(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20220120BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20220120BHJP
【FI】
A24B15/167
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2020545418
(86)(22)【出願日】2018-09-03
(86)【国際出願番号】 CN2018103849
(87)【国際公開番号】W WO2019119874
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】201711361766.2
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520172317
【氏名又は名称】広東精彩国際生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG WONDERFUL INTERNATIONAL BIOTECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】South Orange Road, Bodong Science Park, Yangqiao Town, Boluo County Huizhou, Guangdong 516517, CN
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】銭 剣氷
(72)【発明者】
【氏名】馬 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲瞻▼ 保鳴
【審査官】山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-531008(JP,A)
【文献】特表2017-530705(JP,A)
【文献】特開平09-173039(JP,A)
【文献】特開平03-183465(JP,A)
【文献】特表2014-511672(JP,A)
【文献】特表2016-526921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、
成分として、微結晶セルロース8~20重量部、タバコ粉末50~80重量部、タバコ分解物0.5~2重量部、タバコ味調整剤1重量部、霧化剤8~30重量部、タバコ用フレーバー0.1~2重量部、プロピレングリコール1~10重量部を含
み、
前記霧化剤は、ポリオール又はポリオールのエステル類誘導体であり、
前記タバコ味調整剤はアルカロイドと水から構成される
ことを特徴とする非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項2】
前記タバコ分解物は、遠赤外線加熱方法によってタバコを250~310℃で分解した産物である
ことを特徴とする請求項1に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項3】
分解対象となるタバコは、熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)、空気乾燥タバコ(air-cured tobacco)又は日干乾燥タバコ(sun-cured tobacco)のうちの1種又は複数種である
ことを特徴とする請求項2に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項4】
前記分解対象となるタバコはジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)である
ことを特徴とする請求項3に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項5】
前記アルカロイドは、ニコチン又はカフェインから選ばれ、
ニコチンから選ばれる場合、前記タバコ味調整剤は、ニコチン20~40質量%、水60~80質量%から構成され、
カフェインから選ばれる場合、前記タバコ味調整剤は、カフェイン5~20質量%、水80~95質量%から構成される
ことを特徴とする請求項
1に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項6】
前記タバコ味調整剤は、ニコチン35質量%、水65質量%から構成される
ことを特徴とする請求項
5に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項7】
前記霧化剤は植物性グリセリンである
ことを特徴とする請求項
1に記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒。
【請求項8】
請求項
1~7の何れかに記載の非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の製造方法であって、
含水率を8~10%に制御するように、60℃の条件で、タバコ葉を乾燥して粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする工程Aと、
工程Aで得られた前記50~80メッシュのタバコ粉末を、前記微結晶セルロース、タバコ分解物、タバコ味調整剤、霧化剤、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する工程Bと、
乾燥済みタバコ顆粒の含水率が11~13%となるように、工程Bで得られた前記タバコ顆粒の仕掛品を、真空度20~40Pa、温度50~65℃の条件で乾燥する工程Cと、
工程Cで得られた前記乾燥済みタバコ顆粒を、流動床で成形して篩にかけて、20~30メッシュの非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る工程Dとを含む
ことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型タバコ製品の技術分野に属し、具体的には、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている非燃焼加熱式製品に充填されたタバコ材料は、主に刻みタバコ、濃厚スラリー法によるタバコフレーク、製紙法によるタバコフレークであり、専用の電気加熱装置を用いて加熱されて霧化し、喫煙者へ喫煙のような体感を与える。電気加熱による加熱温度は、通常、250-310℃であり、紙巻きタバコが燃えるのに必要な温度である700-800℃よりも遥かに低い。
【0003】
このような非燃焼加熱式の材料には、通常、以下のような問題がある。一般的には、充填されたこのようなタバコ材料の密度が高く、木材パルプ繊維などの成分の含有量が高いものもあるため、充填されたタバコ材料の加熱速度が低く、加熱するときの熱伝導性が悪く、又は、タバコ材料の形態による影響のため、均一に加熱できず、喫煙者が従来型低タール紙巻きタバコを吸うときの体感を実現できず、又は、タバコ固有の味調整剤が添加されていないため、従来型紙巻きタバコの製品を喫煙する場合に比べて、喫煙による生理的満足感には、大きな差異がある。
【0004】
