(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】アンテナ構造及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01Q 5/378 20150101AFI20220120BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20220120BHJP
H01Q 9/14 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H01Q5/378
H01Q1/24 Z
H01Q9/14
(21)【出願番号】P 2020080018
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】201911242946.8
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】郭 放
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0333396(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109586036(CN,A)
【文献】特開平01-231404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 5/378
H01Q 1/24
H01Q 9/14
H01Q 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構造であって、
金属フレーム本体と、第1のアンテナブランチと、第2のアンテナブランチと、アンテナスロットと、給電点と、
第1の整合回路と、を含み、
前記第1のアンテナブランチは、前記金属フレーム本体の一側の縁部に接続され、
前記第2のアンテナブランチは、前記金属フレーム本体の他側の縁部に接続され、
前記アンテナスロットは、前記第1のアンテナブランチと前記第2のアンテナブランチがそれぞれ前記金属フレーム本体の中部に向かって延在した後に結合して形成され、前記第1のアンテナブランチの延在長さは、前記第2のアンテナブランチの延在長さより大きく、
前記給電点は、一端が接地点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチの前記金属フレーム本体の中部に向かって延在する部分に接続され
、
前記第1の整合回路は、第1のコンデンサと、第1のインダクタと、を含み、
前記第1のコンデンサは、一端が前記第1のインダクタに接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記第1のインダクタは、一端が前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの間に接続され、他端が接地され、
前記第1のコンデンサと前記第1のインダクタのうちの少なくとも一つは、前記アンテナ構造が低周波数信号を放射する時にインピーダンス整合を行うために用いられる、
ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項2】
前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの接続箇所は、前記第1のアンテナブランチ上の第1の位置と第2の位置との間に位置し、
前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所と、前記第1の位置との間の距離は、前記第1のアンテナブランチの延在長さの2分の1であり、前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所と、前記第2の位置との間の距離は、前記第1のアンテナブランチの延在長さの3分の2である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項3】
前記第1の整合回路は、第2のコンデンサと、第2のインダクタと、をさらに含み、
前記第2のコンデンサは、一端が前記第2のインダクタと前記第1のコンデンサとの間に接続され、他端が接地され、
前記第2のインダクタは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記第2のコンデンサと前記第2のインダクタのうちの少なくとも一つは、前記アンテナ構造が高周波信号を放射する時にインピーダンス整合を行うために用いられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナ構造。
【請求項4】
前記アンテナ構造は、第2の整合回路をさらに含み、
前記第2の整合回路は、第3のコンデンサと、スイッチング回路と、を含み、
前記第3のコンデンサは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記スイッチング回路は、前記第3のコンデンサと並列接続され、前記スイッチング回路のスイッチング状態に基づいて、前記第3のコンデンサの動作状態が切り替えられ、前記アンテナ構造の動作周波数帯域が切り替えられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項5】
前記スイッチング回路は、オン状態とオフ状態とを含み、
前記スイッチング回路がオフ状態にある場合、前記第3のコンデンサは動作状態にあり、前記アンテナ構造の動作周波数帯域は、N41周波数帯域とN79周波数帯域とを含み、前記スイッチング回路がオン状態にある場合、前記第3のコンデンサは短絡状態にあり、前記アンテナ構造の動作周波数帯域は、N77周波数帯域とN78周波数帯域とを含む、
