(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
A63F5/04 651
(21)【出願番号】P 2017182592
(22)【出願日】2017-09-22
【審査請求日】2020-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】梶原 涼
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐太
【審査官】森口 忠紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-012215(JP,A)
【文献】特開2017-063982(JP,A)
【文献】特開2017-046959(JP,A)
【文献】特開2017-000447(JP,A)
【文献】特開2009-089903(JP,A)
【文献】特開2017-079901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技者の複数回の操作を受け付け可能な操作手段と、
画像を表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示される画像には、
特典が付与される期待度を示唆する所定画像と、
前記操作手段に対する前記複数回の操作を促す操作画像とが含まれ、
前記表示手段は、前記所定画像に前記操作画像を重畳させて表示することが可能であり、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されるときは、前記所定画像に前記操作画像が重畳されずに表示されるときよりも、当該所定画像に対する視認性が低下し、
前記表示手段は、前記操作画像の表示を終了した以降も前記所定画像の表示を継続し、
前記操作画像は複数の特定画像により構成されており、前記操作手段が操作を受け付けるたびに、前記複数の特定画像のうち一の特定画像
が消去
され、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されているときに、前記操作手段が操作を受け付けるたびに、前記操作画像を構成する前記複数の特定画像のうち一の特定画像が消去されることで、前記所定画像のうち前記操作画像と重畳しない部分から遊技者が
視認可能な前記期待度が変化するように前記所定画像のうち前記操作画像と重畳しない部分が段階的に拡大可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンがある。さらに、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、遊技用価値を遊技者に付与するパチンコ遊技機がある。
【0003】
このような遊技機として、液晶表示器51に、入賞可能な役を示唆する画像とストップスイッチに対する操作を促す画像とを表示するスロットマシンがあった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したスロットマシンにおいては、入賞可能な役を示唆する画像のような所定画像に対して、ストップスイッチに対する操作を促す画像が重畳して表示されると、所定画像に対する遊技者の視認性が低下する虞があるが、その対策について何ら鑑みられていなかった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の画像が重畳して表示された場合でも所定画像に対する遊技者の視認性を確保することができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技者の複数回の操作を受け付け可能な操作手段と、
画像を表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示される画像には、
特典が付与される期待度を示唆する所定画像と、
前記操作手段に対する前記複数回の操作を促す操作画像とが含まれ、
前記表示手段は、前記所定画像に前記操作画像を重畳させて表示することが可能であり、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されるときは、前記所定画像に前記操作画像が重畳されずに表示されるときよりも、当該所定画像に対する視認性が低下し、
前記表示手段は、前記操作画像の表示を終了した以降も前記所定画像の表示を継続し、
前記操作画像は複数の特定画像により構成されており、前記操作手段が操作を受け付けるたびに、前記複数の特定画像のうち一の特定画像
が消去
され、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されているときに、前記操作手段が操作を受け付けるたびに、前記操作画像を構成する前記複数の特定画像のうち一の特定画像が消去されることで、前記所定画像のうち前記操作画像と重畳しない部分から遊技者が
視認可能な前記期待度が変化するように前記所定画像のうち前記操作画像と重畳しない部分が段階的に拡大可能である。
なお、遊技機は、以下の構成であってもよい。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1,変形例におけるパチンコ遊技機)であって、
遊技者が操作可能な操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
画像を表示する表示手段(たとえば、液晶表示器51)とを備え、
前記表示手段に表示される画像には、所定画像(たとえば、期待度示唆画像81b)と前記操作手段に対する操作を促す操作画像(たとえば、ナビ画像81a)とが含まれ、
前記表示手段は、前記所定画像に前記操作画像を重畳させて表示することが可能であり(たとえば、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示される)、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されるときは、前記所定画像に前記操作画像が重畳されずに表示されるときよりも、当該所定画像に対する視認性が低下し(たとえば、
図2(a1),
図3(b2)に示すように期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されるときは、
図3(b5)~(b8)に示すように期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されずに表示されるときよりも、期待度示唆画像81bに対する視認性が低下する)、
前記表示手段は、前記操作画像の表示を終了した以降も前記所定画像の表示を継続する
(たとえば、
図3(b5)~(b8)に示すように、第3停止操作によりナビ画像81aの表示が終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する)。
【0008】
(2) 上記(1)の遊技機において、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L,2C,2R)をさらに備え、
前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されるときの当該所定画像および当該操作画像の表示領域は、前記可変表示部の近傍に位置する(たとえば、
図2(a1)に示すように、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aの表示領域は、リール2L,2C,2Rの真上に位置する表示領域である)。
【0009】
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記表示手段は、遊技が開始したことに基づいて前記所定画像の表示を開始する(たとえば、
図3(b2)に示すように、スタートスイッチ7の操作により遊技が開始したことに基づいて期待度示唆画像81bの表示が開始する)。
【0010】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかの遊技機において、
前記表示手段は、前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されるときの当該所定画像および当該操作画像の表示領域(たとえば、
図2(a1)に示すように、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aが表示される画面中央の表示領域)とは異なる表示領域(たとえば、
図2(a4)に示すように、遊技情報画像81cが表示される画面端の表示領域)において特別画像(たとえば、遊技情報画像81c)を表示することが可能であり、
前記所定画像は、遊技中において表示されないことがある遊技に関する画像であり(たとえば、期待度示唆画像81bは、バトル演出が実行されていない遊技においては表示されず、
図3に示すように、バトル演出が実行されている遊技においては表示される画像である)、
前記特別画像は、遊技中において常に表示される遊技に関する画像である(たとえば、遊技情報画像81cは、遊技中において常に表示される画像である)。
【0011】
(5) 上記(1)~(4)のいずれかの遊技機において、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L,2C,2R)と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41が実行する内部抽選処理)と、
表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部が実行するリール制御処理)とをさらに備え、
前記表示手段は、
