(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/533 20060101AFI20220121BHJP
H01R 13/648 20060101ALI20220121BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H01R13/533 D
H01R13/648
H01R13/52 301F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017203053
(22)【出願日】2017-10-20
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】201621148187.0
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】パン,ビィアオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジィェフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ニン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ジィァンフェイ
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-281060(JP,A)
【文献】特開2014-123482(JP,A)
【文献】特開平9-167656(JP,A)
【文献】特開平5-205817(JP,A)
【文献】特開平1-154477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0187465(US,A1)
【文献】米国特許第9570853(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/648
H01R 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体(100)と、
前記絶縁体(100)内に保持された導電端子と、
前記絶縁体(100)の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジング(200)と、
前記絶縁体(100)の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバー(300)と、
前記金属製遮蔽ハウジング(200)内に収容されて前記絶縁体(100)の上に嵌合されたばね(400)とを備え、
前記ばね(400)の2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の内壁上に形成された第1の位置決め構造および前記金属製遮蔽テールカバー(300)上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成されている、
コネクタ。
【請求項2】
前記第1の位置決め構造は、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の前記内壁上に形成された位置決め段(210)として設けられ、前記第2の位置決め構造は、前記金属製遮蔽テールカバー(300)の前端面(300a
)として設けられている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ばね(400)の前記2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)および前記金属製遮蔽テールカバー(300)に電気的に接触して、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を前記金属製遮蔽ハウジング(200)に電気的に接続している、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
絶縁体(100)と、
前記絶縁体(100)内に保持された導電端子と、
前記絶縁体(100)の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジング(200)と、
前記絶縁体(100)の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバー(300)と、
前記金属製遮蔽ハウジング(200)内に収容されて前記絶縁体(100)の上に嵌合されたばね(400)と、を備え、
前記ばね(400)の2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の内壁上に形成された第1の位置決め構造および前記絶縁体(100)の外壁上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成されて
おり、
前記第1の位置決め構造は、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の前記内壁上に形成された位置決め段(210)として設けられ、前記第2の位置決め構造は、前記絶縁体(100)の外壁上に形成された位置決め突起(110)として設けられ、前記ばね(400)は、前記位置決め段と前記位置決め突起との間に位置するように適合されており、
前記絶縁体(100)上の前記位置決め突起(110)と一致する受けノッチ(301)が、前記金属製遮蔽テールカバー(300)の前端に形成され、
前記位置決め突起(110)は、前記金属製遮蔽テールカバー(300)が前記絶縁体(100)の上に嵌合された後、前記受けノッチ(301)内に受け取られている、
コネクタ。
【請求項5】
前記金属製遮蔽テールカバー(300)が前記絶縁体(100)の上に嵌合された後、前記ばね(400)の一方の端部は、前記絶縁体(100)の前記位置決め突起(110)および前記金属製遮蔽テールカバー(300)の前端面(300a)に同時に当接する、請求項
4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ばね(400)の前記2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)および前記金属製遮蔽テールカバー(300)に電気的に接触して、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を前記金属製遮蔽ハウジング(200)に電気的に接続する、請求項
4または5に記載のコネクタ。
【請求項7】
円筒形のコネクタを備えている、請求項1から
6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記金属製遮蔽テールカバー(300)は、前記金属製遮蔽テールカバー(300)内へ密封材を注入する密封材注入孔(302)を有するようにさらに形成されている、請求項1から
