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特許7012380生鮮品保管容器のためのガス選択デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】生鮮品保管容器のためのガス選択デバイス
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20220121BHJP
   B65D 81/20 20060101ALI20220121BHJP
   B65B 31/04 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
B65D85/50
B65D81/20 E
B65D85/50 200
B65D85/50 120
B65B31/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019518241
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 FR2017052823
(87)【国際公開番号】W WO2018073514
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】1660134
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519116562
【氏名又は名称】ジャニー エスエーアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジャニー,ピエール
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-156915(JP,A)
【文献】特開昭63-301742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0259082(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0144638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 81/20
B65B 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば青果又は花などの生鮮品を保管するためにガス置換又はガス制御された密閉保管容器(100)のためのガス選択デバイス(1、51、151、251)であって、中空本体(2、52、152、252)、少なくとも1つの第1の開口(3、53、153、253)、第2の開口(4、54、154、254)、及び第1の膜(5、55、155、255)を備え、前記第1及び第2の開口(3、53、153、253;4、54、154、254)が前記中空本体(2、52、152、252)の内部をその外部と接続しており、前記第1の膜(5、55、155、255)が、前記第1の開口(3、53、153、253)から前記第2の開口(4、54、154、254)に又は逆に流れるガスが前記第1の膜(5、55、155、255)を専ら必ず通るように、前記第1及び第2の開口(3、53、153、253;4、54、154、254)の間で前記中空本体(2、52、152、252)の内部に配設されており、前記中空本体(2、52、152)が、少なくとも前記第1の開口(3、53、153)が設けられた少なくとも1つの第1の枠(6、56、156)と、少なくとも前記第2の開口(4、54、154)が設けられた第2の枠(7、57、157)とを備える、ガス選択デバイスにおいて、前記第2の枠(7、57、157)が、前記中空本体(2、52、152)の外部に突出する中空円筒管(14、58)を前記第2の開口(4、54、154)に沿って備え、前記容器(100)の壁の1つ(101)には、前記容器(100)の内部をその外部に接続する開口(102)が設けられており、前記中空円筒管が、その第2の開口(4、54、154、254)から前記壁(101)の前記開口(102)を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、前記ガス選択デバイス(1、51、151、251)を前記開口(102)に沿って前記容器(100)の前記壁(101)に密閉式に固定するために、前記開口(102)に挿入されるように配置されていることを特徴とする、ガス選択デバイス(1、51、151、251)。
