(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】日付情報読取装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220120BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220120BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G06T7/00 610B
G06K7/10 428
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2021075147
(22)【出願日】2021-04-27
(62)【分割の表示】P 2020199756の分割
【原出願日】2020-12-01
【審査請求日】2021-04-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】霜田 高市
(72)【発明者】
【氏名】藤村 英和
(72)【発明者】
【氏名】倉田 優志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 周太郎
【審査官】粕谷 満成
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064587(JP,A)
【文献】特開2020-027074(JP,A)
【文献】特開2007-238332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06K 7/10
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象物を搬送する搬送部の搬送経路に設けられた撮像エリアに前記読取対象物が進入したことを検知する進入検知部と、
前記撮像エリアを撮像して撮像データを作成する撮像部と、
前記進入検知部の検知結果に基づいて得られた前記読取対象物を含む前記撮像データから前記読取対象物に表記された日付情報を抽出する日付情報取得部と
、
前記搬送経路における前記撮像エリアの下流位置にて前記読取対象物の有無を検知する下流位置センサと
を備え、
前記進入検知部が前記撮像エリアの上流側の端部の位置に設置されて配置位置における前記読取対象物の有無を検知するセンサであり、
前記進入検知部で前記読取対象物が検知された後に前記読取対象物が検知されなくなること
と、前記下流位置センサで前記読取対象物が検知されていないこととをトリガとして前記撮像部に前記撮像エリアを撮像させる
ことを特徴とする日付情報読取装置。
【請求項2】
前記進入検知部の検知結果に基づいて前記撮像部に前記読取対象物を撮像させる撮像制御部を備え、
前記撮像制御部は、前記進入検知部で前記撮像エリアへの前記読取対象物の進入が検知された後、前記下流位置センサで前記読取対象物が検知されている場合には前記撮像部に撮像を停止させることを特徴とする請求項
1記載の日付情報読取装置。
【請求項3】
前記搬送経路にて前記撮像エリアよりも上流位置に配置されたバーコードリーダと、 前記搬送経路にて前記バーコードリーダよりも上流位置に配置されると共に前記読取対象物の有無を検知して前記バーコードリーダを起動させる信号を出力するバーコードリーダ起動センサと
を備えることを特徴とする請求項1
または2記載の日付情報読取装置。
【請求項4】
前記日付情報取得部は、日付情報を賞味期限情報あるいは消費期限情報と判定することを特徴とする請求項1~
3いずれか一項に記載の日付情報読取装置。
【請求項5】
前記搬送部を備えることを特徴とする請求項1~
4いずれか一項に記載の日付情報読取装置。
【請求項6】
前記搬送部は、前記読取対象物の搬送方向を変更する搬送方向変更部を備え、
前記搬送方向変更部に前記撮像エリアが設けられている
ことを特徴とする請求項
5記載の日付情報読取装置。
【請求項7】
前記撮像エリアの前記読取対象物を異なる方向から撮像する複数の前記撮像部を備えることを特徴とする請求項1~
6いずれか一項に記載の日付情報読取装置。
【請求項8】
前記進入検知部は、前記搬送経路における前記撮像エリアの上流位置に配置されて配置位置での前記読取対象物の有無を検知するセンサであることを特徴とする請求項1~
7いずれか一項に記載の日付情報読取装置。
【請求項9】
前記進入検知部は、前記撮像エリアにおける前記読取対象物の有無を検知するエリアセンサであることを特徴とする請求項1~
7いずれか一項に記載の日付情報読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日付情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加工食品等の多くは物流過程において、梱包箱に多数詰められた状態で搬送されている。単一の梱包箱に収容される物品は、同一ロットにて製造された同種物品であることが一般的である。このため、梱包箱には、店舗にて収容物品を識別可能な情報が表記されている。例えば、食品を収容する梱包箱には、上記情報として、賞味期限や消費期限等の日付情報が表記されている。
【0003】
例えば、物品の納品先にて商品の賞味期限や消費期限を管理する場合には、ハンディターミナルによって梱包箱に表記された日付情報を読み取っている。例えば、特許文献1には、ハンディターミナルで読み込んだ賞味期限を管理する賞味期限チェック装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハンディターミナルによって日付情報を読み取る場合には、作業者が1つ1つの梱包箱において、日付情報が表記された位置を探し、発見した日付情報に対してハンディターミナルを近づけて日付情報を読み取る作業を行う必要がある。小売店等には毎日膨大な量の物品が納品される。このため、梱包箱の1つ1つに対してハンディターミナルによる日付情報の読み取り作業を行うことは、作業者の作業負担が大きく、物品の納品作業効率を低下させることとなっている。