(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】シールテープ貼付け装置
(51)【国際特許分類】
E04D 15/06 20060101AFI20220121BHJP
B65H 41/00 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
E04D15/06 Z
B65H41/00 A
(21)【出願番号】P 2017051479
(22)【出願日】2017-03-16
【審査請求日】2020-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000175973
【氏名又は名称】三晃金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】荒木 彰
(72)【発明者】
【氏名】大西 正晃
(72)【発明者】
【氏名】藤丸 晃二
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-037388(JP,A)
【文献】特開平10-140818(JP,A)
【文献】特開昭53-055299(JP,A)
【文献】実開昭55-096857(JP,U)
【文献】特開2005-042522(JP,A)
【文献】特開平09-096072(JP,A)
【文献】実開平07-012366(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0010795(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0050324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 15/06
B65H 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着されたシールテープの幅方向に横断するように渡され、長手方向に移動する長尺な外囲部材連結部の溝内に該シールテープを導くガイド部と、前記シールテープの幅方向に横断するように渡され、前記シールテープを前記溝内に貼付ける圧着部と、前記ガイド部及び前記圧着部を、前記シールテープの幅方向両側から支持する本体フレームと、を有し、前記本体フレームの端部には、前記外囲部材連結部の前記溝内の長手方向に沿って水平状で且つ所定長さとした水平端部を上端に有する水平方向突出部からなり、前記溝内に入り込むと共に該溝内に存在することによって前記溝からの逸脱を防止する逸脱防止ガイドが設けられ、前記逸脱防止ガイドに案内されて移動する
前記外囲部材連結部の溝内に、前記ガイド部によって導かれた前記シールテープが前記圧着部によって圧着されることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシールテープ貼付け装置において、前記外囲部材連結部の溝が移動する向きに対する逸脱防止ガイドの後部は、前寄りから後端にかけて、前記シールテープの幅方向について、幅狭く絞られていることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のシールテープ貼付け装置において、前記シールテープの粘着面に貼られている離型紙を剥離する剥離部と、前記ガイド部として、前記シールテープの前記離型紙の貼り付けられている側を凸状にして送る向きを変える剥離用ガイド部と、該剥離用ガイド部への前記シールテープの導入方向を規制する供給用ガイド部と、を有し、前記剥離部は前記剥離用ガイド部に対向して設けられ、前記供給用ガイド部によって導入方向を規制された前記シールテープが前記剥離用ガイド部で凸状にして送られる向きを変えるところで前記剥離部によって前記離型紙が剥離されることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシールテープ貼付け装置において、前記剥離部は、前記シールテープの粘着面と前記離型紙との間に入り込んで前記離型紙を前記シールテープの粘着面から剥離する剥離ヘラと、前記離型紙の剥離された部分の移動方向と向きを所定の方向と向きへ規制する剥離ガイドカバーと、を有し、前記剥離ヘラによって剥離された前記離型紙を前記剥離ガイドカバーによって前記所定の方向と向きへ移動させることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項5】
請求項4に記載のシールテープ貼付け装置において、前記剥離ヘラと前記剥離ガイドカバーとは一体に形成されて、前記本体フレームに設けられた回動軸を中心として回動するように取り付けられ、前記シールテープを前記剥離用ガイドに装着するに際しては、前記剥離用ガイドの表面と該表面に対向する前記剥離部に設けられた前記剥離ヘラとの間隔を拡大する拡大回動ができることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載のシールテープ貼付け装置において、前記シールテープの幅方向に広がった導入端部と幅狭く絞られた送り出し端部を両端とする導入路が形成されているテープ導入ガイドを有し、該テープ導入ガイドの前記送り出し端部側付近が前記本体フレームに対して揺動可能に軸止めされていることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6のいずれか1項に記載のシールテープ貼付け装置において、前記逸脱防止ガイドに近接して通過する前記外囲部材連結部の溝に向けて付勢され、前記本体フレームに対して揺動可能に軸止めされている揺動腕部を有し、前記圧着部としての圧着ローラーは、前記揺動腕部の揺動する端部に設けられた圧着軸を中心に回転可能に保持されていることによって前記本体フレームに支持されていることを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【請求項8】
