(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】感度調整機能を有する液漏れ検知センサー
(51)【国際特許分類】
G01M 3/38 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
G01M3/38 J
(21)【出願番号】P 2020507681
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(86)【国際出願番号】 KR2018005689
(87)【国際公開番号】W WO2019135452
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0000886
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520043763
【氏名又は名称】オートセンサーコリア カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520043774
【氏名又は名称】ホ,ジ ヒョン
(73)【特許権者】
【識別番号】520043785
【氏名又は名称】チェ,サン ヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サン ヒョン
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022556(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を用いた液漏れ検知センサーにおいて、
固定孔を有する固定板、及び前記固定板と一体に設けられ、角度調節用突起を有する連結部を備えた固定連結具と、
前記固定連結具の
連結部の通孔に挿入される挿入連結具
であって、
前記連結部の通孔に嵌め込まれ、外周面に山と谷が連続して形成された角度調節部を備える挿入部を備える前記挿入連結具と、
前記挿入連結具に結合されるハウジングと、
前記ハウジングの内側に
前記ハウジングの長手方向に沿って挿設され、光を受ける受光部及び光を発散する発光部が設置された基板と、
前記ハウジング
の下部に設置されたレンズ部
であって、
前記液漏れ検知センサーの設置面の傾斜度に応じて前記ハウジングを長手方向の中心軸に対して回転させ、前記レンズ部の方向を前記長手方向の中心軸の周りに所定の回転角度範囲θ内で調節することによって、前記基板が前記長手方向の中心軸周りに前記ハウジングと同様に回転し、前記受光部及び前記発光部の前記設置面に対する位置が調節される、前記レンズ部とを含むことを特徴とする、
時間調整機能を有する液漏れ検知センサー。
【請求項2】
前記挿入連結具は、
前記挿入部と、一体に前記ハウジングに結合されるカバー部とを形成することを特徴とする、請求項1に記載の
時間調整機能を有する液漏れ検知センサー。
【請求項3】
前記角度調節用突起は、前記連結部の前記通孔の内周面に突設され、一定の間隔で2つ以上備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の
時間調整機能を有する液漏れ検知センサー。
【請求項4】
前記連結部の前記通孔の前記内周面には係止溝が設けられ、前記通孔に挿入される前記挿入連結具の結合突起が前記係止溝に係合されて相互分離が防止されることを特徴とする、請求項1に記載の
時間調整機能を有する液漏れ検知センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーに係り、より詳細には、発光部によって放出された光量が、漏れた液によって受光される光量が変化することを検知(Detection)することができるため、漏れ(Leak)の有無を簡単かつ容易に測定することができるという利便性があり、また、漏洩液体の粘度及び設置場所の傾きなどに応じてセンサーの検知位置を調節することができるため、漏洩液体の粘度の高低に関係なく検知することができる時間、すなわちセンサーの検知感度を調節することができるという利便性がある、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、漏水及び漏油・漏洩の際に漏水、漏油または漏洩を検知するためのさまざまな方式の漏れセンサーが用いられているが、代表的に、ケーブル型漏れセンサー、バンド型漏れセンサー、及びモジュール型漏れセンサーが挙げられる。
前記ケーブル型漏れセンサーは、様々な液体(水、油など)の露出を検知して液体の漏れ地点まで正確かつ迅速に知らせる漏れ検知センサーである。漏水及び漏油の検知は、導線に沿って流れる電流に、漏れた水または油の抵抗によって電位差が発生することを検知線で検知することにより、漏水及び漏油の確認が可能である。
【0003】
ところが、このようなケーブル型漏れセンサーは、設置費用が高価であり、センサーケーブルの長さが決まっており顧客の選択幅が少ない。また、センサー設置の際に別途のブラケットを使用しなければならないので設置が難しく、追加費用がかかるという問題点があり、物性の検知後に物性を除去するのに多くの時間がかかるとともに、外部機器との接続が難しいという問題点がある。
【0004】
一方、バンド型漏れ検知センサー(LEAK DETECTION SENSOR)は、電線を介して電流が流れる間に水が電線に触れると、抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に基づいて水漏れか否かを検知することができる。
【0005】
このようなバンド型漏れ検知センサーは、低コストで広い面積の水漏れを検知することができ、設置が簡単ではあるが、高い湿度または外部の衝撃によってエラーの発生率が高く、正確な水漏れ位置を容易に確認することができないという問題点があり、設置の連携性がなく製品設置の粗雑さがある。