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、読取対象物に表記された日付情報を自動で読み取り可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、日付情報読取装置であって、読取対象物を搬送する搬送部の搬送経路に設けられた撮像エリアに上記読取対象物が進入したことを検知する進入検知部と、上記撮像エリアを撮像して撮像データを作成する撮像部と、上記進入検知部の検知結果に基づいて得られた上記読取対象物を含む上記撮像データから上記読取対象物に表記された日付情報を抽出する日付情報取得部とを備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記搬送経路における上記撮像エリアの下流位置にて上記読取対象物の有無を検知する下流位置センサを備えるという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記進入検知部の検知結果に基づいて上記撮像部に上記読取対象物を撮像させる撮像制御部を備え、上記撮像制御部が、上記進入検知部で上記撮像エリアへの上記読取対象物の進入が検知された後、上記下流位置センサで上記読取対象物が検知されている場合には上記撮像部に撮像を停止させるという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第1~第3いずれかの発明において、上記搬送経路にて上記撮像エリアよりも上流位置に配置されたバーコードリーダと、上記搬送経路にて上記バーコードリーダよりも上流位置に配置されると共に上記読取対象物の有無を検知して上記バーコードリーダを起動させる信号を出力するバーコードリーダ起動センサとを備えるという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第1~第4いずれかの発明において、上記日付情報取得部が、日付情報を賞味期限情報あるいは消費期限情報と判定するという構成を採用する。
【0013】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記搬送部を備えるという構成を採用する。
【0014】
第7の発明は、上記第6の発明において、上記搬送部が、上記読取対象物の搬送方向を変更する搬送方向変更部を備え、上記搬送方向変更部に上記撮像エリアが設けられているという構成を採用する。
【0015】
第8の発明は、上記第7の発明において、上記撮像エリアの上記読取対象物を異なる方向から撮像する複数の上記撮像部を備えるという構成を採用する。
【0016】
第9の発明は、上記第1~第8いずれかの発明において、上記進入検知部が、上記搬送経路における上記撮像エリアの上流位置に配置されて配置位置での上記読取対象物の有無を検知するセンサであるという構成を採用する。
【0017】
第10の発明は、上記第1~第8いずれかの発明において、上記進入検知部は、上記撮像エリアにおける上記読取対象物の有無を検知するエリアセンサであるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、撮像エリアに進入した読取対象物が撮像され、撮像データに基づいて日付情報が抽出される。このため、作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、読取対象物に表記された日付情報を読み取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態における日付情報読取装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における日付情報読取装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図3】本発明の第2実施形態における日付情報読取装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態における日付情報読取装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】本発明の第3実施形態における日付情報読取装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態における日付情報読取装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る日付情報読取装置の一実施形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態の日付情報読取装置S1の概略構成を模式的に示す平面図である。本実施形態の日付情報読取装置S1は、同一商品が多数収容された梱包箱X(読取対象物)の表面に記載された賞味期限や消費期限を示す日付情報を取得して出力するための装置である。なお、日付情報の読み取り対象とされる物品としては、特に限られるものではなく、梱包箱Xに限られずに、梱包袋や物品載置トレイ等であっても良い。
【0022】
本実施形態の日付情報読取装置S1は、
図1に示すように、搬送コンベヤ1(搬送部)と、第1光電センサ2(バーコードリーダ起動センサ)と、第2光電センサ3(進入検知部)と、第3光電センサ4(下流位置センサ)と、カメラ5(撮像部)と、バーコードリーダ6と、読取制御処理装置7(日付情報取得部、撮像制御部)と、コンベヤ制御処理装置8と、統括制御処理装置9とを備えている。
【0023】
搬送コンベヤ1は、梱包箱Xを搬送する装置である。複数配列されることによって搬送経路Rを形成するローラや、これらのローラを回転駆動される動力源等を備えている。本実施形態において搬送コンベヤ1は、梱包箱Xを水平かつ直線状に搬送する。本実施形態においては、
図1の矢印で示すように、搬送コンベヤ1は、
図1の右側から左側に向けて梱包箱Xを搬送する。つまり、本実施形態においては、搬送経路Rにおいて、
図1の右側が上流側とされ、
図1の左側が下流側とされている。なお、搬送コンベヤ1は、ローラコンベヤに限られるものではなく、ベルトコンベヤであっても良い。
【0024】
また、
図1に示すように、本実施形態においては、搬送コンベヤ1の搬送経路Rの一部が撮像エリアRaに設定されている。この撮像エリアRaは、本実施形態の日付情報読取装置S1において、取り扱いが可能である梱包箱Xの最大長さ寸法(搬送方向における梱包箱Xの最大長さ寸法)よりも、搬送方向に沿った方向の長さ寸法D1が長く設定されている。つまり、本実施形態において、撮像エリアRaの搬送方向に沿った方向の長さ寸法D1は、日付情報読取装置S1の規格内サイズの梱包箱Xの全体を収容可能な大きさに設定されている。