前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果(たとえば、押し順ベル当選)であるときに、当該特定決定結果に対応する前記操作手段の操作態様(たとえば、正解手順)を示唆する示唆情報(たとえば、ナビ情報)を示した前記操作画像を表示し(たとえば、
図3(b2),
図5(b2)に示すように、押し順ベルが当選したときに、押し順ベルの正解手順を示唆するナビ情報を示したナビ画像81aが表示される)、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において、当該特定決定結果に対応する操作態様で前記操作手段が操作されたときには、当該操作態様で前記操作手段が操作されたときに前記操作画像の表示を終了し、当該終了した以降も前記所定画像の表示を継続し(たとえば、
図3(b2)~(b8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、正解手順で操作されたときにナビ画像81aの表示が終了し(
図3(b5))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図3(b5)~(b8))、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において、当該特定決定結果に対応する操作態様で前記操作手段が操作されなかったときには、当該操作態様で前記操作手段が操作されなかったときに前記操作画像の表示を終了し、当該終了した以降も前記所定画像の表示を継続する(たとえば、
図5(c2)~(c8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像81aの表示が終了し(
図5(c3))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図5(c3)~(c8))。
【0012】
(6) 上記(5)の遊技機において、
前記表示手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において、当該特定決定結果に対応する操作態様で前記操作手段が操作されなかったときには、当該操作態様で前記操作手段が操作されなかったときに前記操作画像の表示を終了するとともに当該表示手段に含まれる画面の表示態様を変更し、当該終了した以降も前記所定画像の表示を継続する(たとえば、
図5(c2)~(c8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像81aの表示が終了するとともに液晶表示器51の画面の明度を下げ(
図5(c3))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図5(c3)~(c8)))。
【0013】
(7) 上記(1)~(6)のいずれかの遊技機において、
前記表示手段は、
前記所定画像の表示態様(たとえば、期待度示唆画像81b中の星画像の色)を変化させて表示することで遊技者にとっての有利度合いが高くなったことを示唆し(たとえば、
図3(b6),(b7)に示すように、期待度示唆画像81b中の星画像の色が黄色から赤に変化して表示されることで、上乗せ当選している可能性が高くなったことを示唆する)、
前記操作画像の表示を終了した以降に前記所定画像の表示態様を変化させて表示することが可能である(たとえば、
図3(b5)~(b7)に示すように、ナビ画像81aの表示が終了した(
図3(b5))以降に、期待度示唆画像81b中の星画像の色が黄色から赤に変化して表示される(
図3(b7)))。
【0014】
(8) 上記(7)の遊技機において、
前記表示手段は、前記操作手段(たとえば、演出用スイッチ56)が特定操作(たとえば、押下操作)されることに基づき前記所定画像の表示態様を変化させて表示し(たとえば、
図3(b5),(b6)に示すように、演出用スイッチ56(
図3(b6))が操作されると、期待度示唆画像81b中の星画像の色が黄色から赤に変化して表示される(
図3(b7)))、
前記特定操作は、前記所定画像に前記操作画像が重畳されて表示されているときには有効化されず、当該操作画像の表示が終了した以降において有効化される(たとえば、
図3,
図9に示すように、演出用スイッチ56は、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているときには有効化されず(
図3(b2)~(b4),
図9のt1以前)、ナビ画像81aの表示が終了した以降(
図3(b5)以降,
図9のt1以降)において有効化される)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
【
図2】バトル演出において表示される画像の階層構造を説明するための図である。
【
図3】バトル演出において正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。
【
図4】バトル演出において正解手順で操作されたときの演出実行例において上乗せ当選の期待度が異なる例について説明するための図である。
【
図5】バトル演出において不正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。
【
図6】セリフ演出において表示される画像の階層構造を説明するための図である。
【
図7】セリフ演出において正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。
【
図8】セリフ演出において不正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。
【
図9】演出用スイッチの操作による期待度示唆表示の変化を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る遊技機としてスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0017】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、
図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
【0018】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、画像を表示する液晶表示器51を備える。液晶表示器51の下方には、透視窓が形成されている。遊技者は、この透視窓を介してスロットマシン1の内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。各リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の識別情報である図柄が所定の順序で配列されている。透視窓の下方には、演出に用いるための演出用スイッチ56と、ゲーム(遊技)を開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、それぞれのリールの回転を停止させて表示結果を導出させるために操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rとが設けられている。
【0019】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作を検出し、検出した操作に応じて遊技の進行に係る制御を行う。
【0020】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号や、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示を制御する。液晶表示器51の画像表示に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。
【0021】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、図示しないメダル投入部にメダルを投入するか、図示しないBETスイッチを操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインとは、透視窓に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。
【0022】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、メイン制御部41は、導出を許容する表示結果を決定する。また、スタートスイッチ7が操作されると、メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示させる。ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、メイン制御部41は、対応するリールの回転を停止する。リールの回転が停止することで、透視窓の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。メイン制御部41は、導出を許容した表示結果と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したタイミングと、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作した順序とに基づいてリール2L,2C,2Rの回転を停止するためのリール制御を行う。
【0023】
