(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】インペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
F04D29/58 M
F04D29/58 S
(21)【出願番号】P 2019090657
(22)【出願日】2019-05-13
【審査請求日】2019-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0130829
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517424140
【氏名又は名称】ターボウィン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンス
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516285(JP,A)
【文献】国際公開第2018/088778(WO,A1)
【文献】特開2011-188743(JP,A)
【文献】特開2008-187808(JP,A)
【文献】特開2002-246058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を生成するインペラ手段(200)を、第1の空気吸入コンパートメント(110)および第2の空気吸入コンパートメント(120)で区分されたブロワーのケーシング手段(100)に位置及び結合させ、前記第2の空気吸入コンパートメント(120)を空冷及び水冷を同時に使用して冷却することによって、前記インペラ手段(200)の冷却効果を最大化すると同時に、効率及び耐久性を向上させて、高熱により発生するターボ送風機の短い寿命及び効率低下の問題を解決するため、インペラ手段の冷却ファン(240)が形成された燃料電池用ターボ送風機(1)において、前記燃料電池用ターボ送風機(1)は、
吸入された空気の流動及び吐出を案内するブロワーのケーシング手段(100)と;
前記ブロワーのケーシング手段(100)の内部に位置及び結合されて、空気の流入及び流動を発生する前記インペラ手段(200)と;で構成され、
内部に吸入される空気を、特定の経路へ誘導して前記インペラ手段(200)の温度上昇を防止する前記ブロワーのケーシング手段(100)は、
インペラ(230)により吸入される空気が流動される前記第1の空気吸入コンパートメント(110)と;
前記インペラ手段の冷却ファン(240)により吸入される空気が流動される前記第2の空気吸入コンパートメント(120)と;
前記インペラ(230)により前記第1の空気吸入コンパートメント(110)の内部に空気が吸入されるようにする第1の空気の吸入ダクト(130)と;
前記第1の空気の吸入ダクト(130)を通して吸入された空気が、前記インペラ手段(200)によって圧縮され、燃料電池スタックに吐出できるようにする第1の空気の排出ダクト(140)と;
前記ブロワーのケーシング手段(100)の一端面から外側に突出されるように延長され、
前記インペラ手段
の冷却ファン(240)によって前記第2の空気吸入コンパートメント(120)の内部に空気が吸入されるようにする第2の空気の吸入ダクト(150)と;
前記ブロワーのケーシング手段(1)の側面から外側に突出されるように延長され、前記第2の空気の吸入ダクト(150)を介して吸入され、インペラ手段(200)を冷却した空気が排出されるようにする第2の空気の排出ダクト(160)と;
前記第2の空気の吸入ダクト(150)および第2の空気の排出ダクト(160)により生成される空冷空気の流動経路(170)と;
前記第2の空気吸入コンパートメント(120)に位置した前記インペラ手段(200)に隣接して形成されて、外部から供給される冷却水のフローを通して、前記インペラ手段(200)を冷却する冷却水の流入循環溝(181)が形成されたインペラ手段の水冷式冷却部(180)と;で構成されて、
前記第2の空気吸入コンパートメント(120)に位置した高速で回転する前記インペラ手段(200)の一部を特定の経路へ誘導される空気の流動を利用して冷却させて、前記インペラ手段(200)の温度上昇を低下させることによって、空冷及び水冷を同時に使用する冷却方式で前記燃料電池用ターボ送風機の効率及び耐久性を最大化し、
前記第1の空気吸入コンパートメント(110)および第2の空気吸入コンパートメント(120)の内部にそれぞれ空気が吸入されるようにする前記インペラ手段(200)は、
ステータ(210)と;
ローター(220)と;
インペラ(230)と;
前記ローター(220)の端部に結合された前記インペラ(230)と反対の方向に隔離されて前記ローター(220)の他端部に結合され、前記第2の空気吸入コンパートメント(120)に位置
する、前記第2の空気吸入コンパートメント(120)の内部に空気を吸入する前記インペラ手段の冷却ファン(240)
であって、
前記第2の空気の吸入ダクト(150)の内部空間と接する前記インペラ手段の冷却ファン(240)の中心部分が、前記第2の空気の吸入ダクト(150)側に突出して配置され、かつ、前記第2の空気吸入コンパートメント(120)内に位置する前記インペラ手段の冷却ファン(240)は、前記第2の空気吸入コンパートメント(120)の内壁面に近接して配置される、前記インペラ手段の冷却ファン(240)と;で構成されて、
