(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】基地局、端末、無線通信システムおよび通信方法
(51)【国際特許分類】
H04J 4/00 20060101AFI20220121BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220121BHJP
H04L 5/22 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H04J4/00
H04W72/04 132
H04L5/22
(21)【出願番号】P 2017113571
(22)【出願日】2017-06-08
【審査請求日】2020-06-02
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、総務省、次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026400(WO,A1)
【文献】特表2013-500639(JP,A)
【文献】特開2017-079338(JP,A)
【文献】特開2017-034405(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0316376(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0353436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 4/00
H04W 72/04
H04L 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、端末と時分割複信方式の無線通信を行う基地局であって、
前記無線通信に使用する複数の使用チャネルを選択するチャネル選択部と、
前記端末へ下りリンク信号を送信する送信部と、
前記端末から上りリンク信号を受信する受信部と、
前記複数の使用チャネルが互いに異なる周波数帯に含まれるか、同一の周波数に含まれるかに基づいて、前記下りリンク信号の送信区間において
前記送信部が前記複数の使用チャネルの中の少なくとも1つの
第1の使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信
するか、または、前記下りリンク信号の送信区間において
前記受信部が前記複数の使用チャネルの中に含まれ前記
第1の使用チャネルと隣接しない
第2の使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を受信する
か、を選択する選択部と、
を備える基地局。
【請求項2】
前記複数の使用チャネルが互いに異なる周波数帯に含まれる場合、
前記送信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、1つの周波数帯に含まれる前記
第1の使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信し、
前記受信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、前記1つの周波数帯と異なる周波数帯に含まれる前記
第2の使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を受信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記複数の使用チャネルが同一の周波数帯に含まれる場合、
前記送信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、前記複数の使用チャネル全てを使用して前記下りリンク信号を送信し、
前記受信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、前記上りリンク信号を受信しない、
請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記送信部は、前記複数の使用チャネルが互いに異なる周波数帯に含まれ、かつ、前記端末へ使用チャネルに関する特定情報を送信する場合、前記下りリンク信号の第1の送信区間において、
前記複数の使用チャネルのうち2つ以上
の使用チャネルを使用して前記特定情報を含む前記下りリンク信号を送信する、
請求項2に記載の基地局。
【請求項5】
前記送信部は、前記第1の送信区間において前記2つ以上の使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信することを示す情報を、前記第1の送信区間よりも前の前記下りリンク信号の第2の送信区間において、前記1つの周波数帯に含まれる前記
第1の使用チャネルを使用して送信する、
請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記送信部は、第1の周波数帯に含まれ
る使用チャネルの数が第2の周波数帯に含まれ
る使用チャネルの数よりも小さい場合、前記第1の周波数帯に含まれ
る使用チャネル全てを使用して前記下りリンク信号を送信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記送信部は、第1の周波数帯に含まれ
る使用チャネルの数が第2の周波数帯に含まれ
る使用チャネルの数よりも小さい場合、前記第2の周波数帯に含まれ
る使用チャネル全てを使用して前記下りリンク信号を送信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
前記送信部は、3つ以上
の使用チャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、1つ
の使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信し、前記1つの使用チャネルと隣接す
る使用チャネルを使用してヌル信号を送信し、
前記受信部は、前記1つの使用チャネルと隣接しな
い使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を受信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、端末と基地局とが時分割複信方式の無線通信を行い、
前記基地局は、
前記無線通信に使用する複数の使用チャネルを選択し、
前記端末へ下りリンク信号を送信し、
前記端末から上りリンク信号を受信し、
前記複数の使用チャネルが互いに異なる周波数帯に含まれるか、同一の周波数に含まれるかに基づいて、前記下りリンク信号の送信区間において前記複数の使用チャネルの中の少なくとも1つの第1の使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信するか、または、前記下りリンク信号の送信区間において前記複数の使用チャネルの中に含まれ前記第1の使用チャネルと隣接しない第2の使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を受信するか、を選択する、
通信方
法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末、無線通信システムおよび通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビの生中継、緊急報道等の映像伝送を行う無線通信システムに用いる装置として、FPU(Field Pick-up Unit)が知られている。このFPUは、放送分野の素材伝送のために用いられ、中継現場側の移動局(端末)から放送局側の基地局へ本線情報の上りリンク(UL:Uplink)信号を伝送し、放送局側の基地局から中継現場側の移動局へ送り返し情報の下りリンク(DL:Downlink)信号を伝送する。カメラにより撮像された映像は、リアルタイムでファイル伝送され、移動局から基地局へUL信号として送信され、記憶メディアに格納され再生される。
【0003】
また、伝送効率の向上のために、FPUでは、複数の周波数のチャネル(以下、チャネルと記載する)を同時に使用してUL信号とDL信号を伝送する方法も検討されている。
【0004】
複数のチャネルを同時に使用する場合、FPUの伝送効率を改善するためには、基地局は、DL信号の送信区間において、複数のチャネルの少なくとも1つを使用してDL信号を送信し、DL信号を送信しないチャネルを使用してUL信号を受信することが考えられる。
【0005】
例えば、特許文献1では、基地局と複数の端末とのセルラー通信において、フレームを構成するスロット毎にDL信号の送信とUL信号の受信とを予め固定したパターンを用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、FPUでは端末の送信電力が大きいため、DL信号の送信とUL信号の受信とを同時に行うと、UL信号を受信する隣接チャネルにおける帯域外の漏洩によりチャネル間の干渉が発生し、伝送品質(例えば、UL信号の受信品質)が劣化してしまうおそれがある。
【0008】
本開示の非限定的な実施例は、伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる基地局、端末、無線通信システムおよび通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る基地局は、複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、端末と時分割複信方式の無線通信を行う基地局であって、前記無線通信に使用する複数の使用チャネルを選択するチャネル選択部と、前記端末へ下りリンク信号を送信する送信部と、前記端末から上りリンク信号を受信する受信部と、を備え、前記送信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、少なくとも1つの前記使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信し、前記受信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、前記少なくとも1つの使用チャネルと隣接しない前記使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を受信する。
【0010】
本開示の一態様に係る端末は、複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、基地局と時分割複信方式の無線通信を行う端末であって、前記無線通信に使用する複数の使用チャネルの情報を抽出する抽出部と、前記基地局から下りリンク信号を受信する受信部と、前記基地局へ上りリンク信号を送信する送信部と、を備え、前記受信部は、前記下りリンク信号の受信区間において、少なくとも1つの前記使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を受信し、前記送信部は、前記下りリンク信号の受信区間において、前記少なくとも1つの使用チャネルと隣接しない前記使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を送信する。
