(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】呼吸パラメータの頻度に関する補償による、呼気気体の体積の採集および分析
(51)【国際特許分類】
A61B 5/08 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
A61B5/08
(21)【出願番号】P 2019025489
(22)【出願日】2019-02-15
(62)【分割の表示】P 2017225605の分割
【原出願日】2012-12-20
【審査請求日】2019-02-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514156105
【氏名又は名称】キャプニア, インク.
【氏名又は名称原語表記】Capnia,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【氏名又は名称】長谷川 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォンドカ, アンソニー, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】バトナーゲル, アニッシュ
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】井上 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0241507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0119754(US,A1)
【文献】特開平7-284488(JP,A)
【文献】特許第6251180(JP,B2)
【文献】米国特許第11058324(US,B2)
【文献】米国特許第10034621(US,B2)
【文献】国際公開第2013/096695(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/08 - 5/097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の呼吸頻度を測定するための呼吸センサと、
前記患者の呼吸頻度が所定の最大呼吸頻度以下の場合には収集用に呼吸サンプルを受け入れ、前記患者の呼吸頻度が前記所定の最大呼吸頻度を超えた場合には前記呼吸サンプルを廃棄するアルゴリズムを実行動作可能なプロセッサと、
所定体積を有する標本区画と、
前記呼吸サンプルの前記呼気終末部分で前記所定体積を満たす流れ発生装置であって、前記流れ発生装置の流量は、前記所定の最大呼吸頻度に基づき、前記所定体積を前記呼吸サンプルの前記呼気終末部分で満たすように計算され、
前記呼吸サンプルの前記呼気終末部分のみを入れる前記標本区画内の気体の濃度を測定する気体分析装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記気体は、一酸化炭素、二酸化炭素または酸素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記所定の最大呼吸頻度は一分間当たり60呼吸である請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記所定の最大呼吸頻度は、一分間当たり100呼吸である請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ユーザが患者パラメータをインプットできるように構成されたユーザインターフェースをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者パラメータは患者のタイプである請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記患者のタイプは成人である請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記患者のタイプは未熟児である請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記患者のタイプは正期産児である請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記患者パラメータは前記所定の最大呼吸頻度である請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記流れ発生装置はポンプを備える請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2011年12月21日に出願された米国特許仮出願第61/578,811号の利益を主張するものであり、当該出願の開示は本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本明細書には、診断目的で呼吸の呼気を分析するための装置および方法が記述されている。より詳細には、潜在的な生理的状態との関連付けおよびその診断のために、人間の呼吸からの気体のサンプリングおよび分析のための装置および方法が記述されている。
【背景技術】
【0003】
気体分析のための人間の呼吸を得るために、2つの一般的な技術が採用される。第1の技術では、人間は、機器内に協調的に息を吹き込むことができ、機器は、分析のために気体を受け取る。第2の技術では、機器は人間の協調とは独立して人間の気道から気体標本を得ることができる。いずれの技術でも、呼吸パターンのしばしば無作為かつ不規則である性質がもたらされるので、呼吸周期の特定の部分から、気体の精密な採集および精密な分析を実現することは困難である。たとえば、高いレベルの正確さおよび精密さ(たとえば<0.5ppmの正確さ)で、厳密に呼気の呼気終末部分での呼吸COを高い信頼性で測定することは困難であることが分かっている。典型的に、呼吸CO2の測定は呼吸の呼気終末部分を決定するために使用され、呼吸のその部分からの気体は相応にサンプリングされおよび分析され得る。呼気終末CO2信号を使用することは、技術がよく知られており、呼吸波形の瞬時の測定を提供する点で、便利な取り組み方法である。しかし、システム全体の残りの部分に正確さおよび精密さを得るために、計器装備は、有用であり得る、可能性のある外部要因のうちのいくつかのみを考慮する。
【0004】
典型的に、固定された採集時間の間、人間から気体を抜き取り、抜き出された標本を規定の体積の標本区画に入れるために、一定の流量が採用される。この方法を使用する場合、呼吸パターンに関連する不正確さがある可能性がある。たとえば、標本区画の一部分はその中に非呼気終末の気体を有する可能性があり、または分析のための標本区画内に、呼吸の呼気終末部分のわずかな部分のみがサンプリングされて格納される可能性がある。ある呼吸数での再現性は非常に良好であるが、システムの空圧およびタイミングのため、正確さは呼吸数が変化すると変動する可能性がある。
【0005】
したがって、ある範囲の呼吸パターンおよび呼吸数にわたって等しく正確である方法で知られているシステムの正確さを改善することが有益であり得る。この目的で、様々な方法およびアルゴリズムが本明細書で構想および記述される。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、呼吸の特定の部分から呼吸によって生じる気体の正確な組成分析を実現する呼吸気分析装置が開示される。このシステムは、正確さを損なわずに、広い範囲の呼吸パターンおよび呼吸数に対応することができる。このシステムは、分析を十分に正確にするために十分な体積の気体が得られ、得られた気体が呼吸の所望の部分からのものであり、呼吸の所望の部分の全体の代表物であることを保証することができる。いくつかの変形形態では、これらの利点が呼吸パターンに応じて気体のサンプリング流量を調整することにより、および/または分析のためにしきい値の体積の気体が得られるまで、複数の呼吸に関する呼吸の所望の部分から気体標本を得ることにより、および/または計算結果に補正係数を加えて、サンプリングされた気体の不均質性を補償することによって得られる。目標体積の気体を得るこれらの方法に加えて、いくつかの変形形態は、呼吸の正しい部分を正確にサンプリングし、および/または呼吸パターンに関わらず実質的に均質の呼気終末標本を分析のために常に採集するようにシステムを調整するために、呼吸の所望の部分を識別しても良い。
【0007】
上記の特徴を達成するために、呼吸分析装置または呼吸を分析するための方法の変形形態が、以下の、呼気相の異なる下位部分の識別と、呼気相の所望の下位部分からの正確な標本採集と、気体組成分析装置による分析のための所定量の気体の保証された採集と、生じることが予測される多様な呼吸パターンに対する信頼性および再現性との利益のうちの1つまたは複数を含んでも良い。
【0008】
1つの変形形態では、呼吸分析のための方法は、人間の呼吸パターンの時間関連パラメータを測定することと、人間の呼吸のうちの少なくとも1つの目標部分からの気体を、目標体積を有する標本区画に採集することと、時間ベースパラメータに基づいて、気体の採集を調整することと、採集された気体を分析して気体の組成パラメータを決定することとを含む。更なる変形形態では、気体採集を調整することは、(1)気体採集速度を調整することと、(2)気体が採集される呼吸の数を調整することと、(3)採集された気体の均質性に合わせて補正係数によって調整することとから成る群から選択された少なくとも1つを含むことができる。さらに、更なる変形形態では、時間ベースパラメータは、(1)呼吸数と、(2)呼気終末時間期間と、(3)呼気時間期間と、(4)吸気時間期間と、(5)呼吸期間とから成る群から選択された少なくとも1つのパラメータを含む。更なる変形形態では、呼吸の目標部分は呼気終末部分を含み、組成パラメータは一酸化炭素を含む。更なる変形形態では、呼吸の目標部分は、(1)呼気相と、(2)呼気終末相と、(3)呼気の開始部分と、(4)呼気の中間部分と、(5)呼気の最終部分と、(6)呼気後期間と、(7)吸気後休止とから成る群から選択された少なくとも1つの相を含む。更なる変形形態では、時間ベースパラメータを測定することは、(1)カプノメトリと、(2)気道内圧を観測することと、(3)気道温度を観測することと、(4)気道流れを観測することと、(5)プレチスモグラフィと、(6)音を観測することと、(7)呼気された酸素を観測することとから成る群から選択された少なくとも1つの技術を含む。さらに、更なる変形形態では、時間ベースパラメータが目標呼吸部分の時間期間を決定するために微分される。更なる変形形態は、気体を採集するための開始時間および終了時間を定義することを含むことができ、開始時間および終了時間を定義することは、(1)測定された呼吸パラメータのしきい値振幅と、(2)測定された呼吸パラメータのしきい値時間期間と、(3)測定された呼吸パラメータのピーク値と、(4)測定された呼吸パラメータの実質的ゼロ値と、(5)測定された呼吸パラメータの負値と、(6)測定された呼吸パラメータの傾きの変化と、(7)測定された呼吸パラメータの符号の変化とから成る群から選択された少なくとも1つに対して、測定された呼吸パラメータを比較することを含む。他の変形形態は、気体を採集するための開始時間および終了時間を定義することを含むことができ、開始時間および終了時間を定義することは、測定された呼吸パラメータの変化率を計算し、(1)変化率のしきい値と、(2)変化率のゼロ値と、(3)第2の変化率に対する第1の変化率と、(4)ゼロに近づく負の傾きと、(5)ゼロに近づく正の傾きと、(6)変化率のピークの正の値と、(7)変化率のピークの負の値と、(8)増加する変化率と、(9)減少する変化率と、(10)変化率の符号の変化とから成る群から選択された少なくとも1つと比較すること含む。更なる変形形態では、気体を採集することは、標本区画と連通するサンプリングカニューレを人間の気道に適用することと、真空をサンプリングカニューレに適用することとをさらに含む。更なる変形形態は、標本区画を入口バルブと分離することと、入口バルブを操作開放して目標呼吸部分から気体を採集し始め、入口バルブを閉鎖して目標呼吸部分から気体を採集することを終了することとを含むことができる。更なる変形形態では、標本区画に採集された気体は時間ベースの呼吸パラメータが測定される呼吸の少なくとも一部分を含む。更なる変形形態では、標本区画に採集された気体は、時間ベースの呼吸パラメータが測定される呼吸ではない呼吸の少なくとも一部分を含む。
【0009】
別の変形形態では、呼吸分析のための方法は、呼吸の一部分の時間期間を識別することと、その部分から目標体積を有する標本区画に気体標本を採集することであって、流れ機構を使用して気体標本はその区画に引き込まれ、その機構の流量は、識別された時間期間に基づくことと、組成分析のために採集された気体標本を分析することとを含む。
【0010】
別の変形形態では、呼吸分析のための方法は、呼吸センサによって人間の呼吸パターンの呼気終末時間期間を測定することと、流れ機構によって少なくとも1つの人間の呼吸のうちの呼気終末期間から、目標体積を有する標本区画に気体を採集することであって、流れ機構の採集流量が測定された呼気終末時間期間に基づいて調整され、呼気終末期間からの気体によって目標体積を実質的に満たすように選択されることと、採集された気体を分析して気体の組成パラメータを決定することとを含む。
【0011】
別の変形形態では、呼吸分析のための方法は、(a)呼吸の一部分の時間期間を識別するステップと、(b)その部分から目標体積を有する標本区画に気体標本を採集するステップであって、流れ機構を使用して気体標本は区画に引き込まれるステップと、(c)(a)および(b)が何回か繰り返され、何回であるかは、少なくとも部分的には識別された時間期間によって決定されるステップと、(d)組成分析のために採集された気体標本を分析するステップとを含む。
【0012】
別の変形形態では、呼吸分析の方法は、(a)呼吸センサによって人間の呼吸パターンの呼気終末時間期間を測定することと、(b)流れ機構を使用して人間の呼吸の呼気終末期間から目標体積を有する標本区画に気体を採集することと、(c)(a)および(b)が、区画が呼気終末期間からの気体で実質的に満たされるまで繰り返されること、(d)気体の組成パラメータを決定するために採集された気体を分析することとを含む。別の変形形態では、方法は、呼吸パターンに関わらず実質的に均質の呼気終末標本を常に採集するようにその呼吸採集システムを調節することを含む。
【0013】