請求項7に記載のシールテープ貼付け装置において、前記ガイド部として、前記シールテープを前記外囲部材連結部の溝内に貼り付ける貼付け用ガイド部を有し、該貼付け用ガイド部で前記外囲部材連結部の溝内に貼り付けられたシールテープを前記圧着部で圧着することを特徴とするシールテープ貼付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋根材や壁材といった外囲部材のシールテープ貼付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の屋根や壁といった外囲体は複数の外囲部材同士が連結されて構成されている。これらの連結された箇所にはシールテープが貼られて防水効果が高められている。このシールテープは外囲部材の連結部に人手で貼り付けられる。その後、外囲部材同士は連結されて外囲体となる。しかし、長尺である外囲部材の連結部に曲がることなく正確にシールテープを貼り付けることは多大な労力を要する作業である。
【0003】
そこで、外囲部材の連結部にシールテープを貼る機械が提案されている。例えば、特許文献1には、外囲部材である折板屋根材の上馳部の内側にシールテープを貼り付けるシールテープ取り付け装置が開示されている。これは、シールテープ(20)が巻き付けられた供給ドラム(2)と、シールテープ(20)を案内する貼着ローラ(3)と、貼着ローラ(3)に巻きついたシールテープ(20)から剥離シート(20b)を引き離すように巻き付ける剥離案内ローラ(6)とからなっている(同文献
図1参照)。ベース板部(17)に回転可能に保持された貼着ローラ(3)が前記上馳部の内側に入り込んで、前記上馳部の内側にシールテープ(20)を貼り付けている(同文献
図10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シールテープを貼り付けられている最中に、長さ数百メートルにも及ぶ長尺な外囲部材には、長手方向に直交する上下方向及び幅方向の揺れが生じる。この揺れは、可動部分である貼着ローラ(3)を、前記上馳内側から逸脱させる状況をもたらす。そこで本発明の目的、すなわち解決しようとする技術的課題は、例えば上馳内側空間といった、シールテープを貼り付けるべき、外囲部材連結部の長尺な溝空間からの、機器の逸脱を防止するシールテープ貼付け機構を有するシールテープ貼付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、請求項1に開示の構成を、装着されたシールテープの幅方向に横断するように渡され、長手方向に移動する長尺な外囲部材連結部の溝内に該シールテープを導くガイド部と、前記シールテープの幅方向に横断するように渡され、前記シールテープを前記溝内に貼付ける圧着部と、前記ガイド部及び前記圧着部を、前記シールテープの幅方向両側から支持する本体フレームと、を有し、前記本体フレームの端部には、前記外囲部材連結部の前記溝内の長手方向に沿って水平状で且つ所定長さとした水平端部を上端に有する水平方向突出部からなり、前記溝内に入り込むと共に該溝内に存在することによって前記溝からの逸脱を防止する逸脱防止ガイドが設けられ、前記逸脱防止ガイドに案内されて移動する前記外囲部材連結部の溝内に、前記ガイド部によって導かれた前記シールテープが前記圧着部によって圧着されることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより上記課題を解決した。
【0007】
また、請求項2に開示の構成を、請求項1に記載のシールテープ貼付け装置において、前記外囲部材連結部の溝が移動する向きに対する逸脱防止ガイドの後部は、前寄りから後端にかけて、前記シールテープの幅方向について、幅狭く絞られていることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより上記課題を解決した。
【0008】
請求項3に開示の構成を、請求項1又は請求項2に記載のシールテープ貼付け装置において、前記シールテープの粘着面に貼られている離型紙を剥離する剥離部と、前記ガイド部として、前記シールテープの前記離型紙の貼り付けられている側を凸状にして送る向きを変える剥離用ガイド部と、該剥離用ガイド部への前記シールテープの導入方向を規制する供給用ガイド部と、を有し、前記剥離部は前記剥離用ガイド部に対向して設けられ、前記供給用ガイド部によって導入方向を規制された前記シールテープが前記剥離用ガイド部で凸状にして送られる向きを変えるところで前記剥離部によって前記離型紙が剥離されることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項4に開示の構成を、請求項3に記載のシールテープ貼付け装置において、前記剥離部は、前記シールテープの粘着面と前記離型紙との間に入り込んで前記離型紙を前記シールテープの粘着面から剥離する剥離ヘラと、前記離型紙の剥離された部分の移動方向と向きを所定の方向と向きへ規制する剥離ガイドカバーと、を有し、前記剥離ヘラによって剥離された前記離型紙を前記剥離ガイドカバーによって前記所定の方向と向きへ移動させることを特徴とするシールテープ貼付け装置
としたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項5に開示の構成を、請求項4に記載のシールテープ貼付け装置において、前記剥離ヘラと前記剥離ガイドカバーとは一体に形成されて、前記本体フレームに設けられた回動軸を中心として回動するように取り付けられ、前記シールテープを前記剥離用ガイドに装着するに際しては、前記剥離用ガイドの表面と該表面に対向する前記剥離部に設けられた前記剥離ヘラとの間隔を拡大する拡大回動ができることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0011】
請求項6に開示の構成を、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載のシールテープ貼付け装置において、前記シールテープの幅方向に広がった導入端部と幅狭く絞られた送り出し端部を両端とする導入路が形成されているテープ導入ガイドを有し、該テープ導入ガイドの前記送り出し端部側付近が前記本体フレームに対して揺動可能に軸止めされていることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0012】
請求項7に開示の構成を、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6のいずれか1項に記載のシールテープ貼付け装置において、前記逸脱防止ガイドに近接して通過する前記外囲部材連結部の溝に向けて付勢され、前記本体フレームに対して揺動可能に軸止めされている揺動腕部を有し、前記圧着部としての圧着ローラーは、前記揺動腕部の揺動する端部に設けられた圧着軸を中心に回転可能に保持されていることによって前記本体フレームに支持されていることを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0013】
請求項8に開示の構成を、請求項7に記載のシールテープ貼付け装置において、前記ガイド部として、前記シールテープを前記外囲部材連結部の溝内に貼り付ける貼付け用ガイド部を有し、該貼付け用ガイド部で前記外囲部材連結部の溝内に貼り付けられたシールテープを前記圧着部で圧着することを特徴とするシールテープ貼付け装置としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に開示の構成には、例えば上馳内側空間といった、シールテープを貼り付けるべき、外囲部材連結部の長尺な溝空間からの、機器の逸脱を防止する効果がある。従来装置は、貼付けローラーの先端が僅かに前記溝空間に入りこんでいたに過ぎない。一方、請求項1に開示の構成では、前記溝の長手方向にある程度の長さを有する逸脱防止ガイドが設けられ、これが、前記溝空間の内部に存在しているので逸脱をよりよく防止することができる。
【0015】
請求項2に開示の構成には、長尺な外囲部材連結部の端部が逸脱防止ガイドの後部に当たって、機器が外囲部材連結部の長尺な溝空間から逸脱してしまうことを防止する効果がある。請求項3に開示の構成には、シールテープに貼られている離型紙を剥離できる効果がある。請求項4に開示の構成には、剥離された離型紙をゴミ箱などの一定の場所に集めやすいという効果がある。
【0016】
請求項5に開示の構成には、シールテープを剥離用ガイドに装着しやすいという効果がある。請求項6に開示の構成には、シールテープを供給するドラムの配置を前後で自由に定めることができる効果がある。請求項7に開示の構成には、付勢されたアームでより強固にシールテープ貼付けることができるという効果がある。請求項8に開示の構成には、シールテープを正確な位置に貼り付けてから強固に圧着することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を示す図であって、(A)はシールテープを装着した同装置を外囲部材連結部に設置したときの斜視図、(B)は(A)に示す設置後に外囲部材連結部の長手方向への移動を開始し、同外囲部材連結部の溝へのシールテープ貼付け動作を開始したときの同装置斜視図、(C)は(B)の(α)部拡大図である。
【
図2】は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を示す図であって、(A)は同装置の斜視図、(B)は(A)斜視図において、シールテープを装着して手前の左側板フレーム板を省略して表した斜視図、(C1)は同装置に備えられているテープ導入ガイドの図、(C2)はテープ導入ガイドの他の例を示す図である。
【
図3】は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を示す図であって、(A1)は同装置の平面図、(A2)は、同装置の逸脱防止ガイド後端の他の例を示す図、(A3)は同装置の逸脱防止ガイド後端のもう一つの例を示す図、(B1)は同装置の正面図、(B2)はテープ導入ガイドの他の例を示す図、(C)は同装置の側面図、(D)はシールテープを装着した同装置を外囲部材連結部に設置したときの正面図、(E)は同じくシールテープを装着した同装置を外囲部材連結部に設置したときの側面図である。
【
