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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】トルクリミッタ
(51)【国際特許分類】
   F16D 7/02 20060101AFI20220204BHJP
   F16F 1/06 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
F16D7/02 F
F16F1/06 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018016146
(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公開番号】P2019132365
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 龍慶
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-126160(JP,A)
【文献】特開2000-161381(JP,A)
【文献】特開2005-063528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 7/02
F16F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向一方側を向く第1端面及び前記第1端面の径方向外端部から軸線方向他方側へ延びる第1外周面を有する本体部、前記第1端面の第1当接領域より径方向内方において前記本体部から軸線方向一方側へ延びる内挿軸並びに前記本体部から軸線方向他方側へ延びる外方延在軸を含む第1回転体と、
軸線方向他方側を向く第2端面及び前記第2端面の径方向外端部から軸線方向一方側へ延びる第2外周面を有する本体部並びに前記第2外周面との間にコイルばねを収容するスペースを画した状態で前記本体部に一体形成された外輪体を含み、前記第2端面における第2当接領域が前記第1端面における第1当接領域に当接された状態で前記第1回転体と同軸上に配置される第2回転体であって、前記第2回転体の本体部は、前記第2端面の第2当接領域より径方向内方に前記内挿軸が軸線回り回転自在に挿入される軸受孔が設けられた筒状とされている第2回転体と、
前記第1及び第2外周面に跨がるように外挿されたコイルばねと
前記第1回転体を軸線回り回転自在に支持する支持部材とを備え、
前記コイルばねを拡径させる方向への回転トルクが前記第1又は第2回転体に付加される際に、前記回転トルクが所定値未満の状態では前記第1及び第2回転体が当該第1及び第2回転体と前記コイルばねとの間の摩擦力によって一体回転し、且つ、前記回転トルクが所定値を越えると前記第1及び第2回転体の一方と前記コイルばねとが前記第1及び第2回転体の他方に対して相対回転するように、前記コイルばね及び前記第1外周面の間の最大静止摩擦力と前記コイルばね及び前記第2外周面の間の最大静止摩擦力とに差異が設けられており、
前記内挿軸の軸線方向一方側は前記第2回転体の本体部を通過して軸線方向一方側外方へ延び、
前記外輪体の軸線方向他方側の端面は前記第1回転体の本体部に設けられた軸線方向一方側を向く端面に当接されて、前記外方延在軸は前記第2回転体よりも軸線方向他方側に配置されており、
前記支持部材は、前記第2回転体の軸線方向一方側に当接することで前記第2回転体の軸線方向一方側への移動を防止しつつ、前記内挿軸のうち前記軸受孔から軸線方向一方側へ延在された部位を支持する第1支持壁と、前記第1回転体の軸線方向他方側に当接することで前記第1回転体の軸線方向他方側への移動を防止しつつ、前記外方延在軸を支持する第2支持壁とを有していることを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項2】
前記コイルばねの断面形状は、前記第1及び第2外周面に当接する内辺と、前記内辺の両端部から径方向外方へ延びる一対の側辺と、前記一対の側辺の径方向外端部同士を連結する外辺とを有し、前記内辺及び前記外辺が前記一対の側辺よりも長い長方形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ。
【請求項3】
前記コイルばねは軸線方向全域に亘って同一内径を有し、
前記第1外周面が前記第2外周面よりも大径とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクリミッタ。
【請求項4】
前記コイルばねは軸線方向全域に亘って同一内径を有し、
前記第2外周面が前記第1外周面よりも大径とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクリミッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート供給機構における分離ローラ等に利用されるトルクリミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