【請求項2】
前記中空円筒管(14、58)が、前記中空円筒管が挿入されるように配置された前記壁(101)を越えて延びていることを特徴とする、請求項1に記載のガス選択デバイス(1、51、151)。
【請求項3】
前記中空円筒管(14、58)の自由端に取付部材(15)が設けられており、前記取付部材が、前記第2の枠(7、57、157)を前記壁(101)に非恒久的に固定するために相補的取付部材(16)と協働できることを特徴とする、請求項2に記載のガス選択デバイス(1、51、151)。
【請求項4】
前記ガス選択デバイス(1、51)が前記容器(100)に固定されるときに前記容器(100)の前記壁(101)と前記第2の枠(7、57、157)との間で圧縮されるように配置されたパッキン(17)を備えることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(1、51、151)。
【請求項5】
前記第1及び第2の枠(6、7)が密閉式に組み合わされており、前記第1の膜(5)が、その周縁(8)が前記第1及び第2の枠(6、7)それぞれの周縁(9、10)の間に密閉式に把持されるように配置されていることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(1)。
【請求項6】
前記第2の枠(57)が、前記中空本体(52)の第3の開口(59)に相当する開口を備え、前記開口が、前記第2の枠(57)の内部をその外部に接続しており、前記中空本体(52)が、前記第1の枠(56)と前記第2の枠(57)との間に、2つの概ね管状の第3の枠(61)と、前記第3の枠(61)同士の間に配設された第4の枠(62)とを備え、前記第4の枠が、前記中空本体(52)の第4の開口(63)に相当する少なくとも1つの横開口を備え、前記少なくとも1つの横開口が、前記第4の枠(62)の内部をその外部に接続しており、前記ガス選択デバイス(51)が、前記中空本体(52)の内部に配設された、第2の膜(68)及び2つの第3の膜(69)を備え、よって、前記中空本体(52)の前記第1、第3及び第4の開口(53;59;63)から前記中空本体(52)の前記第2の開口(54)に又は逆に流れるガスがそれぞれ、前記第1、第2及び第3の膜(55;65;66)を専ら必ず通るようになっていることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(51)。
【請求項7】
前記中空本体(152)が、前記第1の枠(156)と前記第2の枠(157)との間に、概ね管状の第3の枠(158)と、第4の枠(159)とを備え、前記第4の枠が、前記中空本体(152)の第3の開口(161)に相当する少なくとも1つの横開口を備え、前記少なくとも1つの横開口が、前記第4の枠(159)の内部をその外部と接続しており、前記ガス選択デバイス(151)が、前記中空本体(52)の内部に配設された2つの第2の膜(162)を備え、よって、前記中空本体(152)の前記第1及び第3の開口(153;161)から前記中空本体(152)の前記第2の開口(154)に又は逆に流れるガスがそれぞれ、前記第1及び第2の膜(155;162)を専ら必ず通るようになっていることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(151)。
【請求項8】
各膜に襞が付けられていることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(1、51、151)。
【請求項9】
2つの第2の開口(4、54、154)を備え、少なくとも1つの同一のガス選択デバイス(1、51、151)と、それらの2つの第2の開口(4、54、154)の一方同士を少なくとも1つのシース(200)を用いて接続するように並列に関連付けられており、そのようにして得られた組立体が、第1に、前記壁(101)に設けられた2つの開口(102)に沿って前記容器(100)の前記壁の1つ(101)に密閉式に固定されており、前記第2の開口(4、54、154)から前記壁(101)の関連する前記開口(102)を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、前記容器(100)の内部をその外部と接続しており、第2に、前記2つのガス選択デバイス(1、51、151)及び前記密閉容器(100)の内部で強制換気を生じさせるために、その