【0011】
本開示の一態様に係る無線通信システムは、複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、端末と基地局とが時分割複信方式の無線通信を行う無線通信システムであって、前記基地局は、前記無線通信に使用する複数の使用チャネルを選択するチャネル選択部と、前記端末へ下りリンク信号を送信する第1の送信部と、前記端末から上りリンク信号を受信する第1の受信部と、を備え、前記端末は、前記複数の使用チャネルの情報を抽出する抽出部と、前記下りリンク信号を受信する第2の受信部と、前記上りリンク信号を送信する第2の送信部と、を備え、前記第1の送信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、少なくとも1つの前記使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信し、前記第2の送信部は、前記下りリンク信号の送信区間において、前記少なくとも1つの使用チャネルと隣接しない前記使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を送信する。
【0012】
本開示の一態様に係る通信方法は、複数の周波数帯にそれぞれ含まれる複数のチャネルのいずれかを使用して、端末と基地局とが時分割複信方式の無線通信を行い、前記基地局は、前記無線通信に使用する複数の使用チャネルを選択し、前記端末へ下りリンク信号を送信し、前記端末から上りリンク信号を受信し、前記端末は、前記複数の使用チャネルの情報を抽出し、前記下りリンク信号を受信し、前記上りリンク信号を送信する、通信方法であって、前記基地局は、前記下りリンク信号の送信区間において、少なくとも1つの前記使用チャネルを使用して前記下りリンク信号を送信し、前記端末は、前記下りリンク信号の受信区間において、前記少なくとも1つの使用チャネルと隣接しない前記使用チャネルを使用して前記上りリンク信号を送信する。
【0013】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一態様によれば、伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0015】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】複数のチャネルを同時に使用するFPUの送受信信号の第1の例を示す図
【
図2】複数のチャネルを同時に使用するFPUの送受信信号の第2の例を示す図
【
図3】本開示の実施の形態に係る基地局の構成例を示すブロック図
【
図4】本開示の実施の形態に係る端末の構成例を示すブロック図
【
図5】本開示の実施の形態に係る送受信信号の一例を示す図
【
図6】本開示の実施の形態に係る送受信信号の一例を示す図
【
図7】DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第1の例を示す図
【
図8】DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第2の例を示す図
【
図9】本開示の実施の形態における基地局の処理フローを示すフローチャート
【
図10】本開示の実施の形態における端末の処理フローを示すフローチャート
【
図11】本開示の実施の形態の変形例1に係る送受信信号の一例を示す図
【
図12】本開示の実施の形態の変形例2に係る送受信信号の一例を示す図
【
図13】本開示の実施の形態の変形例3に係る送受信信号の一例を示す図
【
図14】本開示の実施の形態の変形例4に係る送受信信号の一例を示す図
【
図15】DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第3の例を示す図
【
図16】DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第4の例を示す図
【
図17】DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第5の例を示す図
【
図18】本開示の実施の形態の変形例5に係る送受信信号の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0019】
図1は、複数のチャネルを同時に使用するFPUの送受信信号の第1の例を示す図である。
図2は、複数のチャネルを同時に使用するFPUの送受信信号の第2の例を示す図である。
図1、
図2には、連続する2つのフレーム(フレーム#nとフレーム#n+1)と、各フレームの上りリンク区間(UL(Uplink)区間)および下りリンク区間(DL(Downlink)区間)が示される。そして、各フレームのUL区間およびDL区間において、キャリア周波数f
1のチャネル(以下、チャネルf
1と記載する)とキャリア周波数f
2のチャネル(以下、チャネルf
2と記載する)それぞれを使用して送受信される信号が示される。
【0020】
上りリンク信号(UL(Uplink)信号)は、映像情報等を含む信号であり、端末から基地局に送信される。下りリンク信号(DL(Downlink)信号)は、DL制御情報等のフィードバック情報を含む信号であり、基地局から端末へ送信される。
【0021】
図1では、UL区間において、端末は、チャネルf
1およびチャネルf
2を使用してUL信号を送信し、基地局は、端末によって送信されたUL信号を受信する。そして、DL区間において、基地局は、チャネルf
1およびチャネルf
2を使用してDL信号を送信し、端末は、基地局によって送信されたDL信号を受信する。
【0022】
FPUでは、UL信号が映像情報等を含む信号であり、DL信号がフィードバック情報を含む信号であるため、
図1の例のように、DL信号を送受信する区間が増加すると、映像情報等を含むUL信号の伝送効率が低下してしまう。
【0023】
図2では、UL区間において、端末は、チャネルf
1およびチャネルf
2を使用してUL信号を送信し、基地局は、端末によって送信されたUL信号を受信する。そして、DL区間において、基地局は、チャネルf
1を使用してDL信号を送信し、端末は、チャネルf
2を使用してUL信号を送信する。そして、基地局は、チャネルf
2を使用して端末によって送信されたUL信号を受信し、端末は、チャネルf
1を使用して基地局によって送信されたDL信号を受信する。
【0024】
図2の例では、DL区間において、チャネルf
1を使用してDL信号が送受信され、チャネルf
2を使用してUL信号が送受信されるため、DL信号を送受信する区間が
図1と比較して少ない。そのため、UL信号の伝送効率の低下は抑制される。しかしながら、基地局は、チャネルf
1を使用してDL信号を送信しながら、チャネルf
2を使用してUL信号を受信しているため、チャネルf
1とチャネルf
1に隣接するチャネルf
2との間の干渉により、伝送品質(例えば、UL信号の受信品質)が劣化してしまう。
【0025】
本開示は、掛かる点に鑑みて為されたものであり、伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる基地局、端末、無線通信システムおよび通信方法を提供する。
【0026】
(実施の形態)
実施の形態に係る無線通信システムは、
図3に示す基地局100と、
図4に示す端末200と、を有する。基地局100および端末200は、例えば、放送分野の素材伝送に用いられるFPUである。すなわち、端末200はUL信号として映像情報等を基地局100へ送信し、基地局100はDL信号として、フィードバックするDL制御情報等を端末200へ送信する。
【0027】
また、本実施の形態に係る無線通信システムでは、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式を用いて、UL信号とDL信号とが送受信される。また、UL信号とDL信号の間には、ガードタイムと呼ばれる信号の無送信区間が設けられる。また、本実施の形態に係る無線通信システムでは、複数の周波数帯が利用可能であり、各周波数帯が複数のチャネルを含んでいる。そして、本実施の形態に係る無線通信システムでは、複数の周波数帯それぞれに含まれる複数のチャネルの少なくとも1つを用いてUL信号とDL信号とが送受信される。
【0028】
<基地局の構成>
本実施の形態に係る基地局100の構成例について
図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、基地局100は、送受切替部101と、無線受信部102-1~102-M(Mは2以上の整数)と、ベースバンド受信処理部103と、AGC/同期検出部104と、受信処理制御部105と、干渉測定部106と、チャネル選択部107と、UL/DL選択部108と、チャネル情報生成部109と、ベースバンド送信処理部110と、プリアンブル生成部111と、付加部112と、無線送信部113-1~113-N(Nは2以上の整数)と、から主に構成される。
【0030】
そして、無線受信部102-1~102-Mと、ベースバンド受信処理部103と、AGC/同期検出部104と、受信処理制御部105と、干渉測定部106と、から主に構成される受信部114は、端末200からUL信号を受信する。また、ベースバンド送信処理部110と、プリアンブル生成部111と、付加部112と、無線送信部113-1~113-Nと、から主に構成される送信部115は、端末200へDL信号を送信する。なお、Mは、例えば、受信部114がUL信号を受信可能なチャネルの数、Nは、例えば、送信部115がDL信号を送信可能なチャネルの数である。MとNは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0031】
送受切替部101は、後述するUL/DL選択部108から設定情報を取得し、UL区間およびDL区間において、信号の送信と受信の切替を行う。例えば、送受切替部101は、UL区間において、設定情報が示すチャネルそれぞれを使用してアンテナを介してUL信号を受信するように切替を行う。また、送受切替部101は、DL区間において、設定情報が示すチャネルそれぞれを使用してUL信号の受信またはDL信号の送信を行うように信号の送信と受信の切替を行う。なお、設定情報が示すチャネルとは、後述するチャネル選択部107によって選択され、通信に用いられるチャネルである。
【0032】
無線受信部102-1~102-Mは、後述する受信処理制御部105から取得する1フレーム前のAGC(Automatic Gain Control)の情報に基づき、送受切替部101を介して取得する無線信号(UL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部102-1~102-Mは、無線受信処理後の信号に対して、設定情報が示す各チャネルのキャリア周波数に基づいて、ダウンコンバートし、各チャネルのベースバンド信号を得る。そして、無線受信部102-1~102-Mは、各チャネルのベースバンド信号を出力する。
【0033】
ベースバンド受信処理部103は、後述する受信処理制御部105から取得するタイミング情報に基づき、無線受信部102-1~102-Mから取得したベースバンド信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理、復調処理、誤り訂正処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部103は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを出力する。
