(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】分析装置及び分析装置の操作方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
G01N35/04 A
(21)【出願番号】P 2020031852
(22)【出願日】2020-02-27
(62)【分割の表示】P 2018107930の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2020-02-27
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008788
【氏名又は名称】アボット・ラボラトリーズ
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(72)【発明者】
【氏名】オークラネク、ブライアン・エル
(72)【発明者】
【氏名】アーンクイスト、デイビツト・シー
(72)【発明者】
【氏名】大沼 武彦
(72)【発明者】
【氏名】田原 博寿
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尚人
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-309740(JP,A)
【文献】特開2009-053027(JP,A)
【文献】特開2008-003010(JP,A)
【文献】特開平06-034641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転軸について回転可能である試薬カルーセルと、
少なくとも一部が前記試薬カルーセルの上部に配置されるように前記試薬カルーセルから垂直に間隔を空けた反応カルーセルと、
前記反応カルーセルは、第2の回転軸について回転可能であり、
サンプルコンテナからサンプルを吸引し、前記反応カルーセル上に配置された反応ベッセルの中へ前記サンプルを分注する第1のピペッティング機構と、
前記第1のピペッティング機構は、第3の回転軸について回転可能であり、前記第3の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の外側および前記反応カルーセルの円周の外側に配置され、
前記試薬カルーセル上に配置された試薬コンテナから試薬を吸引し、前記反応カルーセル上に配置された前記反応ベッセルの中へ前記試薬を分注する第2のピペッティング機構と
、
前記第2のピペッティング機構は、第4の回転軸について回転可能であり、前記第4の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の内側に配置される、
を具備する、分析装置。
【請求項2】
前記第4の回転軸は、前記反応カルーセルの円周の外側に配置される、
請求項
1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記試薬は、第1試薬であり、前記試薬コンテナは、第1試薬コンテナであり、
前記試薬カルーセル上に配置された第2試薬コンテナから第2試薬を吸引し、前記反応カルーセル上に配置された前記反応ベッセルの中へ前記第2試薬を分注する第3のピペッティング機構
を更に具備する、
請求項
1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記第3のピペッティング機構は、第5の回転軸について回転可能であり、前記第5の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の内側および前記反応カルーセルの円周の内側に配置される、
請求項
3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記反応ベッセルが通過する際に前記反応ベッセルの中身を分析するために、前記反応カルーセルの近くに配置される読取機
を更に具備する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
前記読取機は、前記反応カルーセルによって形成されたボアの内側に配置される、
請求項
5に記載の分析装置。
【請求項7】
前記第1の回転軸および前記第2の回転軸は、互いに平行であり、互いにオフセットしている、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項8】
ベースに対して試薬カルーセルを回転させることと、
前記試薬カルーセルは、第1の回転軸について回転可能であり、前記試薬カルーセルは、複数の試薬コンテナを支持し、
前記ベースに対して反応カルーセルを回転させることと、
前記反応カルーセルは、第2の回転軸について回転可能であり、前記反応カルーセルは、複数の反応ベッセルを支持し、前記反応カルーセルは、少なくとも一部が前記試薬カルーセルの上部に配置されるように前記試薬カルーセルから垂直に間隔を空けられ、
第1のピペッティング機構によりサンプルコンテナからサンプルを吸引することと、
第3の回転軸について前記第1のピペッティング機構を回転させることと、
前記第3の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の外側および前記反応カルーセルの円周の外側に配置され、
前記反応カルーセル上に配置された反応ベッセルの中へ前記サンプルを分注することと、
第2のピペッティング機構により前記試薬カルーセル上に配置された試薬コンテナから試薬を吸引することと、
第4の回転軸について前記第2のピペッティング機構を回転させることと、
前記第4の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の内側に配置され、
前記反応カルーセル上に配置された前記反応ベッセルの中へ前記試薬を分注することと
を具備する分析装置の操作方法。
【請求項9】
前記試薬は第1試薬であり、前記試薬コンテナは、第1試薬コンテナであり、