自由端の一方で送風手段に接続していることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のガス選択デバイス(1、51、151)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存されるべき生鮮品が保管される空間を備えるガス置換又はガス制御された密閉保管容器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、例えば、青果、きのこ、又は花などの生鮮品の保管寿命を延ばすために、これら製品をガス置換又はガス制御された状態で保管するための、そのような密閉容器の使用が知られている。この種の容器の密閉は、非常に重要である。これは、密閉により、可能とされる最良の保管寿命を保証するために必要とされる酸素及び二酸化炭素のレベルを前記容器内で維持することが可能となるためである。
【0003】
しかし、この種の容器において、収容された製品の保管寿命を延ばすように前記容器の内部でガス置換又はガス制御を実現するために、外部及び内部の周辺空気のガスの通過を選択的に制御することも非常に重要であり、ガスの前記通過は、前記容器の内部容積及び器に収容される製品の種類に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、例えば青果又は花などの生鮮品を収容する少なくとも1つの空間を備える密閉保管容器の内部でガス置換又はガス制御の実現を可能にするガス選択デバイスを提案することである。本発明による前記ガス選択デバイスは、容器及び/又は保管される製品の寸法に応じて、選択的に、前記容器の内部と、外部及び内部の周辺空気のガスとの間の交換に迅速かつ簡単に適応することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明によれば、例えば青果又は花などの生鮮品を保管するためにガス置換又はガス制御された密閉保管容器のためのガス選択デバイスであって、中空本体、少なくとも1つの第1の開口、第2の開口、及び第1の膜を備え、前記第1及び第2の開口が前記本体の内部をその外部と接続し、前記第1の膜が、第1の開口から第2の開口に又は逆に流れるガスが前記第1の膜を専ら必ず通るように、前記第1及び第2の開口の間で前記本体の内部に配設され、前記本体が、少なくとも前記第1の開口が設けられた少なくとも1つの第1の枠と、少なくとも前記第2の開口が設けられた第2の枠とを備える、ガス選択デバイスにおいて、前記第2の枠が、本体の外部に突出する中空円筒管を第2の開口に沿って備え、容器の壁の1つには、容器の内部をその外部に接続する開口が設けられ、中空円筒管が、その第2の開口から壁の開口を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、ガス選択デバイスを前記開口に沿って容器の前記壁に密閉式に固定するために、前記開口に挿入されるように配置されている点が注目に値する、ガス選択デバイスが提案される。
【0006】
中空円筒管は、中空円筒管が挿入されるように配置された前記壁を越えて延びる。
【0007】
有利には、管の自由端に取付部材が設けられ、取付部材は、第2の枠を前記壁に非恒久的に固定することを可能にするように相補的取付部材と協働することができる。
【0008】
なお更有利には、ガス選択デバイスは、ガス選択デバイスが容器に固定されるときに容器の壁と第2の枠との間で圧縮されるように配置されたパッキンを備える。
【0009】
好適な実施形態によれば、前記第1及び第2の枠は密閉式に組み合わされ、第1の膜は、その周縁が前記第1及び第2の枠それぞれの周縁の間に密閉式に把持されるように配置される。
【0010】
ある変形実施形態によれば、第2の枠は、本体の第3の開口に相当する開口を備え、開口は、第2の枠の内部をその外部に接続し、本体は、第1の枠と第2の枠との間に、2つの概ね管状の第3の枠と、前記第3の枠同士の間に配設された第4の枠とを備え、第4の枠は、本体の第4の開口に相当する少なくとも1つの横開口を備え、少なくとも1つの横開口は、前記第4の枠の内部をその外部に接続し、ガス選択デバイスは、前記本体の内部に配設された、第2の膜及び2つの第3の膜を備え、よって、本体の第1、第3及び第4の開口から前記本体の第2の開口に又は逆に流れるガスはそれぞれ、第1、第2及び第3の膜を専ら必ず通るようになっている。
【0011】
