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特許7012400調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220121BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20220121BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220121BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/60 320
G06Q50/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021129459
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2021-08-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月6日に愛知県私学協会会長へ公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月18日に私学協会理事会(Web会議)において、愛知県私学協会会長が公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月24日に学校法人愛知産業大学 愛知産業大学三河高等学校、学校法人安城学園 安城学園高等学校、学校法人安城学園 岡崎城西高等学校、学校法人名鉄学園 杜若高等学校、学校法人尾張学園 豊田大谷高等学校、愛知享栄学園 栄徳高等学校、修文女子高等学校、名古屋石田学園星城高等学校、学校法人中部大学 中部大学春日丘高等学校、日本福祉大学付属高等学校、学校法人菊華学園 菊華高等学校、愛知享栄学園 享栄高等学校、学校法人東邦学園 東邦高等学校へ公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年3月23日にホテル名古屋ガーデンパレスで開催された株式会社アットシステム情報提供・説明会において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年6月28日に株式会社アットシステム入札提案資料として公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年7月19日に広島県教育委員会入札プレゼン(Web会議)で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500509782
【氏名又は名称】株式会社アットシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134533
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 夏香
(74)【代理人】
【識別番号】100186451
【弁理士】
【氏名又は名称】梅森 嘉匡
(72)【発明者】
【氏名】佐宗 美智代
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-208478(JP,A)
【文献】特開2003-296468(JP,A)
【文献】特開2005-284761(JP,A)
【文献】特許第6715423(JP,B1)
【文献】特許第6752480(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップと、
インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され、前記校務処理用デスクトップと共有する共有記憶域にアクセス可能なインターネット用デスクトップと、
を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末において、
当該出身校端末のコンピュータが提出用調査書データを調製する調査書データ調製方法であって、
前記コンピュータが、
前記校務処理用デスクトップから、前記校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求の受付又は調査書作成用元データの入力の受付をする調査書作成用元データ受付工程と、
前記校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付工程と、
前記提出用調査書データ作成受付工程の後、前記調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理工程と、
前記調査書データ整形処理工程後、前記整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして前記共有記憶域に保存する暗号化工程と、
を含むことを特徴とする調査書データ調製方法。
【請求項2】
前記提出用調査書データ作成受付工程の前に、
前記校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、前記調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込工程を含み、
前記調査書データ整形処理工程において、前記受験校絞込工程で抽出したデータのみを対象として整形処理することを特徴とする請求項1記載の調査書データ調製方法。
【請求項3】
専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップと、
インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され、前記校務処理用デスクトップと共有する共有記憶域にアクセス可能なインターネット用デスクトップと、
を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末において、
