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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】標示体移動装置
(51)【国際特許分類】
   A63H 29/22 20060101AFI20220120BHJP
   A63H 31/00 20060101ALI20220120BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A63H29/22 J
A63H31/00 B
A63H29/22 C
A63H33/00 303A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020175220
(22)【出願日】2020-10-19
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】517209352
【氏名又は名称】米山 周作
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】米山 周作
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】実公昭49-041425(JP,Y1)
【文献】特開2002-273069(JP,A)
【文献】実開平02-084695(JP,U)
【文献】実開昭61-051892(JP,U)
【文献】米国特許第05915853(US,A)
【文献】中国実用新案第205645233(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
G09F 19/00-27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性体材料からなる上面板を備える筐体と、
前記上面板に対して平行な面内で回転するように設けられる回転部材と、
前記上面板の外部に露出する表面上に載置されるものであって、前記上面板の前記表面に対向する側に磁気的結合部材を有する標示体と、
前記回転部材の前記上面板と対向する面側に取り付けられ、前記回転部材の回転に伴い回転方向に移動する標示体駆動部と、
を備え、
前記標示体駆動部は、前記標示体の前記磁気的結合部材と前記上面板を介して磁気的に結合して前記標示体を磁気的に吸着する磁気的吸着部材を有し、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に取り付けられた回転体部を備えており、
前記筐体内には、前記標示体駆動部の前記回転体部を、前記上面板に直交する方向の軸を中心として前記回転部材の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられており、
前記標示体は、
複数の前記磁気的結合部材を備えていると共に、
前記複数の前記磁気的結合部材の一部を有し、前記上面板に直交する方向の軸を支持する標示体支持部と、
前記複数の前記磁気的結合部材の前記一部以外を有し、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に設けられている標示体回転部と、
を備え、
前記標示体駆動部は、
前記標示体支持部が有する前記磁気的結合部材と磁気的に結合して前記標示体支持部を前記上面板上に吸着する磁気的吸着部材を有する標示体支持部吸着部を備えると共に、
前記回転体部は、前記標示体回転部が有する前記磁気的結合部材と磁気的に結合して前記標示体回転部を吸着し、前記回転体部の回転により前記標示体回転部を回転させる磁気的吸着部材を有する
ことを特徴とする標示体移動装置。
【請求項2】
非磁性体材料からなる上面板を備える筐体と、
前記上面板に対して平行な面内で回転するように設けられる回転部材と、
前記上面板の外部に露出する表面上に載置されるものであって、前記上面板の前記表面に対向する側に磁気的結合部材を有する標示体と、
前記回転部材の前記上面板と対向する面側に取り付けられ、前記回転部材の回転に伴い回転方向に移動する標示体駆動部と、
を備え、
前記標示体駆動部は、前記標示体の前記磁気的結合部材と前記上面板を介して磁気的に結合して前記標示体を磁気的に吸着する磁気的吸着部材を有し、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に取り付けられた回転体部を備えており、
前記筐体内には、前記標示体駆動部の前記回転体部を、前記上面板に直交する方向の軸を中心として前記回転部材の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられており、
前記標示体駆動部は、前記回転部材の回転中心を中心とした放射方向に移動可能とされていると共に、弾性偏倚部材により前記放射方向の外方に弾性的に付勢されている
ことを特徴とする標示体移動装置。
【請求項3】
前記標示体駆動部の前記回転体部は円板状部材とされており、
前記筐体内の前記回転体部駆動手段は、前記円板状部材の外周側面と圧接あるいは噛み合うようにされて、前記回転部材の回転に伴って前記回転体部を回転させるように配設されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の標示体移動装置。
【請求項4】
前記筐体内の前記回転体部駆動手段は、前記回転部材の回転に伴って移動する前記標示体駆動部の、前記円板状部材で構成されている前記回転体部の外周側面の一部と圧接あるいは噛み合うように配設された部材で構成される
ことを特徴とする請求項に記載の標示体移動装置。
【請求項5】
前記標示体駆動部は、前記回転部材の回転方向に複数個が設けられると共に、前記標示体も、前記標示体駆動部に応じた複数個とされる
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項6】
前記回転部材は、前記回転中心を中心位置とする円板からなり、前記標示体駆動部は前記円板に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項7】
前記磁気的吸着部材は、磁石あるいは磁性体からなり、
前記磁気的結合部材は、前記磁気的吸着部材と磁気的に互いに吸着結合する磁性体あるいは磁石からなる
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項8】
前記標示体は、前記上面板の前記表面上における、前記標示体の前記回転部材の回転方向の移動を補助するための移動補助部材を備える
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項9】
前記標示体は、前記上面板の前記表面上における、前記標示体の前記回転部材の回転方向の移動を補助するための移動補助部材を備えると共に、
前記磁気的結合部材と、前記上面板との間には、空隙が生じるように構成されている
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項10】
前記移動補助部材は、車輪あるいはボールキャスターで構成される
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の標示体移動装置。
【請求項11】
前記回転部材は、前記上面板の板面に直交する方向の回転軸に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項12】
前記回転軸は、駆動モータにより回転駆動される
ことを特徴とする請求項11に記載の標示体移動装置。
【請求項13】
前記回転部材には、前記回転部材からの距離が前記標示体駆動部とは異なる別の標示体駆動部が設けられており、
前記別の標示体駆動部は、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に取り付けられた別の回転体部を備え、
前記別の標示体駆動部の前記別の回転体部は、前記標示体駆動部の前記回転体部と回転伝達部材を介して結合されて回転するように構成されている
ことを特徴とする請求項1~請求項12のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項14】
前記別の標示体駆動部の前記別の回転体部は、前記標示体駆動部の前記回転体部とは逆方向に回転するようにされている
ことを特徴とする請求項13に記載の標示体移動装置。
【請求項15】
前記上面板の板面に直交する方向の回転軸と、
前記回転軸を挿通させる中空部を備えると共に、前記回転軸とは独立して前記回転軸と同じ軸心位置を中心として回転する筒状体とを備え、
前記回転部材は前記筒状体に取り付けられて、前記筒状体と共に回転するように構成され、
前記回転軸には、前記回転部材と前記上面板との間において、前記回転部材よりも回転中心からの長さが小さい別の回転部材が取り付けられて、前記回転軸と共に回転するように構成され、
前記別の回転部材の前記上面板側の面には、前記標示体駆動部の前記回転体部と同様に回転自在に構成されている回転体部を備える構成の別の標示体駆動部が取り付けられていると共に、
前記上面板には、前記別の標示体駆動部の前記回転体部を、前記別の回転部材の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1~請求項12のいずれかに記載の標示体移動装置。
【請求項16】
前記回転軸と前記筒状体とは互いに逆向きに回転するように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載の標示体移動装置。
【請求項17】
前記回転部材は、前記回転中心位置から放射状に延伸されるアーム状部材を備えて構成されている
ことを特徴とする請求項1~請求項16のいずれかに記載の標示体移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば遊園地の遊具であるコーヒーカップと同様に、コーヒーカップなどの標示体を回転させながら移動させる動きをする玩具に適用して好適な標示体移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気的な吸着(吸引)力を用いて、薄い板状体上に載置した人形や玩具自動車などの移動体を移動させるようにする玩具装置が従来から提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1(実開平11-2538号公報)には、標示体としての人形からなる歩行玩具を、板状の台座上において、人間の動きに似せた歩行をさせながら、円周上を移動させるようにした玩具装置が提供されている。この特許文献1の玩具装置では、台座内に磁石を設けると共に、人形の脚部に磁着体を設けることで、歩行玩具の人形を、人間の動きに似せた歩行をさせながら、円周上を移動させるように構成している。