【0034】
AGC/同期検出部104は、無線受信部102-1~102-Mから取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルに基づいて、送受信間の同期のためのタイミングの情報、および、受信処理等における利得制御(AGC)のための情報(例えば、信号レベル)を検出する。そして、AGC/同期検出部104は、タイミング、AGCのための情報の検出結果を受信処理制御部105へ出力する。
【0035】
受信処理制御部105は、AGC/同期検出部104から取得する検出結果に基づいて、受信処理のタイミング、および、AGCを制御する。具体的には、受信処理制御部105は、ベースバンド受信処理の開始時点、終了時点等の処理タイミングを示すタイミング情報をベースバンド受信処理部103へ出力する。また、受信処理制御部105は、干渉測定の開始時点、終了時点等の処理タイミングを示すタイミング情報を干渉測定部106へ出力する。また、受信処理制御部105は、AGCの情報を無線受信部102-1~102-Mへ出力する。
【0036】
その際、受信処理制御部105は、AGC/同期検出部104から検出結果を取得する場合、取得した検出結果に基づいて、タイミング情報およびAGCの情報を生成する。
【0037】
干渉測定部106は、受信処理制御部105から取得するタイミング情報に基づき、ガードタイムの区間を干渉測定区間として、干渉測定区間における、利用可能な各周波数帯が含む各チャネルの受信レベル(干渉量、例えば、受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator))を測定する。例えば、干渉測定部106は、測定結果をチャネル選択部107へ出力する。
【0038】
チャネル選択部107は、干渉測定部106によって測定された、各周波数帯が含む各チャネルの受信レベルに基づいて、通信に用いるチャネルを選択する。例えば、チャネル選択部107は、受信レベルが所定値以下のチャネルを、通信に用いるチャネルとして選択する。
【0039】
UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルそれぞれについて、DL区間におけるUL信号の受信(UL受信)に使用するか、または、DL区間におけるDL信号の送信(DL送信)に使用するか、を選択する。
【0040】
例えば、UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、比較的低いキャリア周波数のチャネルをDL送信に使用する、と選択する。
【0041】
そして、UL/DL選択部108は、DL送信に使用すると選択したチャネルに隣接しないチャネルをUL送信に使用する、と選択する。例えば、UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルが異なる周波数帯に含まれる場合、DL送信に使用すると選択したチャネルを含む周波数帯と異なる周波数帯に含まれるチャネルをUL送信に使用する、と選択する。つまり、DL送信に使用すると選択したチャネルに隣接しないチャネルとは、例えば、DL送信に使用すると選択したチャネルを含む周波数帯と異なる周波数帯に含まれるチャネルであっても良い。
【0042】
なお、DL区間におけるUL受信またはDL送信の選択の具体例については、後述する。
【0043】
UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルと、選択されたチャネルをDL区間におけるUL受信に使用するか、または、DL送信に使用するか、とを対応付けた情報(設定情報)を送受切替部101、チャネル情報生成部109、受信部114および送信部115へ出力する。
【0044】
チャネル情報生成部109は、UL/DL選択部108から取得する設定情報に基づいて、端末200に通知する情報(チャネル情報)を生成する。チャネル情報生成部109は、チャネル情報をベースバンド送信処理部110へ出力する。なお、チャネル情報生成部109において生成されるチャネル情報の具体例については、後述する。
【0045】
ベースバンド送信処理部110は、送信データ(DLデータ)およびチャネル情報に対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、設定情報が示すチャネルの数のベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部110は、ベースバンド信号を付加部112へ出力する。
【0046】
プリアンブル生成部111は、設定情報が示すチャネルの数のプリアンブルを生成し、付加部112へ出力する。プリアンブルデータは、予め端末200と基地局100とが既知のシンボルデータ等である。
【0047】
付加部112は、所定のフレーム構成に基づき、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブル生成部111から取得するプリアンブルを付加する。そして、付加部112は、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブルを付加したベースバンドの送信信号を無線送信部113-1~113-Nへ出力する。
【0048】
無線送信部113-1~113―Nは、プリアンブルが付加されたベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部113-1~113―Nは、設定情報が示す各チャネルのキャリア周波数に基づいて、無線送信処理後の信号に対してアップコンバートし、無線信号を得る。そして、無線送信部113-1~113―Nは、送受切替部101を介してアンテナから無線信号(DL信号)を送信する。
【0049】
<端末の構成>
次に、本実施の形態に係る端末200の構成例について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る端末200の構成例を示すブロック図である。
【0050】
図4に示すように、端末200は、送受切替部201と、無線受信部202-1~202-Nと、ベースバンド受信処理部203と、AGC/同期検出部204と、受信処理制御部205と、チャネル情報抽出部206と、ベースバンド送信処理部207と、プリアンブル生成部208と、付加部209と、無線送信部210-1~210-Mと、から主に構成される。
【0051】
そして、無線受信部202-1~202-Nと、ベースバンド受信処理部203と、AGC/同期検出部204と、受信処理制御部205とから主に構成される受信部211は、基地局100からDL信号を受信する。また、ベースバンド送信処理部207と、プリアンブル生成部208と、付加部209と、無線送信部210-1~210-Mとから主に構成される送信部212は、基地局100へUL信号を送信する。
【0052】
送受切替部201は、後述するチャネル情報抽出部206からチャネル情報を取得し、UL区間およびDL区間において、信号の送信と受信の切替を行う。例えば、送受切替部201は、UL区間において、チャネル情報が示すチャネルそれぞれを使用してアンテナを介してUL信号を送信するように切替を行う。また、送受切替部201は、DL区間において、チャネル情報が示すチャネルそれぞれを使用してUL信号の送信またはDL信号の受信を行うように信号の送信と受信の切替を行う。なお、チャネル情報が示すチャネルとは、上述したチャネル選択部107によって選択され、通信に用いられるチャネルである。
【0053】
無線受信部202-1~202-Nは、後述する受信処理制御部205から取得する1フレーム前のAGCの情報に基づき、アンテナに受信された無線信号(DL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部202-1~202-Nは、無線受信処理後の信号に対して、チャネル情報が示す各チャネルのキャリア周波数に基づいて、ダウンコンバートし、各チャネルのベースバンド信号を得る。そして、無線受信部202-1~202-Nは、各チャネルのベースバンド信号を出力する。
【0054】
ベースバンド受信処理部203は、後述する受信処理制御部205から取得するタイミング情報に基づき、無線受信部202-1~202-Nから取得したベースバンド信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理、復調処理、誤り訂正処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部203は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを出力する。なお、受信データには、基地局100から送信されるチャネル情報のベースバンド受信処理の結果が含まれる。
【0055】
AGC/同期検出部204は、無線受信部202-1~202-Nから取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルに基づいて、送受信間の同期のためのタイミングの情報、および、受信処理等における利得制御(AGC)のための情報(例えば、信号レベル)を検出する。そして、AGC/同期検出部204は、タイミング、AGCのための情報の検出結果を受信処理制御部205へ出力する。
【0056】
受信処理制御部205は、AGC/同期検出部204から取得する検出結果に基づいて、受信処理のタイミング、および、AGCを制御する。具体的には、受信処理制御部205は、ベースバンド受信処理の開始時点、終了時点等の処理タイミングを示すタイミング情報をベースバンド受信処理部203へ出力する。また、受信処理制御部205は、AGCの情報を無線受信部202-1~202-Nへ出力する。
【0057】
チャネル情報抽出部206は、ベースバンド受信処理部203から受信データを取得し、チャネル情報を抽出する。そして、チャネル情報抽出部206は、抽出したチャネル情報を送受切替部201、受信部211および送信部212へ出力する。
【0058】
ベースバンド送信処理部207は、送信データ(ULデータ)に対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、チャネル情報が示すチャネルの数の送信データのベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部207は、送信データのベースバンド信号を付加部209へ出力する。
【0059】
プリアンブル生成部208は、チャネル情報が示すチャネルの数のプリアンブルを生成し、付加部209へ出力する。
【0060】
付加部209は、所定のフレーム構成に基づき、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブル生成部208から取得するプリアンブルを付加する。そして、付加部209は、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブルを付加したベースバンドの送信信号を無線送信部210-1~210-Mへ出力する。