当該端末のコンピュータに提出用調査書データを調製する機能を実現させるための調査書データ調製プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記校務処理用デスクトップから、前記校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求を受付又は調査書作成用元データの入力の受付をする調査書作成用元データ受付機能と、
前記校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付機能と、
提出用調査書データ作成受付後、前記調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理機能と、
前記整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして前記共有記憶域に保存する暗号化機能と、
を実現させるための調査書データ調製プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、さらに、
前記校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込機能を実現させるための調査書データ調製プログラムであって、
前記調査書データ整形処理機能に、前記受験校絞込機能によって抽出したデータのみを対象として整形処理する機能を含むことを特徴とする請求項3記載の調査書データ調製プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットで出願受付を行う高校入学試験等、入試又は検定等の各種試験のインターネット出願における、調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
入試業務の負担を軽減する手段として、インターネット出願システムの普及が進んでいる。出願人は、インターネット出願システムにおいて、生徒を送り出す側の学校(以下、「出身校」という)の教員が入力した調査書データと、生徒が入力した出願データをマッチングさせ、マッチングしたデータをサーバ内に暗号化して保管し、生徒を受け入れる側の学校(以下、「受験校」という)が出願データに紐づいた調査書のデータを安全に取り出せる、高い利便性とセキュリティを備えたマッチング方法及びそのシステムを開発した(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6715423号公報
【文献】特許第6752480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2記載のシステムは好評で様々な学校から利用希望が寄せられるようになった。しかし、出身校の教員が調査書を作成する環境が、働き方改革とセキュリティの観点から、2020年前頃から全国的に見直され、教員のPC上で調査書を作成する方式から、校務支援システムにより調査書を作成するようになった。PC上で作成される場合は、作成するためのエクセル(登録商標)ファイルなどが地域で統一されて配付されていたので、データも同一形式であったが、校務支援システムの場合は、同一地域でも自治体(市町)により導入されるシステムが異なるため、紙に印刷された調査書の形式は同じでも、データの形式は異なる。さらに、私立受験校によっては、必要とする調査書のデータも若干異なっている場合があった。
【0005】
特許文献1、2記載のシステムで受付される提出用調査書データを作成するためには、受験校が要求する所定のデータ項目について所定の書式で入力する必要があるが、出身校側の校務支援システムで出力される調査書データとデータ項目や書式が異なっている場合には、出願システムでインターネットを経由して提出用調査書データを入力する際に、受験校毎に再入力が必要となるため、作業時間や労力の軽減の点で改善の余地があるという問題があった。また、再入力を行う場合、インターネットに接続された環境に、暗号化されていない状態の調査書データを保持することになるため、出身校での管理状況によってはセキュリティ上の問題が生じるおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、かつ、セキュリティ上のリスクを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、上記目的を達成するため、試行錯誤のうえ、教員の労力や作業時間を軽減できる、調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラムを発明した。
【0008】
本発明の第1の態様は、専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップと、
インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され、前記校務処理用デスクトップと共有する共有記憶域にアクセス可能なインターネット用デスクトップと、
を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末において、
当該出身校端末のコンピュータが提出用調査書データを調製する調査書データ調製方法であって、
前記コンピュータが、
前記校務処理用デスクトップから、前記校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求の受付又は調査書作成用元データの入力の受付をする調査書作成用元データ受付工程と、
前記校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付工程と、
前記提出用調査書データ作成受付工程の後、前記調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理工程と、
前記調査書データ整形処理工程後、前記整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして前記共有記憶域に保存する暗号化工程と、