【0025】
第1光電センサ2、第2光電センサ3及び第3光電センサ4は、本実施形態において投光部と受信部とを備えるセンサである。第1光電センサ2、第2光電センサ3及び第3光電センサ4は、投光部と受信部とが平面視にて搬送方向と直交する方向に沿って配列されることで搬送経路Rを跨ぐように配置されており、配置位置において梱包箱Xの有無を検知する。
【0026】
第1光電センサ2は、第1光電センサ2、第2光電センサ3及び第3光電センサ4のうち最も搬送経路Rにおける上流側に配置されている。本実施形態では、第2光電センサ3が搬送方向において撮像エリアRaの最も上流側の端部の位置に合わせて設置されている。第1光電センサ2は、第2光電センサ3よりもさらに搬送方向における上流側に位置されている。第1光電センサ2と第2光電センサ3との搬送方向における離間距離寸法D2は、
図1に示すように、撮像エリアRaの搬送方向に沿った方向の長さ寸法D1よりも小さく設定されている。
【0027】
このような第1光電センサ2は、搬送経路Rにてバーコードリーダ6よりも上流位置に配置されており、バーコードリーダ6と接続されている。また、第1光電センサ2は、コンベヤ制御処理装置8にも接続されている。本実施形態においてバーコードリーダ6は、第1光電センサ2にて梱包箱Xが検知されると起動する。つまり、第1光電センサ2は、梱包箱Xの有無を検知してバーコードリーダ6を起動するための信号を出力する。
【0028】
第2光電センサ3は、上述のように搬送方向において撮像エリアRaの最も上流側の端部の位置に合わせて設置されており、搬送方向において第1光電センサ2と第3光電センサ4との間に配置されている。この第2光電センサ3は、撮像エリアRaへの梱包箱Xの進入を検知するためのセンサである。
【0029】
このような第2光電センサ3がオフからオン(梱包箱Xがない状態から有る状態)に切り替わることによって、梱包箱Xの上流側の端部が撮像エリアRaに進入したことが分かる。また、第2光電センサ3がオンからオフ(梱包箱Xが有る状態からない状態)に切り替わることによって、梱包箱Xの下流側の端部が撮像エリアRaに進入したことが分かる。この第2光電センサ3は、読取制御処理装置7に向けて検出結果を出力する。
【0030】
第3光電センサ4は、搬送方向において撮像エリアRaの最も下流側の端部の位置に合わせて設置されており、搬送経路における撮像エリアRaの下流位置にて梱包箱Xの有無を検知する。この第3光電センサ4は、撮像エリアRaから梱包箱Xが食み出していないか否かを判定するためのセンサである。例えば、第2光電センサ3で梱包箱Xを検知している状態で、第3光電センサ4にて梱包箱Xを検知した場合には、梱包箱Xが撮像エリアRaから食み出す規格外のサイズであることが分かる。
【0031】
また、第3光電センサ4は、撮像エリアRaから梱包箱Xが運び出されたか否かを判定するためのセンサとしても用いられる。例えば、第3光電センサ4がオフからオン(梱包箱Xがない状態から有る状態)に切り替わることによって、梱包箱Xの上流側の端部が撮像エリアRaから出たことが分かる。また、第3光電センサ4がオンからオフ(梱包箱Xが有る状態からない状態)に切り替わることによって、梱包箱Xの下流側の端部が撮像エリアRaから出たことが分かる。この第3光電センサ4は、読取制御処理装置7及びコンベヤ制御処理装置8に向けて検出結果を出力する。
【0032】
カメラ5は、搬送コンベヤ1の側方に配置されており、不図示の支持部によって支持されている。このカメラ5は、搬送コンベヤ1の撮像エリアRaに向けられており、撮像エリアRaを撮像して撮像データを作成する。カメラ5は、読取制御処理装置7と接続されており、本実施形態においては読取制御処理装置7の制御の下に撮像エリアRaの撮像を行う。なお、カメラ5を第2光電センサ3等と直接接続し、第2光電センサ3等の出力に応じてカメラ5が撮像を行うようにしても良い。
【0033】
このようなカメラ5は、撮像エリアRaに進入した梱包箱Xを含めて撮像エリアRaの撮像を行う。本実施形態において、カメラ5は、搬送経路Rにおける搬送方向と直交する方向から撮像エリアRaを撮像する。このため、梱包箱Xの側面のうち、平面視にて搬送方向と直交する方向に向けられた側面がカメラ5によって撮像される。
【0034】
バーコードリーダ6は、搬送コンベヤ1の搬送方向において、第1光電センサ2と第2光電センサ3との間に配置されている。このバーコードリーダ6は、搬送コンベヤ1に対してカメラ5と同じ側に配置されている。
【0035】
このようなバーコードリーダ6は、前方を通過する梱包箱Xの側面に表記されたバーコードを読み取る。バーコードリーダ6は、コンベヤ制御処理装置8を介して統括制御処理装置9と接続されており、統括制御処理装置9に向けて読取結果を出力する。
【0036】
例えば、バーコードリーダ6は、第1光電センサ2から梱包箱Xの検知信号が入力されることによって、規格内のサイズの梱包箱Xがバーコードリーダ6の前方を通過する最大時間に基づいて予め設定された一定の期間、稼働状態となる。
【0037】
読取制御処理装置7は、
図1に示すように、カメラ5、第2光電センサ3及び第3光電センサ4と電気的に接続されている。読取制御処理装置7は、第2光電センサ3の検出結果から梱包箱Xが撮像エリアRaに進入したことを検知し、また第3光電センサ4の検出結果から梱包箱Xが撮像エリアRaから排出されたことを検知する。
【0038】
なお、読取制御処理装置7は、第2光電センサ3と第3光電センサ4との両方が同時に梱包箱Xを検知した場合には、規格外のサイズの梱包箱Xであると判定してその判定結果を統括制御処理装置9に向けて出力する。また、読取制御処理装置7は、第2光電センサ3と第3光電センサ4との両方が同時に梱包箱Xを検知した場合には、読取制御処理装置7は、カメラ5に撮像を停止させる。
【0039】