【0061】
無線送信部210-1~210-Mは、プリアンブルが付加されたベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部109は、チャネル情報が示す各チャネルのキャリア周波数に基づいて、無線送信処理後の信号に対してアップコンバートし、無線信号(UL信号)を得る。そして、無線送信部210-1~210-Mは、送受切替部201を介してアンテナからUL信号を送信する。
【0062】
<DL区間におけるUL受信またはDL送信の選択の具体例>
以下では、一例として、基地局100と端末200とを有する無線通信システムにおいて、2つの周波数帯が利用可能であり、各周波数帯が2つのチャネルを含む例を説明する。そして、この例では、基地局100のチャネル選択部107は、2つのチャネルを選択する。
【0063】
この場合、UL/DL選択部108は、基地局100が2つの周波数帯を使用する場合、つまり、チャネル選択部107によって選択された2つのチャネルが異なる周波数帯に含まれる場合、DL区間において、比較的低い周波数帯に含まれる1つのチャネルを使用してDL信号を送信し、比較的高い周波数帯に含まれる1つのチャネルを使用してUL信号を受信する、と選択する。そして、UL/DL選択部108は、基地局100が1つの周波数帯を使用する場合、つまり、チャネル選択部107によって選択された複数のチャネルが同じ周波数帯に含まれる場合、DL区間において、2つのチャネルを使用してDL信号を送信する、と選択する。
【0064】
図5、
図6は、本実施の形態に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0065】
図5、
図6の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図5、
図6には、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図5、
図6には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。前述の通り、本実施の形態における無線通信システムでは、時分割複信方式を用いた通信が行われるため、
図5、
図6に示すように、UL区間とDL区間とは、時分割によって設けられている。なお、UL区間とDL区間との間(例えば、UL信号とDL信号との間)には、ガードタイム(GT:Guard Time)が設けられる場合があるが、図示の便宜上、省略する。
【0066】
本実施の形態に係る無線通信システムでは、例えば、Band1として1.2GHz帯が使用され、Band2として2.3GHz帯が使用される。
【0067】
図5は、基地局100が、チャネルf
11とチャネルf
22を選択した場合の送受信信号の例である。
図5に示すように、基地局100によって選択されたチャネルf
11とチャネルf
22が、それぞれ、異なる周波数帯であるBand1とBand2に含まれる場合、DL区間において、基地局100はチャネルf
11を使用してDL信号を送信し、端末はチャネルf
22を使用してUL信号を送信する。そして、基地局100は、チャネルf
22を使用して端末200によって送信されたUL信号を受信し、端末200は、チャネルf
11を使用して基地局100によって送信されたDL信号を受信する。
【0068】
図6は、基地局100が、チャネルf
11とチャネルf
12を選択した場合の送受信信号の例である。
図6に示すように、基地局100によって選択されたチャネルf
11とチャネルf
12が、同じ周波数帯であるBand1に含まれる場合、DL区間において、基地局100は、チャネルf
11およびチャネルf
12を使用してDL信号を送信し、端末200は、基地局100によってチャネルf
11およびチャネルf
12を使用して送信されたDL信号を受信する。
【0069】
図5に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムが、異なる複数の周波数帯を使用する場合、つまり、基地局100により選択された複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれる場合、DL区間において、基地局100は1つのチャネルを使用してDL信号を送信する。一方で、
図6に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムが、1つの周波数帯を使用する場合、つまり、基地局100により選択された複数のチャネルが同じ周波数帯に含まれる場合、DL区間において、基地局100は選択した複数のチャネル全てを使用してDL信号を送信する。
【0070】
<チャネル情報の具体例>
図7は、DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第1の例を示す図である。なお、
図7のチャネル情報は、例えば、
図5に示すように、基地局100が2つのチャネルを選択する場合の情報である。
【0071】
チャネル情報は、チャネル#1の情報およびチャネル#2の情報を含む。チャネル#1の情報およびチャネル#2の情報は、それぞれ、識別情報とチャネルIDとDL/UL識別情報とを含む。なお、基地局100が3つ以上のチャネルを選択する場合、チャネル#3以降の情報を含む。
【0072】
チャネルIDは、基地局100が選択したチャネルの識別子である。基地局100と端末200は、使用可能な、複数の周波数帯それぞれに含まれる複数のチャネル(
図5、
図6の例では、4つのチャネル)と各チャネルのチャネルIDとの対応関係のリストを有する。そして、端末200は、チャネルIDにより、次のフレームにおいて使用するチャネルを特定する。
【0073】
識別情報は、チャネルの変更の有無を示す情報である。例えば、チャネル#1が現フレームにおいて使用されているチャネルから変更されない場合、つまり、現フレームにおいてチャネル#1が使用され、次フレームもチャネル#1が使用される場合、チャネル#1の情報に含まれる識別情報は、「0」に設定される。一方で、チャネル#1が現フレームにおいて使用されているチャネルから変更される場合、つまり、現フレームにおいてチャネル#1が使用されておらず、次フレームからチャネル#1が使用される場合、チャネル#1の情報に含まれる識別情報は、「1」に設定される。
【0074】
DL/UL識別情報は、DL区間において、各チャネルを使用してDL信号の送受信を実行するか、または、UL信号の送受信を実行するかを識別する1ビットの情報である。例えば、DL区間において、チャネル#1を使用してDL信号の送受信が実行される場合、チャネル#1の情報に含まれるDL/UL識別情報は、「0」に設定される。一方で、DL区間において、チャネル#1を使用してUL信号の送受信が実行される場合、チャネル#1の情報に含まれるDL/UL識別情報は、「1」に設定される。
【0075】
例えば、
図5では、チャネル#1およびチャネル#2は、それぞれ、チャネルf
11およびチャネルf
22に対応する。また、フレーム#n-1(図示せず)とフレーム#nとの間で、チャネルf
22が変更されず、チャネルf
11がチャネルf
12から変更されたとする。この場合、フレーム#n-1のDL区間にて基地局100から送信されるDL信号に含まれるチャネル#1のチャネルIDおよびチャネル#2のチャネルIDは、それぞれ、チャネルf
11のIDおよびチャネルf
22のIDとなる。また、チャネル#1の識別情報は、「1」に設定され、チャネル#2の識別情報は、「0」に設定される。また、チャネル#1のDL/UL識別情報は、フレーム#nのDL区間においてチャネルf
11を使用してDL信号の送受信が実行されるため、「0」に設定される。また、チャネル#2のDL/UL識別情報は、フレーム#nのDL区間においてチャネルf
22を使用してUL信号の送受信が実行されるため、「1」に設定される。
【0076】
なお、
図5のフレーム#nとフレーム#n+1との間では、使用するチャネルおよびDL信号を送受信するチャネルが変更されない。このような場合、フレーム#nのDL区間にて基地局100から送信されるDL信号は、チャネル情報を含まなくても良い。
【0077】
図8は、DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第2の例を示す図である。なお、
図8のチャネル情報は、
図7と同様に、基地局100が2つのチャネルを選択する場合の情報である。
【0078】
チャネル情報は、チャネル#1の情報、チャネル#2の情報およびDL送信バンド情報を含む。チャネル#1の情報およびチャネル#2の情報は、それぞれ、識別情報とチャネルIDとを含む。なお、基地局100が3つ以上のチャネルを選択する場合、チャネル#3以降の情報を含む。また、識別情報とチャネルIDについては、
図7と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0079】
図7のチャネル情報では、DL/UL識別情報が複数のチャネル(チャネル#1およびチャネル#2)の情報それぞれに含まれていたのに対し、
図8のチャネル情報は、DL/UL識別情報の代わりにDL送信バンド情報が含まれる。
【0080】
DL送信バンド情報は、基地局100がDL信号を送信する周波数帯を示す情報である。例えば、
図5、
図6のように、Band1およびBand2の2つの周波数帯が利用可能である場合、DL送信バンド情報は、1ビットで表される。そして、基地局100がBand1に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「0」に設定され、基地局100がBand2に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「1」に設定される。なお、3つ以上の周波数帯が利用可能である場合、DL送信バンド情報は、2ビット以上であっても良い。
【0081】
例えば、
図5では、基地局100がBand1に含まれるチャネルf
11を使用してDL信号を送信するため、DL送信バンド情報は「0」に設定される。また、
図6では、基地局100がBand1に含まれるチャネルf
11およびチャネルf
12を使用してDL信号を送信するため、DL送信バンド情報は「0」に設定される。
【0082】
図8のチャネル情報は、
図7のチャネル情報に含まれるDL/UL識別情報の代わりに、DL送信バンド情報を含む構成を採る。DL/UL識別情報は、使用するチャネル毎に設定される1ビットの情報であるのに対し、DL送信バンド情報は、利用可能な周波数帯のうち、DL信号を送信する周波数帯を特定する情報である。そのため、例えば、使用するチャネルの数が多いほど、
図7のチャネル情報のサイズ(ビット数)は大きくなり、利用可能な周波数帯の数が多いほど、DL送信バンド情報のサイズは大きくなる。基地局100は、利用可能な周波数帯の数および使用するチャネルの数に応じて、
図7と
図8のチャネル情報のフォーマットを選択しても良い。
【0083】
なお、基地局100は、次のフレームにおいて使用するチャネルを変更する場合、および/または、DL信号を送信するチャネルを変更する場合に、
図7または
図8に示したチャネル情報を端末200に送信する。また、基地局100は、端末200との通信開始前に
図7または