図4】は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を示す図であって、(A1)はシールテープを装着した同シールテープ貼付け装置の側面図、(A2)は同装置の後方斜視図、(A3)は回動規制部材を外した時の、同装置の後部斜視図、(A4)は(A1)の(β)部拡大図、(B1)は剥離部を上方へ回動させた同装置の側面図、(B2)は剥離部を上方へ回動させた同装置の斜視図、(C1)同装置に装着の回動規制部材の側面図、(C2)は同回動規制部材の平面図、(D)は同装置の剥離部斜視図である。
【
図5】(A)は本発明の第2実施形態に係るシールテープ貼付け装置の側面図、(B)は本発明の第3実施形態に係るシールテープ貼付け装置の側面図、(C)は本発明の第4実施形態に係るシールテープ貼付け装置の側面図、(D)は(C)の(γ)部拡大図である。
【
図6】(A)は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を成形機出口付近に設置した例を示す図、(B1)と(B2)は(A)のY1-Y1矢視図であって、シールテープを保持しているドラムを正面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
図1と
図2に基づいて、本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置Aを説明する。長尺な外囲部材、例えば、長尺な屋根板や外壁材は、長尺でない方向両端に連結部が設けられている。この連結部同士が連結されて外囲体が構成される。防水のために、連結部にはシールテープ等の防水シールが貼られる。防水シールは外囲部材同士が連結される前に端部の所定の位置に貼り付けられる。
【0019】
シールテープ貼付け装置Aは台座Bにボルト等周知の方法で固定された上で、長手方向に移動する長尺な外囲部材Wの連結部W1の溝W2内にシールテープSを貼り付ける装置である。外囲部材Wは人力で長手方向へ移動させてもよい。あるいは、外囲部材Wを成形する成形加工機の前にシールテープ貼付け装置Aを固定して、この成形加工機が、外囲部材Wを長手方向へ送る動作を利用してもよい。以後、シールテープの貼付け動作において外囲部材Wが移動する方向を長手方向と称することがあるものとし、移動する向きを「前」、その反対向きを「後」と称することがある。また長手方向に直交して水平な方向を幅方向と称することがある。幅方向とはシールテープ貼付け装置に装着されたシールテープを水平方向へ横断する方向である。
【0020】
図2(A)はシールテープ貼付け装置Aの斜視図である。両側から内部のローラー等を支持する2つの左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rがシールテープ貼付け装置Aの本体フレーム1を構成する。シールテープSは、後記するガイド部であるローラー間に張るように装着されている〔
図2(B)参照〕。
図2(B)では、左側板フレーム1Lは省略されている。実際には、シールテープSは、その幅方向から左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rに囲まれている〔
図1参照〕。
【0021】
図2(A)はシールテープSを装着していないシールテープ貼付け装置Aである。同装置は、例えば、台座Bなどに固定した状態で使用する。使用時にシールテープSはINから左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rが構成する本体フレーム1の内部に引きずり込まれ、OUTから本体フレーム1の外へ引っ張り出される。
【0022】
シールテープSは例えば、幅8mm、厚さ4mm程度のゴム発泡体でなるテープ上の防水シールである。シールテープSの片面には粘着材が塗布され、そこには離型紙が貼られている。ドラム等に巻かれて保持されているシールテープSは、INから、本体フレーム1の内部に取り込まれる。取り込まれたシールテープSはまず、供給用ガイド部である供給ガイドローラー81bと、剥離用ガイド部である剥離ガイドローラー82bとの間に渡って移動する。この構成により、剥離用ガイドローラー82bへのシールテープSの導入方向が規制され、ほぼ一定の方向に定まる〔
図2(B)〕。
【0023】
〈供給ガイドローラーと剥離用ガイドローラー〉
図2(B)に示されるように、供給ガイドローラー81bと剥離用ガイドローラー82bとは、それぞれ、シールテープSの幅方向に横断するように渡された供給軸81aと剥離用ガイド軸82aとを中心に回転可能に、左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rとによって両側から支持されている。
【0024】
更に、シールテープSは剥離用ガイドローラー82bから貼付け用ガイド部83である貼付けガイドローラー83bに渡されて移動する。貼付けガイドローラー83bは左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rに渡された貼付ガイド軸83aによって回転可能に支持されている。
図2(B)に示されているように、剥離ガイドローラー82bの位置は、供給ガイドローラー81bと貼付けガイドローラー83bの軸を結ぶ線分よりも後方に位置している。
【0025】
このため、INからOUTまで送られるシールテープSは、剥離ガイドローラー82bにて凸状に移動方向を変える。移動方向を変えるシールテープSの弧状の部分で、凸状の側に粘着材が塗布されていて、そこには離型紙S1が貼られている。このシールテープSの凸状となった部分において、剥離ガイドローラー82bに対向して設けられている剥離部2によって離型紙S1は剥離される。これらのローラーは円形の断面である。