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、メイン制御部41は、入賞に応じた処理を実行する。入賞に応じた処理には、たとえば、特典を付与する処理が含まれる。ここで、スロットマシン1においては、1ゲームを実行するために規定の賭数を設定する必要があるため、1ゲーム行う度に遊技用価値であるメダルが消費される。特典には、遊技用価値の付与、遊技用価値を消費することなくゲームを実行するための権利(再遊技)などが含まれる。
【0024】
抽選対象役は、メイン制御部41が実行する内部抽選の対象となる役である。メイン制御部41は内部抽選を行うことで、発生を許容する入賞役を決定する。ここで、内部抽選により入賞の発生が許容されたことを当選ともいう。内部抽選においては、一の抽選対象役に当選することで、複数の入賞役に同時に当選し得る。
【0025】
[ATについて]
メイン制御部41は、AT(アシストタイム)に制御可能である。ATは、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、押し順や操作タイミング)を遊技者に報知する報知状態である。メイン制御部41は、ATに制御する権利となるATゲームの付与に関するAT抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、ATゲームを付与するか否か、およびATゲームを付与する場合の付与数(ATゲーム数)をAT抽選で決定する。AT抽選は、たとえば、レア役(チェリーやスイカ)に当選したことを契機に実行される。なお、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されることをAT当選と称し、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されないことを非AT当選と称する。
【0026】
メイン制御部41は、AT当選した場合、付与するATゲーム数をRAM41cの所定領域に記憶する。そして、メイン制御部41は、記憶しているATゲーム数に亘って、ATに制御する。メイン制御部41は、AT中において押し順ベルや押し順リプレイといった押し順役に当選したときに、当選した押し順役に対応しかつ遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作態様を報知する。なお、押し順役の種類に対応する操作手順であって、ナビによって報知される手順のことを、正解手順と称する。一方、押し順役の種類に対応しない操作手順であって、ナビによって報知されない手順のことを、不正解手順と称する。
【0027】
また、メイン制御部41は、AT中において、上乗せ抽選を実行することもある。上乗せ抽選とは、すでに付与済みのATゲーム数に上乗せしてATゲーム数を付与するための抽選である。上乗せ抽選においてATゲームを上乗せすることが決定されることを上乗せ当選とも称する。上乗せ抽選は、たとえば、レア役に当選したことを契機に実行される。上乗せ当選したときには、RAM41cに記憶されたATゲーム数に、付与されたATゲーム数が上乗せされる。
【0028】
AT中において、メイン制御部41は、AT中において押し順役に当選したときには、当該押し順役に対応する正解手順を特定可能な押し順コマンドを出力する。サブ制御部91は、押し順コマンドに基づきナビ演出を実行可能となる。ナビ演出において、液晶表示器51に正解手順を示唆するナビ情報を示したナビ画像81aが表示される。ナビ画像81aについては後述する。
【0029】
[各種演出の概要]
本実施の形態に係るスロットマシン1において、サブ制御部91によって実行される各種演出について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき遊技の状態を把握し、演出用スイッチ56からの検出信号に基づき各種演出を実行する。
【0030】
(バトル演出)
本実施の形態においては、AT中にレア役が当選した次のゲームにおいて、上乗せ当選を遊技者に期待させるバトル演出が実行されることがある。
【0031】
バトル演出においては、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる演出画像が液晶表示器51に表示される。そして、最終的に味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、「WIN」の文字画像が液晶表示器51に表示され、上乗せ当選していることが遊技者に示唆される。一方、最終的に味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すると、「LOSE」の文字画像が液晶表示器51に表示され、上乗せ当選しなかったことが遊技者に示唆される。なお、バトル演出の具体的な演出態様については、
図2~
図5を参照しながら後述する。
【0032】
バトル演出における上乗せ当選の期待度は、画面上に表示される「勝利期待度」(後述する期待度示唆画像81b)によって示唆される。勝利期待度は、1~5個の星の数で示され、星の数が多いほど期待度が高くなる。また、星の数が同じであれば、黄色の星よりも赤色の星の方が期待度が高くなる。
【0033】
(セリフ演出)
本実施の形態においては、AT中にレア役が当選した次のゲームにおいて、上乗せ当選を遊技者に期待させるセリフ演出が実行されることがある。
【0034】
セリフ演出においては、キャラクタおよびキャラクタが発したセリフによる演出画像(後述する期待度示唆画像82b)が液晶表示器51に表示される。そして、キャラクタが発したセリフの内容に応じて上乗せ当選の期待度が異なる。たとえば、セリフ「この変動はチャンスだ」よりも、セリフ「この変動は激熱だ!」の方が、より期待度が高くなる。また、セリフの文字色によっても、上乗せ当選の期待度が異なる。セリフの文字色は、黒色、赤色および紫色がある。上乗せ当選の期待度は、黒色、赤色、紫色の順に高くなる。なお、セリフ演出の具体的な演出態様については、
図6~
図8を参照しながら後述する。
【0035】
[バトル演出において表示される画像の階層構造]
図2は、バトル演出において表示される画像の階層構造を説明するための図である。
図2(a1)は、バトル演出において液晶表示器51に表示される画像の一例である。
図2(a1)で表示されている画像は、
図2(a2)~(a5)で示されるような階層構造からなる画像を重ね合せたものである。以下、具体的に説明する。
【0036】
図2(a1)に示すように、バトル演出において、液晶表示器51には演出画像が表示される。当該演出画像を構成する最も背面側の画像は、
図2(a5)で示す背景画像81dである。背景画像81dは、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うバトル演出画像を含む。
【0037】
背景画像81dの1つ前面側の画像は、
図2(a4)で示す遊技情報画像81cである。遊技情報画像81cは、遊技に関する画像である。たとえば、クレジットとして記憶されているメダル枚数を示す画像「CRE 47」、入賞の発生により払い出されたメダル枚数を示す画像「PAY 0」がそれぞれ表示される。これらの画像は、遊技中において常に表示される画像である。ただし、エラー発生状態やデモ状態などの非遊技中においては、遊技情報画像81cは表示されない。遊技中において常に表示される画像には、背景画像も含まれる。
【0038】
また、遊技情報画像81cとして、たとえば、AT中に遊技者が得たメダルを示す画像「獲得枚数 500枚」、ATの消化ゲーム数を示す画像「TOTAL 250G」、ATの残りゲーム数を示す画像「残りG 50G」がそれぞれ表示される。これらの画像は、ATに制御されている場合に、遊技中において常に表示される画像である。
【0039】
遊技情報画像81cの1つ前面側の画像は、
図2(a3)で示す期待度示唆画像81bである。期待度示唆画像81bは、遊技に関する画像であり、演出により特典を得ることができる期待度を星型の画像を用いて示唆する画像である。たとえば、上乗せ当選している期待度を示唆する期待度示唆画像81bとして、「勝利期待度」の文字画像とともに4つの黄色い星画像が表示される。
【0040】
期待度示唆画像81bは、スタートスイッチ7の操作により遊技が開始したことに基づいて表示が開始する。たとえば、レア役が当選し、次のゲームのスタートスイッチ7の操作によりバトル演出が開始されたタイミングで期待度示唆画像81bが表示される。このように、期待度示唆画像81bは、遊技中において表示されないことがある画像である。なお、期待度示唆画像81bは、スタートスイッチ7の操作により表示を開始させるものに限らず、規定数の賭数が設定されたタイミングで表示を開始させるものであってもよい。たとえば、前ゲームにおいてリプレイ入賞していない場合におけるBETスイッチ操作のタイミングや、前ゲームにおいてリプレイ入賞している場合における自動BETのタイミングであってもよい。
【0041】
期待度示唆画像81bの1つ前面側の画像は、
図2(a2)で示すナビ画像81aである。ナビ画像81aは、操作を促す操作画像である。たとえば、正解手順が、左ストップスイッチ8Lを第1停止操作して左リール2Lを停止させ、次に、中ストップスイッチ8Cを第2停止操作して中リール2Cを停止させ、最後に、右ストップスイッチ8Rを第3停止操作して右リール2Rを停止させる手順(以下、正解手順「左中右」のように表記する)であった場合に、ナビ画像81a「123」が表示される。ナビ画像81aの左側の数値画像「1」により左ストップスイッチ8Lを第1停止操作し、中央の数値画像「2」により中ストップスイッチ8Cを第2停止操作し、右側の数値画像により右ストップスイッチ8Rを第3停止操作すべきことが示される。
【0042】
階層間で画像が重なる位置については、背面側にある画像に前面側にある画像が重畳されて表示される。たとえば、期待度示唆画像81bに、期待度示唆画像81bよりも前面側にあるナビ画像81aが重畳されて表示される。具体的には、
