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  • 特許-制御可能なブラシ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】制御可能なブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 9/10 20060101AFI20220120BHJP
   A46B 7/06 20060101ALI20220120BHJP
   A46B 9/04 20060101ALI20220120BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20220120BHJP
   A46B 13/02 20060101ALI20220120BHJP
   A45D 24/04 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A46B9/10
A46B7/06
A46B9/04
A46B15/00 Z
A46B13/02
A45D24/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020570707
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019066757
(87)【国際公開番号】W WO2020002289
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】18180353.7
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】レリーフェルト マーク ヨハネス
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02660183(US,A)
【文献】実開昭48-054256(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0290733(US,A1)
【文献】国際公開第2014/111646(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106037227(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 1/00 - 17/08
A45D 24/00 - 24/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の毛を持つ毛担体を有する制御可能なブラシであって、
複数の突出部を持つ補助担体を有し、前記補助担体と前記毛担体との間の距離が変更可能であり、前記距離を減少させることが、前記突出部が前記毛担体を通って挿入されることに帰着し、
前記距離を変更するためのアクチュエータと、
センサの出力に応答して前記アクチュエータを制御するための制御ユニットとを更に有する、制御可能なブラシ。
【請求項2】
前記距離を減少させることが、前記突出部が前記毛のなかに挿入されることに帰着する、請求項1に記載の制御可能なブラシ。
【請求項3】
前記距離を減少させることが、前記突出部が前記毛の間に挿入されることに帰着する、請求項1に記載の制御可能なブラシ。
【請求項4】
前記センサは、前記ブラシが受けた力を測定するよう構成された、請求項に記載の制御可能なブラシ。
【請求項5】
前記センサは、スマートフォンのカメラである、請求項に記載の制御可能なブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアブラシ、歯ブラシ又はマッサージブラシのような、制御可能なブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許US6161245Aは、調節可能な毛硬度を持つブラシを開示している。該毛は、毛担体上に弾性的に装着され、少なくともその軸に対して横方向に偏向可能であり、かつ毛の偏向角度が調節可能である。この目的のため、該ブラシは、毛担体上に毛の締結側端部を移動可能に取り付けて毛の長手方向軸線に対して少なくとも横方向に毛の端部の撓みを許容する弾性軸受と、毛の端部の前記横方向撓みの許容量を調整する制御装置と、を備える。制御装置は、弾性軸受に関連する少なくとも1つの剛性軸受を有し、弾性軸受から離間しており、制御装置によって後者に供給することができる。それらの弾性軸受を持つ毛は、剛性の有孔プレートの孔内に固定され、その前面は毛担体の使用側面を形成し、毛の締結側端部は、その背面の有孔プレートの上に突出し、少なくとも1つの剛性軸受との制御装置は、有孔プレートの上に突出する弾性軸受の領域上に係合する。制御装置は、穿孔プレートと実質的に平行な毛担体内に位置し、穿孔プレートに対向するその側面に弾性軸受と関連する少なくとも1つの剛性軸受を有する制御プレートを有する。制御プレートは、毛担体内で案内され、かつ、前記少なくとも1つの剛性軸受と弾性軸受との間の距離が最大となる位置から、距離を減少させながら、穿孔プレートまで送られることができる。
【0003】
米国特許US2660183Aは、上部と、基部と、前記基部から内方に延在する内部凹部と、を有するハンドル本体と、前記ハンドル内部凹部を覆うように複数の離間した開口部を有し、前記ハンドル基部に取り付けられ、前記ハンドル内部凹部を覆うカバープレートと、前記ハンドル凹部内に並置された関係で取り付けられた一対の支持プレートと、複数の毛の群であって、前記支持プレートの一方に離間した関係で取り付けられ、前記毛の群のそれぞれの外側端部が前記カバープレート開口部の一方に摺動可能に係合するよう、該支持プレートから外側に向けて延在する、複数の毛の群と、複数の長細の歯であって、前記支持プレートの他方に離間した関係で取り付けられ、前記歯のそれぞれの外側端部が前記カバープレート開口部の一方に摺動可能に係合するよう、前記支持プレートから外側に向けて延在する、複数の細長い歯と、前記ハンドル本体上部に離間した関係で回転可能に取り付けられた一対の制御ねじ部材であって、前記制御部材の各々が、前記ハンドル凹部内に延在し前記支持プレートの1つと螺合可能に係合したねじ部を含む、一対の制御ねじ部材と、を有し、それによって、前記制御部材のいずれかの独立した回転は、それに接続されたそれぞれの支持プレートに作用するように適合され、前記ハンドルベース部分を越えて前記カバープレートを通って前記毛及び/又は櫛歯を延在させ、前記制御部材の逆回転は、前記ハンドル凹部内に前記毛及び/又は櫛歯を後退させるように適合された、組合せ格納式ブラシ及び櫛構造を開示している。