を含むことを特徴とする調査書データ調製方法を提供する。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、かつ、セキュリティ上のリスクを低減することを実現することができる。1又は複数の異なる形式の調査書データから、インターネット環境での再入力を不要とし、所定のデータを抽出して所定の形式に整形することができる。
【0010】
秘匿性の高い調査書データを含む提出用調査書データは、暗号化した状態で共有記憶域に保存されるので、調査書データの情報漏洩をさらに防止でき、セキュリティを強化できる。
【0011】
また、本発明の第1の態様の調査書データ調製方法は、さらに、前記提出用調査書データ作成受付工程の前に、
前記校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、前記調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込工程を含み、
前記調査書データ整形処理工程において、前記受験校絞込工程で抽出したデータのみを対象として整形処理することが好ましい。
【0012】
受験校毎の形式・項目の違いに対応して提出用調査書データを作成できるので、ミスを防止することができ、また、より労力や作業時間の削減が可能となる。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップと、
インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され、前記校務処理用デスクトップと共有する共有記憶域にアクセス可能なインターネット用デスクトップと、
を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末において、
当該端末のコンピュータに提出用調査書データを調製する機能を実現させるための調査書データ調製プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記校務処理用デスクトップから、前記校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求を受付又は調査書作成用元データの入力の受付をする調査書作成用元データ受付機能と、
前記校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付機能と、
提出用調査書データ作成受付後、前記調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理機能と、
前記整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして前記共有記憶域に保存する暗号化機能と、
を実現させるための調査書データ調製プログラムを提供する。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、かつ、セキュリティ上のリスクを低減することができる。
【0015】
また、本発明の第2の態様の調査書データ調製プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込機能を実現させるための調査書データ調製プログラムであって、
前記調査書データ整形処理機能に、前記受験校絞込機能によって抽出したデータのみを対象として整形処理する機能を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、かつ、セキュリティ上のリスクを低減することを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の調査書データ調製方法の実施例1を実行する出身校端末のネットワーク構成を示す図である。
図2】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の概略説明図である。
図3】本発明の調査書データ調製方法の実施例1のフロー図である。
図4】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の読み込み受付画面例である。
図5】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受付内容表示画面例である。
図6】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受験校絞込画面例である。
図7】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受験校絞込後の画面例である。
図8】本発明の調査書データ調製方法の実施例1の提出用調査書データ作成受付画面例である。
図9】出願システムでの調査書仮登録画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラムについて、添付図面を参照して実施例を用いて本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
本実施例は、入学試験の出願を1又は複数の受験校に申し込む1又は複数の受験生の出身校が、各受験校に提出する各受験生の調査書作成用元データを、インターネット出願のマッチングシステム(例:特許文献1、2の記載のシステム)等の出願システムにアップロードする提出用調査書データに調製する作業を簡便にし、アップロードするまでに要する労力や作業時間を軽減し、入試に関する出身校の教員の業務時間の削減を実現するとともに、情報漏洩のリスクを軽減するものである。
【0020】