ことを特徴とする請求項
4に記載のアンテナ構造。
【請求項6】
前記アンテナ構造は、アンテナ延長領域と、同調回路と、をさらに含み、
前記アンテナ延長領域は、前記第1のアンテナブランチの端部に接続され、且つ前記アンテナ延長領域と前記第2のアンテナブランチは、前記アンテナスロットを介して分離され、前記アンテナ延長領域の長さは、前記第1のアンテナブランチの延在長さの3分の1~2分の1であり、
前記給電点は、前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所から第1の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ上の位置に接続され、前記第1の長さは、前記アンテナ延長領域と前記第1のアンテナブランチとの長さの合計の3分の2であり、
前記同調回路は、一端が接地され、他端が、前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所から第2の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ上の位置に接続され、前記第2の長さは、前記アンテナ延長領域と前記第1のアンテナブランチとの長さの合計の3分の1である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項7】
前記アンテナ延長領域の長さは、前記第1のアンテナブランチの延在長さの2分の1であり、前記同調回路は、直列接続された第4のコンデンサと第4のインダクタとを含む、
ことを特徴とする請求項
6に記載のアンテナ構造。
【請求項8】
前記アンテナ構造は、第3の整合回路をさらに含み、
前記第3の整合回路は、第5のコンデンサと、第5のインダクタと、を含み、
前記第5のコンデンサは、一端が前記第5のインダクタに接続され、他端が、前記第1のアンテナブランチ又は前記アンテナ延長領域に接続され、
前記第5のインダクタは、一端が前記第5のコンデンサに接続され、他端が、前記給電点に接続される、
ことを特徴とする請求項
6に記載のアンテナ構造。
【請求項9】
前記アンテナ構造は、第6のインダクタと、第7のインダクタと、をさらに含み、
前記第6のインダクタは、一端が前記第5のコンデンサと前記第1のアンテナブランチ又は前記アンテナ延長領域との間に接続され、他端が接地され、
前記第7のインダクタは、一端が前記第5のコンデンサと前記第5のインダクタとの間に接続され、他端が接地される、
ことを特徴とする請求項
8に記載のアンテナ構造。
【請求項10】
前記第1のアンテナブランチの延在長さは15mm~20mmであり、前記第2のアンテナブランチの延在長さは5mm~8mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項11】
電子機器であって、
請求項1~
10のいずれかに記載のアンテナ構造を含む、
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末技術の分野に関し、特に、アンテナ構造及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の通信プロトコル標準として、5G(5th generation mobile networks、第5世代モバイル通信技術)技術は、既に徐々に大衆に注目されている。電子機器が5Gプロトコル標準の下で三つのオペレーターネットワークをサポートできるために、電子機器の市場占有率を拡大させ、5G通信技術の全帯域カバーを実現するように電子機器のアンテナ構造を如何に設計するかということは、既に設計者の焦点と突破点になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、関連技術における欠陥を解決するためのアンテナ構造及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の第1の態様によれば、アンテナ構造を提供し、金属フレーム本体と、第1のアンテナブランチと、第2のアンテナブランチと、アンテナスロットと、給電点と、を含み、
前記第1のアンテナブランチは、前記金属フレーム本体の一側の縁部に接続され、
前記第2のアンテナブランチは、前記金属フレーム本体の他側の縁部に接続され、
前記アンテナスロットは、前記第1のアンテナブランチと前記第2のアンテナブランチがそれぞれ前記金属フレーム本体の中部に向かって延在した後に結合して形成され、前記第1のアンテナブランチの延在長さは、前記第2のアンテナブランチの延在長さより大きく、
前記給電点は、一端が接地点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続される。
【0005】
選択可能に、前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの接続箇所は、前記第1のアンテナブランチ上の第1の位置と第2の位置との間に位置し、
前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所と、前記第1の位置との間の距離は、前記第1のアンテナブランチの延在長さの2分の1であり、前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所と、前記第2の位置との間の距離は、前記第1のアンテナブランチの延在長さの3分の2である。
【0006】
選択可能に、前記アンテナ構造は、第1の整合回路をさらに含み、前記第1の整合回路は、第1のコンデンサと、第1のインダクタと、を含み、