図8に示したチャネル情報を端末200に送信する。例えば、基地局100は、端末200との通信開始前では、デフォルトで設定されたチャネルを使用してチャネル情報を送信する。
【0084】
基地局100は、使用するチャネルを変更しない場合、および、基地局100がDL信号を送信するチャネルを変更しない場合、チャネル情報を端末200に送信しなくても良い。
【0085】
<基地局100の処理フロー>
次に、本実施の形態における基地局100の処理フローについて説明する。
図9は、本実施の形態における基地局100の処理フローを示すフローチャートである。
図9では、n番目のフレームのUL区間とDL区間におけるチャネル#1とチャネル#2を使用した信号の送受信の処理フローが示されている。
【0086】
基地局100は、UL区間において、チャネル#1とチャネル#2を使用して、端末200によって送信されるUL信号を受信する(S101)。
【0087】
基地局100は、DL信号の送信タイミングが到来したか否か、つまり、DL区間の開始タイミングが到来したか否かを判定する(S102)。
【0088】
DL信号の送信タイミングが到来していない場合(S102にてNO)、つまり、UL区間中である場合、フローは、S101の処理へ戻り、DL信号の送信タイミングが到来するまで、基地局100は、UL信号を受信する。
【0089】
DL信号の送信タイミングが到来した場合(S102にてYES)、基地局100は、使用しているチャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれるか否かを判定する(S103)。
【0090】
チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれている場合(S103にてYES)、基地局100は、DL区間において、チャネル#1を使用して端末200によって送信されるUL信号を受信し、チャネル#2を使用して端末200に対してDL信号を送信する(S104)。そして、n番目のフレームにおけるDL区間の終了までUL信号の受信とDL信号の送信を行い、フローは、終了する。
【0091】
チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれていない場合(S103にてNO)、つまり、チャネル#1とチャネル#2が同じ周波数帯に含まれている場合、基地局100は、チャネル#1およびチャネル#2を使用して端末200に対してDL信号を送信する(S105)。そして、n番目のフレームにおけるDL区間の終了までDL信号の送信を行い、フローは、終了する。
【0092】
なお、
図9では、S103にて、基地局100は使用しているチャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれるか否かを判定する、として説明したが、端末200は、設定情報に基づいて、S103以降の処理(つまり、S104またはS105の処理)を行っても良い。
【0093】
<端末200の処理フロー>
次に、本実施の形態における端末200の処理フローについて説明する。
図10は、本実施の形態における端末200の処理フローを示すフローチャートである。
図10では、n番目のフレームのUL区間とDL区間におけるチャネル#1とチャネル#2を使用した信号の送受信の処理フローが示されている。
【0094】
端末200は、UL区間において、チャネル#1とチャネル#2を使用して、基地局100に対してUL信号を送信する(S201)。
【0095】
端末200は、DL信号の受信タイミングが到来したか否か、つまり、DL区間の開始タイミングが到来したか否かを判定する(S202)。
【0096】
DL信号の受信タイミングが到来していない場合(S202にてNO)、つまり、現時点がUL区間中である場合、フローは、S201の処理へ戻り、DL信号の受信タイミングに到達するまで、端末200は、UL信号を送信する。
【0097】
DL信号の受信タイミングが到来した場合(S202にてYES)、端末200は、使用しているチャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれるか否かを判定する(S203)。
【0098】
チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれている場合(S203にてYES)、端末200は、DL区間において、チャネル#1を使用して基地局100に対してUL信号を送信し、チャネル#2を使用して基地局100によって送信されるDL信号を受信する(S204)。そして、n番目のフレームにおけるDL区間の終了までUL信号の送信とDL信号の受信を行い、フローは、終了する。
【0099】
チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれていない場合(S203にてNO)、つまり、チャネル#1とチャネル#2が同じ周波数帯に含まれている場合、端末200は、チャネル#1およびチャネル#2を使用して基地局100によって送信されるDL信号を受信する(S205)。そして、n番目のフレームにおけるDL区間の終了までDL信号の受信を行い、フローは、終了する。
【0100】
なお、
図10では、S203にて、端末200は使用しているチャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれるか否かを判定する、として説明したが、端末200は、基地局100から受信するDL信号に含まれるチャネル情報に基づいて、S203以降の処理(つまり、S204またはS205の処理)を行っても良い。
【0101】
以上、本実施の形態では、基地局100は、端末200との通信に使用する複数のチャネルを選択する。そして、基地局100は、選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれる場合に、DL区間において、1つの周波数帯に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信し、当該1つの周波数帯と異なる周波数帯に含まれるチャネルを使用してUL信号を受信する。この構成により、選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれていることによって互いに干渉しない場合に、基地局100は、DL区間において、同時に複数のチャネルを使用してDL信号の送信とUL信号の受信を行うことができるため、UL信号の伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、基地局100のDL/UL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、比較的低いキャリア周波数のチャネルをDL送信に使用する、と選択する。この選択方法により、基地局100は、伝搬損失が比較的少ないチャネルを使用してDL信号を送信できるため、DL信号の伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0103】
なお、上述した本実施の形態では、DL/UL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、比較的低いキャリア周波数のチャネルをDL送信に使用する、と選択する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。
【0104】
例えば、UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、干渉測定部106によって測定された受信レベル(干渉量)が比較的低いチャネルをDL送信に使用する、と選択しても良い。この選択方法により、基地局100は、他のシステムからの干渉が比較的少ないチャネルを使用してDL信号を送信できるため、DL信号の伝送品質の劣化を抑制できる。
【0105】
あるいは、利用可能なチャネルに対して異なるMCS(Modulation and Coding Scheme)値が設定される場合、UL/DL選択部108は、MCSの値に基づいて、チャネル選択部107によって選択されたチャネルそれぞれについて、DL区間におけるUL受信に使用するか、または、DL区間におけるDL送信に使用するか、を選択しても良い。
【0106】
例えば、UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、最もMCS値が大きいチャネルをDL送信に使用する、と選択しても良い。この選択方法により、基地局100は、DL区間におけるDL信号の送信回数(送信時間)を抑制しながら、DL信号のレートマッチングを容易に行うことができる。なお、UL/DL選択部108は、UL信号の伝送効率を改善させるために、最もMCS値が大きいチャネルをUL受信に使用する、と選択しても良い。
【0107】
あるいは、利用可能なチャネルに対して異なる送信ストリーム数が設定される場合、例えば、利用可能なチャネルに対して空間多重などの多重方法が適用され、その多重数が異なる場合、UL/DL選択部108は、送信ストリーム数に基づいて、チャネル選択部107によって選択されたチャネルそれぞれについて、DL区間におけるUL受信に使用するか、または、DL区間におけるDL送信に使用するか、を選択しても良い。
【0108】
例えば、UL/DL選択部108は、チャネル選択部107によって選択されたチャネルの中で、最も送信ストリーム数が大きいチャネルをDL送信に使用する、と選択する。この選択方法により、基地局100は、DL区間におけるDL信号の送信回数(送信時間)を抑制しながら、DL信号の伝送効率を向上させることができる。なお、UL/DL選択部108は、UL信号の伝送効率を改善させるために、最も送信ストリーム数が大きいチャネルをUL受信に使用する、と選択しても良い。
【0109】
あるいは、各チャネルから交互にDL送信を行ってもよい。また、通常は、特定のチャネルからDL送信を行い、通常DL送信を行っている特定のチャネルにおいて干渉測定を行いたい場合のみ、特定のチャネル以外の少なくとも1つのチャネルからDL送信を行ってもよい。ULのみ送信しているチャネル(
図5におけるチャネルf
22)では、フレーム境界(
図5におけるフレーム#nとフレーム#n+1の境界)のみガードタイムを挿入すればよく、DL送信直前(例えば、
図5のフレーム#n内におけるチャネルf
11のUL信号とDL信号の間)のガードタイムは不要であるため、フレーム境界に挿入するガードタイムをその分長く設定することが可能となる。このため、干渉検出に使用可能となるガードタイムを長く設定することが可能となり、干渉検出の精度を改善することが可能となる。
【0110】
なお、
図5では、基地局100によって選択されたチャネルf
11とチャネルf
22が、それぞれ、異なる周波数帯であるBand1とBand2に含まれる場合、DL区間において、基地局100がチャネルf
11を使用してDL信号を送信し、端末200がチャネルf
22を使用してUL信号を送信する例を示したが、本開示はこれに限定されない。
【0111】
例えば、DL信号に特定の情報が含まれる場合、基地局100は、チャネルf11とチャネルf22を使用してDL信号を送信しても良い。以下、実施の形態の変形例1として、この例について説明する。
【0112】
(実施の形態の変形例1)