第3のピペッティング機構により前記試薬カルーセル上に配置された第2試薬コンテナか
ら第2試薬を吸引することと、前記反応カルーセル上に配置された前記反応ベッセルの中へ前記第2試薬を分注することと
を更に具備する、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記反応カルーセルを回転させることは、複数のロックステップを通して前記反応カルーセルを回転させることを含み、前記複数のロックステップのそれぞれは、進行ステップおよび停止ステップを含む、
請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のロックステップのそれぞれについて、前記停止ステップは、前記進行ステップよりも長い、
請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のロックステップのそれぞれの前記進行ステップの間、前記反応カルーセルは、約90度回転される、
請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記反応ベッセルが読取機を通過する際に前記反応カルーセルに隣接して配置された前記読取機により前記反応ベッセルの中身を読み取ること
を更に具備する、
請求項
8に記載の方法。
【請求項14】
前記第4の回転軸は
、前記反応カルーセルの円周の外側に配置される、
請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の回転軸は、前記第1の回転軸と並行であり、前記第1の回転軸からオフセットしている、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ベースに回転可能に連結された試薬カルーセルと、
前記試薬カルーセルは、第1の回転軸について回転可能であり、前記試薬カルーセルは、複数の試薬コンテナを支持し、
前記ベースに回転可能に連結された反応カルーセルと、
前記反応カルーセルは、第2の回転軸について回転可能であり、前記反応カルーセルは、複数の反応ベッセルを支持し、ここにおいて、平面図から、前記反応カルーセルは、少なくとも部分的に前記試薬カルーセルの円周の内側に配置され、
サンプルコンテナからサンプルを吸引し、前記反応カルーセル上に配置された反応ベッセルの中へ前記サンプルを分注するように構成された第1のピペッティング機構と、
前記第1のピペッティング機構は、第3の回転軸について回転可能であり、前記第3の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の外側および前記反応カルーセルの円周の外側に配置され、
前記試薬カルーセル上に配置された試薬コンテナから
試薬を吸引し、前記反応カルーセル上に配置された前記反応ベッセルの中へ前記試薬を分注するように構成された第2のピペッティング機構と
、
前記第2のピペッティング機構は、第4の回転軸について回転可能であり、前記第4の回転軸は、前記試薬カルーセルの円周の内側に配置される、
を具備する、分析装置。
【請求項17】
前記反応カルーセルは、前記試薬カルーセルよりも小さい直径を有する、
請求項
16に記載の分析装置。
【請求項18】
前記第2の回転軸は、前記第1の回転軸と並行であり、前記第1の回転軸からオフセットしている、
請求項
16に記載の分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に自動診断分析装置に関し、特に、分析装置及び分析装置の操作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動診断分析装置は、診断分析手順を実行するために、複数のカルーセル(円形コンベア)と複数のピペッティング機構とを用いて分析機内の異なる区域から流体を自動的に吸引して分析機内の異なる区域に自動的に流体を分注する。カルーセルは、反応ベッセルのためのカルーセルと、サンプルのためのカルーセルおよび/または試薬のためのカルーセルとを含んでいてもよい。それぞれのカルーセル上にある複数のコンテナを配置することによって、これら既知の分析機は、カルーセルを回転させながら、複数の検査サンプルに複数の検査を行うことが可能である。既知のカルーセルの中には、同一平面方向に配置されているものもあり、多数の異なるモジュールおよびステーションが特定機能を実行するためにカルーセルの回りを囲うように配置されている。特定機能とは、例えば、反応ベッセルの中身の撹拌、反応ベッセルおよび/またはピペットの洗浄、検査サンプルの恒温化(incubating a test sample)、そして反応ベッセルの中身の分析などである。複数の同一平面上のカルーセルおよび多数のモジュールおよびステーションがあるために、これらの既知の自動臨床分析機は比較的広い空間を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本開示の教示に従って、積み重なった(stacked)カルーセルを有する例示的な診断分析機の具体的な部品を部分的に分解した透視画。
【
図2】
図1の具体的な部品を含む、例示的な診断分析機を上方から見た図。
【
図3】
図1の具体的な部品を部分的に分解して側面から見た図。
【
図4】
図2の例示的な診断分析機を後方から見た図。
【
図5】代替的カルーセル構造を備えた例示的な診断分析機の概要的な計画図。
【
図6】
図1―5に図示された例示的な分析機のための例示的な処理システムのブロック図。
【
図7】例示的な診断検査処理を描いたフローチャート。
【
図8】
図1―4に図示された例示的な分析機における様々な部品のタイミング順序(時間的流れ、timing sequence)を(時系列に)描いているタイムライン(timeline)。
【
図9】本実施形態で明らかにされる例で使われてもよいプロセッサプラットフォームの概要図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