本実施例の調査書データ調製方法を実現するシステムは、CPUなどの演算処理装置、RAMやハードディスクなどの記憶装置を有するコンピュータ端末の校務処理用デスクトップ上でその処理が実現される。本実施例の調査書データ調製方法を実現する調査書データ調製プログラムは、インターネットを通じて、あるいはDVDやUSB等の媒体を通じて、当該コンピュータ端末のインターネット用デスクトップにダウンロードあるいはインストールされ、インターネット用デスクトップと校務処理用デスクトップとの共有記憶域を介して校務処理用デスクトップに保存され、ハードディスクに記憶されており、かかるプログラムは、所定の操作をされることによってRAM等などに読み込まれ、その機能(手段)を演算処理装置で実行し、もって、所定の処理が行われる。そして、かかる処理に用いる情報は、データベースやデータファイルなどの各種のファイル保存形式でRAMやハードディスクなどの記憶装置に記憶されており、その処理の際に適宜読み出されることで、所定の処理が行われる。また、処理した結果も、RAMやハードディスクなどの記憶装置に書き出され、適宜記憶される。本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているに過ぎず、物理上あるいは事実上は同一の領域を構成するものであってもよい。本実施例の調査書データ調製プログラムは、本実施例の調査書データ調製方法を実現するシステムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0021】
{構成}
本実施例では、一例として、インターネットで出願受付を行う高校入学試験における、提出用調査書データの調製方法について述べるが、高校入学試験に限定するものではなく、大学入学試験や中学校入学試験等、他の入学試験でもよい。
【0022】
図1は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1を実行する出身校端末のネットワーク構成を示す図である。本実施例の調査書データ調製プログラムは、出身校端末2の校務処理用デスクトップ22で実行される。
【0023】
校務処理用デスクトップ22は校務支援システムの校務支援システム管理サーバに接続されている。校務支援システムは、例えば、出身校の属する教育委員会等に設置されたサーバ(校務支援システム管理サーバ)と、1又は複数の出身校(出身校が中学校の場合、例えば所定の地域内の中学校群)の校務処理用デスクトップを備えた端末群と、を含むシステムである。
【0024】
校務支援システム管理サーバと各出身校の校務処理用デスクトップとは、専用ネットワークで接続されている。専用ネットワークは、インターネットに接続されていない、当該システム専用のローカルネットワークである。
【0025】
校務処理用デスクトップは出身校に複数あってもよい。出身校端末2には、専用ネットワークに接続するがインターネットには接続しない校務処理用デスクトップ22の他に、専用ネットワークに接続せずインターネットに接続可能なインターネット用デスクトップ21を備える。インターネット用デスクトップ21も出身校に複数あってもよい。
【0026】
校務処理用デスクトップは、セキュリティのため、インターネットに接続しないように設定されており、専用ネットワークにのみアクセス可能としてあることが好ましい。
【0027】
出身校端末は、1又は複数の端末であってもよく、例えば、校務処理用デスクトップを搭載した端末と、かかる端末とローカルネットワークで接続されたインターネット用デスクトップを搭載した端末から構成されてもよいし、校務処理用デスクトップ22とインターネット用デスクトップ21とを同じ端末でユーザを切り替えて、すなわち、インターネットに接続しないで校務処理を行うユーザアカウントとインターネットに接続して出願システムにアクセスするユーザアカウントとを切り替えて、利用するものであってもよい。本実施例では、出身校端末2は、1つの端末で校務処理用デスクトップ22とインターネット用デスクトップ21とを備える。
【0028】
出身校端末は、CPU等の制御装置と、ハードディスクやSSDやROM(Read Only Memory)やRAM等の記憶装置と、ディスプレイ等の表示装置と、キーボードやマウス等の入出力装置と、LANボードやネットワークインターフェース等の通信装置とを備えており、記憶装置には本実施例の調査書データ調製プログラムをはじめ各種プログラムを格納でき、制御装置が各種プログラム処理を実行するものであり、一時的に情報を不揮発性メモリに記憶でき、クロック機能等を備え、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成を有する。本実施例では、出身校端末にはオフィスソフトが搭載されており、エクセルファイルの閲覧・作成・変更・保存等を行うことができる。
【0029】
図2は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の概略説明図である。本実施例では、校務処理用デスクトップ22とインターネット用デスクトップ21は両方からアクセス可能なネットワーク上にある。校務処理用デスクトップ22とインターネット用デスクトップ21は物理上同じ出身校端末にあって、互いにアクセス可能な共有記憶域23が同じ出身校端末上にあってもよい。
【0030】
本発明の調査書データ調製プログラムの一部または全部は、出願システム8からダウンロードして提供又は配布してもよいし、本発明の調査書データ調製プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を出身校に提供又は配布して出身校端末にダウンロードしてもよい。本実施例では、調査書データ調製プログラムは、出願システム8が、出身校用IDで出願システム8にログインを受付したインターネット用デスクトップからのダウンロード要求を受け付けてダウンロードされ、共有記憶域23を介して校務処理用デスクトップの記憶装置に保存される。そして、校務処理用デスクトップ上で、本実施例の調査書データ調製プログラムが起動され実行される。調査書データ調製プログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別のプログラムとともに実行するものであってもよい。例えば、エクセル等の表計算ソフトのファイルにマクロ機能として組み込んで、表計算ソフトウェアのシートに付随するマクロの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムであってもよい。
【0031】