また、非燃焼加熱式タバコに充填されるタバコ材料の加工プロセスにも、いくつかの問題があり、たとえば、中国特許CN104366687Bには、タバコ原料を粉砕機で予備粉砕して、長さ2cm以下、直径0.2cm以下の粉末にし、得られた前述粉末をマイクロ波膨張装置に入れて、単管パワー1.5KW、2450MHz高周波数でマイクロ波膨張を20-40分間行い、膨張後の顆粒の仕掛品を得ることが開示されており、このようなプロセスは、現在、一般的に使用されており、しかしながら、マイクロ波膨張又は加工温度の高いステップを経ると、タバコ香味物質の流失を引き起こしやすく、従来型低タール紙巻きタバコに相当する香りや味の体感を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術の欠点に対して、本発明の目的は、従来技術における非燃焼加熱式タバコ用喫煙製品の欠点を解消するために、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒及び製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明の技術案は、以下のとおりである。
【0007】
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース8~20重量部、タバコ粉末50~80重量部、タバコ分解物0.5~2重量部、タバコ味調整剤1重量部、霧化剤8~30重量部、タバコ用フレーバー0.1~2重量部、プロピレングリコール1~10重量部を含む。
【0008】
好ましくは、前記タバコ分解物は、遠赤外線加熱方法によってタバコを250~310℃で分解した産物である。
【0009】
好ましくは、前記分解対象となるタバコは、熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)、空気乾燥タバコ(air-cured tobacco)又は日干乾燥タバコ(sun-cured tobacco)のうちの1種又は複数種である。
【0010】
好ましくは、前記分解対象となるタバコは、ジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)である。
【0011】
好ましくは、前記タバコ味調整剤はアルカロイドと水から構成される。
【0012】
好ましくは、前記アルカロイドはニコチン又はカフェインから選ばれ、
ニコチンから選ばれる場合、前記タバコ味調整剤は、ニコチン20~40質量%、水60~80質量%から構成され、
カフェインから選ばれる場合、前記タバコ味調整剤は、カフェイン5~20質量%、水80~95質量%から構成される。
【0013】
好ましくは、前記タバコ味調整剤は、ニコチン35質量%、水65質量%から構成される。
【0014】
好ましくは、前記霧化剤は、ポリオール又はポリオールのエステル類誘導体である。
【0015】
好ましくは、前記霧化剤は、植物性グリセリン又はグリセリンである。
【0016】
好ましくは、前記霧化剤は、植物性グリセリンであり、前記霧化剤は、好ましくは植物性グリセリンであり、植物性グリセリンは、天然植物から抽出されるものであり、使用上の安全性が高く、煙の発生量が大きく、煙が柔らかく、口当たりが甘くてスムーズであり、喫煙するときに喉の快適性が良好である。
【0017】
上記非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の製造方法は、
含水率を8~10%に制御するように、60℃の条件で、タバコ葉を乾燥して粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする工程Aと、
ステップAで得られた前記50~80メッシュのタバコ粉末を、前記微結晶セルロース、タバコ分解物、タバコ味調整剤、霧化剤、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する工程Bと、
乾燥済みタバコ顆粒の含水率が11~13%となるように、工程Bで得られた前記タバコ顆粒の仕掛品を、真空度20~40Pa、温度50~65℃の条件で乾燥する工程Cと、
工程Cで得られた前記乾燥済みタバコ顆粒を、流動床(流動床は、常州力馬社製型番ZLG-4.5×0.6の流動床であり、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュの非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る工程Dとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、積極的で進歩のある下記有益な効果を有する。1、加熱性能に優れている。2、加熱シートを用いて250~310℃で加熱するときに、煙を素早く発生できる。3、完全に加熱でき、煙の発生量が大きい。4、従来型紙巻きタバコを喫煙する場合に相当するタバコの香りや味及び生理的満足感を有する。5、加工プロセスの難度が低い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の製造プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の前記タバコ粉末は、熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)、空気乾燥タバコ(air-cured tobacco)又は日干乾燥タバコ(sun-cured tobacco)のうちの1種を粉砕機で粉末状に粉砕し、含水率を8~10%に制御するように60℃の条件で乾燥し、次に篩にかけて、50~80メッシュのタバコ粉末を得て、原料としたものである。本発明の前記タバコ粉末は、好ましくは、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末、バレー種タバコ粉末又はアロマティックタバコ粉末である。
【0021】
本発明の前記タバコ分解物は、遠赤外線加熱方法によって250~310℃(非燃焼加熱式タバコ用顆粒を喫煙するときの加熱温度により決まり、たとえば、非燃焼加熱式タバコ用顆粒を喫煙するときの加熱温度が280℃である場合、遠赤外線で加熱する温度は280℃に設定される)で熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)、空気乾燥タバコ(air-cured tobacco)又は日干乾燥タバコ(sun-cured tobacco)のうちの1種又は複数種を高温で分解した産物であり、主成分として、ニコチン、タバコ芳香油成分、及びアルデヒド、ケトン、糖、酸、エステルなどの物質を含む。これら物質は、タバコ固有の香りや味を有し、また、紙巻きタバコの喫煙品質を改善する役割を果たす。分解対象となるタバコ葉は、好ましくは、ジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)である。また、本発明に使用される遠赤外線加熱は、従来の水蒸気加熱、熱風加熱や抵抗加熱などの加熱方法に比べて、加熱速度が高く、製品の品質が高く、設備の占有面積が小さくて、生産コストが低く、加熱効率が高いなどの多くの利点を有し、このような方式によって製造されるタバコ分解物は、品質が高く、異常な匂いや不快な匂いを生じさせない。本発明では、上記特定温度でのタバコ分解物は、タバコ香味物質を増やし、自然のタバコの香り、煙の満足感を向上させるような役割を果たす。これは、本発明の利点の1つである。
【0022】
本発明の前記タバコ味調整剤は、アルカロイドと水から構成され、ここで、前記アルカロイドは、ニコチン又はカフェインから選ばれ、タバコ味調整剤の組成は、ニコチン20~40質量%と水60~80質量%からなり、又は、カフェイン5~20質量%と水80~95質量%からなり、さらに好ましくは、タバコ味調整剤の組成は、ニコチン35質量%と水65質量%から構成される。本発明の前記タバコ味調整剤は、生理的満足感を向上させたり、リフレッシュさせたりするなどの作用を有し、従来型紙巻きタバコと同じ生理的な刺激感をもたらす。これは、本発明の別の利点である。
