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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】カメラアセンブリ及びモバイル端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20220203BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20220203BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220203BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20220203BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H04N5/225 100
G03B17/04
G03B17/56 A
H04N5/222 100
H04N5/232 300
H04N5/232 410
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019563800
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2019111312
(87)【国際公開番号】W WO2020258596
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2019-11-18
(31)【優先権主張番号】201910556329.9
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517188574
【氏名又は名称】ペキン シャオミ モバイル ソフトウェア カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】朱赫名
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼高才
(72)【発明者】
【氏名】秦俊▲傑▼
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205071146(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106464166(CN,A)
【文献】特開2000-175104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 17/04
G03B 17/56
H04N 5/222
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラアセンブリであって、
前記カメラアセンブリは、カメラモジュール第1無線伝送モジュール第1磁性体を備え、前記カメラモジュールは画像を取得するように構成され、前記第1無線伝送モジュールは前記カメラモジュールに電気的に接続され、データを伝送するように構成され、前記第1磁性体は、受けた磁力によって前記カメラアセンブリを浮上状態に維持するようにし、
前記カメラモジュールは、少なくとも2つのレンズを備え、前記カメラアセンブリがモバイル端末の収容部に位置する場合、前記2つのレンズが垂直方向に沿って配列されており、前記カメラアセンブリが浮上状態にある場合、前記2つのレンズが水平方向に沿って配列されている、カメラアセンブリ。
【請求項2】
前記カメラアセンブリは無線給電受信モジュール又は電池を備え、前記無線給電受信モジュール又は電池は前記カメラモジュールに給電するように構成される請求項1に記載のカメラアセンブリ。
【請求項3】
モバイル端末であって、
前記モバイル端末は、本体と、請求項1又は2に記載のカメラアセンブリを備え、前記本体はハウジング第2無線伝送モジュール磁気懸架アセンブリを備え、前記本体と前記カメラアセンブリとのデータ伝送を実現するように、前記第2無線伝送モジュールは前記第1無線伝送モジュールと通信接続を確立するように構成され、前記磁気懸架アセンブリは前記カメラアセンブリを浮上状態に維持させるように、前記第1磁性体に作用する磁力を発生させるように構成されるモバイル端末。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記収容部を備え、前記モバイル端末はハウジングに取り付けられる第2磁性体を備え、前記第2磁性体は前記カメラアセンブリを前記収容部に保持させるように、第1磁性体に対して磁力を発生させるように構成される請求項3に記載のモバイル端末。
