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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】設備装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220204BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20220204BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
E03D9/00 A
A47K17/00
H04R1/02 103Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017177999
(22)【出願日】2017-09-15
(65)【公開番号】P2019052494
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】沓澤 寛人
(72)【発明者】
【氏名】松田 信之
(72)【発明者】
【氏名】小手川 誠
(72)【発明者】
【氏名】中川 恵子
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳史
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
(72)【発明者】
【氏名】小松 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-204263(JP,A)
【文献】特開2013-106755(JP,A)
【文献】特開2003-281960(JP,A)
【文献】特開平07-317125(JP,A)
【文献】特開2008-098820(JP,A)
【文献】特開2014-014424(JP,A)
【文献】特開2015-127860(JP,A)
【文献】特開2000-278674(JP,A)
【文献】意匠登録第1059390の類似意匠登録第1号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一カバーと、
該第一カバーの一方側に配置された第二カバーと、
前記第一カバーと前記第二カバーとの間に形成された収容空間に収容されたセンサーユニットを有する機能部と、
該機能部の前記一方側と反対側の他方側に配置され、前記センサーユニットと対応する位置にセンサー領域が形成された機能パネルと、を備え、
該機能パネルは、前記第一カバーの前記他方側の面に沿う少なくとも一方向に沿って配置され、
前記機能パネルの前記一方向の少なくとも一端部は、正面視で、前記第一カバーの前記一方向の一端部と重なって配置され
前記第一カバーの前記他方側の面から前記一方側に向かって凹み、前記一方向に延びる嵌合凹部が形成され、
前記機能パネルは、前記嵌合凹部に嵌合され、
前記機能パネルの前記一端部の端面は、前記第一カバーで覆われておらず露出していて、
前記第一カバーの前記嵌合凹部の底部には、取付孔が形成されていることを特徴とする設備装置。
【請求項2】
前記機能パネルは、前記一方側の面が着色印刷されている請求項1に記載の設備装置。
【請求項3】
前記機能部は、スピーカー本体を有し、
前記機能パネルには、前記スピーカー本体に対応する位置に、前記一方側と前記他方側とを結ぶ方向に貫通する複数のスピーカー孔が形成されている請求項1または2に記載の設備装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレには、排泄時の行為音が外部に聞こえてしまうことを防止するために、水洗トイレの流水音や川のせせらぎの音を発生させる擬音装置が設置されている。この擬音装置として、センサー、停止スイッチ及びスピーカー本体等の機能部品がケース内に収容され、ケースの表側(利用者側)にフロントカバーが設けられたものが提案されている。フロントカバーには、センサー及び停止スイッチに対応する位置に貫通孔がそれぞれ形成されていて、フロントカバーがケースに取り付けられた状態で、対応する貫通孔からセンサー及び停止スイッチが露出している。また、フロントカバーには、スピーカー本体と対応する位置に、複数の貫通孔であるスピーカー孔が形成されている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-90971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の擬音装置には、センサー及び停止スイッチを露出させる貫通孔が形成されているため、貫通孔の縁(全周)とセンサー及び停止スイッチとの間の隙間から埃や水分等がケース内の機能部品側に入ってしまうという問題点がある。