いくつかの例は、上で特定された図において図示され、また以下で詳細に開示される。これらいくつかの例について説明する際、同様のまたは類似の要素を特定するために、同じまたは同一の参照番号が使用される。図は必ずしも原寸に比例しておらず、図のいくつかの特徴およびいくつかのビューは明確におよび/または簡潔にするため、比率においてまたは概略図において、誇張されているかもしれない。加えて、いくつかの例が本明細書の全体を通じて説明されている。任意の例からの任意の特徴は、他の例からの他の特徴に含まれていてもよいし、差し替えられてもよいし、またはその反対に組み合わせられてもよい。
【0005】
診断ラボラトリは、例えば臨床化学分析機、イムノアッセイ(免疫学的)分析機、および血液学的分析機を含む、試料またはサンプルの検査および分析などのための診断機器を用いる。試料および生物学的サンプルは、例えば、関心項目が存在するか否かを調べるために分析される。この関心項目とは、例えば、DNAやミトコンドリアDNAの特定領域、RNA、メッセンジャーRNA、転移RNA、ミトコンドリアRNAの特定領域、断片、補体、ペプチド、ポリペプチド、酵素、プリオン、タンパク質、抗体、抗原、アレルゲン、細胞もしくはバイロン(viron)、表面タンパク質などの生物学的エンティティ(存在・実態)の一部、および/または上記の機能的等価物を含む。患者の体液などの流体(例えば、血清、全血、尿、スワッブ、血漿、脳脊髄液、リンパ液、組織固形物(tissue solid))は、患者の健康状態についての情報を提供するために、多数の異なる検査を利用して分析されることが可能である。
【0006】
一般的に、検査サンプルの分析には、一つ以上の検体について検査サンプルの一つ以上の試薬との反応を含む。反応混合物は、例えば、検査サンプル中の特定の検体の存在および/または濃度など、一つ以上の特性に対して装置によって分析される。自動診断分析装置の使用は、技師(例えば操作者)の業務がより少なくなり、これによって操作者または技師の操作ミス(誤操作、error)の可能性が低減されるので、ラボラトリ手順の効率が改善される。さらに、自動診断分析装置は、より一層素早く結果を提供し、精度および反復性においてはより信頼のおけるものとなっている。
【0007】
自動診断分析装置は、貯蔵コンテナ(例えば、上部が開口した(open topped)チューブなどの容器)と処理される試料が入っているコンテナ(例えば、反応ベッセル)との間で、液体を移動させるために複数のピペットを使用する。例えば、試料は、分析機の上にあるラックに搭載されたチューブ内に含まれていてもよく、ピペットを担持(carry)するヘッドは、ピペットをチューブ内に移動させ、このチューブ内で選択された量の試料をチューブからピペットに抽出するために真空が加えられる。ヘッドは、チューブからピペットを後退させ、処理ステーションに位置した別のチューブまたは反応ベッセルまでピペットを移動させ、抽出された試料をピペットから反応ベッセル中に堆積させる。試薬も同様に試薬供給部から取得される。
【0008】
本実施形態で開示される例示的な自動診断分析装置は、研究室にとるスペースを減らし、処理能力を向上させ、サンプルの検査時間(例えば、所要(応答)時間:turnaround time)を減らすために、第一のカルーセル(例えば、反応カルーセル、試薬カルーセル、サンプルカルーセル)、その上に第二のカルーセル(例えば、反応カルーセル、試薬カルーセル、サンプルカルーセル)が少なくとも一部が重なるように配置させている。例示的な自動診断分析装置は、カルーセルの一つまたはそれ以上の(of one of more of)外側の直径内に一つ以上のピペッティング構造(構造群:pipetting mechanism(s))を配置しており、分析機の体積(例えば、設置面積)をさらに減らし、個々のピペッティング機構による移動距離を減らす。例示的な自動診断分析装置は、連続的なそしてランダムなアクセス方法で複数の検査サンプルに二つ以上の検査を同時に実行できる。吸引/分注、恒温化、洗浄そして試料希釈などの検査ステップは、予定された通り機器によって自動的に実行される。垂直に配置されたまた垂直に積み重なったカルーセルを利用することで、全体のシステムに対して必要とされる設置面積またはフロアスペースは減る。加えて、ピペッティング機構による移動距離も減ると、即ち所要時間の短縮につながり、従って例示的な分析機の処理能力が向上する。例えば、いくつかの例において、本実施形態に開示されている例示的な分析機は、一時間当たり最大約956回検査を実行する場合もある。さらに、カルーセルが垂直に積み重なっているため、より大きな直径のカルーセルであれば、それによって、既知の分析機よりもより処理能力の高い分析機が例示的な分析機に組み込まれてもよい。より処理能力が高い分析機は、同一平面上のカルーセル構造を有する処理能力の劣る分析機よりも省スペースで済む。より少ない設置面積で、高い処理能力且つ短い処理時間を備えた例示的な分析機は、病院、研究室、そしてその他診断分析機を利用するような研究施設での作業にとって好都合である。
【0009】
本実施形態に開示される例示的な装置は、第一の直径と第一の回転軸とを有し、ベースに回転可能に連結された第一のカルーセルを有する。また例示的な装置は、第一のカルーセルの上に第二のカルーセルの少なくとも一部分が重なるようにして、ベースに回転可能に連結されて第一のカルーセルに垂直方向に並ぶように配置された第二のカルーセルを含む。例示的な装置では、第二のカルーセルは第二の直径、第二の回転軸、そして複数のベッセルとを有する。例示的な装置は、第二の回転軸からオフセットの関係にある第一のピペッティング機構も含む。この例示的な第一のピペッティング機構は、第一のカルーセルと第二のカルーセルとにアクセルするためのものである。いくつかの例において、第一のピペッティング機構は、第一の直径内と第二の直径内に配置されており、第二の回転軸からオフセットの関係にある。
【0010】
いくつかの例において、第一の回転軸と第二の回転軸とは平衡で、互いにオフセットである。いくつかの例において、第二の直径は第一の直径より小さい。