【請求項5】
前記カメラアセンブリは無線給電受信モジュールを備え、前記本体は無線給電送信モジュールを備え、前記無線給電受信モジュールは、前記無線給電送信モジュールから送信された電力を受信して、前記カメラモジュールに給電する請求項3又は4に記載のモバイル端末。
【請求項6】
前記磁気懸架アセンブリは、前記本体のいずれか片側に設けられ、前記磁気懸架アセンブリは前記カメラアセンブリを前記ハウジングの上方に浮上させるように、前記第1磁性体に作用する磁力を発生させるように構成される請求項3又は4に記載のモバイル端末。
【請求項7】
前記磁気懸架アセンブリは少なくとも1つの電磁コイルを備え、前記電磁コイルに通電した後、第1磁性体に対して磁力を発生させ、前記カメラアセンブリを浮上状態に維持させる請求項3に記載のモバイル端末。
【請求項8】
前記磁気懸架アセンブリは複数の電磁コイルを備え、前記複数電磁コイルは、周方向に沿って配列されている請求項に記載のモバイル端末。
【請求項9】
前記本体は処理ユニット電源管理ユニット位置センサを備え、前記処理ユニットは、前記位置センサおよび前記電源管理ユニットのそれぞれに電気的に接続され、前記位置センサは、前記カメラアセンブリの前記本体に対する位置を取得するように構成され、前記処理ユニットは、前記カメラアセンブリの前記本体に対する位置に基づいて、前記電源管理ユニットによって前記電磁コイルの通電電流を制御する請求項に記載のモバイル端末。
【請求項10】
前記位置センサはジャイロスコープ、重力センサ、加速度センサのうちの少なくとも1つを含む請求項に記載のモバイル端末。
【請求項11】
前記カメラアセンブリが浮上状態にある場合、前記位置センサは前記本体と前記カメラアセンブリとがなす夾角を検出し、前記夾角が所定閾値より大きい場合、前記処理ユニットは、前記電源管理ユニットによって前記電磁コイルの通電電流の方向を変え、前記電磁コイルが前記第1磁性体に吸引力を与えるようにする請求項又は10に記載のモバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年06月25日に提出した中国特許出願第201910556329.9号の優先権を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例は通信技術分野に関し、特にカメラアセンブリ及びモバイル端末に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、携帯電話、タブレットPC等のモバイル端末は既に人々の日常生活の中で不可欠なものとなっている。カメラはモバイル端末における不可欠な素子であるが、消費者のカメラ、例えばより高い画素、より広い広角等への要求も高まっている。従来のモバイル端末のカメラの画素、広角等の発展がいずれも新しい階段に入った。画素、広角等の要素以外に、撮影過程においてカメラの軽微な振れでもイメージング品質に厳しく影響する。
【0004】
従来のカメラの振れ防止方式は主に光学振れ防止であり、つまり、光学素子の設置、例えばレンズの設置によって光学信号をキャプチャする際に生じた計器振れ現象を回避又は減少し、これにより、イメージング品質を向上させる。しかしながら、光学振れ防止は光学レンズを移動することで実現される必要があるため、光学振れ防止システムはコストが高いとともに、光学構造が極めて精密であり、組立要件が極めて高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は振れ防止機能を有するカメラアセンブリ及びモバイル端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例はカメラアセンブリを提供し、カメラモジュール、第1無線伝送モジュール及び第1磁性体を備え、前記カメラモジュールは画像を取得するように構成され、前記第1無線伝送モジュールは前記カメラモジュールに電気的に接続され、データを伝送するように構成される。