また、上記の擬音装置では、フロントカバーに形成された2箇所の貫通孔からそれぞれセンサー及び停止スイッチが露出しているため、これらのセンサー及び停止スイッチの色調やデザイン等が異なれば統一感がなく、意匠性が劣るという問題点もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、埃等の内部への侵入を抑制しつつ、外観を良好とすることができる設備装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る設備装置は、第一カバーと、該第一カバーの一方側に配置された第二カバーと、前記第一カバーと前記第二カバーとの間に形成された収容空間に収容されたセンサーユニットを有する機能部と、該機能部の前記一方側と反対側の他方側に配置され、前記センサーユニットと対応する位置にセンサー領域が形成された機能パネルと、を備え、該機能パネルは、前記第一カバーの前記他方側の面に沿う少なくとも一方向に沿って配置され、前記機能パネルの前記一方向の少なくとも一端部は、正面視で、前記第一カバーの前記一方向の一端部と重なって配置され、前記第一カバーの前記他方側の面から前記一方側に向かって凹み、前記一方向に延びる嵌合凹部が形成され、前記機能パネルは、前記嵌合凹部に嵌合され、前記機能パネルの前記一端部の端面は、前記第一カバーで覆われておらず露出していて、前記第一カバーの前記嵌合凹部の底部には、取付孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された設備装置では、機能パネルは第一カバーの他方側の面に沿う少なくとも一方向に沿って配置され、機能パネルの一方向の少なくとも一端部は、正面視で、第一カバーの一方向の一端部と重なって配置されている。つまり、正面視で、機能パネルの少なくとも一端部よりも外側には、第一カバーが配置されない。よって、機能パネルの一端部と第一カバーとの間には一方向に隙間が形成されてないため、一端部側から埃等が機能パネルと第一カバーとの間の隙間から機能部が収容された収容空間に侵入することがなく、埃等の内部への侵入を抑制することができる。
また、機能パネルは正面視で第一カバーの一端部まで延びているため、機能パネルは一方向に連続性があり、外観を良好とすることができる。
また、機能パネルは、第一カバーの他方側の面から一方側に向かって凹み、一方向に延びる嵌合凹部に嵌合されている。よって、機能パネルの外周から機能部が収容された収容空間に連通される隙間がないため、機能部が収容された収容空間に埃等が侵入することをより一層抑制できる。
【0008】
また、本発明に係る設備装置では、前記機能パネルは、前記一方側の面が着色印刷されていることが好ましい。
【0009】
このように構成された設備装置では、機能パネルは前記一方側の面が着色印刷されているため、他方側の面には印刷面が露出せず高級感を呈することができるとともに、印刷面が剥がれることが抑制される。
【0010】
また、本発明に係る設備装置では、前記機能部は、スピーカー本体を有し、前記機能パネルには、前記スピーカー本体に対応する位置に、前記一方側と前記他方側とを結ぶ方向に貫通する複数のスピーカー孔が形成されていてもよい。
【0011】
このように構成された設備装置では、機能パネルにおけるスピーカー本体に対応する位置に、一方側と他方側とを結ぶ方向に貫通する複数のスピーカー孔が形成されている。よって、第一カバーにスピーカー孔を形成する必要がなく、第一カバーの加工が容易である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る設備装置によれば、埃等の内部への侵入を抑制しつつ、外観を良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る擬音装置を斜め前方から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る擬音装置の分解斜視図であり、斜め前方から見た図である。
図3】本発明の一実施形態に係る擬音装置の分解斜視図であり、斜め後方から見た図である。
図4図1のA-A線断面図である。
図5】本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置を斜め前方から見た斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置を上方から見た図である。
図7】本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置の上部パネルを取り外して上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る設備装置の一例として、擬音装置を図1から図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る擬音装置を前方から見た斜視図である。