前記ローター(220)を中心にして前記ローター(220)の半径方向に間隔をあけて前記ステータ(210)が配置され、前記ローター(220)の回転で回転する前記インペラ手段の冷却ファン(240)によって前記第2の空気の吸入ダクト(150)を介して吸入された空気が前記空冷空気の流動経路(170)に誘導され、前記吸入された空気が前記ステータ(210)及びローター(220)の間を通り、前記ステータ(210)及びローター(220)に接触することにより、高速で回転する前記インペラ手段(200)の温度上昇を低下し、効率及び耐久性を最大化させることを特徴とするインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機に関するものであり、より詳細には、高圧の空気を生成するインペラ手段を、空冷及び水冷を同時に利用する冷却構造に冷却させて温度の上昇を防止することによって、インペラ手段の効率及び耐久性を高めるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石エネルギーの枯渇による原油価格の持続的な上昇、車両から排出される排出ガスに応じた環境汚染などの問題により、燃料電池を用いた車両の開発がより切実に要求されている。
【0003】
燃料電池は、水素と酸素との反応過程において電気エネルギーを発生する電池であるため、燃料電池車は、燃料電池スタックと、燃料電池スタックに水素を供給する水素供給装置と、空気を圧縮した後に燃料電池スタックに供給する空気ブロワーなどが取り付けられる。
【0004】
特に、車両用燃料電池用空気ブロワーは、低流量および高圧を必要とし、同時に、高い耐久性と低ノイズ、広い動作範囲を必要とする。
【0005】
このような燃料電池用空気ブロワーは、燃料電池スタックにおいて電気を発生させるために必要な酸素を供給する装置であって、燃料電池システムのコア部品であり、燃料電池スタックに送達される過程で生じる流れ抵抗の損失を低減するために、大気を圧縮するプロセスが含まれる。
【0006】
また、燃料電池用空気ブロワーは、燃料電池スタックで必要な空気の圧力および流量レベルに応じて決定される形状に適用される。例えば、低流量及び高圧の領域ではスクリューまたは容積型圧縮機が適用され、比較的高い流量及び低圧の領域では、ターボ型圧縮機が適用されることが一般的である。
【0007】
前記スクリューコンプレッサーの場合、ターボ型圧縮機よりも低い回転数で動作し、直感的に理解できる圧縮構造を有しているが、欠点は重く、かさばることである。ターボ型コンプレッサーの場合、小型でシンプルな構造で製品を安くすることができるが、高速回転に適した潤滑構造を確保する必要がある。
【0008】
本発明では、このような従来の車両の燃料電池用空気ブロワーを冷却方法及び冷却構造に対して重点的に実験して、燃料電池用空気送風機の熱を取ることによって、効率及び耐久性を向上させる燃料電池用空気ブロワーを提供する。
【0009】
インペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の従来技術として、
図5の(a)に示すように、韓国公開特許第10-1735042号公報「燃料電池車両用送風機」(以下、特許文献1という)は、ベアリングの外周と接する領域に空気の流動溝を形成することによって、軸荷重を低減して耐久性を向上することができ、ベアリングを含むモーターを冷却することができ、モータのケースに冷却水の流路が形成されることによって、冷却効率をさらに高めた燃料電池車両用空気ブロアに関するものである。
【0010】
また、他の従来技術として、
図5の(b)に示すように、韓国公開特許第10-2016-0097884号公報「燃料電池車両用空気ブロワー」 (以下、 特許文献2という)は、送風機の外部を形成するハウジングと;前記ハウジングの前面に連結され、外気を吸入するインペラを支持するインペラ支持部と;インペラを覆うように前記インペラ支持部に結合され、空気を導入する空気入口および圧縮空気を排出する空気出口を有するインペラハウジングと;前記ハウジングの後側に結合されている後部カバーと;前記ハウジングの内部に設置され、前記インペラの回転を駆動するブロワーモータと;を含む燃料電池車両用空気ブロワーに関するものである。前記インペラ支持部は、インペラによって引き起こされた空気を前記ハウジング内に導入することを可能にする第1の流路を含んで、送風機に別の排水ホースや排水用のポートがないため、送風機の管理が容易になり、排水ホースを交換する必要がない。 また、ブロワーモータの回転子を十分に冷却することができ、回転子の熱による軸受の耐久性の低下や短尺化を抑制することができる効果を有する。
【0011】
以上説明したように、特許文献1ないし特許文献2は、本発明と同様の技術分野として、発明が解決すべき課題(発明の目的)においては一部同様であるが、これを解決するための手段、すなわち構成要素およびその効果 に違いがある。
【0012】