別の変形実施形態によれば、本体は、第1の枠と第2の枠との間に、概ね管状の第3の枠と、第4の枠とを備え、第4の枠は、本体の第3の開口に相当する少なくとも1つの横開口を備え、少なくとも1つの横開口は、前記第4の枠の内部をその外部と接続し、ガス選択デバイスは、前記本体の内部に配設された2つの第2の膜を備え、よって、本体の前記第1及び第3の開口から前記本体の第2の開口に又は逆に流れるガスはそれぞれ、第1及び第2の膜を専ら必ず通るようになっている。
【0012】
有利には、各膜に襞が付けられる。
【0013】
最後の変形実施形態によれば、ガス選択デバイスは、2つの第2の開口を備え、少なくとも1つの同一のガス選択デバイスと、それらの2つの第2の開口の一方同士を少なくとも1つのシースを用いて接続するように並列に関連付けられており、そのようにして得られた組立体は、第1に、前記壁に設けられた2つの開口に沿って容器の壁の1つに密閉式に固定され、第2の自由開口から壁の関連する前記開口を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、容器の内部をその外部と接続し、第2に、2つのガス選択デバイス及び密閉容器の内部で強制換気を生じさせるために、その自由端の一方で送風手段に接続する。
【0014】
他の利点及び特徴は、ガス置換又はガス制御された生鮮品用密閉保管容器のための、本発明によるガス選択デバイスの実施形態の、添付図を参照した以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるガス選択デバイスの概略断面図である。
図2図1のガス選択デバイスの概略分解断面図である。
図3】本発明によるガス選択デバイスの第1の変形例の概略部分断面図である。
図4】本発明によるガス選択デバイスの第2の変形例の概略部分断面図である。
図5】本発明によるガス選択デバイスの第3の変形例の概略部分断面図である。
図6】本発明によるガス選択デバイスの第4の変形例の概略部分断面図である。
図7】本発明によるガス選択デバイスの最後の変形例の概略部分断面図である。
図8】並列配置した、図7による2つのガス選択デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
技術的発明を実施する最良の方法
図1図2を参照すると、本発明は、例えば青果又は花などの、図に示していない生鮮品を保管するために、ガス置換又はガス制御された密閉保管容器100のためのガス選択デバイス1に関する。
【0017】
ガス選択デバイス1は、中空本体2と、少なくとも1つの第1の開口3と、第2の開口4と、第1の膜5とを備え、前記第1及び第2の開口3、4は、前記本体2の内部をその外部に接続し、前記第1の膜5は、第1の開口3から第2の開口4に又は逆に流れるガスが前記第1の膜5を専ら必ず通るように、前記第1及び第2の開口3、4の間で前記本体2の内部に配設される。
【0018】
本発明の範囲から逸脱せずに、ガス選択デバイス1が複数の第1の開口3及び/又は複数の第2の開口4及び/又は複数の第1の膜5を備えてもよいことは、明らかに理解されるであろう。
【0019】
更に、ガス選択デバイス1は、容器100の壁の1つ101に設けられ容器100の内部をその外部と接続する開口102に沿って、その第2の開口4から前記開口102を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、前記壁101に密閉式かつ好ましくは取り外し可能に固定されるように配置される。
【0020】
好適な実施形態によれば、ガス選択デバイス1の本体2は、少なくとも第1の開口3が設けられた第1の枠6と、少なくとも第2の開口4が設けられた第2の枠7とを備え、前記第1及び第2の枠6、7は、密閉式に組み合わされる。
【0021】
この構成において、第1の膜5は、その周縁8が、前記第1及び第2の枠6、7の間に、好ましくはそれらそれぞれの周縁9、10の間に密閉式に把持されるように配置される。第1の膜5における完全なシールを確保するために、第1の枠6は、その周縁9に沿って、第2の枠7の周縁10に沿って配設された相補的接続手段12と協働する接続手段11を備える。接続手段11及び相補的接続手段12はそれぞれ、雄及び雌部材又は雌及び雄部材であり、雄部材は好ましくは、関連する周縁から垂直に延びるリムであり、雌部材は好ましくは、関連する周縁に設けられた溝である。
【0022】
第1の枠6は好ましくは、ガスの流れを可能にしながら膜5を衝撃から機械的に保護するために、第1の開口3に沿って格子13を備える。