図2(a1)に示すように、背面側の期待度示唆画像81bの一部が前面側のナビ画像81a「123」に重なってしまうことで、期待度を示唆する4つの黄色い星画像が視認不能となる。背面側にある画像に前面側にある画像が重畳されるときには、画像同士が完全に重なり合って背面側にある画像が完全に視認不能となる場合や、画像同士が一部重なり合って背面側にある画像の一部が視認不能となる場合がある。
【0043】
図2(a1)の例では、4つの黄色い星画像が隠れて完全に見えなくなっているため、遊技者は、勝利期待度がどの程度であるのかについて確認できなくなっている。このように、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されるときは、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されずに表示されるときよりも、期待度示唆画像81bに対する視認性が低下する。
【0044】
本実施の形態においては、ナビ画像81aが重畳する対象となるのは、期待度示唆画像81bである。背景画像81dや遊技情報画像81cは、ナビ画像81aが重畳されて視認性が低下することはない。ただし、これに限らず、背景画像81dの前面側にナビ画像81aが重畳されるものであってもよいし、遊技情報画像81cの前面側にナビ画像81aが重畳されるものであってもよい。
【0045】
また、本実施の形態においては、ナビ画像81aは、透過性を有する画像ではない(画像の透過率は0%である)。ナビ画像81aが透過性を有する画像である場合、遊技者などが視認したときに、透過することでその奥側に期待度示唆画像81bが見えるかのように、液晶表示器51に表示される。たとえば、ナビ画像81aの透過率が0%の場合、重畳箇所については期待度示唆画像81bが完全に視認できなくなり、ナビ画像81aの透過率が100%の場合、重畳箇所であっても期待度示唆画像81bが完全に視認することができる。ただし、重畳箇所が視認困難となる程度の透過率を有するものであれば、ナビ画像81aは透過性を有する画像であってもよい。
【0046】
また、
図2(a1)に示されるように、液晶表示器51の下方には、リール2L,2C,2Rが設けられている。リール2L,2C,2Rに入賞図柄が導出されるため、リール2L,2C,2Rはスロットマシン1の中で最も遊技者が注目する箇所である。また、遊技者にとって重要な情報である期待度示唆画像81bやナビ画像81aは、遊技者が注目しやすい箇所に表示させることが望ましい。このため、液晶表示器51で表示される期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されるときの期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aの表示領域は、リール2L,2C,2Rの近傍に位置するようにしている。これにより、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aは、リール2L,2C,2Rに対する遊技者の視界に入る領域で表示され、かつ、リール2L,2C,2Rが設けられた領域の真上の領域で表示される。
【0047】
また、
図2(a1)に示されるように、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aが表示される画面中央の表示領域とは異なる画面端の表示領域において遊技情報画像81cが表示されるようにしている。
【0048】
以上説明したように、バトル演出において、液晶表示器51に表示される情報は多岐にわたる。遊技者にとって重要な情報である期待度示唆画像81bやナビ画像81aは重畳させないように表示させることが本来望ましい。しかし、期待度示唆画像81bをナビ画像81aと重畳しない位置で表示させようとしても、背景画像81dや、遊技中に常時表示されている遊技情報画像81cに重なってしまう。このため、本実施の形態においては、画像の配置の都合上、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示するようにしている。
【0049】
[バトル演出の一例]
図3~
図5を参照しながら、バトル演出の一例について具体的に説明する。
図3~
図5においては、
図2と同様に、液晶表示器51には、ナビ画像81a、期待度示唆画像81b、遊技情報画像81c、およびバトル演出画像を含む背景画像81dが表示される。
【0050】
(バトル演出において正解手順で操作されたときの演出実行例)
図3は、バトル演出において正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。なお、
図3に示す例においては、ATに制御されている場合を想定する。
【0051】
図3(b1)に示すように、液晶表示器51には、背景画像81dとして太陽の画像、および遊技情報画像81cが表示されている。遊技情報画像81cとしては、AT中に遊技者が得たメダルが500枚であることを示す画像「獲得枚数 500枚」、ATの消化ゲーム数が249ゲームであることを示す画像「TOTAL 249G」、ATの残りゲーム数が51ゲームであることを示す画像「残りG 51G」、クレジットとして記憶されているメダル枚数が47枚であることを示す画像「CRE 47」、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が0枚であることを示す画像「PAY 0」がそれぞれ表示されている。
【0052】
図3(b1)でのゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選によりレア役に当選したとする。レア役当選により、抽選によってバトル演出を実行することが決定されたとする。これにより、次ゲームにおいて、
図3(b2)~(b8)で示されるようなバトル演出が実行される。
【0053】
図3(b2)に示すように、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作された後、バトル演出が開始する。液晶表示器51には、コロッセオで味方キャラクタ(画面左側のキャラクタ)と敵キャラクタ(画面右側のキャラクタ)とが対峙するバトル演出画像が表示され、その前面側において、「敵キャラAを倒せ!」の文字画像が表示される。さらに、上乗せ当選している期待度を示唆する期待度示唆画像81(「勝利期待度」の文字画像と4つの黄色い星画像)が表示される。
【0054】
また、当該ゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、押し順ベルに当選したとする。押し順ベル当選により、押し順ベルの正解手順を示唆するナビ情報を示したナビ画像81aが表示される。正解手順が「左中右」であった場合、ナビ画像81a「123」が同時に表示される。これにより、左ストップスイッチ8Lの第1停止操作、中ストップスイッチ8Cの第2停止操作、および右ストップスイッチ8Rの第3停止操作が促される。
【0055】
このとき、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されるため、期待度示唆画像81bに対する視認性が低下している。特に、上乗せ当選している期待度を示唆する4つの黄色い星画像は完全に見えなくなっている。
【0056】
また、ATゲーム数の消化により、遊技情報画像81cのうち、ATの消化ゲーム数が250ゲームであることを示す画像が「TOTAL 250G」に、ATの残りゲーム数が50ゲームであることを示す画像が「残りG 51G」に、それぞれ更新されている。
【0057】
図3(b3)に示すように、遊技者が、左ストップスイッチ8Lを第1停止操作すると、中ストップスイッチ8Cの第2停止操作が促される。左リール2Lにはベル図柄が導出表示されている。
【0058】
液晶表示器51には、第1停止操作が終了したため、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像81a「23」が表示されている。このとき、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているため、期待度示唆画像81bの視認性は低下したままである。
【0059】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0060】
図3(b4)に示すように、遊技者が、中ストップスイッチ8Cを第2停止操作すると、右ストップスイッチ8Rの第3停止操作が促される。中リール2Cにはベル図柄が導出表示されている。
【0061】
液晶表示器51には、第2停止操作が終了したため、第2停止操作に対応する画像「2」が消去され、ナビ画像81a「3」が表示されている。このとき、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているため、期待度示唆画像81bの視認性は低下したままである。
【0062】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが劣勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0063】
図3(b5)に示すように、遊技者が、右ストップスイッチ8Rを第3停止操作すると、正解手順による操作が完了する。右リール2Rにはベル図柄が導出表示され、ベルが入賞している。
【0064】
