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特許7012386印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置
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  • 特許-印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置 図1
  • 特許-印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置 図2
  • 特許-印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置 図3
  • 特許-印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置 図4
  • 特許-印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】印刷媒体発行装置、及び印刷媒体発行装置を備えた貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20220121BHJP
   B65C 11/02 20060101ALI20220121BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
B41J11/70
B65C11/02
B41J2/32 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020035664
(22)【出願日】2020-03-03
(62)【分割の表示】P 2015098568の分割
【原出願日】2015-05-13
(65)【公開番号】P2020093552
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2020-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石上 敬二
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-184590(JP,A)
【文献】特開2012-188143(JP,A)
【文献】特開平10-100493(JP,A)
【文献】実開平03-126598(JP,U)
【文献】特開2009-214504(JP,A)
【文献】特開2003-211756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0219375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/00-11/70
B65C 1/00-11/06
B41J 2/315-2/345
B41J 2/42-2/425
B41J 2/475-2/48
B41J 15/00-15/24
B41J 29/00-29/70
B65H 16/00-16/10
B65H 19/00-19/30
B65H 21/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記印刷開閉部に対向して設けられ、印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記印刷媒体を搬送するプラテンローラを有し、前記印刷媒体を装填時に開状態、装填後は閉状態となり、前記印媒体を前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持する印刷開閉部と、
前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持される前記印刷媒体を切断する第一切断部と、可動刃と固定刃を備え、該可動刃と該固定刃を一体に装置本体に対して上方、かつ前記印刷開閉部の開閉とは独立して回動自在に支持される第二切断部と、備え、
前記第一切断部は、前記印刷開閉部の閉鎖時において前記印刷開閉部の搬送方向下流側上端部に位置し、かつ、前記第二切断部よりも印刷媒体の搬送方向上流側に位置し、
前記印刷開閉部を閉鎖した後に、前記第一切断部により切断された後の印刷媒体の先端は、前記第一切断部から前記可動刃と前記固定刃の間に向けて配置されることを特徴とする印刷媒体発行装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷媒体発行装置を備えた貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル等の印刷媒体を発行する印刷媒体発行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等においては、総菜等の食料品をプラスチック等のトレイに
入れて、フィルムにより包装して販売することが行われており、そのような商品に対して
は、商品の内容量や販売価格等の情報を印刷したラベルを貼付して商品の内容を消費者に
対して表示することが行われている。
そして、そのような商品の内容量や販売価格等の情報を表示するラベルを発行するため
のラベルプリンタが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-211756号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記先行技術文献に見られるようなラベルプリンタにおいては、ラベルロール
の交換後にラベルを印字手段や切断手段に対して適切な位置に配置する必要があるが、特
に、切断手段の刃の間など狭い隙間にラベルを通して配置する作業は煩雑であった。
【0005】
本発明は、上記の事情を鑑み、ラベル等の印刷媒体を発行する印刷媒体発行装置におい
て、帯状の用紙を印刷媒体発行装置に対して設置する際に、簡単な操作により、帯状の用
紙の先端をカッタ手段の入り口に正確に対向させて設置することができるようにし、それ