【0007】
更に、前記カメラアセンブリは前記カメラモジュールに給電するように構成される無線給電受信モジュール又は電池を備える。
【0008】
本願の実施例は更にモバイル端末を提供し、前記モバイル端末は本体及び以上に記載のカメラアセンブリを備え、前記本体はハウジング、第2無線伝送モジュール及び磁気懸架アセンブリを備え、前記本体と前記カメラアセンブリとのデータ伝送を実現するように、前記第2無線伝送モジュールは第1無線伝送モジュールと通信接続を確立するように構成され、前記磁気懸架アセンブリは前記カメラアセンブリを浮上状態に維持させるように、前記第1磁性体に作用する磁力を発生させるように構成される。
【0009】
一実現方式では、前記ハウジングは収容部を備え、前記モバイル端末はハウジングに取り付けられる第2磁性体を備え、前記第2磁性体は前記カメラアセンブリを前記収容部に保持させるように、第1磁性体に対して磁力を発生させるように構成される。
【0010】
一実現方式では、前記カメラモジュールは少なくとも2つのレンズを備え、前記カメラアセンブリが前記収容部に位置する場合、2つの前記レンズが垂直方向に沿って配列されており、前記カメラアセンブリが浮上状態にある場合、2つの前記レンズが水平方向に沿って配列されている。
【0011】
一実現方式では、前記カメラアセンブリは無線給電受信モジュールを備え、前記本体はハウジングに設けられる無線給電送信モジュールを備え、前記無線給電受信モジュールが前記無線給電送信モジュールの電力を受信して、前記カメラモジュールに給電する。
【0012】
一実現方式では、前記磁気懸架アセンブリが前記ハウジングのいずれか片側に設けられ、前記磁気懸架アセンブリは前記カメラアセンブリを前記ハウジングの上方に浮上させるように、第1磁性体に作用する磁力を発生させるように構成される。
【0013】
一実現方式では、前記磁気懸架アセンブリは少なくとも1つの電磁コイルを備え、電磁コイルに通電した後、第1磁性体に対して磁力を発生させ、前記カメラアセンブリを浮上状態に維持させる。
【0014】
一実現方式では、前記磁気懸架アセンブリは複数の電磁コイルを備え、複数の前記電磁コイルが周方向に沿って配列されている。
【0015】
一実現方式では、前記本体は処理ユニット、電源管理ユニット及び位置センサを備え、前記処理ユニットがそれぞれ位置センサ及び電源管理ユニットに電気的に接続され、前記電源管理ユニットが前記電磁コイルに給電し、前記位置センサはカメラアセンブリの本体に対する位置を取得するように構成され、前記プロセッサがカメラアセンブリの本体に対する位置に基づき、電源管理ユニットによって電磁コイルの通電電流を制御する。
【0016】
一実現方式では、前記位置センサはジャイロスコープ、重力センサ、加速度センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
一実現方式では、前記カメラアセンブリが浮上状態にある場合、前記位置センサは前記本体と前記カメラアセンブリとがなす夾角を検出し、前記夾角が所定閾値より大きい場合、前記処理ユニットが電源管理ユニットによって電磁コイルの通電電流の方向を変え、前記電磁コイルが前記第1磁性体に吸引力を与えるようにする。
【発明の効果】
【0018】
本願の実施例では、カメラアセンブリに第1磁性体が設けられ、第1磁性体の受けた磁力でカメラアセンブリを浮上状態にさせるため、モバイル端末の本体に軽微な振れ又は揺れが生じても、第1磁性体が等強度磁場内に置かれ、受けた磁力が変化しないため、カメラアセンブリが依然として静止に維持され、それにより良好なイメージング品質を確保し、また、カメラアセンブリを浮上状態に維持することにより新しいユーザー体験をもたらすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本願の実施例のカメラアセンブリの一実施例の斜視図である。
図2図2図1に示されるカメラアセンブリの正面図である。
図3図3は本願の実施例のモバイル端末の一実施例の背面図である。
図4図4図3に示されるモバイル端末の斜視図であり、観察都合上、ハウジングを透視化処理して、カメラアセンブリも回転した。
図5図5図3に示されるモバイル端末の磁気懸架アセンブリの正面図である。