前記第1のコンデンサは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記第1のインダクタは、一端が前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの間に接続され、他端は接地され、
前記第1のコンデンサと前記第1のインダクタのうちの少なくとも一つは、前記アンテナ構造が低周波数信号を放射する時にインピーダンス整合を行うために用いられる。
【0007】
選択可能に、前記第1の整合回路は、第2のコンデンサと、第2のインダクタと、をさらに含み、
前記第2のコンデンサは、一端が前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの間に接続され、他端は接地され、
前記第2のインダクタは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記第2のコンデンサと前記第2のインダクタのうちの少なくとも一つは、前記アンテナ構造が高周波信号を放射する時にインピーダンス整合を行うために用いられる。
【0008】
選択可能に、前記アンテナ構造は、第2の整合回路をさらに含み、
前記第2の整合回路は、第3のコンデンサと、スイッチング回路と、を含み、前記第3のコンデンサは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチに接続され、
前記スイッチング回路は、前記第3のコンデンサと並列接続され、前記スイッチング回路のスイッチング状態に基づいて、前記第3のコンデンサの動作状態が切り替えられ、前記アンテナ構造の動作周波数帯域が切り替えられる。
【0009】
選択可能に、前記スイッチング回路は、オン状態とオフ状態とを含み、
前記スイッチング回路がオフ状態にある場合、前記第3のコンデンサは動作状態にあり、前記アンテナ構造の動作周波数帯域は、N41周波数帯域とN79周波数帯域とを含み、前記スイッチング回路がオン状態にある場合、前記第3のコンデンサは短絡状態にあり、前記アンテナ構造の動作周波数帯域は、N77周波数帯域とN78周波数帯域とを含む。
【0010】
選択可能に、前記アンテナ構造は、アンテナ延長領域と、同調回路と、をさらに含み、
前記アンテナ延長領域は、前記第1のアンテナブランチの端部に接続され、且つ前記アンテナ延長領域と前記第2のアンテナブランチは、前記アンテナスロットを介して分離され、前記アンテナ延長領域の長さは、前記第1のアンテナブランチの延在長さの3分の1~2分の1であり、
前記給電点は、前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所から第1の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ上の位置に接続され、前記第1の長さは、前記アンテナ延長領域と前記第1のアンテナブランチとの長さの合計の3分の1であり、
前記同調回路の一端は接地され、他端が前記第1のアンテナブランチと前記金属フレーム本体との接続箇所から第2の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ上の位置に接続され、前記第2の長さは、前記アンテナ延長領域と前記第1のアンテナブランチとの長さの合計の3分の1である。
【0011】
選択可能に、前記アンテナ延長領域の長さは、前記第1のアンテナブランチの延在長さの2分の1であり、前記同調回路は、直列接続された第4のコンデンサと第4のインダクタとを含む。
【0012】
選択可能に、前記アンテナ構造は、第3の整合回路をさらに含み、前記第3の整合回路は、第5のコンデンサと、第5のインダクタと、を含み、
前記第5のコンデンサは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチ又は前記アンテナ延長領域に接続され、
前記第5のインダクタの一端は接地され、他端が前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの間に接続されるか、又は前記給電点と前記アンテナ延長領域との間に接続される。
【0013】
選択可能に、前記アンテナ構造は、第6のインダクタと、第7のインダクタと、をさらに含み、
前記第6のインダクタは、一端が前記給電点に接続され、他端が前記第1のアンテナブランチ又は前記アンテナ延長領域に接続され、
前記第7のインダクタの一端は接地され、他端が前記給電点と前記第1のアンテナブランチとの間に接続されるか、又は前記給電点と前記アンテナ延長領域との間に接続される。
【0014】
選択可能に、前記第1のアンテナブランチの延在長さは15mm~20mmであり、前記第2のアンテナブランチの延在長さは5mm~8mmである。
【0015】
本開示の実施例の第2の態様によれば、電子機器を提供し、上記のいずれかに記載のアンテナ構造を含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示の実施例により提供される技術案は、以下の有益な効果を含むことができる。
上記の実施例から分かるように、本開示内のアンテナ構造は、電子機器の金属フレームを介して長いアンテナブランチおよび短いアンテナブランチを形成し、給電点をより長い第1のアンテナブランチに接続することによって、アンテナ構造の5G通信プロトコル内のN41周波数帯域、N78周波数帯域、及びN79周波数帯域を実現し、2.5GHz~5GHzの全周波数帯域をカバーする。また、当該アンテナ構造は、2.5GHz~5GHzの全周波数帯域カバーを実現することができるため、後続のオペレーターにより周波数帯域内の信号帯域幅が拡大されることに適応することに有利であり、継承性と安定性が良い。
【0017】