本実施例の調査書データ調製プログラムによって提出用調査書データを調製するための元データである、調査書作成用元データは、本実施例では、校務支援システムにより出力される調査書のデータである。校務支援システムの種類によって、調査書作成用元データは、校務支援システムによってデータ形式が異なる。調査書データ調製プログラムは、校務支援システムで生成される調査書作成用元データの種類によってカスタマイズされている。特に区別する必要がある場合は、便宜上、調査書作成用元データが、生徒情報のCSVデータと成績情報(出願先情報を含む)のCSVデータとからなる校務支援システムを校務支援システムAとし、調査書作成用元データが、調査書情報(生徒情報、成績情報、出願先情報を含む)のCSVデータである校務支援システムを校務支援システムBとし、調査書作成用元データが、調査書情報(生徒情報、成績情報、出願先情報を含む)のエクセルファイルである校務支援システムを校務支援システムCとして説明する。
【0032】
本実施例の調査書データ調製プログラムによって、出身校端末2のコンピュータは、以下の各手段を有する調査書データ調製システムとして機能する。なお、本実施例の調査書データ調製プログラムの説明の便宜上、プログラムの各機能をコンピュータ上に実現した調査書データ調製システムを例に挙げて説明する。なお、調製とは、きまりなどに合うようにととのえてつくることであって、本実施例の調査書データ調製プログラムを実行して行う本実施例の調査書データ調製方法によって、調査書作成用元データから、出願校毎に過不足ないデータを適切な順序・形式に自動で整えて、出願システムにアップロードする提出用調査書データとして生成する。
【0033】
本実施例において、調査書データ調製システムは、専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップ22と、インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され校務処理用デスクトップ22と共有する共有記憶域23にアクセス可能なインターネット用デスクトップ21と、を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末2において、出身校端末2のコンピュータに提出用調査書データを調製させるシステムであって、当該コンピュータが、(A)校務処理用デスクトップから、校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求を受付する調査書作成用元データ受付手段と、(B)校務処理用デスクトップに、受付した調査書作成用元データを所定のフォーマットで表示する受付内容表示手段と、(C)校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、所定のフォーマットで表示する受験校絞込手段と、(D)校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付手段と、(E)提出用調査書データ作成受付後、調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理手段と、(F)整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして共有記憶域に保存する暗号化手段と、を有し、(A)の調査書作成用元データ受付手段は、調査書作成用元データの入力の受付をする手段を備えてもよい。(E)の調査書データ整形処理手段は、受験校絞込手段によって抽出したデータのみを対象として整形処理する手段を備える。
【0034】
本実施例では、上記各手段を備えるが、読み込みする調査書作成用元データに含まれる受験校が1校である場合は、受験校絞込手段を含まなくてもよい。また、その場合は、調査書データ整形処理手段は、受験校絞込手段によって抽出したデータのみを対象として整形処理する手段を備えなくてもよい。
【0035】
本実施例においては、通信手段、入力手段及び表示手段が出身校端末内にある。校務支援システム管理サーバは、CPUやオペレーティングシステムやデバイスドライバ等の制御手段、磁気ディスク等の二次記憶であるストレージ(ハード)やSSDやROMやRAM等の記憶手段、LANボード等の通信制御装置である通信手段を有し、各出身校端末から入力された調査書データをデータベースに格納し、記憶手段に各種プログラムを格納し、制御手段が各種プログラム処理を実行するものであり、各出身校内に備えられた出身校端末の校務処理用デスクトップとのローカル接続手段を有し、一時的に情報を不揮発性メモリに記憶できる。さらに、入力手段や表示その他の出力手段を有してもよい。校務支援システム管理サーバは、通常のサーバが有するクロック機能等を備えている。校務支援システム管理サーバは、校務処理用デスクトップからの出力要求を受け付け、校務処理用デスクトップに調査書データ(校務支援システムAでは生徒情報のCSVデータと成績情報のCSVデータ、校務支援システムBでは調査書情報のCSVデータ、校務支援システムCでは調査書情報のエクセルファイル)をダウンロードすることにより出力(エキスポート)する。校務処理用デスクトップに出力された調査書データは、デスクトップあるいはダウンロードフォルダ等に保存される。かかる調査書データが本実施例の調査書データ調製プログラムにおいて調製を行う調査書作成用元データとなる。
【0036】