図6図6は本願の実施例の電磁コイルの通電電流を制御する回路図である。
図7図7図3に示されるモバイル端末の背面図であり、カメラアセンブリが収容部内に位置する。
図8図8図3に示されるモバイル端末の側面図であり、本体がカメラアセンブリに対して傾斜する。
図9図9図3に示されるモバイル端末の正面図であり、レンズが前方に向かっている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで例示的な実施例を詳しく説明し、その例を図面に示す。以下の説明は図面に関わる場合、特に断りがない限り、異なる図面における同じ数字が同様又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に説明される実施形態は本願の実施例に一致するすべての実施形態を代表しない。逆に、それらが単に添付の特許請求の範囲に詳しく説明した、本願の実施例のいくつかの態様に一致する装置の例である。
【0021】
本願の実施例に使用される用語は特定の実施例を説明するためのものであり、本願の実施例を制限するためのものではない。特に決定しない限り、本願の実施例に使用される技術用語又は科学用語は当業者の理解する通常の意味であるべきである。本願の実施例の明細書及び特許請求の範囲に使用される「第1」、「第2」及び類似の用語はいかなる順序、数量又は重要性を示すためのものではなく、異なる構成部分を区別するためのものである。同様に、「1つ」又は「一」等の類似の用語も数量を制限するためのものではなく、少なくとも1つあることを示すためのものである。「複数」又は「いくつか」は2つ及び2つ以上を示す。「包括」又は「包含」等の類似の用語は現在の「包括」又は「包含」前の素子又は物品が「包括」又は「包含」の後に列挙した素子又は物品及びその等価物を含み、他の素子又は物品を排除しないように意図される。「接続」又は「連結」等の類似の用語は物理的又は機械的接続に限らず、直接又は間接的な電気接続を含んでもよい。コンテクストに他の意味を明確に示さない限り、本願の実施例の明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形式の「1種」、「前記」及び「該」も複数形式を含むように意図される。本明細書に使用される用語「及び/又は」は1つ又は複数の関連する列挙した項目を含む任意又はすべての可能な組み合わせを指すと更に理解すべきである。
【0022】
本願の実施例はモバイル端末、例えば携帯電話、タブレットPC、スマートウェアラブル端末等に適用されるカメラアセンブリを提供する。カメラアセンブリはカメラモジュール、第1無線伝送モジュール及び第1磁性体を備え、前記第1無線伝送モジュールは前記カメラモジュールに電気的に接続され、データを伝送するように構成される。本願の実施例では、カメラアセンブリに第1磁性体が設けられ、第1磁性体の受けた磁力でカメラアセンブリを浮上状態にさせることができ、モバイル端末の本体に軽微な振れ又は揺れが生じても、第1磁性体が依然として等強度磁場内に置かれ、受けた磁力も変化しないため、カメラアセンブリが依然として静止に維持され、それにより良好なイメージング品質を確保し、また、カメラアセンブリを浮上状態に維持することにより新しいユーザー体験をもたらすこともできる。本願の実施例では、「磁性体」は永久磁石及び電磁石を含み、「磁力」は永久磁石により発生した磁力も含むし、電磁石により発生した電磁力も含む。
【0023】
図1及び図2に示すように、本実施例のカメラアセンブリ1はカメラモジュール11、カメラモジュール11に接続される第1無線伝送モジュール13、第1磁性体14及び無線給電受信モジュール15を備え、ここで、「接続」は直接接続であってもよく、接続素子による間接的な接続であってもよく、更にその収納スペースに嵌め込まれてもよい。前記無線給電受信モジュール15がそれぞれカメラモジュール11及び第1無線伝送モジュール13に電気的に接続され、前記第1磁性体14が第1無線伝送モジュール13と無線給電受信モジュール15との間に位置する。前記無線給電受信モジュール15は電力を受信して、前記カメラモジュール11及び前記第1無線伝送モジュール13に給電するように構成され、前記カメラモジュール11は画像を取得するように構成される。前記第1無線伝送モジュール13はモバイル端末に対合接続されてデータ伝送を行って、モバイル端末へ撮影した画像を伝送し、モバイル端末から送信された様々な制御信号を受信するように構成される。