内輪体と前記内輪体に巻き付けられたコイルばねと前記コイルばねが巻き付けられた状態の内輪体が内挿される中空の外輪体とを備え、前記外輪体に付加される外力(回転トルク)が所定の閾値以下の場合には前記外輪体が前記内輪体に対して軸線回りに相対回転することを禁止し且つ前記外力が閾値を超える場合には前記外輪体が前記内輪体に対して軸線回りに相対回転することを許容するように構成されたトルクリミッタは、紙等のシートを1枚ずつ供給するシート供給機構における分離ローラ等として広く利用されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
前記コイルばねは、前記内輪体に巻き付けられる本体部と、前記本体部の一端部から径方向外方へ延在されて前記外輪体に係合する係合片とを有しており、前記外輪体が軸線回り一方側へ回転されると、前記係合片が押動されて前記コイルばねの締め付け力が緩まるようになっている。
【0004】
詳しくは、前記外輪体に作用する軸線回り一方側の外力が前記コイルばねの締め付け力以下の場合には、前記外輪体は前記コイルばねによって軸線回り一方側への回転が禁止される。一方、前記外力が前記コイルばねの締め付け力を超えると、前記外輪体によって前記コイルばねが開放状態とされ、これにより、前記外輪体が前記コイルばねと共に前記内輪体に対して軸線回りに相対回転することが許容される。
【0005】
前記トルクリミッタがシート供給機構における分離ローラとして利用される場合を例に、前記トルクリミッタの動作をさらに詳細に説明する。
前記シート供給機構は、動力源からの動力によって軸線回りに回転駆動されてシートを送り込む供給ローラと、前記供給ローラとの間でシートを挟むように前記供給ローラと対向配置されて、分離ローラとして作用するトルクリミッタとを備えている。
【0006】
ここで、前記供給ローラ及び前記トルクリミッタは、前記供給ローラと前記シートとの間の供給ローラ側摩擦力及び前記トルクリミッタと前記シートとの間のトルクリミッタ側摩擦力が、積層されたシート間のシート間摩擦力よりも大となるように、構成されている。
【0007】
詳しく説明すると、前記供給ローラ及び前記トルクリミッタの間で一枚のシートが狭持搬送される際には、前記供給ローラの回転に応じて供給ローラ側摩擦力によって前記シートが搬送され、且つ、前記シートの搬送に応じてトルクリミッタ側摩擦力によって前記トルクリミッタが従動回転される。
【0008】
即ち、前記供給ローラによって搬送されるシートを介して前記トルクリミッタの外輪体には軸線回り一方側を向く外力が作用する。この外力が前記閾値を超えるように設定しておくことにより、一枚のシートが送り込まれた場合には前記外輪体が前記コイルばねと共に前記内輪体に対して軸線回りに回転する。
【0009】
一方、前記供給ローラ及び前記トルクリミッタの間で複数枚のシートが積層状態で挟まれる際には、前述の通り、供給ロール側摩擦力及びトルクリミッタ側摩擦力の双方がシート間摩擦力よりも大とされている為、前記複数枚のシートのうち前記供給ローラに接する一枚のシートだけが他のシートに対して滑りながら前記供給ローラによって搬送される。
【0010】
この際、前記供給ローラによって搬送される供給ローラ側シートからシート間摩擦力に応じた力が前記トルクリミッタに接するトルクリミッタ側シートを介して前記トルクリミッタの前記外輪体に作用する。
【0011】
しかしながら、この状態で前記外輪体に作用する力は前記閾値以下とされており、従って、前記外輪体は前記コイルばねによって回転が防止される。
【0012】
このように、前記トルクリミッタにおいては、前記コイルばねが前記内輪体に対して軸線回りに摺接状態で相対回転する状態(前記シート供給機構においては、前記供給ローラ及び前記トルクリミッタの間に一枚のシートだけが挟まれて、前記シートが前記供給ローラによって搬送され、前記シートの搬送に伴って前記外輪体及び前記コイルばねが前記内輪体に対して軸線回りに相対回転する状態)と、前記コイルばねが前記内輪体に対して相対回転不能な状態(前記シート供給機構においては、前記供給ローラ及び前記トルクリミッタの間に複数のシートが積層状態で挟まれて、前記供給ローラに接するシートだけが、隣接する他のシートに対して滑りつつ前記供給ローラによって搬送され、前記外輪体及び前記コイルばねは前記内輪体に対して相対回転しない状態)とが繰り返し現出される。
【0013】