【0006】
また、性能に比べて価格が高いという問題点があり、設置時に、床に固定するブラケットを別個に設置しなければならないので設置が難しく、外部機器の接続時に単純なリレー接点方式以外の接続デバイスがないという問題点がある。
【0007】
モジュール型漏れセンサーは、プラスチックケースの内部にフォトセンサー(受光部、発光部)を位置させ、液体を検知していない状態では発光部のビームを受光部で受け入れるが、発光部のビームが液体を検知すると、屈折率の変化によりビームが受光部に行けなくなるので、光の受光された状態から水漏れを検知する。
【0008】
このようなモジュール型漏れセンサーは、低コストで水漏れ危険部分を検知することができ、設置が簡単であり、周辺装置に関係なく、自体的警報が可能であるとともに、湿度によるエラーがないが、ケーブルタイプ(CABLE TYPE)とは異なり、特定の位置の水漏れ有無しか確認できないという問題点があり、周辺装置との接続が難しいという問題点がある。
【0009】
また、別のセンサー固定方案を計画しなければならないので、製品の設置時に多くの時間がかかるという問題点があり、漏水または漏洩する液体の粘度および地面の傾きに関係なく危険地域の特定部位の一箇所しか検出できないので、センサーを設置する地面の状態または漏れる液体の粘度に応じて検知時間がそれぞれ異なるように測定されるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、漏水・漏洩する液体の粘度および地面の傾きに関係なくセンサーを簡単に設置し、地面の状態または漏れる液体の粘度に応じて検知するセンサーの位置を調整して、漏洩液体に応じて検知される感度、すなわち、漏水・漏洩の際に検知する時間を調節することができる利便性がある、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、光源を用いた液漏れ検知センサーにおいて、固定孔を有する固定板、及び前記固定板と一体に設けられ、角度調節用突起を有する連結部を備えた固定連結具と、前記固定連結具の角度調節用突起が挿入される挿入連結具と、前記挿入連結具に結合されるハウジングと、ハウジングの内側に挿設され、光を受ける受光部及び光を発散する発光部が設置された基板と、前記ハウジングに設置されたレンズ部とを含むことを特徴とする、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーにより達成される。
【0012】
前記角度調節用突起は、連結部の通孔の内周面に突設され、一定の間隔で2つ以上備えられたことを特徴とする、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーにより達成される。
【0013】
前記連結部の通孔の内周面には係止溝が設けられ、通孔に挿入される挿入連結具の結合突起が係止溝に係合されて相互分離が防止されることを特徴とする、感度調整機能を有する液漏れ検知センサーにより達成される。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明は、発光部によって放出された光量が、漏れ液によって受光される光量が変化することを検知することができるため、漏れの有無を簡単かつ容易に測定することができるという利便性があり、また、漏れ液の粘度及び設置場所の傾きなどに応じてセンサーの検知位置を調節することができるため、漏洩液体の粘度の高低に関係なく検知することができる時間、すなわち、センサーの検知感度を調節することができるという利便性があるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1a】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの外形を示す斜視図である。
【
図1b】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの外形を示す背面斜視図である。
【
図2】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの構造を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの構造を示す断面図である。
【
図4a】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの設置場所に応じて設置したことを示す設置状態図である。
【
図4b】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの設置場所に応じて設置したことを示す設置状態図である。
【
図5】本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの位置を調節する方法を例示する例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。添付の
図1a及び
図1bは本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの外形を示す斜視図及び背面斜視図であり、
図2は本発明の技術が適用された感度調整機能を有する液漏れ検知センサーの構造を示す分解斜視図である。これによれば、本発明の感度調整機能を有する液漏れ検知センサー1は、固定孔11aを有する固定板11、及び前記固定板と一体に角度調節用突起12aを有する連結部12を備えた固定連結具10と、前記固定連結具10の角度調節用突起12aが挿入される挿入連結具20と、前記挿入連結具20に結合されるハウジング30と、前記ハウジング30の内側に挿設され、光を受ける受光部及び光を発散する発光部が設置された基板40と、前記ハウジングに設置されたレンズ部50とを含む構造である。