【0024】
前記カメラモジュール11はレンズ12、光学レンズ、イメージング素子、回路基板、モータ等の構造を備え、第1無線伝送モジュール13がカメラモジュール11の回路基板に電気的に接続される。本実施例では、レンズ12の数が2つであり、2つのレンズ12がそれぞれズームレンズ及び望遠レンズであり、他の実施例では、カメラモジュール11の数が更に1つ又は2つ以上であってもよい。
【0025】
前記第1無線伝送モジュール13は例えば近距離ミリ波無線伝送モジュール、NFC(Near Field Communication、近距離無線通信)モジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、ZigBeeモジュール、WiFiモジュール等であり、無線方式でデータ伝送を行う。他の実施例では、第1無線伝送モジュール13は更に無線給電受信モジュール15に給電しなくてもよく、例えば第1無線伝送モジュール13はNFCモジュールであり、無線周波数信号によって電圧を誘導することで給電する。
【0026】
前記第1無線伝送モジュール13は例えばコイルであり、モバイル端末の電力を受信し、つまり、電磁場を利用して電力を伝送することができ、原理的に変圧器と同様である。他の実施例では、電池で無線給電受信モジュール15を代替して、カメラモジュール11及び第1無線伝送モジュール13に直接給電してもよい。
【0027】
第1磁性体14と第1無線伝送モジュール13との間の電磁場が互いに影響することを回避するために、それらの間に金属シールド素子を設置してもよいと理解される。
【0028】
カメラアセンブリ1のデータ伝送、給電がいずれも他の部材に依存しないため、第1磁性体14の受けた等強度磁場の磁力でカメラアセンブリ1を浮上状態に維持させることができ、撮影時にモバイル端末の本体に小幅な振れ又は揺れが生じても、第1磁性体14が依然として等強度磁場内に置かれ、第1磁性体14の受けた磁力も変化しないため、カメラアセンブリ1が依然として静止状態に維持され、それによりカメラモジュール11のイメージング品質を確保する。
【0029】
一方、本願の実施例は更にモバイル端末を提供し、本体及び上記いずれか1つの実施例のカメラアセンブリを備える。図3図4に示すように、本実施例では、モバイル端末は例えば携帯電話であり、本体2及びカメラアセンブリ1を備える。前記本体2はハウジング21と、ハウジング21に取り付けられる第2無線伝送モジュール22、磁気懸架アセンブリ23及び無線給電送信モジュール24とを備え、前記磁気懸架アセンブリ23が第2無線伝送モジュール22と無線給電送信モジュール24との間に位置する。前記第2無線伝送モジュール22は前記本体2と前記カメラアセンブリ1とのデータ伝送を実現するように、第1無線伝送モジュール13と通信接続を確立するように構成され、前記磁気懸架アセンブリ23は前記カメラアセンブリ1を浮上状態に維持させるように、第1磁性体14に作用する磁力を発生させるように構成され、前記無線給電送信モジュール24は無線給電受信モジュール15へ電力を伝送するように構成される。
【0030】
無論、モバイル端末は更にディスプレイ25、処理ユニット26、電源管理ユニット29、記憶ユニット、電池等の素子を備え、ハウジング21がモバイル端末のケーシングである。前記第2無線伝送モジュール22の伝送プロトコルは第1無線伝送モジュール13の伝送プロトコルに一致し、例えば近距離データ伝送モジュール、NFCモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、ZigBeeモジュール、WiFiモジュールである。前記無線給電送信モジュール24がコイルである。
【0031】
前記磁気懸架アセンブリ23は少なくとも1つの電磁コイルを備え、電磁コイルに通電した後、磁性体に対して磁力を発生させ、所定領域内に等強度磁場を提供するように構成され、該所定領域内において、磁場強度及び磁場方向が同様又は略同様であり、等強度磁場が第1磁性体14に作用した磁力で前記カメラアセンブリ1を浮上状態に維持させる。
【0032】