ところで、前記従来のトルクリミッタにおいては、前記外輪体に作用する力は前記コイルばねの係合片に局所的に付加されることになる為、耐久性を向上させ難いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開2014-185677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、同軸上に配置された第1及び第2回転体がコイルばねを介して連結されており、前記第1又は第2回転体に作用する回転トルクが所定値未満の際には前記第1及び第2回転体が前記コイルばねを介して一体回転し、且つ、前記回転トルクが所定値を越えると前記第1及び第2回転体の一方が前記コイルばねと共に前記第1及び第2回転体の他方に対して相対回転するトルクリミッタであって、耐久性の向上を図り得るトルクリミッタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前記目的を達成するために、軸線方向一方側を向く第1端面及び前記第1端面の径方向外端部から軸線方向他方側へ延びる第1外周面を有する本体部、前記第1端面の第1当接領域より径方向内方において前記本体部から軸線方向一方側へ延びる内挿軸並びに前記本体部から軸線方向他方側へ延びる外方延在軸を含む第1回転体と、軸線方向他方側を向く第2端面及び前記第2端面の径方向外端部から軸線方向一方側へ延びる第2外周面を有する本体部並びに前記第2外周面との間にコイルばねを収容するスペースを画した状態で前記本体部に一体形成された外輪体を含み、前記第2端面における第2当接領域が前記第1端面における第1当接領域に当接された状態で前記第1回転体と同軸上に配置される第2回転体であって、前記第2回転体の本体部は、前記第2端面の第2当接領域より径方向内方に前記内挿軸が軸線回り回転自在に挿入される軸受孔が設けられた筒状とされている第2回転体と、前記第1及び第2外周面に跨がるように外挿されたコイルばねと、前記第1回転体を軸線回り回転自在に支持する支持部材とを備え、前記コイルばねを拡径させる方向への回転トルクが前記第1又は第2回転体に付加される際に、前記回転トルクが所定値未満の状態では前記第1及び第2回転体が当該第1及び第2回転体と前記コイルばねとの間の摩擦力によって一体回転し、且つ、前記回転トルクが所定値を越えると前記第1及び第2回転体の一方と前記コイルばねとが前記第1及び第2回転体の他方に対して相対回転するように、前記コイルばね及び前記第1外周面の間の最大静止摩擦力と前記コイルばね及び前記第2外周面の間の最大静止摩擦力とに差異が設けられており、前記内挿軸の軸線方向一方側は前記第2回転体の本体部を通過して軸線方向一方側外方へ延び、前記外輪体の軸線方向他方側の端面は前記第1回転体の本体部に設けられた軸線方向一方側を向く端面に当接されて、前記外方延在軸は前記第2回転体よりも軸線方向他方側に配置されており、前記支持部材は、前記第2回転体の軸線方向一方側に当接することで前記第2回転体の軸線方向一方側への移動を防止しつつ、前記内挿軸のうち前記軸受孔から軸線方向一方側へ延在された部位を支持する第1支持壁と、前記第1回転体の軸線方向他方側に当接することで前記第1回転体の軸線方向他方側への移動を防止しつつ、前記外方延在軸を支持する第2支持壁とを有しているトルクリミッタを提供する。
【0017】
好ましくは、前記コイルばねの断面形状は、前記第1及び第2外周面に当接する内辺と、前記内辺の両端部から径方向外方へ延びる一対の側辺と、前記一対の側辺の径方向外端部同士を連結する外辺とを有し、前記内辺及び前記外辺が前記一対の側辺よりも長い長方形状とされる。
【0018】
前記種々の構成において、前記コイルばねは軸線方向全域に亘って同一内径を有するものとされ、前記第1外周面が前記第2外周面よりも大径とされ得る。
これに代えて、前記第2外周面が前記第1外周面よりも大径とされ得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るトルクリミッタによれば、第1端面及び第1外周面を有する本体部、前記第1端面の第1当接領域より径方向内方において前記本体部から軸線方向一方側へ延びる内挿軸並びに前記本体部から軸線方向他方側へ延びる外方延在軸を含む第1回転体と、第2端面及び第2外周面を有する本体部並びに前記第2外周面との間にコイルばねを収容するスペースを画した状態で前記本体部に一体形成された外輪体を含む第2回転体と、コイルばねと、前記第1回転体を軸線回り回転自在に支持する支持部材とを備え、前記第1及び第2回転体は、前記第1端面の第1当接領域及び前記第2端面の第2当接領域が当接された状態で同軸上に配置され、前記コイルばねは、前記第1及び第2外周面に跨がるように前記第1及び第2回転体に外挿されており、前記コイルばねを拡径させる方向への回転トルクが前記第1又は第2回転体に付加される際に、前記回転トルクが所定値未満の状態では前記第1及び第2回転体が前記コイルばねを介して一体回転し、且つ、前記回転トルクが所定値を越えると前記第1及び第2回転体の一方と前記コイルばねとが前記第1及び第2回転体の他方に対して相対回転するように、前記コイルばね及び前記第1外周面の間の最大静止摩擦力と前記コイルばね及び前記第2外周面の間の最大静止摩擦力とに差異が設けられており、前記内挿軸は軸線方向一方側が前記第2回転体の本体部を通過して軸線方向一方側外方へ延び、前記外輪体の軸線方向他方側の端面は前記第1回転体の本体部に設けられた軸線方向一方側を向く端面に当接されて、前記外方延在軸は前記第2回転体よりも軸線方向他方側に配置されており、前記支持部材は、前記第2回転体の軸線方向一方側に当接することで前記第2回転体の軸線方向一方側への移動を防止しつつ、前記内挿軸のうち前記軸受孔から軸線方向一方側へ延在された部位を支持する第1支持壁と、前記第1回転体の軸線方向他方側に当接することで前記第1回転体の軸線方向他方側への移動を防止しつつ、前記外方延在軸を支持する第2支持壁とを有しているので、前記支持部材によって前記第1及び第2回転体が互いに対して離間する方向へ移動することを防止しつつ、前記コイルばねに局所的な回転トルクが付加されることを防止でき、耐久性の向上を図ることができる。