様々な呼吸気分析装置も本明細書に記述される。1つの変形形態では、人間の呼吸周期の目標部分の気体を分析するための装置は、目標体積の標本区画と、人間の呼吸から気体を採集し、気体を標本区画に送出するように動作可能な空圧システムと、人間の呼吸の目標部分の時間ベースパラメータを測定するように動作可能な呼吸センサと、時間ベース呼吸パラメータに基づいて空圧システムを調整するように動作可能な制御システムと、気体組成を分析するための分析装置とを備える。更なる変形形態では、(1)速度調整可能な流れ発生装置と、(2)気体が採集される呼吸の数を変更するアルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサと、(3)補正係数によって、採集された気体の均質性に関して調整するためのアルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサとから成る群から選択された少なくとも1つの調整を備える気体流れシステム調整装置が提供される。更なる変形形態では、時間ベース成分は、(1)呼吸数と、(2)呼気終末時間期間と、(3)呼気時間期間と、(4)吸気時間期間と、(5)呼吸期間とから成る群から選択された少なくとも1つ成分を含む。更なる変形形態では、呼吸の目標部分は、呼気終末部分を含み、気体分析装置は、一酸化炭素分析装置を含む。更なる変形形態では、呼吸の目標部分は、(1)呼気相と、(2)呼気終末相と、(3)呼気の開始部分と、(4)呼気の中間部分と、(5)呼気の最終部分と、(6)呼気後相と、(7)吸気後休止とから成る群から選択された少なくとも1つの部分を含む。更なる変形形態では、呼吸センサは、(1)カプノメータと、(2)気道内圧トランスデューサと、(3)気道温度センサと、(4)気道流れセンサと、(5)プレチスモグラフと、(6)マイクロフォンと、(7)酸素センサと、(8)超音波センサとから成る群から選択された少なくとも1つを含む。更なる変形形態では、装置は(1)呼吸センサからの信号を微分するように適合された微分器および(2)プロセッサをさらに備え、プロセッサは微分された信号を呼吸周期の目標部分に関連付けるためのアルゴリズムを実行する。更なる変形形態では、装置はプロセッサをさらに備え、プロセッサは気体を採集するための開始時間および終了時間を決定するためのアルゴリズムを実行し、アルゴリズムは、(1)しきい値と、(2)しきい値時間期間と、(3)ピーク値と、(4)実質的ゼロ値と、(5)負値と、(6)傾きの変化と、(7)符号の変化とから成る群から選択された少なくとも1つに対する、測定された呼吸パラメータの比較を含む。更なる変形形態では、装置は測定された呼吸パラメータの変化率を決定する微分器およびアルゴリズムを実行するためのプロセッサを備え、アルゴリズムは、(1)しきい値と、(2)ゼロ値と、(3)第2の変化率に対する第1の変化率と、(4)ゼロに近づく負の傾きと、(5)ゼロに近づく正の傾きと、(6)ピークの正値と、(7)ピークの負値と、(8)変化率の増加と、(9)変化率の減少と、(10)変化率の符号の変化とから成る群から選択された少なくとも1つとの変化率の比較を含む。更なる変形形態では、装置は、第1の端部で気体分析装置に取り付け可能であり、第2の端部で人間の気道に係合可能であるサンプリングカニューレと、人間の気道からの気体を、サンプリングカニューレを介して標本区画に引き入れるように適合された流れ発生装置とをさらに備える。更なる変形形態では、装置は標本区画を分離するように構成されたバルブシステムを備え、制御システムはバルブシステムを制御して、目標呼吸部分からの気体が標本区画に入ることを許容する。更なる変形形態では、制御システムは、さらに、測定された呼吸から標本区画に気体を送出するように適合される。更なる変形形態では、制御システムは、さらに、測定された呼吸の後の呼吸から標本区画に気体を送出するように適合される。
【0014】
別の変形形態では、人間の呼吸の目標部分の気体を分析するための呼吸気分析装置は、呼吸周期の目標部分を識別するための呼吸センサと、目標部分の時間期間を決定するためのプロセッサであって、時間期間は識別された部分から少なくとも部分的に決定されるプロセッサと、目標体積の気体採集区画と、呼吸の目標部分からの気体標本を気体採集区画に送出するための空圧システムと、決定された時間期間に基づいて、空圧システムの気体送出速度を調整するための制御システムと、気体の組成を分析するための気体分析装置とを備える。
【0015】
別の変形形態では、人間の呼吸の呼気終末部分の気体を分析するための呼吸気分析装置は、呼吸周期の呼気終末期間を識別するための呼吸センサと、呼気終末期間の時間期間を決定するためのプロセッサであって、時間期間は、識別された部分から少なくとも部分的には決定されるプロセッサと、目標体積の気体採集区画と、呼吸の呼気終末期間からの気体標本を気体採集区画に引き入れるための真空供給源と、決定された呼気終末時間期間に基づいて真空供給源の流量を調整して、呼気終末気体によって区画を実質的に満たすための制御システムと、気体の組成を分析するための気体分析装置と、を備える。
【0016】
別の変形形態では、人間の呼吸の目標部分の気体を分析するための呼吸気分析装置は、呼吸周期の目標部分を識別するための呼吸センサと、目標部分の時間期間を決定するためのプロセッサであって、時間期間は識別された部分から少なくとも部分的には決定されるプロセッサと、目標体積の気体採集区画と、呼吸の目標部分からの気体標本を気体採集区画に送出するための空圧システムと、空圧システムを制御して、区画が目標呼吸部分からの気体によって実質的に満たされるまで気体を送出するための制御システムおよびアルゴリズムと、気体の組成を分析するための気体分析装置と、を備える。
【0017】
別の変形形態では、人間の呼吸の目標部分の気体を分析するための呼吸気分析装置は、呼吸周期の目標部分を識別するための呼吸センサと、目標部分の時間期間を決定するためのプロセッサであって、時間期間は、識別された部分から少なくとも部分的には決定されるプロセッサと、目標体積の気体採集区画と、呼吸の目標部分からの気体標本を気体採集区画に捕捉するための空圧システムと、捕捉された気体標本に補正係数を適用するためのアルゴリズムを実行するためのプロセッサであって、補正係数は目標呼吸部分の決定された時間期間に基づいたものであり、捕捉された気体の非均質性を補正するプロセッサと、気体の組成を分析するための気体分析装置と、を備える。
【0018】
別の変形形態では、呼吸分析のための方法は、(a)呼吸の呼気終末部分の時間期間を識別することと、(b)標本体積を有する標本チューブに呼気終末部分を採集することであって、採集の時間は、識別された時間期間に基づいていることと、(c)それぞれの複数の呼吸からの複数の呼気終末部分によって標本体積が満たされるまで(a)および(b)を繰り返すことと、(d)採集された複数の呼気終末部分を分析して、気体の濃度を決定することとを含む。
【0019】
別の変形形態では、呼吸気分析装置は、患者の呼吸の少なくとも1つの特徴を測定するように動作可能なシステムと、呼吸の呼気終末部分の開始点および終了点を決定するように動作可能なプロセッサであって、決定が少なくとも1つの特徴に基づいているプロセッサと、近位端、遠位端、近位端に連結された第1のバルブ、遠位端に連結された第2のバルブ、および標本体積を備える標本チューブであって、標本体積がそれぞれの複数の呼吸からの複数の呼気終末呼吸部分を蓄積できるように構成された標本チューブと、蓄積された複数の呼気終末呼吸の気体の濃度を分析するためのセンサと、を備える。
【0020】
別の変形形態では、患者の呼吸の呼気終末部分を採集する方法は、呼気終末部分の開始点を識別することと、呼気終末部分を採集するように構成された容器を開放することであって、容器が呼気終末部分の識別された開始点に関連するように開放されることと、呼気終末部分の終了点を識別することであって、容器が呼気終末部分の識別された終了点に関連するように閉鎖されることとを含む。
【0021】
別の変形形態では、装置の入口の気体濃度を決定するための気体測定補正データベースは、入口(気体濃度が複数の呼吸数で測定される)でのそれぞれの複数の既知の気体濃度に対する、装置での複数の気体濃度を測定することと、第1の複数の多項式を導出する(各第1の複数の多項式が複数の呼吸数のうちのそれぞれの1つの測定された気体濃度と適合し、各第1の複数の多項式は、式の各次数での係数を含む)ことと、第2の複数の多項式を導出する(各第2の複数の多項式が第1の複数の多項式のそれぞれの次数の係数と適合し、各第2の複数の多項式が式の各次数での係数を含む)ことと、第2の複数の多項式の各係数をデータベースに記録することとを含み得る方法によって実装されている。第1の複数の多項式は複数の線形方程式を含んでも良い。複数の呼吸数の数は、少なくとも5個で良い。複数の呼吸数は、1分間当たり10呼吸、1分間当たり20呼吸、1分間当たり30呼吸、1分間当たり40呼吸、1分間当たり50呼吸の呼吸数を含んでも良い。第2の複数の多項式は複数の二次方程式を含んでも良い。第2の複数の多項式の係数は、第1の複数の係数および第2の複数の係数を含んでも良く、第1の複数の係数は、所定の呼吸数以下の呼吸数に対応し、第2の複数の係数は所定の呼吸数以上の呼吸数に対応する。所定の呼吸数は30bpmでも良い。第2の複数の多項式は、第1の複数の二次方程式および第2の複数の二次方程式を含んでも良く、各第1の複数の二次方程式は、各次数で第1の複数の係数と適合し、各第2の複数の二次方程式は各次数で第2の複数の係数と適合する。入口での複数の既知の気体濃度は、3個含まれていても良い。入口での複数の既知の気体濃度は、比較的少ない呼吸数の領域、比較的多い呼吸数の領域、および中程度の呼吸数の領域のそれぞれから選択された少なくとも1つを含んで良い。
【0022】
別の変形形態では、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定する方法は、患者の呼吸数を決定することと、装置の気体濃度を測定することと、患者の呼吸数に対応する第1の複数の係数を得るためにデータベースにアクセスすることと、第1の複数の係数に基づいて、第1の複数の多項式を導出することと、呼吸数を各第1の複数の多項式に入力することによって第2の複数の係数を導出することと、第2の複数の係数を使用して補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に入力することによって入口での気体濃度を決定することと、を含むことができる。各第1の複数の多項式は、二次方程式であっても良く、第1の複数の係数は3個であっても良い。補償式は、線形であっても良く、第2の複数の係数は2個であっても良い。データベースは、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含んでも良く、第1のサブセットの係数は所定の呼吸数以下の呼吸数に対応し、第2のサブセットの係数は所定の呼吸数以上の呼吸数に対応する。所定の呼吸数は30bpmでも良い。
【0023】
別の変形形態では、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置は、装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、患者の呼吸を受け取る入口と、患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースと、実行されると、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサを含んでも良く、方法は、データベースにアクセスして、患者の呼吸パラメータ頻度に基づいて第1の複数の係数を得ることと、第1の複数の係数に基づいて第1の複数の多項式を導出することと、呼吸パラメータ頻度を各第1の複数の多項式に入力することによって第2の複数の係数を導出することと、第2の複数の係数を使用して補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に入力することによって入口気体濃度を決定することとを含む。第1の複数の多項式は、二次方程式であっても良く、第1の複数の係数は3個であっても良い。補償式は、線形であっても良く、第2の複数の係数は2個であっても良い。データベースは、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含んでも良い、第1のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、第2のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する。所定の呼吸パラメータ頻度は30bpmで良い。
【0024】
別の変形形態では、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定する方法は、患者の呼吸パラメータ頻度を決定することと、装置の気体濃度を測定することと、データベースにアクセスして患者の呼吸パラメータ頻度が所定の呼吸パラメータ頻度と同じ、それより上、またはそれより下であるかに基づいて複数の係数を得ることであって、データベースは、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、第1のサブセットの係数は、所定の呼吸パラメータ頻度以下である呼吸パラメータ頻度に対応し、第2のサブセットの係数は、所定の呼吸パラメータ頻度以上である呼吸パラメータ頻度に対応することと、複数の係数を使用して補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に入力することによって入口での気体濃度を決定することとを含む。所定の呼吸パラメータ頻度は30bpmで良い。
【0025】
別の変形形態では、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置は、装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、患者の呼吸を受け取る入口と、患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースであって、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、第1のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、第2のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応するデータベースと、実行されると、装置の入口で患者の呼吸の気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサを含み、方法は、データベースにアクセスして患者の呼吸パラメータ頻度が所定の呼吸パラメータ頻度と同じ、それより上、またはそれより下であるかに基づいて複数の係数を得ることと、複数の係数に基づいて補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に投入することによって入口気体濃度を決定することと、を含む。所定の呼吸パラメータ頻度は30bpmで良い。