7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
請求項
8に記載のコネクタと、
ワイアとを備え、前記ワイアの一方の端部は、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を通過し、前記導電端子に電気的に接続されている、
コネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記密封材注入孔(302)から前記金属製遮蔽テールカバー(300)内へ注入され、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を前記絶縁体(100)および前記ワイアに接合するように構成された密封材をさらに備えている、請求項
9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
絶縁体(100)と、
前記絶縁体(100)内に保持された導電端子と、
前記絶縁体(100)の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジング(200)と、
前記絶縁体(100)の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバー(300)と、
前記金属製遮蔽ハウジング(200)内に収容されて前記絶縁体(100)の上に嵌合されたばね(400)と、を備え、
前記ばね(400)の2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の内壁上に形成された第1の位置決め構造および前記絶縁体(100)の外壁上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成されており、
前記ばね(400)の前記2つの端部のうちの一方の端部は、前記絶縁体(100)の前記第2の位置決め構造および前記金属製遮蔽テールカバー(300)の前端面(300a)に当接し、
前記ばね(400)の前記2つの端部はそれぞれ、前記金属製遮蔽ハウジング(200)および前記金属製遮蔽テールカバー(300)に電気的に接触して、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を前記金属製遮蔽ハウジング(200)に電気的に接続する、
コネクタ。
【請求項12】
前記第1の位置決め構造は、前記金属製遮蔽ハウジング(200)の前記内壁上に形成された位置決め段(210)として設けられ、前記第2の位置決め構造は、前記絶縁体(100)の前記外壁上に形成された位置決め突起(110)として設けられ、前記ばね(400)は、前記位置決め段と前記位置決め突起との間に位置するように適合されている、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
請求項11または12に記載のコネクタと、
ワイアとを備え、前記ワイアの一方の端部は、前記金属製遮蔽テールカバー(300)を通過し、前記導電端子に電気的に接続されている、
コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、中国国家知識産権局に2016年10月25日に出願された中国特許出願第CN201621148187.0号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、コネクタおよびコネクタアセンブリに関し、より詳細には、防振機能を有するコネクタおよびコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、計器、制御機器、および電気機器内に適用される円筒形のコネクタは、概して、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジングとを含む。既存の金属製遮蔽ハウジングは通常、単一の金属シートを打ち抜くことによって形成され、それ自体実質上硬質であり、いかなる防振機能も有していない。したがって、金属製遮蔽ハウジングに作用する外部からの軸方向の衝撃力は、絶縁体へすぐに直接伝達され、絶縁体は通常、強度の低いプラスチックから作製されるため、これにより絶縁体の損傷が生じる可能性が高い。
【0004】
加えて、既存の円筒形のコネクタは、円筒形のコネクタに接続されたワイアに対して有効な電磁遮蔽を提供することができず、したがって電磁遮蔽性能が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記その他の問題および欠点のうちの少なくとも1つを克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の目的によれば、軸方向の振動に実質上耐えてコネクタの防振性能を改善することができるコネクタが提供される。
【0007】
本開示の別の目的によれば、コネクタの電磁遮蔽性能を改善することができるコネクタが提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジングと、絶縁体の後端上にスリーブ接続された金属製遮蔽テールカバーと、金属製遮蔽ハウジング内に収容されて絶縁体の上に嵌合されたばねとを備えるコネクタが提供され、ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された第1の位置決め構造および金属製遮蔽テールカバー上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成される。
【0009】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の位置決め構造は、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された位置決め段として設けられ、第2の位置決め構造は、金属製遮蔽テールカバーの前端面または金属製遮蔽テールカバーの外壁上に形成された位置決め突起として設けられる。
【0010】
本開示の例示的な実施形態によれば、ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングおよび金属製遮蔽テールカバーに電気的に接触して、金属製遮蔽テールカバーを金属製遮蔽ハウジングに電気的に接続する。
【0011】
本開示の別の態様によれば、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジングと、金属製遮蔽ハウジング内に収容されて絶縁体の上に嵌合されたばねとを備えるコネクタが提供され、ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された第1の位置決め構造および絶縁体の外壁上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成される。
