサの第1の側面の中央部に接続していてもよい。伝達部の第2の幅の、トランスデューサの第1の幅に対する比は約1:5~約4:5(例えば約1:5~約2:5)であってもよい。伝達部の第2の幅の、トランスデューサの第1の幅に対する比は約2:5または約3:5であってもよい。トランスデューサの長さの幅に対する比は約1:1~約3:1であってもよい。トランスデューサの長さの幅に対する比は約1.5:1であってもよい。
【0010】
ある実現例では、トランスデューサによって発生した力は、第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間に段差を有してもよい。第1の共振ピークは300Hz~1kHzであってもよい。第2の共振ピークは3kHz~8kHzであってもよい。システムはさらに、スタブに接続され、トランスデューサの少なくとも2つの表面を取り囲むフレームを備えてもよい。トランスデューサは圧電性であってもよい。トランスデューサはセラミックであってもよい。負荷は表示パネルであってもよい。ディスプレイは負荷であってもよい。分布型アクチュエータは、1つ以上の電極に電圧を与える駆動モジュールを備えてもよい。1つ以上の電極の各々は、トランスデューサに接続され、かつ分布型アクチュエータに含まれてもよい。駆動モジュールは、1つ以上の電極に電圧を与えることによって、トランスデューサを動かして力を発生させてもよい。
【0011】
その他の利点として、本文書に記載のシステムおよび方法は、他のアクチュエータ(例えば、1次元分布型アクチュエータ)と比較して、より広い周波数帯域で音声を生成すること、もしくは長さを短くすること、またはその両方が可能である。例えば、本文書に記載の分布型アクチュエータは、出力を一定とした場合に、他のアクチュエータと比較して長さを短くすることができる。ある実現例では、本文書に記載のシステムおよび方法は、他のシステムによって生成される出力と比較して、システムの出力の効率を上げる(例えば、使用するパワーを減少させる)ことができる。ある実現例では、本文書に記載のシステムおよび方法は、他のシステムと比較して、より広い高域周波数帯域を提供することができる。本文書に記載のシステムおよび方法は、低域周波数帯域における損失をほとんど、または全く生じさせることなく、そのような利点を提供することができる。ある実現例では、本文書に記載のシステムおよび方法は、アクチュエータの長さとは独立した出力周波数帯域を提供することができる。ある実現例では、本文書に記載のシステムは、他のシステムと比較して、対象の帯域(例えば、システムが音声を生成することのできる帯域)における力のピークの数を増加させ、当該対象の帯域におけるモード数を増加させることができる。本文書に記載のシステムは、他のシステムと比較して、力のピークにおける出力を増加させることができる。
【0012】
本明細書に記載の主題の1つ以上の実現例を、添付図面および以下の明細書で詳細に説明する。主題の他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】2次元分布型アクチュエータを備える例示的なデバイスを示す図である。
【
図1B】2次元分布型アクチュエータを備える例示的なデバイスを示す図である。
【
図1C】2次元分布型アクチュエータを備える例示的なデバイスを示す図である。
【
図2】トランスデューサの長さおよび幅の両方に沿って個別に動く2次元分布型アクチュエータの斜視図である。
【
図3】トランスデューサの長さのみに沿って個別に動く1次元分布型アクチュエータの斜視図である。
【
図4】2つの異なるアクチュエータの各々によって生成される力と周波数との間の関係を示すグラフである。
【
図5】2次元分布型アクチュエータを用いて音声を生成するための処理の流れ図である。
【0014】
さまざまな図において、同様の参照番号および名称は、同様の要素を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
図1A~
図1Cは、2次元分布型アクチュエータを備えるデバイス100の例を示す。デバイス100(例えば、スマートフォン、または別の種類のコンピュータ)は、2次元分布型アクチュエータおよびパネルスピーカを用いて音声を生成する。音声は、電話の会話、音楽、オーディオストリーム、動画の音声、またはゲームの音声など、任意の種類の音声であってもよい。デバイス100は、パネルスピーカを備える任意の適切な種類のデバイスであってもよい。
【0016】
パネルスピーカは、振動して音波を生成するパネル104を備える。パネル104は、デバイス100に含まれる、音波を生成することのできる任意の適切なパネルであってもよい。例えば、パネル104は、デバイス100に含まれる表示パネルであってもよい。表示パネルは、タッチスクリーン、または他の任意の適切な種類のディスプレイを含み得る。
【0017】
パネル104は、トランスデューサ110からパネル104に力を伝達するスタブ106(
図1B~
図1Cに図示)に接続されている。トランスデューサ110に含まれる圧電板と、伝達部108と、スタブ106との組み合わせによって、2次元分布型屈曲波アクチュエータが構成される。ある例では、トランスデューサ110はカンチレバー型であってもよい。
【0018】