図1に示す擬音装置100は、擬音を発生するための装置である。擬音装置100は、トイレの壁(不図示)等にブラケットB(図2参照)を介して取り付けられている。
なお、以下の説明において、擬音装置100に対向する利用者側を前方と称し、利用者と反対側(壁側)を後方と称し、これら前方と後方とを結ぶ方向を前後方向と称する。また、利用者から見て左側を左側と称し、利用者から見て右側を右側と称し、これら左側と右側とを結ぶ方向を左右方向と称する。
【0017】
図2は、擬音装置100の分解斜視図であり、斜め前方から見た図である。図3は、擬音装置100の分解斜視図であり、斜め後方から見た図である。なお、図2及び図3には、擬音装置100を壁に取り付けるためのブラケットBも合わせて示している。
図2及び図3に示すように、擬音装置100は、ロアケース(第二カバー)1と、アッパーケース(第一カバー)2と、フロントパネル(機能パネル)4と、を有している。
【0018】
図2に示すように、ロアケース1は、後部ケース本体10を有している。後部ケース本体10は、正面視(前方から見て)矩形状に形成され、板厚方向を前後方向に向けた後板部11を有している。
【0019】
後板部11の外縁部には、前方に向かって立設された後部側壁部12が設けられている。後部側壁部12は、後板部11の外縁部の全周にわたって設けられている。
【0020】
図4は、図1のA-A線断面図である。
図4に示すように、後部側壁部12の前端部の外縁側には、後方に凹む段部12aが形成されている。段部12aは、後部側壁部12の全周に形成されている。
【0021】
図2に示すように、後板部11には、前方に突出する固定筒状部16が設けられている。固定筒状部16は、前後方向を軸線方向とし、円筒状をなしている。後板部11から固定筒状部16に連通して、前後方向に貫通する貫通孔16hが形成されている。固定筒状部16は、後板部11の四隅及び上部における左右方向の略中央に設けられている。
【0022】
後板部11には、前方に突出する係止筒状部17が設けられている。係止筒状部17は、前後方向を軸線方向とし、上下方向に長い筒状をなしている。後板部11から係止筒状部17に連通して、前後方向に貫通する貫通孔17hが形成されている。係止筒状部17は、後板部11の四隅近傍に設けられている。詳細には、係止筒状部17は、後板部11の上部の隅部の固定筒状部16よりも僅かに下方及び後板部11の下部の隅部の固定筒状部16よりも僅かに上方に設けられている。係止筒状部17には、ブラケットBの係止片b1が係止可能とされている。
【0023】
図3に示すように、後板部11の下部には、電線引き込み開口11hが形成されている。電線引き込み開口11hには、後述するVVFケーブルc1が挿通可能とされている。電線引き込み開口11hには、後板部11の後面から開閉自在な電源カバー11kが設けられている。
【0024】
後板部11において、電線引き込み開口11hよりも上方には、スイッチ用開口11jが形成されている。スイッチ用開口11jには、後板部11の後面から開閉自在なスイッチカバー11mが設けられている。
【0025】
図2に示すように、アッパーケース2は、前部ケース本体20を有している。前部ケース本体20は、正面視矩形状に形成され、板厚方向を前後方向に向けた前板部21を有している。
【0026】
図2から図4に示すように、前板部21は、ロアケース1の後板部11の前方に配置されている。前板部21とロアケース1の後板部11との間は、後述する作動ランプ50、センサーユニット60、スピーカーユニット90、第一基板51、第二基板52、端子ユニット80及びスイッチ70等を収容可能な収容空間Sとされている。
【0027】
図2に示すように、前板部21の前面(他方側の面)21fの上下方向の中間部には、上壁部22及び下壁部23が形成されている。上壁部22及び下壁部23は、前板部21の前面21fから後方に向かって折曲されている。上壁部22及び下壁部23は、前板部21の左右方向の全長に形成されている。上壁部22は、下壁部23よりも上方に配置されている。上壁部22の後端部と下壁部23の後端部とは、底壁部24により接続されている。
【0028】
これら上壁部22、下壁部23及び底壁部24により、前板部21の前面21fから後方に凹む嵌合凹部25が形成されている。嵌合凹部25は、前板部21の上下方向の略中央に形成されている。嵌合凹部25は、前板部21の左右方向全長にわたって形成されている。嵌合凹部25は、正面視左右方向に長い矩形状をなしている。
【0029】
嵌合凹部25の底壁部24には、スピーカー取付孔24h、ランプ取付孔24j及びセンサー取付孔24kが形成されている。各取付孔24h,24j,24kは、前板部21(底壁部24)を前後方向に貫通して形成されている。スピーカー取付孔24h、ランプ取付孔24j及びセンサー取付孔24kは、正面視で右側から左側に向かってこの順で並んで配置されている。
