IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レジネラ ファーマ リミテッドの特許一覧

特許7012379視神経症を処置するためのトリテルペノイドを含む組成物およびその使用
<>
  • 特許-視神経症を処置するためのトリテルペノイドを含む組成物およびその使用 図1
  • 特許-視神経症を処置するためのトリテルペノイドを含む組成物およびその使用 図2
  • 特許-視神経症を処置するためのトリテルペノイドを含む組成物およびその使用 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】視神経症を処置するためのトリテルペノイドを含む組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/575 20060101AFI20220121BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20220121BHJP
   A61K 31/047 20060101ALI20220121BHJP
   A61K 31/11 20060101ALI20220121BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20220121BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20220121BHJP
   A61K 36/22 20060101ALI20220121BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220121BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220121BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
A61K31/575
A61K31/045
A61K31/047
A61K31/11
A61K31/122
A61K31/19
A61K36/22
A61P25/00
A61P27/02
A61P43/00 121
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019512645
(86)(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 IL2017051007
(87)【国際公開番号】W WO2018047175
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/384,717
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518094946
【氏名又は名称】レジネラ ファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハザン,ザディク
(72)【発明者】
【氏名】ルカセン,アンドレ シー.ビー.
(72)【発明者】
【氏名】アダムスキー,コンスタンティン
【審査官】小川 知宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/100651(WO,A1)
【文献】Chemical and Pharmaceutical Bulletin,1999年,47(12) ,1725-1729
【文献】ファルマシア,50(3),2014年,207-211
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00 - 31/80
A61K 36/22
A61P 25/00
A61P 27/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視神経症の病状の処置に使用するための、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせおよび医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
MDA、IMDA、NF-1およびNF-2;
MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4;
MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-B;または
MA、OA、MDA、IMDA、3-ベータ-OAc-24-Z-マスチカジエノール酸、3-ベータ-OAc-24-Z-イソマスチカジエノール酸、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコール
から本質的になる医薬有効成分を含む、医薬組成物。
【請求項2】
精油を実質的に含まない、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
少なくとも1種のトリテルペン酸が、植物源から得られる、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項4】
前記少なくとも1種の中性トリテルペノイドが、植物源から得られる、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記医薬的に許容できる担体が、疎水性担体を含む、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項6】
前記疎水性担体が、少なくとも1種の油を含む、請求項に記載の医薬組成物
【請求項7】
前記視神経症の病状が、外傷性神経症、虚血性神経症、放射線視神経症(RON)、緑内障、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項8】
前記虚血性視神経症が、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、前部虚血性視神経症(AION)および後部虚血性視神経症から選択される、請求項に記載の医薬組成物
【請求項9】
前記視神経症の病状が、蓄積症から生じた、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記蓄積症が、視神経中のリポタンパク質性物質の沈着を誘発した、請求項に記載の医薬組成物
【請求項11】
前記組成物が、非経口経路により投与されるものである、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項12】
前記非経口経路が、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、眼内および髄腔内からなる群から選択される、請求項11に記載の医薬組成物
【請求項13】
視神経症の病状を処置することにおける使用のための、MDA、IMDA、NF-1、NF-2から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
視神経症の病状を処置することにおける使用のための、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
キットであって、(a)少なくとも1種のトリテルペン酸および医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物と;(b)少なくとも1種の中性トリテルペノイドおよび医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物、および(c)それを必要とする対象における視神経症の病状の処置のために前記キットを使用するための使用説明書を含み、
前記医薬組成物(a)は、
MDAおよびIMDA;またはMA、OA、MDA、IMDA、3-ベータ-OAc-24-Z-マスチカジエノール酸および3-ベータ-OAc-24-Z-イソマスチカジエノール酸
から本質的になる医薬有効成分を含み、かつ
前記医薬組成物(b)は、
NF-1、NF-2;NF-1、NF-2、NF-3、NF-4;NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-B;またはNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコール
から本質的になる医薬有効成分を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に視神経症関連の病状を処置するための、トリテルペノイドを含む組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
視神経は、神経細胞の軸索を含み、軸索は、網膜から発生し、視神経円板で目を離れて視覚野に向かい、そこで目からの情報を視覚へと処理する。視神経症は、何らかの原因による視神経への損傷を指す。これらの神経細胞の損傷および死滅は、視神経症の特徴的性質をもたらす。主な症状は、視野の損失であり、罹患した目では色が微妙に薄く見える。健康診断では、視神経頭を検眼鏡で視覚化できる。薄暗い視神経円板が、長期の視神経症の特徴である。多くの症例では、一方の目だけが罹患しており、患者は、医師が健常な目を覆うように依頼するまで、色覚の損失に気づいていない場合がある。
【0003】
視神経症は、虚血性視神経症、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症などの様々な原因から生じる可能性がある。視神経症では非常にわずかな処置が現在利用されており、ほとんどが特定の型の視神経症で限定的効果を有する。
【0004】
緑内障は、世界全体での主な失明原因の1つである。種々の異なる型の緑内障が存在し、その全てが網膜神経節細胞(RGC)の損失という同じ病理生理学的性質を共有する。緑内障の最も共通する形態は、原発開放隅角緑内障(POAG)、原発閉塞隅角緑内障(PCAG)、原発先天性緑内障(PCG)である。緑内障は、他の病理生理学的状態の続発症として生じる可能性もある。続発緑内障の例は、色素緑内障、ステロイド緑内障、落屑緑内障、隅角後退、水晶体融解緑内障および血管新生緑内障である。この疾患の共通するメカニズムは、眼圧(IOP)の上昇であり、それはRGCへのストレスを誘導し、その結果それらの緩やかな損失をもたらす。RGC損失を遅延または停止させる治療的アプローチが、緑内障において視覚を保護するのに潜在的に有益であることが認識されている。現在利用可能な処置は、薬物または外科的介入のいずれかによる眼圧(IOP)低下に照準を合わせている。さらに、神経再生治療は、細胞生存機構によりRGC損失を停止させる可能性がある。しかしそのような介入は、患者の緑内障および視野損失の進行を停止させるとは限らない。
【0005】
植物および植物製品に由来する様々な薬品が、様々な治療適用のために、長年にわたり開示されている。
【0006】
例えば、Paraschosらは、 粗製のマスチックの極性溶媒抽出、それからの不溶性ポリマー:ポリ-β-ミルセンの除去、ならびにポリマー不含の総マスチック抽出物(TMEWP)からの酸性および中性画分の分離によるTMEWPの調製を開示している(Paraschos et al (2007) Antimicrob. Agents Chemother. 51(2):551-559)。
【0007】
国際特許出願公告第WO2005/112967は、マスチックガムの抗癌活性を対象とする。
【0008】
本発明の発明者らの一部の国際特許出願公告第WO2010/100650は、マスチックガム画分の治療的使用を対象とする。
【0009】
本発明の発明者らの一部の国際特許出願公告第WO2010/100651は、ポリマー性ミルセンの組成物を対象とする。
【0010】
本発明の発明者らの一部の国際特許出願公告第WO2012/032523は、マスチックガムの酸性組成物を対象とする。
【0011】
国際特許出願公告第WO2005/094837は、癌、腫瘍および神経変性疾患を処置するために用いられる、DNAポリメラーゼベータの阻害剤としてのマスチカジエノン酸の使用を対象とする。
【0012】
Marnerら(1991)は、P.レンチカスのガムマスチックからの様々なトリテルペノイドの同定を開示している(Marner et al (1991) Phytochemistry, 30, 3709-3712)。
【0013】
Giner-Larzaら(2002)は、 テレビンノキの虫こぶからの抗炎症性トリテルペンを開示している(Planta Med (2002), 68, 311-315)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
様々な理由から生じる視神経症の病状を処置するのに有用でかつ効果的である組成物が、当該技術分野で必要とされている。当該技術分野は、マスチックガムの単離された酸性画分が視神経症の病状を処置するために用いられ得ることのいかなる教示も提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の概要
以下の実施形態およびその態様は、システム、ツールおよび方法と併せて記載および例示され、それは模範的かつ例示的で範囲を限定しないことを意味する。
【0016】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状の処置のためのトリテルペノイド化合物の組み合わせ、それを含む組成物、およびその使用が提供される。
【0017】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状を処置する際の使用のための、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドとの組み合わせと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物が提供される。
【0018】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状を処置する際の使用のための、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドとの組み合わせと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物が提供される。
【0019】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される組成物および/または化合物の組み合わせは予想外に、種々の有益な生物活性を示し、それは驚くべき効率的な様式で視神経症を処置するために活用される。より具体的には、本明細書に開示される組成物および組み合わせは、視神経が損傷される任意の病状を包含し得る視神経症の病状において活性かつ有用であることが示される。幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、非限定的に、外傷性神経症(視神経への任意の型の外傷から生じ得る);虚血性神経症(例えば、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、前部虚血性視神経症(AION)、後部虚血性視神経症など);放射線視神経症(RON)、緑内障、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症など、またはそれらの組み合わせなどのような病状から選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0020】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、視神経中のリポタンパク質性物質の沈着の結果としての視神経への損傷から生じる、またはそれに関連する。
【0021】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、視神経中のリポタンパク質性物質の沈着の結果としての視神経への損傷から生じ、またはそれに関連し、リポタンパク質性物質の沈着は、蓄積症の結果である。
【0022】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、視神経中のリポタンパク質性物質の沈着の結果としての視神経への損傷から生じ、またはそれに関連し、リポタンパク質性物質の沈着は、蓄積症の結果であり、リポタンパク質性物質は、リポフスチンである。
【0023】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置するための、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドとの組み合わせと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物の使用が提供される。
【0024】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドとの組み合わせと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0025】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)およびモロン酸(MA)から選択される。
【0026】
幾つかの実施形態において、上記トリテルペン酸の少なくとも1種は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAから選択される。幾つかの実施形態において、前記トリテルペン酸の少なくとも1種は、MDA、IMDA、3-O-アセチル-MLAおよび3-O-アセチル-IMLAから選択される。
【0027】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、および20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)から選択される。
【0028】
幾つかの実施形態において、上記中性トリテルペノイドの少なくとも1種は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から選択される。
【0029】
幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。
【0030】
幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。
【0031】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-1)を含む。
【0032】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)を含む。
【0033】
幾つかの実施形態において、トリテルペノイドは、少なくとも(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-1)および(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)を含む。
【0034】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともチルカロール(NF-4)を含む。
【0035】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともオレアノンアルデヒド(NF-3)を含む。
【0036】
幾つかの実施形態において、組成物は、精油を実質的に含まない。
【0037】
幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、植物源から得られる。 幾つかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、植物源から得られる。幾つかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、単離される。
【0038】
幾つかの実施形態において、医薬的に許容できる担体は、疎水性担体を含む。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種の油を含む。
【0039】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、外傷性神経症、虚血性神経症、放射線視神経症(RON)、緑内障、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症およびそれらの組み合わせから選択される。
【0040】
幾つかの実施形態において、虚血性視神経症は、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、前部虚血性視神経症(AION)および後部虚血性視神経症から選択される。
【0041】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状は、蓄積症から生じた。幾つかの実施形態において、蓄積症は、視神経中のリポタンパク質性物質の沈着を誘発した。
【0042】
幾つかの実施形態において、組成物は、非経口経路により投与されてよい。幾つかの実施形態において、非経口経路は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、眼内および髄腔内からなる群から選択されてよい。
【0043】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0044】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0045】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0046】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、NF-1、NF-2から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0047】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、NF-3、NF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、MDA、IMDA、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0049】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、MF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0050】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、MF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0051】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-3、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、およびNF-2から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0054】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0055】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、およびNF-3から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、本明細書に開示される組成物を対象に投与することを含む、視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0057】
幾つかの実施形態によれば、本明細書に開示される組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0058】
幾つかの実施形態によれば、MA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から本質的になる医薬有効成分を含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0059】
幾つかの実施形態によれば、MDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0060】
幾つかの実施形態によれば、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0061】
幾つかの実施形態によれば、MDA、IMDA、NF-1、NF-2から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0062】
幾つかの実施形態によれば、MDA、IMDA、NF-3、NF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0063】
幾つかの実施形態によれば、MDA、IMDA、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0064】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、MF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分を含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0065】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、MF-P、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0066】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0067】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-3、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0068】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、NF-1、およびNF-2から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0069】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、およびNF-4から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0070】
幾つかの実施形態によれば、唯一の医薬有効成分としての、MDA、IMDA、およびNF-3から本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0071】
幾つかの実施形態によれば、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置するための、本明細書に開示される医薬組成物を含むキットが提供される。
【0072】
幾つかの実施形態によれば、(a)少なくとも1種のトリテルペン酸と医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物と;(b)少なくとも1種の中性トリテルペノイドと医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を含み、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置するための、キットが提供される。
【0073】