図5に示すように、前記磁気懸架アセンブリ23は複数の電磁コイル231を備え、複数の前記電磁コイル231が周方向に沿って配列されており、本実施例では、電磁コイル231の数が4つであり、前記カメラアセンブリ1が浮上状態にある場合、第1磁性体14が磁気懸架アセンブリ23の中心に位置合わせされる。前記電磁コイル231に通電した後、磁力を発生させ、この時の磁力が反発力であり、磁力の水平分力でカメラアセンブリ1の水平方向における受け力をゼロにして静止を維持させ、磁力の垂直分力が重力を相殺して、カメラアセンブリ1の垂直方向における受け力をゼロにして静止を維持させることに用いられる。他の実施例では、磁気懸架アセンブリ23は複数の永久磁石で構成されてもよく、又は、永久磁石と電磁石とで構成される場合、同様にカメラアセンブリ1の受けた合力をゼロにして静止を維持させることができる。
【0033】
ユーザーがモバイル端末で撮影するとき、不注意によってモバイル端末の本体2を軽微に振れる恐れがあるが、本体2の軽微な振れによる磁気懸架アセンブリ23の変位量は無視してもよく、等強度磁場が基本的に変化せず、つまり、第1磁性体14が依然として等強度磁場内に置かれ、第1磁性体14の受けた磁力も変化しないため、磁気懸架アセンブリ23の提供する磁力で依然としてカメラアセンブリ1を浮上状態にさせて静止を維持することができる。
【0034】
図5及び図6に示すように、好ましくは、前記本体2は更に処理ユニット26に電気的に接続される位置センサ27を備え、電池が電源管理ユニット29によって各電磁コイル231に給電する。前記位置センサ27はカメラアセンブリ1の本体2に対する位置を取得するように構成され、処理ユニット26がカメラアセンブリ1の本体2に対する位置に基づき、電源管理ユニット29によって各電磁コイル231の通電電流を調整することにより、第1磁性体14の受けた磁力を調整し、カメラアセンブリ1の受けた合力をゼロにして常に静止を維持させ、本体2に大幅な振れ又は揺れが生じて、第1磁性体14を上記等強度磁場から離脱させても、調整後の磁力で依然としてカメラアセンブリ1を静止状態に維持させることができる。
【0035】
本実施例では、前記位置センサ27はジャイロスコープ、重力センサ、加速度センサのうちの少なくとも1つを含む。従来のモバイル端末に一般的にジャイロスコープ、重力センサ、加速度センサ等のセンサが配置されるため、素子コスト及び組立コストを増加させることがない。
【0036】
図8に示すように、前記カメラアセンブリ1が浮上状態にある場合、前記位置センサ27、例えばジャイロスコープは前記本体2と前記カメラアセンブリ1とがなす夾角αを検出し、夾角αは前記本体2の中心線(又は、略中心線)と前記カメラアセンブリ1の中心線(又は、略中心線)とがなす角度であり、ここで、中心線が垂直中心線であってもよく、水平中心線であってもよい。前記夾角αが所定閾値より大きい場合、前記処理ユニット26は電源管理ユニット29によって電磁コイル231の通電電流を制御し、前記電磁コイル231が前記第1磁性体14に作用した磁力の大きさ及び/又は方向等のパラメータを変える。所定閾値は実験によって測定されてもよく、つまり、前記夾角αが所定閾値以下である場合、カメラアセンブリ1が本体2の上方に安定して浮上できる。
【0037】
例えば、本体2の上端がユーザーに向かって傾斜する場合、前記本体2と前記カメラアセンブリ1とがなす夾角αは所定閾値より大きく、ユーザー側寄り電磁コイル231と第1磁性体14との距離が減少することに応じて、第1磁性体14に対して発生した磁力が増加し、処理ユニット26が電源管理ユニット29によってユーザー側寄り電磁コイル231の通電電流を減少させ又はユーザー側を離れる電磁コイル231の通電電流を増加させ、それにより前記電磁コイル231が前記第1磁性体14に作用した磁力を変え、カメラアセンブリ1の受け力をゼロにして静止を維持させ、つまり、依然として浮上状態にする。
【0038】
一実施例では、前記カメラアセンブリ1が浮上状態にある場合、前記位置センサ27は前記本体2と前記カメラアセンブリ1とがなす夾角αを検出し、前記夾角αが所定閾値より大きい場合、前記処理ユニット26が電源管理ユニット29によって電磁コイル231の通電電流の方向を変えることにより、前記電磁コイル231が前記第1磁性体14に吸引力を与えることに応じて、カメラアセンブリ1もα回転して本体2の上端に吸着され、それによりカメラアセンブリ1が落下して損傷することを回避する。ただし、ユーザーが撮影角度のため本体2の角度を能動的に調整する必要がある可能性があり、カメラアセンブリ1を本体2に一致する角度に回転することにより、ユーザーの撮影角度の変化への要求を満たすことができる。