図11は、本実施の形態の変形例1に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0113】
図11の横軸は、時間軸を示し、縦軸は、周波数軸を示す。
図11には、
図5、
図6と同様に、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図11には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。
【0114】
図11のフレーム#nのDL区間では、
図5のフレーム#nのDL区間と同様に、基地局100がチャネルf
11を使用してDL信号を送信し、端末200がチャネルf
22を使用してUL信号を送信する。一方で、
図11のフレーム#n+1のDL区間では、
図5のフレーム#n+1のDL区間と異なり、基地局100がチャネルf
11とチャネルf
22を使用してDL信号を送信する。フレーム#n+1のDL区間において送信されるDL信号には、特定の情報(特定情報)が含まれる。
【0115】
特定情報とは、基地局100から端末200へ通知する情報の中で、比較的良好な伝送品質が要求される情報であり、例えば、UL信号およびDL信号の送受信に使用するチャネルの変更を示す情報である。また、干渉検出時においては、通信に使用する周波数IDや周波数変更を示す情報等のように周波数に関する情報を基地局100から端末200に通知する必要があるが、この通信に使用する周波数IDや周波数変更を示す情報等の周波数に関する情報を、特定情報としてもよい。
【0116】
チャネルf11とチャネルf22を使用したDL信号の送信は、例えば、2フレームに1回、3フレームに1回のように、周期的に実行されても良い。この場合、チャネルf11とチャネルf22を使用したDL信号の送信の周期は、基地局100と端末200の間で予め既知である。
【0117】
あるいは、基地局100が、次のフレーム(
図11では、フレーム#n+1)のDL区間においてチャネルf
11とチャネルf
22を使用してDL信号を送信することを示すチャネル情報を、例えば、その前のフレーム(
図11では、フレーム#n)のDL区間においてチャネルf
11を使用して送信するDL信号を用いて、端末200へ通知しても良い。
【0118】
次に、
図11の例において、端末200へ通知されるチャネル情報が
図7のチャネル情報のフォーマットを有する場合について説明する。
【0119】
例えば、
図7のチャネル情報におけるチャネル#1およびチャネル#2は、それぞれ、
図11のチャネルf
11およびチャネルf
22に対応する。また、
図11では、フレーム#nとフレーム#n+1との間で、使用するチャネルは変更されない。この場合、フレーム#nのDL区間にて基地局100から送信されるDL信号のチャネル情報に含まれるチャネル#1のチャネルIDおよびチャネル#2のチャネルIDは、それぞれ、チャネルf
11のIDおよびチャネルf
22のIDとなる。また、チャネル#1の識別情報およびチャネル#2の識別情報は、それぞれ、「0」に設定される。
【0120】
また、チャネル#1のDL/UL識別情報は、フレーム#n+1のDL区間においてチャネルf11を使用してDL信号の送受信が実行されるため、「0」に設定される。また、チャネル#2のDL/UL識別情報は、フレーム#n+1のDL区間においてチャネルf22を使用してDL信号の送受信が実行されるため、「0」に設定される。
【0121】
端末200は、フレーム#nのDL区間において、それぞれ「0」に設定されたチャネル#1のDL/UL識別情報およびチャネル#2のDL/UL識別情報を含むDL信号を受信した場合、チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれる場合であっても、フレーム#n+1のDL区間において、両方のチャネルを使用してDL信号を受信する。
【0122】
次に、
図11の例において、端末200へ通知されるチャネル情報が
図8のチャネル情報のフォーマットを有する場合について説明する。
【0123】
例えば、
図8のチャネル情報におけるチャネル#1およびチャネル#2は、それぞれ、
図11のチャネルf
11およびチャネルf
22に対応する。また、
図11では、フレーム#nとフレーム#n+1との間で、使用するチャネルは変更されない。この場合、フレーム#nのDL区間にて基地局100から送信されるDL信号に含まれるチャネル#1のチャネルIDおよびチャネル#2のチャネルIDは、それぞれ、チャネルf
11のIDおよびチャネルf
22のIDとなる。
【0124】
DL送信バンド情報は、上述した本実施の形態と同様に、基地局100がDL信号を送信する周波数帯を示す情報である。上述した本実施の形態では、Band1およびBand2の2つの周波数帯が利用可能である場合、いずれか一方の周波数帯に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信するため、DL送信バンド情報は、1ビットで表される。本実施の形態の変形例1では、いずれか一方の周波数帯に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合および両方の周波数帯それぞれに含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合が存在するため、DL送信バンド情報は、2ビットで表される。
【0125】
例えば、基地局100がBand1に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「00」に設定され、基地局100がBand2に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「01」に設定され、基地局100がBand1に含まれるチャネルおよびBand2に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「11」に設定される。
【0126】
端末200は、フレーム#nのDL区間において、「11」に設定されたDL送信バンド情報を含むDL信号を受信した場合、チャネル#1とチャネル#2が異なる周波数帯に含まれる場合であっても、フレーム#n+1のDL区間において、両方のチャネルを使用してDL信号を受信する。
【0127】
以上、本実施の形態の変形例1によれば、基地局100は、端末200に対して特定の情報を送信する場合に、基地局100が選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれる場合であっても、異なる周波数帯に含まれる複数のチャネルを使用して特定の情報を含むDL信号を端末200に対して送信する。この構成により、特定の情報を含むDL信号の伝送品質を向上させることができる。
【0128】
なお、上述した本実施の形態の変形例1では、基地局100が端末200に対して特定の情報を含むDL信号を送信する場合を例に挙げたが、本開示はこれに限定されない。例えば、DL信号の伝送品質が劣悪な場合、基地局100は、異なる周波数帯に含まれる複数のチャネルを使用してDL信号を端末200に対して送信しても良い。なお、DL信号の伝送品質が劣悪な場合とは、例えば、DL信号の伝送品質(例えば、RSSI)が閾値以下の場合、あるいは、基地局100が、DL信号を受信できないことを示す応答(例えば、NACK)を端末200から複数回連続して受信した場合である。
【0129】
また、上述した実施の形態および変形例1では、一例として、基地局100と端末200とを有する無線通信システムにおいて、2つの周波数帯が利用可能であり、各周波数帯が2つのチャネルを含む場合に、基地局100が2つのチャネルを選択する例について説明した。以下、本実施の形態の変形例2では、基地局100と端末200とを有する無線通信システムにおいて、2つの周波数帯が利用可能であり、各周波数帯が2つのチャネルを含む場合に、基地局100が3つのチャネルを選択する例について説明する。
【0130】
(本実施の形態の変形例2)
基地局100のチャネル選択部107が3つのチャネルを選択した場合、基地局100のDL/UL選択部108は、2つの周波数帯のうち、選択したチャネルの数が少ない方の周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する、と選択する。
【0131】
図12は、本実施の形態の変形例2に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0132】
図12の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図12には、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図12には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。
【0133】
図12は、基地局100が、Band1に含まれるチャネルf
11およびチャネルf
12と、Band2に含まれるチャネルf
22とを選択した場合の送受信信号の例である。基地局100によって選択されたチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、基地局100によって選択された2つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、DL区間において、基地局100は、各周波数帯に含まれる、基地局100によって選択されたチャネルの数が少ない周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する。
【0134】
図12の例では、Band1に含まれるチャネルの数が2であり、Band2に含まれるチャネルの数が1であるため、DL区間において、基地局100は、Band2に含まれるチャネルf
22を使用してDL信号を送信し、端末200は、Band1に含まれるチャネルf
11およびチャネルf
12を使用してUL信号を送信する。そして、基地局100は、チャネルf
11およびチャネルf
12を使用して端末200によって送信されたUL信号を受信し、端末200は、チャネルf
22を使用して基地局100によって送信されたDL信号を受信する。
【0135】
以上、本実施の形態の変形例2によれば、基地局100は、選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、2つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、DL区間において、各周波数帯に含まれるチャネルの数が少ない周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する。この構成により、DL区間において、同時に複数のチャネルを使用してDL信号の送信とUL信号の受信を行うことができ、DL信号の送信回数(送信時間)を抑制できるため、UL信号の伝送効率をさらに向上させ、UL信号の伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0136】
なお、
図12では、各周波数帯に含まれるチャネルの数が少ない周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する例を示したが、本開示はこれに限定されない。