なお、上記の一般的な説明及び後述した詳細な説明は、例示的、且つ解釈的なものであり、本開示を限定するものではないと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここの図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に適用される実施例を示しており、本明細書と共に本開示の原理を説明する。
【0019】
【
図1】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の概略構成図である。
【
図2】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の反射減衰量の曲線図である。
【
図3】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の第1の動作概略図である。
【
図4】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の第2の動作概略図である。
【
図5】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の第3の動作概略図である。
【
図6】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の第4の動作概略図である。
【
図7】例示的な実施例により示される第1の整合回路、給電点、及び第1のアンテナブランチの接続の概略図である。
【
図8】例示的な実施例により示される第2の整合回路、給電点、及び第1のアンテナブランチの接続の概略図である。
【
図9】例示的な実施例により示される別のアンテナ構造の反射減衰量の曲線図である。
【
図10】
図9の実施例におけるアンテナ構造のアンテナ性能の曲線図である。
【
図11】例示的な実施例により示される別のアンテナ構造の概略構成図である。
【
図12】例示的な実施例により示されるもう一つのアンテナ構造の反射減衰量の曲線図である。
【
図13】例示的な実施例により示されるアンテナ構造の反射減衰量の曲線及びアンテナ性能の曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、図面に示されている例示的な実施例を詳しく説明する。以下の説明は、図面に係る場合に、他の示しがない限り、異なる図面における同一の数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を表すものではない。それらは、添付の特許請求の範囲に詳しく記載された本開示の一部と一致する装置及び方法の例だけである。
【0021】
本開示に使用された用語は、単に特定の実施例を記述するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本開示及び特許請求の範囲に使用された単数形である「一種」、「前記」、及び「当該」も、他の意味を表すと明らかに記載しない限り、複数形も含む。さらに、本開示に使用された用語「及び/または」とは、1つまたは複数の列挙された関連項目の任意または全ての可能な組合せを含むことであると理解されるべきである。
【0022】
本開示において、用語である第1、第2、第3などを用いて各種情報を記述する可能性があるが、これらの情報はこれらの用語に限定されないと理解されるべきである。これらの用語は、単に同一種類の情報を互いに区分するためのものに過ぎない。例えば、本開示の範囲を逸脱しない場合、第1情報は、第2情報と称されてもよく、同様に、第2情報は、第1情報と称されてもよい。言語環境によって、例えば、ここで使用される言葉である「場合」は、「…ときに」または「…際に」または「決定に応答して」と解釈されてもよい。
【0023】
次世代の通信プロトコル標準として、5G(5th generation mobile networks、第5世代モバイル通信技術)技術は、既に徐々に大衆に注目されている。現在、国内三つのオペレーターが使用可能な5G周波数帯域は、大体、N41周波数帯域(2.515GHz~2.675GHz)と、N78周波数帯域(3.4GHz~3.8GHz)、N79周波数帯域(4.4GHz~5GHz)とを含む。したがって、電子機器の市場占有率を拡大するために、電子機器をフルネットワークモードに構成し、すなわち電子機器がN41周波数帯域、N78周波数帯域、及びN79周波数帯域をサポートし、2.5GHz~5GHzの周波数帯域をカバーするようにすることが、既に設計者の焦点になっている。
【0024】
これに基づいて、本開示は、
図1に示されるアンテナ構造100を提供し、当該アンテナ構造100は、電子機器の金属フレームを放射体として利用して、2.5GHz~5GHzのフルカバレッジを実現することができ、電子機器のフルネットワーク通信ニーズを満たすことができ、さらに、N77周波数帯域(3.3GHz~4.2GHz)をカバーして、グローバルな通信モードを実現することができる。
【0025】
具体的には、
図1に示すように、当該アンテナ構造100は、金属フレーム本体1と、第1のアンテナブランチ2と、第2のアンテナブランチ3と、アンテナスロット4とを含むことができる。ここで、当該金属フレーム本体1は、アンテナ構造100の基準接地(referance ground)であってもよく、第1のアンテナブランチ2と第2のアンテナブランチ3は、当該金属フレーム本体1を介して接地される。例えば、第1のアンテナブランチ2は、金属フレーム本体1の一側の縁部に接続され、第2のアンテナブランチ3は、金属フレーム本体1の他側の縁部に接続され、
図1に示すように、第1のアンテナブランチ2は、金属フレーム本体1の左側の縁部に接続され、第2のアンテナブランチ3は、金属フレーム本体1の右側の縁部に接続される。
【0026】
