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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】調整可能なベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/08 20060101AFI20220204BHJP
   A61G 7/005 20060101ALI20220204BHJP
   A61G 7/015 20060101ALI20220204BHJP
   A47C 20/12 20060101ALN20220204BHJP
【FI】
A47C20/08 Z
A61G7/005
A61G7/015
A47C20/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018566248
(86)(22)【出願日】2017-06-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 GB2017051722
(87)【国際公開番号】W WO2017216547
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-05-21
(31)【優先権主張番号】1610212.1
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518442239
【氏名又は名称】モータス メカニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ポール
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-095858(JP,A)
【文献】国際公開第2014/171253(WO,A1)
【文献】特開2004-016558(JP,A)
【文献】特開平09-187481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 20/00-18
A61G 7/00-16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能なベッドであって、
フレーム、並びに
前記フレームに対する相対的な角度調整のために回動可能に装着された複数の関節式のマットレス支持区分、及び固定されたシート区分を備えた調整可能なマットレス支持プラットフォームであり、前記マットレス支持区分は、少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分、及び前記背もたれ支持区分に隣接した少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分、平らな姿勢又は持ち上げられた姿勢で占有者を支持するための、平らな、下げられた構成と持ち上げられた構成との間で当該ベッドを再構成するために、協調した回動運動をもたらして、前記少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分に対して相対的に前記少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分を角度調整するための単一の作動機構、を含む、マットレス支持プラットフォーム、を有し、前記単一の作動機構は、前記背もたれ支持区分を駆動するように動作可能な接続手段を備え、前記接続手段は遠位端を備え、前記背もたれ支持区分は、前記遠位端に対して相対的に直線的に移動可能且つ前記遠位端の回りを回動可能であり、前記マットレス曲げ支持区分の回動運動をもたらし、前記遠位端は、該遠位端に装着されたローラを含み、前記接続手段の直線運動及び前記背もたれ支持区分の回動運動を可能にする、
調整可能なベッド。
【請求項2】
前記単一の作動機構は、前記平らな、下げられた構成と持ち上げられた構成との間で当該ベッドを再構成するために、前記少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分及び前記少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分に対して同時に作用するように動作可能である、請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項3】
前記少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分に対して相対的な前記少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分の前記回動運動は、前記マットレス支持プラットフォームに対する外部負荷及び前記接続手段の前記遠位端の位置に依存して規定される、請求項1又は請求項2に記載の調整可能なベッド。
【請求項4】
結合角度は、前記シート区分によって規定される平面と前記背もたれ支持区分によって規定される平面との間に規定され、前記結合角度は、前記シート区分によって規定される平面と前記マットレス曲げ支持区分によって規定される平面との間に規定される第一角度と、前記マットレス支持区分によって規定される平面と前記背もたれ支持区分によって規定される平面との間に規定される第二角度との間に、分配されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【請求項5】
前記背もたれ支持区分の調整の角度範囲及び前記マットレス曲げ支持区分の調整の角度範囲は、ほぼ等しい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【請求項6】