これにより、第3停止操作に対応する画像「3」が消去され、ナビ画像81aの表示が終了する。一方で、期待度示唆画像81bの表示は継続する。このとき、ナビ画像81aの表示終了により、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されることがなくなり、「勝利期待度」の文字画像と4つの黄色い星画像の全てが視認可能となる。なお、バトル演出において、上乗せ当選の期待度が異なる例(黄色い星画像の数が異なる例)については、
図4において説明する。
【0065】
このように、押し順ベルが当選したときに、押し順ベルの正解手順を示唆するナビ情報を示したナビ画像81aが表示され、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、正解手順で操作されたときにナビ画像81aの表示が終了し、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する。
【0066】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0067】
また、ベル入賞により、9枚の払い出しが発生する。これにより、遊技情報画像81cのうち、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が9枚であることを示す画像「PAY 9」が表示される。
【0068】
図3(b6)に示すように、正解手順で操作されてナビ画像81aの表示が終了し、所定期間が経過すると、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」が液晶表示器51の中央に表示される。なお、ナビ画像81aは、正解手順の操作後に表示が終了するものに限らず、ナビ画像81aの表示から正解手順が操作されてから所定期間経過後に表示が終了するものであってもよい。
【0069】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0070】
遊技者が演出用スイッチ56を操作すると、
図3(b7)に示すように、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」の表示が消える。また、演出用スイッチ56の操作により期待度示唆画像81bの表示態様が変化する。これにより、遊技者にとっての有利度合いが高くなったことが示唆される。具体的には、期待度示唆画像81bは、星の色が黄色から赤色へと変化し(「勝利期待度」の文字画像と4つの黄色い星画像とから成る画像から、「勝利期待度」の文字画像と4つの赤い星画像とから成る画像へと変化する。)、これにより、上乗せ当選している可能性が高くなったことが示唆される。
【0071】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0072】
また、ベル入賞による9枚の払い出しが完了し(クレジットとして3枚記憶され、6枚が実際に払い出される)、遊技情報画像81cのうち、画像「PAY 9」は、画像「PAY 0」に戻る。また、クレジットとして記憶されているメダル枚数は画像「CRE 47」画像から上限値である「CRE 50」に更新される。
【0073】
期待度示唆画像81bの表示態様が変化してから、所定期間が経過すると、
図3(b8)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像が液晶表示器51に表示されて、液晶表示器51の中央に「WIN」の文字画像が表示される。これにより、上乗せ当選したことが示唆される。
【0074】
ここで、ナビ画像81aの表示終了タイミングと、演出用スイッチ56の有効化タイミングについて、
図9を用いて具体的に説明する。
図9は、演出用スイッチの操作による期待度示唆表示の変化を説明するためのタイミングチャートである。
【0075】
図9のタイミングチャートにおいて、横軸はタイミングtを示す。縦軸は、上から、期待度示唆画像81bの表示有無、ナビ画像81aの表示有無、演出用スイッチ56の有効化有無、および、演出用スイッチ56の操作有無を示す。
【0076】
t1以前において、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aは、ともに液晶表示器51に表示されている(
図3(b2)~(b4)において期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されている状態)。この状態においては、演出用スイッチ56は有効化されない。
【0077】
t1において、ナビ画像81aが消去されると、演出用スイッチ56は有効化される。演出用スイッチ56が有効化されると、演出用スイッチ56の操作により期待度示唆画像81bの表示態様が変化可能となる。
【0078】
遊技者がタイミングt2において演出用スイッチ56を操作すると、タイミングt2(演出用スイッチ56の状態がOFF状態からON状態に変化したことを検出したタイミング)において期待度示唆画像81bの表示態様が変化する。具体的には、
図3(b6),(b7)に示したように、期待度示唆画像81bの表示は、「勝利期待度」の文字画像と4つの黄色い星画像とから成る画像から、「勝利期待度」の文字画像と4つの赤い星画像とから成る画像へと変化する。なお、期待度示唆画像81bの表示態様が変化するタイミングは、タイミングt3(演出用スイッチ56の状態がON状態からOFF状態に変化したことを検出したタイミング)であってもよい。たとえば、タイミングt3として、遊技者が演出用スイッチ56をしばらく押し続けて長押しをし、その後、指を離して長押しを解除したタイミングが該当する。
【0079】
図4は、バトル演出において正解手順で操作されたときの演出実行例において上乗せ当選の期待度が異なる例について説明するための図である。上述のように、バトル演出において、上乗せ当選の期待度は、画面上に表示される期待度示唆画像81bの星の数(1~5個)によって示唆される。
図4(b10)~(b12)は4個の黄色い星画像により期待度が示唆される例であり、
図4(b10)、(b21)、(b22)は1個の黄色い星画像により期待度が示唆される例である。
【0080】
図3においては、4個の黄色い星によって期待度が示唆され、演出用スイッチ56の操作により星の色が黄色から赤色へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆される例について説明した。なお、
図4(b10)~(b12)と、
図3(b1)~(b5)とは同じ状況について説明するものである。
【0081】
まず、
図4(b10)でのゲームにおいて、レア役当選によりバトル演出を実行することが決定される。次に、
図4(b11)に示すように、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7の操作の後にバトル演出が開始する。このとき、期待度示唆画像81bの星の数は4個であるが、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているため、遊技者はこれを視認することができない。
【0082】
さらに、当該ゲームにおいて、第1停止操作および第2停止操作(図示せず)がされた後に、第3停止操作がされると、
図4(b12)に示すように、ナビ画像81aの表示が終了する。これにより、「勝利期待度」の文字画像と4個の黄色い星画像の全てが視認可能となり、遊技者は、4つの黄色い星画像により期待度を知ることができる。
【0083】
上記例とは異なり、
図4(b10)でバトル演出を実行することが決定され、
図4(b21)でバトル演出が開始した際に、1個の黄色い星によって期待度が示唆されたとする。しかし、
図4(b11)で示した例と同様に、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているため、遊技者は星の数を視認することができない。このように、
図4(b11)の例では星の数は4個であり、
図4(b21)の例では星の数は1個であるにも関わらず、いずれも星の数が全く視認できない。両者において、遊技者からすれば見え方が共通であるため、この場合において、上乗せ当選の期待度の違いを知ることができない。
【0084】
さらに、当該ゲームにおいて、第1停止操作および第2停止操作(図示せず)がされた後に、第3停止操作がされると、
図4(b22)に示すように、ナビ画像81aの表示が終了する。これにより、「勝利期待度」の文字画像と1個の黄色い星画像の全てが視認可能となり、遊技者は、1つの黄色い星画像により期待度を知ることができる。
【0085】
このように、バトル演出においては、期待度示唆画像81bの星の数によって上乗せ当選の期待度が示唆される。また、上記例に限らず、勝利期待度は、1~5個の星の数で示され、星の数が多いほど期待度が高くなる。また、演出用スイッチ56の操作により星の色が黄色から赤色へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆されるが、この際に、星の数が多くなるようにしてもよい。たとえば、4個の黄色い星画像から5個の黄色い星画像へと変化させるようにしてもよい。
【0086】
(バトル演出において不正解手順で操作されたときの演出実行例)
図5は、バトル演出において不解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。なお、
図5に示す例においては、ATに制御されている場合を想定する。以下、
図3と重複する部分については、説明を省略する。
【0087】
図5(c1)に示すように、液晶表示器51には、背景画像81dおよび遊技情報画像81cが表示されている。
図5(c1)のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、レア役に当選し、バトル演出の実行が決定されたとする。これにより、次ゲームにおいて、