【0026】
別の変形形態では、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定する方法は、患者の呼吸パラメータ頻度を決定することと、装置の気体濃度を測定することと、患者の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を得るためにデータベースにアクセスすることと、複数の係数を使用して補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に入力することによって入口での気体濃度を決定することとを含んで良い。補償式は多項式であって良い。補償式は線形であって良い。データベースは、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含んで良く、第1のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、第2のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する。所定の呼吸パラメータ頻度は30bpmで良い。
【0027】
別の変形形態では、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置は、装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、患者の呼吸を受け取る入口と、患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースと、実行されると、装置の入口で患者の呼吸の気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサを含み、方法は、データベースにアクセスして患者の呼吸パラメータ頻度に基づいて複数の係数を得ることと、複数の係数を使用して補償式を導出することと、測定された気体濃度を補償式に入力することによって入口気体濃度を決定することを含む。補償式は多項式で良い。多項式は線形式であって良い。データベースは、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含んでも良く、第1のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、第2のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する。所定の呼吸パラメータ頻度は30bpmで良い。
【0028】
別の変形形態では、患者の呼吸からの気体を採集するための装置は、標本体積と、サンプリング流量を有する流れ発生装置(流れ発生装置は、患者の呼吸が決定された呼吸パラメータ頻度を有する場合に、患者の呼吸の呼気終末部分によって標本体積を完全に、またはほぼ完全に満たし得る)と、患者の呼吸パラメータ頻度が所定の呼吸パラメータ頻度を超える場合に患者から採集された気体を廃棄するように構成されたプロセッサとを備える。流れ発生装置はポンプで良い。患者の呼吸の呼気終末期間は、患者の呼吸期間の4分の1などの断片であることが予測され、呼吸期間は患者の呼吸の1つの吸気および呼気の周期を含む。
【0029】
別の変形形態では、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置は、患者の呼吸を受け取る入口を備える標本区画と、患者の呼吸の一部分の速度を決定する呼吸速度分析装置と、標本区画の気体の気体濃度を決定する気体分析装置と、患者の呼吸の一部分の速度に基づいて補正された気体濃度を決定するアルゴリズムを含むプロセッサとを備えるようにしても良く、補正された気体濃度は患者の協調とは独立に決定される。
【0030】
別の変形形態では、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置は、患者の呼吸を受け取る入口を備える標本区画と、患者の呼吸の一部分の速度を決定する呼吸速度分析装置と、標本区画の気体の気体濃度を決定する気体分析装置と、アルゴリズムを備えるプロセッサを備え、アルゴリズムは、患者の呼吸の一部分の速度に基づいて標本区画内の呼吸標本の非均質性の程度を決定し、アルゴリズムは、非均質性の程度に基づいて補正された気体濃度を決定し、補正された気体濃度は患者の協調とは独立に決定されても良い。
【0031】
別の変形形態では、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置は、呼吸パラメータ頻度測定センサ、定義された最大呼吸パラメータ頻度を含むアルゴリズム、患者の呼吸を受け取る体積および入口を備える標本区画、標本区画の気体の気体濃度を決定する気体分析装置、および患者からの標本を所望の速度で標本区画に送出するサンプリング流量制御ユニットを備え、標本区画体積および所望の速度は、定義された最大呼吸パラメータ頻度に基づいて決定されても良い。
本発明の目的を達成するための例示的なデータベース、方法および装置は、次の通りである。
(1)本発明のデータベースは、装置の入口での気体濃度を決定するための気体測定補正データベースであって、
前記データベースは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、
前記データベースは、
前記入口でのそれぞれの複数の既知の気体濃度に対する、前記装置での複数の気体濃度を測定することであって、そこでは、前記気体濃度は複数の呼吸数で測定されることと、
第1の複数の多項式を導出することであって、そこでは、前記第1の複数の多項式のそれぞれは、前記複数の呼吸数のうちのそれぞれの1つの前記測定された気体濃度と適合し、前記第1の複数の多項式のそれぞれは前記式の各次数での係数を含むことと、
第2の複数の多項式を導出することであって、そこでは、前記第2の複数の多項式のそれぞれが前記第1の複数の多項式のそれぞれの次数の前記係数と適合し、前記第2の複数の多項式のそれぞれは、前記式の各次数での係数を含むことと、
前記第2の複数の多項式の各前記係数を前記データベースに記録することと
を含む方法によって値が挿入されるデータベースである。
(2)前記データベースは、前記第1の複数の多項式が好ましくは複数の線形式を含むデータベースである。
(3)前記データベースは、前記複数の呼吸数が好ましくは少なくとも5個であるデータベースである。
(4)前記データベースは、前記複数の呼吸数が好ましくは1分間当たり10呼吸、1分間当たり20呼吸、1分間当たり30呼吸、1分間当たり40呼吸、1分間当たり50呼吸の呼吸数を含むデータベースである。
(5)前記データベースは、前記第2の複数の多項式が好ましくは複数の二次方程式を含むデータベースである。
(6)前記データベースは、前記第2の複数の多項式の前記係数が好ましくは第1の複数の係数および第2の複数の係数を含み、前記第1の複数の係数が好ましくは所定の呼吸数以下の呼吸数に対応し、前記第2の複数の係数が好ましくは前記所定の呼吸数以上の呼吸数に対応するデータベースである。
(7)前記データベースは、前記所定の呼吸数が好ましくは30bpmであるデータベースである。
(8)前記データベースは、前記第2の複数の多項式が好ましくは第1の複数の二次方程式および第2の複数の二次方程式を含み、前記第1の複数の二次方程式のそれぞれが好ましくは各次数で前記第1の複数の係数と適合し、前記第2の複数の二次方程式のそれぞれが好ましくは各次数で前記第2の複数の係数と適合するデータベースである。
(9)前記データベースは、前記入口での前記複数の既知の気体濃度が好ましくは3個含まれるデータベースである。
(10)前記データベースは、前記入口での前記複数の既知の気体濃度が好ましくは比較的低い呼吸数の領域、比較的高い呼吸数の領域、および中間の呼吸数の領域のそれぞれから選択された少なくとも1つを含むデータベースである。
(11)本発明の方法は、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定するための方法であって、
前記患者の呼吸数を決定することと、
前記装置の気体濃度を測定することと、
前記患者の呼吸数に対応する第1の複数の係数を得るためにデータベースにアクセスすることと、
前記第1の複数の係数に基づいて、第1の複数の多項式を導出することと、
前記呼吸数を前記第1の複数の多項式のそれぞれに入力することによって、第2の複数の係数を導出することと、
前記第2の複数の係数を使用して、補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって前記入口での前記気体濃度を決定することと、を含む方法である。
(12)前記方法は、前記第1の複数の多項式のそれぞれが好ましくは二次方程式であり、前記第1の複数の係数が好ましくは3個である方法である。
(13)前記方法は、前記補償式が好ましくは線形であり、前記第2の複数の係数が好ましくは2個である方法である。
(14)前記方法は、前記データベースが好ましくは第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数が好ましくは所定の呼吸数以下の呼吸数に対応し、前記第2のサブセットの係数が好ましくは前記所定の呼吸数以上の呼吸数に対応する方法である。
(15)前記方法は、前記所定の呼吸数が好ましくは30bpmである方法である。
(16)本発明の装置は、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置であって、
前記装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、
前記患者の呼吸を受け取る入口と、
前記患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、
複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースと、
実行されると、前記装置の前記入口での前記患者の呼吸の前記気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサとを備え、
前記方法は、
前記患者の呼吸パラメータ頻度に基づいて、第1の複数の係数を得るために前記データベースにアクセスすることと、
前記第1の複数の係数に基づいて第1の複数の多項式を導出することと、
前記呼吸パラメータ頻度を前記第1の複数の多項式のそれぞれに入力することによって、第2の複数の係数を導出することと、
前記第2の複数の係数を使用して、補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって、前記入口気体濃度を決定することと、を含む装置である。
(17)前記装置は、前記第1の複数の多項式のそれぞれが好ましくは二次方程式であり、前記第1の複数の係数が好ましくは3個である装置である。
(18)前記装置は、前記補償式が好ましくは線形であり、前記第2の複数の係数が好ましくは2個である装置である。
(19)前記装置は、前記データベースが好ましくは第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数が好ましくは所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、前記第2のサブセットの係数が好ましくは前記所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する装置である。
(20)前記装置は、前記所定の呼吸パラメータ頻度が好ましくは30bpmである装置である。
(21)本発明の方法は、前記装置は、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定するための方法であって、
前記患者の呼吸パラメータ頻度を決定することと、
前記装置の気体濃度を測定することと、
前記患者の呼吸パラメータ頻度が所定の呼吸パラメータ頻度、その上、またはその下であるかに基づいて、複数の係数を得るためにデータベースにアクセスすることであって、そこでは、前記データベースが、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数は、前記所定の呼吸パラメータ頻度以下である呼吸パラメータ頻度に対応し、前記第2のサブセットの係数は、前記所定の呼吸パラメータ頻度以上である呼吸パラメータ頻度に対応することと、
前記複数の係数を使用して補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって前記入口での前記気体濃度を決定することと、を含む方法である。
(22)前記方法は、前記所定の呼吸パラメータ頻度が好ましくは30bpmである方法である。
(23)本発明の装置は、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置であって、
前記装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、
前記患者の呼吸を受け取る入口と、
前記患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、
複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースであって、第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数は所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、前記第2のサブセットの係数は前記所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応するデータベースと、
実行されると、前記装置の前記入口での前記患者の呼吸の前記気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサとを備え、前記方法は、
前記患者の呼吸パラメータ頻度が前記所定の呼吸パラメータ頻度、その上、またはその下であるかに基づいて、複数の係数を得るために前記データベースにアクセスすることと、
前記複数の係数に基づいて、補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって前記入口気体濃度を決定することと、を含む装置である。
(24)前記装置は、前記所定の呼吸パラメータ頻度が好ましくは30bpmである装置である。
(25)本発明の方法は、装置の入口での患者の呼吸の気体濃度を決定するための方法であって、
前記患者の呼吸パラメータ頻度を決定することと、
前記装置の気体濃度を測定することと、