【0030】
スピーカー取付孔24hは、正面視略円形状をなしている。スピーカー取付孔24hの中心には、略円形状をなす中央接続部26が設けられている。中央接続部26には、上方、下方且つ左方、及び下方且つ右方のそれぞれに延びる接続片部27が設けられている。3本の接続片部27における中央接続部26側と反対側の端部は、嵌合凹部25の底壁部24のスピーカー取付孔24hの外縁部に接続されている。
【0031】
ランプ取付孔24jは、正面視略円形状をなしている。センサー取付孔24kは、正面視矩形状をなしている。
【0032】
前板部21の外縁部には、後方に向かって立設された前部側壁部32が設けられている。前部側壁部32は、前板部21の外縁部の全周にわたって設けられている。
【0033】
図4に示すように、前部側壁部32の後端部の外縁側には、後方に突出する突出壁部32aが形成されている。突出壁部32aはロアケース1の後部側壁部12の段部12aに対向配置され、突出壁部32aと段部12aとは係合されている。これにより、アッパーケース2とロアケース1とは組み付けられ、上下方向及び左右方向の移動が規制されている。
【0034】
図3に示すように、前板部21の後面には、後方に突出する固定筒状部36が設けられている。固定筒状部36は、前後方向を軸線方向とし、円筒状をなしている。固定筒状部36には、前後方向に延びる取付穴36hが形成されている。取付穴36hには、雌ネジ(不図示)が形成されている。固定筒状部36はロアケース1の固定筒状部16と対応する位置に設けられ、固定筒状部36の取付穴36hはロアケース1の固定筒状部16の貫通孔16hと連通している。ロアケース1の固定筒状部16の貫通孔16hに後方から挿通された螺子16zが、アッパーケース2の固定筒状部36の取付穴36hに螺合されている。
【0035】
前板部21の後面には、後方に突出する係止筒状部37が設けられている。係止筒状部37は、前後方向を軸線方向とし、上下方向に長い筒状をなしている。係止筒状部37には、前後方向に延びる取付穴37hが形成されている。係止筒状部37はロアケース1の係止筒状部17と対応する位置に設けられ、係止筒状部37の取付穴37hはロアケース1の係止筒状部17の貫通孔17hと連通している。貫通孔17hの上面には、下方に突出する突出片(不図示)が設けられている。貫通孔17hに挿通されたブラケットBの係止片b1は、突出片に係止されている。詳細には、係止片b1の下部は突出片の下方に配置され、係止片b1の先端部は貫通孔17hから取付穴37hにまたがって突出片の前方に配置されている。
【0036】
アッパーケース2には、機能部として、作動ランプ50、第一基板51、センサーユニット60、スイッチ70、第二基板52、端子ユニット80及びスピーカーユニット90が取り付けられている。
【0037】
作動ランプ50は、アッパーケース2の後方から、ランプ取付孔24jに設けられている。
【0038】
第一基板51は、アッパーケース2の後部に設けられている。第一基板51の前面には、図2に示すセンサーユニット60が設けられている。センサーユニット60は、筐体61と、筐体61内に配置された3個の投光素子66a,66b,66c及び受光素子67とを有している。受光素子67は、投光素子66a,66b,66cよりも上方に配置されている。センサーユニット60は、アッパーケース2のセンサー取付孔24kに、投光素子66a,66b,66c及び受光素子67が略前方を向くように配置されている。投光素子66a,66b,66cから光信号が送信され、光信号が対象物に当たって反射して、受光素子67が反射信号を受信することにより、センサーユニット60は対象物の存在の有無を検知している。
【0039】
投光素子66a,66b,66cのうち、正面視で最も右側に配置された(操作情報41に最も近い)投光素子66aは、操作情報41の前方に向かって(前方に向かうにしたがって次第に右側に向かう方向に)光信号を送信して、操作情報41の前方にかざされた手等を検知(指向)可能である。また、正面視で真ん中に配置された投光素子66b及び正面視で最も左側に配置された投光素子66cは、それぞれ前方及び前方に向かうにしたがって次第に左側に向かう方向に向かって光信号を送信して、センサーユニット60の前方にいる利用者を検知可能である。
【0040】
図3に示すように、第一基板51の後面には、スピーカーユニット90から出力される擬音の音量等を調節可能なスイッチ70が設けられている。スイッチ70は、ロアケース1のスイッチ用開口11j内に配置されている。
【0041】
第二基板52は、アッパーケース2の後部に設けられている。第二基板52の後面には、VVFケーブルc1が接続された端子ユニット80が設けられている。端子ユニット80は、ロアケース1の電線引き込み開口11h内に配置されている。
【0042】