スタブ106が効率的に力をパネル104に伝達することができるように、パネル104はスタブ106に強固に接続されている。パネル104は、スタブ106に永続的に(例えば、固定的に)接続されてもよい。その場合、例えば、パネル104がスタブ106から外れると、パネル104、もしくはスタブ106、またはその両方が損傷する可能性がある。ある例では、パネル104は、スタブ106に取り外し可能に接続されている。その場合、例えば、パネル104がスタブ106から外れても、パネル104またはスタブ106が損傷する可能性が低い。パネル104は、スタブ106の第1の表面に接続していてもよい。
【0019】
スタブ106は、硬質素材、例えば、変形しない素材である。例えば、スタブ106は、金属、硬質プラスチック、または別の適切な種類の素材であってもよい。
【0020】
ある実現例では、他の1つ以上の構成要素がパネル104とスタブ106との間の接続部の一部を成してもよい。例えば、スタブ106は、パネル104に強固に接続した筐体に、強固に接続していてもよい。ある例では、筐体はパネルスピーカの一部ではない。ある例では、筐体はパネルスピーカの一部である。
【0021】
トランスデューサ110は、伝達部108によってスタブ106に接続されている。これにより、トランスデューサ110によって生成された力のうちの少なくとも一部が、トランスデューサ110から伝達部108およびスタブ106を通ってパネル104内に伝達され得る。スタブ106の第2の表面が伝達部108に接続していてもよい。例えば、スタブ106の第2の表面が伝達部108の第3の表面に接続していてもよい。この接続は、強固な接続であってもよい。ある例では、伝達部108はスタブ106の一部であってもよい。例えば、伝達部108およびスタブ106が、ともに単一の部品に含まれていてもよい。スタブ106の第2の表面は、スタブ106の第1の表面に直交してもよい。スタブ106と伝達部108との間の接続は固定的であってもよいし、または取り外し可能であってもよい。
【0022】
トランスデューサ110は、伝達部108に強固に接続されてもよい。例えば、伝達部108の第4の表面がトランスデューサ110の第5の表面に強固に接続していてもよい。伝達部108の第4の表面は、伝達部108の表面のうち、伝達部108の第3の表面とは反対側の表面であってもよい。ある例では、伝達部108はトランスデューサ110の一部である。例えば、伝達部108およびトランスデューサ110が、ともに単一の部品に含まれていてもよい。伝達部108とトランスデューサ110との間の接続は固定的であってもよいし、または取り外し可能であってもよい。
【0023】
ある実現例では、2次元分布型アクチュエータは、伝達部108とフレーム112との間に位置する第2のスタブ114を備える。例えば、第2のスタブ114は、物理的に伝達部108とフレーム112との間のみに位置してもよい。例えば、第2のスタブ114の幅は、伝達部108の幅と等しくてもよい。第2のスタブ118は、伝達部108の動き(例えば、高さ軸に沿った動き)を抑制するダンパーとなり得る。
【0024】
第2のスタブ114は、任意の適切な素材であってもよい。例えば、第2のスタブ114は、エネルギを吸収する手段を提供する軟質素材(例えば、エラストマー素材)であってもよいし、もしくは共振のQ値(例えば、ピークの尖鋭度)を減らすものであってもよいし、またはその両方であってもよい。第2のスタブ114を設けることによって、トランスデューサ110の落下試験の信頼性を高め、あるいは別の点でトランスデューサ110の耐衝撃性を高めることができる。ある例では、第2のスタブ114はゴムであってもよい。
【0025】
トランスデューサ110は、デバイス100に含まれる駆動モジュールから1つ以上の信号を受信したことに応答して作動することによって、力を生成する。2次元分布型アクチュエータ、もしくはパネルスピーカ、またはその両方(例えば、アクチュエータがスピーカの一部である場合)が駆動モジュールを備えてもよい。この駆動モジュールは、別の構成要素(例えば、デバイス100に含まれるプロセッサ)から入力信号を受信し、その入力信号を、トランスデューサ110を動かすための信号に変換する。駆動モジュールは、ハードウェア、もしくはソフトウェア、またはその両方で実現することができる。例えば、駆動モジュールは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のメモリ、および電圧源を備えてもよい。駆動モジュールは、1つ以上のプロセッサを用いて、1つ以上のメモリに格納された命令を実行することによって、トランスデューサ110に与える1つまたは複数の電圧量を決定し、2次元分布型アクチュエータ、もしくはパネルスピーカ、またはその両方に音声を生成させる。
【0026】
例えば、駆動モジュールは、2次元分布型アクチュエータ、もしくはパネルスピーカ、またはその両方が生成すべき音声を識別する入力信号を受信してもよい。音声は、例えば、電話アプリケーション、音楽アプリケーション、動画アプリケーション、または別の種類のアプリケーションなどのための、任意の適切な種類の音声であってもよい。駆動モジュールは、受信した入力信号を、トランスデューサ110を作動させる1つ以上の活性化信号に変換してもよい。活性化信号は、トランスデューサ110に含まれる電極を活性化する電圧を含み得る。
【0027】
トランスデューサ110は複数の電極を備えており、その各々が駆動モジュールに接続されている。それらの電極のうちの少なくとも一部は、独立した信号(例えば、電圧)を駆動モジュールから受信してもよい。ある電極が駆動モジュールから信号を受信すると、この電極は、トランスデューサ110の層の少なくとも一部にわたって電界を生じさせる。ある例では、電界によってトランスデューサ110(例えば、層)の寸法が物理的に変化し、それに伴うトランスデューサ110の変位によって力が生成される。電極は、トランスデューサの層における反対側の別の電極と連動して電界を生じさせてもよい。当該別の電極は接地電極であってもよいし、あるいは別の適切な種類の電極であってもよい。ある例では、層の両側の電極は、トランスデューサ110のサイズを他の態様で変化させ、それによってトランスデューサ110に力を生成させてもよい。