【0004】
また、特許文献2(特開2012-55495号公報)には、玩具自動車に所定の形状の磁着体を設けると共に、板状の台座上面に設けた貫通孔から先端に磁石を取り付けた回転軸を突出させて、当該回転軸の磁石を玩具自動車の所定の形状の磁着体の外周あるいは内周に吸着させるように構成とすることで、玩具自動車が、磁着体の外周あるいは内周の形状に応じた動きをするようにした玩具装置が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平11-2538号公報
【文献】特開2012-55495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び特許文献2の玩具装置においては、標示体である人形や玩具自動車を磁気的な吸着力を用いて、円周上や磁着体の外周あるいは内周の形状に応じた移動を行うことができるようにしている。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれの玩具装置においても、標示体である人形や玩具自動車は、常に進行方向を向いた状態で移動をするだけで、回転(自転)しながら移動するような動作を行うようにはなっていない。
【0008】
このため、これらの特許文献1及び特許文献2の技術をそのまま用いただけでは、例えば遊園地の遊具であるコーヒーカップと同様に、コーヒーカップなどの標示体を回転(自転)させながら移動させる動きを実現することができない。
【0009】
この発明は、磁気的な吸着力を用いて標示体を移動させる場合において、比較的簡単な構成で、当該標示体を回転(自転)させながら移動させることができるようにした標示体移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
非磁性体材料からなる上面板を備える筐体と、
前記上面板に対して平行な面内で回転するように設けられる回転部材と、
前記上面板の外部に露出する表面上に載置されるものであって、前記上面板の前記表面に対向する側に磁気的結合部材を有する標示体と、
前記回転部材の前記上面板と対向する面側に取り付けられ、前記回転部材の回転に伴い回転方向に移動する標示体駆動部と、
を備え、
前記標示体駆動部は、前記標示体の前記磁気的結合部材と前記上面板を介して磁気的に結合して前記標示体を磁気的に吸着する磁気的吸着部材を有し、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に取り付けられた回転体部を備えており、
前記筐体内には、前記標示体駆動部の前記回転体部を、前記上面板に直交する方向の軸を中心として前記回転部材の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられており、
前記標示体は、
複数の前記磁気的結合部材を備えていると共に、
前記複数の前記磁気的結合部材の一部を有し、前記上面板に直交する方向の軸を支持する標示体支持部と、
前記複数の前記磁気的結合部材の前記一部以外を有し、前記上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に設けられている標示体回転部と、
を備え、
前記標示体駆動部は、
前記標示体支持部が有する前記磁気的結合部材と磁気的に結合して前記標示体支持部を前記上面板上に吸着する磁気的吸着部材を有する標示体支持部吸着部を備えると共に、
前記回転体部は、前記標示体回転部が有する前記磁気的結合部材と磁気的に結合して前記標示体回転部を吸着し、前記回転体部の回転により前記標示体回転部を回転させる磁気的吸着部材を有する
ことを特徴とする標示体移動装置を提供する。

【0011】
上述の構成の請求項1の発明においては、筐体の非磁性体材料からなる上面板の表面上に、磁気的結合部材を有する標示体が載置される。一方、筐体内には、上面板に対して平行な面内で回転する回転部材が設けられており、この回転部材の上面板と対向する面側には、標示体駆動部が設けられている。
【0012】
標示体駆動部は、回転部材の回転に伴って上面板に直交する方向の軸を中心として回転自在とされた回転体部を備えている。この回転体部は、磁気的吸着部材を有し、この磁気的吸着部材により、標示体の磁気的結合部材と上面板を介して磁気的に結合して標示体を磁気的に吸着する。
【0013】
そして、筐体内には、標示体駆動部の回転体部を、上面板に直交する方向の軸を中心として回転部材の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられている。
【0014】
したがって、回転体部が回転すると、標示体駆動部が当該回転体部の回転方向に移動する。そして、回転体部駆動手段により、標示体駆動部の移動に伴って、当該標示体駆動部の回転体部が上面板に直交する方向の軸を中心として回転する。これに伴い、標示体駆動部により磁気的に吸着されている上面板上の標示体は、自転しながら、回転部材の回転方向に移動する。
【発明の効果】
【0015】
この発明による標示体移動装置によれば、磁気的な吸着力を用いて標示体を移動させる場合において、比較的簡単な構成で、標示体を回転(自転)させながら移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態の概要を説明するための図である。
図2】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態において、上面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図3】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態において、側面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図4】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態における標示体及び標示体駆動部の構成例を説明するための図である。
図5】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態における標示体の構成例を説明するための図である。
図6】この発明による標示体移動装置の第1の実施形態の変形例において、上面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図7】この発明による標示体移動装置の第2の実施形態において、上面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図8】この発明による標示体移動装置の第2の実施形態において、側面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図9】この発明による標示体移動装置の第3の実施形態において、上面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図10】この発明による標示体移動装置の第3の実施形態において、側面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図11】この発明による標示体移動装置の第4の実施形態において、上面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
図12】この発明による標示体移動装置の第5の実施形態において、筐体内の構成例を説明するための図である。
図13】この発明による標示体移動装置の第5の実施形態において、側面板を除去した筐体内の構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、この発明による標示体移動装置の第1の実施形態を、図1図5を参照しながら説明する。
【0018】
図1(A)は、この発明による第1の実施形態の標示体移動装置1の外観を示すものである。この実施形態の標示体移動装置1は、この例では図1(A)に示すように、標示体200の複数個と、それら複数個の標示体200を載置する台座部を構成する筐体100とで構成される。
【0019】
標示体200は、図1(A)に示すように、この例においては、コーヒーカップの形状を有する玩具で構成されている。標示体200は、後述するように、磁気的結合部材を備え、筐体100内に設けられている標示体駆動部により磁気的に吸着(吸引)されることで、筐体100の、この例では平板からなる上面板100a上に係止される。したがって、標示体200は、図1(B)に示すように、筐体100の上面板100aに対して載置したり、取り外したりすることが可能とされている。
【0020】
筐体100は、この例では、非磁性体材料、例えば樹脂で構成されている。なお、筐体100は、上面板100aが非磁性体材料で構成されていれば、側面板や底面板は非磁性体材料で構成されていなくてもよい。
【0021】
標示体200は一つでもよいが、この第1の実施形態の標示体移動装置1においては、複数個、この例では8個の標示体200が、筐体100の上面板100a上において、所定の半径の円周上に等角間隔で磁気的な吸引力により係止されるように構成されている。なお、標示体200は、8個の全てを載置するようにする必要はなく、8個以下であってもよい。
【0022】
なお、筐体100のこの例では上面板100aの一隅には、電源ボタンPswが設けられている。後述するように、この例の標示体移動装置1は、駆動モータにより駆動されるように構成されているが、その駆動モータへの電源供給が、電源ボタンPswによりオン、オフされる。電源は、電池(バッテリ)であってもよいし、商用交流電源を整流する電源回路を設けるようにしてもよい。電池は、固定電池(一次電池)であってもよいし、充電式電池(二次電池)であってもよい。
【0023】
この実施形態の標示体移動装置1においては、電源ボタンPswが押下されて電源オンとされると、8個の標示体200は、筐体100の上面板100a上において、それぞれが図1(A)で矢印RTで示すように回転(自転)しながら、点線dtで示す円周に沿って移動する動きをする。この場合に、8個の標示体200の点線dtで示す円周に沿った移動方向を、図1(A)の矢印MRで示すように時計回り方向としたときには、8個の標示体200のそれぞれは、図1(A)で矢印RTで示すように反時計回りの方向に回転(自転)をする。なお、8個の標示体200の点線dtで示す円周に沿った移動方向が逆方向の場合には、8個の標示体200のそれぞれの回転方向(自転方向)も逆方向となる。
【0024】
<筐体100内の構成例>