によりラベルの交換時間を短縮し、印刷媒体の発行処理能力を向上させることを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、印刷媒体発行装置において、下記印刷開閉部に対向して設けられ、印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記印刷媒体を搬送するプラテンローラを有し、前記印刷媒体を装填時に開状態、装填後は閉状態となり、前記印媒体を前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持する印刷開閉部と、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持される前記印刷媒体を切断する第一切断部と、可動刃と固定刃を備え、該可動刃と該固定刃を一体に装置本体に対して上方、かつ前記印刷開閉部の開閉とは独立して回動自在に支持される第二切断部と、備え、前記第一切断部は、前記印刷開閉部の閉鎖時において前記印刷開閉部の搬送方向下流側上端部に位置し、かつ、前記第二切断部よりも印刷媒体の搬送方向上流側に位置し、
前記印刷開閉部を閉鎖した後に、前記第一切断部により切断された後の印刷媒体の先端は、前記第一切断部から前記可動刃と前記固定刃の間に向けて配置されることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る発明は、貼付装置において、請求項1に記載の印刷媒体発行装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明により、用紙を配置する際の作業を容易にし、ラベルの交換作業を簡単にして処理能力を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置を有する貼付装置を備える包装装置の全体図である。
図2】本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置を説明するための図であり、(a)は印刷媒体発行装置の斜視図であり、(b)はカッタ手段を開放した状態の斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置を説明するための図であり、印刷媒体発行装置の開閉部を開放した状態の全体斜視図である(カッタ手段は省略している。)。
図4】本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置を説明するための図であり、ラベル発行装置の開閉部を開放した時の側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置を説明するための図であり、ラベル発行装置の開閉部を閉鎖した時の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置について、図面を参考に説明する。
-印刷媒体発行装置を備える包装装置の構成-
本発明の実施形態に係る印刷媒体発行装置1は、例えば、図1に示す包装装置Aに採用
されている。
包装装置Aは、食品等の商品を入れたプラスチックトレイ等の被包装物Tをストレッチ
フィルム等により包装するものであり、包装された被包装物Tに対して、印刷媒体発行装
置1により商品の情報が印字されたラベル等の印刷媒体Lを貼付装置Bにより貼付してい
る。
【0010】
図1に示すように、包装装置Aは、機体aの前方に配置されて操作者が被包装物Tを載
置する商品載置部bと、商品載置部bに載置された被包装物Tをフィルム包装手段に搬送
してフィルムにより包装し、商品載置部bの上方位置に配置された商品排出部cに排出す
る包装手段(図示はしない)と、商品排出部cに排出される被包装物Tの上面に印刷媒体
Lを貼付する貼付装置Bと、貼付装置Bに備えられラベル等の印刷媒体Lを発行する印刷
媒体発行装置1と、操作者により包装装置Aを制御するための情報を入力したり、包装装
置Aの状態を監視するためのタッチパネル等の入力表示手段eとを備えている。
【0011】
-印刷媒体発行装置の構成-
上記印刷媒体発行装置の構成について詳細に説明する。
図1図2(a)に示すように、印刷媒体発行装置1は、帯状の用紙に対して商品の情
報等を印刷する印刷手段12と、印刷手段12により印刷された帯状の用紙を切断して印
刷媒体Lを作成するカッタ手段13とを備えている。
カッタ手段13の前面には、印刷媒体が発行される印刷媒体発行口13aが設けられて
おり、印刷手段12により印刷された帯状の用紙は印刷媒体発行口13aから排出された
状態で待機保持され、貼付装置Bの吸着パットB1により吸着保持された後、カッタ手段
13により切断されラベル等の印刷媒体Lが形成される。
【0012】
(カッタ手段の構成)
カッタ手段13は、印刷手段12の前面に支持される支持ユニット132と、支持ユニ
ット132に対して回動自在に支持されるカッタユニット131とからなり、カッタユニ
ット131内には固定刃131a及び可動刃131bが配置されているとともに、その側
面には、固定刃131a及び可動刃131bに対してオイルを供給するための供給チュー
ブ13bが連結されている。
カッタユニット131の前面に設けられる印刷媒体発行口13aの下方位置には、印刷
媒体発行口13aから排出される用紙を支持する載置部13cを備えると共に、印刷媒体
発行口13aの上方位置には,用紙の反り等を防止する反り防止板13dが設けられてい
る。
【0013】
カッタ手段13の支持ユニット132に対するカッタユニット131の固定は、例えば
ユリアビス等のドライバー等の工具を必要としない固定手段(図示しない)により行われ
ており、固定手段を外すことで、図2(b)に示すように、支持ユニット132に対して
カッタユニット131が上方に回動できるように構成されている。そして、カッタユニッ
ト131を上方に回動することで、印刷手段12の用紙排出口12aを露出させることが
できる。
したがって、カッタユニット131の回動においては、供給チューブ13bやその他カ
ッタユニット131を駆動するための配線等を外す必要がなく構成されているので、エラ
ー発生時やメンテナンス時等には、カッタユニット131を用紙の搬送経路より簡単に退
避させることできる。
【0014】
また、本実施形態に係る印刷媒体発行装置1においては、例えばカッタユニット131
の駆動機構が故障して可動刃と固定刃とが接したまま制御不能となった場合などには、上
記のようにカッタユニット131を搬送経路より退避させて、手動により印刷媒体Lの発
行をすることができる。
そのために、図2(b)に示すように、印刷手段12における用紙排出口12aの上方
位置には故障時用手切り刃12bが設けられている。
【0015】
(印刷手段の構成)
印刷手段12は、図3に示すように、包装装置Aに載置支持されて内部に帯状の用紙を