【0028】
図2は、トランスデューサ204の長さおよび幅の両方に沿って個別に動く2次元分布型アクチュエータ200の斜視図である。2次元分布型アクチュエータ200は、伝達部によってトランスデューサ204に接続されたスタブ202を備える。伝達部のみでの接続により、トランスデューサ204における異なるセクション206a~dが、高さ軸に沿って垂直に別々に動くことができる。
【0029】
トランスデューサ204における異なるセクション206a~dは、単一の層であるトランスデューサ204の一部であってもよい。例えば、トランスデューサ204は、異なるセクション206a~d同士を隔てる隙間を有さず、セクション206a~dのための共通の中心層を少なくとも有してもよい。
【0030】
セクション206a~dの各々は、別々の電極を有してもよいし、またはトランスデューサ204のサイズを変化させる1つ以上の共通の電極を有してもよい。トランスデューサ204のサイズの変化は、セクション206a~dの位置の変化を生じさせる。例えば、あるセクションが小さくなると、そのサイズの変化によって、当該セクションは高さ軸に沿って動くかもしれない。2次元分布型アクチュエータ200は、セクション206a~dの各々に接触する2つの電極を備えてもよい。2つの電極のうち、一方はトランスデューサ204の中心層の上部に設けられ、他方はこの中心層の底部に設けられてもよい。2次元分布型アクチュエータ200は、これらの2つの電極に与える電圧を別々に調整可能であってもよい。ある例では、第1の電極を第1のセクション206aに接続し、第2の電極を第2のセクション206bに接続し、第3の電極を第3のセクション206cに接続し、第4の電極を第4のセクション206dに接続してもよい。
【0031】
異なるセクション206a~dは、幅軸もしくは長さ軸、またはその両方に沿って離隔しており、異なるセクション206a~dのうちの少なくとも2つは、幅軸に沿って離隔している。例えば、第1のセクション206aは、幅軸に沿って第2のセクション206bから離隔している。第1のセクション206aは、幅軸および長さ軸の両方に沿って第4のセクション206dから離隔している。ある実現例では、トランスデューサ204は、幅軸に沿って離隔した3つ以上のセクションを有してもよい。例えば、第1のセクション206a、第2のセクション206b、ならびに、第1のセクション206aおよび第2のセクション206bの両方から幅軸に沿って離隔した別のセクションを有してもよい。
【0032】
図1B~
図1Cに示すように、伝達部は、トランスデューサ204の幅の一部のみにわたって延在する。これにより、トランスデューサ204における異なるセクション206a~b(いずれもスタブ202の近くに位置する)の間で、高さ軸に沿った垂直の動き、もしくは垂直可動範囲、またはその両方が異なることになる。例えば、トランスデューサ204の第1のセクション206aは、伝達部とスタブ202との近くに位置しており、トランスデューサ204の第2のセクション206bと比較して高さ軸に沿った垂直可動範囲が小さい。トランスデューサ204の第2のセクション206bは、スタブ202の近くに位置しており、高さ軸に沿った垂直可動範囲がより大きい。第1のセクション206aは、第2のセクション206bよりも伝達部に近いため、第2のセクション206bよりも垂直可動範囲が小さい。第1のセクション206aおよび第2のセクション206bは、スタブ202からの距離が等しくてもよい。例えば、第1のセクション206aとスタブ202との間の距離、および、第2のセクション206bとスタブ202との間の距離は、ともに長さ軸に沿うものであってもよい。
【0033】
伝達部の幅はトランスデューサ204の全幅にわたって延在しているわけではなく、トランスデューサ204の幅よりも小さいので、第1のセクション206aは、トランスデューサ204の第2のセクション206b、第3のセクション206c、および第4のセクション206dとは別個に動くように構成されている。例えば、分布型アクチュエータ200を備えるパネルスピーカが特定の音声を生成しているとき、第1のセクション206aは高さ軸に沿って第1の垂直位置にあり、第2のセクション206bは高さ軸に沿って第2の垂直位置にあり、第3のセクション206cは高さ軸に沿って第3の垂直位置にあり、第4のセクション206dは高さ軸に沿って第4の垂直位置にあってもよい。第1の垂直位置、第2の垂直位置、第3の垂直位置、および第4の垂直位置のうちの少なくとも2つは、異なる位置である。例えば、第1の垂直位置、第2の垂直位置、および第4の垂直位置は、高さ軸に沿って互いに異なる位置である一方、第2の垂直位置は高さ軸に沿って第3の垂直位置と同じ位置であってもよい。
【0034】
第1のセクション206aは、トランスデューサ204の他のセクション206b~cと比較して、高さ軸に沿った垂直可動範囲が制限されてもよい。第1のセクション206aの垂直可動範囲が制限され得る理由は、例えば、トランスデューサ204の領域のうち第1のセクション206aに近い領域において、トランスデューサ204が伝達部に強固に接続されているからである。
【0035】
