(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】プロジェクタの制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 9/31 20060101AFI20220120BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220120BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20220120BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H04N9/31 500
H04N9/31 020
G09G3/20 680C
G09G3/20 670L
G09G3/34 J
G03B21/00 D
(21)【出願番号】P 2020500108
(86)(22)【出願日】2017-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2017114711
(87)【国際公開番号】W WO2019006982
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】201710548118.1
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514090979
【氏名又は名称】深▲せん▼光峰科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APPOTRONICS CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】20F-22F, High-Tech Zone Union Tower, No.63,Xuefu Road, Yuehai Street, Nanshan District, Shenzhen,Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】陳 凱栄
(72)【発明者】
【氏名】江 浩
(72)【発明者】
【氏名】宋 起涛
(72)【発明者】
【氏名】李 屹
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-157348(JP,A)
【文献】米国特許第09261768(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0204346(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0179824(US,A1)
【文献】特開2002-214699(JP,A)
【文献】特開2006-098979(JP,A)
【文献】特開2008-233604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/31
H04N 5/74
G09G 3/00-5/00
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタの制御システムであって、
前記制御システムは、メインコントローラ、動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび光源を含み、
前記動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラおよび電源モジュールを含み、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールは、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールから発された前記フィードバック信号を受信し、
前記メインコントローラは、光源の輝度情報を含む動的輝度情報を前記DLPモジュールに送信し、
前記DLPモジュールは、メインコントローラの動的輝度情報を受信し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールのフィードバック信号に基づいて処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、
前記光源コントローラは、受信した、DLPモジュールから送信された処理後の動的輝度情報と制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、
前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動
し、
前記DLPモジュールは、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であるか否かを判断し、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上である場合のみに、前記動的輝度情報および制御信号を前記光源コントローラに送信することにより、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御することを特徴とするプロジェクタの制御システム。
【請求項2】
前記カラーホイールは、複数のカラーホイール領域に区分され、前記光源から発された光線は、前記カラーホイールの回動中において前記カラーホイール領域に順に作用し、前記DLPモジュールは、前記時系列制御情報が前記カラーホイール領域に対する前記光線の作用時間に整合するように、前記時系列制御情報を調整することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記輝度情報は、それぞれ前記複数のカラーホイール領域に対応し、前記メインコントローラは、前記光線が前記複数のカラーホイール領域のうちの何れか1つのカラーホイール領域に作用し始めると同時に、前記DLPモジュールが前記動的輝度情報を前記光源コントローラに送信して前記何れか1つのカラーホイール領域に対応させるように、前記時系列制御情報を調整することを特徴とする請求項
2に記載の制御システム。
【請求項4】
プロジェクタの制御システムであって、
前記制御システムは、メインコントローラ、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラおよび光源を含み、
前記カラーホイール保護・動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび電源モジュールを含み、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールおよび前記光源コントローラは、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールから発されたフィードバック信号を受信し、