前記背もたれ支持区分の調整の角度範囲は、前記マットレス曲げ支持区分の調整の角度範囲よりも大きい、請求項5に記載の調整可能なベッド。
【請求項7】
当該ベッドは、複数の隣接する調整可能なマットレス曲げ支持区分を有するか、或いは複数の隣接する調整可能な背もたれ支持区分を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【請求項8】
前記マットレス支持プラットフォームは、前記フレームに関して固定された、少なくとも一つの調整できない支持区分を更に有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【請求項9】
前記マットレス曲げ支持区分は、前記調整できないマットレス支持区分と前記背もたれ支持区分との間に配置されている、請求項8に記載の調整可能なベッド。
【請求項10】
前記背もたれ支持区分及び/又は前記マットレス曲げ支持区分の調整の範囲は、止め手段によって限定される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【請求項11】
前記背もたれ支持区分及び/又は前記マットレス曲げ支持区分の調整の範囲は、前記背もたれ支持区分及び/又は前記マットレス曲げ支持区分のそれぞれの回動式接続の各々に関連する止め手段によって限定される、請求項10に記載の調整可能なベッド。
【請求項12】
前記背もたれ支持区分及び前記マットレス曲げ支持区分の調整の結合範囲は、当該ベッドの前記平らな、下げられた構成に対して65度又はそれ未満である、請求項4に記載、又は請求項4に従属する場合の請求項5乃至11のいずれか一項に記載の調整可能なベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調整可能なベッドに関し、特にはベッドの構成を調整するために動かされ得る一つ又はそれ以上の調整可能な支持区分を備えた調整可能なベッドにかかわる。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2002/0174487号明細書は、様々な姿勢で、例えば平らな、水平姿勢で、横臥姿勢若しくは半横臥姿勢で、又は単純に背もたれを持ち上げて占有者を支持するための調整可能な背中区分及び大腿区分を備えた病院用ベッドを開示する。米国特許出願公開第2002/0174487号明細書の病院用ベッドは、平行で離間された第一及び第二側フレーム部材の対を備えたフレーム;調整可能な背部を含むマットレス支持デッキ;背部区分に隣接して位置付けられた、固定されたシート区分;及び、シート区分に隣接して位置付けられた、調整可能な大腿区分、を有する。大腿区分は、シート区分に対して相対的に、長手方向に移動可能であり、それがフレームに対して相対的に持ち上げられたときに大腿区分の長さを増大させる。第一及び第二の管は、背部区分のそれぞれの第一及び第二側に連結される。複数のローラは、第一及び第二側フレーム部材に連結され、ローラは、フレームに対して相対的な湾曲した管及び背もたれ区分の運動を許容するように第一及び第二の湾曲した管を支持するように構成されている。直線アクチュエータは、水平姿勢から、フレームに対して相対的に上昇させられた姿勢に向かって背もたれ区分を動かすために、背もたれ区分の下に配置され、第一及び第二の管に連結される。二本の同心の弧状の管は、ベッドの両側に設けられており、ベッドのマットレス上に横たわっている人の自然な股関節枢軸を模した位置に中心がある曲率半径を有する。管は、ベッドの両側で三つのローラの間に留められる。二つのローラは半径方向外側の管の底側、すなわちその半径方向外面に位置付けられ、第三のローラは半径方向内側の管の上側に位置付けられる。横材(クロスメンバ)は、管の間に延びる。この装置(arrangement)は、調整可能な背部区分がベッド上の人の自然なヒップポイントの回りを回動する、所謂無せん断(シアレス)回動機構を提供する。
【0003】
米国特許出願公開第2002/0174487号明細書において開示される装置は、重く、かさ張り、また機械的に複雑であると考えられる。
【0004】
前述の種類の調整可能なベッドに関連する欠点の一つは、シートと持ち上げられた背部支持区分との間の仰角(夾角)が、ベッドと占有者の両方について有意な動作上の問題を引き起こし得ることである。大半の設定において、背もたれについての調整の角度は65度までであり、すなわち背もたれは、ベッドの概念的な水平面から65度まで持ち上げられることができ、占有者を、横たわっている姿勢から、最大で65度まで持ち上げられた姿勢へ持ち上げる。他の装置において、傾きの最大角度は、具体的な用途、ベッドが家庭用、ケアホーム用又は医療用であるかどうかに依存して、わずかに小さく、例えば50度、55度又は60度であってもよい。
【0005】
現代の家庭用の設定において、米国では、12-18インチ(約30.48-45.72cm)のマットレスの厚さが一般的であり、より典型的には14-18インチ(約35.56-45.72cm)であり、マットレスの全体的な重量、堅さ及び剛性は、ベッドの動作機構に対して許容できない負荷をかけ得る。例えば、より厚く、より重いマットレスは、モータ(アクチュエータ)を苦労させ、モータと機構の寿命を短くし得る。これは、より厚いマットレスに対する顧客の需要によって市場が駆動されるにつれてますます重要になってきている。モータ付きの調整可能なベッドは、前述の厚さのマットレスを使用して短いサイクル数の後に故障することが知られている。これを克服するための一つの方法は、専用の、より柔軟な“リブ付き”マットレスを使用することであった。しかしながら、これは大半の用途のために実用的な解決策ではない。