【0023】
この好適な実施形態によれば、第2の枠7は、ガス選択デバイス1の本体2の外部に突出するように延びる中空円筒管14を第2の開口4に沿って備え、中空円筒管は、容器100の壁101の開口102に挿入されるように、かつ前記壁101を越えて延びるように配置される。この管14の自由端に取付部材15が設けられ、取付部材は、第2の枠7を前記壁101に、従ってガス選択デバイス1を前記容器100に非恒久的に固定するために、相補的取付部材16と協働することができる。
【0024】
よって、図1を参照すると、管14が容器100の壁101の開口102に挿入されるとき、その自由端は、前記壁101の他方側に位置し、取付部材15及び相補的取付部材16は、ガス選択デバイス1に力を加えて、第2の枠7を壁101に押し付け、したがって、デバイス及び容器100から成る組立体を固定しやすくするように協働する。この固定の不透過性を実現するために、有利にはOリングシールであるパッキン17が、管14の周りに配設され、ガス選択デバイス1が容器に固定されるときに第2の枠7と壁101との間で圧縮されるように配置される。
【0025】
取付部材15及び相補的取付部材16はそれぞれ、ネジ及びナットである。しかし、取付部材15及び相補的取付部材16は、本発明の範囲から逸脱せずに、例えば、消火器具に使用されるものと同様の迅速連結具又はクリップ/溝組立体など、任意の他の適した等価な類のものでもよい。
【0026】
取付部材15、相補的取付部材16、及びパッキン17が、ガス選択デバイス1を容器100に密閉式かつ非恒久的に固定することを可能にすることは、明らかに理解されるであろう。
【0027】
しかし、ガス選択デバイス1が、例えば溶接、接着結合又はクリンプなどの任意の適した技術などで容器100に密閉式かつ恒久的に固定されてもよいことも、明らかに理解されるであろう。
【0028】
本発明によるガス選択デバイス1が、容器及び/又は保管される製品の寸法に応じて、選択的に、前記容器100の内部との、外部の周辺空気のガスの交換に迅速かつ簡単に適応することを可能にすることは、明らかに理解されるであろう。これは、容器100が製造されると、容器は、前記容器100の壁の1つ101に開口102を形成し、適した寸法のガス選択デバイス1を固定するか、又は前記容器100の壁の1つ又は複数101に複数の開口102を形成し、各開口102に沿って、より小さな寸法のガス選択デバイス1を固定するかのいずれかに十分であるためであり、後者の構成は、前記容器100の内部のガス流のより均質な分布を可能にする。
【0029】
当業者は、容器の内部に要求される雰囲気及び容器に収容される製品に応じて、各膜を決定及び寸法決めすることに困難を伴わないであろう。
【0030】
最後に、ガス選択デバイス1の構成によって、後者が前記容器100の内部又は外部のいずれかで容器100の壁101に無頓着に固定されてもよいことは、明らかに理解されるであろう。
【0031】
他の実施形態の説明
図3に示した第1の変形実施形態によれば、ガス選択デバイス1のガス選択表面領域を、その全体寸法を増やす必要なしに増やすために、有利には第1の膜5に襞が付けられる。
【0032】
図4に示した第2の変形実施形態によれば、ガス選択デバイス51は、全て前述したものと同様である、少なくとも1つの第1の開口53、第2の開口54、及び第1の膜55が設けられた、本体52を備える。
【0033】
その上、本体52は、少なくとも第1の開口53が設けられた第1の枠56と、少なくとも第2の開口54が設けられた第2の枠57とを備える。
【0034】
第1の枠56は、前述した第1の枠6と同一である。
【0035】
第2の枠57は、前述した第1の枠6と同様であり、第2の開口54に沿って配設された中空円筒管58を備え、中空円筒管は、本体52の外部に突出するように延びる。
【0036】
しかし、この変形実施形態において、前記管58は、前記第2の枠57の厚さ全体にわたって内部にも延びる。第2の枠57は、本体52の第3の開口59に相当する開口も備え、開口は、前記本体52の第2の枠57の内部を本体の外部に接続し、好ましくは保護格子60を備える。
【0037】
管58の外部自由端に好ましくは、図4に示していない取付部材が設けられ、取付部材は、第2の枠57を図4に示していない容器の壁に、従ってガス選択デバイス51を前記容器に非恒久的に固定するために、図4に示していない相補的取付部材と協働することができる。