【0026】
〈剥離部〉
図2(B)に示すように、剥離部2は剥離ヘラ21と剥離ガイドカバー22とを有している。剥離ヘラ21はシールテープSの粘着面と離型紙S1の間に入り込んで離型紙S1をシールテープSの粘着面から剥離する。剥離された離型紙S1は勢いで後方へ飛散しようとする。そこで、剥離ガイドカバー22でその直下へ落とすように、離型紙S1が飛散する方向と向きを規制する。
【0027】
図1に示すように、シールテープ貼付け装置Aは、本体フレーム1の上方を、後方から前方へ移動する外囲部材Wの連結部W1に設けられた溝W2にシールテープSを貼り付ける。
図1に示す外囲部材Wは馳締め屋根折板である。連結部W1は馳締部であって、溝W2は上馳の内側の空間である。この空間は長尺な屋根折板の長手方向に長い空間である〔
図1(B)参照〕。シールテープSはこの上馳内側に貼り付けられる。
図1(C)では、説明の便宜上、連結部W1の一部が省略して表されている。
【0028】
図1(A)はシールテープSが装着されたシールテープ貼付け装置Aが、長手方向へ移動する外囲部材Wの下方に設置された図である。INから本体フレーム1に引き込まれたシールテープSの先端から剥離ヘラ21〔
図1には図示せず。
図2(B)参照。〕の当たる位置までの離型紙S1は予め剥がされて、剥離ガイドカバー22の直下へ垂れ下がっている。貼付け動作を開始する前に、本体フレーム1のOUTから引き出されたシールテープSの先端は、適宜長だけ折り返されて、連結部W1の外側に貼り付けられている〔
図1(A)〕。
【0029】
図1(B)は矢印で示す長手方向へ外囲部材Wが移動を始めた図である。外囲部材Wが長手方向へ移動すると、これに先端を折り返して貼り付けられているシールテープSも長手方向の前方へ引かれる。この引く力が、シールテープSをINから本体フレーム1の内部へ引き込んで、OUTから引き出す原動力となる。上述したように、INから本体フレーム1に引き込まれたシールテープSの離型紙S1は剥離ヘラ21によって剥離される。
【0030】
〈逸脱防止ガイド〉
図2(A)に示すように、本体フレーム1を構成する左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとは、上端に水平な端辺を有し、後方は後ろに行くに従い、シールテープSの幅方向に狭くなるように傾斜した水平方向突出部1L1及び1R1として形成されている。この水平方向突出部1L1と1R1とを含めて、ここから水平方向前方に当たる、左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rの部分を逸脱防止ガイド15と称することとする。
【0031】
逸脱防止ガイド15は
図1に示すように、外囲部材Wの連結部W1の溝W2に入り込むようになっている。図示していないが、外囲部材Wの前後は成形機の搬送機若しくは支持台座で支持されている〔
図6(A)も参照〕。そして、溝W2における、該溝W2を形成する折り返し部と、逸脱防止ガイド15の上端である水平端部とは数ミリの間隙ができるように、台座Bが調整されている。したがって、外囲部材Wの溝W2折り返し部は、逸脱防止ガイド15の上端である水平端部と数ミリの間隙を保って長手方向へ移動する。そして、溝W2は上方外側から逸脱防止ガイド15を囲むようにして移動する。
【0032】
外囲部材Wは長いものでは数百メートルにも及ぶ。このような外囲部材Wが長手方向へ移動すると、長手方向に向いたときの上下左右に若干の揺れが生じる場合がある。このような場合は、溝W2と逸脱防止ガイド15とは接触することも有り得る。しかし、溝W2が逸脱防止ガイド15で囲んでいるため、外囲部材Wがシールテープ貼付け装置Aから逸脱することが防止される。この構成によれば、溝W2の長手方向にある程度の長さを有する逸脱防止ガイド15が設けられ、これが、溝W2空間の内部に存在しているので逸脱をよりよく防止することができる。
【0033】
〈貼付けガイドローラー〉
貼付けガイドローラー83bは本体フレーム1の上方に設けられている。そして、その外周は逸脱防止ガイド15の水平端部と一致するか、若しくは数ミリメートル引っ込んでいる〔
図2(A)(B)〕。しかし、貼付けガイドローラー83bに渡されたシールテープSはその厚みのために逸脱防止ガイド15の水平端部よりも数ミリメートル上方へはみ出す。そして、はみ出したシールテープの部分は溝W2の折り返し部に接する部分に粘着材が塗布されている。このような構成により、貼付けガイドローラー13のところで、シールテープSは溝W2に貼り付けられる〔
図1(B)及び
図2(B)〕。
【0034】
〈揺動腕部〉
本体フレーム1の前側には、逸脱防止ガイド15に近接して通過移動する連結部W1の溝W2に向けて付勢され、本体フレーム1に対して揺動可能に軸止めされている揺動腕部3が設けられている。揺動腕部3配置方向にやや長い部材である。揺動腕部3の後方の端付近は、幅方向に渡した軸で左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rで揺動可能に軸止めされている。そして、もう一端の付近には、幅方向に圧着軸94aが渡されている。圧着軸94aは圧着部である圧着ローラー94が回転可能に支持している。
【0035】