【0006】
既知の設計に関連する更なる課題は、シートと持ち上げられた背部支持区分との間の仰角が、人間工学的に理想的ではないことである。なぜなら、それはマットレスが使用者の股関節の周囲で自然に折り目をつける(crease)ことを可能にせず、そのため使用者は、背もたれが起き上がるときに彼女ら又は彼らの姿勢を断続的に調整しなければならないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2002/0174487号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既知の設計に関連する前述の課題に対処する調整可能なベッドの必要性が存在する。
【0009】
さらに、少なくとも既知の設計の調整できないベッドと同じ程度に製造、保管、輸送、配送及び組み立てが容易な、調整可能なベッドの特別な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様によれば、調整可能なベッド(adjustable bed)であって、フレーム、並びに、フレームに対する相対的な角度調整のために回動可能に装着された複数の関節式の(articulated)マットレス支持区分、及び固定されたシート区分を備えた調整可能なマットレス支持プラットフォームであり、マットレス支持区分は、少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分(backrest support section)、及び背もたれ支持区分に隣接した少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分(mattress bend support section)、平らな姿勢又は持ち上げられた姿勢で占有者(occupant)を支持するための、平らな、下げられた構成(flat lowered configuration)と持ち上げられた構成(raised configuration)との間でベッドを再構成する(reconfiguring)ために、協調した回動運動をもたらして、少なくとも一つの調整可能なマットレス曲げ支持区分に対して相対的に少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分を角度調整するための作動機構(actuator mechanism)、を含む、マットレス支持プラットフォーム、を有する、調整可能なベッドが提供される。
【0011】
本発明の上記の態様は、シートと背もたれプラットフォームとの間に一つ又はそれ以上の中間の短いプラットフォーム区分((複数の)マットレス曲げ支持区分)を提供し、背もたれ部及びマットレス曲げ支持区分が持ち上げられるときに、離散的な直線の近似曲線を形成する。これは、マットレスをより穏やかに(gently)曲げ、マットレスがこれまで知られていた装置のように強制的に鋭い鈍角に従わせない。ベッドが持ち上げられる場合に、したがってマットレスの上面は人間工学的であり、徐々に湾曲し、人間の解剖学的構造及び股関節の自然な回動点(ピボットポイント)により一貫している(また、ベッドが持ち上げられるときに、使用者に姿勢を調整することを要求しない)。鋭い点で折り目をつけるよりも、より大きな距離にわたってマットレスを曲げることがより容易であるため、必要なアクチュエータからの力はより小さい。これは、動力付きの調整可能なベッドの(複数の)モータ/(複数の)アクチュエータを含む、動作機構に対する磨耗を減らすという付随する効果をもつ。
【0012】
一つの好ましい態様において、背もたれ支持区分及びマットレス曲げ支持区分の調整の結合範囲(the combined range)は、ベッドの平らな、下げられた構成に対して65度又はそれ未満である。
【0013】
背もたれ支持区分及びマットレス曲げ支持区分の調整の結合範囲は、ベッドの平らな、下げられた構成に対して60度又はそれ未満であってもよい。
【0014】
他の態様において、背もたれ支持区分及びマットレス曲げ支持区分の調整の結合範囲は、ベッドの平らな、下げられた構成に対して55度又はそれ未満であってもよい。
【0015】
更なる態様において、背もたれ支持区分及びマットレス曲げ支持区分の調整の結合範囲は、ベッドの平らな、下げられた構成に対して50度又はそれ未満であってもよい。
【0016】
好ましくは、背もたれ支持区分の調整の角度範囲及びマットレス曲げ支持区分の調整の角度範囲は、ほぼ等しい(substantially equal)。
【0017】
他の態様において、背もたれ支持区分の調整の角度範囲は、マットレス曲げ支持区分の調整の角度範囲よりも大きい。
【0018】
本発明の調整可能なベッドは、複数の隣接する調整可能なマットレス曲げ支持区分を有してもよい。したがって、本発明の上記の態様は、複数の調整可能なマットレス曲げ支持区分を備えた実施形態を企図する。その複数の調整可能なマットレス曲げ支持区分は、結合して、ベッドが調整され、マットレスが上げ下げされるときに、マットレスの下側のマットレス支持区分の穏やかな曲線を規定するような、離散的な区分の近似曲線を提供する。
【0019】
本発明の調整可能なベッドは、複数の隣接する調整可能な背もたれ支持区分を有してもよい。したがって、本発明の上記の態様は、複数の調整可能な背もたれ支持区分を備えた実施形態を企図する。その複数の調整可能な背もたれ支持区分は、結合して、ベッドが調整され、マットレスが上げ下げされるときに、マットレスの下側のマットレス支持区分の穏やかな曲線を規定するような、離散的な区分の近似曲線を提供する。
【0020】