スピーカーユニット90は、アッパーケース2の後部に設けられている。スピーカーユニット90は、スピーカー本体91と、スピーカー取付部92と、を有している。スピーカー取付部92は、図2に示すアッパーケース2のスピーカー孔47に設けられた中央接続部26及び接続片部27に対応した形状をなしている。スピーカー本体91は、アッパーケース2の後面とスピーカー取付部92との間に挟み込まれている。スピーカー取付部92は、アッパーケース2の前板部21の後面から後方に突設された固定片28に螺合されている。スピーカーユニット90は、アッパーケース2に形成されたスピーカー取付孔24hの位置に対応して、後方に配置されている。
【0043】
センサーユニット60が対象物の存在を検知すると、センサーユニット60の受光素子67からの検知信号が不図示の制御部に送信される。制御部は、検知信号を受信すると、スピーカーユニット90に出力信号を送信する。スピーカーユニット90は出力信号を受信すると、擬音を出力し、所定時間経過後に擬音は停止する。また、擬音の出力中に、センサーユニット60が対象物の存在を検知すると、センサーユニット60からの検知信号が不図示の制御部に送信される。制御部は、検知信号を受信すると、スピーカーユニット90に停止信号を送信する。スピーカーユニット90は停止信号を受信すると、擬音の出力を停止する。
【0044】
図1に示すように、フロントパネル4は、アッパーケース2の嵌合凹部(前面)25に沿って、嵌合凹部25に沿う左右方向にわたって配置されている。フロントパネル4は、板状をなし、正面視矩形状に形成され、板厚方向を前後方向に向けて配置されている。フロントパネル4は、アッパーケース2の嵌合凹部25と対応した形状をなしている。換言すると、フロントパネル4の上下方向の長さは、嵌合凹部25の上壁部22から下壁部23までの長さと略同一である。フロントパネル4の左右方向の長さは、嵌合凹部25の左右方向の長さ(アッパーケース2の前板部21の左右方向の長さ)と略同一である。フロントパネル4の厚みは、嵌合凹部25の深さ(前後方向の長さ)と略同一である。擬音装置100を正面視して(アッパーケース2及びフロントパネル4と対向する方向から見て)、フロントパネル4の右端部4c及び左端部4dは、アッパーケース2の右端部32c及び左端部4dとそれぞれ重なって配置されている。フロントパネル4の右端部4cの右端部4cの端面及び左端部4dの端面は、それぞれアッパーケース2に覆われずに露出している。
【0045】
図4に示すように、フロントパネル4は、嵌合凹部25に嵌合されている。本実施形態では、フロントパネル4は、後面に貼着された両面テープ(不図示)により、アッパーケース2の嵌合凹部25の底壁部24に取り付けられている。
【0046】
フロントパネル4の前面4fは、アッパーケース2の前面21fと略同一平面上に配置されている。詳細には、フロントパネル4の前面4fは、アッパーケース2の前面21fよりも僅かに後方に配置されている。
【0047】
図2に示すように、フロントパネル4の左右方向の略中央には、操作方法を示す操作情報41が設けられている。換言すると、図1に示すように、操作情報41は、正面視でセンサーユニット60と隣り合いつつ、センサーユニット60の右側に配置されている。本実施形態では、操作情報41として、手を示すピクトグラム(絵文字)及び「再生/停止」、「PLAY/STOP」と記載された文字が示されている。なお、操作情報41は、ピクトグラムのみ又は文字のみであってもよい。
【0048】
図2に示すように、フロントパネル4において、操作情報41の上方には、後述する作動ランプ50の光が透過可能なランプ透過部42が設けられている。ランプ透過部42は、作動ランプ50と対応する位置に設けられている。
【0049】
フロントパネル4の右側には、スピーカー孔47及びダミー穴46が、上下方向に間隔を有して配置された列をなすととともに、当該列が左右方向に間隔を有して複数列配置されている。全体として、正面視略矩形となるように配列され、スピーカー領域Xが形成されている。
【0050】
スピーカー領域Xのうち、四隅に、複数のダミー穴46が形成されている。ダミー穴46は、フロントパネル4の板厚方向に貫通されていない穴である。本実施形態では、ダミー穴46は、フロントパネル4の前面4fから後方に凹む形状をなしている。
【0051】
スピーカー領域Xのうち、ダミー穴46以外の箇所に、板厚方向に貫通された複数のスピーカー孔47が形成されている。スピーカー孔47は、アッパーケース2のスピーカー取付孔24hと対応した位置に形成されている。
【0052】
フロントパネル4の左側は、後述するセンサーユニット60の投光素子66a,66b,66cが拡散可能なセンサー領域Yとされている。センサー領域Yは、センサーユニット60と対応する位置に設けられている。
【0053】