揺動腕部3は、上述の通り、一方が揺動軸3aによって、左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとによって両側から揺動できるように支持されている。一方、揺動軸3aの位置よりも下方において、左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rの間には弾性体固定座16が形成されている。弾性体固定座16は揺動腕部3を上方へ、すなわち逸脱防止ガイド15に近接して通過する外囲部材連結部W1の溝W2に向けて付勢ための弾性体を設ける固定座である。ここでは、金属板を折り返して成した板バネ161が備えられている。板バネ161の代わりに圧縮バネを用いてもよい。あるいは圧着軸94a若しくはその近傍と、貼付ガイド軸83a若しくはその近傍との間に張力バネを設けて、揺動腕部3を上方へ向けて付勢してもよい。
【0036】
〈貼付けガイドローラー〉
貼付けガイドローラー83bによって、既に溝W2に貼り付けられているシールテープSに対して、更に圧着ローラー94で圧力を加えてシールテープSを溝W2に強固に圧着する。圧着ローラー94による押し付け力は、上述の板バネ161による付勢力である。
【0037】
〈テープ導入ガイド〉
本体フレーム1へのシールテープ引き込み口には、テープ導入ガイド4が設けられている。これは、導入底部41と該導入底部41の両側に立ち上がった導入壁42とからなる部材である。このテープ導入ガイド4には、シールテープSの幅方向に広がった導入端部44と幅狭く絞られた送り出し端部45とを両端とする導入路が形成されている。そして送り出し端部45側の導入壁42の先には導入腕43が延設されている。この導入腕43は左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとにテープ導入軸4aで軸止めされている。
【0038】
テープ導入軸4aは、供給軸81aと兼用してもよい。以上説明した構成により、テープ導入ガイド4は、送り出し端部45付近が左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとに対して軸止めされ、導入端部44が前後に揺動する。ただし、左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとには、それぞれ、揺動規制部17L及び17Rが設けられている〔
図2(A)。
図3(B1)も参照。〕。したがって、これらに規制される範囲内でテープ導入ガイド4は揺動可能である。
【0039】
図示していないが、シールテープSは、多くの場合、200ミリメートル以上の幅を有するドラムに巻かれた状態で保持されている〔
図6(B)参照〕。したがって、このドラムから解きつつ、本体フレーム1にシールテープSを供給すれば、シールテープSは幅方向に振れながら供給されることとなる。しかし、幅方向に広がった導入端部44によって、振れながら供給されるシールテープSは支障なくテープ導入ガイド4に導入される。更に、幅狭く絞られた送り出し端部45を経由することで、シールテープSは振れの無い状態で供給ガイドローラー81bへ送り込まれる。
【0040】
また、
図2(C1)に示すように、両側の導入壁42に上枠橋421を渡せば、シールテープSがテープ導入ガイド4に供給される方向に応じて、同導入ガイド4の前後方向への角度が適正なものに自動的に調整される。シールテープSが巻かれているドラムが、本体フレーム1の直下にあれば、テープ導入ガイド4の導入底部41は垂直に近い角度となる。
【0041】
一方同ドラムが、本体フレーム1よりも前方方向へ置かれると、シールテープSの供給される方向が水平方向に近づくので、テープ導入ガイド4の導入底部41はより浅い角度になる。このように、シールテープ貼付け装置Aは、前後に揺動するテープ導入ガイド4を備えているため、シールテープを供給するドラムの設置位置に対する自由度が大きい。よって、同シールテープ貼付け装置Aは従来のように、シールテープ供給ドラムと、シールテープの貼付け機構とを一体化する必要がなく、小型装置として実現できるのである。
【0042】
また、上枠橋421を両側の導入壁42に渡す代わりに、
図2(C2)に示すように、導入壁42の左右それぞれに、上枠ガイド422Lと422Rを設けてもよい。この構成によれば、上枠ガイド422Lと422Rの端部は、導入底部41との間の導入路に開口しているため、シールテープSをシールテープ貼付け装置Aに装着するに際して便利である。
【0043】
更に、
図3に基づいて第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置Aの説明をする。
図3(A1)はシールテープ貼付け装置Aの平面図である。同装置Aの後方には水平方向突出部1L1と1R1とを有していることは上述したとおりである。水平方向突出部1L1と1R1とは、左側板フレーム1L又は1Rからの付け根から後端にかけて幅方向に徐々に狭くなっている。いわゆるテーパーがかかっているという形状である。
【0044】
シールテープの貼付け作業を開始する前に、外囲部材Wの連結部W1の溝W2に、シールテープ貼付け装置Aの逸脱防止ガイド15をはめ込む必要がある。溝W2に逸脱防止ガイド15をはめ込むに際しては、後方から前方へ移動してくる長尺な溝W2の前端開口部に、水平方向突出部1L1と1R1をはめ込む必要がある。このとき、上記のように、逸脱防止ガイド15の後部である水平方向突出部1L1と1R1とが前寄りから後端にかけて、前記シールテープの幅方向について幅狭く絞られていると、水平方向突出部1L1と1R1を溝W2にはめ込むのに有利である。