図5(c2)~(c8)で示されるようなバトル演出が実行される。
【0088】
図5(c2)に示すように、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作された後、バトル演出が開始する。また、当該ゲームにおいて、正解手順が「左中右」である押し順ベルに当選したとする。液晶表示器51には、バトル演出画像が表示される。さらに、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81a「123」が重畳されて表示される。
【0089】
図5に示す例においては、
図5(c3)に示すように、遊技者が、正解手順とは異なる右ストップスイッチ8Rを操作(不正解手順で操作)したとする。正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像81aの表示が終了する。
【0090】
また、このとき、液晶表示器51の画面の表示態様が変更される。具体的には、液晶表示器51の画面が暗くなって明度が下がることによって、表示態様が変更される。これにより、遊技者は、不正解手順で操作したことに気付く。ただし、液晶表示器51の画面が暗くなるが、表示されている演出画像の内容自体は変わらない(
図3(b3)と演出画像の表示内容は同じ)。また、正解手順とは異なる右ストップスイッチを操作によって、ナビ画像81aの表示が終了した以降も期待度示唆画像81bの表示は継続する。
【0091】
さらに、
図5(c4)に示すように、遊技者が、中ストップスイッチ8Cを第2停止操作したとする。このときも、液晶表示器51の画面の明度が下がったままである。
【0092】
図5(c5)に示すように、遊技者が、左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、入賞は発生せずにゲームが終了する。このとき、液晶表示器51の画面の表示態様(明度)は元に戻る。
【0093】
図5(c6)に示すように、第3停止操作がされて所定期間が経過すると演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」が液晶表示器51の中央に表示される。以降は、
図3と同じであるので説明を省略する。
【0094】
[セリフ演出において表示される画像の階層構造]
図6は、セリフ演出において表示される画像の階層構造を説明するための図である。
図6(d1)は、セリフ演出において液晶表示器51に表示される画像の一例である。
図6(d1)で表示されている画像は、
図6(d2)~(d5)で示されるような階層構造からなる画像を重ね合せたものである。以下、具体的に説明する。なお、
図2と重複する部分については説明を省略する。
【0095】
図6(d1)に示すように、セリフ演出において、液晶表示器51には演出画像が表示される。当該演出画像を構成する最も背面側の画像は、
図6(d5)で示す背景画像82dである。セリフ演出において、背景画像82dは、太陽と山の画像である。なお、背景画像82dは、
図3(b1)と同じ太陽の画像であってもよい。背景画像82dの1つ前面側の画像は、
図6(d4)で示す遊技情報画像82cである。遊技情報画像82cの1つ前面側の画像は、
図6(d3)で示す期待度示唆画像82bである。たとえば、期待度示唆画像82bとして、キャラクタの画像と、キャラクタが発するセリフ「この変動はチャンスだ」(文字色は黒色)が表示される。期待度示唆画像82bの1つ前面側の画像は、
図6(d1)で示すナビ画像82aである。
【0096】
階層間で画像が重なる位置については、背面側にある画像に前面側にある画像が重畳されて表示される。たとえば、期待度示唆画像82bに、期待度示唆画像82bよりも前面側のナビ画像82aが重畳されて表示される。具体的には、
図6(d1)に示すように、背面側のナビ画像82a「123」の一部が前面側の期待度示唆画像82b「この変動はチャンスだ」に重なってしまうことで、期待度を示唆する文字画像「チャンスだ」が完全に視認不能となる。
【0097】
また、
図6(d1)に示されるように、期待度示唆画像82bおよびナビ画像82aの前面側にある背景画像82dは、期待度示唆画像82bおよびナビ画像82aに重なることで一部の画像が表示されない。
【0098】
[セリフ演出の一例]
次に、
図7,
図8を参照しながら、セリフ演出の一例について具体的に説明する。
図7,
図8においては、
図6と同様に、液晶表示器51には、ナビ画像82a、期待度示唆画像82b、遊技情報画像82c、および背景画像82dが表示される。
【0099】
(セリフ演出において正解手順で操作されたときの演出実行例)
図7は、セリフ演出において正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。なお、
図7に示す例においては、ATに制御されている場合を想定する。
【0100】
図7(e1)に示すように、液晶表示器51には、背景画像82d、および遊技情報画像82cが表示されている。
図7(e1)のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、レア役に当選したとする。レア役当選により、抽選によってセリフ演出を実行することが決定されたとする。これにより、次ゲームにおいて、
図7(e2)~(e7)で示されるようなセリフ演出が実行される。
【0101】
図7(e2)に示すように、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作された後、セリフ演出が開始する。液晶表示器51には、キャラクタ画像およびキャラクタが発する黒色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」から成る期待度示唆画像82bが表示される。
【0102】
また、当該ゲームにおいて、押し順ベルに当選したとする。押し順ベル当選により、ナビ画像82aが表示される。このとき、期待度示唆画像82bの前面側にナビ画像82aが重畳されて表示されるため、期待度示唆画像82b「この変動はチャンスだ」(文字色は黒色)に対する視認性が低下している。特に、上乗せ当選している期待度を示唆する「チャンスだ」の文字部分は完全に見えなくなっている。以下、
図3と重複する部分については、説明を省略する。
【0103】
図7(e3),(e4)に示すように、遊技者が、第1停止操作および第2停止操作した段階では、ナビ画像82aが表示されている。このとき、期待度示唆画像82bの前面側にナビ画像82aが重畳されて表示されているため、期待度示唆画像82bの視認性は低下したままである。
【0104】
図7(e5)に示すように、遊技者が、右ストップスイッチ8Rを第3停止操作すると、正解手順による操作が完了し、ナビ画像82aの表示が終了する。一方で、期待度示唆画像82bの表示は継続する。これにより、期待度示唆画像82b「この変動はチャンスだ」(文字色は黒色)の全てが視認可能となる。
【0105】
図7(e6)に示すように、正解手順で操作されてナビ画像82aの表示が終了し、所定期間が経過すると、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」が液晶表示器51の中央に表示される。
【0106】
遊技者が演出用スイッチ56を操作すると、
図7(e7)に示すように、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」の表示が消える。また、演出用スイッチ56の操作により期待度示唆画像82bの表示態様が変化する。これにより、遊技者にとっての有利度合いが高くなったことが示唆される。具体的には、期待度示唆画像82bは、「この変動はチャンスだ」(文字色は黒色)から「この変動は激熱!」(文字色は黒色)に変化する。これにより、上乗せ当選している可能性が高くなったことが示唆される。
【0107】
なお、
図4で説明したバトル演出の例と同様に、期待度示唆画像82b「この変動はチャンスだ」の文字色によって、上乗せ当選の期待度が示唆される。上記例では、黒色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」によって期待度が示唆され、演出用スイッチ56の操作により黒色のセリフ画像「この変動は激熱!」へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆される例について説明した。
【0108】
上記例以外にも、さらに期待度の高い赤色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」や、最も期待度の高い紫色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」によって、期待度を示唆してもよい。
【0109】
また、黒色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」によって期待度が示唆され、演出用スイッチ56の操作により黒色、赤色および紫色のうちのいずれかのセリフ画像「この変動は激熱!」へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆されるようにしてもよい。また、赤色のセリフ画像「この変動はチャンスだ」によって期待度が示唆され、演出用スイッチ56の操作により赤色および紫色のうちのいずれかのセリフ画像「この変動は激熱!」へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆されるようにしてもよい。また、紫のセリフ画像「この変動はチャンスだ」によって期待度が示唆され、演出用スイッチ56の操作により紫色のセリフ画像「この変動は激熱!」へと変化することでさらに期待度が高くなったことが示唆されるようにしてもよい。