幾つかの実施形態において、キットは、それを必要とする対象の視神経症の病状を処置する際に第一および第二の医薬的組成物を一緒に使用するための使用説明書をさらに含んでよい。
【0074】
幾つかの実施形態によれば、視神経症の病状を処置する際の使用のための組成物の調製における、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドが提供される。
【0075】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される医薬組成物を含むキットが提供される。
【0076】
幾つかの実施形態において、(a)少なくとも1種のトリテルペン酸と医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物と;(b)少なくとも1種の中性トリテルペノイドと医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物を含むキットが提供される。
【0077】
幾つかの実施形態において、視神経症の病状を処置するための組成物の調製における、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドの使用が提供される。
【0078】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの組み合わせは、精油を実質的に含まなくてよい。
【0079】
幾つかの実施形態において、組成物は、非経口、経皮、経口および局所からなる群から選択される経路による投与に適した形態であってよい。様々な実施形態において、組成物は、非経口経路により投与されてよい。幾つかの実施形態によれば、投与経路は、非経口注射を介してよい。様々な実施形態において、投与のステップは、静脈内(i.v.)、筋肉内、皮下(sc)、皮内、腹腔内、動脈内、脳内、脳室内、骨内、眼内、硝子体内、および髄腔内からなる群から選択される非経口経路により実施される。
【0080】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される組成物で処置される対象は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物からなる群から選択されてよい。
【0081】
先に記載された模範的態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態が、図面の参照および以下の詳細な記載の研究により明白となろう。
【0082】
模範的実施形態が、参照される図に例示される。図に示された構成要素および特色の寸法は、提示の簡便さおよび明瞭さのために一般に選択され、必ずしも一定の縮尺で示されていない。図を以下に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】対照ビヒクル処置群に比較した、追跡調査28日目に実施された処置ラット(目をレーザー照射)における、pERG測定の平均振幅における相対的変動を示す棒グラフ。
図2】ナイーブラットに比較した、様々な処置ラットにおける視神経領域あたりの視神経軸索の数(%)を示す棒グラフ。試験組成物は、組成物A~CおよびA1N2を包含する。
図3】示された化合物の組み合わせ(組成物A~CおよびA1N2)で処置されたラット、ビヒクル処置または非処置ラット(ナイーブ)から得られた視神経の準超薄断面(semi-thin cross-section)の画像。
【発明を実施するための形態】
【0084】
発明の詳細な記載
本明細書に開示される通り、驚くべきことに、トリテルペン酸と中性トリテルペノイド化合物の組み合わせが、非限定的に外傷性神経症(視神経への任意の型の外傷から生じ得る);虚血性神経症(例えば、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、前部虚血性視神経症(AION)、後部虚血性視神経症など);放射線視神経症(RON))、様々な種類の緑内障、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症など、またはそれらの組み合わせなどのような病状から選択される様々な視神経症の病状を処置する際に高い活性を示すことが、見出された。
【0085】
トリテルペン酸と中性トリテルペノイド化合物の特定の組み合わせは驚くべきことに、高い治療有効性を示す。
【0086】
定義
本明細書で用いられる用語「複数」は、1より多く、好ましくは2より多くを指す。本明細書で用いられる用語「相乗的」は、相加を超えることを意味する。
【0087】
本明細書で用いられる用語「酸-塩基抽出」は、有機酸性(典型的には、有機カルボン酸)および有機非酸性成分を含有する有機溶媒溶液を1種または複数の塩基性水性溶液(複数可)で処理/抽出する手順を指す。この結果として、有機酸性成分は、脱プロトン化され、こうして対応する脱プロトン化イオン塩形態(典型的には、有機陰イオン性カルボン酸塩)に変換され、結果的に上記塩基性水性溶液に溶解する。非酸性有機成分は、脱プロトン化せず、こうして元の有機溶液相に残留する。脱プロトン化酸は、特に数グラム量が抽出される場合、中間体の油層および/またはエマルジョン層も形成し得る。酸性成分の脱プロトン化塩形態を含有する塩基性水性溶液は、油層および/またはエマルジョン層(存在する場合)と一緒に、酸性化され、有機性酸性成分のプロトン化酸形態を再形成する。これらのプロトン化酸性形態(酸性画分)は、酸性化合物の特性に応じて複数の方法で酸性化水性溶液から除去され得る。酸性溶液から酸性画分を除去するための一選択肢は、適切な有機溶媒中への再抽出による。実施例1は、先に記載された酸-塩基抽出の非限定的実施例を記載する。酸性化水性溶液中の酸性化合物の溶解度および物理的形態に応じて(例えば、酸性画分が、典型的に分離/沈殿した固体を含むかどうか)、酸性画分は、酸性化水性溶液の濾過により単離されてよい。
【0088】
先に述べられた通り、塩基性水性溶液(複数可)での抽出後に残存する元の有機溶液相は、非酸性有機成分を含有する。マスチックガムの場合、これらの非酸性成分は中性トリテルペノイドからなり、混合物は中性画分と称される。実施例は、マスチックガムからの特定の酸性画分および特定の中性画分の単離のための特定の(しかし非限定的な)方法を記載する。
【0089】
単離された酸性画分および中性画分から、個々のトリテルペン酸および中性トリテルペノイドが、カラムクロマトグラフィーおよびHPLCなどの当該技術分野で公知の方法を利用して単離され得る。本出願の冒頭に提示された複数の参考資料は、マスチックガムからのトリテルペン酸および中性トリテルペノイドの分離方法の例を含む。本発明の組成物の一部である開示された化合物および他の化合物のいずれかへの他の可能な合成経路が存在することは、当業者に理解され、かつ明白であろう。
【0090】
酸-塩基抽出に塩基性水性溶液を用いる代わりに、塩基性形態のイオン交換樹脂も使用できる。これらの例では、イオン交換樹脂との接触により、酸性有機成分(酸性画分、典型的には有機性カルボン酸)は、樹脂によりそれらの脱プロトン化陰イオン性形態(典型的には有機性陰イオン性カルボン酸塩)で捕捉される。樹脂は、最初の溶液から続いて除去され、非酸性成分を後に残す。酸性成分(酸性画分)は、適切な酸性溶液での樹脂の処理により樹脂から続いて遊離される。酸-塩基抽出のためのイオン交換樹脂の使用は、工程の規模拡大に特に適し、(半)連続抽出工程の開発に用いることができる。
【0091】
先の酸-塩基抽出および他の変法の例は、多くの教書および他の発行物に見出すことができ、当業者に一般な知識と見なされる。有用な教書の例は、“Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry”, 5th Edition, 1989, (p.162-163)である。
【0092】
本明細書で用いられる用語「純度」は、調製物中の他の化学物質に対する指定された化学物質の重量/重量基準でのパーセンテージとして表される、調製物中の指定された化学物質の量を指す。
【0093】
本明細書で用いられる「テルペン化合物」は、頭尾方向でイソプレン単位(CHC(CH)CHCH)を有する、イソプレン含有炭化水素を指す。一般にテルペン炭化水素は、分子式(Cを有し、それぞれ1、2、3、4、6および8個のイソプレン単位を有する、ヘミテルペン(C5)、モノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、トリテルペン(C30)、およびテトラテルペン(C40)を包含する。テルペンはさらに、非環式または環式として分類されてよい。
【0094】
本明細書で用いられる「テルペノイド」および「テルペノイド化合物」は互換的に、イソプレン単位に加えて少なくとも1種の酸素原子を含むテルペン関連化合物を指し、したがって非限定的にエステルなどの、そのカルボン酸誘導体など、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテルを包含する。テルペノイドは、テルペンと類似の手法で炭素原子数に応じて細分され、つまりそれぞれ1、2、3、4、6および8個のイソプレン単位を有する、ヘミテルペノイド(C5)、モノテルペノイド(C10)、セスキテルペノイド(C15)、ジテルペノイド(C20)、トリテルペノイド(C30)、およびテトラテルペノイド(C40)を包含する。テルペノイドの骨格は、フラグメント、一般にはメチル基の損失またはシフトによりイソプレン単位の厳密な加成性(additivity)が異なる場合がある。モノテルペノイドの例としては、カンファー、オイゲノール、メントールおよびボルネオールが挙げられる。ジテルペノイドの例としては、フィトール、レチノールおよびタキソールが挙げられる。トリテルペノイドの例としては、ベツリン酸およびラノステロールが挙げられる。テルペノイドは、非環式であってよく、または1つもしくは複数の環構造を含んでいてもよい。トリテルペノイドは、非環式であってもよく、または1つもしくは複数の環構造を含んでいてもよい。環は、炭素原子のみを含んでよく、あるいは炭素原子の他に1つまたは複数の酸素原子を含んでいてもよい。一般的な環サイズは、3員環~10員環の範囲である。少なくとも20員環までのより大きな環サイズが、可能である。1つより大きな環および1つの環サイズより大きな環サイズが、1つのトリテルペノイドの中に存在してよい。トリテルペノイドが1つより多くの環を含む場合、その環は、1つまたは複数の非環式結合により存在しかつ分離されていてよく、あるいはその環は、アニール型、架橋型、スピロ型もしくはこれらの型の任意の組み合わせの連結を介して直接連結されてよい。複数のアニール、縮合、架橋された、またはスピロ型の環系が、可能である。単一のアニール、架橋、縮合された、スピロ型の環と、複数のアニール、架橋、縮合された、スピロ型の環との組み合わせが、可能である。同一トリテルペノイド中の単離された環と連結された環の組み合わせが、可能である。
【0095】
本明細書で用いられる「テルペン酸」は、少なくとも1つのカルボン酸官能基(COOH)を含むテルペノイド化合物を指す。テルペン酸は追加として、1つまたは複数の他の酸素含有官能基、例えば非限定的に、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環式および非環式)、エステル(環式および非環式)を含んでよい。それらはまた、1つまたは複数のC=C二重結合を含んでよく、各二重結合は、他のC=C結合とは独立して、シス、トランス、E型、Z型および一置換、二置換、三置換または四置換(ビニル性H置換基を含まないことを意味する)であってよい。カルボン酸基は、プロトン化形態(COOH)または脱プロトン化された陰イオン性形態(COO)で存在してよい。
【0096】
本明細書で用いられる「トリテルペン酸」は、少なくとも1つのカルボン酸基を含むトリテルペノイド化合物を指す。トリテルペン酸は追加として、1つまたは複数の他の酸素含有官能基、例えば非限定的に、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環式および非環式)およびエステル(環式および非環式)を含んでよい。それらはまた、1つまたは複数のC=C二重結合を含んでよく、各二重結合は、他のC=C結合とは独立して、シス、トランス、EまたはZ型、および一置換、二置換、三置換または四置換(ビニル性H置換基を含まないことを意味する)であってよい。カルボン酸基は、プロトン化形態(COOH)または脱プロトン化された陰イオン性形態(COO)で存在してよい。
【0097】
本明細書で用いられる「中性テルペノイド」は、カルボン酸基を欠くテルペノイド化合物を指す。中性テルペノイドは、1つまたは複数の他の酸素含有官能基、例えば非限定的に、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環式および非環式)およびエステル(環式および非環式)を含んでよい。それらはまた、1つまたは複数のC=C二重結合を含んでよく、各二重結合は、他のC=C結合とは独立して、シス、トランス、EまたはZ型、および一置換、二置換、三置換または四置換(ビニル性H置換基を含まないことを意味する)であってよい。
【0098】
本明細書で用いられる「中性トリテルペノイド」は、カルボン酸基を欠くトリテルペノイド化合物を指す。中性トリテルペノイドは、1つまたは複数の他の酸素含有官能基、例えば非限定的に、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環式および非環式)、およびエステル(環式および非環式)を含んでよい。それらはまた、1つまたは複数のC=C二重結合を含んでよく、各二重結合は、他のC=C結合とは独立して、シス、トランス、E型またはZ型、および一置換、二置換、三置換または四置換(ビニル性H置換基を含まないことを意味する)であってよい。
【0099】
本明細書で用いられる「テルペン酸のオリゴマー形態」は、モノマー単位が同じテルペン酸または異なるテルペン酸のいずれかであり、任意の可能な配列で接続され、任意の可能な結合または官能基、例えばC-C結合、非限定的にエステル基またはエーテル基を通して一方から他方へ連結される、オリゴマー性テルペノイド酸を指す。
【0100】
本明細書で用いられる「トリテルペン酸のオリゴマー形態」は、モノマー単位が同じトリテルペン酸または異なるトリテルペン酸のいずれかであり、任意の可能な配列で接続され、任意の可能な結合または官能基、例えば非限定的にC-C結合、エステル基またはエーテル基を通して一方から他方へ連結される、オリゴマー性トリテルペノイド酸を指す。
【0101】
本明細書で用いられる用語「マスチック」、「マスチック樹脂」、「ガムマスチック」および「マスチックガム」は、互換的に用いられて、ウルシ科に分類される任意の樹木からの滲出液として得られる樹木の樹脂(オレオレジンとしても知られる)を指す。ピスタキア属の樹木、最も顕著にはピスタキア・レンチスカス L.および特に栽培品種P.レンチスカス L.cv.キア(P.lentiscus L.cv.Chia)(ギリシャのヒオス島で栽培される)は、それらのガムマスチックの高い収率で知られる。他の変種としては、P.レンチスカス L.var.エマルギナタ Engl.(P.lentiscus L. var. emarginata Engl.)およびP.レンチスカス L.var.ラチフォリア コス(P. lentiscus L. var. latifolia Coss)が挙げられる。ピスタキアのさらなる種としては、例えばP. アトランチカ、P.パレスチナ、P.サポルタエ、P.テレビンサス、P.ベラおよびP.インテゲリマが挙げられる。
【0102】
本明細書で用いられる用語「マスチカジエン酸」、「マスチカジエノン酸」、「マスチカジエン」および「マスチカジエノン」は、互換的に用いられる場合がある。
【0103】
本明細書で用いられる用語「イソマスチカジエン酸」、「イソマスチカジエノン酸」、「イソマスチカジエン」および「イソマスチカジエノン」は、互換的に用いられる場合がある。
【0104】
本出願において頻繁に言及および参照される化合物の分子構造に関連して明瞭さを提供するために、本出願で用いられる名称および頭文字を付した構造のリストを、以下に示す。
【0105】
マスチカジエノン酸は、24-Z-マスチカジエノン酸を指し、本出願で用いられる頭文字MDAが、この化合物を指す。24-Z-マスチカジエノン酸の化学構造は、以下の通りである:
【化1】
【0106】
イソマスチカジエノン酸は、24-Z-イソマスチカジエノン酸を指し、本出願で用いられる頭文字IMDAが、この化合物を指す。24-Z-イソマスチカジエノン酸の化学構造は、以下の通りである:
【化2】
【0107】
オレアノン酸(OLNまたはOA)は、以下の分子構造を有する:
【化3】
【0108】
モロン酸(MOまたはMA)は、以下の分子構造を有する:
【化4】
【0109】
24-Z-マスチカジエノール酸(MLA)は、以下の構造を有し、3-ヒドロキシル基は、ベータ構造を有する:
【化5】
【0110】
24-Z-エピマスチカジエノール酸(MLA)は、以下の構造を有し、3-ヒドロキシル基は、アルファ構造を有する:
【化6】
【0111】
24-Z-イソマスチカジエノール酸(IMLA)は、以下の構造を有し、3-ヒドロキシル基は、ベータ構造を有する:
【化7】
【0112】
24-Z-エピ-イソマスチカジエノール酸(エピ-IMLA)は、以下の構造を有し、3-ヒドロキシル基は、ベータ構造を有する:
【化8】
【0113】
24-Z-3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、以下の分子構造を有する:
【化9】
【0114】
24-Z-3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸は、以下の分子構造を有する:
【化10】
【0115】
24-Z-3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、以下の分子構造を有する:
【化11】
【0116】
24-Z-3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸は、以下の分子構造を有する:
【化12】
【0117】
用語「NF-1」は、スキームIに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(ミルハノールCとも称される)を対象とする:
スキームI
【化13】
【0118】
用語「NF-2」は、スキームIIに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物((8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)を対象とする:
スキームII
【化14】
【0119】
用語「NF-3」は、スキームIIIに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物オレアノンアルデヒドを対象とする:
スキームIII
【化15】
【0120】
用語「NF-4」は、スキームIVに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物チルカロール(オイホールのC-20エピマー)を対象とする:
スキームIV
【化16】
【0121】
用語「NF-A」は、スキームVに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(ベツロンとも称される)を対象とする:
スキームV
【化17】
【0122】
用語「NF-B」は、スキームVIに表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(オレアノンアルコールとも称される)を対象とする:
スキームVI
【化18】
【0123】
用語「NF-P」は、表された構造を有する中性トリテルペノイド化合物20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(ジプテロカルポールとも称される)を対象とする:
【化19】
【0124】
マスチックガム中性画分から単離されるさらなる中性トリテルペノイドは、以下の通りである:
名称:3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン
【化20】
名称:3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン
【化21】
名称:3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン
【化22】
名称:イソマスチカジエンジオール
【化23】
名称:マスチカジエンジオール
【化24】
名称:イソマスチカジエノンアルデヒド
【化25】

名称:マスチカジエノンアルデヒド
【化26】
名称:ベータ-アミリン
【化27】

名称:ベータ-アミロン
【化28】
名称:ゲルマニコール
【化29】
名称:28-ノル-ベータ-アミリン
【化30】
名称:28-ノル-ベータ-アミロン
【化31】
名称:3-オキソ-28-ノルルプ-20(29)-エン(28-ノル-ベツロン)
【化32】
名称:3-オキソ-28-ノル-17-ヒドロキシ-20(29)-エン(28-ノル-17-ヒドロキシベツロン)
【化33】
【0125】
本明細書で用いられる用語「精油」は、植物の葉、幹、花もしくは小枝に由来する揮発性の油、または同じ化学的属性を有する合成化合物を意味する。精油は通常、植物の臭気および香味を備える。各植物の精油またはその誘導体は、天然供給物から抽出されても、または合成されてもよい。化学的精油は一般に、モノテルペンとセスキテルペンの混合物またはそのようなテルペノイドの対応する混合物を主成分として含有し、トリテルペンおよびトリテルペノイド(titerpenoid)と比較してより低い分子量を有する。特にこの群は、アルコールもしくはアルデヒド部分を含む飽和および不飽和非環式モノテルペンもしくはセスキテルペン、少なくとも1つの酸素化置換基もしくは側鎖を含むベンゼノイド芳香族化合物、または1つもしくは複数の酸素化置換基を担う6員環を一般に有する一炭素環テルペンを含む。マスチック樹脂は、そのような化合物を約2~4%含む。本明細書で用いられる「精油」は、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、塩、溶媒和物、代謝産物、類似体、および相同体を含む、それらの誘導体をさらに包含する。
【0126】
本明細書で用いられる「実質的に含まない」は、本発明による調製物または医薬組成物が一般に約5%未満の上述の物質を含有することを意味する。例えば、約3%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満。
【0127】
本明細書で用いられる用語「から本質的になる」は、指定された病状を処置する配合物または方法における活性の医薬原材料のみが、特定の実施形態または特許請求の範囲における具体的に列挙された治療原材料であることを意味する。他の原材料、例えば賦形剤および/または滑沢剤などの存在は、排除されない。追加の他の医薬的活性剤の存在もまた、上記病状への実際上の影響を有さない限りは排除されない。
【0128】
本明細書で用いられる「治療有効量」は、所望の治療効果を実質的に誘導する、促進する、またはもたらす、医薬原材料の量を指す。
【0129】
本明細書で用いられる「医薬的に許容できる担体」は、それと共に配合される医薬原材料の送達および/または薬物動態特性を促進するために用いられるが、それ自体の治療効果を有さず、対象において何らかの望ましくないもしくは不都合な影響または有害反応を誘導または誘発しない、希釈剤またはビヒクルを指す。
【0130】
本明細書で用いられる「医薬的に許容できる疎水性担体」は、その中で組成物が溶解または懸濁される疎水性非極性希釈剤またはビヒクルを指す。
【0131】
本明細書で用いられる用語「視神経症」および「視神経萎縮」は、互換的に用いられてよい。この用語は、任意の原因による視神経への損傷を指す。この用語はさらに、虚血性神経症(例えば、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、前部虚血性視神経症(AION)、後部虚血性視神経症);放射線視神経症(RON)、外傷性視神経症、緑内障、視神経炎、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、中毒性視神経症、遺伝性視神経症、蓄積症から生じた損傷、および同様のもの、またはそれらの組み合わせなどの、視神経症から生じる、またはそれに関連する任意の病状または障害を包含する。各可能性は、別の実施形態である。
【0132】
本明細書で用いられる用語「蓄積症」は、正常または異常な性質の脂質、タンパク質、リポタンパク質、炭水化物および他のものなどの物質の過剰な蓄積を導く任意の型の代謝障害を指す。特に重要なのは、視神経への病的損傷に関連するリポフスチンの蓄積である。
【0133】
本明細書で述べられる数値は、述べられる数値+/-10%と理解されなければならない。
【0134】
本明細書で用いられる、本明細書で述べられた数値に関連する用語「約」は、述べられた数値+/-10%と理解されなければならない。
【0135】
トリテルペン酸および中性トリテルペノイドを含む組成物
幾つかの実施形態において、本発明は、特異的トリテルペン酸および中性トリテルペノイドを含む、またはそれらからなる組成物を提供し、これらの組成物は、視神経症の病状の処置において予想外の相乗的治療効果を有することが示される。
【0136】
トリテルペン酸および中性トリテルペノイド化合物は、植物源、例えばマスチックガムなどから得られてよく、または化学的合成反応の産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドのいずれか一方は、生化学反応の産物、または微生物体により産生された産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドのいずれか一方は、発酵工程の産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドのいずれか一方は、化学合成と生化学反応の組み合わせにより生成されてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドのいずれか一方は、化学合成と発酵工程の組み合わせにより生成されてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドのいずれか一方は、先に示された選択肢のいずれかの組み合わせにより生成されてよい。生化学反応または微生物工程の場合、生化学剤および微生物剤は、天然由来の薬剤であってよく、または天然由来でない改変された薬剤であってよい。これらの薬剤の改変は、近代の生化学的方法、例えば遺伝子操作を利用して実現されてよい。上記天然由来でない生化学剤および微生物剤はまた、合成生物学的方法を利用して作出されてよい。
【0137】
本発明は、トリテルペン酸(複数可)および中性トリテルペノイド(複数可)を含む開示される医薬組成物の予想外の生物学的および医薬的特性に関する。トリテルペン酸(複数可)と中性トリテルペノイド(複数可)の組み合わせは、トリテルペン酸のみまたは中性トリテルペノイドのみを用いて得ることができない全体的医薬活性をもたらす。
【0138】
幾つかの実施形態において、組成物は、いくつかが化学合成され、いくつかが植物源に由来する、化合物の組み合わせに対応してよい。
【0139】
幾つかの実施形態において、組成物は、各化合物が独立して植物源に由来し得る、または先に示された通り化学合成、生化学反応もしくは微生物工程(例えば、発酵)の産物であり得る、化合物の組み合わせに対応してよい。
【0140】
幾つかの実施形態において、本発明は、本明細書に詳述される治療活性を有する、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む組み合わせを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、治療活性を有する少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸、少なくとも1種の中性トリテルペノイドおよび医薬的に許容できる担体を含む組成物が提供される。