ある実現例では、スタブ202から離れた第2のスタブ208が2次元分布型アクチュエータ200に設けられる場合に、第1のセクション206aの可動範囲が制限され得る。第2のスタブ208は、トランスデューサ204の表面のうち、伝達部に接続する表面に直交する表面の近くに位置してもよい。
【0036】
2次元分布型アクチュエータ200を備えるパネルスピーカが音声を生成していないとき、第1のセクション206aは第2のスタブ208に隣接し、接触してもよい。2次元分布型アクチュエータ200を備えるパネルスピーカが音声を生成しているとき、高さ軸に沿った第1のセクション206aの垂直可動範囲が第2のスタブ208によって制限されてもよい。例えば、第2のスタブ208は、第1のセクション206aが高さ軸に沿って第2のスタブ208の方に閾値量を超えて動かないように規制してもよい。ある例では、2次元分布型アクチュエータ200を備えるパネルスピーカが音声を生成していないとき、第2のスタブ208は、第1のセクション206aが維持する非活性位置から第1のセクション206aが高さ軸に沿って一方向のみにしか動くことができないようにしてもよい。この一方向とは、第2のスタブ208から離れる方向であってもよい。2次元分布型アクチュエータ200の向きに応じて、第2のスタブ208は、トランスデューサ204の上方、下方、または側方に位置してもよい。
【0037】
第2のスタブ208は、トランスデューサ204の幅の一部のみにわたって延在してもよい。例えば、第2のスタブ208は、トランスデューサ204の幅のうち、伝達部に近い部分、例えば、第2のセクション206bよりも第1のセクション206aに近い部分に沿って延在してもよい。第2のスタブ208の幅は、伝達部の幅と等しくてもよい。
【0038】
図3は、トランスデューサ304の長さのみに沿って個別に動く1次元分布型アクチュエータ300の斜視図である。1次元分布型アクチュエータ300は、トランスデューサ304の略全幅にわたって接続されたスタブ302を備える。例えば、トランスデューサ304は、トランスデューサ304の全幅にわたって、もしくはスタブ302の全幅にわたって、またはその両方の全幅にわたって、スタブ302に接続していてもよい。このような接続の場合、1次元分布型アクチュエータ300は、トランスデューサ304の長さ軸に沿って離隔したセクション306a~b間では高さ軸に沿って垂直に別々に動くことができるが、幅軸に沿って離隔したセクション間では垂直に別々に動くことができない。
【0039】
図1B~
図1Cに戻って、トランスデューサ110の第1の幅W
0は伝達部108の第2の幅W
1よりも大きい。例えば、トランスデューサ110における異なるセクション同士が高さ軸に沿って別々に動くことできるように、伝達部108は、幅軸においてトランスデューサ110の一部のみに接続している。
【0040】
ある実現例では、伝達部108の第2の幅W1の、トランスデューサ110の第1の幅W0に対する比は1:1未満である。例えば、第2の幅W1の第1の幅W0に対する比は、約1:5~約4:5である。第2の幅W1の第1の幅W0に対する比は、約1:5~約2:5であってもよい。
【0041】
図1Cに示すように、伝達部108は、幅軸によって規定されたトランスデューサ110の表面の一端部に接続していてもよい。例えば、トランスデューサ110は、伝達部108の近くに、幅軸および高さ軸によって規定された表面を有し得る。この表面の幅軸に沿った一端部に、伝達部108を配置してもよい。このとき、例えば伝達部は、長さ軸および高さ軸によって規定された第2の表面と面一となっていてもよい。
【0042】
ある実現例では、伝達部108が接続されるのは、幅軸によって規定されたトランスデューサ110の表面の一端部でなくてもよい。例えば、伝達部108は、トランスデューサ110の表面の、幅軸に沿った中間部に接続していてもよい。伝達部108は、当該表面における幅軸に沿った中央に配置されてもよいし、または当該表面における、幅軸に沿った端部ではない別の部分に接続されてもよい。
【0043】
伝達部108の高さHは、トランスデューサ110の高さHと等しくてもよい。ある実現例では、伝達部108の高さとトランスデューサ110の高さは異なっていてもよい。例えば、トランスデューサ110の高さは、伝達部108の高さよりも高くてもよい。
【0044】
トランスデューサ110は、長さL0を有する。伝達部108は、長さL1を有する。長さL1は、長さL0よりも短くてもよいし、長さL0と等しくてもよいし、または長さL0よりも長くてもよい。2次元分布型アクチュエータが伝達部108を備えることによって、トランスデューサ110の長さL0を1次元分布型アクチュエータの場合よりも短くすることができる。また、2次元分布型アクチュエータの幅W0を1次元パネルスピーカの場合よりも大きくすることができる。
【0045】
トランスデューサ110の長さL0の幅W0に対する比は、約1:1~約3:1である。ある例では、長さL0の幅W0に対する比は約1.5:1であり、例えば22:15である。
【0046】
スタブ106の幅軸に沿った幅は、トランスデューサ110の幅W0と等しくてもよいし、幅W0よりも小さくてもよいし、または幅W0よりも大きくてもよい。スタブ106の幅は、伝達部108の幅W1よりも大きくてもよいし、または幅W1と等しくてもよい。スタブ106の高さ軸に沿った高さは、スタブ106の幅よりも小さくてもよい。スタブ106の高さは、トランスデューサ110の高さHよりも高くてもよい。ある例では、スタブ106の高さは、スタブ106の幅と等しくてもよいし、またはスタブ106の幅よりも大きくてもよい。スタブ106の長さ軸に沿った長さは、スタブ106の幅よりも小さくてもよい。ある例では、スタブ106の長さは、スタブ106の幅よりも大きくてもよいし、またはスタブ106の幅と等しくてもよい。スタブ106の長さは、トランスデューサ110の長さL0よりも短い。