図1では、第1のアンテナブランチ2と第2のアンテナブランチ3は、いずれも金属フレーム本体1の縁部から金属フレーム本体1の中部に向かって延在し、且つ第1のアンテナブランチ2と第2のアンテナブランチ3が延在されて形成された端部は、結合されてアンテナスロット4を形成することができる。このように、第1のアンテナブランチ2、第2のアンテナブランチ3、及び金属フレーム本体1によって一つのクリアランス領域が囲まれ、アンテナスロット4を介してクリアランス領域を外部に連通して、アンテナ信号の放射を実現することができる。
【0027】
さらに、当該第1のアンテナブランチ2の金属フレーム本体1への延在長さは、第2のアンテナブランチ3の金属フレーム本体1への延在長さより大きく、すなわち
図2に示される延在長さL1>延在長さL2である。例えば、第1のアンテナブランチ2の長さは、15mm~20mmの範囲内にあってもよく、第2のアンテナブランチ3の長さは、5mm~8mmの範囲内にあってもよい。また、
図1に示すように、当該アンテナ構造100は給電点5をさらに含むことができ、当該給電点5は、一端が地面に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2に接続される。
【0028】
当該
図1に示すアンテナ構造100に基づいて、
図2に示すアンテナ構造100の反射減衰量の曲線図を取得することができる。
図2に示すように、横座標はアンテナ周波数GHzであり、縦座標は反射減衰量dBであり、
図2に示すように、四つの識別点が示され、第1の識別点座標は(2.5、-5.6166)であり、第2の識別点座標は(3.5、-6.1963)であり、第3の識別点座標は(4.4、-5.5544)であり、第4の識別点の座標は(5、-6.0606)である。ここで、第1の識別点と第2の識別点との間には、第1の共振が形成されることができ、第2の識別点と第3の識別点との間には、第2の共振が形成されることができ、第3の識別点と第4の識別点との間には、第3の共振が形成されることができ、当該三つの共振の共通作用は、2.5GHz~5Ghzの全周波数帯域に対するカバーを実現することができる。
【0029】
具体的には、
図2に示すように、第1の識別点と第2の識別点との間の第1の共振の周波数は、2.5GHz~4.5GHzであり、主に、
図3に示すように、第1のアンテナブランチ2の長さ経路を流れる、4分の1の波長の単極子電流であり、第1のアンテナブランチ2がN41周波数帯域内のアンテナ信号を生成するために用いられることができる。第2の識別点と第3の識別点との間の第2の共振の周波数は、3.5GHz~4.4GHzであり、
図4に示すように、主に、給電点5から第1のアンテナブランチ2上のアンテナスロット4に接近する端部までの間の経路、第2のアンテナブランチ3の長さ経路、及び給電点5から第1のアンテナブランチ2上のアンテナスロット4に接近する端部までの間と、第2のアンテナブランチ3に対応する地面の経路によって形成されたC型領域で、2分の1の不等アーム双極子電流を流れることができるため共通作用によりN78周波数帯域内のアンテナ信号を生成し、N78周波数帯域に対応する周波数とN77周波数帯域に対応する周波数が類似するため、当該C型領域は、N77周波数帯域内のアンテナ信号を生成するために用いられることもできる。第3の識別点と第4の識別点との間の第2の共振の周波数は、4.4GHz~5GHzであり、
図5に示すように、主に、第2のアンテナブランチ3の長さ経路を流れる4分の1の波長の単極子電流と、
図6に示すように、給電点5から第1のアンテナブランチ2上のアンテナスロット4に接近する端部までの間の長さ経路と、第2のアンテナブランチ3の長さ経路と、給電点5から第1のアンテナブランチ2上のアンテナスロット4に接近する端部までの間に対応する地面の経路と、及び第2のアンテナブランチ3に対応する地面の経路とにloop環電流を流れ、両者の共通作用によってN79周波数帯域に対応するアンテナ信号を生成する。
【0030】
上記の実施例から分かるように、本開示内のアンテナ構造100は、電子機器の金属フレームを介して長いアンテナブランチおよび短いアンテナブランチを形成し、給電点をより長い第1のアンテナブランチ2に接続することによって、アンテナ構造100が5G通信プロトコル内のN41周波数帯域、N78周波数帯域、及びN79周波数帯域を実現し、2.5GHz~5GHzの全周波数帯域をカバーする。また、当該アンテナ構造100は、2.5GHz~5GHzの全周波数帯域カバーを実現することができるため、後続のオペレーターにより周波数帯域内の信号帯域幅が拡大されることに適応することに有利であり、継承性と安定性が良い。
【0031】
本実施例では、
図2の反射減衰量曲線における三つの共振をできるだけ均一化するために、当該給電点5と第1のアンテナブランチ2との接続箇所は、
図1に示す第1のアンテナブランチ2上の第1の位置Aと第2の位置Bに位置することができる。ここで、第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所と、第1の位置Aとの間の距離は、第1のアンテナブランチ2の延在長さL1の2分の1、すなわち
図1に示すL3=1/2*L1であり、第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所と、第2の位置Bとの間の距離は、第1のアンテナブランチ2の延在長さL1の3分の2、及び
図1に示すL4=2/3*L1である。
【0032】
上記の各実施例では、
図1、
図3~
図6に示すように、当該アンテナ構造100は、第1の整合回路6をさらに含むことができ、当該第1の整合回路6は、一端が給電点5に接続されることができ、他端が第1のアンテナブランチ2に接続されることができる。
