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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/26 20060101AFI20220121BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20220121BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220121BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220121BHJP
   B64D 27/26 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
B64C27/26
B64C27/08
B64C39/02
B64D27/24
B64D27/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021065002
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2021-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519372593
【氏名又は名称】株式会社松山ドローンサービス
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 英之
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-190091(JP,A)
【文献】特表2020-524106(JP,A)
【文献】特表2020-520854(JP,A)
【文献】特表2020-526436(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0086986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/26
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
翼11の断面形状は、長円形や、多角形といった断面形状も含まれる事を特徴とする請求項1記載の飛行体。
【請求項4】
翼11の断面形状として、長円形や、多角形といった断面形状も含まれる事を特徴とする請求項1記載の飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3つ以上のプロペラを上向き又は下向きに取付けて飛行を行う飛行体(以下マルチコプターと言う)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマルチコプターには翼がついていないのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-109512号公報
【文献】特願開2019-189768
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、マルチコプターを使った物資の運搬の仕事や広い範囲の地形測量業務が増え、マルチコプターを長時間飛ばす必要が生じている。
マルチコプターを長時間飛ばすためには、バッテリー容量を増やすか、構造的に揚力を増やしてモーターの出力を補助する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1の発明においては、マルチコプター本体1から放射線状に伸びる複数のアーム2に前記本体1とは別の翼11を本体1とアーム2のア―ム折り畳み用ヒンジ部14の間で各々隣り合うアーム2間に連接するように全周又は個々に設け、この翼11は本体1とは間隔S1を開け、プロペラ3とは近接させてアーム2に取付ける。
請求項2の発明では、請求項1に記載した翼11の内部にバッテリーを取付けている。
また、請求項3の発明では、翼11は迎角を減らしマルチコプターのスピードを上げるため、マルチコプターの進行方向に対し前傾させることもできる。
また、請求項4の発明では、翼11の断面形状は翼形として実用化されているもの以外にも、長円形や多角形といった近似の断面形状も含まれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バッテリー容量の増加などをすることなくマルチコプターの飛行時間を伸ばすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】マルチコプター平面図(6枚プロペラの場合)
図2】マルチコプター縦断面図(6枚プロペラの場合)
図3】マルチコプター前進中の気流の流れ
図4】翼の中にバッテリーを取付けた例の平面図(6枚プロペラの場合)
図5】翼の中にバッテリーを取付けた例の縦断面図(6枚プロペラの場合)
図6】翼を進行方向に前傾させた例の縦断面図
図7】翼を進行方向に前傾させたマルチコプター前進中の気流の流れ
図8】4枚プロペラのマルチコプターの平面図
図9】4枚プロペラのマルチコプターの縦断面図
図10】翼が多角形の例
図11】翼の配位置が進行方向の前後の任意の2つのアーム間のみにした場合の例