【0141】
幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸、少なくとも1種の中性トリテルペノイドおよび医薬的に許容できる担体を含む、またはそれらからなる組成物が提供される。
【0142】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)およびモロン酸(MA)のうちの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてもよい。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)およびモロン酸(MA)の少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、またはそれからなる。
【0143】
幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも2種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも3種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも4種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも5種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも6種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも7種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも8種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも9種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも10種のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、2種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、3種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、4種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、5種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、6種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、7種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、8種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、9種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、組成物は、10種以下のトリテルペン酸を含む、またはそれからなる。
【0144】
幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸(複数可)は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つを含む、またはそれからなる。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸(複数可)は、少なくともMDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸(複数可)は、少なくともMDA、IMDA、MLAおよびIMLAを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともMDAおよびIMDAを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともMDAを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともIMDAを含む。
【0145】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、OAおよびMAから選択される。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAから選択される。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAから選択される。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDAおよびIMDAから選択される。
【0146】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAからなる。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAからなる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、MDAおよびIMDAからなる。
【0147】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0148】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールのうちの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0149】
幾つかの実施形態において、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)は、医薬組成物中に存在しない。
【0150】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールの少なくとも1つを含む、またはそれらからなる。各可能性は、別の実施形態である。
【0151】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールの少なくとも1つを含む、またはそれらからなる。各可能性は、別の実施形態である。
【0152】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)を含まない。
【0153】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)からならない。
【0154】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも5種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも6種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくとも7種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、2種以下の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、3種以下の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、4以下種の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、5種以下の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、6種以下の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、7種以下の中性トリテルペノイドを含む、またはそれからなる。
【0155】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pを含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bを含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2およびNF-3を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-3およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-2、NF-3およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1およびNF-2を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-2を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-3を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-4を含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-Aを含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-Bを含む。
【0156】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される。各可能性は、別の実施形態である。
【0157】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pから選択される。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから選択される。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から選択される。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2およびNF-3から選択される。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2およびNF-4から選択される。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1およびNF-2から選択される。
【0158】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールからなる。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pからなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4からなる。
【0159】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-3およびNF-4からなる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、NF-1およびNF-2からなる。
【0160】
幾つかの実施形態において、MA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0161】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0162】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0163】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0164】
幾つかの実施形態において、唯一の医薬有効成分としてのMA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0165】
幾つかの実施形態において、唯一の医薬有効成分としてのMA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0166】
幾つかの実施形態において、唯一の医薬有効成分としてのMDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0167】
幾つかの実施形態において、唯一の医薬有効成分としてのMDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bを含む、またはそれらから本質的になる医薬有効成分と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0168】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸(複数可)は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸の任意の1種は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイド(複数可)は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイド(複数可)は、単離されてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの任意の1種は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、植物源は、マスチックガムを包含してよい。
【0169】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸(複数可)は、化学合成により得られてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸の任意の1種は、化学合成により得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、化学合成により得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイド(複数可)は、化学合成により得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの任意の1種は、化学合成により得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、化学合成により得られてよい。
【0170】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OAまたはOLN)およびモロン酸(MA)の少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0171】
本明細書で呼称される「オレアノン酸」は、略語OAまたはOLNにより互換的に参照されてよい。
【0172】
本明細書で呼称される「モロン酸」は、略語MAまたはMOにより互換的に参照されてよい。
【0173】
幾つかの実施形態において、MDAがトリテルペン酸の1種である場合、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約2~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約10~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約15~60%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約20~50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約20~40%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約40~50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約50%を構成してよい。
【0174】
幾つかの実施形態において、IMDAがトリテルペン酸の1種である場合、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約2~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約10~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約15~60%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約20~50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約20~40%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約40~50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約50%を構成してよい。
【0175】
幾つかの実施形態において、MLAがトリテルペン酸の1種である場合、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~25%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~15%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約8%を構成してよい。
【0176】
幾つかの実施形態において、IMLAがトリテルペン酸の1種である場合、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~25%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0~15%を構成してよい。幾つかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約8%を構成してよい。
【0177】
幾つかの実施形態において、MAがトリテルペン酸の1種である場合、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0~40%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0~30%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約5~20%を構成してよい。幾つかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約12~15%を構成してよい。
【0178】
幾つかの実施形態において、OAがトリテルペン酸の1種である場合、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0~50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約5~35%を構成してよい。幾つかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約10~25%を構成してよい。幾つかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約18~20%を構成してよい。
【0179】
幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸がトリテルペン酸の1種である場合、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~25%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~15%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4~7%を構成してよい。
【0180】
幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸がトリテルペン酸の1種である場合、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~25%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0~15%を構成してよい。幾つかの実施形態において、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4~7%を構成してよい。
【0181】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0182】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0183】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0184】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン;NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリン、ゲルマニコールの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0185】
幾つかの実施形態において、NF-1が中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約0%~約80%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0186】
幾つかの実施形態において、NF-2が中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約0%~約80%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0187】
幾つかの実施形態において、NF-3が中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約0%~約80%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0188】
幾つかの実施形態において、NF-4が中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約0%~約80%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0189】
幾つかの実施形態において、NF-Pが中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約7%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約6%~約7%の範囲であってよい。
【0190】
幾つかの実施形態において、NF-Aが中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約6%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約4%~約6%の範囲であってよい。
【0191】
幾つかの実施形態において、NF-Bが中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約6%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約4%~約6%の範囲であってよい。
【0192】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約1%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約10%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約20%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約30%~約70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約35%~約65%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約40%~約60%を構成してよい。
【0193】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.1%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.5%~約4%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1%~約3.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1.5%~約3%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1.75%~約2.75%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約2%~約2.5%を構成してよい。
【0194】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約1%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約10%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約20%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約30%~約70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約35%~約65%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約40%~約60%を構成してよい。
【0195】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.1%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.5%~約4%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1%~約3.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1.5%~約3%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1.75%~約2.75%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約2%~約2.5%を構成してよい。
【0196】
幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDAおよびIMDAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4とを含んでよい。幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDAおよびIMDAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-Pとを含んでよい。幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDAおよびIMDAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bとを含んでよい。幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDA、MLA、IMDAおよびIMLAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4とを含んでよい。幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDA、MLA、IMDAおよびIMLAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pとを含んでよい。幾つかの実施形態において、組み合わせは、トリテルペン酸としての少なくともMDA、MLA、IMDAおよびIMLAと、中性トリテルペノイドとしての少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bとを含んでよい。そのような組成物は予想外に相乗効果を示し、それにより化合物の組み合わせは、視神経症の病状を処置する際に著しく改善された治療効果を示す。
【0197】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、および少なくとも1種のさらなる中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-2、および少なくとも1種のさらなる中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、および少なくとも1種のさらなる中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bからなる群から選択される。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-1、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、NF-3およびNF-4(チルカロール)から選択される。これらの化合物の幾つかの様々な組み合わせは、視神経症の病状を処置する際に予想外の相乗効果を示す。
【0198】
幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つを含む組成物が提供される。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0199】
幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つを含む組成物が提供される。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0200】
幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4の少なくとも1つに加えて、マスチカジエノン酸MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4の少なくとも1つに加えて、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加えて、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加えて、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、医薬的に許容できる担体をさらに含んでよい。
【0201】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加えて、NF-1、NF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0202】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ;ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加えて、NF-1、NF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0203】
幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2;MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸の少なくとも1つ;OAおよびMA、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0204】
幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2;MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸の少なくとも1つ;OA、MA、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0205】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0206】
幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0207】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0208】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0209】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0210】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0211】
幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0212】
幾つかの実施形態において、MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0213】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0214】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0215】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0216】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0217】
幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0218】
幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2の少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0219】
幾つかの実施形態において、MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0220】
幾つかの実施形態において、MDAおよびIMDAの少なくとも1つ、ならびにNF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、NF-1およびNF-2を含む組成物が提供される。
【0221】
幾つかの実施形態において、組成物は、50以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、40以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、30以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、25以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、20以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、15以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、14以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、13以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、12以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、11以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、10以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、9以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、8以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、7以下のトリテルペノイドを含んでよい。幾つかの実施形態において、組成物は、6以下のトリテルペノイドを含んでよい。
【0222】
幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸の少なくとも1つ;OAおよびMAを含む組み合わせが提供される。各可能性は、本発明の別の実施形態である。幾つかの実施形態において、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピイソマスチカジエノール酸の少なくとも1つ;OAおよびMAを含む組み合わせが提供される。各可能性は、本発明の別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組み合わせは、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、OAおよびMAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組み合わせは、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4の少なくとも1つに加え、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組み合わせは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pの少なくとも1つに加え、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組み合わせは、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bの少なくとも1つに加え、MDAおよびIMDAの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、組み合わせは、医薬的に許容できる担体をさらに含んでよい。
【0223】
幾つかの実施形態において、組成物は、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエンからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドをさらに含む。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0224】
幾つかの実施形態において、組成物は、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエンからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドをさらに含む。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0225】
幾つかの実施形態において、1種より多くのトリテルペン酸を含む組成物において、そのような組成物中に存在する場合、IMDAおよびMDAは、約1:1w/wの比で存在する。
【0226】
幾つかの実施形態において、1種より多くのトリテルペン酸を含む組成物において、そのような組成物中に存在する場合、MDA、IMDA、MLA、IMLAは、それぞれ約1:1:0.2:0.2(5:5:1:1)w/wの比で存在する。
【0227】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合IMDA、MDA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4は、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33(6:6:3:3:3:2)w/wの比で存在する。
【0228】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合IMDA、MDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-A、およびNF-Bは、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33:0.33:0.25:0.25(12:12:6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
【0229】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合IMDA、MDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、およびNF-Bは、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33:0.25:0.25(12:12:6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
【0230】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4は、それぞれ約1:1:1:0.67(3:3:3:2)w/wの比で存在する。
【0231】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-P、NF-A、およびNF-Bは、それぞれ約1:1:1:0.67:0.67:0.5:0.5(6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
【0232】
幾つかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、およびNF-Bは、それぞれ約1:1:1:0.67:0.5:0.5(6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
【0233】
幾つかの実施形態において、組成物は、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドをさらに含む。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0234】
幾つかの実施形態において、組成物は、オレアノール酸、ウルソン酸(ursonic acid)およびウルソール酸からなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドをさらに含んでよい。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0235】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸(複数可)は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸の任意の1種は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイド(複数可)は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドの任意の1種は、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、植物源から得られてよい。幾つかの実施形態において、植物源は、マスチックガムを包含してよい。
【0236】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および/または中性トリテルペノイドの任意の1種は、天然供給源から単離されてよく、または化学合成の産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および/または中性トリテルペノイドは、天然供給源から単離されてよく、または化学合成の産物であってよい。
【0237】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの任意の1種は、生化学反応の産物または微生物体により産生される産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの任意の1種は、発酵工程の産物であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの任意の1種は、化学合成と生化学反応の組み合わせにより生成されてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの任意の1種は、化学合成と発酵工程の組み合わせにより生成されてよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの任意の1種は、先に示された選択肢のいずれかの組み合わせにより生成されてよい。生化学反応または微生物工程の場合、生化学剤および微生物剤は、天然由来の薬剤であってよく、または天然にない改変された薬剤であってよい。これらの薬剤の改変は、現代の生化学的方法、例えば遺伝子操作を利用して実現されてよい。上記天然にない生化学剤および微生物剤はまた、合成生物学的方法を利用して作出されてもよい。
【0238】
幾つかの実施形態において、天然供給源から得ることは、天然供給源から単離することを包含し得る。幾つかの実施形態において、天然供給源からの単離は、個々の化合物(複数可)として、または化合物の群(複数可)としての単離を包含してよい。幾つかの実施形態において、天然供給源は、樹脂、ガム、葉、小枝、根、花、種、芽、樹皮、木の実、および根からなる群から選択される植物材料を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、天然供給源は、少なくとも1種の植物から抽出される樹脂を包含してよい。幾つかの実施形態において、天然供給源は、マスチックガムを包含してよい。
【0239】
幾つかの実施形態において、天然供給源は、少なくとも1種の植物を包含してよい。幾つかの実施形態において、植物は、ウルシ科に分類されてよい。幾つかの実施形態において、植物は、ピスタキア属および/またはコショウボク属に分類される少なくとも1種の植物を含んでよい。幾つかの実施形態において、ピスタキアは、P.レンチスカス、P. アトランチカ、P.パレスチナ、P.サポルタエ、P.テレビンサス、P.ベラ、P.インテゲリマ、およびP.レンチスカス Lからなる群から選択される種を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、ピスタキアは、ピスタキア・レンチスカス Lの種を包含してよい。幾つかの実施形態において、コショウボクは、S.モレの種を包含してよい。幾つかの実施形態において、ピスタキアは、ピスタキア・レンチスカス var.キアの種を包含してよい。幾つかの実施形態において、ピスタキアは、ピスタキア・レンチスカス L.var.ラチフォリウス コスの種を包含してよい。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0240】
幾つかの実施形態において、トリテルペノイドは、
(a)マスチックガムを極性有機溶媒で処理するステップと;
(b)上記極性有機溶媒に可溶な画分を単離するステップと;
(c)場合により、上記極性有機溶媒を除去するステップと;
(d)ステップ(b)または(c)で得られた可溶性画分を非極性有機溶媒で処理するステップと;
(e)上記非極性有機溶媒に可溶な画分を単離するステップと;
(f)場合により、上記非極性有機溶媒を除去するステップと;
(g)ステップ(f)で得られた画分を第一の有機溶媒に溶解するステップと;
(h)ステップ(g)または(e)で得られた溶液を塩基性水性溶液で処理して、中性トリテルペノイドを含有する第一の有機溶液に加えて、脱プロトン化塩形態でトリテルペン酸を含有する塩基性水性画分および中間体の油相またはエマルジョン相を得るステップと;
(i)第一の有機溶液から上記塩基性水性画分および中間体油相/エマルジョン相を分離するステップと;
(j)ステップ(i)で得られた塩基性水性画分およびエマルジョンを酸で酸性化するステップと;
(k)ステップ(j)で得られた酸性化画分を第二の有機溶媒で抽出するステップと;
(l)場合により、ステップ(k)で得られた有機画分を乾燥剤と接触させるステップ;
(m)ステップ(j)、(k)または(l)のいずれかで得られた画分から第二の有機溶媒、乾燥剤および/または過剰な酸を除去し、これにより単離された酸性画分を提供するステップと;
(n)ステップ(i)から第一の有機溶液を採取し、場合により、それを乾燥剤と接触させるステップと;
(o)第一の有機溶媒および乾燥剤を除去し、これにより単離された中性画分を提供するステップ、
の1つまたは複数を含む工程により得られてよい。
【0241】
個々のトリテルペン酸は、ステップ(m)で得られた単離酸性画分からのクロマトグラフィー分離により得られる。個々の中性トリテルペノイドは、ステップ(o)で得られた単離中性画分からのクロマトグラフィー分離により得られる。
【0242】
個別に得られたトリテルペン酸および中性トリテルペノイドはその後、必要に応じて、所望の医薬組成物を得るために混合され、またはひとまとめにされてよい。
【0243】
幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4と、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMDA、IMDA、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMDA、IMDA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4と、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、医薬有効成分としてのMA、OA、MDA、IMDA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bと、医薬的に許容できる担体とから本質的になる医薬組成物を提供する。
【0244】
トリテルペン酸および/または中性トリテルペノイドのいずれか1つは、マスチックガムなどの天然供給源から単離されてよく、または化学合成の産物であってよい。
【0245】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、OA、MA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pのいずれか1種は、化学合成の産物であってよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドのいずれか1つは、化学合成の産物であってよい。
【0246】
幾つかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、OA、MA、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bのいずれか1種は、化学合成の産物であってよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドのいずれか1つは、化学合成の産物であってよい。
【0247】
本発明の組成物を得るのに有用な植物種としては、ピスタキア属のものが挙げられるが、これらに限定されない。ピスタキアの有用な種としては、P.レンチスカス、P. アトランチカ、P.パレスチナ、P.サポルタエ、P.テレビンサス、P.ベラおよびP.インテゲリマが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・レンチスカスである。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・ベラである。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・パレスチナである。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・アトランチカである。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・テレビンサスである。幾つかの実施形態において、本発明の組成物を得るのに有用な植物種は、ピスタキア・サポルタエである。各可能性は、本発明の別の実施形態である。
【0248】
トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの精密な化学構造を決定するための分析方法としては、核磁気共鳴(例えば、H-NMRおよび13C-NMR)、様々な質量分析法(例えば、MALDI-TOF)、HPLC、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS; LC-MS/MS)、UV-VIS分光法、IRおよびFT-IR分光法などの組み合わせた方法、ならびに当該技術分野で公知の他の方法が挙げられる。
【0249】
幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)、モロン酸(MA)、またはそれらの任意の組み合わせを包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)、20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン(NF-P)またはそれらの任意の組み合わせを包含してよい。
【0250】
幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも1種のトリテルペン酸および少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)、モロン酸(MAまたはMO)、またはそれらの任意の組み合わせを包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-1)、(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン(NF-2)、オレアノンアルデヒド(NF-3)、チルカロール(NF-4)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン(NF-A)、28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン(NF-B)またはそれらの任意の組み合わせを包含してよい。