前記メインコントローラは、光源の輝度情報を含む動的輝度情報を前記DLPモジュールに送信し、
前記DLPモジュールは、メインコントローラの動的輝度情報を受信し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールのフィードバック信号に基づいて、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、
前記光源コントローラは、前記フィードバック信号におけるカラーホイールの実回転数が目標に達すると、受信したDLPモジュールから送信された処理後の動的輝度情報と制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、
前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動
し、
前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと前記DLPモジュールおよび前記光源コントローラのいずれかが判断したときに、前記電源モジュールがオフ状態を維持するように制御することを特徴とする制御システム。
【請求項5】
前記DLPモジュールおよび前記光源コントローラは、何れも前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であるか否かを判断し、前記DLPモジュールは、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であると判断したときに、前記動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記光源コントローラは、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であると判断したときに、前記動的輝度情報に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御することを特徴とする請求項
4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記カラーホイールは、複数のカラーホイール領域に区分され、前記光源から発された光線は、前記カラーホイールの回動中において前記カラーホイール領域に順に作用し、前記DLPモジュールは、前記時系列制御情報が前記カラーホイール領域に対する前記光線の作用時間に整合するように、前記時系列制御情報を調整することを特徴とする請求項
4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記輝度情報は、それぞれ前記複数のカラーホイール領域に対応し、前記メインコントローラは、前記光線が前記複数のカラーホイール領域のうちの何れか1つのカラーホイール領域に作用し始めると同時に、前記DLPモジュールが前記動的輝度情報を前記光源コントローラに送信して前記何れか1つのカラーホイール領域に対応させるように、前記時系列制御情報を調整することを特徴とする請求項
6に記載の制御システム。
【請求項8】
プロジェクタの制御方法であって、
前記制御方法は、メインコントローラ、動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび光源によって実施され、
前記動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラおよび電源モジュールを含み、
前記制御方法において、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、前記カラーホイールが回動した後で、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールは、前記フィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断し、
前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるとき
のみに、前記DLPモジュールは、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記光源コントローラは、受信された制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動し、
カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないときに、前記DLPモジュールは、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号を前記カラーホイールコントローラに送信して前記カラーホイールの回動を調整することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
プロジェクタの制御方法であって、
前記制御方法は、メインコントローラ、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラおよび光源によって実施され、
前記カラーホイール保護・動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび電源モジュールを含み、
前記制御方法において、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、前記カラーホイールが回動した後で、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールと前記光源コントローラは、何れも前記フィードバック信号を受信し、何れも前記フィードバック信号に含まれるカラーホイール回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断し、
前記DLPモジュールは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、
前記DLPモジュールは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラに送信して前記カラーホイールの回動を調整し、
前記光源コントローラは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、受信された制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、前記光源コントローラは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、電源モジュールがオフ状態を維持するように制御し、