【0047】
2次元分布型アクチュエータは、フレーム112を備えてもよい。フレーム112は、2次元分布型アクチュエータがパネル104と結合するための広い結合領域(例えば、反復可能接合領域)を提供し得る。フレーム112は、任意の適切な種類の素材であってもよい。例えば、フレーム112はステンレス鋼であってもよい。
【0048】
ある実現例では、フレーム112は、トランスデューサ110もしくは伝達部108、またはその両方を損傷から保護することができる。例えば、2次元分布型アクチュエータ、もしくは2次元分布型アクチュエータを備えるデバイス、またはその両方の製造または組み立ての際にデバイス100が落下した場合に、トランスデューサ110もしくは伝達部108またはその両方を損傷から保護することができるように、フレーム112の素材を選択すればよい。
【0049】
トランスデューサ110に含まれる層は、任意の適切な種類の圧電素材であってもよい。例えば、この層は、セラミック圧電素材または結晶圧電素材であってもよい。セラミック圧電素材の例としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ビスマスフェライト、およびニオブ酸ナトリウムなどが挙げられる。結晶圧電素材の例としては、例えば、トパーズ、チタン酸鉛、ニオブ酸リチウム、およびタンタル酸リチウムなどが挙げられる。
【0050】
トランスデューサ110に含まれる電極は、任意の適切な方法で層に接続してもよい。例えば、電極は、製造の際に、堆積処理およびパターニング処理などによって、層に固定的に接続されてもよい。電極同士は、別々の接地を有してもよい。ある例では、電極のうちの少なくともいくつかは、共通の接地を有してもよい。
【0051】
図4は、2つの異なるアクチュエータの各々によって生成される力と周波数との間の関係を示すグラフ400である。グラフ400の横軸は周波数である。グラフ400の縦軸は、1ボルト当たりのニュートンで測定された力の感度の大きさである。
【0052】
それぞれのアクチュエータは、高い機械インピーダンス上に取り付けられた場合、力を生じさせ得る。グラフ400の縦軸は、それぞれのアクチュエータ(例えば、それぞれのDMA)に含まれるアクチュエータに1ボルトを印加したときに、このアクチュエータが、非常に動きにくい物体(例えば、機械インピーダンスが高い物体)に与える力の量を示す。
【0053】
例えば、グラフ400は、1次元分布型アクチュエータ(例えば、1次元分布型アクチュエータ300)の共振周波数に関する第1の線402を含む。また、グラフは、2次元分布型アクチュエータ(例えば、
図1の2次元分布型アクチュエータ、または2次元分布型アクチュエータ200)の共振周波数に関する第2の線404を含む。2次元アクチュエータは、多層の圧電アクチュエータであってもよい。その場合、発生した力に、アクチュエータに含まれる層の数(例えば、15)を乗じることになる。
【0054】
グラフ400によれば、2次元分布型アクチュエータは、1次元分布型アクチュエータと比較して、高い周波数でより良好な共振を有し得る。例えば、2次元分布型アクチュエータに関する第2の線404は、高い共振周波数帯域では、概して、1次元分布型アクチュエータに関する第1の線402よりも上方にある。高い共振周波数帯域とは、例えば、4kHzよりも大きい共振周波数のことである。
【0055】
2次元分布型アクチュエータによって生じる出力(1ボルト当たりのニュートンで表わす)は、例えば第2の線404が示すように、2つの共振周波数の間に段差406を有してもよい。2つの共振周波数は、2次元分布型アクチュエータの製造用途に応じて選択され得る。例えば、第1の共振ピーク408は、例えば電話の会話の音声生成用に300Hz~1kHzであってもよい。また、第2の共振ピーク410は、例えば電話の会話の音声生成用に3kHz~8kHzであってもよい。
【0056】
ある実現例では、共振ピーク408,410のうちの1つまたは両方の位置は、アクチュエータの長さ、アクチュエータの幅、伝達部の長さ、伝達部の幅、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせに基づいて調整することができる。例えば、第2のピークは、アクチュエータの長さもしくは幅、またはその両方に基づくものであってもよい。第1のピークは、アクチュエータの長さ、アクチュエータの幅、伝達部の長さ、伝達部の幅、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせに基づくものであってもよい。
【0057】
図5は、2次元分布型アクチュエータを用いて音声を生成するための処理500の流れ図である。例えば、処理500は、
図1の2次元分布型アクチュエータ、または2次元分布型アクチュエータ200で採用されてもよい。
【0058】
分布型アクチュエータは、音声を識別する信号を受信する(502)。例えば、分布型アクチュエータに含まれる駆動モジュールが信号を受信してもよい。駆動モジュールは、この信号を用いて、アクチュエータのための1つ以上の活性化信号を生成することができる。
【0059】