【0251】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)を包含してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともイソマスチカジエノン酸(IMDA)を包含してもよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)およびイソマスチカジエノン酸(IMDA)を包含してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)およびイソマスチカジエノール酸(IMLA)を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1およびNF-2を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pを包含してよい。
【0252】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)およびイソマスチカジエノン酸(IMDA)を包含してもよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)およびイソマスチカジエノール酸(IMLA)を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1およびNF-2を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を包含してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bを包含してよい。
【0253】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、7種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、6種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、5種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、4種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。
【0254】
幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、6種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、5種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、4種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、3種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、2種以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、さらなる中性トリテルペノイドは、1種の中性トリテルペノイドから本質的になる。
【0255】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、8種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、7種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、6種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、5種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、4種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、3種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、2種以下のトリテルペン酸から本質的になる。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、1種のトリテルペン酸から本質的になる。
【0256】
幾つかの実施形態において、組成物は、15種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、14種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、13種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、12種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、11種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、10種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、9種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、8種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、7種以下のトリテルペノイドから本質的になる。幾つかの実施形態において、組成物は、6種以下のトリテルペノイドから本質的になる。そのような組成物は予想外に相乗効果を示し、それにより化合物の組み合わせは、視神経症の病状を処置する際に著しく改善された治療効果を示す。
【0257】
幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸および3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、および3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAから選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDAおよびMLAから選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、およびIMLAから選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDAおよびIMDAを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDAを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともIMDAを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも3-O-アセチル-マスチカジエノール酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸を含む。
【0258】
幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸および3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、および3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDAおよびMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、およびIMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDAおよびIMDAを含む。
【0259】
幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸および3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、および3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLAおよびIMLAから選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDA、IMDAおよびMLAを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDA、IMDA、およびIMLAを含む。
【0260】
幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、3-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸および3-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも4種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3-O-アセチル-マスチカジエノール酸、および3-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも4種のトリテルペン酸を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともMDA、IMDA、MLAおよびIMLAを含む。
【0261】
幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pから選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2およびNF-3から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、およびNF-4から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1およびNF-2から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-2を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-3を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-4を含む。
【0262】
幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2およびNF-3から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、およびNF-4から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1およびNF-2を含む。
【0263】
幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3およびNF-4から選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1、NF-2およびNF-3を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1、NF-2、およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1、NF-3、およびNF-4を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-3、NF-3、およびNF-4を含む。
【0264】
幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、NF-P、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-B、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよびゲルマニコールから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は、別の実施形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-AおよびNF-Bから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、NF-1、NF-2、NF-3、NF-4、NF-A、NF-BおよびNF-Pから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくともNF-1、NF-2、NF-3およびNF-4を含む。
【0265】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの組み合わせは、精油を実質的に含まなくてよい。
【0266】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約1%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の最大99%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約10%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約20%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約30%~約70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約35%~約65%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、組成物の総有効成分の約40%~約60%を構成してよい。
【0267】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.01%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.1%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.5%~約4%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.1%~約0.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.1%~約1.0%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約0.1%~約2%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1%~約3.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1.5%~約3%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約1.75%~約2.75%を構成してよい。幾つかの実施形態において、トリテルペン酸は、総組成物の約2%~約2.5%を構成してよい。
【0268】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約1%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の最大99%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約10%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約20%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約30%~約70%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約35%~約65%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、組成物の総有効成分の約40%~約60%を構成してよい。
【0269】
幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約80%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約50%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.01%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.1%~約10%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.5%~約4%を構成してもよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.1%~約0.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.1%~約1.0%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約0.1%~約2%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1%~約3.5%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1.5%~約3%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約1.75%~約2.75%を構成してよい。幾つかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、総組成物の約2%~約2.5%を構成してよい。
【0270】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの組み合わせにおけるトリテルペン酸部分は、主な化合物として、モロン酸、オレアノン酸、24-Z-マスチカジエノン酸、24-Z-イソマスチカジエノン酸、3-ベータ-24-Z-O-アセチル-マスチカジエノール酸および/または3-ベータ-24-Z-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸の1種または複数を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0271】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの組み合わせにおけるトリテルペン酸部分は、主な化合物として、モロン酸(12~15%)、オレアノン酸(18~20%)、24-Z-マスチカジエノン酸(20~22%)、24-Z-イソマスチカジエノン酸(22~26%)、3-ベータ-24-Z-O-マスチカジエノール酸(4~7%)および/または3-ベータ-24-Z-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸(4~7%)を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0272】
幾つかの実施形態において、このトリテルペン酸部分は、(主な化合物に加えて)少量の、典型的には5%未満のさらなる別のトリテルペン酸をさらに含んでよい。そのようなさらなる可能な他のトリテルペン酸は、MLA:3-ベータ-マスチカジエノール酸、IMLA:3-ベータ-イソマスチカジエノール酸、3-ベータ-O-アセチル-エピマスチカジエノール酸、3-ベータ-O-アセチル-エピ-イソマスチカジエノール酸、エピマスチカジエノール酸(3-アルファ-マスチカジエノール酸)、エピ-イソマスチカジエノール酸(3-アルファ-イソマスチカジエノール酸)、ジヒドロマスチカジエノン酸および/またはジヒドロイソマスチカジエノン酸の1つまたは複数から選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0273】
幾つかの実施形態において、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの組み合わせにおける中性トリテルペノイド部分は、主な化合物として、NF-1((8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)、NF-2((8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)、NF-3(オレアノンアルデヒド)、NF-4(チルカロール)、NF-P(ジプテロカルポール(20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン))、NF-A((ベツロン)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン)、NF-B(オレアノンアルコール;(28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン))、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよび/またはゲルマニコールの1つまたは複数を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0274】
幾つかの実施形態において、マスチックガムの単離酸性画分中のトリテルペン酸は、主な化合物として、モロン酸、オレアノン酸、24-Z-マスチカジエノン酸、24-Z-イソマスチカジエノン酸、3-ベータ-OAc-24-Z-O-マスチカジエノール酸および/または3-ベータ-OAc-24-Z-O-アセチル-イソマスチカジエノール酸の1種または複数を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0275】
幾つかの実施形態において、マスチックガムの単離酸性画分中のトリテルペン酸は、主な化合物として、モロン酸(12~15%)、オレアノン酸(18~20%)、24-Z-マスチカジエノン酸(20~22%)、24-Z-イソマスチカジエノン酸(22~26%)、3-ベータ-OAc-24-Z-O-マスチカジエノール酸(4~7%)および/または3-ベータ-OAc-24-Z-O-イソマスチカジエノール酸(4~7%)を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0276】
幾つかの実施形態において、マスチックガムの単離酸性画分中のこれらのトリテルペン酸は、(主な化合物に加えて)少量の、典型的には5%未満のさらなる別のトリテルペン酸をさらに含んでよい。そのようなさらなる可能な他のトリテルペン酸は、MLA:3-ベータ-マスチカジエノール酸、IMLA:3-ベータ-イソマスチカジエノール酸、3-ベータ-OAc-エピマスチカジエノール酸、3-ベータ-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸、エピマスチカジエノール酸(3-アルファ-マスチカジエノール酸)、エピ-イソマスチカジエノール酸(3-アルファ-イソマスチカジエノール酸)、ジヒドロマスチカジエノン酸および/またはジヒドロイソマスチカジエノン酸の1つまたは複数から選択されてよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0277】
幾つかの実施形態において、マスチックガムの単離中性画分中の中性トリテルペノイド部分は、主な化合物として、NF-1((8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)、NF-2((8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)、NF-3(オレアノンアルデヒド)、NF-4(チルカロール)、NF-P(ジプテロカルポール(20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン))、NF-A((ベツロン)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン)、NF-B(オレアノンアルコール;(28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン))、3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン、28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン、28-オキソ-ルペン-3-オン、28-ノル-ベータ-アミロン、イソマスチカジエノンアルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)、3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン、マスチカジエノンアルデヒド、3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン、ベータ-アミロン、ベータ-アミリンおよび/またはゲルマニコールの1つまたは複数を包含してよい。各可能性は、別の実施形態である。
【0278】
マスチックガムの組み合わせおよび/または単離画分が、トリテルペン酸のみ、または中性トリテルペノイドのみのいずれかに関していずれかの段落で言及される場合、そのような組み合わせおよび/または単離画分の意図する使用は本発明に従い、つまり少なくとも1種のトリテルペン酸を少なくとも1種の中性トリテルペノイドと共に使用することを意味することは、理解されよう。
【0279】
幾つかの実施形態において、本発明における使用のための組成物は、本明細書に記載される少なくとも1種のトリテルペン酸の、および少なくとも1種の中性トリテルペノイドの治療有効量と、医薬的に許容できる担体とを含む。幾つかの実施形態において、担体は、疎水性である。
【0280】
幾つかの実施形態において、医薬的に許容できる担体は、疎水性担体を包含してよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種の油を包含してよい。幾つかの実施形態において、油は、鉱物油、植物油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、植物油は、綿実油、オリーブ油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油、コーン油、グレープシードオイル、ピーナッツ油、サフラン油、ゴマ油、大豆油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、植物油は、市販の製品であり、「NF」(国民医薬品集)等級の製品または「USP」(US薬局方)等級の製品のいずれかとして得られてよい。幾つかの実施形態において、鉱物油は、軽油であってよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種のワックスを包含してよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種の油と少なくとも1種のワックスの組み合わせを包含してよい。
【0281】
用語「鉱物油」は、石油の蒸留から得られる無色透明でほぼ無臭および無味の液体を指す。それは、白油、白鉱物油、流動ワセリン、流動パラフィン、またはホワイトパラフィンオイルと称される場合もある。幾つかの実施形態において、鉱物油は、「NF」(国民医薬品集)等級の製品または「USP」(US薬局方)等級のいずれかの製品として得られる市販の製品である、軽油である。本発明での使用の場合、鉱物油は好ましくは、芳香族化合物および他の不飽和化合物を含まない。
【0282】
医薬的に許容できる担体は、代わりにまたは追加として、代替油を含んでよい。代替油としては、少なくとも10個の炭素原子を有するアルカン(例えば、イソヘキサデカン)、安息香酸エステル、脂肪族エステル、ノンコメドジェニックエステル、揮発性シリコーン化合物(例えば、シクロメチコーン)、および代用揮発性シリコーンが挙げられる。安息香酸エステルの例としては、C12~C15安息香酸アルキル、安息香酸イソステアリル、安息香酸2-エチルヘキシル、安息香酸ジプロピレングリコール、安息香酸オクチルドデシル、安息香酸ステアリル、および安息香酸ベヘニルが挙げられる。脂肪族エステルの例としては、C12~C15オクタン酸アルキルおよびマレイン酸ジオクチルが挙げられる。ノンコメドジェニックエステルの例としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、プロピオン酸アラキジル、およびイソノナン酸イソトリデシルが挙げられる。