図2は、筐体100の上面板100aを除去して、筐体100内を、上面板100aに直交する上方から見た図である。図2から分かるように、この例の筐体100は、直方体形状の箱型に構成されており、上面板100aに加えて、底面板100b及び4個の側面板100c,100d,100e,100fを備えている。
【0025】
図3は、筐体100の側面板100cを除去して、筐体100の内部を側方から見た図である。ただし、図3においては、筐体100内の主たる構成部材を説明するために、一部の構成部分を断面としたり、同様となる構成部分は省略したりしてある。
【0026】
図3に示すように、上面板100aは平板とされ、その露出する表面は平坦な面となっている。そして、図2及び図3に示すように、この例では、上面板100aの中心位置において、上面板100aと底面板100bとの間には、上面板100aに直交する方向の回転軸101が設けられている。
【0027】
この場合に、この例では、図3に示すように、回転軸101の軸心中心線の方向の一端及び他端は、上面板100a及び底面板100bの中央位置に固定されて設置されている軸受け部102及び103により、この回転軸101がその軸心中心線を回転中心として回転可能となる状態で、軸支されている。この例では、図3に示すように、軸受け部102及び103は、回転軸101をスムースに回転させるようにするため、ボールベアリング102a及び103aを備えて構成されている。
【0028】
なお、回転軸101は、筐体100の上面板100a及び底面板100bに対して直交する状態で回転可能に支持されていればよいので、上面板100aの軸受け部102の代わりに、回転軸101の中間部を、当該回転軸101が回転可能となる状態で支持するような部材を、底面板100bあるいは側面板100c~100fに取り付けるようにしてもよい。そのようにした場合には、上面板100a側に設けられる軸受け部102を設けないようにすることができ、また、回転軸101は、上面板100aと底面板100bとの間に橋渡すような長さよりも短くすることができる。
【0029】
回転軸101は、この実施形態においては、駆動モータ104により回転駆動される。この実施形態では、駆動モータ104は、減速機付きモータで構成され、比較的低速回転可能なものとされている。そして、この駆動モータ104の回転軸104aには、ギア105が取り付けられている。
【0030】
一方、回転軸101には、ギア106が固定されて取り付けられており、このギア106が、駆動モータ104の回転軸104aに取り付けられているギア105と噛み合うようにされる。これにより、この例では、回転軸101は、駆動モータ104により、例えば毎分6回の回転数(6回転/1分)で回転するように構成されている。
【0031】
そして、この実施形態では、図2及び図3に示すように、上面板100aの下方の筐体100内には、回転部材の例を構成する回転円板107が、固定用部材108により回転軸101に固定されて取り付けられている。回転円板107は、上面板100aから所定の距離Dだけ隔てた位置において、回転軸101の回転により、上面板100aと平行な面内で回転する。
【0032】
この回転円板107の上面板100aとの対向面上には、標示体駆動部300が取り付けられている。標示体駆動部300は、1個でもよいが、この例では、複数個、図1の例では8個の標示体駆動部300が、回転円板107の円周方向に沿って等角間隔で取り付けられている。なお、図3では、説明の便宜上、左右端部に位置する2個の標示体駆動部300のみを示している。
【0033】
標示体駆動部300は、この実施形態では、図2及び図3に示すように、高さが距離Dよりも僅かに低い円柱状の外観を呈するものとして構成されている。そして、図2及び図3に示すように、円柱状の標示体駆動部300の軸心方向の上面板100a側の、当該上面板100aの裏面と対向する端面には、標示体200を吸着するための複数個の磁気的吸着部材の例としての複数個の磁石片が設けられる。この実施形態では、後述するように、複数個の磁石片として、標示体200を固定吸着するための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Maと、標示体200を吸着して回転させるための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Mbとが設けられている。
【0034】
標示体駆動部300は、また、円柱状形状の中心線位置に設けられる軸部302を備えている。この軸部302は、上面板100a及び回転円板107に対して直交する方向に配設されている。この軸部302は、この実施形態では、回転円板107に対して当該標示体駆動部300を取り付けるための部材としての役割も担っている。標示体200を固定吸着するための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Maは、より詳細には後述するように、この軸部302の上面板100a側の端部に設けられる。
【0035】
また、標示体駆動部300は、軸部302に対して回転自在の状態で取り付けられている回転体部303を備える。回転体部303は、この例では円板状形状を有する。標示体200を吸着して回転させるための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Mbは、この回転体部303と一体に回転するように、円板形状の当該回転体部303の、上面板100aの裏面と対向する円形面に取り付けられている。
【0036】
そして、この実施形態では、筐体100内には、8個の標示体駆動部300の回転体部303の全てを、上面板100aに直交する方向の軸部302を中心として回転円板107の回転に伴って回転駆動させるように配設された回転体部駆動手段が設けられている。この回転体部駆動手段は、この実施形態では、図2において斜線を付して示すように、回転円板107の回転方向に沿って配設された8個の標示体駆動部300の回転体部303の全ての外周側面と接触(圧接)するようにリング状に配設されたベルト状部材110を備えて構成されている。
【0037】
図2及び図3に示すように、ベルト状部材110は、この例では、筐体100に固定された支持部材109により支持されて筐体100内に配設される。支持部材109は、この例では、図2に示すように、ベルト状部材110を張り付ける面を備えるリング状部109rと、このリング状部109rを側面板100c,100b,100e,100fのそれぞれに取り付けて筐体100に固定支持するための支持アーム部109a,109b,109c,109dとを備えて構成されている。
【0038】
そして、支持部材109のリング状部109rの内周面に、ベルト状部材110が張り付けられて、この例の回転体部駆動手段が構成されている。この場合に、図3に示すように、ベルト状部材110の露出する表面と8個の標示体駆動部300の円板形状の回転体部303の外周側面とが線的位置で接触して互いに圧接される状態となるようにされている。ベルト状部材110は、ベルト表面に凹凸を備えた摩擦係数の大きい部材(例えばタイミングベルト)とされている。一方、標示体駆動部300の回転体部303は、外周側面の摩擦係数の大きい部材、例えば弾性ゴム等で構成されている。なお、回転体部303は、例えば樹脂からなる円板状部材の外周側面に、摩擦係数の大きい部材、例えば弾性ゴム等の層が被着されて構成されてもよい。
【0039】
したがって、回転部材である回転円板107が回転軸101の駆動により回転すると、標示体駆動部300が、回転体部303とベルト状部材110との圧接を維持したまま、回転円板107の回転方向に移動する。そのため、回転体部303は、ベルト状部材110との圧接による摩擦力のため、標示体駆動部300の移動に伴い、軸部302を中心として回転する。この標示体駆動部300の回転円板107の回転に応じた動作により、以下に説明するようにして、標示体200は、上面板100a上において、回転(自転)しながら回転円板107の回転方向に移動するように動作する。
【0040】
この動作を実現するための標示体駆動部300のより詳細な構成と、標示体200の構成について、次に説明する。
【0041】
<標示体200及び標示体駆動部300の詳細構成例(図4及び図5)>
図4(A)は、筐体100の上面板100aを介して標示体200が標示体駆動部300により磁気的に吸着されている状態での断面図を示す図である。また、図4(B)は、上面板100aを取り外して標示体駆動部300を上側から見た図である。さらに、図4(C)は、標示体200を、上面板100aへの載置面側から見た図である。
【0042】
また、図5(A)は標示体200の分解断面図、図5(B)は、標示体200の後述する標示体支持部220を、上面板100aの上方から見た図である。
【0043】
<<標示体駆動部300について>>
図4(A)に示すように、標示体駆動部300は、回転円板107及び上面板100aに対して直交する方向の軸部302により、回転円板107の上面板100aとの対向面側に取り付けられる。そして、軸部302の上面板100a側の端部には、標示体200を吸着するための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Maが取り付けられている取付板304が取り付けられている。取付板304は、軸部302に固定されており、回転体部303が回転しても回転しない。
【0044】
取付板304は、図4(B)に示すように、矩形の板状体とされており、その長手方向の中央位置が軸部302に対して固定されている。そして、この取付板304の長手方向の中央位置を挟む両端上に、それぞれ1個、合計2個の磁石片301Maが例えば接着されて取り付けられている。
【0045】
この場合に、取付板304の長手方向が、回転円板107の回転方向に沿う方向となる状態で、標示体駆動部300は、回転円板107上に取り付けられる。すなわち、取付板304の長手方向が、軸部302の取り付け位置と回転円板107の中心位置とを結ぶ半径方向と回転円板107の円周との交点における接線方向に平行となるような状態で標示体駆動部300は、回転円板107上に取り付けられる。
【0046】
軸部302に対しては、図4(A)に示すように、この例ではボールベアリング303aを介して回転体部303が回動自在となる状態で取り付けられている。そして、この例では、回転体部303の上面板100aの裏面に対向する円形端面303Sに、図4(A)及び(B)に示すように、標示体200を吸着して回転させるための磁気的吸着部材の例としての磁石片301Mbが、例えば接着されて取り付けられている。磁石片301Mbは、1個でもよいが、標示体を安定して回転(自転)させるようにするための、この例では複数個、例えば4個が、回転体部303の円形端面303Sの円周方向に沿って、この例では互いに等角間隔で配設されている。なお、4個の磁石片301Mbを配設する角間隔は等角間隔でなくてもよいことは言うまでもない。