したがって、技術的な機能は異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録特許第10-1735042号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0097884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するために提案された技術として、発明の目的は、空冷及び水冷を同時に利用する冷却構造を形成して、インペラの温度上昇を低下させることによって、効率及び耐久性の向上した燃料電池用ターボ送風機を提供することにある。
【0015】
また、発明の他の目的は、インペラ手段によって、ブロワーのケーシング手段の第2の空気吸入コンパートメント内部へ空気が自然に吸入され、吸入された空気が特定の経路に沿って流れるように誘導することにより、インペラ手段の温度上昇を低下させる燃料電池用ターボ送風機の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するための本発明によるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機は、圧縮空気を生成するインペラ手段を、第1の空気吸入コンパートメントおよび第2の空気吸入コンパートメントで区分されたブロワーのケーシング手段に位置及び結合させ、前記第2の空気吸入コンパートメントを空冷及び水冷を同時に使用して冷却することによって、インペラ手段の冷却効果を最大化すると同時に、効率及び耐久性を向上させて、高熱により発生するターボ送風機の短い寿命及び効率低下の問題を解決するため、インペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機1において、吸入された空気の流動及び吐出を案内するブロワーのケーシング手段と;前記ブロワーのケーシング手段の内部に位置及び結合されて、空気の流入及び流動を発生するインペラ手段と;で構成され、内部に吸入される空気を、特定の経路へ誘導してインペラ手段の温度上昇を防止するブロワーのケーシング手段は、インペラにより吸入される空気が流動される第1の空気吸入コンパートメントと;インペラ手段の冷却ファンにより吸入される空気が流動される第2の空気吸入コンパートメントと;インペラにより前記第1の空気吸入コンパートメントの内部に空気が吸入されるようにする第1の空気の吸入ダクトと;前記第1の空気の吸入ダクトを通して吸入された空気は、インペラ手段によって圧縮され、燃料電池スタックに吐出できるようにする第1の空気の排出ダクトと;インペラ手段の冷却ファンにより前記第2の空気吸入コンパートメントの内部に空気が吸入されるようにする第2の空気の吸入ダクトと;前記第2の空気の吸入ダクトを通して吸入されてインペラ手段を冷却した空気を排出する第2の空気の排出ダクトと;前記第2の空気の吸入ダクトおよび第2の空気の排出ダクトにより生成される空冷空気の流動経路と;前記第2の空気吸入コンパートメントに位置したインペラ手段に隣接して形成されて、外部から供給される冷却水のフローを通して、インペラ手段を冷却する冷却水の流入循環溝が形成されたインペラ手段の水冷式冷却部と;で構成されて、第2の空気吸入コンパートメントに位置した高速で回転するインペラ手段の一部を特定の経路へ誘導される空気の流動を利用して冷却させて、インペラ手段の温度上昇を低下させることによって、空冷及び水冷を同時に使用する冷却方式で燃料電池用ターボ送風機の効率及び耐久性を最大化し、第1の空気吸入コンパートメントおよび第2の空気吸入コンパートメントの内部にそれぞれ空気が吸入されるようにするインペラ手段は、ステータと;ローターと;インペラと;前記ローターの端部に結合されたインペラと反対の方向に隔離されてローターの他端部に結合され、第2の空気吸入コンパートメントに位置して、第2の空気吸入コンパートメントの内部に空気を吸入するインペラ手段の冷却ファンと;で構成されて、高速で回転するインペラ手段の温度上昇を低下し、効率及び耐久性を最大化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成および作用で前記説明したように、本発明によると、圧縮空気を生成するインペラ手段を、空冷及び水冷を同時に利用することができる冷却構造で冷却させて、温度上昇を防止する。
【0018】
特に、空冷を利用した冷却方法は、インペラ手段の冷却ファンによって、自然にブロワーのケーシング手段の第2の空気吸入コンパートメントの内部に吸入される空気の流動を通して、インペラ手段を冷却する。
【0019】
即ち、第2の空気吸入コンパートメントの内部に吸入される空気の流動によりインペラの温度を低下させる。
【0020】
これにより、燃料電池用ターボ送風機の効率および耐久性が最大化される。
【0021】
また、燃料電池スタックに供給される圧縮空気を発生させる第1の空気吸入コンパートメントが別に形成されるため、圧縮空気の量が一定に保たれる。
【0022】
即ち、燃料電池用ターボ送風機の完璧な冷却により、高効率性および経済性が維持及び確保できる、非常に有効な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の構成図である。
【