【0283】
疎水性担体は、少なくとも1種のワックスをさらに含んでよい。ワックスとしては、例えばビーズワックス、植物性ワックス、サトウキビワックス、ミネラルワックス、および合成ワックスが挙げられる。植物ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、カンデリラワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックスおよびホホバワックスが挙げられる。ミネラルワックスとしては、例えばパラフィンワックス、亜炭ワックス、微結晶ワックスおよびオゾケライトが挙げられる。合成ワックスとしては、例えばポリエチレンワックスが挙げられる。
【0284】
トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの異なる組み合わせの様々な配合物、およびそれらの調製が、本明細書に開示される。本発明の医薬組成物は、意図する目的を実現する任意の手段により投与されてよい。例えば投与は、例えば経口、非経口、局所、経皮経路、例えば皮下、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、髄腔内、皮膚、膣内、直腸内、吸入、鼻内、眼内、耳内および口腔投与経路などによってでよい。
【0285】
投与は加えて、例えば経皮的に、それらの送達を支援するために、電気穿孔または音波処理などの技術または手段を含んでよい。用いられ得る他の技術としては、例えば無線周波または加圧噴霧の適用が挙げられる。
【0286】
投与される投与量は、対象の年齢、健康および体重、あるならば併用処置の利用、処置の頻度、ならびに所望の効果の性質に依存し得る。任意の単位投与剤形中の本発明のトリテルペノイドの量は、治療有効量を含み、それはレシピエント対象、投与経路および頻度に応じて変動し得る。
【0287】
幾つかの実施形態において、MAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、MAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約7.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMAの量は、約0%~約0.3%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMAの量は、約0.3%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMAの量は、約0%~約50%の範囲であってもよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMAの量は、約0%~約8%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMAの量は、約6%~約8%の範囲であってよい。
【0288】
幾つかの実施形態において、OAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、OAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのOAの量は、約0%~約0.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのOAの量は、約0.5%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのOAの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのOAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのOAの量は、約0%~約11%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのOAの量は、約9%~約11%の範囲内あってよい。
【0289】
幾つかの実施形態において、MDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、MDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、MDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、MDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMDAの量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMDAの量は、約0.5%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMDAの量は、約0%~約50%の範囲であってもよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMDAの量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMDAの量は、約10%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMDAの量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0290】
幾つかの実施形態において、IMDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、IMDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、IMDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、IMDAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMDAの量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMDAの量は、約0.6%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMDAの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMDAの量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMDAの量は、約12%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMDAの量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0291】
幾つかの実施形態において、3-OAc-マスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-マスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-マスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-マスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0.5%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約10%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-マスチカジエノール酸の量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0292】
幾つかの実施形態において、3-OAc-エピマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0.5%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約10%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピマスチカジエノール酸の量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0293】
幾つかの実施形態において、3-OAc-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0.5%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約10%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-イソマスチカジエノール酸の量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0294】
幾つかの実施形態において、3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約99%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0.5%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約5%~約35%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約10%~約26%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちの3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸の量は、約20%~約26%の範囲であってよい。
【0295】
幾つかの実施形態において、MLAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、MLAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約3%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約0.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMLAの量は、約0%~約0.2%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのMLAの量は、約0.2%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMLAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMLAの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMLAの量は、約0%~約4%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのMLAの量は、約4%であってよい。
【0296】
幾つかの実施形態において、IMLAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、IMLAが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約3%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約0.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMLAの量は、約0%~約0.2%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのIMLAの量は、約0.2%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMLAの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMLAの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMLAの量は、約0%~約4%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのIMLAの量は、約4%であってよい。
【0297】
幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.05%~約20%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.05%~約20%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.05%~約20%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.1%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.1%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.1%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.5%~約12%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.5%~約12%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.5%~約12%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.5%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.5%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.5%~約15%の範囲であってよい。
【0298】
幾つかの実施形態において、NF-1が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-1の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-1が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-1の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-1の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-1の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-1の量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-1の量は、約0.5%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-1の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0299】
幾つかの実施形態において、NF-2が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-2の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-2が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-2の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-2の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-2の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-2の量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-2の量は、約0.5%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-2の量は、約9%~約13%の範囲であってもよい。
【0300】
幾つかの実施形態において、NF-3が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-3の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-3が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-3の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-3の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-3の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-3の量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-3の量は、約0.5%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-3の量は、約9%~約13%の範囲であってよい。
【0301】
幾つかの実施形態において、NF-4が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-4の量は、約0%~約75%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-4が組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-4の量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-4の量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-4の量は、約0%~約5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-4の量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-4の量は、約0.33%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約2.5%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-4の量は、約6%~約9%の範囲であってよい。
【0302】
幾つかの実施形態において、NF-Pが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約25%の範囲であってもよい。幾つかの実施形態において、NF-Pが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約7.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約2.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0%~約0.33%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Pの量は、約0.33%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約50%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約0%~約7%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Pの量は、約6%~約7%の範囲であってよい。
【0303】
幾つかの実施形態において、NF-Aが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-Aが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約3%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約0.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0%~約0.25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Aの量は、約0.25%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約0%~約6%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Aの量は、約4%~約6%の範囲であってよい。
【0304】
幾つかの実施形態において、NF-Bが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、NF-Bが組成物中の原材料の1種である場合、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約10%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約3%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約1%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約0.5%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0%~約0.25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、総組成物のうちのNF-Bの量は、約0.25%であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約25%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約15%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約0%~約6%の範囲であってよい。幾つかの実施形態において、トリテルペノイドの総量のうちのNF-Bの量は、約4%~約6%の範囲であってよい。
【0305】
幾つかの実施形態において、医薬的に許容できる担体は、疎水性担体を包含してよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種の油を包含してよい。幾つかの実施形態において、油は、鉱物油、植物油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、植物油は、綿実油、オリーブ油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油、コーン油、グレープシードオイル、ピーナッツ油、サフラン油、ゴマ油、大豆油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、鉱物油は、軽油であってよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種のワックスを包含してよい。幾つかの実施形態において、疎水性担体は、少なくとも1種の油と少なくとも1種のワックスの組み合わせを包含してよい。
【0306】
幾つかの実施形態において、医薬的に許容できる担体は、リン脂質であってよい。
【0307】
幾つかの実施形態において、組成物は、非経口、経皮、経口および局所からなる群から選択される経路による投与に適した形態であってよい。
【0308】
幾つかの実施形態において、組成物は、局所投与に適した形態であってよい。幾つかの実施形態において、組成物は、経口投与に適した形態であってよい。幾つかの実施形態において、組成物は、非経口投与に適した形態である。幾つかの実施形態において、組成物は、注射による投与に適した形態であってよい。幾つかの実施形態において、組成物は、皮下、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、動脈内、脳内、脳室内、骨内および髄腔内からなる群から選択される経路による投与のための非経口配合物である。
【0309】
幾つかの実施形態において、組成物は、皮下経路による投与のための非経口配合物であってよい。幾つかの実施形態において、組成物は、筋肉内経路による投与のための非経口配合物であってよい。
【0310】
様々な実施形態において、組成物は、皮膚、膣内、直腸内、吸入、鼻内、眼内、耳内および口腔からなる群から選択される経路による投与のために配合されてよい。
【0311】
幾つかの実施形態において、医薬組成物は、カプセル、錠剤、リポソーム、坐剤、懸濁剤、軟膏、クリーム、ローション、溶液、エマルジョン、フィルム、接合剤、粉末、グルー、エアロゾルおよびスプレーからなる群から選択される形態であってよい。幾つかの実施形態において、カプセルは、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセルからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、エマルジョンは、ナノエマルジョンまたはマイクロエマルジョンである。
【0312】
幾つかの実施形態において、配合物は、包接錯体、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、粉末、脂質ラフト、脂質微粒子、デンドリマーおよびリポソームのうちの少なくとも1つを包含してよい。幾つかの実施形態において、包接錯体は、少なくとも1種のシクロデキストリンを包含してよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のシクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを包含してよい。幾つかの実施形態において、ナノエマルジョンは、800nm未満の平均粒子径を有する液滴を包含してよい。幾つかの実施形態において、液滴は、500nm未満の平均粒子径を有する液滴を包含してよい。幾つかの実施形態において、液滴は、200nm未満の平均粒子径を有する液滴を包含してよい。幾つかの実施形態において、粉末は、噴霧乾燥粉末を包含してよい。幾つかの実施形態において、リポソームは、多層小胞を包含してよい。幾つかの実施形態において、マイクロエマルジョンは、非イオン性界面活性剤を含んでよい。幾つかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシルヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポロキサマー、ビタミンE誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアラートもしくは飽和ポリグリコリシスされたグリセリド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0313】