図3に示すように、フロントパネル4のセンサー領域Yの後面(一方側の面)4bには、投光素子66a,66b,66cと受光素子67との間の高さ位置に、溝部4jが形成されている。溝部4jは、後面4bから前方に凹むとともに、左右方向に延びている。
【0054】
本実施形態では、フロントパネル4は、透明のアクリル樹脂で成型された後、センサー領域Yに溝部4jを形成する。次いで、フロントパネル4の後面4bから操作情報41を印刷する。次いで、センサー領域Y及びランプ透過部42をマスキングして、後面4bから黒色印刷をする。次いで、ランプ透過部42に、後面4bから光を拡散させる印刷をする。次いで、センサー領域Yの後面4bに、可視光カットのフィルター(不図示)を設けている。
【0055】
次に、上記の擬音装置100の壁への取付方法を説明する。
まず、螺子(不図示)をブラケットBの取付孔b2(図2参照)に挿通して、壁に螺子止めしておく。壁内のVVFケーブルc1をロアケース1の電線引き込み開口11hから引き込み、端子ユニット80に接続する。電線引き込み開口11hを、電源カバー11kで閉塞する。この際に、スイッチ70を操作して、擬音の音量等を調整しておく。
【0056】
次に、螺子16zをロアケース1の固定筒状部16に挿通して、フロントパネル4が固定されたアッパーケース2の固定筒状部36に螺合して、アッパーケース2とロアケース1とを一体にしておく。
【0057】
次に、ブラケットBの係止片b1を、ロアケース1の係止筒状部17に係止させる。これにより、擬音装置100がブラケットBを介して壁に取り付けられる。
【0058】
上記の擬音装置100では、利用者が操作情報41の前方に手をかざすと、投光素子66aから送信された光信号が、手(対象物)に当たって反射して、受光素子67が反射信号を受信する。受光素子67は、反射信号に基づいて検知信号を制御部に送信する。制御部は、出力信号をスピーカーユニット90に送信する。スピーカーユニット90は、出力信号に基づいて擬音を出力し、所定時間経過後に擬音は停止する。
また、擬音の出力中に、利用者が操作情報41の前方に手をかざすと、上記と同様に、投光素子66aから送信された光信号が手に当たって反射して、受光素子67が反射信号を受信する。センサーユニット60は、反射信号に基づいて検知信号を制御部に送信する。制御部は、停止信号をスピーカーユニット90に送信する。スピーカーユニット90は、停止信号に基づいて擬音の出力を停止する。
また、制御部は検知信号を受信すると、作動ランプ50にランプ出力信号を送信する。作動ランプ50は、ランプ出力信号を受信するとランプを点灯させ、所定時間経過後にランプは消灯する。
また、擬音装置100の前方に利用者がいる場合、投光素子66b,66cから送信された光信号が、利用者に当たって反射して、受光素子67が反射信号を受信する。受光素子67は、反射信号に基づいて検知信号を制御部に送信する。制御部は、出力信号をスピーカーユニット90に送信する。スピーカーユニット90は、出力信号に基づいて擬音を出力し、所定時間経過後に擬音は停止する。
【0059】
このように構成された擬音装置100では、フロントパネル4は、アッパーケース2の前面21fに沿って前面21fに沿う左右方向にわたって配置されている。つまり、フロントパネル4の外周のうち左右方向と交差する方向(上下方向)、つまりフロントパネル4に右側及び左側には、アッパーケース2が配置されない。よって、フロントパネル4の正面視で右側及び左側には、アッパーケース2との間に隙間が形成されてないため、フロントパネル4の右側及び左側から埃等が作動ランプ50、第一基板51、センサーユニット60、スイッチ70、第二基板52、端子ユニット80及びスピーカーユニット90等が収容された収容空間Sに侵入することがなく、埃等の内部への侵入を抑制することができる。
【0060】
また、フロントパネル4はアッパーケース2の前面41fに沿う左右方向にわたって配置されているため、フロントパネル4は左右方向に連続性があり、外観を良好とすることができる。
【0061】
また、フロントパネル4は後面4bが着色印刷されているため、前面4fには印刷面が露出せず高級感を呈することができるとともに、印刷面が剥がれることが抑制される。
【0062】
また、フロントパネル4には、スピーカー本体91に対応する位置に、前後方向に貫通する複数のスピーカー孔47が形成されている。よって、アッパーケース2にスピーカー孔を形成する必要がなく、アッパーケース2の加工が容易である。
【0063】
また、フロントパネル4は、アッパーケース2の前面から後方に向かって凹み一方向に延びる嵌合凹部25に嵌合されている。よって、フロントパネル4の外周から収容空間Sに連通される隙間がないため、埃等が収容空間Sに侵入することがより一層抑制される。
【0064】
次に、本発明の一実施形態の変形例について、主に図5から図8を用いて説明する。