図2】本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の状態斜視図である。
【
図3】本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の断面図である。
【
図4】本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の作動及び吸入される空気の流動を示すフローチャートである。
【
図5】本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の先行技術の選択図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明は様々な変換を加えることができ、いろいろな実施例を持つことができるが、特定の実施例を図面に例示して詳しく説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むことを理解されたい。
【0025】
本実施の例は当該発明が属する技術分野で通常の知識を持った者に本発明をさらに詳しく説明するために提供される。従って、図面に示した各要素の形状はよりはっきりとした説明を強調するために誇張されることが可能で、本発明の説明において関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨と異なると判断される場合、その詳しい説明を省略する。
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の機能、構成および作用を詳しく説明する。
【0027】
図1は、本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の構成図であり、
図2は、本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の状態斜視図であり、
図3は、本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機の断面図である。
【0028】
図1ないし
図3に図示したように、本発明は、インペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機1において、吸入された空気の流動及び吐出を案内するブロワーのケーシング手段100;及び前記ブロワーのケーシング手段100の内部に位置及び結合されて、空気の流入及び流動を発生するインペラ手段200;で構成される。
【0029】
前記ブロワーのケーシング手段100には、インペラ手段の冷却ファン240によってブロワーのケーシング手段100の第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気が吸入されるように第2の空気の吸入ダクト150;及び前記第2の空気の吸入ダクト150を通して吸入された空気が排出される第2の空気の排出ダクト160;が形成される。
【0030】
前記インペラ手段200には、ローター220の端部に結合されたインペラ230と反対の方向に隔離されて、ローター220の他端部に結合され、第2の空気吸入コンパートメント120に位置して、第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気を吸入するインペラ手段の冷却ファン240が形成されて、高速で回転するインペラ手段200の温度上昇を抑制し、効率および耐久性を最大化させることを特徴とする。
【0031】
即ち、本発明は、燃料電池スタックに酸素を供給する燃料電池用ターボ送風機として、圧縮空気を生成するインペラ手段200を、第1の空気吸入コンパートメント110および第2の空気吸入コンパートメント120で区切られたブロワーのケーシング手段100に位置及び結合させて、第2の空気吸入コンパートメント120を空冷及び水冷を同時に使用して冷却することによって、燃料電池用ターボ送風機の冷却効果を最大化することと同時に、これによる燃料電池用ターボ送風機の効率及び耐久性を向上させ、高熱により発生する燃料電池用ターボ送風機の問題(短い寿命及び効率の低下)を解決するためのものである。
【0032】
より具体的には、内部に吸入される空気を、特定の経路へ誘導してインペラ手段200の温度上昇を防止するブロワーのケーシング手段100は、
図3に図示したように、インペラ230により吸入される空気が流動される第1の空気吸入コンパートメント110;インペラ手段の冷却ファン240により吸入される空気が流動される第2の空気吸入コンパートメント120;インペラ230によって前記第1の空気吸入コンパートメント110の内部に空気が吸入されるようにする第1の空気の吸入ダクト130;前記第1の空気の吸入ダクト130を通して吸入された空気はインペラ手段200によって圧縮されて、燃料電池スタックに吐出できるようにする第1の空気の排出ダクト140;インペラ手段の冷却ファン240によって前記第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気が吸入されるようにする第2の空気の吸入ダクト150;前記で第2の空気の吸入ダクト150を通して吸入されてインペラ手段200で冷却した空気を排出する第2の空気の排出ダクト160;前記第2の空気の吸入ダクト150および第2の空気の排出ダクト160によって生成される空冷空気の流動経路170;及び前記第2の空気吸入コンパートメント120に位置したインペラ手段200に隣接して形成され、外部から供給される冷却水のフローを通して、インペラ手段200を冷却する冷却水の流入循環溝181が形成されたインペラ手段の水冷式冷却部180;で構成される。