幾つかの実施形態において、組成物は、コーティングの形態で製造品の表面に配置されてよい。幾つかの実施形態において、製造品は、容器を含んでよく、組成物が容器内に配置されてよい。幾つかの実施形態において、製造品は、布製品、おむつ、包帯、医療デバイス、1本または複数の針、1本または複数のマイクロニードル、注射デバイス、および噴霧ディスペンサーからなる群から選択されてよい。幾つかの実施形態において、製造品は、複数のマイクロニードルを含んでよい。幾つかの実施形態において、医療デバイスは、補綴、人工臓器またはその構成要素、弁、カテーテル、管、ステント、人工膜、ペースメーカー、センサー、内視鏡、造影デバイス、ポンプ、ワイヤーおよびインプラントからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、インプラントは、心臓インプラント、蝸牛インプラント、角膜インプラント、頭蓋インプラント、歯科インプラント、顎顔面インプラント、臓器インプラント、整形外科インプラント、血管インプラント、関節内インプラント、および乳房インプラントからなる群から選択される。
【0314】
幾つかの実施形態において、組成物は、電気穿孔、音波処理、無線周波、加圧噴霧およびそれらの組み合わせからなる群から選択される手段による投与に適していてよい。
【0315】
本発明の医薬組成物は、それ自体が当業者に公知である手法、例えば従来の混合、造粒、糖剤作製(dragee-making)、ソフトゲルカプセル化、溶解、抽出または凍結乾燥工程を利用して、製造されてよい。経口使用のための医薬組成物は、活性化合物を固形および半固形賦形剤ならびに適切な防腐剤および/または抗酸化剤と組み合わせることにより得られてよい。場合により得られた混合物を、粉砕および加工してもよい。必要に応じて適切な助剤を添加した後に、得られた顆粒混合物を用いて、錠剤、ソフトゲル、カプセル、または糖剤コアを得てもよい。
【0316】
適切な賦形剤は、詳細には糖類、例えばラクトースまたはスクロース、マンニトールまたはソルビトールなどの充填剤;セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム;ならびに、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンを用いる、デンプンペーストなどの結合剤である。所望なら、崩壊剤、例えば上述のデンプンおよび、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、を添加してもよい。助剤は、流動調節剤および滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩、および/あるいはポリエチレングリコールである。糖剤コアには、所望なら胃液に抵抗性である、適切なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を用いてよく、それは場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有してよい。胃液抵抗性コーティングを生成するために、アセチルセルロースフタラートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートなどの、適切なセルロース調製物の溶液が使用される。例えば識別のため、または活性化合物用量の組み合わせを特徴づけるために、染料または顔料を錠剤または糖剤コーティングに添加してもよい。
【0317】
経口使用のための他の医薬組成物としては、ゼラチンで作製されたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑化剤とで作製された軟質の密封カプセルが挙げられる。
【0318】
非経口投与のための配合物としては、適宜、活性化合物の懸濁液および微粒子分散液が挙げられる。幾つかの実施形態において、油性注射懸濁液が、投与されてよい。適切な親油性溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル、トリグリセリド、ポリエチレングリコール-400、クレモホール、またはシクロデキストリンが挙げられる。注射懸濁液は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁液の粘性を上昇させる物質を含有してよい。場合により懸濁液は、安定化剤を含有してもよい。
【0319】
医薬組成物は、有効成分を含むリポソームを用いて調製することもできる。当該技術分野で公知の通り、リポソームは一般に、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体に分散された単層または多層の水和された液晶によって形成される。リポソームを形成できる任意の非毒性で生理学的に許容可能な代謝可能な脂質を使用することができる。一般に、好ましい脂質は、天然および合成両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成させる方法は、例えばPrescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.Y. (1976)および米国特許第7,048,943号に開示される通り、当該技術分野で公知である。
【0320】
局所投与のための配合物としては、軟膏が挙げられる。適切な担体としては、植物油または鉱物油、白色ワセリン、分枝鎖脂肪または油、動物性脂肪およびワックスが挙げられる。好ましい担体は、有効成分が可能性であるものである。安定化剤、保湿剤および抗酸化剤、ならびに所望なら色および香気を付与する薬剤を含んでよい。軟膏は、例えばアーモンドオイルなどの植物油中の有効成分の溶液を暖かい軟パラフィンと混合し、この混合物を放冷することにより、配合されてよい。
【0321】
医薬組成物は、経口、非経口または局所使用のための配合を容易にするために、水中油エマルジョンまたはマイクロエマルジョンを含んでよい。そのようなエマルジョン/マイクロエマルジョンとしては、一般に、脂質、界面活性剤、場合により保湿剤および水が挙げられる。適切な脂質としては、水中油エマルジョン/マイクロエマルジョンを作製するのに有用であることが一般に知られたもの、例えば脂肪酸グリセリドエステルが挙げられる。適切な界面活性剤としては、脂質をエマルジョン中のオイル成分として用いる、水中油エマルジョン/マイクロエマルジョンを作製するのに有用であることが一般に知られたものが挙げられる。例えばエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーなどの非イオン性界面活性剤が、好ましい場合がある。用いられる場合の適切な保湿剤としては、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられる。
【0322】
医薬組成物は、カラギナン、キサンタンガム、カラヤガム、アカシアガム、ローカストビーンガム、グアーガムなどのゲル形成ポリマーから形成されるヒドロゲルなどのゲルの形態で配合されてよい。ヒドロゲルを、有効成分を含む水中油エマルジョンと組み合わせてもよい。
【0323】
医薬組成物は、ポリメチルメタクリラート(PMMA)またはリン酸カルシウムを含むものなどの接合剤の形態で配合されてよい。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、粉末の形態で配合されてよい。
【0324】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置することの治療的使用および方法を提供する。本発明は、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置することの治療的使用および方法を提供する。幾つかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における視神経症の病状を処置する方法が提供される。
【0325】
組成物を投与するステップは、経口、局所、非経口、および経皮を含む任意の許容できる経路を含んでよく、例えば非経口投与としては、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、髄腔内、皮膚、膣内、直腸内、吸入、鼻内、眼内、関節内および口腔投与経路が挙げられる。
【0326】
幾つかの実施形態において、方法は、視神経症の病状を予防するために、対象の体内への医療デバイスの埋め込みの前または後に実施されてよい。幾つかの実施形態において、方法は、病状の影響/結果を処置するために、対象の体内へ医療デバイスの埋め込みの前または後に実施されてよい。医療デバイスとしては、補綴、人工臓器またはその構成要素、弁、カテーテル、管、ステント、人工膜、ペースメーカー、センサー、内視鏡、造影デバイス、ポンプ、ワイヤーおよびインプラントが挙げられるが、これらに限定されない。インプラントとしては、心臓インプラント、蝸牛インプラント、角膜インプラント、頭蓋インプラント、歯科インプラント、顎顔面インプラント、臓器インプラント、整形外科インプラント、血管インプラント、関節内インプラント、および乳房インプラントが挙げられるが、これらに限定されない。
【0327】
幾つかの実施形態において、医療デバイスは、臓器インプラントであり、それは特定の例では、対象の自家細胞を含んでよい。
【0328】
幾つかの実施形態において、接触のステップは、電気穿孔、音波処理、無線周波、加圧噴霧およびそれらの組み合わせからなる群から選択される手段を含む。
【0329】
幾つかの実施形態において、接触のステップは、間質液と組成物の間の接触を確立することを含む。間質液と組成物の間の接触は、皮膚を針、マイクロニードル、または複数の針もしくはマイクロニードルを含む装置で穿刺および/または断裂することにより実現されてよい。そのような針またはマイクロニードルは、好ましくは非中空であり、例えば櫛状またはブラシ状装置の上に複数存在する様式であってよい。
【0330】
本発明の方法は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物における適用に適する。
【0331】
本発明の方法は、本明細書に記載される組み合わせを含む組成物を組み入れる製造品の使用を包含してよい。
【0332】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示された組成物を投与するステップは、非経口経路を含む任意の許容できる経路を含んでよい。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、眼内および髄腔内投与経路が挙げられる。各可能性は、別の実施形態である。
【0333】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される組成物/配合物/組み合わせは、対象の特徴(例えば、年齢、性別、処置される病状、病状の重症度など)に応じて、任意の適切な用量での任意の適切な投与レジメンによる任意の適切な投与経路により投与されてよい。例えば投与は、週に1~7回実施されてよい。例えば投与は、1日1回より多く実施されてよい。例えば組成物は、一定の間隔を有して週2回のスケジュールで投与されてよい。幾つかの実施形態において、組成物は、2日ごとのスケジュールで投与されてよい。幾つかの実施形態において、組成物は、7日ごとに1回(週1回)のスケジュールで投与されてよい。幾つかの実施形態において、組成物は、1日1回投与されてよい。
【0334】
先に示された投与経路、スケジュール、用量およびレジメンの多くの変化が予期および設計され得ることは、当業者に明白である。投与経路、スケジュール、用量およびレジメンにおけるそのような変化もまた本発明の範囲内であることが、理解されなければならない。
【0335】
幾つかの実施形態によれば、視神経症を処置するための本明細書に開示される方法は、例えば緑内障、外傷性神経症、虚血性神経症(例えば、NAIONおよびAIONなど)、緑内障、腫瘍により誘発された神経症、感染により誘発された神経症、ミトコンドリア性視神経症、栄養障害性視神経症、放射線視神経症、中毒性視神経症、糖尿病網膜症合併症、沈着性疾患により誘発された損傷、および同様のもの、またはそれらの組み合わせなどの、視神経への損傷による、または損傷に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益である。
【0336】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、視神経におけるリポタンパク質性物質の沈着、リポフスチンの沈着など、沈着性疾患の結果としての視神経への損傷の結果である、または損傷に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益である。
【0337】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、視神経におけるリポタンパク質性物質の沈着の結果である、または沈着に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益である。
【0338】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、視神経におけるリポタンパク質性物質の沈着の結果としての視神経の損傷の結果である、または損傷に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益であり、リポタンパク質性物質の沈着は、蓄積性疾患の結果である。
【0339】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、視神経におけるリポタンパク質性物質の沈着の結果としての視神経の損傷の結果である、また損傷に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益であり、リポタンパク質性物質の沈着は、蓄積性疾患の結果であり、沈着したリポタンパク質性物質は、リポフスチンである。
【0340】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、視神経における無機物質の沈着の結果としての視神経の損傷の結果である、または損傷に関連する病状に罹患した対象にとって特に有益であり、無機物質の沈着は、蓄積性疾患の結果であり、視神経に沈着した無機物質は、カルシウムおよび/または鉄を含有する。
【0341】
幾つかの実施形態において、視神経症を処置するための本明細書に開示される使用および方法は、緑内障に罹患した対象にとって特に有益である。
【0342】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態をより完全に例示するために提示される。しかしそれらは、本発明の広い範囲を限定するものと解釈されてはならない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に開示された原理の多くの変更および改変を容易に案出できる。
【0343】
実施例
実施例1 - マスチックガムからのトリテルペン酸および中性トリテルペノイドの単離
本出願に開示される組成物の多くは、個々のトリテルペン酸(複数可)および中性トリテルペノイド(複数可)を共に混合することにより調製される。これらの個々のトリテルペン酸(複数可)および中性トリテルペノイドは、例えばマスチックガムなどの天然供給源から抽出され得る。あるいは化合物は、化学合成の産物であり得る。他の例では、天然供給源からの部分精製から得られる混合物が、2種以上の化合物の供給源であってもよく、そのような混合物を、天然供給源から、または化学合成により得られる1種または複数の純粋な化合物と組み合わせて、本発明の組成物を提供してもよい。さらなる可能性は、天然供給源からの部分精製による天然供給源から得られる2種以上の混合物の組み合わせ、および/または化学合成もしくは天然供給源からの単離のいずれかにより得られる1種もしくは複数の純粋な化合物とのそれら組み合わせである。これらの個々の化合物の実際の起源は、これらの個々の化合物を用いて調製される医薬組成物の特性に影響を及ぼさない。それゆえ、複数の個々のトリテルペン酸および個々の中性トリテルペンの単離および合成のために以下に与えられる手順が限定的な実践例に過ぎないこと、および当業者がこれらの個々の化合物を得るための異なる単離手順および合成手順を使用してもよいことは、理解されよう。
【0344】
本発明は、トリテルペン酸(複数可)および中性トリテルペノイド(複数可)を含む開示される医薬組成物の予想外の生物学的および医薬的特性に関する。トリテルペン酸(複数可)と中性トリテルペノイド(複数可)の組み合わせは、トリテルペン酸のみ、または中性トリテルペノイドのみを用いることにより得られない全体的医薬活性をもたらす。
【0345】
実施例1A:マスチックガムの単離酸性画分の調製
マスチックガム50グラム量に、無水エタノール(800ML)を添加し、この混合物を24時間放置した。混合物を150rpmで30分間振とうし、2時間放置した。得られたエタノール溶液を不溶性材料から3L丸底フラスコ中にデカンテーションした。不溶性材料に、新鮮なエタノール400MLを添加し、混合物を再度、150rpmで30分間振とうし、30分間放置した。得られたエタノール溶液をデカンテーションし、最初のエタノール溶液に添加した。このステップを、無水エタノール200MLを用いてもう一度繰り返した。これは、1.4Lのエタノール溶液を与えた。ロータリーエバポレータを用いてエタノールを蒸発させ、残留する材料にn-ヘキサン(1.2L)を添加し、混合物を150rpmで4時間振とうした。それをその後、4時間放置し、ヘキサン溶液を不溶性材料から3L三角フラスコ中にデカンテーションした。残留する不溶性材料に、新鮮なヘキサン800MLを添加し、混合物を150rmpで6時間振とうし、12時間放置した。ヘキサン溶液を、最初のヘキサン溶液1.2Lを含有する3L三角フラスコ中にデカンテーションした。ヘキサンを透明3L丸底フラスコで蒸発させて、抽出物約30グラムを与えた。(収率は、用いたマスチックガムの貯蔵期間(age)および粒子径に応じて典型的には50~70%の範囲である。)
【0346】
得られた抽出材料を次に、ジエチルエーテル(500ML)に溶解し、5%水性炭酸ナトリウム溶液で抽出し(4×100ML)、塩基性水層および油層/エマルジョン層を、ジエチルエーテル層から注意深く分離した。ジエチルエーテル層をその後さらに0.4N水性水酸化ナトリウム(3×100ML)で抽出し、塩基性水層および油層/エマルジョン層を再度、ジエチルエーテル層から注意深く分離した。(この残留するジエチルエーテル層をジエチルエーテル層Nr.Iと呼び、以下の実施例1Bで用いる)。2つの塩基性水性抽出物(油層/エマルジョン層を含む)を別々に、10%水性塩酸の緩徐な添加によりpH1~2に酸性化し、次に新鮮なジエチルエーテル(3×200ML)で抽出した。こうして得られたエーテル性画分をひとまとめにし、無水硫酸ナトリウムで脱水した。硫酸ナトリウムを濾別した後、ジエチルエーテルを、ロータリーエバポレータを用いて除去した。この手順は、およそ15グラムのマスチックガムの単離酸性画分を白色固体として与え、これはエタノール/ヘキサン抽出後に得られた中間体抽出物に基づき約50%の収率に対応する。本明細書の先に記載されたマスチックガムから得られたこの特定の単離された酸性画分を、「酸性混合物1」または「酸性-1」と称する。
【0347】
出発時のマスチックガム50グラムに基づき、この酸性画分の収率は、約30%である。マスチックガムからのこの特定の酸性画分の典型的収率は、約25%~約35%の範囲である。任意の理論または機構に結びつけるのを望むものではないが、収率におけるこれらの変動は、マスチックガムの組成物中の自然な(例えば、季節的な)変動により生じる可能性があり、マスチックガムの貯蔵期間および貯蔵条件により影響を受ける場合もある。
【0348】
実施例1B:マスチックガムの中性画分の単離
実施例1Aで得られたジエチルエーテル層Nr.Iを、透明の分離漏斗に移し、水(200ML)およびブライン(150ML)で洗浄した。それをその後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、ロータリーエバポレータを用いてジエチルエーテルを蒸発させた。これは、約15グラムの単離中性画分を白色~オフホワイトの粘着性固体(それは35~40℃を超えると非常に粘性の液になる)として与えた。これは、実施例1Aで示されたエタノール/ヘキサン抽出後に得られた抽出物に基づき約50%の収率である。本明細書に記載されたマスチックガムから得られたこの特定の単離された中和画分は、用語「中性混合物1」または「中性-1」と称される。出発時のマスチックガム50グラムに基づき、この中性画分(「中性混合物1」)の収率は、約30%である。マスチックガムからのこの中性画分の典型的収率は、約25~約35%の範囲である。
【0349】
本明細書に記載されたこの特定の酸-塩基抽出のマスバランスは、エタノール/ヘキサン抽出後手順の後に得られた中間体抽出物に基づき、典型的には90%を超え、多くの場合95%より高い。単離酸性画分(「酸性混合物1」)と単離中性画分(「中性混合物1」)の比はこうして通常、1:1に近づく(かつほとんど常に0.8:1.2~1.2:0.8の範囲内である)。
【0350】
単離酸性画分および単離中性画分からの個々のトリテルペン酸および中性トリテルペノイドの単離は、当業者に公知の通り標準のカラムクロマトグラフィーおよびHPLC法を用いて実現され得る。
【0351】
他の抽出プロトコルを用いて、適切な植物材料から異なる単離酸性画分および単離中性画分を得られることは、当業者に理解されなければならず、明白である。全てのそのような単離酸性画分および単離中性画分を次に、トリテルペン酸および中性トリテルペノイドの単離、ならびに/または本発明の組成物の調製に用いることができる。
【0352】
実施例1C
マスチックガムのさらなる単離酸性画分を、実施例1Aと同じ方法に従うがエタノールの代わりにメタノールを極性溶媒として用いて、調製した。ヘキサンを非極性溶媒として用い、ジエチルエーテルを酸-塩基抽出ステップのための溶媒として用いた。
【0353】
実施例1D
マスチックガムのさらなる単離酸性画分を、実施例1Aと同じ方法に従うがイソプロパノールを極性溶媒として用いて、調製した。ヘキサンを非極性溶媒として用い、ジエチルエーテルを酸-塩基抽出ステップのための溶媒として用いた。
【0354】
実施例1E
マスチックガムのさらなる単離酸性画分を、実施例1Aと同じ方法に従うがヘキサンの代わりにn-ヘプタンを非極性溶媒として用いて、調製した。エタノールを極性溶媒として用い、ジエチルエーテルを酸-塩基抽出のための溶媒として用いた。
【0355】
実施例1F
マスチックガムのさらなる単離酸性画分を、実施例1Aと同じ方法に従うがヘキサンの代わりにn-ヘプタンを非極性溶媒として用いて、調製した。メタノールを極性溶媒として用い、ジエチルエーテルを酸-塩基抽出のための溶媒として用いた。
【0356】
実施例1G
マスチックガムのさらなる単離酸性画分を、実施例1Aと同じ方法に従うがヘキサンを非極性溶媒として用いて、調製した。エタノールを極性溶媒として用い、メチル-tert-ブチルエーテル(MTBE)を酸-塩基抽出のための溶媒として用いた。
【0357】
実施例1H イオン交換樹脂を用いるマスチックガムの単離酸性画分および中性画分
マスチックガム50グラム量に、無水エタノール(800ML)を添加し、混合物を24時間放置した。混合物を150rpmで30分間振とうし、2時間放置した。得られたエタノール溶液を不溶性材料から3L丸底フラスコ中にデカンテーションした。不溶性材料に、新鮮なエタノール400MLを添加し、混合物を再度、150rpmで30分間振とうし、30分間放置した。得られたエタノール溶液をデカンテーションし、最初のエタノール溶液に添加した。このステップを、無水エタノール200MLを用いてもう一度繰り返した。これは、1.4Lのエタノール溶液を与えた。ロータリーエバポレータを用いてエタノールを蒸発させ、残留する材料にn-ヘキサン(1.2L)を添加し、混合物を150rpmで4時間振とうした。それをその後、4時間放置し、ヘキサン溶液を不溶性材料から3L三角フラスコ中にデカンテーションした。残留する不溶性材料に、新鮮なヘキサン800MLを添加し、混合物を150rmpで6時間振とうし、12時間放置した。ヘキサン溶液を、最初のヘキサン溶液1.2Lを含有する3L三角フラスコ中にデカンテーションした。ヘキサンを透明3L丸底フラスコで蒸発させて、抽出物約30グラムを与えた。(収率は、用いたマスチックガムの貯蔵期間および粒子径に応じて典型的には50~70%の範囲である。)
【0358】
得られた抽出物をエタノール(0.5L)に溶解し、振とう機において強塩基性イオン交換樹脂(例えば、Dowex-1X8-400;Amberlite IRA 400;Diaion SA10A)100グラムで処理した。イオン交換樹脂を濾別し、TLCが何らかの著しいスポットを示さなくなるまで、メタノールで洗浄した(こうして得られたエタノール溶液および洗浄液をひとまとめにし、以下の実施例11で用いた)。樹脂からカルボン酸を遊離させるために、樹脂をその後、10%エタノール性酢酸溶液で処理した。エタノール性酢酸混合物を蒸発させて、単離カルボン酸画分を得た。典型的な収率は、出発抽出物のおよそ50%である(15グラム)。本明細書の先に記載されたマスチックガムから得られたこの特定の単離された酸性画分を、「酸性混合物3」または「酸性-3」と称する。
【0359】
実施例1I:イオン交換樹脂により得られた単離中性画分
ひとまとめにされた、実施例1Hのイオン交換樹脂の濾過から得られたエタノール濾液および洗浄物を、蒸発させて単離中性画分を提供した。本明細書の先に記載されたマスチックガムから得られたこの特定の単離された中性画分を、「中性混合物3」または「中性-3」と称する。
【0360】
実施例2:いくつかのトリテルペン酸およびいくつかの中性トリテルペノイドの合成
合成A:オレアノン酸の調製
オレアノン酸(本明細書ではOAまたはOLNとも称される)を、オレアノール酸から3つのステップで得た。
【化34】
オレアノン酸を最初に、ジメチルホルムアミド(DMF)中のヨウ化メチルおよび炭酸カリウムでの処理により対応するメチルエステルに変換した。オレアノール酸メチルエステルからオレアノン酸メチルエステルへの酸化を、ジクロロメタン(DCM)中のデス・マーチンペルヨージナン試薬を用いて実施した。水性THF中の水酸化リチウムによるオレアノン酸メチルエステルの加水分解は、酸性化により所望のオレアノン酸を与えた。
【0361】
合成B:NF-A(ベツロン)の調製
NF-Aを、2つのステップでベツリン-28-アセタートから合成した。
【化35】
最初に3-ヒドロキシル基を、ジクロロメタン中のPCCで対応するケトンに酸化した。この後、C-28アセタート基を加水分解して、所望のNF-A(ベツロン)を与えた。
【0362】
合成C:NF-B(オレアノンアルコール;28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン)の調製
NF-Bを、3つのステップでオレアノン酸メチルエステルから合成した。
【化36】

最初に、トルエンを溶媒として標準のディーン・スターク装置を用い、オレアノン酸メチルエステル(上記の合成A参照)の3-オキソ基を、エチレングリコールおよび触媒p-TosOH(p-トルエンスルホン酸)で対応するアセタールに変換した。次にメチルエステル基を、THF中の水素化アルミニウムリチウムで対応するアルコールに還元した。アセトン中の水性希塩酸でアセタールを加水分解して、所望のNF-B(オレアノンアルコール)を与えた。
【0363】
合成DおよびE:オレアノールアルコール(別名エリスロジオール;28-ヒドロキシ-ベータ-アミリン)およびNF-3(オレアノンアルデヒド)の調製
オレアノールアルコール(別名エリスロジオール)が、THF中の水素化アルミニウムリチウムでのオレアノール酸メチルエステル(合成A参照)の還元により最も容易に合成されることが見出された。(この化合物をオレアノール酸の直接還元により調製することを試行したが、長い反応時間の後でも、および大過剰の水素化アルミニウムリチウムを使用しても、収率は非常に低かった)。
【化37】
オレアノールアルデヒド(NF-3)を次に、デス・マーチンペルヨージナン試薬を用いる酸化により、オレアノールアルコールから合成した。
【0364】
合成F:マスチカジエノンアルデヒドの調製