【0110】
(セリフ演出において不正解手順で操作されたときの演出実行例)
図8は、セリフ演出において不正解手順で操作されたときの演出実行例を示す図である。なお、
図8に示す例においては、ATに制御されている場合を想定する。以下、
図7と重複する部分については、説明を省略する。
【0111】
図8(f1)に示すように、液晶表示器51には、背景画像82dおよび遊技情報画像82cが表示されている。
図8(f1)のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、レア役に当選し、セリフ演出の実行が決定されたとする。これにより、次ゲームにおいて、
図8(f2)~(f7)で示されるようなセリフ演出が実行される。
【0112】
図8(f2)に示すように、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作された後、セリフ演出が開始する。また、当該ゲームにおいて、正解手順が「左中右」である押し順ベルに当選したとする。液晶表示器51には、期待度示唆画像82bの前面側にナビ画像82a「123」が重畳されて表示される。
【0113】
図8に示す例においては、
図8(f3)に示すように、遊技者が、正解手順とは異なる右ストップスイッチを操作(不正解手順で操作)したとする。正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像82aの表示が終了する。
【0114】
また、このとき、液晶表示器51の画面の表示態様が変更される。具体的には、液晶表示器51の画面が暗くなって明度が下がることによって、表示態様が変更される。これにより、遊技者は、不正解手順で操作したことに気付く。
【0115】
さらに、
図8(f4)に示すように、遊技者が、中ストップスイッチ8Cを第2停止操作したとする。このときも、液晶表示器51の画面の明度が下がったままである。
【0116】
図8(f5)に示すように、遊技者が、左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、入賞は発生せずにゲームが終了する。このとき、液晶表示器51の画面の表示態様(明度)は元に戻る。
【0117】
図8(f6)に示すように、第3停止操作されて所定期間が経過すると演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」が液晶表示器51の中央に表示される。以降は、
図7と同じであるので説明を省略する。
【0118】
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0119】
図3(b2)~(b8)に示すように、バトル演出実行時に、期待度示唆画像81bにナビ画像81aがその前面側に重畳されて表示されるとき(
図3(b2)~(b4))は、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されずに表示されるとき(
図3(b5)~(b8))よりも、期待度示唆画像81bに対する視認性が低下し、第3停止操作によりナビ画像81aの表示が終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する。このように、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されることで期待度示唆画像81bに対する視認性が低下しても、ナビ画像81aの表示が終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続することで、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aのいずれの画像に対する遊技者の視認性も確保することができる。
【0120】
図2(a1)に示すように、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されるときの期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aの表示領域は、リール2L,2C,2Rの真上に位置する表示領域である。遊技者が遊技を行うときに一番注目する箇所はリール2L,2C,2Rであるため、期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aの表示領域をリール2L,2C,2Rの真上に位置させることで、遊技者が視認しやすい位置で期待度の示唆およびナビ情報の報知を行うことができる。
【0121】
図3(b2)に示すように、スタートスイッチ7の操作により遊技が開始したことに基づいて期待度示唆画像81bの表示が開始する。このように、遊技中において常に表示される画像(たとえば、遊技情報画像81cや背景画像81d)と異なり、期待度示唆画像81bは表示されない期間がある。このため、特に、液晶表示器51に表示される画像の種類が多いような場合には、期待度示唆画像81bが表示されない期間において、画面の表示領域を有効活用することができる。
【0122】
期待度示唆画像81bおよびナビ画像81aが表示される画面中央の表示領域(
図2(a1))とは異なる画面端の表示領域(
図2(a4))において遊技情報画像81cを表示することが可能である。また、
図3(b1)~(b8)に示すように、期待度示唆画像81bは、スタートスイッチ7の操作により遊技が開始したことに基づいて表示が開始され、バトル演出が実行されていない遊技においては表示されない画像である(
図3(b1)では表示されない)。また、遊技情報画像81cは、遊技中において常に表示される画像である(
図3(b1)~(b8)で常に表示される)。このように、遊技情報画像81cなど、遊技中において液晶表示器51に表示される画像の種類が多いため、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されていても、遊技者が不満を感じることが少ない。
【0123】
図3(b2)~(b8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、正解手順で操作されたときにナビ画像81aの表示が終了し(
図3(b5))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図3(b5)~(b8))。一方で、
図5(c2)~(c8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像81aの表示が終了し(
図5(c3))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図5(c3)~(c8))。正解手順以外の操作手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された時点で正解手順を報知する必要がなくなるため、そのタイミングで不要となったナビ画像81aの表示を終了させることで、できる限り早く遊技者に期待度示唆画像81bを視認させることができる。
【0124】
図5(c2)~(c8)に示すように、押し順ベルが当選した場合において、押し順ベルの正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、正解手順でない操作がされたときにナビ画像81aの表示が終了しするとともに液晶表示器51の画面の明度を下げ(
図5(c3))、当該終了した以降も期待度示唆画像81bの表示が継続する(
図5(c3)~(c8))。このように、液晶表示器51の画面の明度を下げることで、不正解手順で操作されたことを遊技者に警告することができると同時に、不要となったナビ画像81aの表示を終了させることで、できる限り早く遊技者に期待度示唆画像81bを視認させることができる。
【0125】
図3(b5)~(b7)に示すように、ナビ画像81aの表示が終了した(
図3(b5))以降に、期待度示唆画像81b中の星画像の色が黄色から赤に変化して表示されることで上乗せ当選している可能性が高くなったことが示唆される(
図3(b7))。このように、ナビ画像81aの表示が終了してから期待度示唆画像81bの表示態様が変化するため、期待度示唆画像81bにより上乗せ当選している可能性が高くなったことを遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0126】
図3,
図9に示すように、演出用スイッチ56が操作されると(
図3(b6))、期待度示唆画像81b中の星画像の色が黄色から赤に変化して表示することで上乗せ当選している可能性が高くなったことが示唆され(
図3(b7))、演出用スイッチ56は、期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているときには有効化されず(
図3(b2)~(b4),
図9のt1以前)、ナビ画像81aの表示が終了した以降(
図3(b5)以降,
図9のt1以降)において有効化される。期待度示唆画像81bの前面側にナビ画像81aが重畳されて表示されているときに演出用スイッチ56の操作が有効であっても、遊技者は期待度示唆画像81bを視認困難であるため、ナビ画像81aの表示が終了した以降に演出用スイッチ56を有効化することで期待度示唆画像81bの視認性を向上させ、遊技者に期待度示唆画像81bの表示態様の変化を楽しませることができる。
【0127】
上記において、
図2~
図5に示すバトル演出実行時の効果について説明したが、
図6~
図8に示すセリフ演出実行時であっても同様の効果を得ることができる。