【0012】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の位置決め構造は、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された位置決め段として設けられ、第2の位置決め構造は、絶縁体の外壁上に形成された位置決め突起として設けられ、ばねは、位置決め段と位置決め突起との間に位置するように適合される。
【0013】
本開示の例示的な実施形態によれば、コネクタは、絶縁体の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバーをさらに備える。
【0014】
本開示の例示的な実施形態によれば、絶縁体上の位置決め突起と一致する受けノッチが、金属製遮蔽テールカバーの前端に形成され、位置決め突起は、金属製遮蔽テールカバーが絶縁体の上に嵌合された後、受けノッチ内に受け取られる。
【0015】
本開示の例示的な実施形態によれば、金属製遮蔽テールカバーが絶縁体の上に嵌合されたとき、ばねの一方の端部は、絶縁体の位置決め突起および金属製遮蔽テールカバーの前端面に同時に当接する。
【0016】
本開示の例示的な実施形態によれば、ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングおよび金属製遮蔽テールカバーに電気的に接触して、金属製遮蔽テールカバーを金属製遮蔽ハウジングに電気的に接続する。
【0017】
本開示の例示的な実施形態によれば、コネクタは、円筒形のコネクタを構成する。
【0018】
本開示の例示的な実施形態によれば、金属製遮蔽テールカバーは、金属製遮蔽テールカバー内へ密封材を注入する密封材注入孔を有するようにさらに形成される。
【0019】
本開示の別の態様によれば、上記のコネクタと、ワイアとを備えるコネクタアセンブリが提供され、ワイアの一方の端部は、金属製遮蔽テールカバーを通過し、導電端子に電気的に接続される。
【0020】
本開示の例示的な実施形態によれば、コネクタアセンブリは、密封材注入孔から金属製遮蔽テールカバー内へ注入され、金属製遮蔽テールカバーを絶縁体およびワイアに接合するように構成された密封材をさらに含む。
【0021】
本開示の他の目的および利点は、添付の図面を参照する以下の説明によって明らかであり、本開示に対する包括的な理解に役立つであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるコネクタの概略斜視図である。
【
図2】金属製遮蔽テールカバーの前端面が示されている、
図1に示すコネクタの軸方向断面図である。
【
図3】絶縁体上の位置決め突起が示されている、
図1に示すコネクタの別の軸方向断面図である。
【
図6】
図2および
図3に示す金属製遮蔽テールカバーの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の技術的な解決策について、添付の図面と併せて、以下の実施形態を参照してさらに詳細に説明する。添付の図面を参照する本開示の実施形態の以下の説明は、本開示の発明の一般概念について説明することが意図されるものであり、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【0024】
以下の詳細な説明において、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解を提供するために、多数の特有の詳細について記載する。しかし、これらの特有の詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実践することができることが明らかである。他の例では、図面を簡略化するために、よく知られている構造およびデバイスは概略的に示す。
【0025】
本開示の一般概念によれば、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジングと、絶縁体の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバーとを備えるコネクタが提供される。コネクタは、金属製遮蔽ハウジング内に収容されて絶縁体の上に嵌合されたばねをさらに備える。ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された第1の位置決め構造および金属製遮蔽テールカバー上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成される。
【0026】
本開示の別の一般概念によれば、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合された金属製遮蔽ハウジングとを備えるコネクタが提供される。コネクタは、金属製遮蔽ハウジング内に収容されて絶縁体の上に嵌合されたばねをさらに備え、ばねの2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジングの内壁上に形成された第1の位置決め構造および絶縁体の外壁上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成される。
【0027】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるコネクタの概略斜視図を示す。
図3は、絶縁体100上の位置決め突起110が示されている、
図1に示すコネクタの軸方向断面図を示す。
図5は、
図3に示す絶縁体100の概略斜視図を示す。
【0028】
図示の実施形態では、
図1、
図3、および
図5に示すように、コネクタは主に、絶縁体100と、導電端子(図示せず)と、金属製遮蔽ハウジング200とを備える。導電端子は、絶縁体100内に保持される。金属製遮蔽ハウジング200は、絶縁体100の上に嵌合される。
【0029】
【0030】
本開示の一実施形態では、
図1、3~5に示すように、コネクタは、絶縁体100の上に嵌合されたばね400をさらに備え、ばね400は、2つの端部を有し、2つの端部はそれぞれ、金属製遮蔽ハウジング200の内壁上に形成された第1の位置決め構造および絶縁体100の外壁上に形成された第2の位置決め構造に当接するように構成される。
【0031】
図示の実施形態では、
図3に示すように、ばね400は、金属製遮蔽ハウジング200に作用する外部からの軸方向の衝撃力を吸収し、絶縁体100を損傷から実質上保護し、コネクタの防振性能を改善することが可能である。加えて、ばね400はまた、電磁遮蔽として機能することができ、それによりコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することができる。
【0032】
図示の実施形態では、
図3および