【0038】
同じように、ガス選択デバイス51は有利には、図4に示していないパッキンを備え、パッキンは、ガス選択デバイス51が容器に固定されるときに容器の前記壁と第2の枠57との間で圧縮されるように配置される。
【0039】
加えて、この変形実施形態は、本体52が、第1の枠56と第2の枠57との間に、2つの概ね管状の第3の枠61と、前記第3の枠61同士の間に配設された第4の枠62とも備える点で、前の実施形態とは異なる。本体52の前記枠56、57、61、62は、密閉式に互いに接続される。
【0040】
第4の枠62は、本体52の第4の開口63に相当し、かつ前記第4の枠62の内部をその外部に接続する、少なくとも1つの横開口と、前記第4の枠62を通るガスの流れを可能にするように第4の枠62をその厚さ方向に一直線に通る移送管64とを備える。
【0041】
この第2の変形実施形態において、第1の膜55は、その外周縁65が、第1の枠56と第3の枠61の一方との間に、好ましくはそれらそれぞれの周縁66、67の間に密閉式に把持されるように適合される。
【0042】
その上、ガス選択デバイス51は、第1の膜55と同様であり概ね環状の形状である、第2の膜68及び2つの第3の膜69を備える。
【0043】
第2の膜68は、第1に、その外周縁70が第2の枠57と第3の枠61の一方との間に、好ましくはそれらそれぞれの周縁71、67の間に密閉式に把持されるように、第2に、その内周縁72が、例えば接着結合などの任意の適した手段で、前記第2の枠57の内部に位置する管58の自由端に密閉式に取り付けられるように配置される。
【0044】
各第3の膜69は、第1に、その外周縁73が第3の枠61の一方と第4の枠62との間に、好ましくは、それらそれぞれの周縁67、74の間に密閉式に把持されるように、第2に、その内周縁75が、例えば接着結合などの任意の適した手段で、移送管64の自由端の一方の周りに密閉式に取り付けられるように配置される。
【0045】
このように構成されることで、ガス選択デバイス51は、本体52の第1、第3及び第4の開口53、59、63から前記本体52の第2の開口54に又は逆に流れるガスがそれぞれ、第1、第2及び第3の膜55、68、69を専ら必ず通ることを保証する。
【0046】
この変形実施形態が、ガス選択デバイス51のガス選択表面領域を、その全体寸法を大幅に増やす必要なしに増やすことを可能にすることは、容易に理解されるであろう。それは随意に、各種設計の膜に適合することを可能にする。
【0047】
図5に示した第3のより最小限の変形例によれば、ガス選択デバイス151は、前述したものと同様である、少なくとも1つの第1の開口153、第2の開口154、及び第1の膜155が設けられた、本体152を備える。
【0048】
その上、本体152は、少なくとも第1の開口153が設けられた第1の枠156と、少なくとも第2の開口154が設けられた第2の枠157とを備える。第1及び第2の枠156、157は、前述した第1及び第2の枠6、7と同一である。
【0049】
本体152は更に、第1の枠156と第2の枠157との間に、第3の概ね管状の枠158と、第4の枠159とを備え、第3及び第4の枠158、159は、前述した第3及び第4の枠61、62と同一である。よって、第4の枠159は、移送管160と、本体52の第3の開口161に相当する少なくとも1つの開口とを備える。本体152の前記枠156、157、158、159は、密閉式に組み合わされる。
【0050】
同じように、ガス選択デバイス151は、前述した第3の膜69と同一の2つの第2の膜162を備える。
【0051】
各第2の膜162は、第1に、その外周縁163が第4の枠159と第3の枠158又は第2の枠157との間に、好ましくは、それらそれぞれの周縁同士の間に密閉式に把持されるように、第2に、その内周縁164が、例えば接着結合などの任意の適した手段で、第4の枠159の移送管160の自由端の一方の周りに密閉式に取り付けられるように配置される。
【0052】
このように構成されることで、ガス選択デバイス151は、本体152の第1及び第3の開口153、161から前記本体152の第2の開口154に又は逆に流れるガスがそれぞれ、第1及び第2の膜155、162を専ら必ず通ることを保証する。
【0053】
その上、1つ以上の新たな段を加えることによってガス選択デバイス51、151のろ過面を更に増やすことを想像することができ、各段はそれぞれ、前述した第3の枠61、158、第4の枠62、159及び膜69、162と同一である第3の枠、第4の枠及び追加の膜を備える。