【0128】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0129】
[バトル演出について]
本実施の形態において、
図3に示すように、バトル演出は、レア役が当選した次の1ゲームにおいて実行されるが、複数ゲームに亘って実行される連続演出であってもよい。連続演出においては、複数ゲームに亘って味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う演出が行われ、最終ゲームにおいて味方キャラクタが勝利すると、上乗せ当選したことが報知される。
【0130】
[制御される状態について]
本実施の形態においては、
図3~
図9に示したように、ATに制御されている状態について例示したが、これに限らない。たとえば、小役に当選する確率が高まるボーナス状態に制御されているときに適用してもよいし、あるいは、ATに制御される確率が通常状態よりも高いCZ(チャンスゾーン)に制御されているときに適用してもよい。
【0131】
[期待度示唆画像について]
本実施の形態において、
図2,
図6などで示すように、期待度示唆画像81bとして、演出により特典を得ることができる期待度を示唆する画像であって、バトル演出やセリフ演出においては上乗せ当選している期待度を示唆するものを例示した。しかし、これに限らず、期待度を示唆する画像として、たとえば、AT当選、付与されるATゲーム数、ボーナス当選、レア役当選の期待度、あるいは、上乗せ特化ゾーンへの制御が決定される期待度などを示唆するようなものであってもよい。
【0132】
また、演出用スイッチ56の操作によって期待度示唆画像81bの表示態様が変化する例として、星の色、星の数やセリフが変化する例示したが、これに限らず、大きさが変わるもの、形が変わるもの、明るさが変わるもの、静止状態から動くものであってもよい。また、期待度を示唆するメーターや数値が変わるものであってもよく、文字色が変わるものであってもよく、別のキャラクタが登場して新たにセリフを発するものであってもよい。
【0133】
また、期待度示唆画像81bは、ATに制御されたゲームにおいて表示されるATのタイトル表示画像や、上乗せ特化ゾーンに制御されたゲームにおいて表示される上乗せ特化ゾーンのタイトル表示画像であってもよい。この場合、演出用スイッチ56の操作によって、タイトル表示画像の表示色が青から赤に変わることで、付与されたATゲーム数や特化ゾーンに制御されるゲーム数の期待値を示唆するようなものであってもよい。
【0134】
また、本実施の形態における遊技機において、設定された設定値によって有利度が変わる。具体的には、スロットマシン1において、設定値に応じてメダルの払出率が変わる。設定値は1~6の6段階からなり、たとえば、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。期待度示唆画像81bは、上記設定値を示唆するものであってもよい。たとえば、期待度示唆画像81bは、設定値が6であることを示唆するキャラクタ画像であってもよいし、設定値が2以上であることを示唆するキャラクタ画像であってもよい。
【0135】
また、期待度示唆画像81bは、当選した小役を示唆するものであってもよい。たとえば、ベルが当選した場合は黄色の玉の画像を表示させ、リプレイが当選した場合は青色の玉の画像を表示させ、チェリーが当選した場合は赤色の玉の画像を表示させるようなものであってもよく、同時当選した場合は、複数の玉の画像を表示させるものであってもよい。
【0136】
また、期待度示唆画像81bは、期待度を示唆する画像であるものに限らず、背景画像以外のなんらかの画像であってもよい。たとえば、キャラクタ画像が表示され、キャラクタ画像が発する何らかのセリフ画像(たとえば、セリフ「気をつけて」)により構成される画像であってもよい。
【0137】
[ナビ画像(操作画像)について]
本実施の形態において、
図2,
図6などで示すように、ナビ画像81aとして、押し順役当選時において正解手順を示す操作画像を例示した。しかし、これに遊技者になんらかの操作を促すための操作画像であればよい。たとえば、操作画像として、スタートスイッチ7の操作により遊技が開始したが、所定時間経過しても遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを操作しない場合に、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を促す文字画像「リールを止めてね」であってもよい。また、演出に用いられる演出用ボタンの操作を促すものであってもよい。また、操作手順に限らず、操作タイミングを示す操作画像であってもよい。
【0138】
[演出用スイッチについて]
本実施の形態において、
図3,
図9などで示すように、演出用スイッチ56の操作によって期待度示唆画像81bの表示態様を変化させるようにしたが、これに限らず、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかのスイッチの長押しによって、期待度示唆画像81bの表示態様を変化させるものであってもよい。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうちの複数のスイッチの同時押しによって、期待度示唆画像81bの表示態様を変化させるものであってもよい。また、これに限らず、どのような操作手段で期待度示唆画像81bの表示態様を変化させるものであってもよい。
【0139】
また、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」は、演出用スイッチ56の有効化(第3停止操作)と同時に表示させてもよいが、演出用スイッチ56の有効化から所定期間経過後に表示させてもよい。また、バトル演出が複数ゲームに亘る場合は、次のゲームのスタートスイッチ7の操作と同時、あるいは、次のゲームのスタートスイッチ7の操作から所定期間経過後に表示させるようにしてもよい。
【0140】
[不正解手順による操作時の画面の表示態様について]
本実施の形態において、
図5(c3)に示すように、不正解手順による操作が行われたときに、液晶表示器51の画面の明度を下げる(画面を暗くする)ことによって、表示態様が変更されるようにした。しかし、これに限らず、表示されている画像の彩度や色相が変更されることによって表示態様が変更されるものであってもよい。また、本実施の形態においては、演出内容が視認可能である程度に画面を暗くするものであるが、画面を真っ暗にして演出内容が視認不能となるようにするものであってもよい。
【0141】
本実施の形態において、
図5(c5)に示すように、遊技者が、左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、液晶表示器51の画面の表示態様(明度)は元に戻るようにした。しかし、これに限らず、液晶表示器51の画面の表示態様を戻すのは、第3停止操作のタイミングに限らず、第3停止操作から所定期間が経過したタイミングであってもよい。また、演出用スイッチ56の操作を促す画像「PUSH」が表示されるタイミングであってもよく、演出用スイッチ56が操作されるタイミングであってもよく、次のゲームの開始のためにスタートスイッチ7が操作されるタイミングであってもよい。
【0142】
[パチンコ遊技機への適用について]
前述した実施の形態では、遊技機の一例であるスロットマシンについて説明した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機に対して、前述した実施の形態を適用してもよい。
【0143】
パチンコ遊技機は、遊技盤に設けられた遊技領域に打球操作ハンドルを操作して遊技媒体であるパチンコ玉を打込むことで遊技が行われる。変動表示の結果として大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技状態に制御される。大当たり種別には「通常」および「確変」がある。大当たり種別が確変となった場合には、大当り遊技状態の終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。時短状態中は、右遊技領域を狙う右打ちにより第2始動入賞口を有する可変入賞球装置を狙い遊技を行う。
【0144】
たとえば、パチンコ遊技機に対して適用する場合、時短状態中に、大当り期待度を示唆する画像に右打ちを促す操作画像が重畳されて表示され、大当り期待度を示唆する画像の視認性が低下するようにしてもよい。この場合、右打ちを促す操作画像の表示が終了した以降も大当り期待度を示唆する画像の表示が継続する。また、右打ちを促す操作画像に限らず、別の操作画像であってもよい。たとえば、操作画像は、時短状態が終了して右打ちを行う必要がなくなったにも関わらず遊技者が右打ちを継続していた場合に、右打ちを終了することを促す文字画像「ハンドルを左に戻してください」であってもよい。また、大当り期待度を示唆する画像に限らず、確変や時短の期待度を示唆する画像であってもよい。
【0145】
以上のように、本実施の形態における各種演出をパチンコ遊技機に適用した場合であっても、本実施の形態に係るスロットマシン1と同様の効果を得ることができる。
【0146】
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
【0147】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0148】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、41a メインCPU、41c RAM、51 液晶表示器、56 演出用スイッチ、91 サブ制御部、91a サブCPU、91c RAM。