出願システムからのダウンロード等により出身校端末の校務処理用デスクトップにおいて実行可能となった調査書データ調製プログラムは、専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップ22と、インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され校務処理用デスクトップ22と共有する共有記憶域23にアクセス可能なインターネット用デスクトップ21と、を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末2において、出身校端末2のコンピュータに提出用調査書データを調製する機能を実現させるためのプログラムであって、コンピュータに、(ア)校務処理用デスクトップから、校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求を受付する調査書作成用元データ受付機能と、(イ)校務処理用デスクトップに、受付した調査書作成用元データを所定のフォーマットで表示する受付内容表示機能と、(ウ)校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、所定のフォーマットで表示する受験校絞込機能と、(エ)校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付機能と、(オ)提出用調査書データ作成受付後、調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理機能と、(カ)整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして共有記憶域に保存する暗号化機能と、を実現させるための調査書データ調製プログラムである。(ア)の調査書作成用元データ受付機能は、調査書作成用元データの入力の受付をする機能を含んでもよい。(オ)の調査書データ整形処理機能は、受験校絞込機能によって抽出したデータのみを対象として整形処理する機能を含む。
【0037】
本実施例の調査書データ調製プログラムは上記各機能を実現するためのプログラムであるが、読み込みする調査書作成用元データに含まれる受験校が1校である場合は、受験校絞込機能を含まなくてもよい。また、その場合は、調査書データ整形処理機能は、受験校絞込機能によって抽出したデータのみを対象として整形処理する機能を含まなくてもよい。
【0038】
出身校端末2は、CPUが調査書データ調製プログラムを出身校端末2の校務処理デスクトップのメモリにロードして実行することにより本発明の調製処理が可能なコンピュータの機能を実現する。出身校端末2のCPUは、通常のコンピュータに搭載する演算処理装置であり、各種プログラムを実行し、各種制御等を行うことができる。
【0039】
本実施例では、出身校端末2は、前述のハードウェア構成と調査書データ調製プログラムによって、上述した(A)~(F)の各手段として機能する。
【0040】
本実施例においては、調査書データ調製プログラムはエクセルファイルにマクロとして搭載してあるが、別途のアプリケーションプログラムであってもよい。
【0041】
図3は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1のフロー図である。
【0042】
{処理プロセス}
本実施例の調査書データ調製方法は、専用ネットワークで校務支援システムに接続された校務処理用デスクトップと、インターネットに接続可能なネットワーク内に接続され校務処理用デスクトップと共有する共有記憶域にアクセス可能なインターネット用デスクトップと、を備えた1又は複数の端末からなる出身校端末において、当該端末のコンピュータが提出用調査書データを調製する調査書データ調製方法である。
【0043】
本実施例の調査書データ調製方法は、(Step10)コンピュータが、校務処理用デスクトップから、校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求を受付する調査書作成用元データ受付工程と、(Step20)コンピュータが、校務処理用デスクトップに、受付した調査書作成用元データを所定のフォーマットで表示する受付内容表示工程と、(Step30)コンピュータが、校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付し、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込工程と、(Step40)コンピュータが、校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付工程と、(Step50)コンピュータが、調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理工程と、(Step60)コンピュータが、整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして前記共有記憶域に保存する暗号化工程と、を含むものである。Step10の調査書作成用元データ受付工程において、調査書作成用元データの入力の受付をしてもよい。本実施例では、Step50の調査書データ整形処理工程において、受験校絞込工程で抽出したデータのみを対象として整形処理する。
【0044】
本実施例の調査書データ調製方法は上記各工程を含む方法であるが、読み込みする調査書作成用元データに含まれる受験校が1校である場合は、受験校絞込工程を含まなくてもよい。また、その場合は、調査書データ整形処理工程では、受験校絞込工程によって抽出したデータのみを対象として整形処理する工程を含まなくてもよい。
【0045】
本実施例において、調査書データ調製プログラムは、以下に示すステップをコンピュータに実行させるものである。
【0046】
本実施例の調査書データ調製方法の処理プロセスをより詳細に説明する。出身校端末のコンピュータは、フロント部によって制御されて下記各工程を実行する。
【0047】
(Step1)
調査書を出願システムにアップロードするユーザは、事前の準備として、校務処理用デスクトップから校務支援システム管理サーバにアクセスして、調査書作成用元データとなる、サーバ内の調査書のデータを校務処理用デスクトップ内にダウンロードする。
【0048】
サーバに記憶されている調査書のデータは、そのシステムによって含まれる内容やデータ形式が異なる。例えば、校務支援システムAでは、生年月日情報と氏名の振仮名情報等が含まれる生徒情報のCSVデータと、内申書情報や出願先情報等が含まれる成績情報のCSVデータの2つのデータで調査書のデータが構成されている。例えば、校務支援システムBでは、生年月日情報、氏名の振仮名情報、内申書情報、出願先情報等が含まれる調査書情報のCSVデータで調査書のデータが構成されている。校務支援システムCでは、校務支援システムBと同様に調査書情報のデータであるがエクセルファイルで調査書のデータが構成されている。調査書データ調製プログラムは、校務支援システムで生成される調査書作成用元データの種類によってカスタマイズされている。