【0045】
逸脱防止ガイド15の後方への絞込は
図3(A1)の構成に限らず、(A2)や(A3)に示す構成でもよい。例えば、逸脱防止ガイド15を構成する側板フレームの一方である左側板フレーム1Lの後方に絞り込まれて折り返す水平方向突出部1L2を設けてもよい〔
図3(A2)〕。あるいは、逸脱防止ガイド15の突出部に紡錘型キャップ1L3を被せてもよい〔
図3(A3)〕。
【0046】
図3(B1)はシールテープ貼付け装置Aの正面図である。前述のとおり、正面から見たテープ導入ガイド4は、シールテープSの幅方向に広がった導入端部44と幅狭く絞られた送り出し端部45とを両端とする導入路が形成されている。このテープ導入ガイドは、例えばテープ導入ガイド4B〔
図3(B2)〕のように、幅方向に自在に動くようになっていれば幅方向に広がった導入端部でなくてもよい。しかし、導入端部44のように導入端部44を幅広に形成しておけば、幅方向に可動できるように形成する必要がないという利点がある。
【0047】
図3(D)はシールテープを装着したシールテープ貼付け装置Aを外囲部材連結部に設置し、100ミリメートル程度シールテープを貼り付けた状態の、同装置の正面図である。
図3(E)は同じくシールテープを装着した同装置Aの側面図である。
【0048】
〈シールテープ装着時〉
次に
図4に基づいて、シールテープ貼付け装置AにシールテープSを装着する際の、剥離部2の回動動作を説明する。
図4(A1)はシールテープを装着したシールテープ貼付け装置Aの側面図、(A2)は同装置の後方斜視図である。(A3)は同装置から回動規制部材5を外した後方斜視図である。(A4)は剥離ガイドローラーとシールテープ及び剥離部との位置関係を示す拡大図である。
【0049】
図4(A1)及び(A2)、(A3)に示されているように、剥離部2は本体フレーム1の後方に設けられている。(D)に示すように、剥離部2は剥離ヘラ21を有している。そして、剥離ヘラ21の上方には断面が弧状の剥離ガイドカバー22が延設されている。更に、剥離ヘラ21の両側には回動腕23がそれぞれ設けられている。また、回動腕23には、回動孔231とヘラ止め孔232が設けられている。
【0050】
図4(A3)に示されているように、回動腕23が本体フレーム1を構成する左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rに回動可能に保持されている。そして、後記する回動規制部材5の規制ピン52が、ヘラ止め孔232及び本体フレーム1の回動止め孔111(後記)を貫通していることによって、剥離部2が本体フレーム1に対して回動することを規制している。
【0051】
したがって、貫通している規制ピン52を引き抜けば、剥離部2は本体フレーム1に対して回動可能となる。そして
図4(B1)と(B2)に示すように、剥離ガイドカバー22を上方に引き上げるように剥離部2を回動させると、剥離用ガイドローラー82b〔
図2(B)も参照〕と剥離ヘラ21との間隔を拡大することができる。このようにして、離間部2を拡大回動すると、シールテープSをシールテープ貼付け装置Aに装着しやすくなる。
【0052】
〈回動規制部材〉
回動規制部材5はその側面図〔
図4(C1)〕及び平面図〔
図4(C2)〕に示されるように、両端部に丸みのある薄板である回動規制基部51に規制ピン52が設けられている部材である。規制ピン52は回動規制基部51の面上に直交して設けられている。また、規制ピン52が設けられている回動規制基部51の面の反対側にはつまみ54が設けられている。そして、本体フレーム1が、磁石を吸引する部材、たとえば、鉄などで構成されている場合には、回動規制基部51に磁石55を設けてもよい。
【0053】
このようにすると、本体フレーム1に装着されたか移動規制部材5は、本体フレーム1に磁力で吸着し、装着が強固になる。作業者は、つまみ54を掴んで、本体フレーム1から規制ピン52引き抜くことができる〔
図4(A3)〕。また、回動規制基部51には回動規制基部51に平行して離間ピン53を設けてもよい〔
図4(C2)〕。離間ピン53の役割は後記する。
【0054】
規制ピン52は、剥離部2のヘラ止め孔232を貫通すると当時に、左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rにそれぞれ設けられている回動止め孔111も貫通する。回動止め孔111は通常は止め孔232の下に重なっていて見えない。しかし、
図4(B1)及び(B2)に示すように剥離部2を回動させると、回動止め孔111が現れる。
【0055】
図4(A4)はシールテープSが装着されたシールテープ貼付け装置Aの離間部2付近の拡大図である。離間ピン53を除いて回動規制部材5は破線で示されている。離間部2も剥離ヘラ21と剥離ガイドカバー22を除いて省略されている。シールテープSに貼り付けられている離型紙S1は剥離ヘラ21によって、シールテープSから剥離される。剥離された離型紙S1は、離間ピン53によって更に、シールテープSとの距離が大きくなるように規制される。この離間ピン53の作用によって、剥離された離型紙S1が再び、シールテープSと剥離ヘラ21との間に巻き込まれるのを防いでいる。
【0056】
〔第2実施形態〕
次に、