【0004】
国際特許出願公開WO2014/111646は、ハンドル及び本体と、電気バッテリと、運動センサ又は加速度計と、力センサと、該センサによって供給された信号を取得しフォーマットするように構成された電子ユニットと、データをリモートのエンティティに送信するための無線通信手段と、を備え、それによって該機器に与えられた動き及び加えられた力に関する情報を該リモートのエンティティに送信することができ、該リモートのエンティティは、スタイリングされている毛髪に関する指示を含むフィードバックを該機器のユーザに提供することができる、櫛又はヘアブラシヘアスタイリング機器を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特に、代替の制御可能なブラシを提供することにある。本発明は、独立請求項によって定義される。有利な実施例は、従属請求項に定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の毛を持つ毛担体と、複数の突出部を持つ補助担体とを有する制御可能なブラシであって、補助担体と毛担体との間の距離は変更可能であり、それによって、距離を減少させると、突出部が毛担体を通って挿入されることになる、制御可能なブラシを提供する。距離を減らすと、突出部が毛の内側に挿入される。代替としては、距離を減少させると、突出部が毛の間に挿入される。該制御可能ブラシは、距離を変更するためのアクチュエータ、及びセンサ出力に応じてアクチュエータを制御するための制御ユニットを更に備えても良い。該センサは、ブラシが受ける力を測定するように構成されても良い。代替としては、該センサは、スマートフォンのカメラであっても良い。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例から明らかになり、それを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例を示す。
図2】本発明の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ヘアブラシは髪を引っ張ることができる。例えば結び目が識別されたときに柔軟な毛を解放するために引っ張ることを防止するヘアブラシが存在するが、欠点は、これを防止するときに毛に高い力を及ぼすことができず、時には正しいブラッシング効果及び経験を与えないことである。
【0010】
本発明の実施例は、毛の制御可能な屈曲を提供する。一例では、毛が中空の空洞を有する可撓性ブラシ担体を使用し、この中空の空洞は、屈曲を低減するために、より剛性の高い材料で満たされることができる。より剛性の高い材料は、手動で又はアクチュエータを使用して、可撓性の毛に押し込まれても良い。該アクチュエータは、センサ入力を使用して制御されても良い。該センサは、ブラシの一部であっても良いし、ブラシの外部のものであっても良い。該センサは、毛を通してブラシを引っ張るのに必要な力を感知することができる。該センサは、ブラシが毛を通って引っ張られるときに生じる音を感知することができ、このことは、毛の状態が異なると、毛がブラッシングされるときに生じる音が異なるからである。外部センサは、例えばBluetooth(登録商標)によってブラシに接続されるスマートフォンのカメラによって形成されても良い。
【0011】
図1は、本発明の実施例を例示する。ブラシは、毛のために通常使用される(プラスチック)材料で作ることができる複数の毛Bを持つ毛担体BCを持つ。また該ブラシは、複数の突出部Pを持つ補助担体SCを持ち、毛担体BCと補助担体SCとの間の距離dを小さくすると、突出部Pが毛担体BCに挿通される。特に、図1の実施例では、各突出部Pは、毛Bに挿入され、その結果、毛Bは、より剛性になる。このことは、突出部Pが毛Bと同じ材料で作られている場合に既に起こる。一例においては、突出部Pは、毛Bに使用される材料よりも硬い材料で作られており、それにより突出部Pを毛Bに挿入する補強効果が増大する。一例においては、金属が突出部P及び補助担体SCに使用される。好適には、突出部Pが毛Bに容易に挿入され、毛Bから容易に引っ張られるように、材料が選択される。
【0012】
一例においては、突出部Pは、毛Bの高さのうち一部分だけ毛Bに挿入され、それによって毛Bを毛Bの高さのうち一部分だけ固くする。別の例においては、突出部Pは、毛Bの高さ全体を通して挿入される。
【0013】
図2は、本発明の第2の実施例を例示する。図2の実施例は、距離dがより小さくされると、突出部Pが毛Bの間に挿入され実質的に毛の数を増加させ、それによってブラシの全体の固さが大きくなるという点で、図1の実施例とは異なる。また、突出部Pは、毛Bよりも剛性が高くても良く、それによってブラシの全体的な剛性を増大させても良い。
【0014】
図1及び図2の実施例においては、距離dは、手動で又はアクチュエータ(図示せず)によって変更され得る。該アクチュエータは、センサ出力に応答するものであっても良い制御ユニット(図示せず)によって制御されても良い。該センサは力センサであっても良く、例えばブラッシング中にブラシが受ける力を測定することによって絡まりの存在を測定するセンサであっても良い。代替としては、該センサは、毛髪が絡まっているかどうかを「見る」スマートフォンのカメラであっても良い。
【0015】
上述の実施例は本発明を限定するものではなく説明するものであって、当業者は添付する請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替実施例を設計することが可能であろうことは留意されるべきである。毛B及び図2において突出部Pは、図に示された形状とは異なった形状とされても良く、例えばより長細の長方形であっても良く及び/又は丸い端を持っても良い。請求項において、括弧に挟まれたいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する(comprise)」なる語は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する「1つの(a又はan)」なる語は、複数の斯かる要素の存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって、及び/又は適切にプログラムされたコンピュータによって実装されても良い。幾つかの手段を列記した装置請求項において、これら手段の幾つかは同一のハードウェアのアイテムによって実施化されても良い。相互に異なる従属請求項に記載された手段は、有利に組み合わせて利用され得る。
図1
図2