【0020】
前記コイルばねの断面形状が、前記第1及び第2外周面に当接する内辺と、前記内辺の両端部から径方向外方へ延びる一対の側辺と、前記一対の側辺の径方向外端部同士を連結する外辺とを有し、前記内辺及び前記外辺が前記一対の側辺よりも長い長方形状とすれば、前記第1及び第2回転体の間に生じ得る隙間に前記コイルばねが入り込むことを有効に防止乃至は低減でき、前記第1及び第2回転体を支持する支持構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係るトルクリミッタの斜視図である。
図2図2は、前記トルクリミッタの斜視断面図である。
図3図3は、前記トルクリミッタの分解斜視断面図である。
図4図4は、支持部材が装着された状態の前記トルクリミッタの縦断側面図である。
図5図5は、図4におけるV部拡大図である。
図6図6は、前記トルクリミッタが分離ローラとして適用されたシート供給機構の模式図である。
図7図7は、従来のトルクリミッタの斜視図である。
図8図8(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施例及び従来構成の比較例に対して行った耐久試験結果を示すグラフである。
図9図9は、前記実施の形態の第1変形例に係るトルクリミッタの縦断側面図である。
図10図10は、前記実施の形態の第2変形例に係るトルクリミッタの縦断側面図である。
図11図11は、前記実施の形態の第3変形例に係るトルクリミッタの縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るトルクリミッタの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1図3に、それぞれ、本実施の形態に係るトルクリミッタ1の斜視図、斜視断面図及び分解斜視断面図を示す。
【0023】
図1図3に示すように、前記トルクリミッタ1は、同軸上において相対回転自在に配置された第1回転体10及び第2回転体20と、前記第1回転体10の第1外周面10a及び前記第2回転体20の第2外周面20aに跨がるように外挿されたコイルばね30とを備えている。
【0024】
前記第1回転体10は、軸線方向一方側D1を向く第1端面10bと、前記第1端面10bの径方向外端部から軸線方向他方側D2へ延び、前記コイルばね30が外挿される前記第1外周面10aとを有している。
【0025】
本実施の形態においては、前記第1回転体10は、前記第1端面10b及び前記第1外周面10aを有する本体部11と、前記本体部11から軸線方向一方側D1へ延びる内挿軸13と、前記本体部11から軸線方向他方側D2へ延びる外方延在軸15とを有している。
【0026】
前記第2回転体20は、軸線方向他方側D2を向く第2端面20b及び前記第2端面20bの径方向外端部から軸線方向一方側D1へ延びる前記第2外周面20aを有している。
【0027】
前記第1及び第2回転体10、20は、前記第1端面10bにおける第1当接領域19及び前記第2端面20bにおける第2当接領域29が当接された状態で同軸上において軸線回り相対回転自在に配設される。
【0028】
本実施の形態においては、前記第1端面10bのうち径方向外方部分が前記第1当接領域19を形成し、前記第2端面20bのうち径方向外方部分が前記第2当接領域29を形成している。
【0029】
即ち、前記内挿軸13は、前記第1当接領域19より径方向内方位置において前記本体部11から軸線方向一方側D1へ延びている。
【0030】
前記第2回転体20は、前記第2端面20b及び前記第2外周面20aを有し、前記第2当接領域29の径方向内方に前記内挿軸13が軸線回り回転自在に挿入される軸受孔20cが設けられた筒状の本体部21と、前記第2外周面20aとの間に前記コイルばね30を収容するスペースを画した状態で前記本体部21に一体形成された外輪体23とを有している。
【0031】
前記コイルばね30は、前記第1及び第2外周面10a、20aに対して以下の締結力が生じるように構成されている。