分布型アクチュエータに含まれるトランスデューサが活性化信号を受信する(504)。アクチュエータは、2次元分布型アクチュエータであってもよい。トランスデューサは、1つの軸(例えば、幅軸)に沿って第1の幅を有する。トランスデューサは、分布型アクチュエータに含まれる駆動モジュールから活性化信号を受信してもよい。ある例では、例えばトランスデューサが複数の電極を備えている場合に、トランスデューサは駆動モジュールから複数の活性化信号を受信してもよい。
【0060】
トランスデューサは、活性化信号を力に変換する(506)。例えば、トランスデューサに含まれる1つ以上の電極が、活性化信号を受信する。活性化信号は、駆動モジュールによって生成された電圧であってもよい。活性化信号は、トランスデューサに含まれる電極毎に等しくてもよい。活性化信号は、トランスデューサに含まれる電極のうちの少なくともいくつかで異なってもよい。電極は、活性化信号を用いて、トランスデューサの層の物理的な変化、およびトランスデューサ内のセクションの変位をもたらす電界を生成する。トランスデューサ内のセクションの変位により、力が生成される。
【0061】
トランスデューサは、力のうちの少なくとも一部を、分布型アクチュエータに含まれる伝達部に伝達する(508)。例えば、トランスデューサは、トランスデューサの第1の幅の一部のみにわたって、伝達部の第1の側面に固定的に接続されている。トランスデューサと伝達部とが接続されていることにより、力の一部が伝達部に伝達されることになる。第1の側面は、上記軸に沿って第1の幅よりも小さい第2の幅を有する。
【0062】
伝達部は、力のうちの少なくとも一部を、分布型アクチュエータに含まれるスタブに伝達する(510)。スタブは、伝達部の第1の側面とは反対側の第2の側面に沿って、伝達部に固定的に接続されている。スタブが力の一部を受けることによって、スタブは、力のうちの少なくとも一部を負荷に伝達して音波を生成させる。スタブは、上記軸に沿って第2の幅よりも大きな第3の幅を有する。
【0063】
スタブは、力のうちの少なくとも一部を負荷に伝達する(512)。例えば、スタブは、スマートフォン、テレビ、またはモニター画面(例えば、LCDまたはOLEDのテレビまたはモニター画面)に含まれる表示パネルに、力の一部を伝達してもよい。
【0064】
負荷は力の一部を受け(514)、その力を使って音声を生成する(516)。例えば、その力によって、負荷が振動し、音波を生成して音声を発生させる。
【0065】
ある実現例では、処理500が含むステップは、より多くてもよいし、より少なくてもよい。あるいは、ステップのうちの一部が複数のステップに分割されてもよい。例えば、2次元分布型アクチュエータはステップ504~510を実行し、処理500におけるその他のステップは実行しなくてもよい。
【0066】
分布型アクチュエータは、任意の適切な角度で負荷に取り付けることが可能である。例えば、分布型アクチュエータは、対象の負荷(例えば、機械的負荷)に直交して取り付けられてもよい。負荷は、分布型パネルであってもよい。ある例では、分布型アクチュエータは、対象の負荷に平行に取り付けられてもよい。
【0067】
ある実現例では、分布型アクチュエータがスマートフォンに含まれる場合、スマートフォンは、ディスプレイ(例えば、表示パネル)、1つ以上のプロセッサ、および1つ以上のメモリを備えてもよい。ディスプレイは、音声を生成するための分布型アクチュエータに、負荷として与えられてもい。ある例では、スマートフォンは、音声を生成する際に用いる分布型アクチュエータに、ディスプレイとは異なる負荷を与えてもよい。
【0068】
メモリには、アプリケーションのための命令が格納されてもよい。分布型アクチュエータは、例えば、そのアプリケーションから、出力すべき音声を識別する入力を受信することができる。1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上のアプリケーションプロセッサ)は、1つ以上のメモリに格納された命令を用いてアプリケーションを実行することができる。アプリケーション(例えば、電話アプリケーション、音楽アプリケーション、またはゲーム)の実行中に、当該アプリケーションは、ユーザに対して出力すべき音声を決定し得る。アプリケーションは、音声のデータを分布型アクチュエータに提供する。
【0069】
分布型アクチュエータに含まれる駆動モジュールは、音声のデータを入力として受信する。駆動モジュールは、このデータを用いて、分布型アクチュエータに含まれる1つ以上の電極に電圧を与える。
【0070】
ある例では、1つ以上のプロセッサ、もしくは1つ以上のメモリ、またはその両方は、駆動モジュールとは分離されている。例えば、駆動モジュールは、少なくとも1つのプロセッサ、もしくは少なくとも1つのメモリ、またはその両方を備えてもよい。当該少なくとも1つのプロセッサは、上記1つ以上のプロセッサとは異なるプロセッサのセットであってもよい。当該少なくとも1つのメモリは、上記1つ以上のメモリとは異なるメモリであってもよい。
【0071】
ある実現例では、多次元分布型アクチュエータが備えるトランスデューサは、その幅に沿って、垂直の変位量(例えば、高さの変位量)が変化するものであってもよい。例えば、本文書に記載のシステムおよび方法は、2次元以上の力を生成するアクチュエータで採用することができる。
【0072】
ある実現例では、触覚フィードバックシステムが分布型アクチュエータを備えてもよい。例えば、触覚フィードバックシステムは、分布型アクチュエータを用いて250Hz~300Hzの周波数帯域のエネルギを生成してもよい。触覚フィードバックシステムは、音声の生成にも用いられる単一の構成要素の一部であってもよいし、または音声を生成するために用いられる構成要素とは別の構成要素であってもよい。
【0073】