また、本実施形態において読取制御処理装置7は、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されていることを第2光電センサ3及び第3光電センサ4の検知結果に基づいて判定する。読取制御処理装置7は、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されている状態で、カメラ5に撮像エリアRaを撮像させる。これによって梱包箱Xを含む撮像データがカメラ5によって作成される。つまり、本実施形態においては、第2光電センサ3等の検知結果に基づいて、読取制御処理装置7の制御の下に梱包箱Xを含む撮像データが取得される。なお、上述のように、カメラ5が第2光電センサ3と直接接続されている場合には、第2光電センサ3の検知結果に基づいて、カメラ5が梱包箱Xを含む撮像エリアRaの撮像データを作成する。
【0040】
また、読取制御処理装置7は、梱包箱Xを含む撮像データから梱包箱Xに表記された日付情報を抽出する。なお、梱包箱Xに表記される日付情報の表記パターンには、極めて膨大な種類が存在する。このため、読取制御処理装置7には、予め多数の日付情報の表記パターンを学習させておく。また、新たに抽出した日付情報の表記パターンに基づいて学習データを更新するようにしても良い。読取制御処理装置7は、例えば、このような学習データと、人工知能アルゴリズムとに基づいて、撮像データから日付情報を抽出する。
【0041】
本実施形態において読取制御処理装置7は、撮像データから抽出した日付情報を賞味期限情報あるいは消費期限情報と判定する。例えば、読取制御処理装置7は、現在の日時よりも未来を示す場合には、撮像データから抽出した日付情報を賞味期限情報あるいは消費期限情報と判定する。一方、例えば、撮像データから抽出した日付情報が、現在の日時よりも過去を示す場合には、抽出した日付情報を製造年月日情報と判定する。読取制御処理装置7は、このようにして抽出した日付情報を統括制御処理装置9に向けて出力する。また、読取制御処理装置7は、抽出した日付情報を記憶し、必要に応じてディスプレイに表示させることで視認可能に出力する。
【0042】
コンベヤ制御処理装置8は、搬送コンベヤ1と接続されており、統括制御処理装置9の制御の下、搬送コンベヤ1の制御を行う。このようなコンベヤ制御処理装置8は、例えば単一のプログラマブルロジックコントローラによって構成されている。また、例えば、本実施形態においては、コンベヤ制御処理装置8は、第1光電センサ2及び第3光電センサ4とも接続されている。例えば、コンベヤ制御処理装置8は、第1光電センサ2や第3光電センサ4にて予め設定された一定の期間、梱包箱Xを検出状態が連続した場合には、搬送コンベヤ1を停止する。なお、コンベヤ制御処理装置8は、例えば不図示のリセットスイッチやアラームと接続されており、必要に応じて、リセットスイッチの押下による再起動や、アラームによる警報の発出が可能とされている。
【0043】
また、本実施形態においてコンベヤ制御処理装置8は、搬送コンベヤ1の上流端から下流端まで一定の速度で連続的に移動されるように搬送コンベヤ1を制御する。つまり、梱包箱Xがバーコードリーダ6の前方を通過する場合や、梱包箱Xが撮像エリアRaを通過する場合であっても、梱包箱Xが常に一定の速度で移動されるように搬送コンベヤ1が制御される。
【0044】
このように梱包箱Xを常に一定の速度で移動させることで、多数の梱包箱Xを連続して効率的に処理することが可能となる。ただし、安定した撮像データを得るために、撮像エリアRaにて梱包箱Xの移動速度を低下させたり、撮像エリアRaにて梱包箱Xを一時的に停止させたりすることも可能である。
【0045】
また、コンベヤ制御処理装置8は、バーコードリーダ6によって検出されたバーコード情報を受け取り、統括制御処理装置9に向けてバーコードリーダ6から受信したバーコード情報を出力する。
【0046】
統括制御処理装置9は、読取制御処理装置7、コンベヤ制御処理装置8と接続されており、これらの読取制御処理装置7、コンベヤ制御処理装置8を制御する。また、本実施形態において統括制御処理装置9は、例えば、バーコードリーダ6から入力されたバーコード情報に基づいて梱包箱Xの種別等を判断し、続いて読取制御処理装置7から入力される日付情報を梱包箱Xの種別情報等の紐づけして記憶する。
【0047】
なお、本実施形態において、
図1では、読取制御処理装置7と、コンベヤ制御処理装置8と、統括制御処理装置9とが別体とされている。しかしながら、読取制御処理装置7と、コンベヤ制御処理装置8と、統括制御処理装置9とは必ずしも別体とされている必要はなく、これらのうちいくつかあるいは全てが単一のハードウェアによって構成されていても良い。例えば、読取制御処理装置7と統括制御処理装置9とを単一のコンピュータの一機能として備える構成を採用することも可能である。
【0048】
続いて、
図2のタイミングチャートを参照して、本実施形態の日付情報読取装置S1の動作について説明する。
【0049】
搬送コンベヤ1の上流端では、例えば作業者や受渡ロボットが、梱包箱Xを搬送コンベヤ1の搬送経路に対して載置する。このとき、梱包箱Xの複数の側面のうち、日付情報やバーコードが表記された面が、バーコードリーダ6やカメラ5が配置された側に向けられるように、梱包箱Xが載置される。また、搬送コンベヤ1は、常に梱包箱Xが一定の速度で移動されるように制御されている。
【0050】
搬送コンベヤ1の上流端に載置された梱包箱Xは搬送コンベヤ1の下流に向けて一定の速度で搬送される。梱包箱Xが搬送経路Rにて第1光電センサ2の前位置に到達すると、第1光電センサ2から梱包箱Xの検知信号が出力される。この第1光電センサ2からの検知信号は、梱包箱Xの搬送方向における上流端が第1光電センサ2の前方位置に到達し、梱包箱Xの搬送方向における下流端が第1光電センサ2の前方位置を通り過ぎるまで出力され続ける。
【0051】
第1光電センサ2から出力された検知信号は、バーコードリーダ6に入力される。バーコードリーダ6は、第1光電センサ2から検知信号が入力されると、前方を通過する梱包箱Xに表記されたバーコードを読み取り、バーコード情報を出力する。このようなバーコード情報は、コンベヤ制御処理装置8を介して統括制御処理装置9にて受信される。統括制御処理装置9は、バーコード情報が入力されると、バーコード情報に基づいて梱包箱Xの種別等の個別情報を特定し記憶する。
【0052】
梱包箱Xが搬送経路Rにて第2光電センサ3の前方に到達すると、第2光電センサ3から梱包箱Xの検知信号が出力される。この第2光電センサ3からの検知信号は、梱包箱Xの搬送方向における上流端が第2光電センサ3の前方位置に到達し、梱包箱Xの搬送方向における下流端が第2光電センサ3の前方位置を通り過ぎるまで出力され続ける。つまり、第2光電センサ3からの検知信号は、梱包箱Xの上流端が撮像エリアRaに進入され、梱包箱Xの全体が撮像エリアRaに収容されるまで出力され続ける。