好ましくは、本発明の調整可能なベッドは、フレームに関して固定された、少なくとも一つの調整できない支持区分を更に有する。
【0021】
好ましい態様において、マットレス曲げ支持区分は、調整できないマットレス支持区分と背もたれ支持区分との間に配置されている。
【0022】
特に、本発明の上記の態様は、複雑かつ高価な作動要素のない実施形態を企図する。本発明のこの態様は、性能及び耐久性を妥協することなく、有意な重量及び費用の利点を達成し得る。これは、製造費用がしばしば市場での製品の成功に対して決定的な重要性をもつ、家庭用の調度品産業における特別な考慮事項である。本発明のこの態様の有意な利点は、ベッドの外形、すなわちベッドの深さ寸法(depth dimension)が最小限であってもよく、それにより、付随する保管及び輸送費用の利点を伴って、低い外形の調整可能なベッドが実現され得ることである。特にこれまで知られていた設計と比較された場合に、ベッド及び作動システムのより小さな深さ寸法に起因する。この態様において、運送のための深さ寸法は、組み立てられていない状態で運送される脚部又は他の支持手段を引いたベッドの深さであることが理解されるであろう。このように、低減された深さ寸法は、ISOコンテナ等の所与の35個の空間において、より多くの数のユニットが運送されることを容易に可能にする。
【0023】
本発明の一つの他の態様は、フレーム、並びにフレームに対する角度調整のために回動可能に装着された少なくとも一つの調整可能な背もたれ支持区分を含む少なくとも一つの調整可能な体支持区分(body support section)、を有する、調整可能なベッドを提供する。フレームは、マットレス曲げ支持区分及び背もたれ支持区分が装着される上体支持区分として構成されている頭部端部分組立体(head end sub-assembly)、並びに上体支持区分に対して蝶番で取り付けられた下体支持区分として構成されている別個の足先端部分組立体(separate toe end sub-assembly)を含む、少なくとも二つの蝶番で取り付けられた区分(hinged sections)を有する。作動手段は、調整可能な体支持区分の角度調整のために少なくとも上体区分内に配置されている。頭部端部分組立体及び足先端部分組立体は、輸送及び/又は保管の目的のためにベッドの長さ寸法を低減するように一緒に折り重ねられ、続いて広げられて調整可能なベッドの全長を提供することができる。
【0024】
上体区分は、背もたれ支持区分に隣接した固定された支持区分を更に有してもよく、固定された支持区分は、背もたれ区分の蝶番で取り付けられた端に隣接したフレームに関して固定されており、ベッドの固定されたシート区分の少なくとも一部を提供する。
【0025】
下体区分は、上体区分に隣接した、固定された下体支持区分を更に有してもよい。
【0026】
固定された上体支持区分は、好ましくは固定された下体支持区分に蝶番で接続されている。
【0027】
フレームの下体区分は、調整できなくてもよい。
【0028】
フレームの上方及び下方の蝶番で取り付けられた体区分は、二つの別個の蝶番で取り付けられたフレームの半区分を有してもよい。
【0029】
調整可能なベッドは、ベッドが使用のために広げられている場合に、それぞれの上方及び下方の蝶番で取り付けられたフレームの体区分を一緒に係止するための係止手段(locking means)を更に有してもよい。
【0030】
本発明の一つの実施形態が、添付の図面を参照して、ほんの一例として、これからより具体的に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一つの実施形態による、調整可能なベッドのフレーム及び動作機構の上からの透視図であり、ベッドは、座った姿勢で占有者を支持するための半直立構成にある。
図2図2は、図1の調整可能なベッドのフレーム及び動作機構の、上かつ後からの、左手側後方四半分の透視図である。
図3図3は、図1のベッドの透視図であり、ベッドは下から見られている。
図4図4は、図1のベッドの側面図であり、ベッドは図1の半直立の調整された姿勢にある。
図5図5は、図2に類似する透視図であり、ベッドは完全に直立の調整された姿勢にある。
図6図6は、図4に類似するベッドの側面図であり、ベッドは図5の完全に直立の調整された姿勢にある。
図6a図6aは、図6のベッドの側面図であり、マットレスがその上に支持されている。
図7図7は、図2に類似する透視図であり、ベッドは完全に下げられた姿勢にあり、マットレス支持デッキの一部が残影の輪郭(ghost outline)で示されている。
図8図8は、ベッドの側面図であり、ベッドは図7の完全に下げられた姿勢にある。
図9図9は、図1のベッドの透視図であり、ベッドは平面で下から見られている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面を参照すると、図1乃至図9は調整可能なベッド10を模式的に示している。ベッド10は、調整可能な背部(back)、首部(neck)及び頭部(head)(上体)支持区分パネル12、マットレス曲げ支持区分パネル13、調整できない(non-adjustable)中間支持区分パネル14、調整できない下体支持区分パネル16、調整可能な大腿区分パネル17、及び下肢及び足支持区分パネル18を含む、複数の隣接する平面的なマットレス支持パネルを備えたマットレス支持プラットフォーム又はデッキ11を有する。図2図5及び図7の図面を通して、調整可能なベッド10の詳細な構造を明らかにするために、パネル12-18は、残影の輪郭で示されている。図6aは、図6の姿勢にある調整可能なベッド10を含むベッド組立体を示し、マットレス50がデッキ11上に支持されている。