即ち、前記第1及び第2回転体10、20の一方(以下、駆動側回転体という)を軸線回りに前記コイルばね30を拡径させる方向(締め付け力を緩める開放方向)へ回転させる際に、前記駆動側回転体に付加される回転トルクが所定値未満の状態では前記第1及び第2回転体10、20が前記コイルばね30を介して一体回転し、且つ、前記回転トルクが所定値を越えると前記第1及び第2回転体10、20の一方が前記コイルばね30と共に前記第1及び第2回転体10、20の他方に対して相対回転するように、前記コイルばね30及び前記第1外周面10aの間の最大静止摩擦力F1と前記コイルばね30及び前記第2外周面20aの間の最大静止摩擦力F2とに差異が設けられている。
【0032】
この点に関し、前記第2回転体20が前記駆動側回転体となる場合を例に詳しく説明する。
例えば、前記第1外周面10aの外径D1が前記第2外周面20aの外径D2よりも大径とされることにより、前記最大静止摩擦力F1が前記最大静止摩擦力F2より大とされている場合において、前記駆動側回転体として作用する前記第2回転体20に付加される回転トルクが前記所定値を越えると、前記コイルばね30及び前記第1回転体10は回転せずに、前記第2回転体20だけが前記コイルばね30に対して摺接しながら軸線回りに回転する。
【0033】
これとは異なり、例えば、前記第2外周面20aの外径D2が前記第1外周面10aの外径D1よりも大径とされることにより、前記最大静止摩擦力F2が前記最大静止摩擦力F1より大とされている場合において、前記駆動側回転体として作用する前記第2回転体20に付加される回転トルクが前記所定値を越えると、前記第2回転体20及び前記コイルばね30が一体的に前記第1回転体10に対して軸線回りに相対回転する。即ち、前記第1回転体10は回転せずに、前記コイルばね30が前記第1回転体10の前記第1外周面10aに摺接しながら、前記第1回転体10及び前記コイルばね30が一体的に軸線回りに回転する。
【0034】
この例のように、前記第1及び第2外周面10a、20aの外径D1、D2を異ならせる場合には、前記コイルばね30の内径を軸線方向全域に亘って一定としても、前記最大静止摩擦力F1及び前記最大静止摩擦力F2に差異を設けることができる。
【0035】
本実施の形態に係るトルクリミッタ1は、さらに、前記第1及び第2回転体10、20を軸線回り回転自在に支持する支持部材40を備えている。
図4に、前記支持部材40が装着された状態の前記トルクリミッタ1の縦断側面図を示す。
【0036】
図4に示すように、前記支持部材40は、前記第2回転体20の軸線方向一方側に当接することで前記第2回転体20の軸線方向一方側D1への移動を防止しつつ、前記内挿軸13のうち前記軸受孔20cから軸線方向一方側D1へ延在された部位13aを支持する第1支持壁41と、前記第1回転体10の軸線方向他方側に当接することで前記第1回転体10の軸線方向他方側D2への移動を防止しつつ、前記外方延在軸15を支持する第2支持壁42とを有している。
【0037】
図示の形態においては、前記支持部材40は、さらに、前記第1及び第2支持壁41、42を連結する連結部材として、前記第1及び第2支持壁41、42の下端部同士を連結する底壁43を有している。
【0038】
図5に、図4におけるV部拡大図を示す。
図5に示すように、本実施の形態においては、前記コイルばね30は、前記第1及び第2外周面10a,20aに当接する内辺31が径方向に沿った側辺33よりも長い断面矩形状とされている。
【0039】
詳しくは、前記コイルばね30の断面形状は、前記第1及び第2外周面10a、20aに当接する内辺31と、前記内辺31の両端部から径方向外方へ延びる一対の側辺33と、前記一対の側辺33の径方向外端部同士を連結する外辺32とを有しており、前記内辺31及び前記外辺32が前記一対の側辺33よりも長いものとされている。
【0040】
斯かる構成を備えることにより、前記コイルばね30が前記第1及び第2端面10b、20bの間に生じ得る隙間に入り込み、前記トルクリミッタ1が正常に動作しなくなるおそれを有効に防止乃至は低減することができる。
【0041】
即ち、前記支持部材40によって前記第1及び第2回転体10、20が互いに対して離間する方向へ移動することは防止されるが、前記第1及び第2端面10b、20bの間に全く隙間が生じないように前記第1及び第2回転体10、20を支持する為には、前記支持部材40を精密に製造する必要があり、コスト高を招く。
【0042】
例えば、前記第1及び第2端面10b、20bが互いに対して押圧されるように前記第1及び第2回転体10、20を付勢した状態で前記第1及び第2回転体10、20を支持することによって、前記第1及び第2端面10b、20bの間に生じ得る隙間を防止することも可能であるが、この構成では、前記第1及び第2回転体10、20を付勢する機構が必要になり、コスト高を招くと共に、前記第1及び第2端面10b、20bの間に大きな摩擦力が生じ、前記第1及び第2回転体10、20の相対回転動作が阻害されることになる。
【0043】
この点に関し、本実施の形態においては、断面形状における内辺31及び外辺32が側辺33よりも長いコイルばね30を用いており、これにより、前記第1及び第2回転体10、20を支持する前記支持部材40の構造簡略化を図りつつ、前記コイルばね30が前記第1及び第2端面10b、20bの間に入り込んで、前記トルクリミッタ1の正常動作が阻害されることを有効に防止乃至は低減している。