本明細書に記載の主題の実施形態および機能動作は、デジタル電子回路、有形に具現化されたコンピュータソフトウェアもしくはコンピュータファームウェア、本明細書に開示の構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータハードウェア、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせによって実現可能である。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラムとして実現可能である。すなわち、データ処理装置によって実行される、またはデータ処理装置の動作を制御するための、非一時的な有形のプログラム担持体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールによって実現可能である。代替的または追加的には、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号(例えば、機械によって生成された電気信号、光信号、または電磁信号)に符号化されてもよい。この伝搬信号は、適切な受信装置に送信しデータ処理装置で実行すべき情報を符号化したものである。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、ランダムアクセスメモリデバイスもしくはシリアルアクセスメモリデバイス、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせであってもよい。
【0074】
「データ処理装置」という用語は、データ処理ハードウェアを指し、例えばプログラマブルプロセッサまたは複数のプロセッサなどの、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊用途の論理回路であってもよく、またはそのような特殊用途の論理回路をさらに含んでもよい。装置は、ハードウェアの他に、コンピュータプログラムの実行環境を作り出すコード(例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、オペレーティングシステム、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコード)をオプションとして含んでもよい。
【0075】
例えば、パネルスピーカ(例えば、駆動モジュール)は、データ処理装置を備えてもよい。本文書に記載の動作のうちの1つ以上を実行するために、パネルスピーカは、少なくとも1つのメモリと共にデータ処理装置を用いてもよい。
【0076】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードとして言及または記載される場合もある)は、コンパイルまたは解釈された言語、または宣言型言語もしくは手続き型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述されてもよい。また、そのようなコンピュータプログラムは、スタンドアローンプログラムとして、またはモジュール、構成要素、もしくはサブルーチンとして、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして配備されることを含めて、如何なる形態で配備されてもよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応していてもよいが、それは必須ではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語の文書内、対象のプログラムに専用の1つのファイル内、または複数の連係するファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)内に格納された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に格納されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、または、1つの場所に位置し、もしくは複数の場所に分散し、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配備されてもよい。
【0077】
本明細書に記載の処理および論理フローは、1つ以上のプログラマブルコンピュータが1つ以上のコンピュータプログラムを実行し、入力データを処理して出力を生成することにより機能を遂行することによって、実施することができる。処理および論理フローは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊用途の論理回路によって実施可能であり、また、装置もそのような特殊用途の論理回路として実現可能である。
【0078】