マットレス50は、明りょうさのためにデッキ11より上にわずかに高くして示されているが、マットレス50は、使用時にはデッキ11と直接、物理的に接触することが明確に理解されるであろう。パネル12-18は、支持フレーム20上に装着されている。上体支持パネル12及びマットレス曲げ支持パネル13は、支持フレーム20上に調整可能に装着されている。中間支持パネル14及び下体支持区分パネル16は、フレーム20に関して固定されている。大腿支持パネル17及び下肢/足支持パネル18は、支持フレーム20上に調整可能に装着されている。マットレス曲げ支持パネル13は上面19を備ており、背もたれ支持区分14は上面21を備えている。内角(interior angle)Bは上面19,21の間に規定され、占有者(図示なし)の頭が背もたれ支持区分によって支持されるように、背もたれ区分14が常に前向き(図4を見る場合には反時計回り)に傾くように、ベッドが完全に持ち上げられた構成に向かって動く場合には、内角Bは常に180度よりも小さい。
【0033】
フレーム20は、それらのそれぞれの隣接する端において一緒に蝶番で取り付けられた二つの半区分20a,20bを有する。二つの半区分は、頭部端部分組立体20a及び足先端部分組立体20bを含む。二つの半区分20a,20bは、図1及び図10において最もよく見られるように、それらのそれぞれの隣接する縁(edges)においてパネル14及びパネル16の上向きに向いた表面に固定された蝶番24によって、それらのそれぞれの隣接する端において一緒に蝶番で取り付けられている。蝶番装置は、図1乃至図8の図に示されるように、二つの半分の部分組立体が、離れるように蝶番が動かされ、所定の位置に係止された場合に全長構造の支持フレームを提供するようなものである。蝶番で取り付けられた部分組立体20a,20bは、以下でより詳細に後述するように、輸送、保管、流通(distribution)及び配達(delivery)の目的のために、ベッドの上半分及び下半分が互いの上に折り畳まれることを可能にする。
【0034】
上体支持パネル12及びマットレス曲げ支持区分パネル13は、頭部端支持フレーム部分組立体20a上に調整可能に装着されている。中間支持パネル14は、マットレス曲げ支持パネル13に隣接して、頭部端支持フレーム部分組立体20a上に固定的に装着されている。下体パネル16は、中間パネル14に隣接して足先端部分組立体20bに関して固定されている。大腿支持パネル17及び下肢/足支持パネル18は、固定された下体支持区分パネル16に隣接して足先端支持フレーム部分組立体20b上に調整可能に装着されている。
【0035】
マットレス曲げ支持パネル13は、パネルのそれぞれの隣接する縁に沿って延びる蝶番で取り付けられた接合部(joint)22を用いて、固定された中間支持部に対して回動可能に接続される。図9において最もよく見られるように、蝶番で取り付けられた接合部22は、フレーム20の領域内でパネル13及びパネル14の隣接する縁の縁に沿って離間した複数の蝶番22’を有する。パネル13及びパネル14の隣接する縁には、図8において最もよく見られるように、フレーム20aの両側の間でパネル13及びパネル14の下側に延びる、好ましくは金属構造の、それぞれの細長い蝶番装着ブラケット23a,23bが設けられている。中央に位置付けられた蝶番、及び細長い装着ブラケット23a,23bのそれぞれの端部の一対を含む、三つの蝶番22’が設けられている。図示された実施形態において、蝶番22’は従来の設計及び構造であり、マットレス曲げ支持パネルを、固定された中間支持パネルに対して蝶番22の回動軸の回りで回動可能に装着するように、それぞれの装着ブラケットに固定的に留められている。
【0036】
上体支持パネル12は、同様に、パネルのそれぞれの隣接する縁に沿って延びる蝶番で取り付けられた接合部25を用いて、マットレス曲げ支持パネルに対して回動可能に接続される。蝶番で取り付けられた接合部25は、フレーム20の領域内でパネル12及びパネル13の隣接する縁の縁に沿って離間した複数の蝶番25’を有する。パネル12及びパネル13の隣接する縁には、図8において最もよく見られるように、フレーム20aの両側の間でパネル12及びパネル13の下側に延びる、好ましくは金属構造の、それぞれの細長い蝶番装着ブラケット26a,26bが設けられている。中央に位置付けられた蝶番、及び細長い装着ブラケット26a,26bのそれぞれの端部の一対を含む、三つの蝶番25’が設けられている。図示された実施形態において、蝶番25’は従来の設計及び構造であり、上体支持パネル12を、マットレス曲げ支持パネルに対して蝶番25の回動軸の回りで回動可能に装着するように、それぞれの装着ブラケットに固定的に留められている。
【0037】
蝶番22’及び蝶番25’は、従来のピンブラケット型の蝶番であってもよく、又は、他の実施形態において、例えば、いわゆる「リビングヒンジ」として耐疲労性プラスチック材料で構築されてもよい。蝶番ピンが押出成形された管を既知の方法で通過し、かつ任意的に、蝶番ピンを低摩擦で支持するために管のそれぞれの端部に位置付けられたベアリング(ボールベアリングタイプ)上に装着される、押出成形の一体部分(integral part)としての長手方向装着フランジを含み、d形状又はp形状の断面をもつ、押出成形された金属管、例えば押出成形されたアルミニウム又はアルミニウム合金を含む、他の種類の蝶番も企図されている。好ましい実施形態において、少なくとも蝶番25’には、調整可能なパネル12がマットレス曲げ支持パネル13に対して限定された下向きの角度調整をもつように、限定された角度調整が与えられている。図示された実施形態において、蝶番25には、蝶番25’の領域内の蝶番装着ブラケット26aに対して固定的に留められたか又は接続された、矩形の、好ましくは金属製の板27の形の、当接止め具(abutment stop)が設けられている。板27は、蝶番25の下側に配置され、板27と装着ブラケット26bの下側の相互の当接によってパネル13の平面を超えてパネル12が下げられることを妨げる。したがって、パネル12及びパネル13が平らに下げられた場合に、それらは180度離れたままである。