図5(A)に基づいて本発明の第2実施形態に係るシールテープ貼付け装置ABを説明する。内部の構造が分かるように、左側板フレーム1Lは省略されている。一方、右側板フレーム1Rは表されている。同装置では圧着部9である圧着ローラー94Bが貼付けガイドローラーを兼ねている。すなわち、圧着ローラー94BがシールテープSを外囲部材連結部W1の溝W2に貼り付けると共に圧着も行っている。これは、逸脱防止ガイド15が設けられている左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rの端部若しくはこれらのフレームの端部付近に圧着部9である圧着ローラー94Bが設けられている構造である。このような構成では、より簡潔な構造にすることができるという効果がある。
【0057】
〔第3実施形態〕
次に、
図5(B)に基づいて本発明の第3実施形態に係るシールテープ貼付け装置ACを説明する。内部の構造が分かるように、左側板フレーム1Lは省略されている。一方、右側板フレーム1Rは表されている。同装置では、逸脱防止ガイド15に近接して通過する外囲部材連結部W1の溝W2に向けて付勢されている揺動腕部3が、左側板フレーム1L及び右側板フレーム1Rに対して、それぞれ揺動可能に軸止めされている。
【0058】
そして、圧着部である圧着ローラー94Cが揺動腕部3の端部若しくは端部付近に回転可能に支持されている。圧着ローラー94Cは円形ローラーであって、貼付けガイドローラーを兼ねている。すなわち、圧着ローラー94CがシールテープSを外囲部材連結部W1の溝W2に貼り付けると共に圧着も行っている。このような構成では、より簡潔な構造にすることができるという効果がある。 ここでは、金属板を折り返して成した板バネ161の代わりに、圧縮コイルバネ161bによって、揺動腕部3が付勢されている〔
図5(B)〕。
【0059】
〔第4実施形態〕
次に
図5(C)に基づいて、本発明の第4実施形態に係るシールテープ貼付け装置ADを説明する。同装置ADは、第1実施形態であるシールテープ貼付け装置Aの供給ガイドローラー81bと、剥離ガイドローラー82b及び貼付けガイドローラー83bをそれぞれ、供給ガイド壁81Dと、剥離ガイド壁82D及び貼付けガイド壁83Dで置き換えたものである。
【0060】
供給ガイド壁81Dと、剥離ガイド壁82D及び貼付けガイド壁83Dはそれぞれ左側板フレーム1Lと右側板フレーム1Rとの間に固定されたガイド部8であって、シールテープ貼付け装置ADに装着されたシールテープSの送出経路を規制している。このように、ローラーを使用しないようにして部品点数を減らすことで、製造コストと故障率の低減を図ることができる。
【0061】
〈シールテープ貼付け装置の設置例〉
図6(A)は本発明の第1実施形態に係るシールテープ貼付け装置を成形機71の出口付近に設置した例を示す図である。シールテープSを貼付けられるべき外囲部材Wは成形機71に備えられた動力(図示せず)によって、外囲部材Wの長手方向に、後方から前方へ送られる。外囲部材Wは成形機7によって、一定の高さを保って前方へ押し出される。外囲部材Wは数百メートルの長さに及ぶ場合もあるので、下方へ折れ曲がらないように、長手方向に沿って、適宜間隔で、支持台ローラー72で支えられている。
【0062】
そして、成形機71と最初の支持台ローラー72との間の外囲部材Wの高さに合わせて、シールテープ貼付け装置Aが設置されている。同装置Aへは、供給ドラム6からシールテープSが供給される。供給ドラム6は同装置Aの直下又はそれよりも前方に適宜置かれる。供給ドラム6を同装置Aの直下においても、前方においても、導入ガイド4が搖動して最適な角度になるので、同装置AへのシールテープSの供給に支障はない。
【0063】
図6(B1)と(B2)は(A)のY-Y矢視図であって、供給ドラム6の正面図である。供給ドラムは幅広であるため、シールテープSの供給元は常に幅方向に振れることになる。しかし、既に説明したように、テープ導入ガイド4は、シールテープSの幅方向に広がった導入端部44と幅狭く絞られた送り出し端部45とを両端とする構造であるため、シールテープSの供給元が幅方向に振れても供給ガイドローラー81bを経て剥離ガイドローラー82bに至るまでにこの振れの影響は無くなっている。また、剥離された離型紙S1は剥離ガイドカバー22によって下方へ動きを規制され、屑籠73に収容される。
【符号の説明】
【0064】
A,AB,AC,AD…シールテープ貼付け装置、B…台座、S…シールテープ、
S1…離型紙、W…外囲部材、W1…外囲部材Wの連結部、W2…連結部W1の溝、
1…本体フレーム、1L…左側板フレーム、1R…右側板フレーム、
1L1,1R1,1L2…水平方向突出部、1L3…紡錘型キャップ、
111…回動止め孔、15…逸脱防止ガイド、16…弾性体固定座、161…板バネ、
17a,17b…揺動規制部、2…剥離部、21…剥離ヘラ、22…剥離ガイドカバー、
23…回動腕、231…回動孔、232…ヘラ止め孔、3…揺動腕部、3a…揺動軸、
4,4B…テープ導入ガイド、4a…テープ導入軸、41…導入底部、42…導入壁、
421…上枠橋、43…導入腕、44…導入端部、45…送り出し端部、
5…回動規制部材、51…回動規制基部、52…規制ピン、53…離間ピン、
6…供給ドラム、71…成形機、72…支持台ローラー、73…屑籠、8…ガイド部、
81…供給用ガイド部、82…剥離用ガイド部、83…貼付け用ガイド部、
81D…供給用ガイド壁、82D…剥離用ガイド壁、83D…貼付け用ガイド壁、
81b…供給ガイドローラー、81a…供給軸、82b…剥離ガイドローラー、
82a…剥離用ガイド軸、83b…貼付けガイドローラー、83a…貼付ガイド軸、
9…圧着部、94,94B…圧着ローラー、94a…圧着軸。