【0039】
本実施例では、前記磁気懸架アセンブリ23が前記ハウジング21の上側に設けられ、前記磁気懸架アセンブリ23は前記カメラアセンブリ1を前記ハウジング21の上側に浮上させるように、第1磁性体14に作用する磁力を発生させるように構成される。他の実施例では、様々なニーズに応じて、前記磁気懸架アセンブリ23が前記ハウジング21のいずれか片側に設けられ、例えばいずれか1つの側壁に設けられ又はいずれか1つの側壁の内部に設けられ、側壁はハウジング21の上下左右の4つの壁を含む。ユーザーがどのように本体2を握るかに関わらず、いずれもカメラアセンブリ1を本体2の上方に浮上させることができる。
【0040】
図3図4及び図7に示すように、前記ハウジング21は前記カメラアセンブリ1を収納するように構成される収容部211を備え、前記本体2は更にハウジング21に取り付けられる第2磁性体28を備え、前記第2磁性体28が収容部211内に設けられ又は収容部211に隣接し、前記第2磁性体28は第1磁性体14に対して磁力を発生させて、前記カメラアセンブリ1を前記収容部211内に保持するように構成され、つまり、カメラアセンブリ1がモバイル端末の本体2に取り外し可能に接続され、収容部211に収納される場合、磁吸力で固定する。カメラアセンブリ1が使用されていない際に収容部211に収納されてもよい。無論、カメラアセンブリ1が収容部211に収納されている際に撮影又は撮像に使用されてもよく、第1無線伝送モジュール13と第2無線伝送モジュール22との距離が依然として小さいため、それらが依然としてデータ伝送を行うことができる。また、収容部211内には、カメラモジュール11に給電するように、無線給電受信モジュール15へ電力を伝送するように構成される他の無線給電送信モジュール24が設置される。
【0041】
なお、カメラアセンブリ1が浮上状態にある場合、2つのレンズ12が水平方向に沿って配列されており、前記カメラアセンブリ1が前記収容部211内に位置する場合、2つのレンズ12が垂直方向に沿って配列されている。ユーザーは必要に応じてレンズ12の配列方式、すなわち水平配列又は垂直配列を選択してもよく、本体2を回転せずにユーザーの水平撮影又は垂直撮影ニーズを満たすことができる。
【0042】
図3及び図9に示すように、図3に示されるカメラモジュール11のレンズ12が本体2の後方に向かっている。ユーザーはカメラアセンブリ1をその垂直中心線に対して180度回転して、前記カメラモジュール11のレンズ12を本体2の前方に向かわせ、つまり、ユーザーに対向させてもよく、これにより、自分撮り又はビデオチャットを許容する。つまり、本願の実施例のモバイル端末は前置カメラを別に設置する必要がなく、それにより前置カメラの素子コスト及び組立コストを削減し、且つ前置カメラを設置しないため、モバイル端末の画面占有率の向上に役立ち、良好なユーザー体験を実現する。なお、カメラモジュール11の規格が従来のモバイル端末の後置カメラの規格に相当するため、イメージング品質も従来の前置カメラのイメージング品質より良い。
【0043】
以上の説明は本願の実施例の好適な実施例であって、本願の実施例を制限するためのものではなく、本願の実施例の趣旨及び原則内に行ったいかなる修正、等価置換、改良等は、いずれも本願の実施例の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願の実施例では、カメラアセンブリに第1磁性体が設けられ、第1磁性体の受けた磁力でカメラアセンブリを浮上状態にさせるため、モバイル端末の本体に軽微な振れ又は揺れが生じても、第1磁性体が依然として等強度磁場内に置かれ、受けた磁力も変化しないため、カメラアセンブリが依然として静止に維持され、それにより良好なイメージング品質を確保し、また、カメラアセンブリを浮上状態に維持することにより新しいユーザー体験をもたらすこともできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9