【0047】
また、この実施形態では、図4(A)に示すように、回転体部303の円形端面303Sとは反対側の円形端面と回転円板107との間には、スペース部材305が設けられて、回転体部303と回転円板107との間が隔てられるように構成されている。これにより、図4(A)及び(B)に示すように、回転体部駆動手段を構成する支持部材109に支持されたベルト状部材110を、回転体部303の外周側面と圧接する状態で接触させて配設することを容易にするスペースを確保するようにしている。
【0048】
以上の構成により、標示体駆動部300の回転体部303は、回転円板107の回転に伴う標示体駆動部300の回転方向の移動に伴い、ベルト状部材110との圧接による摩擦により回転(自転)する。この時、磁石片301Maは回転せずに、磁石片301Mbが回転体部303の回転に伴って回転する。
【0049】
なお、この場合に、図4(A)に示すように、この例では、円柱状の標示体駆動部300の上面板100aに対向する端面側に設けられている磁石片301Ma及び磁石片301Mbの高さ位置(磁石片301Ma及び磁石片301Mbの上面板100aに対向する面の位置)は、磁石片301Mbの方が、磁石片301Maよりも低くなるように構成されている。これにより、図4(A)に示すように、もしも、磁石片301Maが上面板100aの裏面に接触するような状態であった時にも、磁石片301Mbと上面板100aの裏面との間には空隙が生じており、回転体部303上の磁石片301Mbは、上面板100aと接触することなく回転することができる。
【0050】
<<標示体200について>>
この実施形態では、標示体200は、図4(A)に示すように、コーヒーカップ形状に形成された標示体回転部210と、この標示体回転部210を回転自在に支持する標示体支持部220とで構成されている。
【0051】
標示体回転部210は、図4(A)及び図5(A)に示すように、コーヒーカップ形状の胴体部211と、その底部側に設けられる高台部212と、リング状板部214とを備えて構成される。標示体回転部210のコーヒーカップ形状の高台部212で囲まれる円形の底部212aの中心位置には、当該底部から垂直に突出する円柱棒状の自転軸部213が形成されている。
【0052】
リング状板部214は、図4(A),(C)及び図5(A)に示すように、高台部212の先端部から底部212aの中心位置方向に所定長だけ張り出すような板部として形成されている。そして、このリング状板部214は、図4(A),(C)及び図5(A)に示すように、高台部212の先端部に被着されて、高台部212に固定される。
【0053】
そして、このリング状板部214の上面板100aに対向するリング状板面上には、図4(A),(C)及び図5(A)に示すように、標示体駆動部300の回転体部303と共に回転する磁石片301Mbと磁気的に結合する磁石片215Mが設けられている。磁石片215Mは、磁気的結合部材の例であり、図4(C)に示すように、標示体駆動部300の磁石片301Mbと対応して、この例では、4個が円周方向に沿って、等角間隔で配設されている。
【0054】
この場合に、この実施形態では、標示体回転部210の高台部212の径は、標示体駆動部300の回転体部303の径とほぼ同様とされている。また、標示体駆動部300の回転体部303の円形端面において円周方向に沿って配設されている4個の磁石片301Mbが配設される円周の半径と、標示体回転部210のリング状板部214において円周方向に沿って配設される4個の磁石片215Mが配設される円周の半径とは同一とされる。なお、磁石片215Mも、この例のように複数個を設ける必要はなく、1個でもよい。
【0055】
標示体支持部220は、図4(C)及び図5(B)に示すように、この例では円板からなる支持台221を備える。そして、図4(A)及び図5(A),(B)に示すように、この支持台221の上面(上面板100aとの対向面とは反対側の面)の中心位置には、標示体回転部210の自転軸部213を回転自在に軸支する軸受け部222が設けられている。この軸受け部222は、ベアリング222aを備えており、このベアリング222aにより標示体回転部210の自転軸部213を回転自在に軸支する。
【0056】
また、標示体支持部220の支持台221の上面とは反対側の面(上面板100aに対向する面)には、標示体駆動部300の磁石片301Maと磁気的に結合する磁石片224Mが設けられる。この磁石片224Mは、この例では取付板223上に設けられる。取付板223は、図4(C)に示すように、矩形の板状体とされており、その長手方向の中央位置が支持台221の中心位置となる状態で固定されている。そして、この取付板223の長手方向の中央位置を挟む両端上に、図4(B)及び図4(C)に示すように、標示体駆動部300の回転体部303の2個の磁石片301Maに対応して、2個の磁石片224Mが例えば接着されて取り付けられている。
【0057】
前述したように、標示体駆動部300の磁石片301Maは、回転体部303の回転に関係なく回転しない状態で設けられている。したがって、標示体200の支持台221は、標示体駆動部300の回転体部303が回転しても、回転することなく、上面板100a上に、標示体駆動部300の磁石片301Maにより磁石片224Mが磁気的に吸着される状態となる。このため、回転円板107の回転により標示体駆動部300が上面板100aの下側において、回転円板107の回転方向に移動すると、その移動に伴って標示体駆動部300に吸着されている標示体支持部220が移動するので、上面板100a上の標示体200が回転円板107の回転方向に移動する。
【0058】
この場合に、この実施形態では、標示体200の上面板100a上での移動が、よりスムースに行われるように補助するため、支持台221の上面板100aとの対向面には、移動補助部材が設けられている。この実施形態では、移動補助部材は、図4(A),(C)及び図5(A)に示すように、支持台221の上面板100aとの対向面に、複数個、この例では4個の車輪225が設けられて構成されている。なお、車輪225は、標示体200の標示体支持部220の支持台221を上面板100aに対して平行な状態に保持することができればよいので、3個以上であれば、4個ではなくてもよい。
【0059】
前述したように、標示体駆動部300は、図4(B)に示すように、取付板304の長手方向が、回転円板107の回転方向に沿う方向となる状態で回転円板107上に取り付けられ、この取付板304の長手方向の両端に2個の磁石片301Maが取り付けられている。つまり、2個の磁石片301Maは、回転円板107の回転方向に沿う方向に並んで設けられている。
【0060】
したがって、標示体駆動部300の2個の磁石片301Maに2個の磁石片224Mが吸着された標示体200の標示体支持部220においては、図4(B)及び(C)から明らかなように、取付板223の長手方向が、回転円板107の回転方向に沿う方向を向くようになる。つまり、標示体200が回転円板107の回転に応じて移動するときには、標示体支持部220の取付板223は、回転円板107の回転方向に沿う方向を向いている。
【0061】
以上のことを考慮して、支持台221に取り付けられる4個の車輪225は、それらの車輪225の回転外周面が、取付板223の長手方向に平行な方向となるように取り付けられている。すなわち、4個の車輪225は、取付板223の長手方向に直交する方向の車軸226に、例えばボールベアリング(図示は省略)により回転自在の状態で取り付けられている。これにより、標示体200の標示体支持部220は、標示体駆動部300に磁気的に吸着された状態で回転円板107の回転に伴って上面板100a上を移動するときに、車輪225の回転によるアシストを受けてスムースに移動する。
【0062】
以上のように構成されている標示体支持部220の支持台221の上面の軸受け部222に、標示体回転部210の自転軸部213が回転自在の状態で挿入されることで、標示体200が構成される。なお、図5(A)に示すように、リング状板部214は、標示体支持部220の軸受け部222に、標示体回転部210の自転軸部213が挿入されて結合された後、標示体回転部210の高台部212に装着される。そして、標示体支持部220は、この例では、リング状板部214により、標示体回転部210の高台部212に囲まれる空間に収納された状態で、標示体回転部210から脱落しないように構成されている。
【0063】
そして、この実施形態では、標示体200が上面板100a上に載置されて、支持台221の4個の車輪225が上面板100a上に接地している状態においては、標示体回転部210のリング状板部214に取り付けられている磁石片215M及び標示体支持部220の支持台221に取り付けられている磁石片224Mと上面板100aとの間には空隙が生じるように構成されている。すなわち、車輪225の径及び磁石片215M,224Mの厚さなどの寸法、さらには、車輪225の車軸226の位置などが選定されることで、磁石片215M及び磁石片224Mと上面板100aとの間には空隙が生じるように構成されている。
【0064】
この空隙の存在により、標示体200の移動及び回転(自転)においては、標示体200に設けられている磁石片215M及び磁石片224Mと上面板100aとは接触することはないので、標示体200は、スムースな移動及び回転(自転)をすることができる。
【0065】
第1の実施形態の標示体移動装置1は、以上のように構成されているので、標示体200が上面板100a上に載置され、標示体駆動部300に吸着された状態において、電源ボタンPswがオンとされて、駆動モータ104が駆動されると、回転円板107が回転する。この回転円板107の回転に伴って、標示体駆動部300が回転円板107の回転方向に移動し、この標示体駆動部300の移動に伴い、この標示体駆動部300により上面板100aを介して磁気的に吸着されている標示体200が、上面板100a上を回転円板107の回転方向に移動する。
【0066】
また、標示体駆動部300が回転円板107の回転方向に移動することに伴って、ベルト状部材110と標示体駆動部300の回転体部303との圧接による摩擦により、標示体駆動部300の回転体部303が回転(自転)する。すると、標示体200の標示体回転部210が標示体駆動部300の回転体部303と磁気的に吸着されているので、標示体駆動部300の回転体部303の回転により、標示体支持部220に回転自在に支持された標示体回転部210が回転体部303の回転(自転)と共に回転(自転)する。
【0067】