前記患者の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を得るためにデータベースにアクセスすることと、
前記複数の係数を使用して補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって前記入口での前記気体濃度を決定することと
を含む方法である。
(26)前記方法は、前記補償式が好ましくは多項式である方法である。
(27)前記方法は、前記補償式が好ましくは線形である方法である。
(28)前記方法は、前記データベースが好ましくは第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数が好ましくは所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、前記第2のサブセットの係数が好ましくは前記所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する方法である。
(29)前記方法は、前記所定の呼吸パラメータ頻度が好ましくは30bpmである方法である。
(30)本発明の装置は、患者の呼吸の気体濃度を分析するための装置であって、
前記装置での気体濃度を測定する気体分析装置と、
前記患者の呼吸を受け取る入口と、
前記患者の呼吸の呼吸パラメータ頻度を決定する呼吸速度分析装置と、
複数の呼吸パラメータ頻度に対応する複数の係数を含むデータベースと、
実行されると、前記装置の前記入口での前記患者の呼吸の前記気体濃度を決定する方法を行う実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むプロセッサとを備え、前記方法が、
前記患者の呼吸パラメータ頻度に基づいて複数の係数を得るために前記データベースにアクセスすることと、
前記複数の係数を使用して補償式を導出することと、
前記測定された気体濃度を前記補償式に入力することによって前記入口気体濃度を決定することと、を含む装置である。
(31)前記装置は、前記補償式が好ましくは多項式である装置である。
(32)前記装置は、前記多項式が好ましくは線形式である装置である。
(33)前記装置は、前記データベースが好ましくは第1のサブセットの係数および第2のサブセットの係数を含み、前記第1のサブセットの係数が好ましくは所定の呼吸パラメータ頻度以下の呼吸パラメータ頻度に対応し、前記第2のサブセットの係数が好ましくは前記所定の呼吸パラメータ頻度以上の呼吸パラメータ頻度に対応する装置である。
(34)前記装置は、前記所定の呼吸パラメータ頻度が好ましくは30bpmである装置である。
(35)前記装置は、患者の呼吸からの気体を採集するための装置であって、
標本体積と、
サンプリング流量を含む流れ発生装置であって、前記流れ発生装置は、前記患者の呼吸が所定の呼吸パラメータ頻度を有する場合に、前記患者の呼吸の呼気終末部分によって前記標本体積を完全に満たす流れ発生装置と、
前記患者の呼吸パラメータ頻度が前記所定の呼吸パラメータ頻度を超える場合に、前記患者から採集された気体を破棄するように構成されたプロセッサと、を備える装置である。
(36)前記装置は、前記流れ発生装置が好ましくはポンプである装置である。
(37)前記装置は、前記患者の呼吸の前記呼気終末期間は、前記患者の呼吸期間の4分の1であると想定され、前記呼吸期間が好ましくは前記患者の呼吸の1つの吸気および呼気の周期を含む装置である。
(38)前記装置は、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置であって、
前記患者の呼吸を受け取る入口を備える標本区画と、
前記患者の呼吸の一部分の速度を決定する呼吸速度分析装置と、
前記標本区画の前記気体の気体濃度を決定する気体分析装置と、
前記患者の呼吸の一部分の前記速度に基づいて、補正された気体濃度を決定するアルゴリズムを備えるプロセッサであって、前記補正された気体濃度は、患者の協調とは独立に決定されるプロセッサと、を備える装置である。
(39)前記装置は、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置であって、
前記患者の呼吸を受け取る入口を備える標本区画と、
前記患者の呼吸の前記一部分の前記速度を決定する呼吸速度分析装置と、
前記標本区画の前記気体の気体濃度を決定する気体分析装置と、
アルゴリズムを備えるプロセッサであって、前記アルゴリズムは、前記患者の呼吸の一部分の前記速度に基づいて、前記標本区画内の前記呼吸標本の非均質性の程度を決定し、前記アルゴリズムは、非均質性の前記程度に基づいて補正された気体濃度を決定し、前記補正された気体濃度は患者の協調とは独立に決定されるプロセッサと、を備える装置である。
(40)前記装置は、患者の呼吸の標本の気体濃度を分析するための装置であって、
呼吸パラメータ頻度測定センサと、
定義された最大呼吸パラメータ頻度を含むアルゴリズムと、
前記患者の呼吸を受け取る体積および入口を備える標本区画と、
前記標本区画の前記気体の気体濃度を決定する気体分析装置と、
前記患者からの前記標本を所望の速度で前記標本区画に送出するサンプリング流量制御ユニットであって、前記標本区画体積および前記所望の速度が、前記定義された最大呼吸パラメータ頻度に基づいて決定されるサンプリング流量制御ユニットと、を備える装置である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、呼吸から抜き出された気体に対して採用された二酸化炭素測定に基づく典型的な呼吸波形を示す図である。
【
図2】
図2は、近位の気道で行われた気道内圧測定に基づいた典型的な呼吸波形を示す図である。
【
図3A】
図3A~
図3Cは、呼吸の相によって呼吸COがどのように変化し得るか、および呼吸の呼気終末期間を識別するためにカプノメトリまたは気道内圧を使用した1つの変形形態を示す図である。
図3Aは、呼吸周期の異なる相に関する呼吸のCOレベルを示す。
【
図3B】
図3Bは、呼吸周期の異なる相に関する呼吸のCO
2レベルおよび呼気終末期間を識別するためのしきい値を示す。
【
図3C】
図3Cは、呼吸周期の異なる相に関する近位の気道呼吸圧および呼気終末期間を識別するためのしきい値を示す。
【
図4A】
図4Aは、呼吸周期の異なる相に関するカプノメトリ信号、および呼吸の異なる部分を識別するための信号の微分の1つの変形形態を示す。
【
図4B】
図4Bは、呼吸周期の異なる相に関する気道内圧信号、および呼吸の異なる部分を識別するための信号の微分の1つの変形形態を示す。
【
図5A】
図5Aは、呼吸捕捉システムの1つの変形形態の概観を概略的に示す。
【
図5B】
図5Bは、呼吸捕捉システムの他の1つの変形形態の概観を概略的に示す。
【
図6】
図6は、呼吸標本を識別および採集するためにカプノメトリを使用することに関連する移相を示すグラフの集合を示す。
【
図7】
図7は、呼吸標本を識別および採集するために気道内圧観測を使用することに関連する移相を示すグラフの集合を示す。
【
図8】
図8~
図9Gは、固定されたサンプリング時間および固定された標本採集チューブ体積による固定されたサンプリング流量を使用した場合の、サンプリングされた気体の均質性における呼吸数に関連する変化を補正するための呼吸数補正係数を使用した呼吸分析装置の1つの変形形態を示す。
図8は、呼吸のシーケンスに関するカプノメトリ信号のグラフである。
【
図9A】
図9Aは、名目呼吸数を表す呼吸カプノメトリ波形のグラフである。
【
図9B】
図9Bは、比較的速い呼吸数を表す呼吸カプノメトリ波形のグラフである。
【
図9E】
図9Eは、補正係数が適用された、および適用されていない状態での、呼吸シミュレータおよび既知のCO気体投入を使用した場合の、捕捉された気体標本の不均質性を補償するための呼吸数補正係数の使用を示す。
【
図9F】
図9Fは、呼気終末標本が標本チューブのバルブVI側に配置された、
図9Dに示されるシステムの別の構成を示す。
【
図9G】
図9Gは、比較的遅い呼吸数から呼吸が捕捉されている、
図9Cおよび9Dのシステムを示す。
【
図10A】
図10A~10Bは、目標体積の呼気終末気体を捕捉するための調整された複数の呼吸サンプリングおよびそれに続く気体の分析の方法の1つの変形形態を示す。
図10Aは、複数の呼吸サンプリング技術を説明する概略流れ図である。
【
図10B】
図10Bは、一連の呼吸数に関する例示の標本体積を満たすのに必要であり得る呼吸の数のグラフを示す。
【
図11A】
図11A~11Fは、目標体積の呼気終末気体を捕捉するための、呼吸数が調整された複数の呼吸サンプリング技術およびそれに続く気体の分析の1つの変形形態を示す。
図11Aは、例示の呼吸数が調整された複数の呼吸サンプリングプロトコルのカプノメトリ信号および標本捕捉バルブ位置を示す図である。
【
図11B】
図11B~11Fは、例示の呼気終末気体捕捉に関する
図5Aまたは5Bに示された空圧システムを示す。
図11Bは、第1の呼吸からの呼気終末気体が捕捉された
図5Aまたは5Bの空圧気体捕捉システムを示す。
【
図11D】
図11Dは、第2の呼吸からの呼気終末気体が捕捉された
図5Aまたは5Bの空圧気体捕捉システムを示す。
【
図11F】
図11Fは、第3の呼吸からの呼気終末気体が捕捉された
図5Aまたは5Bの空圧気体捕捉システムを示す。
【
図12A】
図12A~12Bは、目標体積の呼気終末気体を捕捉するための調整された可変サンプリング流量方法およびそれに続く気体の分析の方法の1つの変形形態を示す。
図12Aは、呼吸数が調整された可変サンプリング流量技術の動作のシーケンスの概略流れ図を示す。
【
図12B】
図12Bは、例示の標本体積に関するサンプリング流量に対する対応する呼気終末時間期間のグラフを示す。
【
図13A】
図13A~13Fは、引き続く分析のために目標体積の呼気終末気体を捕捉するための呼吸数が調整された可変サンプリング流量技術の1つの変形形態を示す。
図13Aは、比較的速い呼吸数に関する呼吸カプノメトリ信号を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、比較的遅い呼吸数に関する呼吸カプノメトリ信号を示す図である。
【
図13C】
図13Cは、比較的速いサンプリング流量に調整された、例示の呼気終末気体捕捉に関する
図13Aに示された呼吸に対する気体採集システムの空気圧回路図を示す。
【
図13D】
図13Dは、比較的遅いサンプリング流量に調整された、
図13Bに示された呼吸に対する気体採集システムの空気圧回路図を示す。
【
図13E】
図13Eは、カプノメトリ信号を使用して、従前の呼吸の平均呼気終末時間および対応するサンプリング流量の調整を決定して、後続の1回の呼吸から呼気終末気体の目標体積を採集することを示す。
【
図13F】
図13Fは、気道内圧信号を使用して、前呼気終末期間の測定から予測された呼気終末時間および対応するサンプリング流量の調整を決定して、呼吸から呼気終末気体の目標体積を採集することを示す。
【
図14A】
図14Aおよび14Bは、呼気終末気体の不均質性を調整するための補正係数式の導出および使用を示す。
図14Aは、呼吸数の関数としてのETCOppmを示す図である。
【
図15A】
図15Aは、所与の呼吸数で測定されたETCOを補正されたETCOに変換するための参照表を作成するための方法を示す。
【
図15C】
図15Cは、呼吸数に対する傾きおよびオフセットを比較するグラフを示す。
【
図15D】
図15Dは、呼吸数に対する傾きおよびオフセットを比較するグラフを示す。
【
図16A】
図16Aは、流れ発生装置の気体サンプリングレートを決定して、上限呼吸数および所定のサンプリング体積に関連付ける方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここでは、呼気された呼吸を捕捉および分析する装置および方法が述べられる。いくつかの変形形態では、1つまたは複数の呼吸パラメータが測定されて呼吸の異なる構成部分およびそれぞれの時間期間を識別し、空圧システムが使用されて、サンプリングチューブの呼気された呼吸の部分を識別された時間期間を使用して捕捉する。いくつかの変形形態では、1つまたは複数のバルブおよび/またはたとえば真空ポンプなどの流れ制御機構が使用されて、サンプリングチューブに抜き出される気体の流量が調節される。いくつかの変形形態では、呼吸の捕捉された部分は患者の生理学的な状態の指標のために分析される。
【0034】
呼吸の一部分は、呼気された呼吸の呼気終末部分、開始部分、中間部分、および終了部分を含んでも良い。測定された呼吸パラメータは、二酸化炭素、酸素、気道内圧、気道温度、呼吸流量、および呼吸圧のうちの1つまたは複数を含んで良い。呼吸の一部分の時間期間を識別することは、その時間期間の開始および終了をおおよそ識別することを含んで良い。
【0035】
複数の呼吸の呼気終末標本採集アルゴリズムのいくつかの変形形態では、呼吸の完全な呼気終末部分によって固定された標本採集体積を満たすために、採集される標本の数は呼吸数によって変化する。可変のサンプリング真空率アルゴリズムのいくつかの変形形態では、真空率は呼吸数に基づいて調整され、採集された標本が呼吸の呼気終末部分の全体となるようになる。
【0036】
呼気された気体の組成は、呼気期間の異なる段階に対応して変化する可能性がある。たとえば、呼気の終了付近でサンプリングされた気体は、血流から肺胞に最近に放散された気体を表し得る。
図1に示された例では、下記に記述するように、呼気期間が、前呼気終末および呼気終末の2つの部分に分けられる。前呼気終末部分の間、誘導気道および肺の末端部分からの気体が排出され、呼気終末部分の間、肺胞の体積に新規に放散された気体が排出される。たとえば高ビリルビン血症または溶血などの血流の生理的状態を診断しようとする場合に、診断の気体標本は、呼気終末期間から最も良く取得される。例示の目的では、呼気終末CO測定に関する呼気終末気体をサンプリングするための例示の変形形態が下記に与えられるが、この原理はその他の診断目的にも適用できる。
【0037】
図1は、鼻からなどの人間の気道から抜き出された呼吸において測定された、二酸化炭素(CO
2)信号の全体像からの典型的な呼吸パターン100を、水平軸を時間とし、垂直軸をCO
2レベルとした時間の関数として示す図である。呼気相の間、CO
2が排出され、したがってCO
2レベルが上昇する。吸気相の間、周囲の空気が鼻を占め、したがって測定されたCO
2は実質的にゼロに低下する。呼吸CO
2曲線には、人間の呼吸パターン、彼ら(彼女ら)の年齢、呼吸のしかた、および任意の根底にある急性または慢性の医学的状態に基づいて、様々な形状があり得る。いくつかの曲線は、呼気相に関する、(1)気体は単にCO
2のない近位の気道からの気体であり得ることを理由とする低CO
2またはCO
2のない開始部分と、(2)ゼロから肺の遠位の区域でのCO
2レベルに急速に増加するCO