【0044】
前記トルクリミッタ1は、積層された複数のシートを1枚ずつ供給するシート供給機構における分離ローラとして好適に使用される。
図6に、本実施の形態に係るトルクリミッタ1が分離ローラ120として適用されたシート供給機構100の模式図を示す。
【0045】
図6に示すように、前記シート供給機構100は、動力源によって駆動されてシート150を送り込む供給ローラ110と、前記供給ローラ110との間にシート150を挟むように前記供給ローラ110に対向配置された前記トルクリミッタ1とを備えている。
この場合、前記外輪体23を含む前記第2回転体20が前記分離ローラ120として作用する。
【0046】
なお、図示の形態においては、前記シート供給機構100は、さらに、前記トルクリミッタ1を前記供給ローラ110に向けて押圧する付勢部材130と、積層された複数のシート150を収容するトレイ160とを備えている。
【0047】
前記トレイ160は、前記供給ローラ110が前記複数のシート150のうち最上方に位置するシート150に作用することを可能とする作動位置(図6の実線)と、前記複数のシート150を前記供給ローラ110から退避させる退避位置(図6の破線)とをとり得る。
【0048】
前記第2回転体20は、前記供給ローラ110及び前記外輪体23の間に一枚のシート150が挟まれる場合には、当該一枚のシート150の搬送をサポートする一方で、前記供給ローラ110及び前記外輪体23の間に複数枚のシート150a、150bが積層状態で挟まれる場合には、前記供給ローラ110に接する一枚のシート150aだけの搬送を可能とする分離ローラ120として作用する。
【0049】
詳しくは、前記供給ローラ110及び前記トルクリミッタ1は、前記供給ローラ110と前記シート150との間の供給ローラ側摩擦力及び前記第2外輪体23と前記シート150との間のトルクリミッタ側摩擦力が、積層された複数のシート150間のシート間摩擦力よりも大となるように、構成されている
【0050】
具体的には、図5に示すように、前記供給ローラ110は、前記動力源によって軸線回りに回転駆動される駆動軸111と、前記駆動軸111に相対回転不能に外挿されたローラ本体112と、前記ローラ本体112の外周に装着された供給ローラゴム113とを有している。
【0051】
一方、前記トルクリミッタ1は、前記第1回転体10、前記第2回転体20及び前記コイルばね30に加えて、前記第2回転体20の前記外輪体23に外挿された分離ローラゴム123を有している。
【0052】
前記供給ローラゴム113及び前記分離ローラゴム123は、前記供給ローラ側摩擦力及び前記トルクリミッタ側摩擦力が前記シート間摩擦力より大となるように、構成される。
【0053】
前記シート供給機構100は、以下のように動作する。
前記供給ローラ110及び前記外輪体23の間に一枚のシート150だけが挟まれている状態では、前記供給ローラ110の回転に伴って前記供給ローラ側摩擦力を介して前記シート150が搬送される。
【0054】
この際、前記トルクリミッタ1の前記外輪体23は、前記シート150の搬送に応じて前記トルクリミッタ側摩擦力を介して軸線回り開放方向へ回転される。
即ち、前記外輪体23には、前記シート150を介して軸線回り開放方向への回転トルクが作用する。
【0055】
この回転トルクが前記最大静止摩擦力F1及びF2のうち小さい方の摩擦力(例えば、F2)より大となるように設定しておけば、前記第1回転体10及び前記コイルばね30は回転せずに、前記第2外周面20aが前記コイルばね30に対して摺接しながら、前記第2回転体20だけが軸線回りに回転する。
従って、シート150は前記供給ローラ110及び分離ローラ120として作用する前記トルクリミッタ1によって狭持された状態で搬送される。
【0056】
一方、前記供給ローラ110及び前記外輪体23の間に複数枚のシート150a、150bが積層状態で挟まれると、前記供給ローラ110の回転に伴って前記供給ローラ110に接する一枚の供給ローラ側シート150aだけが搬送される。
【0057】
即ち、前述の通り、供給ロール側摩擦力及びトルクリミッタ側摩擦力の双方がシート間摩擦力よりも大とされている為、前記供給ロール110及び前記外輪体23の間に複数枚のシート150a、150bが積層状態で挟まれると、前記供給ローラ側シート150aと当該供給ローラ側シートに接する他のシート150bとの間で滑りが生じる。
【0058】
詳しく説明すると、前記供給ローラ110の回転に応じて、供給ローラ側摩擦力を介して供給ローラ側シート150aが搬送される。この際、シート間摩擦力を介して伝達される回転トルクが前記外輪体23に付加される。
【0059】