図7に示すように、当該第1の整合回路6は、第1のコンデンサ61と第1のインダクタ62とを含むことができ、当該第1のコンデンサ61は、一端が給電点5に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2に接続され、第1のインダクタ62は、一端が給電点5と第1のアンテナブランチ2との間に接続され、他端は接地される。これにより、第1のコンデンサ61の静電容量と第1のインダクタ62のインダクタンス値のうちの少なくとも一つを調整することによって、アンテナ構造100が低周波数信号を放射する時にインピーダンス整合を行って、
図2に示す低周波数共振が周波数帯内に均一に収まることができるようになる。
【0033】
さらに、
図7に示すように、当該第1の整合回路6は、第2のコンデンサ63と第2のインダクタ64とをさらに含むことができ、当該第2のコンデンサ63は、一端が給電点5と第1のアンテナブランチ2との間に接続され、他端は接地され、第2のインダクタ64は、一端が給電点5に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2に接続される。これにより、第2のコンデンサ63の静電容量と第2のインダクタ64のインダクタンス値のうちの少なくとも一つを調整することによって、アンテナ構造100が高周波信号を放射する時にインピーダンス整合を行って、
図2に示す高周波共振が周波数帯内に均一に収まることができるようになる。
【0034】
なお、第1のコンデンサ61、第1のインダクタ62、第2のコンデンサ63、及び第2のインダクタ64に加えて、当該第1の整合回路6は、勿論、他のインダクタ、コンデンサ、及び抵抗のうちの少なくとも一つをさらに含むことができるが、本開示は、これに限定されない。
【0035】
図1~
図7に示す実施例では、当該アンテナ構造100は、コンデンサとインダクタなどの受動部品を介して周波数帯に対するカバーを実現する。しかし、アンテナ構造100の使用環境は、通常、変化が発生し、アンテナ性能を低下させる比較的劣悪な環境で使用する必要がある場合があることを理解されたい。例えば、曲面スクリーン技術の発展に伴い、電子機器の金属フレームの幅が大幅に縮小し、金属フレームと吸収材料と接地との間の距離が縮小し、上記の実施例において、第1の整合回路6を構成するアンテナ構造100の反射減衰量が、従来の約-6dBから約-3dBまで低減され、放射能力に影響する。
【0036】
したがって、本開示では、
図8に示すように、第2の整合回路7をさらに提供し、当該第2の整合回路7は、一端が給電点5に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2に接続される。当該第2の整合回路7は、第3のコンデンサ71とスイッチング回路72とを含むことができる。当該第3のコンデンサ71は、一端が給電点5に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2に接続され、スイッチング回路72は、第3のコンデンサ71と並列接続され、当該スイッチング回路72のスイッチング状態に基づいて、第3のコンデンサ71の動作状態が切り替えられ、アンテナ構造100の動作周波数帯域が切り替えられる。
【0037】
具体的には、当該スイッチング回路72は、オン状態とオフ状態とを含むことができる。スイッチング回路72がオフ状態にある場合、第3のコンデンサ71は動作状態にあり、この時のアンテナ構造100の動作周波数帯域は、N41周波数帯域およびN79周波数帯域を含み、スイッチング回路72がオン状態にある場合、第3のコンデンサ71が短絡され、アンテナ構造100の動作周波数帯域は、N77周波数帯域とN78周波数帯域とを含む。
【0038】
同じ環境では、アンテナ構造100が第1の整合回路6と第2の整合回路7を採用した場合の反射減衰量の比較曲線を
図9に示す。
【0039】
図9に示すように、S1は、アンテナ構造100が第1の整合回路6を採用する時の反射減衰量曲線であり、S2とS3は、アンテナ構造100が第2の整合回路7を採用する時の反射減衰量曲線である。ここで、曲線S2に対応するスイッチング回路72は、オフ状態であり、曲線S3に対応するスイッチング回路72は、オン状態である。まず、曲線S2上の第1の識別点(2.5、-5.0362)と第2の識別点(2.7、-5.856)との間の共振に基づいて、スイッチング回路72がオフ状態にある場合、アンテナ構造100は、N41周波数帯域内のアンテナ信号を生成することができ、当該類似する一つの共振におけるS1曲線の反射減衰量に比較して、S2の反射減衰量がより深く、整合度がより高くなることが分かる。同様に、曲線S2上の第3の識別点(4.4、-6.2909)と第4の識別点(5、-7.236)との間の共振に基づいて、スイッチング回路72がオフ状態にある場合、アンテナ構造100は、N79周波数帯域内のアンテナ信号を生成することができ、当該類似する一つの共振におけるS1曲線の反射減衰量に比較して、S2の反射減衰量がより深く、整合度がより高くなることを分かることができる。また、曲線S3上の第5の識別点(3.3、-5.9363)と第6の識別点(3.8、-6.2536)との間の共振に基づいて、スイッチング回路72がオン状態にある場合、アンテナ構造100は、N77及びN78周波数帯域内のアンテナ信号を生成することができ、当該類似する一つの共振におけるS1曲線の反射減衰量に比較して、S3の反射減衰量がより深く、整合度がより高くなることが分かる。
【0040】
さらに、