【0137】
例えば、各周波数帯に含まれるチャネルの数が多い周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信しても良い。以下、本実施の形態の変形例3として、この例について説明する。
【0138】
(実施の形態の変形例3)
図13は、本実施の形態の変形例3に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0139】
図13の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図13には、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図13には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。
【0140】
図13は、基地局100が、Band1に含まれるチャネルf
11と、Band2に含まれるチャネルf
21およびチャネルf
22とを選択した場合の送受信信号の例である。基地局100によって選択されたチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、基地局100によって選択された2つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、本実施の形態の変形例3では、DL区間において、基地局100は、各周波数帯に含まれる、基地局100によって選択されたチャネルの数が多い周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する。
【0141】
図13の例では、Band1に含まれるチャネルの数が1であり、Band2に含まれるチャネルの数が2であるため、DL区間において、基地局100は、Band2に含まれるチャネルf
21およびf
22を使用してDL信号を送信し、端末200は、Band1に含まれるチャネルf
11を使用してUL信号を送信する。そして、基地局100は、チャネルf
11を使用して端末200によって送信されたUL信号を受信し、端末200は、チャネルf
21およびチャネルf
22を使用して基地局100によって送信されたDL信号を受信する。
【0142】
以上、本実施の形態の変形例3によれば、基地局100は、選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、2つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、DL区間において、各周波数帯に含まれるチャネルの数が多い周波数帯のチャネルを使用してDL信号を送信する。この構成により、DL区間において、同時に複数のチャネルを使用してDL信号の送信とUL信号の受信を行うことができ、DL信号の送信回数(送信時間)を増加できるため、UL信号の伝送効率を向上させながら、UL信号だけではなく、DL信号の伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0143】
なお、上述した実施の形態および各変形例では、基地局100と端末200とを有する無線通信システムにおいて、2つの周波数帯が利用可能であり、各周波数帯が2つのチャネルを含む場合について説明した。以下、本実施の形態の変形例4では、基地局100と端末200とを有する無線通信システムにおいて、2つの周波数帯が利用可能であり、1つの周波数帯が3つ以上のチャネルを含む場合について説明する。
【0144】
(実施の形態の変形例4)
図14は、本実施の形態の変形例4に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0145】
図14の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図14には、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図14には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。
【0146】
図14は、基地局100が、Band1に含まれるチャネルf
11とチャネルf
12、および、Band2に含まれるチャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23を選択した場合の送受信信号の例である。
図14に示すように、基地局100によって選択されたチャネルが異なる周波数帯に含まれている。そして、基地局100によって選択された3つ以上のチャネル(
図14では、チャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23)を含む周波数帯(
図14では、Band2)が存在する。
【0147】
この場合、基地局100は、DL区間において、3つ以上のチャネルを含む周波数帯の中の少なくとも1つのチャネルを使用してDL信号を送信し、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する。具体的には、
図14に示すように、DL区間において、基地局100は、チャネルf
23を使用してDL信号を送信し、チャネルf
23と隣り合うチャネルf
22を使用してヌル信号を送信する(つまり、DL区間において、チャネルf
22を無送信とする)。また、DL区間において、端末200は、チャネルf
11およびチャネルf
12を使用して、UL信号を送信し、DL信号を送信するチャネルf
23と隣り合わないチャネルf
21を使用してUL信号を送信する。
【0148】
なお、基地局100によって選択された3つ以上のチャネル(
図14では、チャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23)を含む周波数帯(
図14では、Band2)が存在する場合、基地局100は、DL区間において、当該周波数帯の中で最も低いキャリア周波数のチャネルまたは最も高いキャリア周波数のチャネルを使用してDL信号を送信するのが好ましい。最も低いキャリア周波数のチャネルまたは最も高いキャリア周波数のチャネルであれば、隣り合うチャネルが1つに限られるため、ヌル信号を送信するチャネル(つまり、DL信号もUL信号も送信されないチャネル)の数を1つに限定できる。
【0149】
図14の例では、基地局100は、チャネルf
22を使用してヌル信号を送信する。このような場合、基地局100は、端末200に対して、ヌル信号を送信するチャネルの情報を含むチャネル情報を送信する。なお、ヌル信号を送信するチャネルの情報は、明示的に端末200に対して通知されても良いし、暗示的に端末に対して通知されても良い。
【0150】
<実施の形態の変形例4におけるチャネル情報の具体例>
図15は、DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第3の例を示す図である。なお、
図15のチャネル情報は、基地局100がk個(kは、3以上の整数)のチャネルを選択する場合の情報である。
【0151】
図15のチャネル情報は、チャネル#1の情報~チャネル#kの情報を含む。各チャネルの情報は、それぞれ、識別情報とチャネルIDとDL/UL識別情報とを含む。なお、識別情報とチャネルIDについては、
図7と同様であり、実施の形態において説明したので、詳細な説明は省略する。
【0152】
図15のチャネル情報では、DL/UL識別情報の設定方法が、実施の形態において説明した方法と異なる。
【0153】
具体的には、
図15のチャネル情報におけるDL/UL識別情報は、DL区間において、各チャネルを使用してDL信号の送受信を実行するか、UL信号の送受信を実行するか、または、ヌル信号の送受信を実行するか(つまり、無送信区間とするか)を識別する2ビットの情報である。
【0154】
例えば、DL区間において、チャネル#1を使用してDL信号の送受信が実行される場合、チャネル#1の情報に含まれるDL/UL識別情報は、「00」に設定される。また、DL区間において、チャネル#1を使用してUL信号の送受信が実行される場合、チャネル#1の情報に含まれるDL/UL識別情報は、「01」に設定される。また、DL区間において、チャネル#1を使用してヌル信号の送受信が実行される場合(つまり、無送信区間とする場合)、チャネル#1の情報に含まれるDL/UL識別情報は、「10」に設定される。
【0155】
図15のフォーマットでは、ヌル信号を送信するチャネルの情報が明示的に端末200に対して通知される。
【0156】
図16は、DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第4の例を示す図である。なお、
図16のチャネル情報は、
図15と同様に、基地局100がk個(kは、3以上の整数)のチャネルを選択する場合の情報である。
【0157】
図16のチャネル情報は、チャネル#1の情報~チャネル#kの情報、および、DL送信チャネル情報を含む。各チャネルの情報は、それぞれ、識別情報とチャネルIDとを含む。なお、識別情報とチャネルIDについては、
図7と同様であり、実施の形態において説明したので、詳細な説明は省略する。
【0158】
図15のチャネル情報では、DL/UL識別情報が複数のチャネル(チャネル#1~チャネル#k)の情報それぞれに含まれていたのに対し、
図16のチャネル情報は、DL/UL識別情報の代わりにDL送信チャネル情報が含まれる。
【0159】
DL送信チャネル情報は、基地局100がDL信号を送信するチャネルを示す情報である。例えば、
図14のように、基地局100が5つのチャネルを選択する場合(つまり、k=5の場合)、DL送信チャネル情報は、3ビットで表される。そして、基地局100は、DL信号を送信するチャネルに基づいて、DL送信チャネル情報を設定する。例えば、
図14におけるチャネルf
11、チャネルf
12、チャネルf
21、チャネルf
22およびチャネルf
23が、それぞれ、「000」、「001」、「010」、「011」および「100」という3ビットの情報に対応付けられているとする。そして、基地局100は、チャネルf
11、チャネルf
12、チャネルf
21、チャネルf
22およびチャネルf
23を選択し、チャネルf
23を使用してDL信号を送信する。この場合、基地局100は、DL送信チャネル情報を「100」に設定する。
【0160】
図16を用いて説明した方法では、基地局100がDL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信することは、基地局100と端末200との間で既知である。そして、ヌル信号を送信するチャネルの情報が暗示的に端末200に対して通知される。
【0161】
そのため、端末200は、チャネル情報を取得した場合に、基地局100によって選択されたチャネルおよび基地局100によってDL信号が送信されるチャネルを判定する。そして、端末200は、基地局100によって選択されたチャネルの中で、基地局100によってDL信号が送信されるチャネル、および、DL信号が送信されるチャネルと隣りあうチャネルを除くチャネルを使用してUL信号を送信する。
【0162】