いくつかの例において、装置は、第一のカルーセルと第二のカルーセルとにアクセルするための第二のピペッティング機構を有する。いくつかの例において、第二のピペッティング機構は、第一の機構と第二の直径の外側とに配置されている。いくつかの例において、第一のカルーセルは外側環状配列コンテナと外側環状配列の同心円状にある内側環状配列コンテナとを具備し、第一のピペッティング機構は内側環状配列コンテナまたはベッセルのうちの少なくとも一つにアクセスするためであり、第二のピペッティング機構は、外側環状配列コンテナまたはベッセルのうちの少なくとも一つにアクセスするためである。いくつかの例において、第一のピペッティング機構は、内側環状配列コンテナの第一の内側のコンテナおよび複数のベッセルの第一のベッセルとの上方を移動する第一の経路に沿って移動可能な(例えば支持可能な)第一のピペットアームを有する。いくつかの例において、第二のピペッティング機構は、外側環状配列コンテナの第二の外側のコンテナおよび複数のベッセルの第二のベッセルとの上方を移動する第二の経路に沿って移動可能な(例えば支持可能な)第二のピペットアームを有する。いくつかの例において、第二のピペッティング機構は、第一の回転軸からオフセットの関係にある。
【0011】
いくつかの例において、装置は、第三のピペッティング機構を有する。いくつかの例において、第三のピペッティング機構は、第一のカルーセルにのみアクセルするためのものである。いくつかの例において、第三のピペッティング機構は、第一の直径の外側と第二の直径の外側のコンテナの情報と複数のベッセルの第三のベッセルとの上方を移動する第三の経路に沿って移動可能な(例えば支持可能な)第三のピペッティング機構を有する。
【0012】
その装置は、第二のカルーセルがプレートに回転可能に連結されており、第一のカルーセルと第二のカルーセルとの間に配置されたベースに連結されたプレートを含む。このような例において、第二のピペッティング機構は、プレートに連結されている。
【0013】
いくつかの例において、第一のカルーセルは、外側環状配列コンテナと内側環状配列コンテナとの中間に放射状に間隔をあけた中間環状配列コンテナとを具備する。
【0014】
いくつかの例において、第二のカルーセルは、複数の間隔で回転し、それぞれの間隔が進行と停止(advancement and stop)とを有する。いくつかの例において、第二のカルーセルは、間隔のうちの一つの進行の間でおよそ90°回転する動作が可能である。いくつかの例において、第二のカルーセルは、間隔のうちの一つの停止の間は固定されていて、その停止の継続時間は間隔の進行の継続時間よりも長い。
いくつかの例において、第一のカルーセルは、複数の間隔で回転し、それぞれの間隔が進行と停止とを有する。いくつかの例において、第一のカルーセルは、間隔のうちの一つの進行の間でおよそ180°回転する動作が可能であり、進行の継続時間は間隔の約半分である。いくつかの例において、装置は、第一のカルーセルまたは第二のカルーセルの一つ以上を回転させるためのサーボモータを含む。
いくつかの例において、第一のカルーセルの外側環状配列コンテナは第一の種類の試薬を含み、第一のカルーセル上の内側環状配列コンテナには第一の種類の試薬と異なる第二の試薬の種類を含む。
【0015】
いくつかの例において、第一のカルーセルのコンテナは試薬コンテナであり、第二のカルーセルのベッセルは反応ベッセルである。いくつかの例において、第一のピペッティング機構は垂直に下りる(降りる)部分を有しているプローブアームを具備する。
【0016】
本実施形態に開示されるもう一つの例において、装置は、第一の回転軸のベースに回転可能に連結された試薬カルーセルを含む。その例示的な装置は、第二の回転軸のベースに回転可能に連結された反応カルーセルも含む。その反応カルーセルは試薬カルーセルの上方に配置されている。加えて、その例示的な装置は、試薬カルーセルと反応カルーセルとに液体のやりとりをする(in fluid communication)第一のピペットを具備する。
【0017】
また、本実施形態に開示されるいくつかの例においてその例示的な装置は、試薬カルーセル上に配置された試薬コンテナと、試薬コンテナ内の試薬とを含む。加えて、その例示的な装置は、反応カルーセル上に配置された反応ベッセルを含む。いくつかの例において、第一のピペットは、試薬コンテナから試薬の取り分(portion)を吸引し、上方に垂直に動き、そして反応ベッセル中に試薬の取り分を分注する。
【0018】
いくつかの例において、その例示的な装置は、試薬カルーセルと反応カルーセルとから離れているサンプルコンテナからサンプルを吸引し、反応ベッセルにサンプルを分注するために、第二のピペットも具備する。
【0019】
本実施形態に開示されている方法は、ベースに対する第一のカルーセルを回転させる。第一のカルーセルは、第一の直径、第一の回転軸、外側環状配列コンテナと、外側環状配列の同心円状にある内側環状配列コンテナと、を有している。例示的な方法は、ベースに対する第二のカルーセルを回転させる。第二のカルーセルは、第二の直径、第二の回転軸、そして複数のベッセルと、を有している。第二のカルーセルは、その第二のカルーセルの少なくとも一部分が第一のカルーセルの上に配置されるように第一のカルーセルに垂直方向に並ぶようにして上方に配置されている。その例示的な方法は、第二の回転軸からオフセットの関係にある第一のピペッティング機構を通して第一のカルーセルから第一の流体を吸引することも含む。いくつかの例において、第一のピペッティング機構は、第一の直径内側と第二の直径内側とに配置されている。
【0020】