巻回してなる用紙ロールRを収納している本体部11と、本体部11の前面に配置されて
、用紙ロールRから繰り出される帯状の用紙に対して商品の情報等を印刷する印刷部とか
らなり、印刷部は、その上方位置に配置される印刷本体部121と、印刷本体部121に
対してその後方部位の支持軸122cにおいて下方に回動自在に支持され用紙排出口12
a側が開放される印刷開閉部122とから構成されている。
【0016】
印刷開閉部122の支持軸122cにより支持されている側と反対側にはプラテンロー
ラ122aが配置され、印刷本体部121にはプラテンローラ122aに対向するように
サーマルヘッド121aが配置されているので、印刷手段12における用紙の搬送経路を
上下に開放することができ、用紙ロールRから繰り出された帯状の用紙を用紙ガイド11
aにより印刷部に導いてサーマルヘッド121aとプラテンローラ122aとの間で挟持
することで用紙を搬送経路に簡単に配置することができる。
そして、印刷開閉部122のプラテンローラ122aの下流側、更に言えば、印刷開閉
部122の開放側端部には、先端をのこぎり状にした切取部122bが設けられており、
図5に示すように、印刷開閉部122を回動し閉鎖した状態では、切取部122bの先端
がカッタ手段13の固定刃131aと可動刃131bの間に向けて配置されるように構成
されている。
【0017】
以上のように構成されているので、例えば用紙ロールRを交換したり、また、印刷手段
12のメンテナンス作業を行ったりした後には、用紙ロールRより繰り出された帯状の用
紙を、開放した印刷開閉部122と印刷本体部121との間に配置するとともに、用紙先
端の余剰部分を引っ張るなどして緊張させた状態で印刷開閉部122を閉鎖することで、
印刷本体部121のサーマルヘッド121aと印刷開閉部122のプラテンローラ122
aとにより用紙をずれなく挟持して、用紙を印刷手段12中の搬送経路に対して適切な位
置に配置することができる。
【0018】
そして、印刷開閉部122を閉鎖した後に、印刷開閉部122より延びる用紙の余剰部
分を切取部122bに押し当てながら下方に引っ張ることで切取部122bにより切取ら
れた用紙の先端は、カッタ手段13の固定刃131aと可動刃131bの間に向けて配置
することができる。
このとき、用紙は印刷本体部121と印刷開閉部122とにより挟持されているので、
余剰部分を切り取る際に、適切な位置に配置した用紙がずれる等のおそれがない。
また、切取部122bがカッタ手段13の最前に配置されることで、切取部122bに
より切断されて形成される用紙の先端は印刷媒体発行装置1の他の部品等に阻害されるこ
となくカッタ手段13の固定刃131aと可動刃131bの間の直前に配置することがで
きる。
【0019】
本実施形態の印刷媒体発行装置1は、例えば印刷開閉部122の近傍にバックフィード
を実施するためのバックフィードスイッチ(図示しない)を有しており、印刷開閉部12
2を閉鎖し、印刷開閉部122より延びる用紙の余剰部分を切取部122bにより切断し
た後に、バックフィードスイッチを押下することで用紙を所定量バックフィードして用紙
の切取部122bに対して食込んだ用紙先端をはがすことができ、特に、用紙として台紙
を持たないライナレスラベルを使用する時などには有効である。
なお、用紙のバックフィードについては、上記において説明した用紙をセットした後だ
けではなく、例えば、印刷指示や搬送指示を受けた場合などに自動的に用紙を所定量バッ
クフィードすることで、接着面が印刷媒体発行装置1の印刷手段12やカッタ手段13の
各部位に軽く接着している場合であっても、用紙を初期位置に戻して印字媒体の発行処理
を確実に行うことができる。
【0020】
以上のように、本実施形態の印刷媒体発行装置は、印刷媒体に対して印刷を施す印刷手
段がサーマルヘッドを保持する印刷本体部と印刷本体部に対して支持軸により回動自在に
支持されプラテンローラを保持している印刷開閉部とから構成されており、印刷媒体を印
刷本体部と印刷開閉部とにより挟持し、印刷手段の搬送方向下流側には印刷媒体を切断す
るためのカッタ手段(第二切断部)を備えると共に、カッタ手段(第二切断部)の搬送方
向上流側に、印刷媒体の余剰部分を切断して印刷媒体の先端をカッタ手段(第二切断部)
の搬送経路に導く切取部(第一切断部)とを備えているので、帯状の用紙を交換した後等
に、印刷開閉部を閉鎖して帯状の用紙を印刷本体部と印刷開閉部とにより構成される挟持
部で挟持することで、用紙を印刷手段のプラテンローラとサーマルヘッドとの間の搬送経
路に簡単に配置することができ、また、挟持された用紙を下方に引っ張るだけで用紙の先
端部をカッタ手段の固定刃と可動刃との間の直前に対して適切な位置となるように配置す
ることができるので、用紙を配置する際の作業を容易にし、また、各印刷部品の交換等メ
ンテナンスの作業効率が向上するとともに、印刷媒体の発行処理の時には、印刷媒体の先
端がカッタ手段をスムーズに通過することができる。
【0021】
なお、本実施形態においては、印刷手段における印刷媒体Lを排出する部位に故障時用
手切り刃を設けて、カッタユニット等の故障時に手動による印刷媒体の発行処理ができる
ように構成されているが、印刷開閉部の切取部を故障用手切り刃として兼用することも可
能であり、これにより部品点数を減らして、構成を簡素化することができる。
また、本実施形態においては、印刷開閉部が印刷本体部に対して下方に開閉するように
構成されているが、印刷媒体発行装置が設置される包装装置の構成等によっては、印刷開
閉部は上方や若しくは側方に開閉するように構成されてもよく、また、切取部を印刷本体
部に設けても浴、印刷媒体を切断する際にも、下方向へ印刷媒体を引き抜くのではなく、
上方向に引き抜くことにより印刷媒体の余剰部分を切り取るように構成してもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 :印刷媒体発行装置
11 :本体部
11a :用紙ガイド
12 :印刷手段
12a :排出口
12b :故障時用手切り刃
121 :印刷本体部
121a :サーマルヘッド
122 :印刷開閉部
122a :プラテンローラ
122b :切取部
122c :支持軸
13 :カッタ手段
13a :印刷媒体発行口
13b :供給チューブ
13c :載置部
13d :防止板
131 :カッタユニット
131a :固定刃
131b :可動刃
132 :支持ユニット
図1
図2
図3
図4
図5