マスチカジエノンアルデヒドを、3つのステップでマスチカジエノン酸から調製した。マスチカジエノン酸のメチルエステルを、ジアゾメタンを用いて調製した。水素化アルミニウムリチウムでのメチルエステルの還元により、マスチカジエンジオールを与えた。ジオールをその後、デス・マーチンペルヨージナン試薬を用いる酸化により、マスチカジエノンアルデヒドに変換した。
【化38】
【0365】
合成G:イソマスチカジエノンアルデヒドの調製
イソマスチカジエノンアルデヒドを、先に記載された合成Eでマスチカジエノンアルデヒドに用いたものと同じ連続系列を利用して、イソマスチカジエノン酸から合成した。
【化39】
【0366】
合成H:NF-2((8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン)の調製
NF-2を、デス・マーチンペルヨージナン試薬を用いる第二級ヒドロキシル基のケトンへの酸化により調製した。
【化40】
この反応のための他の適切な酸化方法は、スワーン酸化、DCM中のクロロクロム酸ピリジニウム、およびオッペナウアー酸化である。
【0367】
合成I:ベータ-アミリンの調製
ベータ-アミリンを、5つのステップでオレアノール酸メチルエステルから調製した。
【化41】

最初に3-ヒドロキシル基を、TBDMS-Cl/イミダゾール(TBDMS=tert-ブチルジメチルシリル)を用いてTBDMS-エーテルとして保護した。この後、メチルエステルを、水素化アルミニウムリチウムを用いて対応するアルコールに還元し、モノ保護ジオール(monoprotected diol)を与えた。未保護のヒドロキシル基を、2つの連続ステップで除去した。最初にそれを、クロロリン酸ジエチルおよびヒューニッヒ塩基で対応するリン酸ジエチルに変換した。その後、リン酸エステルを水素化アルミニウムリチウムでの還元により除去し、C-28メチル基を得た。水性THF中のTBAFでのTBDMS保護基の除去により、所望のベータ-アミリンを与えた。
【0368】
合成J:ベータ-アミロンの調製
ベータ-アミロンを、デス・マーチン試薬またはスワーン酸化のいずれかを利用してヒドロキシル基を対応するケトンに酸化することにより、ベータ-アミリンから調製した。
【化42】
【0369】
合成K:28-オキソ-ルペン-3-オンの調製
28-オキソ-3-オンを、デス・マーチンペルヨージナンで28-ヒドロキシル基を対応するアルデヒドに酸化することにより、NF-A(ベツロン、合成B参照)から合成した。
【化43】
この反応のための他の適切な酸化方法は、スワーン酸化、DCM中のクロロクロム酸ピリジニウムであった。
【0370】
合成L:オレアノールアルデヒドの調製
オレアノールアルデヒドを、ベータ-アミリン合成Iからのモノ保護ジオール中間体から2ステップで調製した。
【化44】
遊離ヒドロキシル基を、デス・マーチンペルヨージナンを用いて対応するアルデヒドに酸化した。この後、水性THF中のTBAFでTBDMS基を除去して、所望のオレアノールアルデヒドを与えた。
【0371】
合成M:24-M-マスチカジエノール酸(MLA)の調製
【化45】
マスチカジエノン酸(500mg)をメタノール(30ML)に溶解し、0℃に冷却した。NaBH(83mg;2.0当量)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル)が完全な変換を示した後、反応混合物を0℃に冷却し、20ML低温水の添加によりクエンチした。メタノールを混合物から蒸発させ、混合物をその後、ジエチルエーテルで抽出した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=95:5から90:10)により精製して、MLAを白色固体として与えた(400mg;80%)。
【0372】
合成N:24-Z-イソマスチカジエノール酸(IMLA)の調製
【化46】
イソマスチカジエノン酸(500mg)をメタノール(30ML)に溶解し、0℃に冷却した。NaBH(83mg;2.0当量)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル)が完全な変換を示した後、反応混合物を0℃に冷却し、20ML低温水の添加によりクエンチした。メタノールを混合物から蒸発させ、混合物をその後、ジエチルエーテルで抽出した。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=95:5から90:10)により精製して、IMLAを白色固体として与えた(420mg;82%)。
【0373】
合成O:24-Z-3-OAc-MLA(3-OAc-MLA)の調製
【化47】
MLA(400mg)を無水ピリジン(5ML)に溶解し、無水酢酸(160mg;3.55当量)を一度に添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル)でモニタリングした。反応混合物を酢酸エチル(15ML)および1M水性HCl(20ML)で希釈し、混合物を1時間、力強く撹拌した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1から9:1)により精製して、3-OAc-MLAを白色固体として与えた(220mg;55%)。
【0374】
合成P:24-Z-3-OAc-IMLA(3-OAc-IMLA)の調製
【化48】
IMLA(400mg)を無水ピリジン(5ML)に溶解し、無水酢酸(160mg;3.55当量)を一度に添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル)でモニタリングした。反応混合物を酢酸エチル(15ML)および1M水性HCl(20ML)で希釈し、混合物を1時間、力強く撹拌した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1から9:1)により精製して、3-OAc-IMLAを白色固体として与えた(190mg;47%)。
【0375】
合成Q:24-Z-3-OAc-エピ-MLA(3-OAc-エピ-MLA)の調製
【化49】
MLA(400mg)を無水ピリジン(5ML)に溶解し、無水酢酸(160mg;3.55当量)を一度に添加した後、4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP;20mg)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル)でモニタリングした。反応混合物を酢酸エチル(15ML)および1M水性HCl(20ML)で希釈し、混合物を1時間、力強く撹拌した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1から9:1)により精製して、3-OAc-MLAと3-OAc-エピ-MLAの混合物を白色固体として与えた(330mg;%)。異性体を、分取HPLCを利用して分離して、3-OAc-エピ-MLA(120mg)を白色固体として提供した。
【0376】
合成R:24-Z-3-OAc-エピ-IMLA(3-OAc-エピ―IMLA)の調製
【化50】
IMLA(400mg)を無水ピリジン(5ML)に溶解し、無水酢酸(160mg;3.55当量)を一度に添加した後、4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP;20mg)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル)でモニタリングした。反応混合物を酢酸エチル(15ML)および1M水性HCl(20ML)で希釈し、混合物を1時間、力強く撹拌した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1から9:1)により精製して、3-OAc-IMLAと3-OAc-エピ-IMLAの混合物を白色固体として与えた(310mg;%)。異性体を、分取HPLCを利用して分離して、3-OAc-エピ-IMLA(110mg)を白色固体として提供した。
【0377】
エピ-MLAおよびエピ-IMLAを、水性THF中のLiOHでの対応する酢酸エステルの加水分解により調製した。標準の仕上げにより、化合物を白色固体として各収率45%および53%で提供した。ジヒドロマスチカジエノン酸およびジヒドロイソマスチカジエノン酸は、D.Barton et al. J.Chem.Soc. 1956, 4150に従い調製できる。
【0378】
本出願に出現した複数のトリテルペノイドの合成のための幾つかの適切な参考資料は、D. Barton et al. J.Chem.Soc. 1956, 4150および4158、 V. Domingo et al. J.Org.Chem. 74, 6151, 2009、V. Domingo et al. Org.Biomol.Chem. 11, 559, 2013、ならびにJ.Justicia et al. Eur.J.Org.Chem. 10, 1778, 2004である。
【0379】
実施例3-医薬組成物および配合物の調製
必要量のトリテルペン酸(複数可)および中性トリテルペノイド(複数可)を適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル)中で混合および溶解した後、必要量の医薬的に許容できる担体を添加することにより、表1に示される医薬組成物を調製した。混合物をその後、均質な透明溶液が得られるまで、振とうまたは撹拌し、真空(例えば、ロータリーエバポレータ)を利用して適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル)を除去した。これは、所望の医薬組成物を与えた。
【0380】
表1Aおよび1Bは、適切な溶媒としてジエチルエーテルと、医薬的に許容できる担体としての医薬等級(NF等級)の綿実油(およそ900ppm BHTで安定化)とを用いて調製された医薬組成物を示す。
【表1】

【表2】
【0381】
用語「酸性-1」、「酸性-2」は、それぞれ実施例1Aおよび実施例4に記載された「酸性混合物1」および「酸性混合物2」を指す。用語「中性-1」および「中性-2」は、それぞれ実施例1Bおよび実施例4に記載された「中性混合物1」および「中性混合物2」を指す。
【0382】
酸性混合物の1種と中性混合物の1種の混合物は、本明細書では略語AxNy(xおよびyは、それぞれ同じ重量部での特定の酸性混合物および中性混合物の番号を表す)により表される。例えばA1N2は、酸性混合物1(酸性-1)と中性混合物2(中性-2)の重量比1:1の混合物を示す。
【0383】
実施例4-視神経軸索切断による網膜神経節細胞(RGC)に及ぼす様々な組成物の影響
視神経の軸索切断を、深麻酔されたラット(19匹/群)の右目で実施する。試験群は、組成物(0.025ml/注射)の後頸部領域での皮下注射を受け、対照群は、同容量のビヒクル(例えば、綿実油)を同様に注射される。最初の注射を、手術の直後に動物全てに施す。次の注射(同じ投与量および投与方法)を、3~4日ごとに週2回投与する。
【0384】
軸索切断後14日目に、生存する網膜神経節細胞(RGC)を染色するために、逆行性蛍光ニューロトレーサー(Di-Asp)を軸索切断された視神経中に挿入し、24時間後に、ラットをCO飽和チャンバーで殺処分し、傷害された右目を摘出する。網膜を単離し、スライド上に広げ、キシレンを基剤とする封入剤で固定する。
【0385】
ホールマウント網膜を、蛍光顕微鏡で評価する。染色された細胞を、手作業でカウントする。
【0386】
用いた組成物:
「酸性混合物1」(または「酸性-1」)は、実施例1Aに従って調製されたマスチックガムの単離酸性画分を意味する。「酸性混合物1」は、以下のものを主な化合物として含有する:
- MA: モロン酸(12~15%)
- OA: オレアノン酸(18~20%)
- MDA:24-Z-マスチカジエノン酸(20~22%)
- IMDA:24-Z-イソマスチカジエノン酸(22~26%)
- 3-ベータ-OAc-24-Z-マスチカジエノール酸(4~7%)
- 3-ベータ-OAc-24-Z-イソマスチカジエノール酸(4~7%)
【0387】
それは、少量の、典型的には5%未満の、複数の他のトリテルペン酸をさらに含有してよい。含有し得る可能なトリテルペン酸は:
- MLA: 3-ベータ-マスチカジエノール酸
- IMLA: 3-ベータ-イソマスチカジエノール酸
- 3-OAc-エピイソマスチカジエノール酸
- 3-OAc-エピ-イソマスチカジエノール酸
- エピマスチカジエノール酸(3-アルファ-マスチカジエノール酸)
- エピ-イソマスチカジエノール酸(3-アルファ-イソマスチカジエノール酸)
- ジヒドロマスチカジエノン酸
- ジヒドロイソマスチカジエノン酸
である。
【0388】
「酸性混合物2」(または「酸性-2」)は、以下の化合物(%(w/w))を含有する:
- MA: モロン酸(15%)
- OA: オレアノン酸(15%)
- MDA:24-Z-マスチカジエノン酸(25%)
- IMDA:24-Z-イソマスチカジエノン酸(30%)
- 3-ベータ-OAc-24-Z-マスチカジエノール酸(8%)
- 3-ベータ-OAc-24-Z-イソマスチカジエノール酸(7%)
【0389】
表2において、「酸性混合物1(2.5%)」は、綿実油中の実施例1Aで単離された酸性画分の2.5%(w/w)配合物を意味する。同様に「酸性混合物2(または「酸性-2」)(2.5%)」は、先に定義された「酸性混合物2」の2.5%(w/w)配合物を意味する。
【0390】
「中性混合物1」(または「中性-1」)は、実施例1A、Bに従って調製された中性画分である;
【0391】
「中性混合物2」(または「中性-2」)は、以下の中性トリテルペノイドを含有する:
NF-1:(8R)-3-ベータ,8-ジヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン
NF-2:(8R)-3-オキソ-8-ヒドロキシポリポダ-13E,17E,21-トリエン
NF-3: オレアノンアルデヒド
NF-4: チルカロール
NF-P: ジプテロカルポール(20-ヒドロキシダマール-24-エン-3-オン)
NF-A:(ベツロン)、28-ヒドロキシルプ-20(29)-エン-3-オン
NF-B: オレアノンアルコール(28-ヒドロキシ-ベータ-アミロン)
3-ベータ-ヒドロキシ-13-アルファ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン
20-ヒドロキシ-ルパン-3-オン
28-ノル-17-ヒドロキシルペン-3-オン
28-オキソ-ルペン-3-オン
28-ノル-ベータ-アミロン
イソマスチカジエノンアルデヒド
イソマスチカジエンジオール
マスチカジエンジオール
オレアノールアルデヒド(28-オキソ-ベータ-アミリン)
3-ベータ-20-ジヒドロキシルパン
マスチカジエノンアルデヒド
3-オキソ-マラバリカ-14(26),17E,21-トリエン
ベータ-アミロン
ベータ-アミリン
ゲルマニコール。
【0392】
酸性混合物の1種と中性混合物の1種の混合物は、本明細書では略語AxNy(xおよびyは、それぞれ同じ重量部での特定の酸性混合物および中性混合物の番号を表す)により表される。例えば表2の組成物A1N2は、酸性混合物1(酸性-1)と中性混合物2(中性-2)の重量比1:1の混合物を示す。
【0393】
用いた異なる組成物中の各化合物/画分の濃度(綿実油中)を、表2に表す。
【表3】
【0394】
実施例5 - 網膜剥離(RD)モデル - 様々な組成物の影響
深麻酔された動物(キシラジン50mg/kgおよびケタミン35mg/kg)の右目で、0.5%トロピカミド点眼薬での瞳孔散大の後、網膜剥離(RD)を実施する。鋸状縁で網膜中に小さな穴を作製し、続いて30G注射針で生理食塩水5μlを網膜下注射することにより、RDを誘導する。網膜領域のおよそ半分が、この手順により剥離される。
【0395】
RDのラットを9の実験群に分別し、8の試験群(表2;実施例4)が指示された医薬組成物(0.025ml/注射、表2)の後頸部領域への皮下注射を受け、注射対照群は、同容量の綿実油ビヒクルを投与される。最初の注射は、手術の直後に動物全てに施される。2回目の注射(同じ投与量および投与方法)は、手術後48時間目に投与される。
【0396】
RD後3日目および14日目に、手術されたラットを、CO飽和チャンバー中で安楽死させる。注射された右目および未処置の左目を、摘出する。網膜を単離し、ドライアイスで凍結させ、ウエスタンブロット分析用または免疫組織化学分析用に処理する。左目の網膜は、非手術対照となる。
【0397】
セマフォリン3A(Sema3A)、ニュートロフィリン1(NP1)およびGAP43の発現レベルを計測する。カスパーゼ3をアポトーシスマーカーとして用い、ミュラー細胞およびミクログリア細胞における形態学的変化を検査する。
【0398】
ミュラー細胞の形態学的変化を、グリア細胞線維性酸性タンパク質(GFAP)の染色により試験する。GFAPは、網膜中のミュラー細胞を標識し、ストレス指示薬(stress indicator)として一般に用いられる。ミクログリア浸潤および活性化は、ニューロンに有害または有益と見なされる。急性傷害後のミクログリア活性化は、主として反応性かつ適応性のグリア細胞応答であり、それは傷害されたニューロンにより惹起され、原発組織損傷を好転させ、結果的に次の修復およびグリオーシス(グリア性瘢痕)を促進するように設計される。ミクログリアは通常、傷害後に網膜内で活性化されるようになり、内皮細胞および線維芽細胞を刺激および動員する。IB4で標識され核色素PIで染色される剥離網膜および非傷害網膜の切片の免疫組織化学分析を利用して、網膜中の活性化ミクログリア細胞の何らかの兆候を同定する。
【0399】
実施例6:NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)のげっ歯類モデルであるrAION - 様々な組成物の影響
NAIONによる影響を受けた視神経虚血は、ミエリンおよび軸索の損傷を生じる。NAIONのげっ歯類モデル(rAION)において、スポットサイズ500ミクロン、出力50mWおよび1秒パルスでの532nmのnd-YAGレーザを使用して視神経虚血(麻酔されたラット)をレーザ誘導する。これは、直接的な熱損傷を誘発せずに、視神経虚血を生じる。この誘導は、数日後に梗塞後脱髄(postinfarct demyelation)および希突起膠細胞死を生じる。脱髄は、軸索再生を阻害し得る可溶性因子の放出をもたらす。これらの因子としては、ミエリン関連糖タンパク質(MAG)およびNOGO66が挙げられる。これらの因子は、軸索の膜タンパク質複合体(LINGO-1)を活性化し、順次LINGO-1は、リン酸化により軸索キナーゼRAS相同体A(RhoA)を活性化する。活性化されたRhoAは、細胞骨格重合を阻害し、それは軸索成長円錐の崩壊をもたらす。
【0400】
動物を、10~12匹/群で複数の群に分別する。
【0401】
誘導後3日目に、異なる本発明の組成物およびプラセボ対照(先の表2)での動物群の処置を開始する。50マイクロリットルの皮下注射での週2回のレジメンを適用する。処置を28日間または56日間、誘起する。
【0402】
軸索再生の改善を、GAP43免疫染色により検出する。異なる軸索線維サイズのミエリン形成(myelation)プロファイルを検出するために、視神経の超微細構造を処置後に評価する。処置群とプラセボ群の結果を、比較する。
【0403】
実施例7 - インビトロ緑内障モデル - 様々な組成物の影響
初代急性分離網膜細胞培養物を、成体ウィスターラットから調製する。RGC生存に及ぼす試験組成物(組み合わせ)の神経保護的影響を、栄養因子中止前の前処置により計測する。細胞生存力を、二重標識免疫細胞化学測定により評定する。
【0404】
成体ウィスターラットを安楽死させ、網膜を切除すること、および2mg/mLパパイン、0.4mg/mL dl-システインおよび0.4mg/mLウシ血清アルブミン(BSA)を補充したNeurobasal培地を含有する消化緩衝液中でインキュベート(37℃、30分間)することにより、網膜細胞懸濁液を調製する。
【0405】
単一細胞の懸濁液を得るために、網膜を処理する。網膜細胞をポリ-d-リシンおよびラミニンでコーティングされた8ウェル培養スライドの上に、0.5mL/ウェル RGC培地でおよそ1×10細胞/ウェルの密度で播種し、37℃の95%空気および5%CO中で3日間培養する。
【0406】
細胞を、分離直後に試験組成物またはビヒクル(対照)のいずれかで処置し、先の通りであるがBDNF、CNTF、およびbFGFを含まないRGC培地(TFW RGC培地)に暴露する。
【表4】
【0407】
3日目に、網膜細胞の培養物を、二重標識免疫細胞化学検査に供する。培養物を、Thy-1およびニューロフィラメント-1 68kDaに対する一次抗体と免疫反応させる。細胞をDAPIで同時標識して、核を視覚化する。
【0408】
健常なRGCを、Thy-1およびニューロフィラメント-1 68kDaの両方に関する二重陽性免疫反応性および以下の4つの形態学的基準に基づいて同定する:連続膜の存在;空胞化の兆候なし;核周部膨張の兆候なし;および核濃縮または断片化の兆候なし。細胞を、手動でカウントする。
【0409】
実施例8 - 様々な本発明の組成物を用いる緑内障の処置
様々な組成物(先の表2に列挙)を、ラットでの緑内障処置におけるそれらの有効性についてテストする。緑内障の症状をN-メチル-d-アスパルタート(NMDA)、アルファ-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)もしくはカイニン酸などの興奮毒性剤の眼内(硝子体内)注射により、または光凝固などの物理的手段により、例えばレーザ光線の照射により、ラットで誘導する。これらの薬剤は、緑内障と類似の眼内の変性状態を誘導する。興奮毒性剤により誘発された変性症状を本発明の組成物が好転および/または逆行させ得る度合いが、緑内障処置におけるそれらの効果の尺度である。
【0410】
ヒトのおよび実験的な緑内障における網膜神経節細胞(RGC)の変性は、網膜ミクログリア細胞に関わる神経炎症過程と、炎症媒介物質の産生増加とを伴う。加えて、網膜ミクログリア細胞の早期の活性化亢進が、変性過程に寄与することが提示されており、ミクログリアの反応性の制御が緑内障性のRGC損失を予防し得ることを示唆する。ブタ、イヌ、サルおよびげっ歯類を含む非常に種々の緑内障動物モデルがあり、これらのモデルのほとんどが、高眼圧が介在する視神経損傷を含む。緑内障を試験するために利用可能な他の樹立されたモデルは、遺伝子変異によりRGCに誘導される細胞死、視神経への機械的外傷、網膜ニューロンへの有毒な損傷、または網膜虚血の誘導に依存する。
【0411】
この試験では、試験組成物の神経保護および神経再生効果を評価するために、ラットのレーザ光凝固(GL)モデルを用いる。
【0412】
試験計画:
手短に述べると、高IOPを、0日目および7日目に上強膜静脈のレーザ光凝固により片側に誘導する。反対側の目が、対照となる。組成物を、IOPが16mmHg以上の動物でのみ、1日目から開始して週2回、皮下に(s.c.)送達する。IOPを、レーザ照射の翌日(試験1日目)、4日目、7日目およびその後に週1回、モニタリングする。網膜神経節細胞(RGC)の機能を、ベースライン時、14日目および28日目にパターン網膜電図(pERG)を用いてインビボで評価する。28日目での測定は、任意選択による2~4週間の追跡調査期間の経過的決定とし、その終了時に、さらなるpERG測定を実施する。網膜および視神経を採取し、網膜神経節細胞カウントおよび視神経軸索カウントのために処理する。加えて、網膜組織の免疫組織化学的評価を、炎症マーカーについて実施する。
【0413】
以下の処置群(各群でn=12のラット)を用いる:
群1:ナイーブラット(n=12);(ナイーブ)
群2:ビヒクル処置GLモデル(n=12);(ビヒクル)
群3:試験組成物1処置のGLモデル(n=12);組成物A(MDA、IMDA、NF-1、2、3、4、A、B。表2に詳述)
群4:試験組成物2処置のGLモデル(n=12);組成物B(MDA、IMDA、NF-1、2、3、4。表2に詳述)
群5:試験組成物3処置のGLモデル(n=12);組成物「酸性-1+中性-2」(実施例4の表2に記載された通り「酸性-1」および「中性-2」を有するA1N2)
【0414】
材料と方法
ラット緑内障モデル
実験的なIOP上昇を、過去に記載された通り上強膜静脈のレーザ光凝固により片側に導入した(Kalesnykas et al., 2007, Neuroscience 150: 692-704)。反対側の目が、対照となる。5~7ヶ月齢ロングエバンスラットを用いる。眼圧(IOP)を、ベースライン時、レーザ照射後1日目(1日目)、4日目、7日目および残りの追跡調査期間に週1回、モニタリングした。1日目の評定でIOPが16mmHg以上のラットのみを、試験群に組み入れる。
【0415】
投与
試験化合物を、1日目に開始して週2回、皮下(s.c.)投与する。
【0416】
pERG測定
記録は、Celerisシステム(Diagnosys LLC)を用いて実施した。オキシブプロカイン点眼薬(Oftanucain(登録商標)、Santen、フィンランド)1滴を、局所麻酔のために角膜に適用した。動物を制御された加熱パッドの上に載せ、体温をおよそ37℃で維持した。
【0417】
動物殺処分および組織採取
試験終了時に、ラットを、最初に0.9%NaCl溶液で、その後の0.1Mリン酸緩衝溶液(pH7.4)中の4%パラホルムアルデヒドでの経心腔的灌流により殺処分した。眼球および視神経(各群からn=4匹のラット、無作為に採取)を採取して、凍結切片のために最適切断温度化合物(OCT)に包埋し/網膜ホールマウント(各群からn=8匹のラット)を、RGCの総数のさらなる推定のために調製した。
【0418】
視神経の形態学的評定
視神経(ラット8匹/処置群から)を4%PFA(0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4)溶液で後固定した後、それらを1%オスミウムに入れ、上昇濃度のアルコールで脱水し、100%エタノール中の1%酢酸ウラニルの中に1時間入れた(Cone et al., 2012 . Exp Eye Res. Jun;99:27-35.; Ragauskas et al., 2014, PLoS One. 3;9(12))。その後、視神経を60℃のエポキシ樹脂混合物中で48時間包埋し、視神経の準超薄切片(1μm厚)を、視神経損傷部位にわたり連続的に切り出した。視神経損傷/軸索数を、光学顕微鏡の下で推定した。
【0419】
結果:
RGCの機能性を反映するpERG測定(記録)を、追跡調査28日目に実施した。結果は以下の表4および図1に示される棒グラフで表され、指示された組み合わせでの処置がビヒクル処置群に比較して平均振幅の増加を示すことを実証する。
【表5】
【0420】
次に、試験ラットの試料中の視神経軸索を、光学顕微鏡下でカウントして、視神経の損傷を推定した。結果を図2に表す。示される通り、試験の組み合わせA、B、Cおよび「酸性-1+中性-2」(A1N2)の投与は、レーザ光凝固により惹起される変性から軸索を防御する傾向がある。
【0421】
試験化合物の防御効果を実証するさらなる裏づけの結果を、視神経の準超薄切片の代表的画像を示す図3に認めることができる。結果は、処置群とビヒクル処置群の間の変性過程の差異を明らかに示す(図3)。
【0422】
結論:本明細書に表された試験は、緑内障を処置する際の試験組成物の神経保護および神経変性作用を実証する。
【0423】
前述の具体的実施形態の記載は、他者が現在の知識を適用することにより、過度の実験および全般的概念からの逸脱を行うことなく、様々な適用例のためにそのような具体的実施形態を即座に改変および/または適合させ得るという本発明の一般的性質を極めて完全に示しており、それゆえそのような適合および改変は、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内であると理解されなければならず、それを意図している。本明細書で用いられる表現法または用語法が、記述を目的とし、限定を目的としないことが、理解されなければならない。様々な開示された機能を実施するための手段、材料、およびステップは、本発明を逸脱することなく種々の代替的形態をとることができる。
図1
図2
図3