いくつかの例において、第二のピペッティング機構を通して第一のカルーセルから第二の流体を吸引することを含む。いくつかの例において、第二のピペッティング機構は、一の直径内側と第二の直径の外側とに配置されている。いくつかの例において、その方法は、第一のピペッティング機構で内側環状配列コンテナまたはベッセルのうちの少なくとも一つにアクセスすることと、第二のピペッティング機構で外側環状配列コンテナまたはベッセルのうちの少なくとも一つにアクセスすることと、をさらに含む。いくつかの例において、その方法は、内側環状配列コンテナの第一の内側コンテナと第一のベッセルとの上方を移動する第一の経路に沿って第一のピペッティング機構の第一のピペットアームを回転させることを含む。このような例において、その方法は、外側環状配列コンテナの第一の外側コンテナと第二のベッセルとの上方を移動する第二の経路に沿って第二のピペッティング機構の第二のピペットアームを回転させることも含む。いくつかの例において、第二のピペッティング機構は、第一の回転軸からはオフセットの関係にある。
【0021】
いくつかの例において、その方法は、第三のピペッティング機構を通して第三の流体を吸引することを含む。いくつかの例において、第三のピペッティング機構は、第一の直径の外側と第二の直径の外側とに配置されている。このような例において、その方法は、第一の直径と第二の直径の外側のコンテナとの上方と、複数のベッセルの第三のベッセルの上方と、を移動する第三の経路に沿って第三のピペッティング機構の第三のピペットアームを回転させること、をさらに含む。いくつかの例において、その方法は、それぞれの間隔が進行と停止とを有し、第二のカルーセルが複数の間隔で回転することを含む。このような例において、間隔のうちの一つの進行の間で第二のカルーセルをおよそ90°回転することを含む。いくつかの例において、停止の継続時間が間隔の進行の継続よりも長く、第二のカルーセルが間隔のうちの一つの停止の間で停止状態であること、を含む。
【0022】
いくつかの例において、その方法は、第一のピペッティング機構で第二のカルーセル上の第一のベッセルにアクセスすること、第二のカルーセルを複数の間隔で回転させること、そして第二のベッセルにアクセスするために第一のピペッティング機構に対して二つ以上の間隔で第二のカルーセルを回転させること、を含み、第二のベッセルは第一のベッセルに対して物理的に近接している。
【0023】
いくつかの例において、その方法は、それぞれの間隔が進行と停止とを有し、第一のカルーセルが複数の間隔で回転することを含む。このような例において、その方法は、進行の継続時間が間隔のおよそ半分であり、間隔のうちの一つの進行の間で第一のカルーセルをおよそ180°回転することを含む。
いくつかの例において、その方法は、第一のカルーセルまたは第二のカルーセルの一つ以上を回転させるためのサーボモータを作動させることを含む。
次に図面に移って、例示的な自動診断分析装置の一部が部分的に分解されて
図1と
図3に示されており、そして組み立てられた例示的な自動分析診断装置が
図2と
図4に示されている。例示的な分析機100は、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104とを含む。
図2と
図4に示されているように、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104は、それぞれ独立してベースステーション(base station)106に回転可能に連結されている。ベースステーション106は、検査(例えば、診断分析の実行)などに使うために異なる部品組立品やその他構成部品を収納している。異なる部品組立品やその他構成部品とは、例えば、洗浄液、バルク反応、真空源、圧力源、冷却システム、温度センサー、プロセッサ、モータ、などである。
【0024】
図1-4において図示されるように、第二のカルーセル104は、第一のカルーセル102の上方に垂直方向に並んで配置されており、第二のカルーセル104の少なくとも一部が第一のカルーセル102の上方(例えば、第一のカルーセル102からは離れたその上方に、また第一のカルーセル102と接する上方に)に重なるように配置されている。描かれた例において、第一のカルーセル102は試薬カルーセル、そして第二のカルーセル104は反応ベッセルカルーセルである。第一のカルーセル102は、一つ以上の種類の試薬を格納してもよく、多様な試薬コンテナを支持(support)するためである。第二のカルーセル104は、サンプルにテストを実行するために使われる。しかし、その他の例では、第一のカルーセル102および/または第二のカルーセル104のうちのどちらかが試薬、サンプル、反応ベッセル、またはそれら任意の組み合わせを保持してもよい。
【0025】
図1に示された例示的な分析機100について、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104とがよく見えるように、ベースステーション106とその他構成部品は除去されている。示された例において、第一のカルーセル102は、複数のスロット103a-nを有するプレートを含む。示された例において、第一のカルーセル102は、ボア105(例えば、口(くち: opening)、開口部、穴など)を有する。その他の例において第一のカルーセル102は、ボアを有さない第一のカルーセル102のようにつながっていてもよい。示された例において、スロット103a-nのそれぞれは、一つ以上のコンテナ、または一つ以上のコンテナを有するコンテナキャリア(container carrier)を保持する。示された例において、第二のカルーセル104はケーシング107内に収納されている。いくつかの例において、第二のカルーセル104は反応カルーセルであり、診断検査の中には光信号(例えば、ケミ(化学)ルネッセンス、化学発光分析)を利用するものもあり、またこのような検査の読取の間は、反応からの光を効果的に読取るために暗室で行われる。このようにして、いくつかの例において、第二のカルーセル104がケーシング107内に収納されているのは、光が読取の妨げにならないようにする為である。
【0026】