図5に示すように、第1の位置決め構造は、金属製遮蔽ハウジング200の内壁上に形成された位置決め段210として設けられ、第2の位置決め構造は、絶縁体100の外壁上に形成された位置決め突起110として設けられ、ばね400は、位置決め段210と位置決め突起110との間に位置するように適合される。
【0033】
図示の実施形態では、
図3および
図5に示すように、ばね400は、金属製遮蔽ハウジング200内に収容されて、金属製遮蔽ハウジング200に電気的に接触する。
【0034】
図2は、金属製遮蔽テールカバー300の前端面300aが示されている、
図1に示すコネクタの軸方向断面図を示す。
図6は、
図2に示す金属製遮蔽テールカバー300の概略斜視図である。
【0035】
本開示の一実施形態では、前述のコネクタは、絶縁体100の後端の上に嵌合されてばね400に電気的に接触する金属製遮蔽テールカバー300をさらに備える。金属製遮蔽テールカバー300は、コネクタに電気的に接続された外部ワイアに対する電磁遮蔽を提供し、したがってコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することが可能である。加えて、金属製遮蔽テールカバー300は、ばね400を介して金属製遮蔽ハウジング200と電気的に連通することができ、したがって金属製遮蔽ハウジング200、金属製遮蔽テールカバー300、およびばね400は、電磁遮蔽としてともに機能し、それによってコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することができる。
【0036】
図示の実施形態では、
図5および
図6にはっきりと示すように、位置決め突起110と一致する受けノッチ301が、金属製遮蔽テールカバー300の前端に形成される。金属製遮蔽テールカバー300が絶縁体100の上に嵌合されたとき、位置決め突起110は、受けノッチ301内に受け取られる。
【0037】
図示の実施形態では、
図2に示すように、金属製遮蔽テールカバー300が絶縁体100の上に嵌合されたとき、ばね400の一方の端部(
図2で見て右側の端部)は、絶縁体100の位置決め突起110および金属製遮蔽テールカバー300の前端面300aに同時に当接し、ばね400の他方の端部(
図2で見て左側の端部)は、金属製遮蔽ハウジング200の位置決め段210に当接する。したがって、ばね400は、金属製遮蔽テールカバー300を金属製遮蔽ハウジング200に電気的に接続することができる。
【0038】
本開示の一実施形態では、前述のコネクタは、計器、制御機器、および電気機器内で使用するための円筒形のコネクタを含むことができる。
【0039】
図示の実施形態では、
図1、
図2、および
図6に示すように、金属製遮蔽テールカバー300は、金属製遮蔽テールカバー300内へ密封材を注入する密封材注入孔302を有するようにさらに形成される。
【0040】
本開示の別の実施形態では、前述のコネクタと、ワイアとを備えるコネクタアセンブリが提供される。ワイアの一方の端部は、コネクタの金属製遮蔽テールカバー300を通過し、コネクタの導電端子に電気的に接続される。
【0041】
図示の実施形態では、
図1、
図2、および
図6に示すように、コネクタアセンブリは、金属製遮蔽テールカバー300を絶縁体100およびワイアに接合するように注入孔302から金属製遮蔽テールカバー300内へ注入された密封材をさらに備える。
【0042】
図示の実施形態では、位置決め突起110は、コネクタの絶縁体100の外壁上に形成される。しかし、本開示は、図示の実施形態に限定されるものではない。たとえば、コネクタの絶縁体100の外壁上に位置決め突起が形成されず、したがってばね400の一方の端部(図の右側の端部)だけが、金属製遮蔽テールカバー300の前端面300aに当接することができる。
【0043】
図示の実施形態では、金属製遮蔽テールカバー300は、コネクタの絶縁体100の後端の上に嵌合される。しかし、本開示は、図示の実施形態に限定されるものではない。たとえば、コネクタは、金属製遮蔽テールカバー300を含まなくてもよい。このとき、ばね400の一方の端部(図の右側の端部)だけが、絶縁体100の位置決め突起110に当接することができる。
【0044】
本開示の上記の様々な例示的な実施形態では、金属製遮蔽ハウジング内に軸方向の緩衝ばねが設けられ、したがって金属製遮蔽ハウジングに作用する外部からの軸方向の衝撃力をこのばねによって吸収し、絶縁体を損傷から実質上保護し、コネクタの防振性能を改善することができる。加えて、ばねはまた、電磁遮蔽として機能することができ、それによりコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することができる。
【0045】
加えて、本開示のいくつかの例示的な実施形態では、絶縁体の後端の上に嵌合された金属製遮蔽テールカバーは、コネクタに電気的に接続された外部ワイアに対する電磁遮蔽を提供し、したがってコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することができる。さらに、本開示のいくつかの例示的な実施形態では、金属製遮蔽テールカバーは、ばねを介して金属製遮蔽ハウジングと電気的に連通することができ、したがって金属製遮蔽ハウジング、金属製遮蔽テールカバー、およびばねは、電磁遮蔽としてともに機能し、それによってコネクタの電磁遮蔽性能をさらに改善することができる。
【0046】
上記の実施形態は例示的であることが意図されることを、当業者には理解されたい。当業者であれば、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態で説明した様々な特徴は、構成上または原理上矛盾することなく、互いに自由に組み合わせることができる。
【0047】
本開示について、添付の図面を参照して説明したが、これらの図面に開示した実施形態は、本開示の好ましい実施形態の例示であることが意図され、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【0048】
いくつかの例示的な実施形態について図示および説明したが、これらの実施形態では、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、様々な変更または修正を加えることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に定義されることが、当業者には理解されよう。
【0049】
本明細書で使用される「備える、含む(comprises)」および/または「備える、含む(comprising)」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数形も同様に含むことが意図されることに留意されたい。加えて、特許請求の範囲内のあらゆる参照番号は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。