【0053】
読取制御処理装置7は、第2光電センサ3の検出信号が一度入力された後に入力が停止され(第2光電センサ3がオン状態とされた後にオフ状態とされ)、さらに第3光電センサ4の検出信号が入力されていない(第3光電センサ4がオフ状態とされている)ことを条件として、カメラ5に撮影トリガを入力する。カメラ5は、読取制御処理装置7から撮影トリガが入力されると、撮像エリアRaの撮像を行う。ここでは、撮像エリアRaに梱包箱Xが収容された状態であることから、撮像データには梱包箱Xが含まれることとなる。なお、カメラ5は、例えば時系列的に複数の撮像データを作成する。
【0054】
このようにしてカメラ5によって作成された撮像データは、カメラ5から出力され、読取制御処理装置7にて受信される。読取制御処理装置7は、撮像データが入力されると、撮像データから日付情報を抽出する。ここで、読取制御処理装置7は、日付情報を賞味期限あるいは消費期限が示された日付情報(賞味期限情報あるいは消費期限情報)と判断する。読取制御処理装置7は、このような判断結果と共に、日付情報を統括制御処理装置9に向けて出力する。
【0055】
統括制御処理装置9は、先にバーコード情報に基づいて特定した梱包箱Xの種別等の個別情報に対して、読取制御処理装置7から入力された日付情報を紐づけて記憶する。なお、統括制御処理装置9は、日付情報の紐づけ処理が完了した旨を読取制御処理装置7に入力する。
【0056】
梱包箱Xが搬送経路Rにて第3光電センサ4の前方に到達すると、第3光電センサ4から梱包箱Xの検知信号が出力される。この第3光電センサ4からの検知信号は、梱包箱Xの搬送方向における上流端が第3光電センサ4の前方位置に到達し、梱包箱Xの搬送方向における下流端が第3光電センサ4の前方位置を通り過ぎるまで出力され続ける。つまり、第3光電センサ4からの検知信号は、梱包箱Xの全体が撮像エリアRaから抜け出すまで出力され続ける。
【0057】
ここで、読取制御処理装置7は、第3光電センサ4から梱包箱Xの検知信号が出力されるタイミングまでにカメラ5による撮像が停止されていない場合には、カメラ5による撮像を停止させる。
【0058】
なお、コンベヤ制御処理装置8あるいは統括制御処理装置9は、第1光電センサ2がオン状態(検知信号が出力されている状態)からオフ状態(検知信号が出力されていない状態)となったタイミングにて、バーコード情報が入力されていない場合には、バーコードノーリード異常とする。バーコードノーリード異常とされた場合には、コンベヤ制御処理装置8あるいは統括制御処理装置9は、第3光電センサ4からの検知信号を受信した時点で、搬送コンベヤ1に搬送を停止させ、異常を外部に発出する。
【0059】
また、読取制御処理装置7は、撮像データから日付情報を抽出できない場合には、日付情報ノーリード信号を出力する。統括制御処理装置9は、日付情報ノーリード信号を受信とする。第3光電センサ4からの検知信号を受信した時点で、搬送コンベヤ1に搬送を停止させ、異常を外部に発出する。なお、統括制御処理装置9は、同一の梱包箱Xに対して複数回の日付情報ノーリード信号を受信した場合には、例えば作業者に日付情報を手動にて入力する旨を通知する。
【0060】
以上のような本実施形態の日付情報読取装置S1は、梱包箱Xを搬送する搬送コンベヤ1の搬送経路Rに設けられた撮像エリアRaに梱包箱Xが進入したことを検知する第1光電センサ2と、撮像エリアRaを撮像して撮像データを作成するカメラ5と、第1光電センサ2の検知結果に基づいて得られた梱包箱Xを含む撮像データから梱包箱Xに表記された日付情報を抽出する読取制御処理装置7とを備えている。
【0061】
このような本実施形態の日付情報読取装置S1によれば、撮像エリアRaに進入した梱包箱Xが撮像され、撮像データに基づいて日付情報が抽出される。このため、作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、梱包箱Xに表記された日付情報を自動で読み取ることが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、搬送経路Rにおける撮像エリアRaの下流位置にて梱包箱Xの有無を検知する第3光電センサ4を備えるという構成を採用する。このため、撮像エリアRaから梱包箱Xから食み出していることや、撮像エリアRaから梱包箱Xの全体が抜け出したことを把握することが可能となる。なお、第3光電センサ4等に代えて、リミットスイッチ等の機械式センサを設置することも可能である。
【0063】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、第1光電センサ2の検知結果に基づいてカメラ5に梱包箱Xを撮像させる読取制御処理装置7を備え、読取制御処理装置7が、第1光電センサ2で撮像エリアRaへの梱包箱Xの進入が検知された後、第3光電センサ4で梱包箱Xが検知されている場合にはカメラ5に撮像を停止させる。このため、撮像エリアRaから梱包箱Xから食み出している場合に、日付情報の抽出処理を停止することができ、不完全な状態で日付情報の抽出処理が進むことを防止することができる。
【0064】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、搬送経路Rにて撮像エリアRaよりも上流位置に配置されたバーコードリーダ6と、搬送経路Rにてバーコードリーダ6よりも上流位置に配置されると共に梱包箱Xの有無を検知してバーコードリーダ6を起動させる信号を出力する第1光電センサ2とを備えている。このため、日付情報の取得に先立ち、日付情報を紐づける梱包箱Xの個別情報を取得することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、読取制御処理装置7が、撮像データが撮像された日付情報を賞味期限情報あるいは消費期限情報と判定する。このため、賞味期限あるいは消費期限が梱包箱Xに表記されている場合には、確実に賞味期限あるいは消費期限を把握することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、搬送コンベヤ1を備えている。搬送コンベヤ1を備えずに外部の搬送コンベヤにて搬送される梱包箱Xから日付情報を抽出することも可能である。ただし、本実施形態の日付情報読取装置S1のように搬送コンベヤ1を備えることによって、日付情報の抽出に適した搬送コンベヤ1とすることができ、例えば梱包箱Xの搬送速度を日付情報の抽出に適した速度とすることができる。