このシート間摩擦力を介して伝達される回転トルクが、前記最大静止摩擦力F1及びF2のうち小さい方の摩擦力(例えば、F2)より小となるように設定しておけば、前記第2回転体20は回転せずに、前記供給ローラ側シート150aだけが隣接する他のシート150bに対して滑りながら、搬送される。
【0060】
斯かる構成の前記トルクリミッタ1は、図7に示す従来のトルクリミッタ200に比して、耐久性の向上を図ることができる。
【0061】
即ち、図7に示すように、従来のトルクリミッタ200は、内輪体210と、前記内輪体に巻き付けられたコイルばね230と、前記内輪体210に相対回転自在に外挿された外輪体220とを有している。
【0062】
前記コイルばね230は、前記内輪体210に巻き付けられた本体部231と、前記本体部231の一端側から延在された係合片233とを有しており、前記係合片233が前記外輪体220に係合されている。
【0063】
前記従来のトルクリミッタ200においては、前記コイルばね230を拡径させる方向の回転トルクが前記外輪体220に作用すると、前記回転トルクが所定値を越えた時点で、前記外輪体220が前記コイルばね230と共に、前記内輪体210に対して相対回転する。
【0064】
この際、前記コイルばね230の前記係合片233に前記回転トルクが局所的に作用することになり、前記コイルばね230の耐久性を向上させ難いという問題があった。
【0065】
これに対し、本実施の形態に係るトルクリミッタ1においては、前記第1及び第2回転体10、20の一方(駆動側回転体)に作用する回転トルクは、前記コイルばね30のうち前記駆動側回転体に巻き付けられている領域の全体に亘って作用することになる。
【0066】
従って、本実施の形態に係るトルクリミッタ1は、前記回転トルクが前記コイルばね230の係合片233に局所的に作用する従来のトルクリミッタ200に比して、耐久性を向上させることができる。
【0067】
さらに、前述の通り、本実施の形態に係るトルクリミッタ1においては、断面形状において内辺31及び外辺32が側辺33よりも長いばねを前記コイルばね30として用いている為、前記第1及び第2回転体10、20を支持する為の支持構造の簡略化を図ることができる。
【0068】
以下、前記トルクリミッタ1の一例(実施例)に対して行った耐久試験について説明する。
前記実施例として、図1図4に示す形態を有し、且つ、下記寸法及び材質の同一構成のトルクリミッタを3つ作成した(実施例1~3)。
【0069】
第1回転体10:ポリオキシメチレン(POM)樹脂
第1外周面10aの外径:6.3mm
第2回転体20:ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂
第2外周面20aの外径:6.0mm
コイルばね30:断面形状が0.762mm×0.508mmの矩形状とされたピアノ線によって、前記第1回転体10を固定した状態で前記第2回転体20を軸線回り開放方向へ回転させる際に要する回転トルクが2.2cN・mとなるように形成された螺旋体
【0070】
比較例として、図7に示す形態を有し、且つ、下記寸法及び材質の同一構成のトルクリミッタを3つ作成した(比較例1~3)。
【0071】
内輪体210:ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂
内輪体210の外径:6.0mm
外輪体220:ポリオキシメチレン(POM)樹脂
コイルばね230:断面形状が0.762mm×0.508mmの矩形状とされたピアノ線によって、前記内輪体210を固定した状態で前記外輪体220を軸線回り開放方向へ回転させる際に要する回転トルクが2.2cN・mとなるように形成された螺旋体
【0072】
前記実施例1~3に対し、前記第1回転体10を固定した状態で前記第2回転体20を軸線回り開放方向へ回転数250rpmで1秒間回転させ、その後、9秒間停止させるON・OFF動作を1枚のシートを搬送する1サイクルとし、このサイクルを繰り返して、前記第1回転体10及び前記コイルばね30は回転させずに、前記第2回転体20だけを軸線回りに回転させる際に要する回転トルクを測定した。
その測定結果を図8(a)に示す。
【0073】
前記比較例1~3に対し、前記内輪体210を固定した状態で前記外輪体220を軸線回り開放方向へ回転数250rpmで1秒間回転させ、その後、9秒間停止させるON・OFF動作を1サイクルとし、このサイクルを繰り返して、前記内輪体210は回転させずに、前記外輪体220及び前記コイルばね230を軸線回りに回転させる際に要する回転トルクを測定した。
その測定結果を図8(b)に示す。
【0074】
図8(b)に示すように、前記比較例1~3においては、4000サイクルを越えた時点で前記外輪体220を回転させる為に要する回転トルクが上昇し始め、以降、8000サイクルまでサイクルの回数増加に応じて回転トルクが上昇した。
【0075】
これに対し、前記実施例1~3においては、8000サイクルまで、前記第2回転体20を回転させる為に要する回転トルクに実質的変化はみられなかった。
【0076】