【0033】
前記第2の空気吸入コンパートメント120に位置した高速で回転するインペラ手段200の一部を、特定の経路へ誘導される空気の流動を利用して冷却させて、インペラ手段200の温度上昇を低下させることによって、空冷及び水冷を同時に使用する冷却方式で燃料電池用ターボ送風機の効率及び耐久性を最大化するようにする。
【0034】
即ち、本発明は、前述したように、燃料電池用ターボ送風機を空冷及び水冷を同時に使用した冷却方法として、第2の空気吸入コンパートメント120内部の温度上昇を防止し、さらに、熱平衡(thermal equilibrium)状態を計って、燃料電池用ターボ送風機の効率及び耐久性を高めるようにする。
【0035】
一方、ブロワーのケーシング手段100、つまり、第1の空気吸入コンパートメント110および第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気を吸入するようにするインペラ手段200は、従来の燃料電池用ターボ送風機の構成と同じく、ステータ210;ローター220;およびインペラ230;で構成される。
【0036】
本発明は、前記ローター220の端部に結合されたインペラ230と反対の方向に隔離されてローター220の他端部に結合され、前記第2の空気吸入コンパートメント120に位置して、第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気を吸入するインペラ手段の冷却ファン240がさらに含まれて構成される。
【0037】
前記インペラ手段の冷却ファン240は、
図3に図示したように、第2の空気吸入コンパートメント120に位置し、インペラ230を回転するローター220の他端部に結合するため、インペラ手段の冷却ファン240を回転させるための別の力は必要ではない。
【0038】
即ち、本発明は、ブロワーのケーシング手段100とインペラ手段200との有機的な結合、詳しくは、インペラ手段200が第1の空気吸入コンパートメント110および第2の空気吸入コンパートメント120に結合するように構成されているブロワーのケーシング手段100の有機的な結合、およびブロワーのケーシング手段100と有機的に結合するように対応して形成されたインペラ手段200との結合によって、第2の空気吸入コンパートメント120に位置したインペラ手段200の一部を空冷及び水冷を同時に使用した冷却方法で冷却する技術である。
【0039】
このような本発明のブロワーのケーシング手段100の有機的な結合の関係は、これに対応するように形成されたインペラ手段200との組み合わせにより、燃料電池用ターボ送風機が出すことができる効果を最大限に活用する。
【0040】
たとえば、第一に、ブロワーのケーシング手段100の内部に空気が吸入されている領域を、第1の空気吸入コンパートメント110および第2の空気吸入コンパートメント120で区分して、燃料電池スタックに供給される圧縮空気の場合、第1の空気吸入コンパートメント110でインペラ230に吸い込まれる空気を圧縮して吐出す。
【0041】
一方、インペラ230を回転させるステータ210およびローター220は、第2の空気吸入コンパートメント120に位置して、ローター220の回転で回転するインペラ手段の冷却ファン240によって吸入される空気を空冷空気の流動経路170に誘導することによって、空冷空気の流動経路170を流れる空気をステータ210及びローター220と接触させて、インペラ手段200の温度上昇の防止、即ち、第2の空気吸入コンパートメント120の温度上昇を防止する。
【0042】
第二に、インペラ手段200に隣接して形成されたインペラ手段の水冷式冷却部180は、空冷空気の流動経路170を流れる空気と共に、インペラ手段200の温度上昇を防止する。
【0043】
つまり、前記空冷空気の流動経路170を流れる空気は、インペラ手段200のステータ210とローター220とを冷却する。
【0044】
また、インペラ手段の水冷式冷却部180は、インペラ手段200のステータ210および第2の空気吸入コンパートメント120の内壁を、冷却水を通して冷却させて、インペラ手段200の一部の温度上昇を防止する。つまり、第2の空気吸入コンパートメント120の温度が上昇することを防止する。
【0045】
第三に、インペラ手段の冷却ファン240により第2の空気吸入コンパートメント120の内部に吸入される空気は、第2の空気の吸入ダクト150および第2の空気の排出ダクト160により生成された空冷空気の流動経路170によって、空気が容易に流れてインペラ手段200のステータ210およびローター220を通して第2の空気の排出ダクト160に排出することによって、第2の空気吸入コンパートメント120内部のスムーズな空気循環を図る。
【0046】