図10にアンテナ性能の曲線図を示す。ここで、S4曲線は、アンテナ性能の理論曲線図であり、S5は、アンテナ構造100が第1の整合回路6を採用する時のアンテナ性能の曲線図であり、S6は、アンテナ構造100が第2の整合回路7を採用し、且つスイッチング回路72がオフ状態にある場合のアンテナ性能の曲線図であり、S7は、アンテナ構造100が第2の整合回路7を採用し、且つスイッチング回路72がオン状態にある場合のアンテナ性能の曲線図である。アンテナ構造100は、実用上、損失が存在するため、曲線S5、曲線S6、及び曲線S7に示すアンテナ性能は、いずれも曲線S4に示すアンテナ性能より低い。曲線S5と曲線S6を比較すると、アンテナ構造100が第2の整合回路7を採用し、且つスイッチング回路72がオフ状態にある場合、当該アンテナ構造100がN41及びN79周波数帯域内で動作する時のアンテナ性能は、アンテナ構造100が第1の整合回路6を採用してN41とN79周波数帯域内で動作する時のアンテナ性能より高いことが分かる。曲線S5と曲線S7を比較すると、アンテナ構造100が第2の整合回路7を採用し、且つスイッチング回路72がオン状態にある場合、当該アンテナ構造100がN77とN78周波数帯域内で動作する時のアンテナ性能は、アンテナ構造100が第1の整合回路6を採用してN77とN78周波数帯域内で動作する時のアンテナ性能より高いことが分かる。
【0041】
これから分かるように、アンテナ構造100が第2の整合回路7を構成する場合、当該アンテナ構造100が異なる環境に対する適応性が向上することができる。なお、当該第2の整合回路7は、第3のコンデンサ71とスイッチング回路72とを含む以外に、他のインダクタ、コンデンサ、及び抵抗のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。さらに、
図8に示すように、当該第2の整合回路7は、一端が接地され、且つ他端が第3のコンデンサ71と給電点5との間に接続されたコンデンサ73と、一端が給電点5に接続され、且つ他端が第1のアンテナブランチ2に接続されたインダクタとをさらに含むことができる。勿論、他の場合も存在することができるが、ここでは列挙して説明しない。
【0042】
上記の実施例における第1の整合回路6を採用するアンテナ構造100と第2の整合回路7を採用するアンテナ構造100とに基づいて、本開示では、第1のアンテナブランチ2を長くすることによって別のアンテナ構造100を取得することもでき、当該アンテナ構造100は、前述の実施例に対して、アンテナ構造100の低周波数のカバー範囲を広げることができる。例えば、1.176GHz±1.023Mhzに拡張し、アンテナ構造100がGPSのL5周波数帯域内で動作し、より正確な位置決めを実現でき、又は1.575GHz±1.023Mhzに拡張し、アンテナ構造100がGPSのL1周波数帯域内で動作することもでき、又は、2.4GHzのWIFIと5GHzのWifiの周波数帯域をカバーすることもでき、以下は、これについて詳細に説明する。
【0043】
具体的には、
図11に示すように、アンテナ構造100は、アンテナ延長領域8をさらに含むことができ、当該アンテナ延長領域8は、第1のアンテナブランチ2の端部に接続され、当該アンテナ延長領域8と第2のアンテナブランチ3は、アンテナスロット4を介して分離され、当該アンテナ延長領域8の長さは、第1のアンテナブランチ2の延在長さL1の3分の1~2分の1であり、給電点5は、当該第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所から第1の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ2上の位置に接続されることができ、当該第1の長さは、アンテナ延長領域8と第1のアンテナブランチ2との長さの合計の3分の2に等しい。当該アンテナ構造100は、同調回路9をさらに含むことができ、当該同調回路9の一端は接地され、他端が第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所から第2の長さだけ離れた第1のアンテナブランチ2上の位置に接続され、当該第2の長さは、アンテナ延長領域8と第1のアンテナブランチ2との長さの合計の3分の1に等しい。
【0044】
一実施例では、
図12に示すように、第1のアンテナブランチ2の長さは、L1であり、アンテナ延長領域8の長さは、L5であり、L5=1/2*L1であり、第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所から給電点5と第1のアンテナブランチ2との接続箇所までの距離はL5であり、第1のアンテナブランチ2と金属フレーム本体1との接続箇所から同調回路9と第1のアンテナブランチ2との接続箇所までの距離はL6である。ここで、L5=2/3*(L1+L5)、L6=1/3*(L1+L5)であり、給電点5と第1のアンテナブランチ2との接続箇所は、同調回路9と第1のアンテナブランチ2との接続箇所よりもアンテナスロット4にもっと接近する。同調回路9は、直列接続された第4のコンデンサ91と第4のインダクタ92とを含むことができる。これに基づいて、アンテナ延長領域8を介して金属フレーム本体1の左側の放射体の長さが長くなるため、左側の放射体は、より低い周波数帯域を放射することができる。したがって、アンテナ構造100がN41周波数帯域をカバーすることができるために、本開示は、左側の放射体の長さを長くするとともに、接地する同調回路を増加する。
図12に示すように、アンテナ構造100は、依然として第2の識別点(2.5、-12.13)と第4の識別点(2.7、-6.5329)との間の共振を生成することによって、N41周波数帯域をカバーすることができる。また、アンテナ構造100は、主に、第2のアンテナブランチ3と、給電点5からアンテナスロット4までの間の経路とによってN77周波数帯域、N78周波数帯域、及びN79周波数帯域を生成するため、第1のアンテナブランチ2上にアンテナ延長領域8を増加し、アンテナ構造100にN77周波数帯域、N78周波数帯域、及びN79周波数帯域が生成する影響が小さいため、