【0067】
また、本実施形態の日付情報読取装置S1においては、第1光電センサ2によって、搬送経路Rにおける撮像エリアRaの上流位置に配置されて配置位置での梱包箱Xの有無を検知する。このため、簡易なセンサの構成にて梱包箱Xが撮像エリアRaに進入したことを検知することが可能となる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図3及び
図4を参照して説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0069】
図3は、本第2実施形態の日付情報読取装置S2の概略構成を模式的に示す平面図である。本実施形態の日付情報読取装置S1は、上記第1実施形態の日付情報読取装置S1に設置された第2光電センサ3及び第3光電センサ4に換えて、エリアセンサ10(進入検知部)を備えている。
【0070】
エリアセンサ10は、撮像エリアRaにて平面的あるいは立体的に梱包箱Xの有無を検知するセンサである。このエリアセンサ10は、例えば
図3に示すように、投光部と受信部とが平面視にて梱包箱Xの搬送方向と直交するように配置されており、これらの投光部と受光部とが撮像エリアRaを間に挟むように対向配置されている。
【0071】
このようなエリアセンサ10は、梱包箱Xの上流端位置と下流端位置とが撮像エリアRaに位置するか否かを検知することが可能である。このようなエリアセンサ10は、読取制御処理装置7と接続されており、読取制御処理装置7に向けて検知結果を出力する。また、エリアセンサ10は、コンベヤ制御処理装置8と接続されており、コンベヤ制御処理装置8向けて検出結果を出力する。
【0072】
なお、エリアセンサ10で梱包箱Xの上流側の端部を検知することで、梱包箱Xの上流側の端部が撮像エリアRaに進入したことが分かる。また、エリアセンサ10によって、梱包箱Xの下流側の端部が撮像エリアRaに進入したことが分かる。この第2光電センサ3は、読取制御処理装置7に向けて検出結果を出力する。例えば、エリアセンサ10で梱包箱Xの下流側端部を検知していない状態で、梱包箱Xの上流側端部を検知できていない場合には、梱包箱Xが撮像エリアRaから食み出す規格外のサイズであることが分かる。
【0073】
また、エリアセンサ10は、撮像エリアRaから梱包箱Xが運び出されたか否かを判定するためのセンサとしても用いられる。例えば、エリアセンサ10にて梱包箱Xを検知した後、エリアセンサ10にて梱包箱Xが検知されなくなれば、梱包箱Xの全体が撮像エリアRaから出たことが分かる。
【0074】
カメラ5は、本実施形態においても読取制御処理装置7の制御の下に撮像エリアRaの撮像を行う。なお、カメラ5をエリアセンサ10と直接接続し、エリアセンサ10の出力に応じてカメラ5が撮像を行うようにしても良い。
【0075】
読取制御処理装置7は、
図1に示すように、カメラ5及びエリアセンサ10と電気的に接続されている。読取制御処理装置7は、エリアセンサ10の検出結果から梱包箱Xが撮像エリアRaに進入したことを検知し、またエリアセンサ10の検出結果から梱包箱Xが撮像エリアRaから排出されたことを検知する。
【0076】
なお、読取制御処理装置7は、エリアセンサ10によって梱包箱Xが検出されているにも関わらず、梱包箱Xの上流側端部と下流側端部との両方が検出されていない場合には、規格外のサイズの梱包箱Xであると判定してその判定結果を統括制御処理装置9に向けて出力する。また、読取制御処理装置7は、エリアセンサ10によって梱包箱Xが検出されているにも関わらず、梱包箱Xの上流側端部と下流側端部との両方が検出されていない場合には、読取制御処理装置7は、カメラ5に撮像を停止させる。
【0077】
また、本実施形態において読取制御処理装置7は、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されていることをエリアセンサ10の検知結果に基づいて判定する。読取制御処理装置7は、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されている状態で、カメラ5に撮像エリアRaを撮像させる。これによって梱包箱Xを含む撮像データがカメラ5によって作成される。つまり、本実施形態においては、エリアセンサ10の検知結果に基づいて、読取制御処理装置7の制御の下に梱包箱Xを含む撮像データが取得される。なお、上述のように、カメラ5がエリアセンサ10と直接接続されている場合には、エリアセンサ10の検知結果に基づいて、カメラ5が梱包箱Xを含む撮像エリアRaの撮像データを作成する。
【0078】
また、例えば、本実施形態においては、コンベヤ制御処理装置8は、第1光電センサ2及びエリアセンサ10とも接続されている。例えば、コンベヤ制御処理装置8は、第1光電センサ2やエリアセンサ10にて、予め設定された一定の期間、梱包箱Xを検出状態が連続した場合には、搬送コンベヤ1を停止する。
【0079】
図4は、本実施形態の日付情報読取装置S2の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0080】
本実施形態においては、梱包箱Xが搬送経路Rにてエリアセンサ10の検知範囲(すなわち撮像エリアRa)に到達すると、エリアセンサ10から梱包箱Xの検知信号が出力される。なお、
図4においては、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されたことを示す信号がエリアセンサ10から出力されているか否かを示している。つまり、
図4においてエリアセンサ10がオン状態とは、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されたことを示している。また、
図4においてエリアセンサ10がオフ状態とは、撮像エリアRaに梱包箱Xの一部あるいは全体が収容されていない状態を示している。
【0081】