前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動し、
前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影技術分野に関し、特にプロジェクタの制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のDLP(Digital Light Processing)デジタル光学処理技術プロジェクタは、時系列型カラーホイール混色法を用いた光源システムである。光源が順にカラーホイールを透過して赤色画面、緑色画面および青色画面が投影されて混色することにより、カラー画面は形成される。プロジェクタの最終的な結像の画面の色品質は、カラーホイールに照射される光源強度によって決定される。光源システムに対する市場のパワー要求が大きくなるにつれて、様々な高パワーの光源が出現し続けており、光源システムにおけるカラーホイールは、ますます大きな光エネルギーを受信する。カラーホイールが高速で動いている場合に、単位時間内にこれらの光エネルギーが固定セグメントに集中しないが、意外が発生すれば(例えば、光学機械システムに故障が発生するなどによって、カラーホイールが突然回転停止したり、回転数が著しく低下するとき)、単位時間内にこれらの光エネルギーは局所的な過剰な熱の蓄積によりカラーホイールを焼損させてしまう。また、カラーホイールの回動速度が変化すると、メイン制御デバイスの動的制御が間に合わず、これに起因して、カラーホイールの回転数とメインコントローラが異なる信号を発する時間間隔とが不整合し、カラーホイールの一部の特定領域で受信された光線強度が変化して、結像効果が良くなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が主に解決する技術課題は、プロジェクタカラーホイールの安全と結像効果を確保するために、リアルタイムでカラーホイールの実回転数に応じて、異なる信号を発するようにメインコントローラを動的に調整できるプロジェクタ制御システムおよび制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明で採用される解決手段の一つは、プロジェクタの制御システムを提供する。前記制御システムは、メインコントローラ、動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび光源を含み、
前記動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラおよび電源モジュールを含み、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールは、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールから発された前記フィードバック信号を受信し、
前記メインコントローラは、光源の輝度情報を含む動的輝度情報を前記DLPモジュールに送信し、
前記DLPモジュールは、メインコントローラの動的輝度情報を受信し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールのフィードバック信号に基づいて、処理後の動的輝度情報および制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、
前記光源コントローラは、受信した、DLPモジュールから送信された処理後の動的輝度情報と制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、
前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動する。
【0005】
以上の技術課題を解決するために、本発明は、プロジェクタの制御システムをさらに提供する。前記制御システムは、メインコントローラ、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラおよび光源を含み、
前記カラーホイール保護・動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび電源モジュールを含み、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、前記カラーホイールが回動した後で、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールおよび前記光源コントローラは、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールから発されたフィードバック信号を受信し、
前記メインコントローラは、光源の輝度情報を含む動的輝度情報を前記DLPモジュールに送信し、
前記DLPモジュールは、メインコントローラの動的輝度情報を受信し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールのフィードバック信号に基づいて、処理後の動的輝度情報および制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、
前記光源コントローラは、前記フィードバック信号におけるカラーホイールの実回転数が目標に達すると、受信したDLPモジュールから送信された処理後の動的輝度情報と制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、
前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動する。
【0006】
以上の技術課題を解決するために、本発明は、プロジェクタの制御方法をさらに提供する。前記制御方法は、メインコントローラ、動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび光源によって実施され、
前記動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラおよび電源モジュールを含み、
前記制御方法において、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、前記カラーホイールが回動した後で、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールは、前記フィードバック信号を受信し、DLPモジュールは、前記フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断し、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるときに、前記DLPモジュールは、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、前記光源コントローラは、受信された制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、前記DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、前記電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動し、
カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないときに、前記DLPモジュールは、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラに送信して前記カラーホイールの回動を調整する。
【0007】
以上の技術課題を解決するために、本発明は、プロジェクタの制御方法をさらに提供する。前記制御方法は、メインコントローラ、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール、カラーホイールコントローラおよび光源によって実施され、
前記カラーホイール保護・動的電流調節モジュールは、DLPモジュール、光源コントローラ、カラーホイール回転数フィードバックモジュールおよび電源モジュールを含み、
前記制御方法において、
前記カラーホイールコントローラは、DLPモジュールの制御信号に基づいてカラーホイールの回動を制御し、前記カラーホイール回転数フィードバックモジュールは、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成し、
前記DLPモジュールと前記光源コントローラは、何れも前記フィードバック信号を受信し、何れも前記フィードバック信号に含まれるカラーホイール回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断し、
DLPモジュールは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラに送信し、
前記DLPモジュールは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラに送信して前記カラーホイールの回動を調整し、
前記光源コントローラは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、受信された制御信号に基づいて、電源モジュールが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、前記光源コントローラは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、電源モジュールがオフ状態を維持するように制御し、
電源モジュールは、出力された対応する電流値に基づいて、光源の発光を駆動し、
DLPモジュールが送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含む。
【発明の効果】
【0008】
以上の解決手段によれば、動的電流調節モジュールは、カラーホイール回転数フィードバックモジュールによりカラーホイールの実回転数情報をリアルタイムでフィードバックし、DLPモジュールは、DLPモジュールが異なる動的輝度情報を発する時間間隔がカラーホイールの実回転数に整合するように、カラーホイールの実回転数情報に基づいて、各動的輝度情報を発する時系列制御情報を調整し、さらにプロジェクタの結像効果を確保するとともに、カラーホイールの局所的な損傷をも回避する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による制御システムを含むプロジェクタの模式的なブロック図
【
図2】本発明の別の実施形態の制御システムを含むプロジェクタの模式的なブロック図
【
図3】
図1の実施形態のプロジェクタに対応する制御方法の動作フローチャート
【
図4】
図2の実施形態のプロジェクタに対応する制御方法の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面および実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1を参照すると、本発明に係るプロジェクタ制御システムは、プロジェクタに適用され、当該制御システム100は、メインコントローラ10、動的電流調節モジュール90、カラーホイールコントローラ30、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40および光源70を含む。
【0012】
具体的には、動的電流調節モジュール90は、DLPモジュール20、光源コントローラ50および電源モジュール60を含む。
【0013】
メインコントローラ10は、目標回転数情報および動的輝度情報(すなわち、複数の輝度値の異なる輝度情報)をDLPモジュール20に送信する。
【0014】
DLPモジュール20は、目標回転数情報に基づいて制御信号を生成し、カラーホイールコントローラ30に伝送する。同時に、メインコントローラ10から送信された動的輝度情報、および、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40から発された、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号に基づいて、処理後の動的輝度情報(動的とは、複数の輝度値の異なる輝度情報にそれぞれ対応することを指す)を生成して光源コントローラ50に伝送し、処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報と、カラーホイールの実回転数に応じてカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含む。
【0015】
カラーホイールコントローラ30は、制御信号に基づいて、カラーホイール80が一定の速度で回動するように制御する。
【0016】
カラーホイール回転数フィードバックモジュール40は、カラーホイールの実回転数情報をフィードバックする。具体的には、本実施例では、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40がカラーホイール80の実回転数情報をDLPモジュール20にフィードバックすることで、DLPモジュール20が処理後の動的輝度情報を発する時間間隔が、カラーホイールのセグメントに整合するように、DLPモジュール20は、実回転数情報に基づいて時系列制御情報を調整する。
【0017】
光源コントローラ50は、DLPモジュール20から伝送された処理後の動的輝度情報に基づいて、光源70の発光を駆動するために、対応する電流値を出力するように電源モジュール60を制御する。