【0054】
図6に示した第4の変形例によれば、前述したようなガス選択デバイス1が少なくとも2つ、並列に配設され、密閉容器100上に配置される。よって各ガス選択デバイス1は、少なくとも1つの第1の開口3、第2の開口4、及び第1の膜5が設けられた、本体2を備える。
【0055】
その上、本体2は、少なくとも第1の開口3が設けられた第1の枠6と、少なくとも第2の開口4が設けられた第2の枠7とを備える。
【0056】
しかし、この変形実施形態において、各ガス選択デバイス1は、2つの第2の開口4を備える。
【0057】
この構成は、図6に従って、それらの2つの第2の開口4の一方同士を接続する少なくとも1つのシース200を用いて、少なくとも2つのガス選択デバイス1を並列に関連付けることを可能にする。このようにして得られた組立体は、容器100の壁の1つ101に設けられ容器100の内部をその外部と接続する2つの開口102に沿って、第2の自由開口4、すなわち、シース200に接続されていない開口から壁101の前記関連する開口102を通る又は逆のガスの流れを可能にするように、前記壁101に密閉式に固定される。
【0058】
容器100に固定されると、ガス選択デバイス1及びシース200から成る組立体は有利には、各ガス選択デバイス1の膜5を通じたガス交換を促すように、2つのガス選択デバイス1及び密閉容器100の内部に、図6に示す矢印に従うか又は逆の強制換気を生じさせるために、その両端の一方で、示していない送風手段、例えばファンなどに接続される。
【0059】
本発明の範囲から逸脱せずに、前述したガス選択デバイス1及びシース200から成る組立体が、2つよりも多いガス選択デバイス1、従って1つよりも多いシース200を備えてもよいことは、明らかに理解されるであろう。
【0060】
更に、ガス選択デバイス1が、前述したガス選択デバイス51又は151と同様であり、前述した第3の枠61、158、第4の枠62、159及び膜69、162のそれぞれと同一である少なくとも1つの第3の枠、第4の枠及び追加の膜を備えてもよいことは言うまでもない。
【0061】
最後に、本発明によるガス選択デバイスの並列配置に特に適した、図7に示した最後の変形例によれば、ガス選択デバイス251は、本体252と、少なくとも1つの第1の径方向開口253と、2つの第2の軸方向開口254と、好ましくは管状であり、前記第1及び第2の開口253、254の間に配設された第1の膜255とを備える。前記本体252は、概ね中空円筒管の形態であり、2つの端部横壁257によって塞がれた円筒周方向の縦壁256を備え、前記縦壁256には、少なくとも第1の開口253が設けられ、各横壁257には、少なくとも第2の開口254が設けられる。ガス選択デバイス251のこの構成において、第1の膜255は、その周縁258が、横壁257と縦壁256との間に密閉式に把持されるように配置される。
【0062】
各横壁257は好ましくは、第2の開口254に沿って中空円筒管259を備え、中空円筒管は、ガス選択デバイス251の本体252の外部に突出するように延び、示していない容器の壁の開口に挿入されるように配置される。
【0063】
図8を参照すると、この変形例が、少なくとも2つの円筒ガス選択デバイス251を縦に並べて置いて、得られた組立体の第2の自由開口254を、示していない容器の壁の1つに接続することにより、並列配置を容易に可能にすることは、明らかに理解されるであろう。
【0064】
容器に固定されると、ガス選択デバイス251の組立体は有利には、ガス選択デバイス251及び容器の内部に強制換気を生じさせるために、その両端の一方で、示していない例えばファンなどの送風手段に接続される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によるガス選択デバイス1は特に、例えば青果又は花などの保存されるべき生鮮品が保管される硬質器と、器を密閉式に閉じるカウルとを備える、ガス置換又はガス制御された密閉保管容器100に適用されるが、パレット又は部分的に硬質な保護カバーを包装するための可撓性カバー型の容器に使用されてもよい。
【0066】
最後に、説明してきた本発明によるガス選択デバイス1の例が単に個々の例示であり、決して本発明を限定するものでないことは言うまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8