読取制御処理装置7は、撮像エリアRaに梱包箱Xの全体が収容されたことを示す信号がエリアセンサ10から入力されると、カメラ5に撮影トリガを入力する。カメラ5は、読取制御処理装置7から撮影トリガが入力されると、撮像エリアRaの撮像を行う。ここでは、撮像エリアRaに梱包箱Xが収容された状態であることから、撮像データには梱包箱Xが含まれることとなる。
【0082】
なお、読取制御処理装置7は、エリアセンサ10がオフ状態である場合にカメラ5による撮像が停止されていない場合には、カメラ5による撮像を停止させる。また、読取制御処理装置7は、撮像データから日付情報を抽出できない場合には、日付情報ノーリード信号を出力する。統括制御処理装置9は、日付情報ノーリード信号を受信すると、エリアセンサ10がオフ状態となった時点で、搬送コンベヤ1に搬送を停止させ、異常を外部に発出する。
【0083】
このような本実施形態の日付情報読取装置S2においては、梱包箱Xを搬送する搬送コンベヤ1の搬送経路Rに設けられた撮像エリアRaに梱包箱Xが進入したことを検知するエリアセンサ10と、撮像エリアRaを撮像して撮像データを作成するカメラ5と、エリアセンサ10の検知結果に基づいて得られた梱包箱Xを含む撮像データから梱包箱Xに表記された日付情報を抽出する読取制御処理装置7とを備えている。
【0084】
このような本実施形態の日付情報読取装置S2によれば、撮像エリアRaに進入した梱包箱Xが撮像され、撮像データに基づいて日付情報が抽出される。このため、作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、梱包箱Xに表記された日付情報を自動で読み取ることが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の日付情報読取装置S2においては、エリアセンサ10によって、撮像エリアRaにおける梱包箱Xの有無を検知する。このため、撮像エリアRaの状態をより正確に把握することが可能となる。
【0086】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、
図5及び
図6を参照して説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0087】
図5は、本第3実施形態の日付情報読取装置S3の概略構成を模式的に示す平面図である。
図5に示すように、本実施形態の日付情報読取装置S3において搬送コンベヤ1は、
図5の右側から左側に向けて梱包箱Xを搬送する上流部1aと、梱包箱Xの搬送方向を右側から左側に向かう方向から、
図5の上側から下側に向かう方向に変更する搬送方向変更部1bと、上側から下側に向けて梱包箱Xを搬送する下流部1cとを備えている。このような搬送コンベヤ1は、平面視にて途中部位で屈曲した搬送経路Rを形成し、梱包箱Xの搬送方向を変更する。
【0088】
上流部1aは、
図5の左右方向に配列された複数のローラを備えている。また、下流部1cは、
図5の上下方向に配列された複数のローラを備えている。また、搬送方向変更部1bは、
図5の左右方向に配列されたて梱包箱Xを左右方向に沿って搬送する複数のローラと、これらのローラの間にて昇降可能とされると共に
図5の上下方向に梱包箱Xを搬送する複数のベルトユニットとを備えている。この搬送方向変更部1bは、いわゆるアップダウンユニットを備えている。本実施形態においては、このような搬送コンベヤ1の搬送方向変更部1b上に撮像エリアRaが設けられている。
【0089】
なお、本実施形態においては、第3光電センサ4は、撮像エリアRaから梱包箱Xが食み出していないか否かを判定するためのセンサとしては用いられておらず、撮像エリアRaから梱包箱Xが運び出されたか否かを判定するためのセンサとしても用いられる。
【0090】
また、本実施形態においては、
図5に示すように、2つのカメラ5(側方カメラ5a及び前方カメラ5b)が設置されている。側方カメラ5aは、上記第1実施形態で設置されたカメラ5と同様に、搬送経路Rに対してバーコードリーダ6と同じ側に配置されている。
【0091】
前方カメラ5bは、上流部1aにおける梱包箱Xの搬送方向の上流側から梱包箱Xの側面を撮像可能なように、搬送方向変更部1bの
図5における左側に配置されている。このように、本実施形態においては、
図5に示すように、側方カメラ5aの光軸と前方カメラ5bの光軸とが平面視にて直交するように設置されている。つまり、本実施形態においては、撮像エリアRaの梱包箱Xを異なる方向から撮像する複数のカメラ5が備えられている。
【0092】
側方カメラ5a及び前方カメラ5bは、読取制御処理装置7と接続されており、本実施形態においては読取制御処理装置7の制御の下に撮像エリアRaの撮像を行う。なお、側方カメラ5a及び前方カメラ5bを第2光電センサ3等と直接接続し、第2光電センサ3等の出力に応じて側方カメラ5a及び前方カメラ5bが撮像を行うようにしても良い。
【0093】
このような側方カメラ5a及び前方カメラ5bは、撮像エリアRaに進入した梱包箱Xを含めて撮像エリアRaの撮像を行う。このため、本実施形態においては、梱包箱Xの側面のうち、平面視にて搬送方向と直交する方向に向けられた側面が側方カメラ5aによって撮像され、平面視にて搬送方向に沿った方向に側面が前方カメラ5bによって撮像される。
【0094】
図6は、本実施形態の日付情報読取装置S3の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0095】
搬送コンベヤ1の上流端では、例えば作業者や受渡ロボットが、梱包箱Xを搬送コンベヤ1の搬送経路に対して載置する。このとき、梱包箱Xの複数の側面のうち、日付情報やバーコードが表記された面が、バーコードリーダ6や側方カメラ5aあるいは前方カメラ5bが配置された側に向けられるように、梱包箱Xが載置される。
【0096】
搬送コンベヤ1の上流部1aに載置された梱包箱Xは搬送方向変更部1bに向けて一定の速度で搬送される。読取制御処理装置7は、第2光電センサ3の検出信号が一度入力された後に入力が停止された(第2光電センサ3がオン状態とされた後にオフ状態とされた)ことを条件として、側方カメラ5a及び前方カメラ5bに撮影トリガを入力する。
【0097】