以上により、この第1の実施形態の標示体移動装置1においては、図1に示したように、筐体100の上面板100a上において円周上に並べられた複数個の標示体200のそれぞれは、自転しながら、回転円板107の回転に伴って、その回転方向に移動する。
【0068】
この場合に、上述の第1の実施形態の標示体移動装置1においては、標示体200は筐体100の上面板100aの下方に設けられた標示体駆動部300と磁気的に結合する構成とすると共に、標示体駆動部300を、回転円板107に取り付けて当該回転円板107の回転方向に移動させ、かつ、自転可能な回転体部303を備える構成とし、さらに、この標示体駆動部300の回転体部303を、回転円板107による標示体駆動部300の移動に伴って、回転(自転)させる回転体部駆動手段(上記の例ではベルト状部材110)を、筐体100内に設けるという、簡単な構成で、標示体200を自転させながらの回転方向へ移動するという動作を実現することができる。
【0069】
また、上述の第1の実施形態の標示体移動装置1においては、標示体200は標示体支持部220に標示体回転部210を回転自在に結合する構成としたので、標示体駆動部300との磁気的な吸着により標示体200を回転させることが比較的容易になるという効果を奏する。
【0070】
そして、上述の第1の実施形態の標示体移動装置1においては、標示体支持部220は、標示体駆動部300の回転体部303の回転によっても回転しない磁石片301Maにより吸着させる構成とし、この標示体支持部220に回転方向への移動を補助する複数個の車輪225を設けたことにより、標示体200の回転円板107の回転方向への移動をスムースにすることができる。
【0071】
また、複数個の車輪225を設けたことにより、標示体支持部220の磁石片224Mと上面板100aとの間に空隙を形成するように構成したので、標示体200の上面板100a上における標示体200の移動に際して磁石片224Mが上面板100aに接触することはなく、標示体200をスムースに移動させることができる。
【0072】
また、複数個の車輪225を設けたことにより、標示体回転部210の磁石片215Mと上面板100aとの間に空隙を形成するように構成したので、標示体200の標示体回転部210の上面板100a上における回転(自転)に際して磁石片215Mが上面板100aに接触することはなく、標示体回転部210をスムースに回転(自転)させることができる。
【0073】
また、上述の第1の実施形態の標示体移動装置1においては、標示体駆動部300の回転体部303を回転させる回転体部駆動手段を、当該回転体部303が常に圧接するように配設したベルト状部材110を設けるだけで構成することができ、構成が簡単であるという効果がある。
【0074】
<第1の実施形態の変形例>
上述の第1の実施形態では、標示体200の標示体支持部220及び標示体回転部210に設ける磁気的結合部材は、それぞれ磁石片224M及び磁石片215Mとすると共に、標示体駆動部300に設けた磁気的吸着部材は、磁石片301Ma及び磁石片301Mbとした。しかし、磁気的結合部材と磁気的吸着部材との磁気的結合可能な組み合わせは、両方が磁石片ではなく、一方が磁石片、他方が例えば鉄片などの磁性体とする組み合わせであってもよい。
【0075】
上述の第1の実施形態では、標示体200の標示体支持部220側に軸受け部222を設けると共に、標示体回転部210に自転軸部213を設けるようにしたが、標示体200の標示体支持部220側に自転軸部を設け、標示体回転部210側に軸受け部を設けるように構成してもよい。
【0076】
また、上述の第1の実施形態では、標示体200の標示体回転部210は、その中心位置を中心として自転するように構成したが、標示体回転部210は、中心位置からずれた位置を回転中心とするように構成してもよい。すなわち、標示体支持部220は、上述の実施形態と同様に、例えば円板からなる支持台221の中心位置に軸受け部あるいは自転軸部を設けると共に、標示体回転部210は、自転軸部あるいは軸受け部を、当該標示体回転部210の中心位置からずれた位置に設けるようにする。この場合に、標示体回転部210の磁石片215は、標示体回転部210の中心位置からずれた自転軸部あるいは軸受け部を中心とした周囲に設けられる。
【0077】
このように構成すれば、標示体200の例としてのコーヒーカップは、単純にその中心位置を中心として自転するのではなく、偏心位置を中心として半径方向に揺れながら回転するような動作をするようになり、標示体200の動きのエンタテインメント性をさらに向上させることができる。
【0078】
また、上述の第1の実施形態では回転体部駆動手段は、筐体100の側面に固定して取り付けて、回転体部303の回転軸101から最も遠い位置で圧接するように構成したが、回転体部303の回転軸101からの距離が最も近い位置で圧接するような状態でリング状に配設するようにしてもよい。この場合に、回転体部駆動手段は、回転軸101に、当該回転軸101が回転しても回転しない状態で取り付けることで取り付け可能である。
【0079】
また、上述の第1の実施形態では、標示体駆動部300の回転体部303を駆動する回転体部駆動手段は、ベルト状部材110により構成すると共に、回転体部303の少なくとも外周側面を弾性部材で構成して、両者を圧接させ、両者の摩擦を利用して、回転円板107の回転に伴って、回転体部303を回転(自転)させるように構成した。
【0080】
しかし、回転体部303と回転体駆動手段との構成は、このような構成に限られるものではなく、回転自在に設けられている回転体部303を回転駆動させることができる構成であればどのような構成であってもよい。例えば、回転体部303にギアを取り付けるとともに、回転体部駆動手段を、リング状部材の内周面に回転体部303のギアと噛み合うギアを形成する構成としてもよい。あるいは、回転体部駆動手段を、リング状部材の内周面にチェーンを被着して取り付けると共に、回転体部303にチェーンと噛み合うスプロケットを設けるようにしてもよい。さらには、回転体部303を、磁石により吸着可能な鉄などの磁性体で構成し、回転体部駆動手段を、支持部材109のリング状部109rに帯状の磁石片を張り付けたもので構成するようにしてもよい。また、その逆に、回転体部303を磁石で構成し、支持部材109のリング状部109rを鉄などの磁性体で構成するようにしてもよい。
【0081】
また、上述の第1の実施形態では、回転部材を構成する回転円板107が取り付けられた回転軸101は、駆動モータ104により回転駆動するようにしたが、例えば筐体100に手回しハンドルを設け、この手回しハンドルを使用者が回転させることで、その回転をギアなどにより回転軸101に伝達するように構成することで、手動で回転軸101を回転させるように構成することもできる。
【0082】
また、上述の第1の実施形態では、標示体200の標示体支持部220に設けられる移動補助部材は、複数個の車輪で構成するようにしたが、車輪に限られるものではなく、例えば自由に回転できるように球体(ボール)が収納されて構成されているボールキャスターで構成してもよい。なお、車輪225の場合と同様に、ボールキャスターも3個以上の複数個が設けられ、ボールキャスターのボールが上面板100aに接しているときには、標示体回転部210の磁石片215M及び標示体支持部220の磁石片224Mと上面板100aとの間に空隙が生じるように構成すると良い。
【0083】
移動補助部材としてボールキャスターを用いた構成とした場合には、上面板100aとの接触は点接触となるので、線接触となる車輪の場合のような車軸の方向などを上述したように考慮する必要はない。
【0084】
また、上述の第1の実施形態では、標示体支持部220の磁石片224及び標示体駆動部300の磁石片301Maは、それぞれ2個としたが、1個であってもよい。ただし、磁石片224及び磁石片301Maを2個以上の複数個とした場合には、標示体200の移動方向を当該2個の磁石片により規定することができるという効果があり、移動補助部材として車輪225を用いる場合に好適となる。
【0085】
また、上述の第1の実施形態では、標示体は、標示体回転部210と標示体支持部220との2つの部材により構成するようにしたが、2つの部材に分けることなく単一の部材で構成することもできる。その場合には、標示体駆動部300の磁石片301Maは不要であると共に、標示体200の磁石片224Mも不要となる。
【0086】
なお、上述の第1の実施形態では、筐体100の上面板100aは平板からなるものとして、標示体200が載置される表面は、平坦な面としたが、標示体駆動部300による上面板100aを介しての標示体200の磁気的な吸着を維持することができる範囲内であれば、上面板100aの表面は、平坦ではなく、凹凸が存在したり、若干波打ったような形状となっていてもよい。その場合には、標示体200は、上面板100aの表面の形状に応じて高さ方向にも動くようになり、よりエンタテインメント性を向上させることができる。
【0087】
また、上述の第1の実施形態では、標示体駆動部300が取り付けられる回転部材は回転円板107で構成するようにしたが、回転円板に限られるものではなく、例えば回転中心軸位置から放射状に延伸されるアーム状部材により形成して、このアーム状部材の先端側に標示体駆動部300を取り付けるように構成してもよい。
【0088】
図6は、上述の実施形態のように8個の標示体200を円周方向に配置して、自転させながら、回転方向に移動させるようにする場合における回転部材を、回転円板107に代えてアーム状部材を用いたアーム回転部材111を用いる構成とした場合の例を説明するための図である。この図6の例においては、回転円板107に代えてアーム回転部材111を用いる点が異なるのみで、他の構成は、上述の実施形態の標示体移動装置と同様である。この図6において、上述の実施形態と同一部分には、同一参照符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
【0089】
図6に示すように、この例においては、アーム回転部材111は、前述の実施形態の回転円板107と同様に、回転軸101に固定用部材108により固定されて、回転軸101の回転により回転するように構成されている。この例のアーム回転部材111は、回転方向に等角間隔(360÷8=45度間隔)で、8本のアーム部111aが、それぞれ回転軸101の中心位置(回転中心位置)から放射状に形成されて構成されている。
【0090】
そして、8本のアーム部111aのそれぞれの先端側の上面板101aとの対向面上の、回転軸101の中心位置(回転中心位置)から所定の距離だけ離れた位置に、標示体駆動部300がそれぞれ取り付けられる。この場合に、上述の実施形態と同様に、標示体駆動部300の回転体部303の外周側面が、リング状に配設されたベルト状部材110に対して圧接状態で接触するようにされる。なお、筐体100内部を側方から見た図は、前述の図3に示したものとほぼ同様となる。