コンピュータプログラムの実行に好適なコンピュータは、例えば、汎用もしくは特殊用途のマイクロプロセッサ、またはその両方、または他の任意の種類の中央処理装置を含む。概して、中央処理装置は、読み取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から、命令およびデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令を遂行または実行するための中央処理装置、ならびに命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータは、データを格納するための1つ以上の大容量記憶装置(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスク)を含んでいるか、またはそのような大容量記憶装置との間でデータの受信もしくは送信またはその両方を行なうことができるように動作可能に大容量記憶装置に接続されている。しかしながら、コンピュータは必ずしもそのようなデバイスを備える必要はない。さらに、コンピュータは、他のデバイスに内蔵されていてもよい。他のデバイスの例としては、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型の音声または動画プレーヤー、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、または可搬型記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などが挙げられるが、これらはほんの数例にすぎない。
【0079】
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに好適なコンピュータ可読媒体は、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。例としては、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク、またはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、CD-ROMディスク、およびDVD-ROMディスクなどが挙げられる。プロセッサおよびメモリは、特殊用途の論理回路によって補完されてもよいし、特殊用途の論理回路に組み込まれてもよい。
【0080】
パネルスピーカ、もしくは分布型アクチュエータ、またはその両方は、命令を格納する1つ以上のメモリを備えてもよい。この命令は、パネルスピーカまたは分布型アクチュエータによって実行されると、本文書に記載の1つ以上の動作を当該パネルスピーカまたは分布型アクチュエータに遂行させるものである。例えば、命令は、パネルスピーカまたは分布型アクチュエータ(例えば、駆動モジュール)に出力周波数サブセットの決定、もしくは1つ以上の電極の通電、またはその両方を行なわせてもよい。ある例では、駆動モジュールは、1つ以上のメモリ、または1つ以上のメモリのうちのいくつかを備えてもよい。
【0081】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載の主題の実施形態は、ユーザに対して情報を表示するための表示デバイス(例えば、LCD(液晶ディスプレイ)モニター画面)と、ユーザによるコンピュータへの入力を可能にするキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実現することができる。ユーザとの対話を提供するために、他の種類のデバイスを用いてもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなど、如何なる形態の感覚フィードバックであってもよい。また、ユーザからの入力は、例えば音響入力、音声入力、または触覚入力など、如何なる形態で受信されてもよい。
【0082】
本明細書には多数の具体的な実現例の詳細を記載したが、これらの詳細は、請求され得る事項の範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の記載として解釈すべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で記載した何らかの特徴同士を組み合わせて、1つの実施形態内で実現することも可能である。逆に、1つの実施形態の文脈で記載したさまざまな特徴を複数の実施形態で別々に実現することも可能であるし、または好適な任意のサブコンビネーションで実現することも可能である。さらに、上記においては、特徴が特定の組み合わせで作用するものとして記載し、当初はそのように請求しているが、場合によっては、請求された組み合わせ中の1つ以上の特徴を当該組み合わせから削除することも可能であるし、請求された組み合わせをサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形例に向けることも可能である。
【0083】
同様に、図では動作を特定の順序で示しているが、望ましい結果を得るには、それらの動作を図示された特定の順序で、もしくは順番に行なうことが必要であると解釈すべきではないし、または、図示されたすべての動作を行なうことが必要であると解釈すべきでもない。ある状況においては、マルチタスクおよび並列処理を行なうことが好都合な場合もある。さらに、上述の実施形態においてさまざまなシステムモジュールおよび構成要素が分離されているからといって、すべての実施形態においてそのような分離が必須であると解釈すべきではない。記載されたプログラム構成要素およびシステムは、概して、一体化して1つのソフトウェア製品とし、または、パッケージ化して複数のソフトウェア製品とすることが可能であると解釈すべきである。
【0084】
主題の特定の実施形態を説明したが、下記の特許請求の範囲内には他の実施形態も含まれる。例えば、請求項に記載の動作を異なる順序で行なうことも可能であり、その場合にも望ましい結果を得ることができる。一例として、添付図面に記載の処理を図示された特定の順序で、または順番に行なうことは、望ましい結果を得るために必ずしも必要というわけではない。場合によっては、マルチタスクおよび並列処理を行なうことが好都合な場合もある。