2を示す中間部分と、(3)高原状態に達する、またはCO
2から離れることを示すその呼気呼吸に関する肺胞からのCO
2を表す終了部分と、(4)呼気期間の最終部分における、潜在的にある一定のピークレベルと、の下位部分を示し得る。しかし、この古典的な曲線とは異なる多くのその他の曲線があり得る。ピークCO
2レベルは、呼気終末期間の間は、4~6%であり、吸気期間の間は、ゼロに近いかゼロに等しくなり得る。
【0038】
いくつかの変形形態では、呼気呼吸でのCO2のレベルが使用されて、呼吸の期間の継続時間を決定する。更なる変形形態では、呼吸の期間の継続時間は、その期間の開始および終了によって特徴付けても良い。いくつかの変形形態では、CO2レベルが使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定する。他の変形形態では、CO2レベルの1次時間導関数が使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定する。さらに他の変形形態では、CO2レベルの2次時間導関数が使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定する。いくつかの変形形態では、CO2レベルおよびCO2レベルの時間導関数の組み合わせが使用されて、呼吸の期間の開始または終了が決定され得る。いくつかの変形形態では、呼気終末期間の開始は、CO2レベルの1次時間導関数の突然の減少などの、呼気された呼吸のCO2レベルの1次時間導関数の変化によって決定され得る。いくつかの変形形態では、CO2レベルの1次時間導関数の減少は10%超の減少である。いくつかの変形形態では、CO2レベルの1次時間導関数の減少は25%超の減少である。いくつかの変形形態では、導関数はゼロに近づき、またはゼロになり、非常にわずかな変化率またはピーク高原状態をそれぞれ示す。他の変形形態では、呼気終末期間の開始は、CO2レベルの2次時間導関数が大きいことによって決定され得る。いくつかの変形形態では、呼気終末期間の終了は、最大CO2レベルによって決定されても良く、最大CO2レベルは、(CO2レベルがそのピーク値から低下することと関連する)導関数が負になるというCO2レベルの1次時間導関数の符号の変化によって検出または確定され得る。更なる変形形態では、開始期間の開始は、CO2レベルの1次時間導関数の突然の増加によって決定され得る。他の変形形態では、開始期間の開始は、ゼロCO2レベルからのCO2レベルの増加によって決定され得る。いくつかの変形形態では、CO2レベルの増加はゼロ付近またはベースラインからなどの非ゼロであり得る。いくつかの変形形態では、中間期間の終了は、CO2レベルの1次時間導関数の突然の減少などの、呼気された呼吸のCO2レベルの1次時間導関数の変化によって決定され得る。いくつかの変形形態では、CO2レベル、その1次時間導関数、その2次時間導関数、または前述の組み合わせは、1つまたは複数の期間の開始および終了を決定するために使用されても良い。
【0039】
図2は、測定された気道内圧の全体像からの典型的な呼吸信号200を示す図であり、吸気相の間の負圧および呼気相の間の正圧を示す。安静時呼吸の間、ピーク呼気圧は、呼気相の中間および呼気終末期間の開始に対応し得る。
図1および2では、TI、TE、TPET、TET、TPEは、吸気時間、呼気時間、前呼気終末時間、呼気終末時間、および後呼気時間をそれぞれ表す。吸気後休止期間もあっても良く(図示せず)、その期間では、吸気の間の肺の筋肉の動きが、呼気期間が開始するまで休止される。入口から鼻孔までにおいて測定した場合に、ピーク吸気圧は、安静呼吸の間に-1から-4cwpであり、より激しい呼吸の間に-15cwpまでになる可能性があり、ピーク呼気圧は、安静呼吸の間に+0.5から+2.0cwpであり、より激しい呼吸の間に+10cwpまでになる可能性がある。当業者は、ここで与えられたcwpは例示のものであり、その他のcwpが本開示の範囲から逸脱せずにあり得ることを容易に理解するであろう。
【0040】
いくつかの変形形態では、気道内圧が使用されて、呼吸の期間の開始および終了を決定する。他の変形形態では、気道内圧の1次時間導関数が使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定する。さらに他の変形形態では、気道内圧の2次時間導関数が使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定する。いくつかの変形形態では、気道内圧および気道内圧の時間導関数の組み合わせが使用されて、呼吸の期間の開始または終了を決定し得る。いくつかの変形形態では、呼気終末期間の開始が最大気道内圧によって、すなわち気道内圧の1次時間導関数がゼロであることによって決定される。いくつかの変形形態では、呼気終末期間の終了は気道内圧がゼロであることによって決定され得る。いくつかの変形形態では、気道内圧、その1次時間導関数、その2次時間導関数、または前述の組み合わせを、1つまたは複数の期間の開始および終了を決定するために使用されても良い。
【0041】
いくつかの変形形態では、呼吸センサは、経時の人間の呼吸を観測し、呼吸パターンの特徴である連続して更新される値を決定することによって呼吸パターンの傾向を決定する。たとえば、呼吸信号のピークの正値は、各呼吸に関して測定および更新されても良い。ピーク値は、以前のピーク値と比較されても良い。ピーク値は、複数の呼吸の以前の数にわたって平均化されても良い。同様に、呼気時間などの呼吸の時間に関連する態様が、傾向を決定されても良い。通常の呼吸でない様々な呼吸に関連する事象が識別されても良く、決定のステップに、これらの通常でない呼吸事象を意図せずに含めないために除外アルゴリズムがあっても良い。たとえば、くしゃみ、咳、積み重なった呼吸、または完全でない呼吸の特徴的な波形は、前もってまたは特定の患者の観測に基づいて定義されても良く、呼吸センサによって検出された場合、適切な決定のアルゴリズムから除外される。
【0042】
図3A~3Cは、組成分析のための所望の標本を捕捉するための呼吸周期の一部分を識別するために呼吸信号を使用する1つの変形形態をより詳細に説明する。示された例では、カプノメトリ信号または気道内圧信号が使用されて、呼気終末COの測定のための呼気相の呼気終末部分を識別する。
図3Aでは、呼吸COレベル300が表され、COが呼吸周期によってどのように変化するかを示し、ピークCO値は呼気終末期間に対応する。ピークCO値310が対象とする値であり、それは血液でのCOレベルに最も密接に関連付けられるからである。
図3Bでのカプノメトリの例330では、時間および振幅のしきい値が確立されて、呼気終末期間の開始および終了を決定する。YAおよびYBは、傾き移行点およびピークレベルのそれぞれにおけるCO
2振幅であり、開始および終了の呼気終末CO
2振幅それぞれを表す。XAおよびXBは、それぞれ、ベースラインのCO
2レベルからの増加によって定義される呼気期間の開始点であるtl’から測定された前呼気終末期間および呼気期間の継続時間である。しきい値Y1、Y2、X1、およびX2は、たとえば例外が無視された移動平均の傾向から決定された値の百分率などの、YA、YB、XA、およびXBの傾向の決定、平均化、パターン認識、またはその他のプロトコルから、およびそれらに基づいてそれぞれ確立され得る。
図3Cの気道内圧の例360では、YCは呼気終末期間の開始に対応するピーク振幅を表し、XAおよびXBは、前呼気終末期間および呼気期間の継続時間を表す。しきい値X1、X2、およびY1がXA、XB、およびYCの傾向の決定、平均化、パターン認識、またはその他のプロトコルそれぞれから、およびそれらに基づいて確立され、しきい値Y2がゼロ圧に基づいて確立される。たとえば、鼻孔圧がピーク値もしくはY1に達し、または呼気相の中点、傾向決定に基づいたXB/2がゼロに達した場合、適切な移相により、呼気終末気体標本採集が開始でき、鼻孔圧が負もしくはゼロに達した場合、または鼻孔圧がY2に達した場合、またはXBの時間遅延もしくは前もって測定された呼気時間に基づいた時間遅延の後に終了できる。呼吸の空気流または近位の気道温度を測定することにより、気道内圧と酷似する情報がもたらされ、これらの信号もまた上記に説明された方法で使用されて、呼吸曲線および呼気終末期間の異なる部分を決定することができる。さらに、音、超音波、振動、およびプレチスモグラフィなどのその他の呼吸測定が行われて、呼吸パターンを識別することができる。
【0043】
図3Bおよび3Cに説明されたしきい値の技術は、呼吸パターンが比較的一定で不規則でない場合に非常に信頼性が高くなり得る。しかし、一定でないまたは不規則な呼吸の状況では、カプノメトリおよび気道内圧は、呼気終末期間の開始および終了を高い信頼性で判別し得ない。たとえば、カプノメトリは、呼吸パターンが異なると、前呼気終末と呼気終末期間の間の移行が異なって見える可能性があるので、この移行を厳密に高い信頼性で識別するのが困難であり得る。たとえば、呼気相の間のCO
2の増加の傾きは、
図3Bでの第1の傾きから第2の傾きへの移行点なしに一定であり得る。または、呼気相の間に、3つ以上のCO
2の傾きがある可能性があり、したがって2つ以上の移行がある可能性があり、どの傾きの移行が呼気相の開始に対応するかを決定することを任意にする可能性を生じる。上述したことは、呼気終末期間の開始を識別する際に起こり得る困難の例に過ぎず、その他の問題が生じる可能性がある。近位の気道内圧信号は、適切なアルゴリズムによって、所与の呼吸に関する2つ以上のピーク呼気圧があることがまれであり、このマーカを高い信頼性の高いマーカにする点で信頼性をカプノメトリに勝るものにし得る。同様に、正圧からゼロ圧への移行は、適切なゼロ化アルゴリズムによって、呼気終末期間の終了へ高い信頼性で関連付けることができる。したがって、近位の気道内圧を使用しての感知は、忠実度の向上を提供し、さらに実質的に費用を低減することができる。それでも、気道内圧はその忠実度が限られている可能性もある。
【0044】
図4Aおよび4Bは、カプノメトリおよび近位の気道内圧を使用して、呼気終末期間を含む呼吸パターンを測定し、呼吸パターンの異なる部分を識別する別の変形形態を示す。
図4Aは、呼気二酸化炭素および呼気二酸化炭素の変化率(1次導関数)のグラフ400である。(CO
2は線410によって表され、CO
2の導関数は線420によって表される。)
図4Aでは、呼吸CO
2が測定され、測定値が実時間で瞬時に微分される。傾きの瞬時の変化を観察し、(本明細書で説明したしきい値など)適切なしきい値と比較することによって、呼気終末期間の開始が高い信頼性で識別され得る。さらに正から負への微分値の急速な変化を観察することにより、呼気終末期間の終了が高い信頼性で識別され得る。呼気終末期間を判別することに加えて、呼吸相のその他の部分がこの技術を使用して識別され得る。他の変形形態では、呼吸パターンの厳密な部分を識別する忠実性または信頼性をさらに向上させるために、測定された信号の2次微分が使用されても良い。
【0045】
図4Bは実時間で微分された、測定された近位の気道内圧を使用した別の変形形態である。
図4Bは、近位の気道内圧および近位の気道内圧の変化率(1次導関数)のグラフ450である。(気道内圧は線460によって表され、気道内圧の導関数は線470によって表される。)正値に続くdPA/dtの第1のゼロ値472は、呼気終末期間の開始に対応する時間t2でのピーク気道内圧を示す。負値に続くdPA/dtの第2のゼロ値474は、呼気の呼気終末期間の終了に対応する時間t3でのゼロ気道内圧値を示す。この方法でカプノメトリまたは気道内圧信号を操作することに加えて、その他の呼吸パラメータが同様に操作され得る。そのようなその他のパラメータの例として、呼吸気の温度、湿度、気流、音、およびその他がある。本明細書の例では呼気終末CO気体分析が説明されるが、システムおよび方法は、呼吸サイクルのその他の部分からのその他の気体をサンプリングおよび分析することに適用できることが理解される。
【0046】
いくつかの呼吸分析適用では、気体組成分析装置が正確な分析を行うために、装置によって最小量の気体体積が要求される。分析のために気体標本を得るための1つの技術は、患者から気体が抜き出されている間、気体を一時貯蔵区画に採集することである。貯蔵区画は、気体組成分析装置の体積の要件を満たすように既知の体積にサイズを決められており、便利のために区画は固定または一定の体積とすることができる。区画が所望の気体で満たされた後に、次いで区画の気体は分析のために組成分析装置に送られ得る。貯蔵および分析された気体は、正確な分析を実現するために純粋に呼気の目標部分からのものとすることができる。したがって、システムは、広範囲な呼吸パターンの下で、呼吸の正しい部分から気体のその体積を得ることができ、さらに分析装置が正確であるための必要な気体の量を採集し得る。
【0047】
図5Aは、サンプリングカニューレ501、および気体標本採集および分析機器502を含む、呼気呼吸を捕捉するための装置の1つの変形形態の概観を概略的に示す。気体は、たとえばサンプリングカニューレ501および流れ発生装置512を使用して、患者から抜き出され得る。流れ発生装置の流量は、たとえば気流速度計と同様に配列された圧力センサアレイ526および528などの流量変換器によって測定され得る。測定された流量は、閉ループフィードバック制御として使用されて、流れ発生装置の流量を制御し得る。実時間での呼吸パターンを測定するために、カプノメータ510または圧力センサ526などの呼吸センサが使用されても良い。呼吸の所望の部分からの気体は、貯蔵採集区画518で捕捉および分離される。貯蔵区画に入る気体は、たとえば常開の共通のポートc、および気体を採集するためのa、または貯蔵区画を分離するためのbの第2の開いたポートを備える少なくとも1つのバルブVIによって制御される。V1と流れ発生装置の間にバルブV2があり、貯蔵区画を分離するのにV1とともに関与してもよい。分析のために捕捉されない気体は、バイパス導管520を介して貯蔵区画から流し出される。捕捉された気体は、COセンサなどの気体組成分析装置514を通して貯蔵区画から送られる。マイクロプロセッサ524を備える制御システム522は、システムを関連するアルゴリズムによって制御する。流れ発生装置は、ダイアフラムポンプなどの真空ポンプもしくは圧力ポンプ、または真空供給源、正圧供給源からのベンチュリ管、またはシリンジポンプなどの別のタイプの流れ発生装置とすることができる。気体の経路設定を管理するためのバルブは、3方向2位置バルブの構成であることができ、または4方向3位置バルブの構成であることができる。カプノメータ510は、使用された場合、赤外線(IR)を使用して瞬時に呼吸パターンを測定する。気体組成分析装置は、反応時間を伴う電気化学センサであっても良く、またはガスクロマトグラファまたは質量分析計であっても良い。他の変形形態は、異なる分析装置を使用することができる。標本貯蔵区画は、断面を最小限に抑えるために小ボアの内径チューブまたはかなりの長さの導管であることができ、それによって導管の長さに沿った気体分子間相互作用を低減し得る。サンプリングカニューレは、内径が0.020インチから0.080インチであるシリコーンまたはPVCチューブとしても良い。圧力センサ516は、気道内圧測定に使用するのに加えて、流量が決定され得るように526と連係して使用されてもよい追加の圧力センサである。流量は、可変流量を利用するいくつかの変形形態でポンプ速度を調整するために使用されても良い。圧力センサ516は、周囲情報を得るためにも使用しても良く、その場合、カプノメトリの代わりに呼吸曲線が圧力によって測定される。いくつかの変形形態では、カプノメータまたは気道内圧センサの代わりに、瞬時の一酸化炭素センサを、呼吸センサとして使用される。その他の瞬時の呼吸センサも使用され得る。