【0049】
(Step2)
また、他の事前の準備として、例えば、出身校端末のインターネット用デスクトップから、インターネットを介して出願システムにアクセスし、出身校毎に配布されるアカウント通知に記載されたIDと初回パスワードを使用してログインし、パスワードを変更して、出身校(本実施例では中学校)用専用画面において、出身校で採用している校務支援システムに応じて、カスタマイズされたエクセルファイルをダウンロードする。本実施例では、かかるエクセルシートのファイルに本実施例の調査書データ調製プログラムが搭載されている。ダウンロードしたエクセルファイルを開き、「編集を有効にする」と「コンテンツの有効化」をクリックして編集可能な状態とする。なお、出身校に提供又は配布された、本発明の調査書データ調製プログラムを含むエクセルファイルを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から、かかるエクセルファイルをダウンロード等して開いてもよい。
【0050】
(Step10)調査書作成用元データ受付工程
図4は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の読み込み受付画面例である。ダウンロードしたエクセルシートのファイル(図4において「調査書用便利エクセル」)が開かれ、編集可能な状態で、ユーザが、調査書貼り付けシートに設けられた「調査書読み込みスイッチ」をクリックすると、コンピュータが、校務処理用デスクトップから、校務支援システムに保存された調査書作成用元データの読み込み要求として受付する。古い調査書作成用元データが読み込まれている場合、新しい調査書作成用元データを読み込むと上書きされる。読み込みスイッチをクリックすると、選択した調査書のデータが、調査書作成用元データとして読み込まれる。ユーザが手動で校務支援システムからデータをコピーして調査書用便利エクセルの手動入力専用シートに貼り付けしたものを受付してもよい。
【0051】
(Step20)受付内容表示工程
図5は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受付内容表示画面例である。コンピュータが、校務処理用デスクトップに、受付した調査書作成用元データを所定のフォーマットで表示する。例えば、組(学級)、出席番号、生徒名、振仮名、志望校(志望先)等を画面上で見ることができる。これにより、ユーザは、提出用調査書データ作成のために1つ1つ手作業で入力する必要がなくなるので、作業時間の短縮となる。この時点では未整理のため、全角・半角、西暦・和歴の表示等は統一されておらず、未整形の調査書データが表示される。一覧で表示されるので、ユーザは記載漏れや記載ミスを見つけやすい。評定等に入力漏れや入力ミスがあった場合は、修正した調査書作成用元データを調査書作成用元データ受付工程で読み込みし直す。
【0052】
(Step30)受験校絞込工程
本ステップは、Step10で読み込まれた調査書作成用元データに受験校(志望校)が1つしかない場合は省略できる。図6は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受験校絞込画面例である。コンピュータが、校務処理用デスクトップから、受験校の選択を受付する。図7は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の受験校絞込後の画面例である。コンピュータが、調査書作成用元データの中から、選択された受験校を志望校データに含む生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する。受験校はプルダウンで選択できる。受験校を選択すると、フィルターが自動で行われ、その受験校を志望校とする生徒(対象者)分のみが表示される。これにより、ユーザは一目で任意の受験校毎に一覧を確認することができる。絞り込みができないエラーが生じた場合は、選択シートで学校名の編集を行って再度絞り込みを行えるようにすることが好ましい。
【0053】
(Step40)提出用調査書データ作成受付工程
図8は、本発明の調査書データ調製方法の実施例1の提出用調査書データ作成受付画面例である。ユーザが、図8に示したように「提出用ファイル書き出しスイッチ」をクリックすると、コンピュータが、校務処理用デスクトップから、提出用調査書データ作成要求を受付する。
【0054】
(Step50)調査書データ整形処理工程
コンピュータが、調査書作成用元データから所定の項目のデータを抽出し、指定した条件に合わせて、データの連結及び/又はデータの分割及び/又は西暦和暦変換及び/又は自動入力を含む、整形処理を行い、前記校務処理用デスクトップのメモリ上に整形調査書データとして一時保存する。整形調査書データは、受験校側の要求する項目について指定された順序・形式で整理されたデータである。整形調査書データは校務処理用デスクトップに表示されない。受験校絞込工程でフィルターによる絞込がされている場合、絞込されたデータのみから、未整形の調査書データから受験校が指定した条件に合わせて整形し、整形調査書データを作成する。
【0055】