図2は、例示的な分析機100の平面図を示している。例において、第一のカルーセル102は、第一の環状経路109に沿って移動する外側環状配列コンテナ108a-nと、第二の環状経路111に沿って移動する内側環状配列コンテナ110a-nとを有する。外側環状配列コンテナ108a-nと内側環状配列コンテナ110a-nとは同心円状である。診断検査の中には、異なる試薬および/または二つ以上の試薬が所定のサンプル/試料に反応させる為に、一つの試薬と別の試薬を利用するその他の検査を含むことがある。従って、いくつかの例において、外側環状配列コンテナ108a-nには例えば第一の種類の試薬が入っていて、内側環状配列コンテナ110a-nには例えば第一の種類の試薬と異なる第二の種類の試薬が入っていてもよい。また、いくつかの例において、環状配列108a-nと110a-nのうちの一つの中に入っている試薬の種類は、同一の配列内の異なるカートリッジの中と違っていてもよい。
【0027】
いくつかの例において、第一のカルーセル102は、第一のカルーセル102上に互いに放射状に置かれた二つ以上(例えば、3つ、4つ、またはそれ以上)の配列コンテナを有している。いくつかの例において、運搬具内に配置されているコンテナは、第一のカルーセル102のスロット103a-n内に取り付けられる(ロードされる)。いくつかの例において、運搬具のそれぞれは1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のコンテナを含んでいてもよく、それらのコンテナが第一のカルーセル102上に配置された際に、コンテナの環状配列の輪郭を示す。いくつかの例において、第一のカルーセル102は、最大72運搬具まで受け取れるように、スロット103a-nを72個含む。その他の例において、第一のカルーセル102は、最大45運搬具まで受け取れるように、スロット103a-nを45個含んでいてもよい。いくつかの例において、それぞれの運搬具(例えば、キット)は、約50から約1700までの検査に供給するためにまたは支援するために、あるボリュームの試験液体(例えば、試薬)を含んでいる。その他の例は、異なる数のスロット、異なる数の運搬具、そして異なるボリュームの試験液体を含む。
示された例において、第二のカルーセル104は、第二のカルーセル104の外周の周りに配置された複数の反応ベッセル112a-nを有する。示された例において、反応ベッセル112a-nは再利用可能なキュベット(例えば、洗浄可能なガラス製キュベット)である。反応ベッセル112a-nのうちの一つにおける検査が完了した後、ベッセル112a-nは清潔にされ(例えば、殺菌消毒される)、このベッセル112a-nは別の検査に使われても良い。しかし、その他の例において、反応ベッセル112a-nは、一つ以上のテストで使用された後は処分されるような、使い捨てキュベット(例えば、プラスチック製キュベット)である。いくつかの例において、第二のカルーセル104は、第二のカルーセル104から反応ベッセル112a-n(例えば、使い捨てキュベット)を除去するために、取外し機構113(例えば、受動取外し機または能動取外し機)を含む。いくつかの例において、取外し機構113は、反応ベッセル112a-nのうちの一つが第二のカルーセル104から取り外された際に、取り外された反応ベッセル112a-nが第一のカルーセル102のボア105を通り抜けて落ちてきて、ベースステーション106内側に配置されたごみ箱またはその他入れ物に入るように設置されている。いくつかの例において、第二のカルーセル104は一つ以上の取外し機構を含み、その取外し機構は第二のカルーセル104の周りのその他の位置に配置されていてもよい。
【0028】
図3は、ベースステーションおよびその他の構成要素を取り払い、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104を前側面から描いている。示されたように、第一のカルーセル102は第一の軸114の周りを、そして第二のカルーセル104は第二の軸116の周りを、回転する。図示された例において、第一の軸114と第二の軸116とは実質的に互いに平行であり、互いにオフセットの関係にある。しかし、その他の例において、第二のカルーセル104は、第一の軸114と第二の軸116とが実質的に同軸上に一直線に並ぶように(例えば、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104とが同心円状になる)、第一のカルーセル102の中心の上方に配置されている。
【0029】
図2によりはっきりと図示されるように、第一のカルーセル102は第一の直径118と第二のカルーセル104は第二の直径120とを有している。示された例において、第二の直径120は、第一の直径118よりも小さい。しかし、その他の例において、第二の直径120は、第一の直径118と同じまたは第一の直径118よりも大きい。第二のカルーセル104は、第二のカルーセルがベッセル112a-nのためのリング状(例えば、環状)ラックを形づくるように、ボア122を含む。この例に示されるとおり、第二のカルーセル104(例えば、上にあるカルーセル)は、第一のカルーセル102の第一の直径118からは離れ且つ第一の直径118に重なるように配置されている。その他の例として、第二の直径120の一部のみが第一の直径118とは離れた上方に位置していてもよい。
【0030】
図4に示された例において、第一のカルーセル102は、ベースステーション106の上面(top)に回転可能に支持されている。分析機100は、ベースステーション106の上面124上の第一のカルーセル102を回転させるための第一のモータ125(例えば、ステッパー・モータ(stepper motor)またはサーボモータ)を含む。示された例において、分析機100は、128aと128bの複数の脚を用いて、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104との間に配置されたベースステーション106に搭載されているプラットホーム126(例えば、プレート、設置面(mounting surface)、シールド(shield)も含む。その他の例において、プラットホーム126は、その他の留め具でベースステーション106に搭載されていてもよい。プラットホーム126は、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104との間の仕切りまたは境界の輪郭を示す。示された例において、第二のカルーセル104は、プラットホーム126に回転可能に搭載されている。しかし、その他の例において、第二のカルーセル104は、プラットホーム126に搭載されることなく、ベースステーション106に回転可能に支持されてもよい。第二のカルーセル104は、第二のモータ127を用いて回転させられる(ステッパー・モータまたはサーボモータ)。示された例において、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104は、特定の検査のためのスケジューリングプロトコルによって、時計回りおよび/または反時計回りに回転してもよい。