【0091】
この図6の例の標示体移動装置は、回転部材が回転円板107に代えてアーム回転部材111に変更されるだけで、上述の実施形態と同様の動作を行うものであり、同様の作用効果を奏する。
【0092】
<第2の実施形態>
上述の第1の実施形態の標示体移動装置では、複数個の標示体200は、回転部材の回転方向に沿って1重にのみ配設するようにしたが、この第2の実施形態では、回転軸101からの半径方向の距離が互いに異なる同心円上に、2重に、複数個の標示体200を配設して、それらを回転(自転)させながら、回転部材の回転方向に移動させるように構成する。
【0093】
以下、第2の実施形態の標示体移動装置2について図7及び図8を用いて説明するが、この第2の実施形態の標示体移動装置2において上述した第1の実施形態の標示体移動装置1と同一の部分については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0094】
図7及び図8は、第2の実施形態の標示体移動装置2を説明するための図であり、上述した第1の実施形態の標示体移動装置1についての図2及び図3に対応する図である。すなわち、図7は、第2の実施形態の標示体移動装置2を、その筐体100の上面板100aを除去して、筐体100内を、上面板100aに直交する上方から見た図である。また、図8は、筐体100の側面板100cを除去して、筐体100の内部を側方から見た図である。
【0095】
図7及び図8に示すように、この第2の実施形態の標示体移動装置2においては、外側の円周上の複数個の標示体200の磁気的な吸着用として、8個の標示体駆動部300を、第1の実施形態の標示体移動装置1と同様に回転部材の回転方向に沿った円周上に、等角間隔で、第1の標示体駆動部として設ける。ただし、図7に示すように、この第2の実施形態の標示体移動装置2においては、8個の標示体駆動部300を配設する回転部材は、図6の変形例に示したように、アーム回転部材111(第1のアーム回転部材)で構成され、8個の標示体駆動部300のそれぞれは、アーム回転部材111の8本のアーム部111aのそれぞれの端部に取り付けられている。
【0096】
このように、回転部材をアーム回転部材111で構成した場合には、図6及び図7から明らかなように、アーム回転部材111の8本のアーム部111aの間に空間が生じる。この第2の実施形態の標示体移動装置2においては、図7に示すように、8本のアーム部111aの間の空間に、標示体駆動部400を第2の標示体駆動部として8個を配設する。
【0097】
この8個の第2の標示体駆動部400は、図7及び図8に示すように、第1のアーム回転部材111とは別の第2のアーム回転部材112の8個のアーム部112aの端部に取り付けられる。第2のアーム回転部材112は、図8に示すように、回転軸101の軸心方向において、アーム回転部材111の取り付け位置の下方の位置に、固定用部材113により回転軸101に固定されて取り付けられる。第2のアーム回転部材112も、上面板100aと平行な面内で回転するように配設されている。
【0098】
そして、第2のアーム回転部材112のアーム部112aは、回転軸101の中心位置から第1のアーム回転部材111の8本のアーム部111aの間の空間に延伸するようにして、8個が形成される。図7及び図8の例の場合には、第2の標示体駆動部400は、第1の標示体駆動部300が配列される円周の径よりも小さい径の円周上に配列される。
【0099】
第2の標示体駆動部400は、円柱状の外観の高さ寸法が、第2のアーム回転部材112と筐体100の上面板100aとの間の距離とされる点が異なるが、他は同様の構成とされている。すなわち、第2の標示体駆動部400は、第2のアーム回転部材112のアーム部112aに対して、上面板100aに対して直交する方向の軸部402により取り付けられ、回転体部403を備える。
【0100】
そして、回転体部403の上面板100aに対向する端面側に、図7及び図8に示すように、標示体200の標示体支持部220の2個の磁石片224Mと磁気的に結合(互いに吸引)する2個の磁石片401Maと、標示体200の標示体回転部210の4個の磁石片215Mと磁気的に結合(互いに吸引)する4個の磁石片401Mbが例えば接着されて設けられている。
【0101】
なお、図7及び図8の例では、第2の標示体駆動部400の円柱状の外観の径は、第1の標示体駆動部300の円柱状の外観の径よりも小径とされている。このため、図示は省略するが、第2の標示体駆動部400により磁気的に吸着される標示体200は、第2の標示体駆動部400に合わせて小径の小型に形成されている。しかし、第2の標示体駆動部400の円柱状の外観の径を、第1の標示体駆動部300の円柱状の外観の径と等しくするようにしても勿論良い。
【0102】
そして、この第2の実施形態の標示体移動装置2においては、筐体100内には、図7及び図8に示すように、第2の標示体駆動部400の回転体部403の外周側面に圧接するように、第2の回転体部駆動手段として、リング状のベルト状部材116が支持部材115により支持されて設けられている。
【0103】
第2の実施形態の標示体移動装置2は、以上のように構成されているので、駆動モータ104により回転軸101が回転駆動されると、第1のアーム回転部材111及び第2のアーム回転部材112が、回転軸101と共に回転する。
【0104】
すると、第1のアーム回転部材111上の取り付けられている第1の標示体駆動部300が第1のアーム回転部材111の回転方向に移動すると共に、ベルト状部材110との圧接による摩擦により第1の標示体駆動部300の回転体部303が回転(自転)する。つまり、第1の標示体駆動部300により磁気的に吸着されている標示体200は、筐体100の上面板100a上において、回転(自転)しながら、第1のアーム回転部材111の回転方向に移動する。
【0105】
これと同時に、第2のアーム回転部材112上の取り付けられている第2の標示体駆動部400が第2のアーム回転部材112の回転方向に移動すると共に、ベルト状部材116との圧接による摩擦により第2の標示体駆動部400の回転体部403が回転(自転)する。つまり、第2の標示体駆動部400により磁気的に吸着されている標示体200は、筐体100の上面板100a上において、回転(自転)しながら、第2のアーム回転部材111の回転方向に移動する。
【0106】
すなわち、第2の実施形態の標示体移動装置2においては、第1の標示体駆動部300に磁気的に吸着されている標示体200と、第2の標示体駆動部400に磁気的に吸着されている標示体200は、共に同方向に回転(自転)しながら、第1のアーム回転部材111及び第2のアーム回転部材112の回転方向に移動するような動作を行う。
【0107】
したがって、この第2の実施形態の標示体移動装置2によれば、同心円状の2重の円周上に配設された複数の標示体200をそれぞれを、回転(自転)させながら、回転部材の回転方向に移動させるようにすることができ、よりエンタテインメント性の高い動きをする玩具を提供することができる。
【0108】
なお、上述した第1の実施形態についての変形例は、第2の実施形態の標示体移動装置2についても適用可能である。
【0109】
なお、上述の第2の実施形態では、外側の円周上の複数個の標示体駆動部の個数と内側の複数個の標示体駆動部の個数とは同数としたが、異なっていてもよいことは言うまでもない。
【0110】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の標示体移動装置3は、第2の実施形態の標示体移動装置2と同様に、回転軸101からの半径方向の距離が互いに異なる同心円上に、2重に、複数個の標示体200を配設して、それらを回転(自転)させながら、回転部材の回転方向に移動させるように構成する例であるが、特に、外側の円周上に配設した複数の標示体200の回転(自転)の方向と、内側の円周上に配設した複数の標示体200の回転(自転)の方向とを逆方向とするようにして、よりエンタテインメント性の高い動きをする玩具を提供することができるようにしたものである。
【0111】
以下、第3の実施形態の標示体移動装置3について図9及び図10を用いて説明するが、この第3の実施形態の標示体移動装置3においても、上述した第1の実施形態の標示体移動装置1と同一の部分については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0112】
図9及び図10は、第3の実施形態の標示体移動装置2を説明するための図であり、図7及び図8と同様に、上述した第1の実施形態の標示体移動装置1についての図2及び図3に対応する図である。
【0113】
図9及び図10に示すように、この第3の実施形態の標示体移動装置2においては、外側の円周上の複数個の標示体の磁気的な吸着用として、8個の標示体駆動部300Aを、第1の実施形態の標示体移動装置1と同様に回転部材の回転方向に沿った円周上に、等角間隔に、第1の標示体駆動部として設ける。この第3の実施形態の標示体移動装置2においては、図9に示すように、8個の第1の標示体駆動部300Aを配設する回転部材は、第1の実施形態の標示体移動装置1と同様に回転円板107とされる。
【0114】
そして、図9及び図10に示すように、この第3の実施形態においては、回転円板107上に、内側の円周上の複数個の標示体の磁気的な吸着用として、8個の第2の標示体駆動部500を、等角間隔に設ける。
【0115】
第1の標示体駆動部300Aは、回転体部303に、当該回転体部303と一体的に、軸部302に対して回転自在に回転する回転体、例えばプーリ306を設ける。第1の標示体駆動部300Aのその他の構成は、上述の第1の実施形態で説明した標示体駆動部300と同様に構成される。
【0116】
第2の標示体駆動部500は、第1の標示体駆動部300Aと同様の構成を備えるように構成されている。すなわち、第2の標示体駆動部500は、回転円板107上に、上面板100aに対して直交する方向の軸部502により取り付けられ、回転体部503を備える。
【0117】
そして、回転体部503の上面板100aに対向する端面側に、図9及び図10に示すように、標示体200の標示体支持部220の2個の磁石片224Mと磁気的に結合(互いに吸引)する2個の磁石片501Maと、標示体200の標示体回転部210の4個の磁石片215Mと磁気的に結合(互いに吸引)する4個の磁石片501Mbが例えば接着されて設けられている。また、回転体部503には、当該回転体部503と一体的に、軸部502に対して回転自在に回転する回転体、例えばプーリ506が設けられる。
【0118】