【0017】
この時、添付の
図2及び
図3に示されているように、前記角度調節用突起12aは、連結部12に通孔を設け、通孔の内周面に突設されている。好ましくは、角度調節用突起12aが180度方向に向かい合う位置に設けられた構造であり、前記挿入連結具20は、連結部12の通孔に挿入され、外周面に山と谷が連続して形成された角度調節部21aを備える挿入部21と、一体にハウジング30に結合されるカバー部22とを形成する構造である。
【0018】
一方、前記連結部12の通孔の内周面には係止溝13が設けられ、通孔に挿入される挿入連結具20の係止突起23が係止溝13に係合されて相互分離が防止される構造である。
【0019】
上述した構造を持つ本発明は、添付の
図4aに示されているように地面が傾きのない平面であるか、添付の
図4bに示されているように地面が一定の傾きを持っているところであっても、固定孔を有する固定板11を地面に密着させた後、固定孔11aにボルトまたはネジを貫通させて地面に固定連結具10を固設する。
【0020】
前記固定連結具10の設置が完了すると、固定連結具10に設けられた角度調節用突起12aを備えた通孔に挿入連結具20を挿入して結合する。この時、前記挿入連結具20に、基板40が内側に設置されたハウジング30を結合した状態のものを使用することができ、また、固定連結具10に挿入連結具20、ハウジング30の順に結合する方法もあるが、便宜上、挿入連結具20とハウジング30をまず結合した後、ハウジングに結合されている挿入連結具20を固定連結具10に設置することが好ましい。基板40には、電源が供給されるように電源線が接続されているが、その構造及び説明は省略する。
【0021】
上述のように本発明の液漏れ検知センサー1を地面に固設した後に使用することができる方法としては、第一に、レンズ部50がハウジング30の垂直中心線と一致するように整列させて使用する。第二に、漏れを検知しようとする液体が同じ粘度であっても、本発明のセンサーが設置された場所が添付の
図4bに示されているように傾斜角を持つところであれば、ハウジング30を回転させ、ハウジング30の下部に設置されたレンズ部50の方向を、添付の
図5に示されているように図面上に表示されたθという角度範囲内で左右方向に調節して検知感度を調整することができる。
【0022】
上記では、地面の傾斜度に応じてハウジング30を回転させて、ハウジング30の内部に設置された発光部及び受光部の位置を調節することができるので、検知感度を調節することができるが、漏れを検知しようとする液体の粘度が高いか低いときにも、各液体が地面に沿って移動する速度が異なるため、前記漏れを検知しようとする液体の粘度に応じても検知感度を調整することができる。
【0023】
前記検知感度調整方法としては、固定連結具10の通孔に挿入されている挿入連結具20を分離し、ハウジング30が結合されている挿入連結具20を一定の方向に回転させた後、一定の角度で回転している挿入連結具20を固定連結具10の通孔に挿入して結合する。
【0024】
前記固定連結具10の通孔に挿入連結具20を挿入すると、通孔の内側に設けられた角度調節用突起12aが、挿入連結具20の外側面に連続する山と谷が形成されている角度調節部21aの谷に係合されることにより、回転が防止される。
【0025】
もちろん、固定連結具10の通孔に挿入連結具20が結合されている状態で、挿入連結具20を回転させることもできるが、各角度調節用突起12aと角度調節部21aが磨耗する現象が発生するため、望ましくはない。
【0026】
上述のようにセンサーの設置が完了した後、制御器に備えられたスイッチを作動させると、発光部材を介して光が放出されるとともに光はレンズ部50によって屈折を起こしながら分散し、分散した光は地面の表面によって反射されて受光部材に入光するので、光量が検出される。
【0027】
例えば、発光部材によって設定された光量が9000(cd)であるとき、受光部材に入光する光量は8500~8800(cd)が検出されるが、漏れが発生した場合には、発光部材によって設定された光量が9000(cd)であるものの、受光部材に入光する光量は4300~4500(cd)に減少する。よって、漏れの発生を検知することができる。
【0028】
この時、前記漏洩液体の粘度及び設置場所の傾きなどに応じてセンサーの検知位置を調節することができるため、漏洩液体の粘度の高低に関係なく検知することができる時間、すなわち、センサーの検知感度を調節することができるという利便性があるなどの効果がある。
【0029】
添付の
図3に示されているように、前記挿入連結具20は、連結部12の通孔に挿入され、外周面に山と谷が連続して形成された角度調節部21aを備える挿入部21と、一体にハウジング30と結合されるカバー部22とを形成する構造であって、挿入部21側には、係止突起23が固定連結具10の係止溝13に係合されて相互分離が防止されている。
【0030】
上述したように結合された固定連結具と挿入連結具、または挿入連結具とハウジングの分離は、挿入連結具とハウジングが弾性体で構成されており、外力を加えると容易に分離することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 液漏れ検知センサー
10 固定連結具
11 固定板
11a 固定孔
12 連結部
12a 角度調節用突起
13 係止溝
20 挿入連結具
21 挿入部
21a 角度調節部
22 カバー部
23 係止突起
30 ハウジング
40 基板
50 レンズ部