【0048】
図5Bは、
図5Aに示されるシステムの空圧動作についてのさらなる詳細を示す(下記の
図9Cも参照)。
図5Aと同様な特徴に関しては、ここでは考察を繰り返さない。バイパスチューブ536は、気体が患者または周囲から抜き出されることを可能にして、標本チューブがこれらの気体から分離され得る時間の間、標本チューブ518をバイパスする。この構成では、バルブV1はポートaで閉鎖されても良く、バルブV2は、流れがbからcを通ることを可能にするようにポートbで開放されても良い。流れ発生装置が使用されて、サンプリング気体を、バイパスチューブを通って抜き出すことができる。プッシュチューブ532が使用されて、標本チューブ518の呼気終末標本を標本チューブからセンサ514に押し出しても良く、そのときポートbにおいてバルブV1およびV3がそれぞれ開放され、V2がポートaで閉鎖される。内部の気体通路を患者の気体で汚染しないことが望ましい場合、またはシステムをパージするために、バルブV4は、ポートbを開放することによって、供給源の気体を患者の気体から周囲の気体に切り替える。
【0049】
いくつかの変形形態では、上記の
図5Aおよび5Bに示される空圧システムは、取り外し可能なサンプリング区画(図示せず)を含んでも良い。たとえば、標本チューブ518は、システムから取り外しても良い。このようにして、空圧システムは、所望の気体によって標本チューブを満たすことができ、標本チューブは別の場所で分析され、または後で分析するために保管されても良い。他の変形形態では、気体は標本チューブから取り外し可能なサンプリング区画に経路設定されても良い。この変形形態では、区画は分析装置と置き換わっても良く、またはさもなければ取り外され、および/または置き換えられ得るように配置されても良い。
【0050】
図6は、呼気呼吸を捕捉するための装置の1つの変形形態での、呼吸標本を識別および採集するためにカプノメトリを使用することに関連する移相を示すグラフの集合600を提示する。最も上のグラフ610は、実際の呼吸相を示す(吸気/呼気)。中間のグラフ630は、CO
2濃度を示す。最も下のグラフ660は、バルブ位置を示す。気体が人間からサンプリングカニューレを通ってカプノメータに移動する移動時間は、tαによって表される。したがって、カプノメトリ信号は、実際の呼気の開始のわずかに後に、呼気の開始を示す。気体がカプノメータを出て標本採集区画に入り始めるまでの移動時間は、tβによって表される。したがって、標本区画分離バルブV1は、カプノメータによって呼気終末期間の開始が検出された後からtβ経過した時間t(1)から標本採集時間t(s)の間、定位置に開く。
【0051】
図7は、呼気呼吸を捕捉するための装置の1つの変形形態での、呼吸標本を識別および採集するために気道内圧観測を使用することに関連する移相を示すグラフの集合700を提示する。最も上のグラフ710は、実際の呼吸相(吸気/呼気)を示す。中間のグラフ730は気道内圧を示す。最も下のグラフ750は、バルブ位置を示す。実際の呼吸と圧力との移相はtφであり、音速で割った移動の距離にほぼ等しく、したがって比較的瞬時のものである。気体が人間の気道を出て、標本採集区画に入り始める移動時間は、tδによって表される。したがって、貯蔵区画分離バルブV1は、カプノメータによって呼気終末期間の開始の検出の後のtδ経過した時間t(1’)から標本採集時間t(s)の間、定位置に開く。
【0052】
以下の考察では、
図5Aおよび5Bに対して上記に述べた呼気呼吸を捕捉するための装置に参照を行う。本開示の範囲から逸脱せずに、その他の装置が使用されて、呼気呼吸の期間の継続時間を決定し、その期間の呼吸を捕捉することができることに留意されたい。
【0053】
図8~9Gに示される呼吸数が調整された可変の第1の変形形態では、補正係数が気体組成の分析結果に適用され、捕捉された気体標本の不均質性を補償する。示された例でのシステムは、カプノメトリを使用して呼気終末期間を識別することによって呼気終末CO気体を分析し、固定気体サンプリング時間およびサンプリング流量を使用する。
図8は、一連の呼吸に関するカプノメトリ信号のグラフ800である。カプノメトリ信号は、サンプリングするためによい呼吸を識別し、呼気終末期間を識別するために使用され、グラフの右端が最近の呼吸であり、グラフの左端が最も古い呼吸である。呼吸1から3は適格基準を満たすために観測および評価され、基準を満たすと、呼吸4の呼気終末部分が分析のためにサンプリングされる。
【0054】
図9Aは、
図8に対応する名目事例のグラフ900であり、呼吸数4’の呼気終末期間がサンプリング時間t(sl)に一致する。
図9Cは、
図9Aに示された名目事例で示される気体を捕捉するための空圧システムの構成930を示し、呼吸4の呼気終末期間からの気体が標本採集区画体積V(sl)を完全に満たす。
図9Cでは、呼吸4の前呼気終末を標本区画からV2の右に見ることができる。呼吸5の吸気部分は、標本区画からV1の左に見ることができる。
【0055】
図9Bのグラフ910では、サンプリング時間t(sl)が呼気終末期間よりも大きい。
図9Dに示される構成940は、
図9Bのグラフに対応し、呼吸4からの呼気終末気体および呼吸5からの吸気気体の両方を含む。たとえば、システムが1秒の標本採集時間で1秒の呼気終末時間に調節され、実際の呼気終末時間が1秒である場合、標本気体は呼気相の異なる部分に対して均質であり、分析が最も正しくなり得る(
図9Aおよび9Cを参照)。しかし、個人の呼気終末期間が継続時間でより短くまたはより長くなると、標本区画がそれぞれ呼気終末気体の一部を失い、またはある程度の非呼気終末気体を含む可能性があり分析が不正確になることが不可避であり、それは気体不均質性の呼吸数の補正係数を適用することによって補正され得る。たとえば、呼気終末時間が0.5秒である場合、標本区画は、50%が呼気終末期間全体からの純粋な呼気終末気体で満たされ、さらに50%が吸気気体で満たされ、それによって標本区画のCOの濃度を希釈する。吸気相からの気体標本のCOが、たとえば0.25ppmなど、既知であると想定し、分析装置の測定結果が1.25ppmのCOであり、既知の周囲COが0.25ppmであると想定すると、標本は、0.5ppmのCOの補正されたCOに対して50%の0.0ppmのCO、および50%の1.0ppmのCOを含む。この場合、補正係数は0.5である。
図9Bに示される例では、サンプリング時間t(sl)が呼気終末期間よりも大きい。
図9Dに示される捕捉された気体標本は、
図9Bのグラフに対応し、呼吸4からの呼気終末気体および次の呼吸からの吸気気体の両方を含む。
【0056】
図9Eでのグラフにおける実線によって示された60bpmでの結果のCO分析は標本の希釈のために15%の誤差を示すが、点線によって示される呼吸数依存の補正係数の適用は、この例では2%の正確さを実現する。補正係数は、傾きおよびオフセット値が装置の動作範囲全体にわたるすべての呼吸数に適用された線形式であっても良い。
【0057】
図9Eは、呼吸シミュレータおよび既知のCO気体濃度インプット、ならびに補正式を使用する呼気終末CO分析装置からの呼吸数に対する正確さのグラフ950を示す。40bpmでの
図9Eのグラフ950の実線の曲線は、採集された標本のCO分析の結果の正確さを示す。示された例では、標本チューブ体積および気体標本流量は、1:1、I:E(吸気:呼気)比率で分当たり30呼吸に対応する500ミリ秒の呼気終末期間の間の完全な呼気終末期間からの呼気終末気体の標本チューブを完全に満たすようにそれぞれサイズを決められ、設定される。グラフで理解できるように、30bpmにおいて標本チューブが均質の呼気終末気体で完全に満たされ、30bpm未満では、また、標本チューブが呼気終末期間全体からではないが均質の呼気終末気体で満たされるので、曲線は30bpm未満の呼吸数で非常に正確である。しかし、30bpm超では、標本チューブはサンプリングされた呼吸の呼気終末期間全体からの気体に加えて、呼気終末期間の前または後からのある程度の気体を含み、それはこれらの呼吸数での呼気終末期間は、気体サンプリング時間よりも継続時間が短いためであり、したがって希釈によって、曲線には、負の傾きが生じる。補正された曲線で理解できるように、30より多い呼吸数での結果は、補正係数によって正確に調整される。10bpmでは、標本チューブが呼気終末期間全体を通して平均よりもCO濃度がわずかに高い可能性がある呼気終末気体の最端部分を含み、それに対して30bpmでは、標本チューブが呼気終末期間全体からの気体を含むので、10bpmと30bpmの間の正確さは、線形でない可能性がある。測定された気体と実際の気体の間の関係を説明する一般的な式は、x=My+B、たとえばx=0.0074y+0.07であり、ただしxは測定されたETCO、Mは式の傾き、yは呼吸数が補正されたETCO、Bは式のy切片またはオフセットである。したがって、ETCO
(corrected)=[ETCO
(measured)-オフセット]/傾きである。
【0058】
図9Fは、呼気終末標本が標本チューブのバルブVI側に配置された、
図9Dに示されるシステムの別の構成960を示す。これは、(
図9Dの構成で示されるように)吸気相の代わりに呼吸4の呼気の呼気終末期間の一部分が標本において捕捉されることを除いて、
図9Dと同様の構成である。
図9Gは、呼吸が遅い呼吸数から捕捉された、
図9Cおよび9Dのシステムの構成970を示す。
図9Gの構成では、いくつかの呼気終末気体はV2を通過した領域では標本チューブで捕捉されない。
【0059】
図10Aは、呼気終末気体の目標体積を採集するための複数の呼吸をサンプリングするための方法1000を示す。方法1000は、任意選択で周囲空気によってシステムをフラッシングするステップ1002で開始する。これは、方法が行われるごとに必須でなくても良い。方法1000は、第1の呼気終末標本1004を採集するステップに続く。標本チューブのバルブは、呼気終末期間の開始に関連付けて適切な時間に開放される。
図10Aに示された変形形態は、二酸化炭素濃度の1次導関数の第2の高原状態に関連付けて、バルブが開放されるが、他の変形形態は、この開示で説明されたものなどの呼気終末期間の開始のための代替のトリガを使用しても良い。標本チューブのバルブは、呼気終末期間の終了に関連付けて、適切な時間に閉鎖される。
図10Aに示された変形形態は、二酸化炭素濃度の1次導関数のゼロに関連付けてバルブが閉鎖されるが、他の変形形態は、この開示で説明されたものなどの呼気終末期間の終了のための代替のトリガを使用しても良い。ステップ1006での方法は、ステップ1004で捕捉された気体の体積を決定することである。
図10Aに示された変形形態は、ポンプ速度およびバルブ開放時間に基づいた体積を示すが、その他の機構が等しく使用され得る。次いで、捕捉された体積は、標本チューブが満たされたかどうか決定するために標本チューブ体積と比較される。そうでなければ、ステップ1008は、標本体積が満たされるまで捕捉ステップ1004および比較ステップ1006を繰り返す。次いで、方法は、ステップ1010で、採集された体積をCO分析装置に押し出す。いくつかの変形形態では、採集された体積は異なるタイプの気体分析装置に押し出されても良く、または研究室もしくは別の分析施設に送出するための取り外し可能な貯蔵チューブに押し出されても良い。
【0060】
上記に述べられたように、任意の呼吸数または呼吸パターンを補償し、さらに所望の標本体積および気体の純粋さを得るために、複数の呼吸がサンプリングされても良い。呼吸の数は、呼吸パターンおよび区画体積に依存する。
図10Bは、標本体積を満たすのに必要であり得る呼吸の数のグラフ1020を示す。例示の目的で、標本区画は2.5mlであり、標本流量は100ml/分であり、呼気終末気体が分析されることを想定すると、たとえば1分間に30呼吸の呼吸数に対しては、3つの呼吸がサンプリングされることが必要である。標本区画、流量などを変化させることによって、異なるグラフになり得ることが理解され得る。グラフ1020は、区画チューブを満たすために呼吸がいくつ必要になり得るかを決定するための容易な参照を提供する。
図10Bの変形形態は、整数としてサンプリングされた呼吸(したがって段階-関数グラフ)を示すが、他の変形形態は連続的なグラフ線を使用しても良く、それによって(1つまたは複数の完全な呼吸に加えて)部分的な呼吸が標本体積を満たすために捕捉されることを示す。この情報を利用して、適切な時間に標本区画バルブを閉鎖しても良い。
【0061】
図11A~11Fは、説明の目的で、
図10A~10Bの方法を
図5Aまたは5Bの装置を使用して説明する図である。本開示の範囲から逸脱せずに、呼吸の特定の部分を捕捉するために、任意の数の装置が使用され得ることに留意されたい。
【0062】
図11Aは、一連の呼吸の二酸化炭素レベルを示すグラフ1100を示す。第1の3つの呼吸を識別および評価した後に、システムは呼吸1の標識を付けられた第4の呼吸から標本を採集し始めることを決める。支配的な呼吸パターンに応じて、適切な数の呼気終末期間がサンプリングされて必要な体積を採集する。呼吸はサンプリングのために必要な基準を満たすことを最初に確認され、この結果、複数の連続した呼吸または非連続の呼吸になり得る。
図11Aは、標本チューブへの入口のバルブV1のバルブ状態のグラフ1105も示す。第1の3つの呼吸(「呼吸-3」から「呼吸-1」)が確認されている間、標本チューブへの入口は閉鎖される(「b開放」)。システムが呼吸1をサンプリングすることを決定すると、バルブへの入口が開放されて(「a開放」)、標本チューブが呼吸1の呼気終末期間を採集することが可能になる。
図11Aで理解できるように、呼気終末期間の開始から入口バルブの開放への移相(時間のオフセット)がある。これは、上記に述べたように呼吸が患者から入口バルブに移動するために必要な有限の時間を反映し得る。呼気終末期間が過ぎると、入口バルブが再び閉鎖される。次いで、入口バルブの開放および閉鎖は2つのさらなる呼吸の間繰り返される。
【0063】