側方カメラ5a及び前方カメラ5bは、読取制御処理装置7から撮影トリガが入力されると、撮像エリアRaの撮像を行う。ここでは、撮像エリアRaに梱包箱Xが収容された状態であることから、撮像データには梱包箱Xが含まれることとなる。なお、側方カメラ5a及び前方カメラ5bは、例えば時系列的に複数の撮像データを作成する。
【0098】
このようにして側方カメラ5a及び前方カメラ5bによって作成された撮像データは、側方カメラ5a及び前方カメラ5bから出力され、読取制御処理装置7にて受信される。読取制御処理装置7は、撮像データが入力されると、撮像データから日付情報を抽出する。読取制御処理装置7は日付情報を統括制御処理装置9に向けて出力する。
【0099】
統括制御処理装置9は、先にバーコード情報に基づいて特定した梱包箱Xの種別等の個別情報に対して、読取制御処理装置7から入力された日付情報を紐づけて記憶する。なお、統括制御処理装置9は、日付情報の紐づけ処理が完了した旨を読取制御処理装置7に入力する。
【0100】
また、統括制御処理装置9は、読取制御処理装置7から日付情報が入力されると、日付情報を受信した旨を示す信号をコンベヤ制御処理装置8に向けて出力する。コンベヤ制御処理装置8は、統括制御処理装置9から日付情報を受信した旨を示す信号を受信すると、搬送コンベヤ1の搬送方向変更部1bのベルトユニットとを上昇させて、梱包箱Xを下流部1cに向けて搬送させる。
【0101】
梱包箱Xが搬送経路Rにて第3光電センサ4の前方に到達すると、第3光電センサ4から梱包箱Xの検知信号が出力される。この第3光電センサ4からの検知信号は、梱包箱Xの搬送方向における上流端が第3光電センサ4の前方位置に到達し、梱包箱Xの搬送方向における下流端が第3光電センサ4の前方位置を通り過ぎるまで出力され続ける。つまり、第3光電センサ4からの検知信号は、梱包箱Xの全体が撮像エリアRaから抜け出すまで出力され続ける。
【0102】
コンベヤ制御処理装置8は、第3光電センサ4がオン状態とされた後にオフ状態となることを条件として搬送方向変更部1bのベルトユニットを下降させて原点復帰させる。これによって、次に搬送されてくる梱包箱Xを撮像エリアRaに受け入れることが可能となる。
【0103】
このような本実施形態の日付情報読取装置S3においても、梱包箱Xを搬送する搬送コンベヤ1の搬送経路Rに設けられた撮像エリアRaに梱包箱Xが進入したことを検知する第1光電センサ2と、撮像エリアRaを撮像して撮像データを作成するカメラ5と、第1光電センサ2の検知結果に基づいて得られた梱包箱Xを含む撮像データから梱包箱Xに表記された日付情報を抽出する読取制御処理装置7とを備えている。このため、作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、梱包箱Xに表記された日付情報を自動で読み取ることが可能となる。
【0104】
また、本実施形態の日付情報読取装置S3においては、搬送コンベヤ1が、梱包箱Xの搬送方向を変更する搬送方向変更部1bを備え、搬送方向変更部1bに撮像エリアRaが設けられている。このため、搬送コンベヤ1を平面視にて屈曲して形成することができ、梱包箱Xを撮像エリアRaに進入するときの正面側(
図5の左側)から撮像することが容易となる。このため、本実施形態によれば、梱包箱Xを異なる方向から容易に撮像することが可能となる。
【0105】
また、本実施形態の日付情報読取装置S3においては、撮像エリアRaの梱包箱Xを異なる方向から撮像する複数のカメラ5を備えている。このため、カメラ5を1つのみ備える場合と比較して日付情報を抽出可能な面が増え、搬送コンベヤ1に梱包箱Xを載置する場合の姿勢の自由度を向上させることが可能となる。
【0106】
なお、本実施形態の日付情報読取装置S3において、上記第2実施形態の日付情報読取装置S2のように、第2光電センサ3及び第3光電センサ4に変更することも可能である。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0108】
例えば、上記実施形態においては、光電センサやエリアセンサからの入力信号に基づいてカメラ5にて撮像する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カメラ5にて常時撮像を行い、梱包箱Xの全体が撮像エリアRaに収容された時点の撮像データを用いて日付情報を抽出するようにしても良い。このような場合には、例えば、撮像データを読取制御処理装置7が常時受信し、読取制御処理装置7が撮像エリアRaに梱包箱Xが進入したことを検知する。つまり、読取制御処理装置7が撮像エリアRaに梱包箱Xが進入したことを検知する進入検知部として機能する。
【0109】
また、上記実施形態においては、梱包箱Xの側面を主として撮像するカメラ5を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、梱包箱Xの上面を撮像するカメラを備える構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1……搬送コンベヤ(搬送部)、1a……上流部、1b……搬送方向変更部、1c……下流部、2……第1光電センサ(バーコードリーダ起動センサ)、3……第2光電センサ(進入検知部)、4……第3光電センサ(下流位置センサ)、5……カメラ(撮像部)、5a……側方カメラ、5b……前方カメラ、6……バーコードリーダ、7……読取制御処理装置(日付情報取得部、撮像制御部)、8……コンベヤ制御処理装置、9……統括制御処理装置、10……エリアセンサ、R……搬送経路、Ra……撮像エリア、S1……日付情報読取装置、S2……日付情報読取装置、S3……日付情報読取装置、X……梱包箱(読取対象物)
【要約】
【課題】作業者のハンディターミナルによる読み取り作業を行うことなく、読取対象物に表記された日付情報を自動で読み取り可能とする。
【解決手段】読取対象物を搬送する搬送部の搬送経路に設けられた撮像エリアに読取対象物が進入したことを検知する進入検知部と、撮像エリアを撮像して撮像データを作成する撮像部と、進入検知部の検知結果に基づいて得られた読取対象物を含む撮像データから読取対象物に表記された日付情報を抽出する日付情報取得部とを備え、進入検知部が撮像エリアの上流側の端部の位置に設置されて配置位置における読取対象物の有無を検知するセンサであり、進入検知部で読取対象物が検知された後に読取対象物が検知されなくなることをトリガとして撮像部に撮像エリアを撮像させる。
【選択図】
図1