図17は、DL信号に含まれるチャネル情報のフォーマットの第5の例を示す図である。なお、
図17のチャネル情報は、
図15と同様に、基地局100がk個(kは、3以上の整数)のチャネルを選択する場合の情報である。
【0163】
図17のチャネル情報は、チャネル#1の情報~チャネル#kの情報、DL送信バンド情報およびDL送信チャネル情報を含む。各チャネルの情報は、それぞれ、識別情報とチャネルIDとを含む。なお、識別情報とチャネルIDについては、
図7と同様であり、実施の形態において説明したので、詳細な説明は省略する。
【0164】
DL送信バンド情報は、基地局100がDL信号を送信する周波数帯を示す情報である。例えば、
図14のように、Band1およびBand2の2つの周波数帯が利用可能である場合、DL送信バンド情報は、1ビットで表される。そして、基地局100がBand1に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「0」に設定され、基地局100がBand2に含まれるチャネルを使用してDL信号を送信する場合、DL送信バンド情報は「1」に設定される。なお、3つ以上の周波数帯が利用可能である場合、DL送信バンド情報は、2ビット以上であっても良い。
【0165】
DL送信チャネル情報は、DL送信バンド情報によって示される周波数帯の中で、基地局100がDL信号を送信するチャネルの位置を示す情報である。
【0166】
例えば、基地局100がDL信号を送信するチャネルが、DL送信バンド情報によって示される周波数帯の中で、最も高いキャリア周波数のチャネル、または、最も低いキャリア周波数のチャネルに限定した場合、DL送信チャネル情報は1ビットで表される。そして、基地局100がDL信号を送信するチャネルが最も高いキャリア周波数のチャネルである場合、DL送信チャネル情報は「1」に設定され、基地局100がDL信号を送信するチャネルが最も低いキャリア周波数のチャネルである場合、DL送信チャネル情報は「0」に設定される。
【0167】
なお、
図17を用いて説明した方法では、基地局100がDL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信することは、基地局100と端末200との間で既知である。そして、ヌル信号を送信するチャネルの情報が暗示的に端末200に対して通知される。
【0168】
また、
図17のチャネル情報は、
図15および
図16のチャネル情報と比較して、サイズ(ビット数)を削減できる。
【0169】
以上、本実施の形態の変形例4によれば、基地局100は、選択した複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、3つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、DL区間において、3つ以上のチャネルを含む周波数帯のいずれか1つのチャネルを使用してDL信号を送信し、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する。その結果、端末200は、DL区間において、基地局100がDL信号を送信するチャネルと隣り合わないチャネルを使用してUL信号を送信することができるため、UL信号の伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0170】
なお、本実施の形態の変形例4では、基地局100によって選択された複数のチャネルが異なる周波数帯に含まれ、かつ、3つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合、DL区間において、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する例について説明した。以下、本実施の形態の変形例5では、基地局100によって選択された複数のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合に、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する例について説明する。
【0171】
(実施の形態の変形例5)
図18は、本実施の形態の変形例5に係る送受信信号の一例を示す図である。
【0172】
図18の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図18には、チャネルf
11とチャネルf
12を含むBand1と、チャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23を含むBand2の2つの周波数帯が示される。また、
図18には、n番目(nは1以上の整数)のフレーム(フレーム#n)とn+1番目のフレーム(フレーム#n+1)の2つのフレームが示される。
【0173】
図18は、基地局100が、および、Band2に含まれるチャネルf
21とチャネルf
22とチャネルf
23を選択した場合の送受信信号の例である。
【0174】
この場合、基地局100は、DL区間において、3つ以上のチャネルを含む周波数帯の中の少なくとも1つのチャネルを使用してDL信号を送信し、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する。具体的には、
図18に示すように、DL区間において、基地局100は、チャネルf
23を使用してDL信号を送信し、チャネルf
23と隣り合うチャネルf
22を使用してヌル信号を送信する(つまり、DL区間において、チャネルf
22を無送信とする)。また、DL区間において、端末200は、DL信号を送信するチャネルf
23と隣り合わないチャネルf
21を使用してUL信号を送信する。
【0175】
以上、本実施の形態の変形例5によれば、基地局100は、選択した3つ以上のチャネルが1つの周波数帯に含まれる場合であっても、DL区間において、3つ以上のチャネルを含む周波数帯のいずれか1つのチャネルを使用してDL信号を送信し、DL信号を送信するチャネルと隣り合うチャネルを使用してヌル信号を送信する。その結果、端末200は、DL区間において、基地局100がDL信号を送信するチャネルと隣り合わないチャネルを使用してUL信号を送信することができるため、UL信号の伝送効率を向上させ、伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0176】
なお、上記で説明した実施の形態および各変形例は、適宜組み合わせても良いし、適宜切替えてもよい。
【0177】
また、上記で説明した実施の形態および各変形例では、DL信号の中にチャネル情報が含まれる例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、DL信号に付加されるプリアンブル(DLプリアンブル)を複数のパターン用意し、各DLプリアンブルのパターンとチャネル情報との対応関係を基地局と端末との間で既知とすることにより、DLプリアンブルを使用してチャネル情報を端末に送信しても良い。DLプリアンブルのパターンの変更方法としては、例えば、OFDM信号におけるサブキャリアの配置を変更する方法、DLプリアンブルを周期信号とし、その周期信号の一部区間の極性を変更する方法などが挙げられる。
【0178】
また、上記で説明した各実施の形態および各変形例では、基地局100のチャネル選択部107が、干渉測定の結果に基づいて通信に使用するチャネルを選択し、UL/DL選択部108がUL受信またはDL送信を選択する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、基地局100と端末200とは、予め設定されたチャネルを使用して通信を行い、予め設定されたチャネルから他のチャネルへの変更を行わなくても良い。この場合、基地局100のUL/DL選択部108は、予め設定されたチャネルについて、DL区間におけるUL受信に使用するか、または、DL区間におけるDL送信に使用するか、を選択しても良い。予め設定されたチャネルについて、UL受信とDL送信が予め設定されていても良い。
【0179】
例えば、通信に使用するチャネル、および、当該チャネルがDL区間においてUL受信とDL送信のどちらに使用されるか、という設定が、基地局100と端末200との間で既知の場合、基地局100は、端末200に対してチャネル情報を送信しなくても良い。
【0180】
また、上記で説明した各実施の形態および各変形例における、利用可能な周波数帯および各周波数帯に含まれるチャネルの数は、一例であり、本開示はこれに限定されない。例えば、利用可能な周波数帯は3つ以上であっても良いし、各周波数帯に含まれるチャネルの数は3つ以上であっても良いし、1つであっても良い。各周波数帯に含まれるチャネルの数は、互いに異なっていても良い。
【0181】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0182】
上記各実施の形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0183】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、各機能ブロックの一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0184】
また、集積回路化の手法にはLSIに限らず、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続、設定が再構成可能なリコンフィグラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0185】
更には、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、別技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
【0186】
なお、本開示は、無線通信装置、または制御装置において実行される制御方法として表現することが可能である。また、本開示は、かかる制御方法をコンピュータにより動作させるためのプログラムとして表現することも可能である。更に、本開示は、かかるプログラムをコンピュータによる読み取りが可能な状態で記録した記録媒体として表現することも可能である。すなわち、本開示は、装置、方法、プログラム、記録媒体のうち、いずれのカテゴリーにおいても表現可能である。
【0187】
また、本開示は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本開示は、FPU等の端末、基地局に用いるに好適である。
【符号の説明】
【0189】
100 基地局
101、201 送受切替部
102-1~102-M、202-1~202-N 無線受信部
103、203 ベースバンド受信処理部
104、204 AGC/同期検出部
105、205 受信処理制御部
106 干渉測定部
107 チャネル選択部
108 UL/DL選択部
109 チャネル情報生成部
110、207 ベースバンド送信処理部
111、208 プリアンブル生成部
112、209 付加部
113-1~113-N、210-1~210-M 無線送信部
114、211 受信部
115、212 送信部
200 端末
206 チャネル情報抽出部