各標本を貯蔵した後、次の標本が貯蔵される前に、患者から抜き出された気体が貯蔵区画をバイパスするように流される。システムのこれらの構成は、
図11Bから11Fに示される。
図11Bの構成1110では、第1の呼吸の呼気終末相からの気体は、標本チューブに貯蔵され始める。
図11Cの構成1120では、第1の呼吸の呼気終末相の後(すなわち第2の呼吸の吸気と前呼気終末相)の気体は、バイパスチューブを通って流される。
図11Dの構成1130では、第2の呼吸の呼気終末相からの気体は、区画に貯蔵され始める。
図11Eの構成1140では、第2の呼吸の呼気終末相の後(すなわち第3の呼吸の吸気と前呼気終末相)の気体は、バイパスチューブを通って流される。
図11Fの構成1150では、第3の呼吸の呼気終末相からの気体は、区画に貯蔵され始め、その後区画が複数の呼吸からの純粋な呼気終末気体で完全に満たされる。この後、標本採集を終了することができ、標本区画の気体は、組成分析のために気体分析装置に送られ得る。1つの変形形態では、標本区画は、予想可能な最も長い可能な呼気終末継続時間と関連付けられた単一の呼気終末期間から抜き出された気体標本に対して体積的にサイズを決められ得る。すべてのその他の呼吸数が2つ以上の呼吸からの標本気体となる。別の変形形態では、いくつかの医療的な適用において、貯蔵区画のサイズを決めることが所望される可能性があり、それによってシステムは、ある期間にわたって平均の読み取り値を収集するために、常に少なくともいくつかの呼吸をサンプリングし、または少なくとも30秒の間の呼吸をサンプリングして、実際の気体組成でのどのような呼吸から呼吸への変動の効果も抑制する。
【0064】
図12Aは、目標体積の呼気終末気体を採集するための可変のポンプ速度を使用して呼吸を捕捉する方法1200を示す。方法1200は、任意選択で周囲空気によってシステムをフラッシングするステップ1202で開始する。これは、方法が行われるごとに必須でなくても良い。方法1200は、終了呼気時間1204を測定するステップに続く。方法1200の変形形態では、終了呼気時間は、カプノメトリ信号、カプノメトリ信号の微分、または圧力信号を使用して測定され得る。他の変形形態では、終了呼気時間は、本明細書に説明されたもののような、異なる様式で測定され得る。次いで、方法1200は、ステップ1206に続き、ステップ1204で測定された終了呼気時間に基づいてポンプの速度を調整する。方法1200は、次いでステップ1208へと続き、呼気終末標本がバルブに達するとバルブが解放する。バルブは、測定された呼気終末時間の継続時間の間、開いたままになっても良く、次いで呼気終末時間が経過した場合に閉じて標本を捕捉する。次いで方法は、ステップ1210で、採集された体積をCO分析装置に押し出す。いくつかの変形形態では、採集された体積は異なるタイプの気体分析装置に押し出され、または研究室もしくは別の分析施設に送出するための取り外し可能な貯蔵チューブに押し出されても良い。
【0065】
上記に述べられたように、任意の呼吸数または呼吸パターンの変動性を補償し、さらに所望の標本体積を得るために、標本流量は調整されても良い。
図12Bは、呼気終末期間に対応するサンプリング流量のグラフ1220を示す。説明の目的で、標本貯蔵区画が1.25mlであり、特定の呼吸の呼気終末部分が1秒の継続時間である。この例では、完全な呼気終末期間からサンプリングされた気体の1.25mlの標本を採集するために、標本流量が1.25ml/秒、または75ml/分に調整される。標本区画、流量などを変化させることによって、異なるグラフになり得ることを理解されたい。
【0066】
図13A~13Fは、比較のための2つの呼吸事例によって、
図5Aまたは5Bの装置を使用して、
図12A~12Bの方法を説明する。本開示の範囲から逸脱せずに、呼吸の特定の部分を捕捉するために、任意の数の装置が使用され得ることに留意されたい。
図13Aのグラフ1300は、比較的速い呼吸である「事例A」を表す。
図13Bのグラフ1310は、比較的遅い呼吸である「事例B」を表す。事例AおよびBは、比較的短い、および比較的長い呼気終末時間をそれぞれ生じる。
図13Cおよび13Dの構成1320および1330では、それぞれ、システムは、固定された標本区画体積V(sl)、たとえば1.0mlを有する。本開示の範囲から逸脱せずに、その他の体積の標本チューブが使用され得ることを理解されたい。事例A(
図13Aおよび13C)では、呼気終末継続時間は0.4秒であり、したがって0.4秒で1.0mlの気体標本を抜き出すために、サンプリング流量が150ml/分に調整される。事例B(
図13Bおよび13D)では、呼気終末継続時間は0.833秒であり、したがって0.833秒で1.0mlの気体標本を抜き出すために、サンプリング流量が50ml/分に調整される。したがって、事例AおよびBの両方で、呼気終末期間の一部分だけではなく呼気終末期間全体が分析のためにサンプリングされ、標本採集区画は、純粋な呼気終末気体を含み、呼気終末気体によって100%満たされる。正確な量の気体、1mlは、正確な分析のために両方の事例で気体CO分析装置に送られ得る。他の実施形態では、気体は異なるタイプの気体分析装置に押し出され、または研究室もしくは別の分析施設に送出するための取り外し可能な貯蔵チューブに押し出されても良い。ポンプの速度は、関連するソフトウェアでの参照表に基づいて、ポンプを駆動する電圧または電流を調整することによって精密に調節され得る。いくつかの実施形態では、ポンプの速度は、たとえば
図5Aおよび5Bに説明されるような気流速度計を使用し、流体の流量を測定し、測定された流量に基づいて電流を調整することによってポンプの速度を調整することによって、閉ループフィードバック制御システムを使用して精密に調節可能である。いくつかの実施形態では、参照表が使用されて所望の流量に応じてポンプに電流を印加し、次いでさらに、気流速度計フィードバックループを使用して電流に微細な調整を行い、必要な厳密な流量を精密に得ることができる。
【0067】
図13Eは、カプノメトリを使用して呼吸パターンを測定した場合における
図12Aの可変サンプリング流量技術を説明するグラフ1340であり、最近の呼吸がグラフの右端にある一連の呼吸を示す。一連の先行する呼吸(呼吸1~3)からの平均呼気終末時間の決定の後に、標本流量がベースラインのデフォルトサンプリング流量Q(d)から、区画体積V(s1)を計画された呼気終末時間またはサンプリング時間t(s)で割った値に等しいサンプリング流量Q(s)に調整される。流れ発生装置の閉ループ制御を使用して、流れがQ(s)に等しくなるまで(呼吸4の間)微細な調節で調整される。次いで、後続する呼吸(呼吸5)の呼気終末期間からの気体が流量Q(s)で抜き出され、標本採集区画に運ばれる。さらに、標本の一貫性を有効にするために、サンプリングされた呼吸の呼気終末時間が測定され、t(s)に等しかったことが確認される。もし、呼吸が不規則でありt(s)と合致しない場合、標本が破棄され、手順が繰り返される。
【0068】
図13Fは、気道内圧を使用して呼吸パターンを測定した場合における
図12Aの可変サンプリング流量技術を説明するグラフ1350を示し、最近の呼吸がグラフの右端にある一連の呼吸を示す。示された例では、呼吸3からの呼気終末気体が分析のためにサンプリングされる。標本流量は、様々な様式で調整されて良い。1つの変形形態では、呼気終末時間は、より早期の呼吸から予測することができ、標本を目標呼吸から抜き出す前に流量が相応に調整される。他の変形形態では、流量に対する調整が、T(e)が測定され、既知になった後に、前呼気終末継続時間T(e)に基づいて瞬時に行われ得る。
【0069】
いくつかの変形形態では、測定された気体濃度が、ほぼ実際の気体濃度に調整されても良い。そのような調整は、ある範囲の呼吸数を超えての呼吸サンプリング装置の忠実度の変化を考慮することができる。測定された濃度は、使用される装置に特定の補正式を用いて修正されても良いが、様々な装置にわたって使用可能でもある補正式を使用して修正されても良い。いくつかの変形形態では、補正式はある範囲の呼吸数をカバーするように公式化される。いくつかの変形形態では、装置での呼吸数および気体濃度の測定値は、補正式を使用して装置の入口での気体の実際の濃度に近似するのに十分であり得る。
【0070】
図14Aは、呼吸数の関数としてのETCOppmを示すグラフ1400である。示された例では、実際のETCOppmは4.1ppmである。グラフ1400は測定値、補正呼吸数値、および実際の値の3つの曲線を示す。実際の値は、呼吸サンプリング装置への入口での気体濃度を示し得る。測定値は、出口などの呼吸サンプリング装置での別の点で測定された気体濃度を表し得る。補正呼吸数の値は、それが調整された後の気体濃度の測定値を表し得る。グラフ1400を生成するために、気体濃度の4つの測定値が、4つの呼吸数10bpm、30bpm、40bpm、および60bpmに関して取られ得る。グラフ1400が示すように、補正呼吸数の値は、実際の値に近似または一致する。呼吸数は、1つまたは複数の呼吸数補正係数式を使用して補正されて良い。
【0071】
図14Bの表1420は、いくつかの例示の呼吸数補正係数式を提示する。各式は、測定された気体濃度(y)を呼吸数(x)に関係付ける。1つの変形形態では、呼吸数補正係数式は線形である。更なる変形形態では、呼吸数補正係数は、複数の線形式を含み、各式は特定の範囲の呼吸数に対する補正を提供する。異なる範囲を使用することにより、補正の忠実度を改善し得る。別の変形形態では、呼吸数補正係数式は二次方程式である。更なる変形形態では、複数の呼吸数範囲に対して複数の二次方程式が使用されても良い。
【0072】
いくつかの変形形態では、線形または二次方程式の係数は、呼吸シミュレータを使用して決定される。そのような変形形態では、呼吸シミュレータは、呼吸サンプリング装置に対して、入口での既知の濃度の気体を、既知の呼吸数で提供する。呼吸数と、入口での既知の気体濃度からのサンプリング装置の別の位置で測定された気体濃度の差とから、測定値を等式に適合させることによって比率係数等式が導出される。たとえば、
図14に示された実施形態は、各個別の呼吸数に関する差を提示し得る。各呼吸数での差が、動作範囲にわたる1つまたは複数の式を生成するために外挿され得る。このような様式で、測定された気体濃度は、動作範囲内での任意の呼吸数に対して実際の気体濃度に近似させるために補正され得る。
【0073】
更なる変形形態は、ある範囲の呼吸数を超えた、ある範囲の測定された気体濃度に対する、ある範囲の補正された気体濃度への調整を提供し得る。1つの変形形態では、呼吸数補正式を導出するための方法は、測定された気体濃度、実際の気体濃度、および呼吸数のそれらの範囲にわたる複数の多項式を導出すること、および多項式を使用して参照表に値を挿入することを含んでも良い。他の変形形態では、装置は、参照表を参照して所与の呼吸数に関する多項式を決定するプロセッサを含むことができ、多項式は、所与の呼吸数で測定された気体濃度に対する補正された気体濃度を提供する。このようにして、本開示の変形形態は、患者の協調とは独立に患者の呼吸での気体濃度を決定することを有益に提供することができる。すなわち、自身の呼吸を「通常の」呼吸パターンに相関するように調節する意思がない、または調節が不可能な患者に関して、気体濃度が決定され得る。
【0074】
図15Aは、1つの変形形態に従う、所与の呼吸数での測定されたETCOを、補正されたETCOに変換するための参照表を作成するための方法1500を示す。方法は、個別の呼吸数および個別の既知の気体濃度に対するETCOの正確さを確立することによって開始し得る(ステップ1502)。
図15Aに示された変形形態では、個別の呼吸数および気体濃度が、ある動作範囲にわたるように取られるが、個別の呼吸数または気体濃度が全体の範囲に広がる必要がないことを理解されたい。いくつかの変形形態では、個別の呼吸数は動作範囲のサブセットをカバーしてもよく、方法は、必要であればそのサブセットをより広い範囲に外挿し得る。たとえば、1つの変形形態では、8bpmから60bpmの動作範囲をカバーする参照表が、10bpm、30bpm、および50bpmで測定値を取ることによって値を挿入され得る。
【0075】
ETCOは
図15A~Eに対して具体的に論じられたが、本開示はETCOに限定されない。別の変形形態では、本明細書に説明された方法は、別の気体および/または呼吸段階、および複数の気体濃度に適用され得る。異なる動作温度、異なる第2の気体レベルなどの、その他の影響を与える変数が、データベース形成にも含まれ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、参照表が装置の入口を通して既知のETCOを抜き出し、次いでETCOを装置の別の点で測定することによって値を挿入され得る。手順は、複数の呼吸数に対して繰り返されても良い。
【0077】
ステップ1502などの、ETCOの正確さを確立する特定の変形形態が
図15Bのグラフ1520に示される。グラフ1520は、3つの既知のCO濃度(x軸「実際のCO」)に対する測定された気体濃度(y軸「測定されたETCO」)を示す。測定は5つの呼吸数10bpm、20bpm、30bpm、40bpm、および50bpmならびに3つの気体濃度0.91ppm、9.70ppm、および24.4ppmにわたって繰り返される。
図15Bの変形形態は、5つの特定の呼吸数および3つの気体濃度を示すが、他の変形形態は異なる数および/または異なる比率、および濃度を使用し得る。
【0078】
図15Aに戻り、方法1500はステップ1504に続く。このステップでは、個別の呼吸に対する正確さの式が確立される。本明細書では、「正確さの式」は、測定された気体濃度を呼吸数の実際の気体濃度に適合させる多項式であると理解することができ、データが挿入され、外挿され、または平滑化される場合にデータが式を「適合(fit)」する。式は、データを正確に関連付ける必要はなく、データを近似し得る。近似の程度は、特定の用途の要件によって決定され得る。
【0079】
いくつかの変形形態では、対数式、指数式、またはその他の式などの非多項式が使用されて、関係を説明することができる。特定の正確さの式が、
図15Bのグラフ1520に示される。各呼吸数に対して、すべての「実際のCO」濃度にわたる「測定されたETCO」に対して「実際のCO」を近似する線形式が導出される。各呼吸数に対する、既知のCO濃度および測定されたETCO濃度を適合させることによって、線形式が導出される。
【0080】
図15Bの変形形態は線形式を示すが、他の変形形態はより高次の多項式を含み得る。たとえば、2次、3次、および4次多項式を含む。いくつかの変形形態では、最大次数を、行われた測定の数より1つ少ないものであっても良く。たとえば、3つの測定が
図15Bに示された実施形態で行われているので、多項式に関する最大次数を2としても良い(すなわち二次方程式)。