なお、以下の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置を斜め前方から見た斜視図である。図6は、本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置を上方から見た図である。図7は、本発明の一実施形態の変形例に係る洗浄スイッチ装置の上部パネルを取り外して上方から見た図である。
図5から図8に示す本変形例に係る洗浄装置は、トイレを洗浄するスイッチである洗浄スイッチ装置である。洗浄スイッチ装置200は、下部ケース体201と、下部ケース体201の上方に設けられる上部ケース体202と、上部ケース体202の上面に設けられる上部パネル(機能パネル)204と、を有している。
【0065】
図5に示すように、下部ケース体201は、略水平面に沿って配置される底壁部(第二カバー)211と、底壁部211の左右両端部から上方に立設された立設壁部212と、を有している。
【0066】
上部ケース体202は、略水平面に沿って配置される上面部(第一カバー)221と、上面部221の外縁から下方に延びる側部カバー部222と、を有している。
【0067】
図7に示すように、上面部221には、板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上面部221は、上面部221を正面視して(上方から見て)略矩形状に形成されるとともに、四隅部が円弧状に形成されている。
【0068】
上面部221には、上下方向に貫通するセンサー取付孔221hが形成されている。センサー取付孔221hは、上面部221の前後方向(図7に示す紙面上下方向)の略中央に配置されている。上面部221には、下方に凹む嵌合溝226が形成されている。
【0069】
側部カバー部222は、上面部221の四周に形成されている。図5に示すように、側部カバー部222のうち前側(利用者側)には、前後方向に貫通する人体センサー取付孔222hが形成されている。人体センサー取付孔222hは、閉塞板223で閉塞されている。
【0070】
下部ケース体201と、上部ケース体202とで形成された収容空間S1には、センサーユニット260(図7参照)、制御部(不図示)、洗浄機構(不図示)等の機能部が収容されている。
【0071】
図7に示すように、センサーユニット260は、上面部221を正面視して、上面部221のセンサー取付孔221hに配置されている。センサーユニット260は、筐体261と、筐体261内に配置された投光素子266及び受光素子267とを有している。投光素子266は、受光素子267よりも前方(利用者側)に配置されている。
【0072】
図6に示すように、投光素子266は、後述する上部パネル204の操作情報241の上方に向かって配置されている。投光素子266は、操作情報241の上方に向かって光信号を送信して、操作情報241の上方にかざされた手等を検知(指向)可能である。受光素子267は、操作情報241の上方に向かって配置されている。受光素子267は、操作情報241の上方にかざされた手で反射された反射信号を受信可能である。
【0073】
図5に示すように、収容空間S内には、上部ケース体202の閉塞板223と対応する位置に、人体センサー用の投光素子及び受光素子(不図示)が設けられている。
【0074】
上部パネル204は、板状に形成され、板厚方向を上下方向に向けて配置されている。上部パネル204を正面視して、上部パネル204は、上部ケース体202の上面部221と略同一形状に形成されている。上部パネル204の上下方向及び左右方向の長さは、上面部221の上下方向及び左右方向の長さと略同一である。洗浄スイッチ装置200を正面視して(上部パネル204及び上面部221と対向する方向から見て)、上部パネル204の外縁部(端部)(図6参照)204aは、上面部221の外縁部(端部)221a(図7参照)と重なって配置されている。上部パネル204の外縁部204aは、上面部221に覆われずに露出している。
【0075】
上部パネル204の下面には、上部ケース体202の上面部221の嵌合溝226(図7参照)に対応する形状の嵌合突起(不図示)が設けられている。嵌合突起が嵌合溝226に嵌合されることで、上部パネル204は、上部ケース体202の上面部221の上面に取り付けられている。なお、上部パネル204の下面に両面テープ(不図示)を貼着して、上面部221に取り付けられていてもよい。
【0076】
図6に示すように、上部パネル204のうち、正面視でセンサーユニット260と対応する位置は、センサーユニット260の投光素子266が拡散可能なセンサー領域Y1とされている。
【0077】