図12】翼の断面形状詳細例
図13】進行方向に前傾させた翼の断面形状詳細例
図14】多角形の翼の断面形状詳細例
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1図2は6本のアーム、6本のプロペラ、6個のモーターを持ったマルチコプターの実施例である。マルチコプターの中心には制御機器を搭載するマルチコプター本体1があり、そこから放射状にアーム2が伸びている。アーム2の先端にはプロペラ3、モーター4、ESC5が取付けられてあり、このアーム2の中程にアームを折り曲げるアーム折り畳み用ヒンジ14が取付けてあり、マルチコプター運搬時にはアーム2をアーム折り畳み用ヒンジ14で折り曲げ、少スペースで運搬できるようになっている。
マルチコプター本体1とアーム折り畳み用ヒンジ14の間にマルチコプター本体1とは別の翼11を取付ける。
【0009】
翼11はアーム2に固定されている。
翼11は放射状に伸びたアーム2から、隣り合う別のアーム2にわたり全周に又は数本にわたり設けられている。
図3において、本発明のマルチコプターの実際の使用状態について説明する。
図3は前進中の気流の流れで、翼の外側にプロペラが回転しているため流速が速く、その後流に引張られて内側の気流ははく離しない。
この翼11はマルチコプターが前進するために前傾すると迎角が大きく付く、このまま前進するとマルチコプター回りに空気が流れ込むことになるが、マルチコプター本体1の上側の翼11Aの外側にはプロペラ3Aが回転しており、プロペラ後流により気流が速くなっており、迎角が大きい状態でも気流がはく離しない。マルチコプター本体1と翼11Aとの内側のすき間S1には、翼11Aとプロペラ3Aの外側のすき間S2に流れる気流に比べ低速の空気が流れており、その流速差により揚力を上向きに発生させている。マルチコプター本体1をはさんで下側の翼11Bの外側も同様にプロペラ3Bが回転しており、すき間S2にプロペラ後流が流れている。この翼11Bの内側のすき間S1にも外側に比べ低速の空気が流れているが、迎角が大きいため通常であれば気流がはく離してしまうが、翼11Bの外側(2S側)に近接してプロペラ3Bがあるため、プロペラ後流に引張られて気流がはく離せず、その流速差により揚力を下向きに発生させている。このようにプロペラ後流による揚力は前後、左右で相殺されるが、マルチコプターが進行することにより生じる流入空気により揚力が発生する。
しかも、翼11は気流がはく離しないので、抵抗が少なく飛行することができる。
この揚力を利用して、マルチコプターの重量を相殺することにより軽くしたり、抵抗を小さくして、モーターの負荷を下げ、電気の消費量を下げて、長時間飛行させることができる。
同様にホバリング中は、翼11の外側(S2側)にプロペラ3があるので常に外側(S2側)に揚力を発生させているが、前後、左右で相殺され、静止させることができる。
このことによりマルチコプターの飛行時間を2割程度伸ばすことができるようになる。
この翼11は迎角が大きい状態での運行になるが、飛行速度が小さい場合はその抵抗については、小さく、あまり問題とはならない。しかし飛行速度が大きくなると抵抗が大きくなるので、抵抗を減らすためホバリングに影響を及ぼさない範囲でマルチコプター進行方向に向って前傾させることができる。
図4図5は翼内の空きスペースを利用してバッテリーを搭載した例を示す。
図6図7は翼の迎角を減らし、翼で生じる抵抗を少なくしようとした例を示す。
迎角を減らすと、速度を一層速めることができる。又、自動可変とすることもできる。
図8図9は4枚プロペラへの応用例を示す。
図10は翼断面がバッテリーを搭載しやすい多角形の応用例を示す。多角形でも十分な揚力を発生することができる。又翼11の断面形状は翼形として実用化されているもの以外にも長円形や、多角形といった近似の断面形状も含まれる。
図11は翼11を任意の2つのアーム間に配置した例を示す。翼11を全てのアーム間に配置するのではなく、進行方向の前後の任意の2つのアーム間のみに配置しても十分な効果がある。
図12は翼の断面形状例を示す。
図13は前傾させた翼の断面形状例を示す。
図14は多角形の翼の断面形状例を示す。
【符号の説明】
【0010】
1 マルチコプター本体
2 アーム
3 プロペラ
3A 上側のプロペラ
3B 下側のプロペラ
4 モーター
5 ESC(モーター制御器)
6 主制御機器
7 副制御機器
8 GPSアンテナ
9 受信機
10 映像伝送装置
11 翼
11A 上側の翼
11B 下側の翼
12 バッテリー
13 脚
14 アーム折り畳み用ヒンジ
15 カメラ又は計測器又は運搬用ケース等
16 マルチコプター進行方向
17 マルチコプター回りの空気の流れ
18 前傾させた翼
S1:本体と翼とのすき間
S2:翼とプロペラとのすき間
【要約】
【課題】近年マルチコプターを使った物資の運搬の仕事や広い範囲の測量業務が増え、長時間飛ばす必要が生じている。
【解決手段】揚力を増やすためマルチコプター本体から伸びる複数のアームから各々隣り合うアーム間に連接するように全周又は個々に本体とは別の翼を設けて揚力を発生させ飛行時間を伸ばす。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14