【0023】
以上の前記タバコ分解物、タバコ味調整剤は、本発明に係る非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の重要な成分であり、これら成分を配合して使用することによって、好ましい効果が達成され、喫煙者へ十分な生理的満足感及びタバコのような味覚的満足感を与える。
【0024】
本発明の前記霧化剤は、ポリオール又はポリオールのエステル類誘導体から選ばれてもよく、植物性グリセリン又はグリセリンから選ばれてもよく、さらには、植物性グリセリンから選ばれてもよい。本発明の前記霧化剤は、好ましくは植物性グリセリンであり、これは、煙の発生量を効果的に増やし、喫煙するときに自然の甘味を有する口当たりを有し、煙の柔らかさが良好であるからであり、植物性グリセリンを添加することによって、本発明の前記非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の喫煙効果を大幅に向上させる。これは、本発明のまた別の利点である。
【0025】
本発明の前記微結晶セルロースは、精製され部分的に解重合されたセルロースであり、白色、無臭、無味であり、多孔質微粒から構成される結晶性粉末である。タバコ顆粒を製造するための重要な造粒成形担体として、優れた造粒作用を有し、且つ均一に造粒でき、粒子のサイズを制御可能であり、そして、成形された顆粒は、良好な多孔質構造を有し、後続で完全且つ十分に加熱することに有利であり、天然植物から由来するものであるため、無毒、無害であり、加温されるときに不快な匂いを生じさせたり、タバコの匂いに適していなかったりすることはない。微結晶セルロースを担体として用いることは、本発明のさらなる利点である。
【0026】
本発明の前記タバコ用フレーバーの種類及び由来については特に制限がなく、当業者にとって公知のタバコ用フレーバーを使用すればよく、前記タバコ用フレーバーは、いずれも市販品として入手できる。
【0027】
本発明を実現するための技術的手段、発明の特徴、目的の達成及び効果を明瞭に理解できるように、以下、特定実施形態にて本発明をさらに説明する。
【0028】
実施例1
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース15.5重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末50重量部、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物0.5重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン30重量部、タバコ用フレーバー2重量部、プロピレングリコール1重量部を含む。製造工程は、以下のとおりである。
1、含水率を8%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、ステップ1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が11%となるように、ステップ2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を、真空度20Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、ステップ3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG~4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例では、前記タバコ味調整剤の組成は、ニコチン20質量%、水80質量%である。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度280℃では、1~2秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
【0029】
実施例2
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース20重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末50重量部、250℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物2重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン15重量部、タバコ用フレーバー2重量部、プロピレングリコール10重量部を含む。製造工程は、以下のとおりである。
1、含水率を10%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、工程1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、250℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が13%となるように、工程2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を真空度40Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、工程3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG-4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形させ、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例では、前記タバコ味調整剤の組成は、カフェイン5質量%、水95質量%である。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度250℃では、2~3秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
【0030】
実施例3
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース12重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末62.4重量部、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物2重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン15重量部、タバコ用フレーバー0.1重量部、プロピレングリコール7.5重量部を含む。製造工程は、以下のとおりである。
1、含水率を9%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、工程1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が12%となるように、工程2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を、真空度20~40Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、工程3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG~4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度280℃では、1~2秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