そして、第1の標示体駆動部300Aの回転体部303のプーリ306と、第2の標示体駆動部500の回転体部503のプーリ506間には、回転伝達部材の例としての糸状のベルト510が、この例では襷掛けの状態で懸架されている。すなわち、プーリ306とプーリ506とは、互いに逆回転するように構成されている。
【0119】
なお、図9及び図10の例では、第2の標示体駆動部500の円柱状の外観の径は、第1の標示体駆動部300Aの円柱状の外観の径よりも小径とされている。このため、図示は省略するが、第2の標示体駆動部500により磁気的に吸着される標示体200は、第2の標示体駆動部500に合わせて小径の小型に形成される。しかし、第2の標示体駆動部500の円柱状の外観の径を、第1の標示体駆動部300Aの円柱状の外観の径と等しくするようにしても勿論良い。また、第2の標示体駆動部500の円柱状の外観の径を、第1の標示体駆動部300Aの円柱状の外観の径よりも大径としてもよい。
【0120】
第3の実施形態の標示体移動装置3は、以上のように構成されているので、駆動モータ104により回転軸101が回転駆動されると、回転円板107が回転軸101と共に回転し、第1の標示体駆動部300A及び第2の標示体駆動部500が回転円板107の回転方向に移動する。この移動により、第1の標示体駆動部300Aの回転体部303とベルト状部材110との圧接による摩擦により当該第1の標示体駆動部300Aの回転体部303が回転(自転)する。すると、当該第1の標示体駆動部300Aの回転体部303の回転がベルト510により第2の標示体駆動部500の回転体部503に伝達され、第2の標示体駆動部500の回転体部503は、第1の標示体駆動部300Aの回転体部303の回転方向とは逆方向に回転(自転)する。
【0121】
したがって、第3の実施形態の標示体移動装置3においては、第1の標示体駆動部300Aに磁気的に吸着されている標示体200と、第2の標示体駆動部500に磁気的に吸着されている標示体200は、互いに逆方向に回転(自転)しながら、回転円板107の回転方向に移動するような動作を行う。
【0122】
したがって、この第3の実施形態の標示体移動装置3によれば、同心円状の2重の円周上に配設された複数の標示体200をそれぞれを、互いに逆方向に回転(自転)させながら、回転部材の回転方向に移動させるようにすることができ、よりエンタテインメント性の高い動きをする玩具を提供することができる。
【0123】
なお、第1の標示体駆動部300Aの回転体部303のプーリ306と、第2の標示体駆動部500の回転体部503のプーリ506間に、回転伝達部材の例としてのベルト510を、襷掛けではない状態で懸架すれば、プーリ306とプーリ506とは、互いに同方向の回転するようになるものである。
【0124】
なお、上述の第3の実施形態では、外側の円周上の複数個の標示体駆動部の個数と内側の複数個の標示体駆動部の個数とは同数としたが、異なっていてもよい。その場合に、内側の円周上の複数個の標示体駆動部の個数が、外側の複数個の標示体駆動部の個数よりも少ない場合には、外側の複数個の標示体駆動部のいくつかは、内側の標示体駆動部とは連結されない状態となる。また、内側の円周上の複数個の標示体駆動部の個数が、外側の複数個の標示体駆動部の個数よりも多い場合には、外側の複数個の標示体駆動部のいくつかは、複数個の内側の標示体駆動部と、ベルト等の回転伝達部材により連結される状態となる。
【0125】
また、上述の第3の実施形態では、内側の複数の標示体駆動部は、上述の例のように円周上に配列する必要はなく、任意の位置に配設可能である。要は、内側の複数の標示体駆動部の回転体部が、外側の円周上の複数個の標示体駆動部の回転体部と回転伝達部材を介して結合される位置であれば、内側の複数の標示体駆動部の配置位置はいずれでもよい。
【0126】
また、上述の第3の実施形態の例では、第1及び第2の標示体駆動部300A及び500の回転体部303及び503と一体に回転する回転体はプーリ306及び506として、ベルトなどの回転伝達部材を懸架するようにしたが、回転体及び回転伝達部材は、この例に限られるものではない。例えば、第1及び第2の標示体駆動部300A及び500の回転体部303及び503と一体に回転する回転体をギアにより構成し、第1及び第2の標示体駆動部300A及び500の回転体のギアを、回転伝達部材としての別のギアを介して、あるいは互いに直接に?み合わせるように構成してもよい。
【0127】
なお、上述した第1の実施形態についての変形例は、第3の実施形態の標示体移動装置3についても適用可能である。
【0128】
<第4の実施形態>
上述の第1~第3の実施形態においては、標示体駆動部300,300Aは、回転円板107やアーム回転部材111などの回転部材に固定して取り付けるようにしているので、その移動軌跡は、常に円周状となる。しかし、標示体駆動部300,300Aを回転部材において、回転軸を中心とした放射方向(回転円板107の半径方向)に移動可能に取り付けることにより、標示体駆動部300,300Aの移動経路を円周状以外の任意の移動経路とするように構成することができる。第4の実施形態は、そのように構成した標示体移動装置4の例である。
【0129】
図11は、第4の実施形態の標示体移動装置4の例を示すものであり、これは、第1の実施形態に適用した場合の例である。第1の実施形態の標示体移動装置1と同様の構成部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0130】
この例においては、回転円板107の、標示体駆動部300の取り付け位置のそれぞれには、回転円板107の半径方向に沿った長孔の貫通孔601を設ける。そして、標示体駆動部300を、この長孔の貫通孔601に沿った方向(回転円板107の半径方向)に移動可能の状態で取り付ける。この場合に、標示体駆動部300の軸部302(図11では図示を省略)は、標示体駆動部300が長孔の貫通孔601に沿って移動しても回転しない状態で長孔の貫通孔601内に挿入されて、標示体駆動部300が回転円板107に対して取り付けられる。
【0131】
そして、図11に示すように、この例では、回転円板107の長孔の貫通孔601の部分に取り付けられた標示体駆動部300を、ばね部材602aの弾性力により、常に、回転円板107の半径方向の外方に弾性的に付勢するようにする弾性偏倚部材602が、回転円板107上に設けられている。
【0132】
そして、回転体部駆動手段は、第1の実施形態と同様に、回転円板107の回転方向に沿って配設された8個の標示体駆動部300の回転体部303の全ての外周側面と接触(圧接)するようにリング状に配設されたベルト状部材110Aで構成されるが、この図11の例においては、斜線を付して示すように、真円の円周状に配設されるのではなく、波を打たせた形状とされている。
【0133】
すなわち、この例では、図11に示すように、ベルト状部材110Aを支持する支持部材109Aのリング状部109Arの形状が円周方向に波を打たせた形状に構成され、このリング状部109Arの内面に、ベルト状部材110Aが張り付けられる。そして、このリング状部109Arが、支持アーム部109Aa,109Ab,109Ac,109Adにより、筐体100の4個の側面板100c,100b,100e,100fのそれぞれに取り付けられて筐体100に固定支持される。その他は、上述の第1の実施形態と同様に構成される。
【0134】
この第4の実施形態の標示体移動装置4において、駆動モータ104により回転軸101が回転駆動されると、回転円板107が回転軸101と共に回転し、第1の標示体駆動部300A及び第2の標示体駆動部500が回転円板107の回転方向に移動する。
【0135】
ただし、この第4の実施形態の標示体移動装置4では、標示体駆動部300は、長孔の貫通孔601により半径方向に移動可能であり、かつ、弾性偏倚部材602により常に外方に付勢されているとともに、回転体部303はベルト状部材110Aに圧接している状態となっている。このため、標示体駆動部300のそれぞれは、回転体部303が回転(自転)しながら、波を打たせた形状のベルト状部材110Aの形状に沿って移動する。
【0136】
したがって、筐体100の上面板100aにおいて、標示体駆動部300のそれぞれ委より磁気的に吸着された標示体200は、回転(自転)しながら、ベルト状部材110Aの周方向の形状に応じた移動経路で、回転円板107の回転方向に移動する。
【0137】
この第4の実施形態の標示体移動装置4によれば、標示体の回転方向の移動軌跡を真円ではない形状にすることができるので、よりエンタテインメントを向上させることができる。
【0138】
なお、上述の第4の実施形態の例は、回転部材が回転円板107とされる第1の実施形態の場合に適用した例であるが、回転部材をアーム回転部材111の構成とした第2の実施形態の場合にも、アーム部に長孔の貫通孔を設けて、標示体駆動部300のそれぞれをアーム回転部材のアーム部の延長方向に移動可能に取り付けることで、同様の構成とすることができる。
【0139】
なお、ベルト状部材110Aを支持する支持部材の支持アーム部の形状は、図11の例のような形状に限られるものではなく、種々の形状に形成することができることは言うまでもない。
【0140】
なお、上述した第1の実施形態についての変形例は、この第4の実施形態の標示体移動装置2についても適用可能である。
【0141】
<第5の実施形態>
上述の第2の実施形態及び第3の実施形態においては、同心円状に2重に配設した標示体の移動方向は、同一であったが、内側の円周上の1又は複数の標示体と外側の円周上の1又は複数の標示体は、互いに逆方向に移動するようにすることで、よりエンタテインメント性を高めることができる。第5の実施形態は、そのように構成した場合の標示体移動装置の例である。
【0142】
図12及び図13は、この第5の実施形態の標示体移動装置5の一例を説明するための図であり、上述の実施形態と同一部分には同一の参照符号を付与して、その詳細な説明は省略する。
【0143】
図12(A)は、第2の実施形態の図7及び第3の実施形態の図9に対応するもので、第5の実施形態の標示体移動装置5において、直方体形状の筐体100の上面板100aを除去して、筐体100内を、上面板100aに直交する上方から見た図である。また、図12(B)は、この第5の実施形態の標示体移動装置5の上面板100aとその裏面側に設けられる部材を説明するための断面図である。さらに、図13は、第5の実施形態の標示体移動装置5において、筐体100の側面板100cを除去して、筐体100の内部を側方から見た図である。
【0144】
この第5の実施形態の標示体移動装置5においては、図12(A)及び図13に示すように、回転部材(第1の回転部材)の例としての回転円板107の上方に、第2の回転部材の例として、回転円板107よりも小径の回転円板117を配設する。