受験校によって提出用調査書データに含める項目が異なる。例えば、M地域形式を採択している受験校では、組、番号、名前、振仮名、各教科の評定、行動の記録、志望先、志望科、コース等が必要な項目となるのに対し、N地域形式を採択している受験校では行動の記録、志望科、コースは項目に含めない。例えば「なし」「0」といった内容は、調査書作成用元データでは入力されていないこともあるが、受験校側において空欄ではエラーとなる項目で、調査書作成用元データで入力されていない箇所、あるいは調査書作成用元データに項目自体がない箇所は、「0」等を自動入力する。出欠情報でその理由により別々の項目となっている調査書作成用元データで、受験校側が欠席情報はまとめて1項目としている場合はデータの合算を行う。姓名が別々の項目となっている調査書作成用元データで、受験校側が姓名を合わせて1つの項目としている場合は、データの連結を行う。反対に、姓名が一つの項目となっている調査書作成用元データで、受験校側が姓名を別々の項目としている場合は、姓の項目と名の項目にデータの分割をする。生年月日等で和歴と西暦が混じっている場合、受験校側が指定する形式に統一する。整形調査書データを作成する処理、すなわち、これらの処理を、ユーザが1つ1つ修正する必要が無く、自動で行われるので、利便性が高く、労働時間短縮になる。受験校毎の形式・項目の違いに対応して提出用調査書データを作成できるので、ミスを防止することができる。整形調査書データは保存されないため、暗号化していない機密情報の漏洩が防止できる。
【0056】
(Step60)暗号化工程
コンピュータが、整形調査書データを、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして共有記憶域に保存する。すでに提出用調査書データが作成されている場合は上書きされる。暗号化してあるため、提出用調査書データは、例えば、「提出用調査書ファイル_○○高.bin」のように暗号化ファイルの拡張子に変わる。提出用調査書データは暗号化されているため、校務処理用デスクトップで内容を確認することはできないため高いセキュリティを保持できる。公開鍵は、調査書データ調製プログラムに予め搭載されている。出願システムで、かかる公開鍵に対応した秘密鍵を用いて復号できる。
【0057】
(Step100)
ユーザは、インターネット用デスクトップから、共有記憶域に保存された提出用調査書データを、出願システムにアップロードすることができる。本実施例では、特許文献1、2に記載したような出願システムへのアップロードについて説明するが、調査書データ調製プログラムによって公開鍵を用いて暗号化されたデータを受付し復号可能な他の出願システムであってもよい。提出用調査書データは暗号化されているため、万一データが漏洩しても暗号化したときに用いた公開鍵に対応した秘密鍵がなければ復号できないため、第三者はもとより、出身校端末を操作するユーザも提出用調査書データは復号できず、インターネットに接続されているインターネット用デスクトップにおいても、外部に内容が漏洩することがなく、セキュリティ面で優れている。本実施例では、秘密鍵は出願システムが保有しているため、出願システム以外で復号することはできない。したがって、提出用調査書データの情報漏洩が防止でき、セキュリティが高い。
【0058】
図9は、出願システムでの調査書仮登録画面例である。暗号化された提出用調査書データを仮登録できる。仮登録するために、アカウント通知に記載のパスフレーズを入力して提出用調査書データのアップロードをする。特許文献1,2に記載したように、出願システムにアップロードされたデータは、秘密鍵で復号された後に、出身校毎に異なる共通鍵を使って暗号化されるが、共通鍵はパスフレーズにより暗号化された暗号化共通鍵として保管されており、暗号化共通鍵を復号するために入力されたパスフレーズを使う。パスフレーズは出願システムには保管されないため、出願システムの管理者側でも復号してデータの内容を閲覧することはできないため、安全性が高い。
【0059】
(Step110)
受験校側では、出願システムで受験校のパスフレーズで暗号化共通鍵を復号し、復号された共通鍵で、暗号化された調査書データを復号して取り出すことができる。これにより、各出身校の提出用調査書データを取得することができる。
【0060】
{効果}
本実施例によれば、提出用調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、かつ、セキュリティ上のリスクを低減することができる。1又は複数の異なる形式の調査書データから、インターネット環境での再入力を不要とし、所定のデータを抽出して所定の形式に整形してインターネット環境には暗号化した統一形式のデータの状態でアップロードできる。
【0061】
また、調査書データについて所定のデータ項目を所定の書式に自動で調製できる。このため、出身校のユーザの労力や作業時間を大幅に削減できる。アップロード時の再入力不要とし、調査書の項目や書式が異なっていても統一した形式に整えることができるので、出願システムを、様々な地域で利用することができる互換性が高いシステムとすることができる。
【0062】
また、受験校毎の形式・項目の違いに対応して提出用調査書データを作成できるので、ミスを防止することができ、また、より労力や作業時間の削減が可能となる。
【0063】
本実施例によれば、出身校が受験校に提出する調査書情報について、予め整形した提出用調査書データを暗号化した状態としてからインターネットに接続可能な環境に置くため、情報の完全性、機密性に配慮しつつ簡便に、短期間に大量に業務を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
2 出身校端末
21 インターネット用デスクトップ
22 校務処理用デスクトップ
23 共有記憶域
8 出願システム
【要約】      (修正有)
【課題】出身校側で、提出用調査書データについてアップロードするまでに要する、教員の労力や作業時間を軽減し、セキュリティ上のリスクを低減する、調査書データ調製方法及び調査書データ調製プログラムを提供する。
【解決手段】調査書データ調製方法は、調査書作成用元データの読み込み要求を受付する調査書作成用元データ受付工程(Step10)、所定のフォーマットで表示する受付内容表示工程(Step20)、受験校の選択を受付し、生徒のデータのみを抽出し、抽出結果を所定のフォーマットで表示する受験校絞込工程(Step30)、提出用調査書データ作成要求を受付する提出用調査書データ作成受付工程(Step40)、整形調査書データとして一時保存する調査書データ整形処理工程(Step50)、公開鍵を用いて暗号化して提出用調査書データとして保存する暗号化工程(Step60)、とを含む。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9