【0018】
メインコントローラ10が発する動的輝度情報(輝度値が変化する輝度情報)は、カラーホイール80上の複数のカラーホイール領域にそれぞれ対応すると理解され得る。DLPモジュール20は、処理後の輝度情報がカラーホイールの複数の領域のうちの何れか1つのカラーホイール領域に1対1で対応するように、異なる輝度情報に基づいて、処理後の輝度情報の時間間隔を発する。理解を容易にするために、以下さらに説明する。
図1に示すように、カラーホイールは、A領域とB領域とを含み、DLPモジュール20がカラーホイールA領域に対応する第1処理後の輝度情報を発してからカラーホイールB領域に対応する第2処理後の輝度情報を発するまでの時間間隔は、Tである。DLPモジュール20は、カラーホイールA領域に対応する第1処理後の輝度情報を光源コントローラ50に発し、光源コントローラ50は、受信された輝度情報に基づいて、電源モジュール60が対応する電流値を出力するように制御し、光源の発光輝度は、電源モジュール60によって発される電流値の大きさによって制御されるため、電源モジュール60は、出力された対応する電流値に基づいて、光源70の発光を駆動し、最初に光線がちょうどA領域のA1に作用し、カラーホイール80の時計回りの回動に伴って(他の実施例では、カラーホイール80は反時計回りの回動であってもよい)、光線の作用位置がA1からA2に移動する。全過程において、A領域に作用する光線強度が変わらず、当該光線強度が第1処理後の輝度情報によって決定され、かつ、光線がA1に作用してから光線がA2に作用するまでの時間長さは、ちょうどTに等しい。すなわち、この時間間隔内に電源モジュール60が発する電流値は、変化しない。DLPモジュール20は、カラーホイール領域Bに対応する第2処理後の輝度情報を発し、B領域に作用する光線強度の大きさは、第2処理後の輝度情報によって決定され、かつ、当該強度下の光線がB領域に作用する時間長さは、ちょうどDLPモジュール20が第2処理後の輝度情報を発してからDLPモジュール20が次の処理後の輝度情報を発するまでの時間間隔に等しく、すなわち、この時間間隔内に電源モジュール60が発する電流値は、変化しない。
【0019】
以上の実施例に係るプロジェクタ制御システムは、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40によりカラーホイール80の実回転数情報をリアルタイムでフィードバックし、DLPモジュール20は、光源70が処理後の輝度情報度に応じて発する光線が作用する領域が何れも、ちょうどカラーホイール80上の対応する各領域に対応するように、カラーホイール80の実回転数に基づいて、異なる処理後の輝度情報をDLPモジュール20に送信する時間間隔をリアルタイムで調整することで、カラーホイール80の実回転数に整合することを保証する。光源70の輝度は、電源モジュール60によって発される電流値の大きさによって制御されるため、各時間間隔内において、電源モジュール60が発する電流値は同じである。これによって、電流動的調節の目的を実現し、さらにプロジェクタの結像効果を確保する。
【0020】
よりさらに、DLPモジュール20は、カラーホイール回動の1回転に対応する電源モジュール60の電流の大きさを動的に調節することができ、この場合、カラーホイール80が1回転回動する度に、対応する電源モジュール60の電流の大きさが1回変化するが、もちろん、カラーホイールが複数回転回動する度に、対応する電源モジュール60の電流の大きさが1回変更してもよい。理解され得ることとしては、カラーホイールが完全に1回転または複数回転回動する度に、DLPモジュール20は、カラーホイールに対応して処理後の輝度情報を光源コントローラ50に発し、光源コントローラ50は、電源モジュール60が対応する電流値を出力するように制御し、光源の輝度が電源モジュール60によって制御されて発光するため、光源70は、対応する電流の大きさに応じて発光する。これにより、電流動的調節の目的を実現し、さらにプロジェクタの結像効果を確保する。
【0021】
具体的には、一実施例では、DLPモジュール20は、フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であるか否かを判断し、そうであれば、DLPモジュール20は、制御信号を光源コントローラ50に送信し、電源コントローラ50は、受信された制御信号に基づいて、電源モジュール60が電源スイッチをオンにするように制御し、同時に、DLPモジュール20は、動的輝度情報を光源コントローラ50に送信し、これにより、電源モジュール60が対応する電流値を出力するように制御する。このような構成を採用することにより、カラーホイール80の回転数が目標に達しない場合に、電源モジュール60のスイッチをオンにしないことにより、カラーホイール80の回転数が遅すぎて、光線がカラーホイール80のある領域に照射する時間が長く過ぎて、カラーホイール80を焼損することは、回避することができる。
【0022】
好ましくは、カラーホイール80が1回転回動する度に、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40は、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を発する。他の実施例では、カラーホイールは、半回転または2回転、または他の所定数の回転回動して、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を定期で発してもよい。
【0023】
図2を参照すると、別の実施形態では、動的調節の役割を果たす部位は、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール90aであり、当該カラーホイール保護・動的電流調節モジュール90aは、DLPモジュール20a、光源コントローラ50a、カラーホイール
回転数フィードバックモジュール40aおよび電源モジュール60aを含む。第1実施例との相違点としては、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40aは、カラーホイールの実回転数情報をDLPモジュールにフィードバックするだけではなく、さらにカラーホイール80aの実回転数情報を光源コントローラ50aにフィードバックし、光源コントローラ50aは、実回転数情報に基づいて、カラーホイール80aの実回転数が所定の回転数標準に達するか否かを判断し、回転数標準に達し且つDLPモジュール20aが処理後の動的輝度情報を出力すると同時に、電源モジュール60aが駆動電流値を生成するように制御し、カラーホイールの安全性を保護する前提で、電流動的調節の目的を実現し、さらにプロジェクタの結像効果を確保する。
【0024】