【0038】
蝶番22’及び蝶番25’は上向きにも限定されており、そのため各プラットフォーム区分12,13は、それが蝶番で取り付けられている先のパネル区分に対して相対的に、この角度を越えて行くことはできない(典型的には30度、又は中間プラットフォーム区分の数で割られた、角度調整の合計結合角度)。蝶番22’及び蝶番25’は下向きにも限定されており、そのため各プラットフォーム区分は、それが蝶番で取り付けられている先のパネル区分に対して平行より下に落ちることはできない。
【0039】
以下でより詳細に後述するように、パネル12及びパネル13は、ベッドの調整の間、それらのそれぞれの回動軸の回りを、予め定められた最大量だけ持ち上げられてもよく、例えば、ベッドの固定された中間支持パネル14及び16の平らな方向(flat orientation)によって規定されるような水平面から、結合されて(combined)、65度である。蝶番22及び蝶番25には、パネル12及びパネル13の相対的な角度調整の程度を限定するための止め手段(stop means)が設けられている。典型的には、パネルの最大の結合された角度調整は、固定された調整できないパネル14の平面に対して65度である。したがって、蝶番22及び蝶番25は、特定の用途及び要求される調整の最大角度に依存して、等しい量又はほぼ等しい量、例えば、50/50又は40/60だけ、それらがパネル12及びパネル13の最大角度調整に寄与するように適合させられてもよい。
【0040】
先に説明されたように、本発明の実施形態において、背もたれ支持区分及びマットレス曲げ支持区分の調整の最大の結合角度(maximum combined angle)は、典型的には50-65度である。図示された実施形態において、調整の角度は、マットレス曲げ支持プラットフォームの各側面に接続する蝶番22と蝶番25との間に、分配されている(shared)。蝶番軸は、図9の図から最もよく分かるように、好ましくはベッドの長手方向に200-300mm離れている。図示された実施形態において、250mmの長さ寸法をもつ単一のマットレス曲げ支持プラットフォームが好ましい。
【0041】
図5及び図6において、ベッド10は、完全に関節式の構成で示され、持ち上げられ、真っ直ぐに座った姿勢で占有者を支持するために調整されている。この姿勢において、上体支持区分パネル12及びマットレス曲げ支持区分パネル13は、固定された中間支持区分パネル14に対して、持ち上げられ、傾斜している。上体支持区分パネル12は、蝶番25によって規定されるその回動軸の回りで持ち上げられ、マットレス曲げ支持パネル13は、蝶番22によって規定されるその回動軸の回りで持ち上げられる。
【0042】
図6を参照すると、結合角度ASBは、シート区分16によって規定される平面Pと、背もたれ支持区分12によって規定される平面Pとの間に規定されており、結合角度ASBは、シート区分平面Pとマットレス曲げ支持区分13によって規定される平面Pとの間に規定される第一角度ASMと、マットレス曲げ支持区分13によって規定される平面Pと背もたれ支持区分12によって規定される平面Pとの間に規定される第二角度AMBとの間に分配されていることが、理解されることができる。
【0043】
本発明はまた、下体支持区分又は足先端部分組立体が調整できない、すなわち、フレーム20に対して関節式でないか又は固定されている、(図示していない)実施形態も企図する。したがって、本発明の実施形態は、図示された実施形態に示されるように、背もたれパネル12及びマットレス曲げパネル13が占有者を座った姿勢に起き上がらせるために持ち上げられ得るように、調整可能な上体区分のみを備えたベッドを提供してもよく、或いは、調整可能な下体支持区分を追加的に備えたベッドを提供してもよく、それは一つ又はそれ以上の調整可能及び調整不能なマットレス支持パネルを有してもよい。
【0044】
下げられた姿勢(図7及び図8)において、調整可能な支持パネル12,13は、固定されたパネル14及び固定されたパネル又はシート区分16並びに調整可能なパネル17及び18と結合して(combine)、ほぼ平らな平面的な水平マットレス支持プラットフォーム又はデッキを規定する。様々な支持パネル12-18は、予め定められた厚さのマットレス支持クッション(図示せず)をそれぞれ備えてもよく、それらは結合して、適切なマットレスを支持するためのマットレス基礎を提供する。代替的に、マットレスは、パネル12-16の上端に直接的に配置されてもよい。パネル12-16は、支持クッションの有無にかかわらず、布張りされていてもよい。本発明はまた、フレーム20が、例えば北米において一般的な種類であるベッドサラウンドの内部空間内に置かれるように構成されるか、又は、連合王国においてより典型的にみられるディバン型ベッド基礎構造内に一体化されるように構成されている、装置も企図している。図示された実施形態において、ベッドフレーム20には、床に立つ脚部28が設けられており、従って自己支持している。したがって、本発明はまた、フレーム20が別個の取り囲む構造、例えば、頭ボード及び足先ボード並びに頭ボードと足先ボードとの間の横の側方パネルを含む、装飾的な木製又は布張りの囲いの内部に配置されるように構成される装置を企図している。ベッドの寸法は、ベッドがダブルベッドの大きさをもつようなものであるが、本発明は、標準シングルサイズベッドからはるかに大きなダブルを含む、多くの異なる幅のベッドを企図している。