図15Bでは、測定が線形式になるが、なくても良い。しかし、解くために必要な計算リソースがより少なくても良いので、線形式は有益であり得る。いくつかの変形形態では、測定は、最大次数未満の式に適合され得る。そのような変形形態では、計算リソースの必要を低減させるために、測定をより低い次数の「最適な」式に適合させることが有益であり得る。
【0081】
図15Aを再び参照すると、方法1500は次いでステップ1506に移り、正確さの式と呼吸数の間の連続的な関係を確立する。このステップでは、係数は、呼吸数の正確さの式のそれぞれの次数によって照合される。各次数に対して、その次数に関する係数、および各係数の対応する呼吸数が、連続的な関係を決定するために使用される。
【0082】
図15Cおよび15Dは2つのそのような比較を示す。
図15Cは、個別の呼吸数が10と30の間である、線形の正確さの式の傾き(M)およびオフセット(b)を描くグラフ1530を示す。同様に
図15Dは、個別の呼吸数が30と50の間の線形の正確さの式の傾きおよびオフセットを描くグラフ1535を示す。2つの分割範囲が、より低い次数の式が係数に関して導出できるようにし、それによって式を解くために必要な計算リソースの量が低減され得る。さらに、2つの分割範囲に対する呼吸数を低減することにより、システムの忠実度が改善され得る。たとえば、
図15Cおよび15Dは、一定の2次導関数を有する2つの式を示す。より高次の多項式は、一定でない2次導関数を生じる可能性があり、それによって測定された濃度の領域において、可能な広い差異を生じる。
【0083】
図15Cおよび15Dは2つの範囲への呼吸数の分割を示すが、他の変形形態は呼吸数を複数の範囲に分割しなくても良い。他の変形形態は、呼吸数を3、4、もしくは5、または6以上の範囲に分割しても良い。
【0084】
図15Aに戻り、方法1500は、確立された連続的な関係に基づいて、正確さの式の傾きおよびオフセットに関する式を決定するステップ1508に続く。いくつかの実施形態では、ステップ1506および1508は、同時に行われても良く、すなわち連続する関係の間の関係を決定することにより、傾きおよびオフセットの式を決定しても良い。
図15Cおよび15Dは、正確さの式の係数と呼吸数の間の関係から導出される二次方程式を示す。
図15Cおよび15Dの二次方程式のそれぞれは、各次数に係数を有する(いくつかの変形形態では、それには係数=0が含まれ得る)。これらの係数は、方法1500の次のステップで使用される。
【0085】
図15Cおよび15Dは二次方程式を示すが、他の次数の多項式が使用されても良い。たとえば、1次(線形)、3次、4次、5次、6次、またはより高次の多項式が使用されても良い。多項式の最大次数は、個別の呼吸数から1を減算したものであっても良い。
図15CおよびDにおけるように、多項式は最大次数よりも低い次数を含んでも良い。これは、曲線のいくつかの個別領域が、より低次の曲線を表し得る場合に、忠実度を改善することができる。これは、また、次数が増加すると多項式を解く難度が増加するので、計算リソースの使用を低減することができる。
【0086】
図15Aに再び戻り、ステップ1510は以前のステップで決定された係数式に基づいて参照表を設定する。次に
図15Eの例示の実施形態を参照すると、参照表が表1540の底部に見つけられる。所与の呼吸数(30以下または30を超える)に対して二次方程式の各次数の係数が識別され得る。各傾きおよびオフセットに対して導出された2つの式がある。傾きおよびオフセットは、
図15A~Eの二次方程式によって決定されるので、参照表は各呼吸数での傾きおよびオフセットのための3つの係数を含む。
【0087】
図15Eは、測定された気体濃度を補正する1つの変形形態も提供する。呼吸数が決定されると、関連する係数が決定される。関連する係数が決定されると、傾きおよびオフセットに関する式が決定され得る。呼吸数を使用して、傾きおよびオフセットに関する実際の値が決定され得る。次いで、これらの値は、以下の式、ETCO
(BR Corrected)=[ETCO
(Measured)-b]/Mを使用して、補正された濃度を計算するために用いられる。
【0088】
上記の式は、正確さの式の係数の数が変更された場合に変化し得ることを理解されたい。たとえば、
図15Eの変形形態が2つの係数を有していた。したがって、上式は、線形式(2つの係数)を解くことから生じる。より多くの係数が使用されると、より高次の式に対する解が必要となり得る。解は、より高次の式での未知の変数に関して解くことが可能な任意の数学的な技術を使用して得られても良い。
【0089】
装置が使用中である場合、測定された呼吸数または測定された気体濃度が上記の手順によって確定された範囲外であるとすると、装置は医療的な適用の詳細に応じて様々な様式で反応し得る。装置は、補正されたETCOの結果を計算せず、使用者に測定されたパラメータが装置の範囲外にあることを知らせても良い。装置は、測定されたパラメータが動作範囲外であるので結果の正確さがより正確さに欠けることを使用者に知らせる一方で、範囲外にあるにも関わらず補正されたETCOを計算し、結果を使用者に提供しても良い。いくつかの変形形態では、装置は単に適切な式に外挿することによって結果を計算しても良い。このようにして、本開示の変形形態は、患者の協調とは独立に、患者の呼吸の気体濃度を決定することを有益に提供することができる。すなわち、自身の呼吸を「通常の」呼吸パターンに相関するように調節する意思がないまたは不可能な患者に関して、気体濃度が決定され得る。
【0090】
いくつかの変形形態では、動作範囲内の値の組全体は、前もって試験され、その結果に基づいて、参照データベースが生成されても良い。たとえば、1.0ppm、1.1ppm、1.2ppmなどから25.0ppmの気体濃度での10bpm、11bpm、12bpmなどから(たとえば)50bpmの呼吸数は、あらかじめ試験され得る。装置が使用中である場合、補正された気体濃度は、測定された呼吸数および測定された気体濃度に関するデータベースでの適切な値を検索することによって得ることができる。いくつかの変形形態では、動作範囲内またはその付近について、個別の気体濃度の組のみを除いてすべての呼吸数をあらかじめ試験するなどの組み合わされた手法が使用される。
【0091】
上記の実施形態は呼吸数を補正で使用される呼吸パターンパラメータとして使用することを説明するが、呼吸数ではなく、同じ実施形態が任意の呼吸パターン関連パラメータによって達成され得ることを理解されたい。その他のパラメータの例として、呼気時間、呼気終末時間、吸気時間、吸気:呼気比率、一回換気量、毎分換気量、気道内圧振幅、カプノメトリ信号振幅、およびカプノメトリ信号の正の傾きの継続時間がある。
【0092】
いくつかの変形形態では、装置の入口での気体濃度を決定する方法は、患者の呼吸数を決定すること、および患者の呼吸の濃度を装置の他のどこかの場所で測定することを含んでも良い。本明細書で使用されたように、装置内で気体を測定したことは、装置の出口または内側の点など、チューブまたは区画などの装置内のどこかで測定することを意味するように理解され得る。測定された気体濃度によって、データベースにアクセスして患者の呼吸数に対応する複数の係数を得ることができる。
図15Eの例では、複数の係数が呼吸数によって、すなわち30bpm以下、または30bpm以上の2つの領域に分割される。他の変形形態は、係数を異なって配置し得る。係数が得られると、方法は第1の複数の多項式を導出することができる(
図15A~Eでは第1の多項式が二次である)。これらの式は、第2の複数の式に関する係数を提供し(
図15A~Eでは、第2の多項式が線形である)、次いで係数が補償式を形成するために使用される(
図15A~Eでは、補償式が線形である)。次いで、補償式が使用されて、測定された気体濃度を調整し、入口での気体濃度を決定する。
【0093】
いくつかの変形形態では、装置は、装置の入口での気体濃度の決定する上記の方法を実施するためのプロセッサを含んでも良い。装置は、測定点、測定点での気体濃度を決定するための気体分析装置、入口、および呼吸速度分析装置も含んでも良い。プロセッサは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたデータベースにアクセスしても良く、データベースは動作範囲の各呼吸数に関する複数の係数を含む。
【0094】
いくつかの変形形態では、サンプリングシステムは上限呼吸数に関して調節され得る。所与の標本体積(標本体積は特定の用途の仕様に適合するように決定され得る)に関して、ポンプなどの流れ発生装置の流量は、上限呼吸数に対して呼気終末気体により標本体積全体を満たすように構成され得る。上限呼吸数よりも低い呼吸数に関しては、標本体積は、その呼吸に関する呼気終末気体のすべてではないが、呼気終末気体によって完全に満たされる。更なる変形形態では、システムは、サンプリングを上限以下の呼吸に制限する上限カットオフを含んでもよい。このようにして、これらの変形形態は非呼気終末気体が標本体積に入るのを有益に防止し得る。したがって、本開示の変形形態は、患者の協調とは独立に患者の呼吸での気体濃度を決定することを有益に提供することができる。すなわち、自身の呼吸を「通常の」呼吸パターンに相関するように調節する意思がないまたは不可能な患者に関して、気体濃度が決定され得る。
【0095】
いくつかの変形形態では、気体のサンプリング流量は、特定の用途の要件に適合するように決定されても良い。たとえば、通常の呼吸に関する上限は、60bpmなど呼吸頻度パラメータによって説明され得る。しかし、ある種の患者(たとえば新生児など)に関しては、通常の呼吸数が60bpmを超えても良い。そのような場合には、100bpmなどのように、上限はより高くても良い。同様に、標本体積は、特定の用途の要求を反映するように選択されても良い。いくつかの変形形態では、吸気時間、呼吸期間、呼気時間、呼気終末時間、カプノメータ信号上昇継続時間、または患者の呼吸の少なくとも一部分を表す別のパラメータなどの他の頻度パラメータが選択されても良い。いくつかの変形形態では、瞬時の一酸化炭素センサが使用される。
【0096】
図16Aは、流れ発生装置の気体サンプリングレートを決定して、上限呼吸数および所定のサンプリング体積に関連付ける方法1600を示す。方法1600は、呼吸数(BR)に関する上限を定めるステップ1602で開始する。上記に論じたように、上限は特定の用途の要求を満たすように決定され得る。
【0097】
方法1600は、所望の標本体積(V(s))を決定するステップ1604に続く。方法1600の変形形態では、標本体積は、適切かつ信頼性の高い分析のためにサイズを決められる。別の変形形態では、標本体積はその他の検討事項の要因に対してサイズを決められ得る。
【0098】
方法1600は、気体のサンプリング流量(Q(S))を決定するステップ1606に続く。方法1600の変形形態では、流れ発生装置はポンプであるが、本明細書に説明される例のようなその他の流れ発生装置が使用され得る。気体のサンプリング流量は、上限呼吸数での所望の標本体積を満たすように計算され得る。
【0099】
いくつかの変形形態では、サンプリング流量が以下の式、Q(S)=TET/V(S)で計算され、ここでTETは推定された呼気終末期間であり、呼吸数の関数である。いくつかの変形形態では、TETは、呼気時間の半分であると想定されても良く、呼気時間自身は、呼吸期間(吸気および呼気期間)の半分であると想定されても良い。呼吸期間(秒)は、60/呼吸数である。たとえば、上限呼吸数が60bpmである場合、TETは0.25秒であると想定されても良い。この例での標本体積が0.5mlである場合、サンプリング流量は、1秒当り2mlである。
【0100】
図16Bは、構成1620での
図5Aまたは5Bの空圧気体捕捉システムを示す。構成1620は、上限呼吸数に対して構成されたポンプの気体サンプリングレートを含み、患者の呼吸数は上限である。
図16Bで理解できるように、標本体積は呼気終末気体で完全に満たされ、標本体積の外側には呼気終末気体が全くない。
【0101】
図16Cは、構成1640での
図5Aまたは5Bの空圧気体捕捉システムを示す。構成1640は、上限呼吸数に対して構成されたポンプの気体サンプリングレートを含み、患者の呼吸数は上限未満である。
図16Cで理解できるように、標本体積は呼気終末気体で完全に満たされるが、標本体積の外側には、呼吸からの呼気終末気体がある。
図16Cは、標本体積の外側の呼気終末気体を、V2の下流(右)に配置させて示す。しかし、その他の実施形態では、標本体積の外側の呼気終末気体がV1の上流(左)に配置されても良く、またはV1の上流もしくはV2の下流の組み合わせでも良い。このようにして、本開示の変形形態は、患者の協調とは独立に患者の呼吸での気体濃度を決定することを有益に提供することができる。すなわち、自身の呼吸を「通常の」呼吸パターンに相関させるように調節する意思がないまたは不可能な患者に関して対して、気体濃度が決定され得る。
【0102】
いくつかの変形形態は、上記に説明した個々の変形形態からの要素および機能を含み、すなわちいくつかの変形形態は上記に説明した異なる変形形態の異なる要素を合わせ持っていても良い。たとえば、装置のユーザインターフェースは、ユーザがある種の患者パラメータ、たとえば成人もしくは幼児など、またはたとえば未熟児もしくは正期産児などの患者のタイプなどを入力することを許容するようにしても良い。装置の制御システムは、上記に説明された実施形態から選択された好ましい呼吸数補償方法を選択し、その方法を相応に使用する。いくつかの変形形態では、装置は、たとえば、60bpmの呼吸数に調節された
図16で説明された実施形態を使用しても良く、したがって60bpm以下の任意の呼吸数に対する希釈されない呼気終末標本を採集し、したがって呼吸数補償を必要としない。変形形態は、さらに60bpmを超える呼吸数の採集を可能にしても良く、そこでは、呼吸数補償アルゴリズムが呼び出される。呼吸数補償アルゴリズムは、たとえば
図10A~11Fに関連して説明されたような標本チューブを満たすために2つの呼吸からの呼気終末気体の採集であっても良く、または
図15A~15Eに関連して説明されたような多項式補正係数の使用であっても良い。
【0103】
本発明の変形形態の前述の説明では、提供された例は本発明の原理を示すものであり、様々な修正、変更、および組み合わせが本発明の範囲および趣旨から離れずに当業者によってなされ得る。本明細書に開示された様々な呼吸測定およびサンプリング装置の任意の変形形態は、任意のその他の呼吸測定およびサンプリング装置、または本明細書の呼吸測定およびサンプリング装置の組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。したがって、添付の特許請求の範囲による場合を除いて、本発明が限定的であることは意図されない。上記に説明した変形形態のすべてに関して、方法のステップは順次に行われる必要はない。