この結果からも、本実施の形態に係るトルクリミッタ1は、従来のトルクリミッタ200に比して、耐久性を向上させ得ることが確認できる。
【0077】
なお、本実施の形態においては、前記第2回転体20が前記軸受孔20cを有する前記本体部21を備えており、前記支持部材40は、前記第1回転体10の前記内挿軸13のうち前記軸受孔20cから軸線方向一方側へ延在された部位13aと、前記第1回転体10の前記外方延在軸15とを支持するように構成されているが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
【0078】
図9に、本実施の形態の第1変形例に係るトルクリミッタ1Bの縦断側面図を示す。
なお、図中、本実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0079】
図9に示すように、前記第1変形例に係るトルクリミッタ1Bは、第1回転体10Bと、第2回転体20Bと、前記コイルばね30と、前記第1及び第2回転体10B、20Bを同軸上で相対回転自在に支持する支持部材40Bとを備えている。
【0080】
前記第1回転体10Bは、前記第1端面10b及び前記第1外周面10aを有し、前記第1当接領域19より径方向内方において軸線方向他方側D2へ延びる軸受孔10cが設けられた本体部11Bと、前記本体部11Bから軸線方向他方側D2へ延びる外方延在軸15とを有している。
【0081】
前記第2回転体20Bは、前記第2端面20b及び前記第2外周面20aを有する本体部21Bと、前記本体部21Bから軸線方向一方側D1へ延びる外方延在軸25Bと、前記第2当接領域29より径方向内方において前記本体部21Bから軸線方向他方側D2へ延びて、前記軸受孔10cに挿入される内挿軸27Bとを有している。
【0082】
前記支持部材40Bは、前記第2回転体20Bの軸線方向一方側に当接することで前記第2回転体20Bの軸線方向一方側D1への移動を防止しつつ、前記第2回転体20Bの前記外方延在軸25Bを支持する第1支持壁41Bと、前記第1回転体10Bの軸線方向他方側に当接することで前記第1回転体10Bの軸線方向他方側D2への移動を防止しつつ、前記第1回転体10Bの前記外方延在軸15を支持する第2支持壁42と、前記第1支持壁41B及び前記第2支持壁42を連結する底壁43とを有している。
【0083】
図10に、本実施の形態の第2変形例に係るトルクリミッタ1Cの縦断側面図を示す。
なお、図中、本実施の形態1及び前記第1変形例1Bにおけると同一部材には同一符号を付している。
【0084】
図10に示すように、前記第2変形例に係るトルクリミッタ1Cは、第1回転体10Cと、第2回転体20Cと、前記コイルばね30と、前記支持部材40Bとを備えている。
【0085】
前記第1回転体10Cは、前記第1端面10b及び前記第1外周面10aを有する本体部11と、前記第1当接領域19bより径方向内方において前記本体部11から軸線方向一方側へ延びる内挿軸13Cと、前記本体部11から軸線方向他方側へ延びる外方延在軸15とを有している。
【0086】
前記第2回転体20Cは、前記第2端面20b及び前記第2外周面20aを有し、前記第2当接領域29より径方向内方において軸線方向一方側へ延びる軸受孔20cが設けられた本体部21Cと、前記本体部21Cから軸線方向一方側へ延びる外方延在軸25Bとを有している。
【0087】
図11に、本実施の形態の第3変形例に係るトルクリミッタ1Dの縦断側面図を示す。
なお、図中、本実施の形態1、前記第1変形例1B及び第2変形例1Cにおけると同一部材には同一符号を付している。
【0088】
図11に示すように、前記第3変形例に係るトルクリミッタ1Dは、第1回転体10Dと、第2回転体20Dと、前記コイルばね30と、前記支持部材40Bとを備えている。
【0089】
前記第1回転体10Dは、前記第1端面10b及び前記第1外周面10aを有する本体部11と、前記本体部11から軸線方向他方側へ延びる外方延在軸15とを有している。
【0090】
前記第2回転体20Dは、前記第2端面20b及び前記第2外周面20aを有する本体部21Bと、前記本体部21Bから軸線方向一方側へ延びる外方延在軸25Bとを有している。
【0091】
第3変形例においては、前記第1端面10bの全体が第1当接領域19を形成し、前記第2端面20bの全体が第2当接領域29を形成している。
【符号の説明】
【0092】
1、1B~1D トルクリミッタ
10 第1回転体
10a 第1外周面
10b 第1端面
11、11B 本体部
13 内挿軸
15 外方延在軸
19 第1当接領域
20 第2回転体
20a 第2外周面
20b 第2端面
20c 軸受孔
21、21B 本体部
23 外輪体
25B 外方延在軸
27B 内挿軸
29 第2当接領域
30 コイルばね
31 内辺
32 外辺
33 側辺
40、40B 支持部材
41、41B 第1支持壁
42 第2支持壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11