【0031】
本実施形態に開示される例示的な自動分析診断装置は、一つ以上のピペッティング機構(例えば、プローブアーム、自動ピペットなど)も含む。
図1―4に示された描かれた例において、分析機100は、プラットホーム126に連結された(例えば、搭載された)第一のピペッティング機構130を含む。第一のピペッティング機構130は、プラットホーム126に連結されており、第一のカルーセル102から離れた上方で且つ第二のカルーセル104のボア122内側である(つまり、第一のカルーセル102の第一の直径118内側と第二のカルーセル104の第二の直径120内側)。示された例において、第一のピペッティング機構130は、第二の軸116(例えば、第二のカルーセル104の中心)からオフセットの関係にある。しかし、その他の例における第一のピペッティング機構130は、第二の軸116と一直線に並んでいる。第一のピペッティング機構130は、多自由度を有する。示された例において、第一のピペッティング機構130は、第一のプローブアーム132を有する。第一のプローブアーム132は、第一の進行経路(例えば、水平弧に沿う)134に動いて、第一のプローブアーム132の遠心端に位置した第一のピペット136を用いて流体を吸引/分注する。第一のピペッティング機構130は、Z方向(例えば、縦方向)にも移動可能である。
【0032】
図2に描かれたように、第一のピペッティング機構130は、第一のアクセスポートを経由して第一のカルーセル102上にあるコンテナにアクセスする。第一のアクセスポートとは、例えば、口(opening)、開口部、穴、隙間など、プラットホーム126内に形づくられてもよい。操作中、第一のピペッティング機構130は、第一のピペット136が第一のアクセスポート138と離れた上方に一直線に並ぶまで、第一の進行経路134に沿って(例えば、時計回りに回転または旋回する)第一のプローブアーム132を動かす。第一の進行経路134は、円形、半円形、線形、またはそれら任意の組み合わせであってもよい。第一のピペッティング機構130はそれから、第一のピペット136が液体(例えば、液体中に含まれる微小粒子を含む)をコンテナから吸引/分注するために、第一のカルーセル102上にあるコンテナにアクセスするまで垂直に下向きに動く。示された例において、第一のピペッティング機構130と第一のアクセスポート138とは、第一のピペッティング機構130が第一のアクセスポート138よりも下方にある第一のカルーセル102の上に配置されたコンテナから吸引できるようにするために、配置されている。第一のカルーセル102は、外側環状配列コンテナ108a-nと内側環状配列コンテナ110a-nとを保持しており、これら二つのコンテナは、例えば、それぞれ診断検査に使われる第一の試薬と診断検査に使われる第二の試薬であってもよい。図示された例において、第一のピペッティング機構130は、第一のカルーセル102上にある内側環状配列コンテナ110a-nのコンテナから流体を吸引するために配置されている。示されたように、内側環状配列コンテナ110a-nは第二の環状経路111に沿って回転するが、第二の環状経路は第一のアクセスポート138と交差し、従って、第二の進行経路134とも交差する。示された例において、運搬具のシルエットは、二つのコンテナを有しており(例えば、外側環状配列コンテナと内側環状配列コンテナ)、コンテナの相互関係、第一のアクセスポート138および/または第一の進行経路134を描くために第一のアクセスポート138の近くに描き出される。
【0033】
第一のカルーセル102上にある適当なコンテナから流体を吸引した後、第一のピペッティング機構130は垂直に上方に動いて、第一のピペット136が地点Aになるまで、第一の進行経路134に沿って第一のプローブアーム132を動かす(例えば、時計回りに回転または旋回させる)。地点Aとは、第一のピペット136が第二のカルーセル104上にある複数のベッセル112a-nのうちの一つに垂直方向に重なるように並んでいる地点である。いくつかの例において、第一のピペッティング機構130は、液体(例えば、第一のカルーセル102上にあるコンテナから吸引された任意の微小粒子を含む液体)を、この位置で(例えば、第一のピペット136が第一の進行経路134に沿って移動する高さで)第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nに分注する。その他の例において、第一のピペッティング機構130は、第二のカルーセル104に向かって垂直に下方に動いて、第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nに液体を分注する。図示された例において、第一のピペッティング機構130は、下方に配置された第一のカルーセル102の上にあるコンテナにアクセスするために、一点のアクセスポイントと一つの第一のアクセスポート138とをのみ有している。しかし、その他の例において、プラットホーム126は、第一のピペット136が第一のカルーセル102上にある追加領域(additional areas)にアクセスできるように、第一の進行経路134に沿った複数のアクセスポートを含む。いくつかの例において、コンテナの多重環状配列(例えば、内側配列と外側配列または内側配列、中間配列と外側配列)は、異なる動径方向距離(例えば、