このような設計要求の下で、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないとDLPモジュール20aと光源コントローラ50aのいずれかが判断したときに、電源モジュール60aは、電源スイッチをオンにしないが、第1実施例のDLPモジュールが電源モジュールの電源スイッチを個別に制御する場合に比べて、本実施例は、二重保護の作用を奏することができ、DLPモジュールのシステム異常に起因して電源モジュールの電源スイッチを誤ってオンすることはなく、カラーホイールの破損を回避する。
【0025】
上記実回転数が所定の回転数標準に達するか否かとは、フィードバック信号に含まれるカラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数以上であるときに、回転数標準に達することを意味し、通常の場合、DLPモジュールと光源コントローラにおいてシステムの所定のカラーホイール回転数は同じであるが、DLPモジュールと光源コントローラにおいてシステムの所定のカラーホイール回転数は異なってもよい。
【0026】
本発明は、プロジェクタの制御方法をさらに提供する。
図1および
図3を参照すると、当該制御方法は、メインコントローラ10、動的電流調節モジュール90、カラーホイールコントローラ30、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40および光源70を含む。
【0027】
動的電流調節モジュール90は、DLPモジュール20、光源コントローラ50および電源モジュール60を含む。
【0028】
カラーホイールコントローラ30は、DLPモジュール20の制御信号に基づいて、カラーホイール80の回動を制御し、カラーホイール回転数フィードバックモジュール40は、カラーホイールの実回転数を含むフィードバック信号を生成する。
【0029】
DLPモジュール20は、当該フィードバック信号を受信し、DLPモジュール20は、当該フィードバック信号に含まれるカラーホイール回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断し、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるときに、DLPモジュール20は、処理後の動的輝度情報と制御信号を光源コントローラ50に送信し、前記光源コントローラ50は、受信された制御信号に基づいて、電源モジュール60が電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御し、DLPモジュール20が送信する処理後の動的輝度情報は、光源の輝度情報とカラーホイールセグメントに整合する時系列制御情報とを含み、電源モジュール60は、出力された対応する電流値に基づいて、光源70の発光を駆動する。
【0030】
ただし、メインコントローラ10は、動的輝度情報をDLPモジュール20に送信し、メインコントローラが送信する動的輝度情報は、光源の輝度情報を含む。
【0031】
カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないときに、DLPモジュール20は、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラ30に送信してカラーホイール80の回動を調整する。
【0032】
図2および
図4を参照すると、別の実施例のプロジェクタの制御方法では、動的調節の役割を果たす部分は、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール90aであり、カラーホイール保護・動的電流調節モジュール90aは、DLPモジュール20a、光源コントローラ50a、カラーホイール
回転数フィードバックモジュール40aおよび電源モジュール60aを含む。
【0033】
本実施例と先の実施例との相違点としては、DLPモジュール20aと光源コントローラ50aは、何れもカラーホイール回転数フィードバックモジュール40aから発されたフィードバック信号を受信し、何れも当該フィードバック信号に含まれるカラーホイール回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるか否かを判断する。DLPモジュール20aは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、処理後の動的輝度情報と制御信号を前記光源コントローラ50aに送信する。
【0034】
DLPモジュール20aは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラ30aに送信して前記カラーホイールの回動を調整する。
【0035】
光源コントローラ50aは、前記カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えると判断したときに、受信された制御信号に基づいて、電源モジュール60aが電源スイッチをオンにして対応する電流値を出力するように制御する。光源コントローラ50aは、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないと判断したときに、電源モジュール60aがオフ状態を維持するように制御する。
【0036】
以上の方法についてさらに説明すると、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えないときに、当該DLPモジュール20aは、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えるまで、制御信号をカラーホイールコントローラ30aに送信してカラーホイール80aの回動を調整する。カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数を超えない場合、光源コントローラ50aは、電源モジュール60aが対応する電流値を出力するように制御することではなく、光源70aはオフ状態を維持する。このようにすることにより、カラーホイール80aに対して二重保護の作用を奏することができ、DLPモジュール20aが破損してカラーホイールの実回転数に応じて対応する調整ができなくても、カラーホイールの実回転数がシステムの所定のカラーホイール回転数よりも小さいときに電源モジュール60aの電源スイッチを誤ってオンすることはなく、カラーホイール80aの破損を回避する。
【0037】
以上の説明は、単に本発明の実施形態に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。本発明の明細書および図面の内容を利用してなされる等価な構造や等価なフロー変換、または他の関連する技術分野における直接または間接的な運用は、何れも同様な理由により本発明の特許請求の範囲に含まれる。