即ち、本発明は、燃料電池用ターボ送風機の効率および耐久性を最大化する一環として、インペラ手段200の冷却方法に焦点を合わせて、ブロワーのケーシング手段100およびインペラ手段200の有機的な結合によって空冷及び水冷を同時に使用することができる冷却構造が形成されて、インペラ手段200を冷却することができるようにしたものである。
【0047】
一方、本発明であるインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機1の機能及び空気の流動を
図4を参照して簡単に説明することとする。
【0048】
外部から供給されるエネルギーによってインペラ手段200が回転する(▲S100、インペラ手段の動作段階)。
【0049】
高速で回転するインペラ230によって第1の空気吸入コンパートメント110の内部に空気が吸入される(▲S200、第1の空気の吸入段階)。
【0050】
これと同時に、高速で回転するインペラ手段の冷却ファン240によって第2の空気吸入コンパートメント120の内部に空気が吸入される(▲S700、第2の空気の吸入段階)。
【0051】
前記インペラ230の高速回転で第1の空気の吸入ダクト130によって第1の空気吸入コンパートメント110の内部に吸入された空気がインペラ230に吸い込まれる(▲S300、第1の空気の流動段階)。
【0052】
インペラ230に吸い込まれた空気は圧縮される(▲S400、空気の圧縮段階)。
【0053】
圧縮された空気は第1の空気の排出ダクト140に吐出される(▲S500、圧縮空気の排出段階)。
【0054】
前記第1の空気の排出ダクト140に吐出される圧縮空気は、第1の空気の排出ダクト140と結合される燃料電池スタックに供給される(▲S600、圧縮空気の供給段階)。
【0055】
また、前記インペラ手段の冷却ファン240の高速回転で第2の空気の吸入ダクト150を通して吸入された空気は、第2の空気の排出ダクト160に排出される空冷空気の流動経路170に沿って流れる(▲S800、第2の空気の流動段階)。
【0056】
空冷空気の流動経路170を流れる空気によって第2の空気吸入コンパートメント120に位置したインペラ手段200の一部を冷却させて(▲S900、インペラ手段の冷却段階)、第2の空気吸入コンパートメント120の温度上昇を防止する。
【0057】
前記第2の空気吸入コンパートメント120内部に吸い込まれた空気は、前記空冷空気の流動経路170に沿って流れ、インペラ手段200の一部を冷却し、第2の空気の排出ダクト160を通して排出される(▲S1000、空気の排出段階)。
【0058】
この時、水冷を使用する第2の空気吸入コンパートメント120の冷却は、インペラ手段の水冷式冷却部180によって第2の空気の吸入段階(S700)ないし空気の排出段階(S1000)に至るまでの過程で連続的に作動して第2の空気吸入コンパートメント120を冷却する。
【0059】
即ち、本発明は、吸い込んだ空気を圧縮し、燃料電池スタックに圧縮空気を提供するが、圧縮空気を提供するスペースと、インペラ手段200を冷却するためのスペースとを個別に構成することにより、効率および耐久性の効果を最大限に活用されている燃料電池用ターボ送風機に関するものである。
【0060】
参照して、第1の空気吸入コンパートメント110および第2の空気吸入コンパートメント120は、それぞれ密閉されて、インペラ230により第1の空気吸入コンパートメント110に吸入される空気が第2の空気吸入コンパートメント120に、インペラ手段の冷却ファン240により第2の空気吸入コンパートメント120に吸入される空気が、第1の空気吸入コンパートメント110に流入しないように構成するのが望ましい。
【0061】
前記では本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明はインペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機に関するものであり、これを作製する作製および販売業、特に、燃料電池スタックに圧縮空気を供給するための燃料電池用ターボ送風機に関連する産業、さらに、圧縮空気を必要とする全面的な産業など、さまざまな産業分野の増進に貢献するために適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 インペラ手段の冷却ファンが形成された燃料電池用ターボ送風機
100 ブロワーのケーシング手段
110 第1の空気吸入コンパートメント
120 第2の空気吸入コンパートメント
130 第1の空気吸入ダクト
140 第1の空気排出ダクト
150 第2の空気吸入ダクト
160 第2の空気排出ダクト
170 空冷空気の流動経路
180 インペラ手段の水冷式冷却部
181 冷却水の流入循環溝
200 インペラ手段
210 ステータ
220 ローター
230 インペラ
240 インペラ手段の冷却ファン
S100 インペラ手段の動作段階
S200 第1の空気の吸入段階
S300 第1の空気の流動段階
S400 空気の圧縮段階
S500 圧縮空気の排出段階
S600 圧縮空気の供給段階
S700 第2の空気吸入段階
S800 第2の空気流動段階
S900 インペラ手段の冷却段階
S1000 空気の排出段階