上部パネル204の左右方向の略中央には、対象物を所定の位置に案内させる操作情報241が設けられている。換言すると、操作情報241は、正面視でセンサーユニット260と隣り合いつつ、センサーユニット260の右側に配置されている。本実施形態では、操作情報241として、水の流れ(渦巻き)を示すピクトグラム(絵文字)及び「手をかざしてください」、「Place your hand over the sensor.」と記載された文字が示されている。また、これらの操作情報241の後方(図6の紙面上方)には、「流す」、「Flush」の文字が記載されている。
【0078】
上記の洗浄スイッチ装置200では、利用者が操作情報241の上方に手をかざすと、投光素子266から送信された光信号が、手(対象物)に当たって反射して、受光素子267が反射信号を受信する。受光素子267は、反射信号に基づいて検知信号を制御部に送信する。制御部は、出力信号を洗浄機構に送信する。洗浄機構は、出力信号に基づいてポンプ等を作動させ、洗浄水を流出する。
また、利用者が退出すると、人体センサー用の投光素子から送信された光信号が、利用者に当たって反射して、人体センサー用の受光素子が反射信号を受信する。人体センサー用の受光素子は、反射信号に基づいて検知信号を制御部に送信する。制御部は、出力信号を洗浄機構に送信する。洗浄機構は、出力信号に基づいてポンプ等を作動させ、洗浄水を流出する。
【0079】
このように構成された洗浄スイッチ装置200では、上部パネル204は、上部ケース体202の上面部221の上面の全面にわたって配置されている。よって、上部パネル204を正面視(上方から見て)外周全域には、上部ケース体202との間に隙間が形成されてないため、外周全域から、センサーユニット260や制御部や洗浄機構等の機能部が収容された収容空間S1に埃等が侵入することがなく、埃等の内部への侵入を抑制することができる。
【0080】
また、上部パネル204は上部ケース体202の上面部221の上面の全面にわたって配置されているため、スマートな外観を呈することができる。
【0081】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0082】
例えば、上記に示す実施形態では、設備装置の一例として擬音装置100や洗浄スイッチ装置200を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、他の設備装置にも適用可能である。
【0083】
また、上記に示す実施形態では、壁面にブラケットBが設けられ、ブラケットBに擬音装置100が取り付けられ、VVFケーブルc1から動力が供給される形態の擬音装置100を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。壁面にブラケットが設けられ、ブラケットに擬音装置が取り付けられ、擬音装置の内部に設けられた電池から動力が供給される所謂電池式の擬音装置であってもよい。あるいは、壁に設けられた貫通孔に四方枠状に形成されたブラケットが配置され、ブラケットの内部にロアケースが納められた所謂埋め込み式の擬音装置100であってもよい。
【0084】
また、上記に示す実施形態では、フロントパネル4は、アッパーケース2の左右方向にわたって配置されているが、本発明はこれに限られない。機能パネルは、第一カバーの他方側の面に沿う少なくとも一方向に沿って配置されて配置されていればよく、例えばアッパーケース2の上下方向にわたって配置されていてもよい。また、第一カバーの嵌合凹部は、機能パネルが配置される方向と同一の方向に延びるように形成されていればよい。
【0085】
また、上記に示す実施形態では、フロントパネル4は、透明のアクリル樹脂に後面4bから黒色に印刷がされるとともに、可視光カットのフィルターが設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、赤外線透過樹脂を用いて機能パネルを材着で成形して、ピクトグラム等を機能パネルの表面から印刷する構成であってもよい。あるいは、機能パネルを赤外線透過塗料の黒色で印刷して構成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…ロアケース(第二カバー)
2…アッパーケース(第一カバー)
4…フロントパネル(機能パネル)
25…嵌合凹部
41…操作情報
46…ダミー穴
47…スピーカー孔
50…作動ランプ(機能部)
51…第一基板(機能部)
52…第二基板(機能部)
60,260…センサーユニット(機能部)
66a,66b,66c…投光素子
67…受光素子
70…スイッチ(機能部)
80…端子ユニット(機能部)
90…スピーカーユニット(機能部)
91…スピーカー本体
100…擬音装置(設備装置)
200…洗浄スイッチ装置(設備装置)
204…上部パネル(機能パネル)
211…底壁部(第二カバー)
221…上面部(第一カバー)
B…ブラケット
S,S1…収容空間
X…スピーカー領域
Y,Y1…センサー領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7