本実施例は、好ましいものであり、本実施例3で製造された非燃焼加熱式顆粒は、喫煙効果が良好であり、従来型紙巻きタバコを喫煙する場合と同じ香りや味を有し、そして、煙が柔らかく、甘味があり、唾液分泌を促進するなどの利点を有し、さらに保存期間が長く、3年間保存しても優れた品質を維持できる。
本実施例の前記タバコ味調整剤の組成は、ニコチン35質量%、水65質量%である。ニコチンは、タバコ自体に含有する特徴的な物質の1つであり、タバコの重要な成分であり、リフレッシュさせたり、生理的満足感を向上させたりするという効果を奏するが、ニコチンの添加量が高いほど好ましいわけでもないし、ニコチンの添加量が低いほど好ましいわけでもなく、適切にした方が最も好ましい。
本実施例に添加される霧化剤は、植物性グリセリンであり、本実施例のタバコ味調整剤と配合して、本実施例における割合で添加すると、好ましい効果が達成され、それによって、本実施例における非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品は、喫煙されるときに天然の甘味を有し、自然のタバコの香りが強く、また生理的満足度が良好であり、さらに喫煙するときの快適さが十分である。
【0031】
実施例4
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース8重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末80重量部、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物0.9重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン8重量部、タバコ用フレーバー0.1重量部、プロピレングリコール2重量部を含む。
1、含水率を9.5%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、工程1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が11.5%となるように、工程2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を真空度20~40Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、工程3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG~4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例の前記タバコ味調整剤の組成は、ニコチン40質量%、水60質量%である。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度280℃では、1~2秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
【0032】
実施例5
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース20重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)紛末56重量部、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物2重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン15重量部、タバコ用フレーバー1重量部、プロピレングリコール5重量部を含む。
1、含水率を10%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、工程1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、280℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が12%となるように、工程2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を、真空度20~40Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、工程3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG~4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例の前記タバコ味調整剤の組成は、カフェイン20質量%、水80質量%である。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度280℃では、1~2秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
【0033】
実施例6
非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒であって、成分として、微結晶セルロース8重量部、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)粉末74.9重量部、310℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物1重量部、タバコ味調整剤1重量部、植物性グリセリン10重量部、タバコ用フレーバー0.1重量部、プロピレングリコール5重量部を含む。
1、含水率を9%に制御するように、60℃の条件で、濃香型熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)葉を乾燥して、粉末状に粉砕し、次に篩にかけて、粒度50~80メッシュのタバコ粉末を原料とする。
2、工程1で得られた50~80メッシュのタバコ粉末を、微結晶セルロース、310℃のジンバブエ産熱風乾燥タバコ(flue-cured tobacco)分解物、タバコ味調整剤、植物性グリセリン、タバコ用フレーバー、プロピレングリコールと十分に混合して均一にして、タバコ顆粒の仕掛品を製造する。
3、乾燥済みタバコ顆粒の含水率が12.5%となるように、工程2で得られたタバコ顆粒の仕掛品を、真空度20~40Pa、50~65℃の条件で乾燥する。
4、ステップ3で得られた乾燥タバコ顆粒を、流動床(常州力馬社製型番ZLG~4.5×0.6の流動床、排出する材料の水分、産量が振幅及び供給量により制御でき、材料を排出するときの温度<40℃である)で成形して、篩にかけて、20~30メッシュのタバコ顆粒として、非燃焼加熱式タバコ用喫煙顆粒の完成品を得る。
本実施例の前記タバコ味調整剤の組成は、ニコチン30質量%、水70質量%である。
本実施例の喫煙顆粒を電気加熱式タバコに適用した結果、温度310℃では、1~2秒間加熱すると煙が発生し、喫煙効果が良好であり、煙の発生量が大きく、タバコの香りが濃厚であり、自然のタバコの香りをしており、生理的満足感が良好であることが明らかになった。
【0034】
当業者が理解できるように、以上の実施例は、本発明を説明するために過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨から逸脱せずに、以上の前記実施例の変化や変形は、すべて本発明の特許請求の範囲に属する。