図12に示すように、第3の識別点(3.3、-8.3397)と第5の識別点(3.8、-6.866)との間に共振が存在し、アンテナ構造100は、N77周波数帯域とN78周波数帯域をカバーすることができ、第6の識別点(4.4、-6.5015)後に存在する共振で、アンテナ構造100は、N79周波数帯域をカバーすることができる。
【0045】
さらに、アンテナ延長領域8を介して第1のアンテナブランチ2の長さを増加させ、同調回路9は、GPSのL5周波数帯域内にコンデンサ負荷に同等とすることができるため、両者を組み合わせて共通作用し、周波数を低減し、GPSL5周波数帯域内で動作する共振を生成することができる。
【0046】
別の実施例では、アンテナ延長領域8の長さL5<1/2*L1は、L5=1/2*L1に対して、第1のアンテナブランチ2の長さ増加量が減少されるため、アンテナ構造100がカバーできる最低周波数を高めることによって、アンテナ構造100がGPS L1周波数帯域内で動作する共振を生成することもできる。具体的、
図13に示すように、曲線S8は、アンテナ構造100の反射減衰量曲線であり、S9は、アンテナ性能曲線である。曲線S8では、第1の識別点(1.548、-9.1399)付近にGPS L1周波数帯域内で動作する共振を生成することができ、アンテナ構造100は、GPSのL1周波数帯域内に動作し、曲線S9の第1の識別点(1.575、-4.618)接近する曲線と曲線S8の第1の識別点(1.548、-9.1399)接近する曲線を比較することによって、アンテナ性能が良いことが分かる。
【0047】
曲線S8における第2の識別点(2.4、-7.4222)及び第3の識別点(2.5、-5.9343)付近に、2.4GHz WIFI周波数帯域内で動作する共振を生成することができ、アンテナ構造100は、2.4GHz WIFIの周波数帯域内で動作することができ、曲線S8における第4の識別点(3.3、-4.8813)及び第5の識別点(3.8、-4.6412)付近に、N77周波数帯域とN78周波数帯域内で動作する共振を生成することができ、アンテナ構造100は、N77周波数帯域及びN78周波数帯域内で動作することができ、曲線S9における第2の識別点(2.45、-2.1829)及び第3の識別点(3.5、-1.9906)付近の曲線と、曲線S8における第2の識別点(2.4、-7.4222)及び第5の識別点(3.8、-4.6412)付近の曲線を比較することによって、アンテナ性能が良いことが分かる。
【0048】
曲線S8における第6の識別点(5.2、-3.234)は、5GHz WIFI周波数帯域内で動作する共振を生成することができ、アンテナ構造100は、5GHz WIFIの周波数帯域内で動作することができる。曲線S9における第4の識別点(5.5、-3.61)付近の曲線と曲線S8における第6の識別点(5.2、-3.234)を比較することによって、アンテナ性能が良いことが分かる。
【0049】
上記の二つの実施例に基づいて、
図11に示すように、当該アンテナ構造100は、第3の整合回路10をさらに含むことができ、当該第3の整合回路10は、第5のコンデンサ101と第5のインダクタ102と含むことができ、第5のコンデンサ101は、一端が給電点5に接続され、他端が第1のアンテナブランチ2又はアンテナ延長領域8(具体的には、アンテナ延長領域の長さと第1のアンテナブランチ2の長さ、及び給電点5とアンテナ延長領域の長さと第1のアンテナブランチ2の長さとの位置関係に基づいて決定される)に接続され、第5のインダクタ102の一端は接地され、他端が給電点5と第1のアンテナブランチ2との間に接続されるか、又は給電点5と前記アンテナ延長領域8との間に接続される(具体的には、アンテナ延長領域の長さと第1のアンテナブランチ2の長さ、及び給電点5とアンテナ延長領域の長さと第1のアンテナブランチ2の長さとの位置関係に基づいて決定される)。第5のコンデンサ101と第5のインダクタ102の更なる同調作用によって、アンテナ構造100の放射周波数を低下させ、GPSのL5周波数帯域とL1周波数帯域をカバーすることができる。
【0050】
なお、第3の整合回路10は、第5のコンデンサ101及び第5のインダクタ102に加えて、他のコンデンサ、抵抗、及びインダクタのうちの一つ又は複数をさらに含むことができる。例えば、
図11において、当該第3の整合回路10は、並列接続されたインダクタ103とインダクタ104とをさらに含むことができる。勿論、他の接続形式が存在する可能性があるが、ここでは列挙して説明しない。
【0051】
本開示は、電子機器をさらに提供し、当該電子機器は、上記の実施例のいずれかに記載のアンテナ構造100を含む。当該電子機器は、携帯電話端末、タブレット端末、スマートホームなどの機器を含むことができ、本開示は、これに限定されない。
【0052】
当業者は、明細書を考慮して本明細書に開示されたものを実施して、本開示の他の実施例を容易に想到する。本願は、本開示の任意の変形、用途又は適宜な変更を含むことを意図しており、これらの変形、用途又は適宜な変更は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない当技術分野における周知技術又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は単なる例示的なものとみなされ、本開示の実際の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0053】
なお、本開示は、以上に既に説明され、図面に示された精確な構成に限定されるものではなく、本開示の範囲から逸脱しない範囲で、様々な修正及び変更をすることができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。