【0045】
半フレーム部分組立体20a及び20bは、概して矩形の構造的支持フレームをそれぞれ有し、好ましくは金属で構築されるが、様々な構成部品のために、金属に加えて又は金属の代わりに、例えば、エンジニアリングプラスチック、MDF、木材又は他の繊維タイプのボードなどのボード型の材料を含む、他の材料が使用されてもよい。
【0046】
二つの半区分20a及び20bは、それぞれの側方レール30a,30bの形の、一対の細長い平行な横の側方フレーム部材をそれぞれ有する。側方フレーム部材は、ベッドの長さに沿って長手方向に、その両側に延び、それらのそれぞれの端部において、金属、好ましくは鋼の横材(クロスメンバ)31a,31b,32a,32bによって一緒に接合させられ、矩形の箱型構造の支持フレーム20a,20bを形成する。
【0047】
側方フレーム部材30a,30bは、適切な寸法に作られた箱区分金属管、好ましくは鋼、及び類似する矩形の箱区分金属管の横材31a及び32bで構築される。フレーム20には、矩形フレーム構造の角の各々に向かって、並びに足先端部分組立体20bの端部における中間位置において脚部28が設けられる。側方部材30a,30b並びにそれぞれの横材31a,32bは、溶接によって、又は代替的にネジ、ボルト、留め具若しくは同様のもののような固定手段によって一緒に接合させられる。好ましい実施形態において、脚部は、当該分野においてよく知られるような適切な可逆的な固定手段、例えばネジ山フィッティングによってフレームに取り付け可能/取り外し可能に固定される。
【0048】
二つの半部分組立体20a及び20bには、ベッド20が広げられている場合に、フレーム部材30a,30bを一緒に係止するための係止手段が設けられている。係止手段は、蝶番接続部24の領域においてそれぞれの側方フレーム部材30bの下側に留められた金属板33を有する。金属板33は、隣接する側方フレーム部材30aの下側にわたって延び、当該分野においてよく知られるような適切な可逆的な固定手段、例えば、バタフライ又は図示された実施形態におけるようなウイング5付きナット/ボルト接続35のような、ネジ山フィッティングによって、そこに取り付け可能/取り外し可能に固定される。
【0049】
広げられ、係止された支持フレーム20は、ベッド10の床に立つ基部を構成する。フレーム20は、脚部28の上に直接的に立ってもよく、又は代替的に、当分野においてよく知られるように、脚部の端部にキャスター、足又は同様のものが設けられてもよい。代替的に、脚部は取り外されてもよく、また、例えば適切に適合させられたベッドサラウンドの内側の適切な装着部上に側方フレーム部材が乗って、フレームがベッドサラウンド内に装着されるように適合させられてもよい。
【0050】
調整可能なパネル12及び13の運動は、直線アクチュエータ40及び回動可能な“H-フレーム”42の形の接続手段を有する動力付きの作動機構を用いてもたらされる。H-フレーム42は、一対のアーム44、及びアーム44の間にそれらの長さに沿っておおよそ中ほど(midway)で延び、アーム44を接続する横材46を有する。H-フレームは、頭部端部分組立体フレーム20aの下側に、蝶番25の領域内のフレーム20aの下側から垂下する(depending from)三角形状のブラケット50の頂点の回動点48において、回動可能に装着されている。アーム44は、概して直線的であるが、ベアリング52の形のローラが回転可能に装着されているそれらの遠位端において上向きに湾曲している。ベアリング52は、耐摩耗性ストリップ54に沿ってパネル12の下側に接触する。その耐摩耗性ストリップ54は、金属、ナイロン又は同様のものであってもよく、パネル12が下げられるとき及び持ち上げられるときにベアリング52がそれに沿って走る。
【0051】
アクチュエータ40は、Dewert-Okin GmbHによって製造されるようなDelta-drive型の直線アクチュエータであり、横材32bに回動可能に装着された第一端部(モータ及びギヤボックス端部)、及び横材46に留められているブラケット56に回動可能に接続された第二端部(ロッド)を備える。ブラケット56は、アクチュエータの出力ロッドとブラケット56との間の接続部がパネル12の平面内にあるように構成されている。これは、ブラケット56及びアクチュエータの出力ロッドの端部が貫通して延びる、パネル12内の切欠きスロット58を用いて達成される。アクチュエータ40のギヤボックス及びモータ端部は、その長さに沿った中ほどの位置で横材32bに接続されている。横材32bは、フレーム20aの下向きに傾けられた端部のために、フレーム20の概略的又は概念的な平面(general or notional plane)よりも低い平面内に位置付けられている。側方部材30aは、フレーム20aに取り付けられた脚部28のすぐ後方の位置から、その長さの最後の3分の1に沿って下向きに傾けられている。側方部材は、アクチュエータ40フレーム20aとの間の接続部がフレーム20の概念的な平面よりも下にあり且つフレーム20の概念的な平面からずれるように、およそ20度ばかり下向きに傾けられている。この配置は、アクチュエータもフレームの概念的な平面に対して傾けられており、また、パネル12がその下げられた位置にある場合(図7及び図8)には、パネル12の平面に対して傾けられていることを確かにする。パネル12の平面内にあるアクチュエータの他端との組み合わせで、ブラケット56及び切欠き58によって、アクチュエータは、図7及び図8の下げられた姿勢からパネルが持ち上げられる場合にパネル12に有意な内力(significant initial force)を加えることができる。運動がその下げられた姿勢から開始される場合にパネル12に作用する力成分は、パネル12に対するアクチュエータ力ベクトルの角度方向(angular orientation)に依存することが、理解されるべきである。アクチュエータ12がパネルに対して大体水平(more or less horizontal)に向けられている装置においては、パネル12に対する相対的な傾きのためにパネルに最初に作用するアクチュエータ力の成分がより大きな、図示された実施形態の装置と比較して、不十分なてこの作用(poor leverage)のために、パネル及びパネルによって支持された任意の荷重をその下げられた姿勢から動かすために、有意な内力が要求される。