【0145】
そして、この第5の実施形態においては、図12に示すように、駆動モータ104の回転駆動により、互いに逆向きに回転する2個の回転軸を設けるようにする。2個の回転軸の一方は、前述の実施形態における回転軸101により構成される。他方の回転軸は、回転軸101を挿通し、かつ、回転軸101とは独立して回転するように構成される筒状体で構成される。筒状体は、この例では、パイプ部材131により構成される。
【0146】
パイプ部材131は、この例では円筒形状を備えており、図13に示すように、回転軸101の径よりも大きい内径を備え、回転軸101は、このパイプ部材131の中空部内を挿通するように構成されている。そして、この例では、パイプ部材131の軸心方向の両端には、図13に示すように、ボールベアリング141及び142が取り付けられており、回転軸101は、このボールべアリング141及び142を介して、パイプ部材131の中空部内において回転可能とされている。
【0147】
パイプ部材131は、図13に示すように、筐体100の、この例では、底面板100bに固定されている支持部材143により、その軸心中心線(軸心方向の中心線)の位置が、回転軸101の軸心中心線の位置と同一となるように支持されている。そして、支持部材143には、パイプ部材131の軸心方向において異なる位置において、ボールベアリング144とボールベアリング145が取り付けられており、このボールベアリング144とボールベアリング145とにより、パイプ部材131が回転可能の状態で筐体100に対して保持されている。
【0148】
パイプ部材131は、以上のようにして、回転軸101と同一の軸心中心線の位置を中心として、回転軸101とは独立して、回転可能に筐体100に保持されている。そして、この第5の実施形態では、図13に示すように、1個の駆動モータ104により、回転軸101及びパイプ部材131を、互いに逆向きに回転駆動させるように構成する。
【0149】
この例では、駆動モータ104の回転軸104aには、回転軸101用のギア151と、パイプ部材131用のギア152とが取り付けられている。そして、回転軸101には、ギア153が固定されて取り付けられており、このギア153が、伝達用ギア154を介して駆動モータ104の回転軸104aに取り付けられているギア151と噛み合うようにされる。これにより、この例では、回転軸101は、駆動モータ104の回転軸104aと同じ向きに、所定の回転数で回転するように構成される。
【0150】
また、パイプ部材131には、ギア155が固定されて取り付けられており、このギア155が、駆動モータ104の回転軸104aに取り付けられているギア152と噛み合うようにされる。これにより、この例では、パイプ部材131は、駆動モータ104の回転軸104aとは逆向きに、所定の回転数で回転するように構成される。
【0151】
そして、この第5の実施形態においては、図13に示すように、上側の小径の回転円板117が、回転軸101に対しては固定用部材118により固定されて取り付けられて、回転軸101の回転に伴って回転するように構成されている。また、下側の大径の回転円板107が、パイプ部材131に対しては固定用部材108Bにより固定されて取り付けられて、パイプ部材131の回転に伴って回転するように構成されている。すなわち、回転円板107と回転円板117とは、互いに逆向きに回転するように構成されている。
【0152】
そして、回転円板107には、外側の円周上に、標示体駆動部300Bが取り付けられ
、また、回転円板117には、内側の円周上に、標示体駆動部700が取り付けられる。標示体駆動部300Bは、上述の実施形態における標示体駆動部300と同様の構成を備え、回転円板107上に、上面板100aに対して直交する方向の軸部302により取り付けられ、回転体部303を備える。
【0153】
そして、回転体部303の上面板100aに対向する端面側に、図12(A)及び図13に示すように、標示体200の標示体支持部220の2個の磁石片224Mと磁気的に結合(互いに吸引)する2個の磁石片301Maと、標示体200の標示体回転部210の4個の磁石片215Mと磁気的に結合(互いに吸引)する4個の磁石片301Mbが設けられている。ただし、この例の標示体駆動部300Aは、スペーサ305Bの軸心方向の長さが、標示体駆動部300のスペーサ305よりも長くされて、回転円板117及び標示体駆動部700を設けることができるスペースを確保するように構成されている。
【0154】
標示体駆動部700も、上述の実施形態における標示体駆動部300と同様の構成を備え、回転円板117上に、上面板100aに対して直交する方向の軸部702により取り付けられ、回転体部703を備える。
【0155】
そして、回転体部703の上面板100aに対向する端面側に、図12(A)及び図13に示すように、標示体200の標示体支持部220の2個の磁石片224Mと磁気的に結合(互いに吸引)する2個の磁石片701Maと、標示体200の標示体回転部210の4個の磁石片215Mと磁気的に結合(互いに吸引)する4個の磁石片701Mbが設けられている。
【0156】
そして、この第5の実施形態においては、筐体100の上面板100aの裏面側に、8個の標示体駆動部700の回転体部703の全てと圧接して接触するように構成された回転体部駆動手段が設けられている。この回転体部駆動手段は、この第5の実施形態では、図12(A),(B)及び図13に示すように、回転円板117の回転方向に沿って配設された8個の標示体駆動部700の回転体部703の全ての外周側面と接触(圧接)するようにリング状に配設されたベルト状部材120を備えて構成されている。
【0157】
図12(A),(B)及び図13に示すように、ベルト状部材120は、この例では、筐体100の上面板100aの裏面に固定されたリング状の支持部材119により支持されて取り付けられる。支持部材119は、この例では、図12(B)及び図13に示すように、上面板100aに対して直交する方向に植立されているリング状の壁部119aを備えており、ベルト状部材120は、この壁部119aの内周側面に張り付けられて設けられている。したがって、このベルト状部材120に圧接する状態となっている標示体駆動部700の回転体部703は、回転円板117の回転に伴って標示体駆動部700が回転方向に移動するときに、回転(自転)する。
【0158】
以上のように構成されているので、第5の実施形態の標示体移動装置5において、駆動モータ104が駆動されると、回転軸101と、パイプ部材131とが互いに逆方向に回転駆動される。そして、回転円板107が回転軸101と共に回転し、外側の円周上の標示体駆動部300Bが回転円板107の回転方向に移動する。この移動により、標示体駆動部300Bの回転体部303とベルト状部材110との圧接による摩擦により当該回転体部303が回転(自転)する。
【0159】
また、回転円板117がパイプ部材131と共に、回転軸101とは逆方向に回転し、内側の円周上の標示体駆動部700が回転円板117の回転方向、すなわち、標示体駆動部300Bの移動方向とは逆方向に移動する。この移動により、標示体駆動部700の回転体部703とベルト状部材120との圧接による摩擦により当該回転体部703が、標示体駆動部300Aの回転体部303の回転方向とは逆方向に回転(自転)する。
【0160】
したがって、第5の実施形態の標示体移動装置5においては、標示体駆動部300Bに磁気的に吸着されている標示体200と、標示体駆動部700に磁気的に吸着されている標示体200は、互いに逆方向に回転(自転)しながら、互いに逆方向の回転方向に移動するような動作を行う。
【0161】
したがって、この第5の実施形態の標示体移動装置5によれば、同心円状の2重の円周上に配設された複数の標示体200をそれぞれを、互いに逆方向に回転(自転)させながら、互いに逆方向の回転方向に移動させるようにすることができ、よりエンタテインメント性の高い動きをする玩具を提供することができる。
【0162】
なお、上述の第5の実施形態の例は、回転部材が回転円板とされる第1の実施形態の場合に適用した例であるが、回転部材をアーム回転部材の構成とした第2の実施形態の場合にも、同様の構成とすることができる。
【0163】
また、上述した第1の実施形態についての変形例は、この第5の実施形態の標示体移動装置2についても適用可能であることは言うまでもない。
【0164】
[その他の実施形態又は変形例]
なお、筐体100は、上述の実施形態のような直方体形状の箱型ではなく、平板の上面板を備える円筒状形状としてもよい。
【0165】
また、標示体駆動部の回転体部の外周側面が圧接あるいは噛み合う部材は、円周方向の全周分に配設するのではなく、所定の角度間隔で途切れ途切れに設けられるようにしてもよい。その場合には、回転体駆動部材が存在している回転方向位置でのみ、標示体は回転(自転)をすることになる。
【符号の説明】
【0166】
1,2,3,4…標示体移動装置、100…筐体、100a…上面板100a、101…回転軸、104…駆動モータ、107,117…回転円板、109,109A,119…支持部材、110,110A,120…ベルト状部材、111…アーム回転部材、111a…アーム部、112…回転円板、131…パイプ部材(筒状体)、200…標示体、210…標示体回転部、213…自転軸部、215M…磁石片、220…標示体支持部、222…軸受け部、224M…磁石片、300,300A…標示体駆動部、301Ma,301Mb…磁石片、302…軸部、303…回転体部、400,500,700…標示体駆動部、403,503,703…回転体部、504…プーリ、601…長孔の貫通孔、602…弾性偏倚部材
【要約】
【課題】磁気的な吸着力を用いて標示体を回転(自転)させながら移動させる。
【解決手段】筐体の非磁性体材料からなる平板の上面板に対して平行な面内で回転するように設けられる回転部材と、上面板の外部に露出する表面上に載置されるものであって、上面板の表面に対向する側に磁気的結合部材を有する標示体と、回転部材の上面板と対向する面側に取り付けられ、回転部材の回転に伴い回転方向に移動する標示体駆動部とを備える。標示体駆動部は、標示体の磁気的結合部材と上面板を介して磁気的に結合して、標示体を磁気的に吸着する磁気的吸着部材を有すると共に、回転部材の回転に伴って、上面板に直交する方向の軸に対して回転自在に取り付けられた回転体部を備えており、吸着した標示体を、回転体部の回転により上面板の表面上において上面板に直交する方向の軸を中心として回転させながら、回転部材の回転に伴って移動させる。
【選択図】図3
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