【0052】
したがって、パネル12の回転運動は、フレームの空間外被(space envelope)のベッドの下側に配置された直線電気アクチュエータ40の作動によってもたらされる。したがって、パネル12は、アクチュエータ40のそれぞれの伸長および後退によって持ち上げられ且つ下げられる。動作中、ベッドの完全に下げられた構成において、調整可能なパネル12及び13は側方レール30a上に平らに寝ており、アクチュエータ40の出力ロッドはアクチュエータのそれぞれのギヤボックス端部に向かって完全に後退している。この姿勢は、図7及び図8に示されている。パネル12及びパネル13を持ち上げるために、アクチュエータ40の出力ロッドは、アクチュエータのギヤボックス端部から離れるように延ばされる。したがって、マットレス曲げ支持パネル13の回転運動は、直線電気アクチュエータ40の作動によって同時にもたらされる。パネル12及びパネル13は、アクチュエータ40の伸長及び後退によって、これが持ち上げられ且つ下げられる。
【0053】
好ましい実施形態において、パネル12及びパネル13の最大の結合角度調整は65度であり、すなわちベッドの概念的な平らな水平面に対する背もたれパネル12の最大の持ち上げられた傾斜角度は65度に限定される。この調整の角度は、固定されたパネル14に対するマットレス曲げ支持パネル13の結合された調整の角度、及びマットレス曲げ支持パネル13に対する背もたれパネル12の調整の角度を含む。結合された角度調整は、より小さく、例えば最大で60,55,50度又はそれ未満であってもよく、パネル13及びパネル14による等量の角度調整によって寄与されてもよい。最大の角度調整は、装着装置、並びにアクチュエータの作動ストローク及び各調整可能なパネルの相対的な長さの寸法を含む、作動機構の幾何学的形状によって決定される。
【0054】
適当な厚さ、言ってみれば25-50cm(10-20インチ)の範囲内のマットレスが、ベッド10のマットレス支持プラットフォーム上に配置されるべきであることが、理解されるべきである。
【0055】
先に示されたように、フレーム20は、蝶番要素24によって規定される横断する蝶番軸の回りを手動で折り畳まれ、広げられることができる。パネル12及びパネル14がパネル16の上端に平らに寝ている図9及び図10に示されるように、蝶番軸の回りの相対的な運動によってフレームの二つの半区分が一緒に集められるように、頭部端又は足先端フレームのいずれかが動かされる。図9及び図10にみられるように、脚28が取り付けられていない場合、調整可能なベッド10は、深さのわずかな増大、およそ足先端半フレームの追加的な深さと引き換えの折り畳まれていないベッドの長さ寸法の半分の、非常に小さな空間外被をもつ。
【0056】
したがって、図示された実施形態は、フレームが少なくとも二つの蝶番で取り付けられた区分、好ましくは二つの区分、より好ましくは二つの半区分に分割される、折り畳み可能で調整可能なベッドを提供する。これは、保管、輸送、展示、配達及び設置を支援する。従って、本発明による調整可能なベッドは、運送等のために梱包された場合の縮小されたベッドの長さ寸法のために、運送するための費用効果がより高くなり得る。例えば、従来の折り畳み可能ではない調整可能なベッド設計よりも、最大で2倍の多数の本発明の上記の態様の多くのベッドがISOコンテナの中に積載されることができ、したがって、製造場所から顧客の家への配達を通じて、輸送費用及び保管費用を削減することができると予想される。
【0057】
上記の説明による調整可能なベッドは、フレームの区分を単に広げ、広げられたフレーム上に適切なマットレスを置くことによって、現場で組み立てられてもよい。例えば、家庭用の設定において、ベッドを含む小型な包装を顧客の家に配達されてもよく、標準的な大きさの玄関口及び廊下の開口を通り、マットレスが置かれ得る全長フレームを提供するためにベッドを端から端まで広げることができる部屋の中まで容易に操られる(manoeuvred)ことができる。これは、顧客の家における組み立てのための部品のキットを典型的に有する調整可能なベッドのこれまで知られていた設計に対する、有意な改良である。これは、設置の時間を増やすだけでなく、配達及び設置のためにより熟練した労働者を要求する。流通の費用は、特に、ベッドフレームが、使用のために容易に配備されることができる単一物品として輸送及び配達され得るので、本発明の上記の態様の調整可能なベッドによって有意に削減され得る。承認された運送業者によるそのような商品の輸送は、しばしば物品ごとに課金され、したがって本発明はまた、eコマースによる直接販売の場合に特別な利点をもつ、より低い流通費用を予想することが、理解されるべきである。
【0058】
マットレスへの言及は、別個のマットレスと、支持区分又はパネルと一体化されたマットレスの両方を含むことが、明確に理解されるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6a
図7
図8
図9