図1に示されたスロット103に沿って)で第一のカルーセル102上に配置されており、従って、第一の進行経路134に沿った複数のアクセスポイントは、第一のピペッティング機構130が必要に応じておよび/または所望に応じてこれらのコンテナにアクセスすることを可能にする。
【0034】
示された例において、分析機100は、プラットホーム126に連結された(例えば、搭載された)第二のピペッティング機構140を含む。第二のピペッティング機構140は、プラットホーム126に連結されており、第一のカルーセル102からは離れた上方で且つ第二のカルーセル104とは隣に(例えば、隣接する)ある(つまり、第一のカルーセル102の第一の直径118の内側と第二のカルーセル104の第二の直径120の外側)。示された例において、第二のピペッティング機構は、第一のカルーセル102の第一の軸114からオフセットの関係にある。しかし、その他の例において、第二のピペッティング機構140は、第一の回転軸114と一直線に並んでいる。第二のピペッティング機構140は、多自由度を有する。示された例において、第二のピペッティング機構140は、第二のプローブアーム142を有する。第二のプローブアーム142は、第二の進行経路(例えば、水平弧に沿って回転するまたは旋回する)144に沿って動いて、第二のプローブアーム142の遠心端に位置した第二のピペット146を用いて流体を吸引/分注する。第二のピペッティング機構140は、Z方向(例えば、縦方向)にも移動可能である。
【0035】
示された例において、第二のピペッティング機構140は、プラットホーム126内に形づくられている第二のアクセスポート148を経由して第一のカルーセル102上にあるコンテナにアクセスする。操作中、第二のピペッティング機構140は、第二のピペット146が第二のアクセスポート148と離れた上方に一直線に並ぶ(aligned above)まで、第二の進行経路144に沿って(例えば、回転または旋回する)第二のプローブアーム142を動かす。第二のピペッティング機構140はそれから、第二のピペット146が第一のカルーセル102上にあるコンテナにアクセスするために垂直に下向きに動く。示された例において、第二のピペッティング機構140と第二のアクセスポート148とは、第二のピペッティング機構が第二のアクセスポート148よりも下方にある第一のカルーセル102の上に配置されたコンテナから吸引できるようにするために、配置されている。上述のように、第一のカルーセル102は、外側環状配列コンテナ108a-nと内側環状配列コンテナ110a-nとを含み、この二つのコンテナは、例えば、診断検査で第一に使われる試薬と診断検査で第二に使われる試薬であってもよい。図示された例において、第二のピペッティング機構140は、第一のカルーセル102上にある外側環状配列コンテナ108a-nから液体を吸引するために配置されている。示されたように、外側環状配列コンテナ108a-nは、第一の環状経路109に沿って回転し、第一の環状経路109は、第二のアクセスポート148と交差し、従って、第二の進行経路144とも交差する。示された例において、運搬具のシルエットは、二つのコンテナを有しており(例えば、外側環状配列コンテナと内側環状配列コンテナ)、コンテナの相互関係、第二のアクセスポート148および/または第二の進行経路144を描くために第二のアクセスポート148の近くに描き出される。
【0036】
第一のカルーセル102上にある適当なコンテナから液体とその液体に関する任意の微小粒子を吸引した後、第二のピペッティング機構140は、垂直に上方に動いて、第二の進行経路144に沿って反時計回りに、第二のピペット146が地点Bになるまで、第二のプローブアーム142を動かす(例えば、回転または旋回させる)。地点Bとは、第二のピペット146が第二のカルーセル104上にある複数のベッセル112a-nのうちの一つに垂直方向に重なるように並んでいる地点である。いくつかの例において、第二のピペッティング機構140は、液体(例えば、第一のカルーセル102上にあるコンテナから吸引された任意の微小粒子を含む液体)を、この位置で(例えば、第二のピペット146が第二の進行経路144に沿って移動する高さで)第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nに分注する。その他の例において、第二のピペッティング機構140は、第二のカルーセル104に向かって垂直に下方に動いて、第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nに液体を分注する。図示された例において、第二のピペッティング機構140は、下方(below)に配置された第二のカルーセル104の上にあるコンテナにアクセスするために、一点のアクセスポイントと一つの第二のアクセスポート148とをのみ有している。しかし、その他の例において、プラットホーム126は、第二のピペット146が第一のカルーセル102上にある追加領域にアクセスできるように、第二の進行経路144に沿った複数のアクセスポートを含む。いくつかの例において、コンテナの多重環状配列(例えば、内側配列と外側配列または内側配列、中間配列と外側配列)は、異なる動径方向距離で第一のカルーセル102上に配置されており、従って、第二の進行経路144に沿った複数のアクセスポイントは、第二のピペッティング機構140が必要に応じてこの複数のコンテナにアクセスすることを可能にする。
【0037】
図示された例において、分析機100は第三のピペッティング機構150を含む。示された例において、第三のピペッティング機構150は、プラットホーム126に連結されている。その他の例において、第三のピペッティング機構150は、ベースステーション106の上面124に連結されてもよい。示された図において、第三のピペッティング機構150は、第一のカルーセル102の第一の直径118の外側と第二のカルーセル104の第二の直径120の外側とに配置されている。しかし、その他の例において、第三のピペッティング機構150は、第一のカルーセル102の第一の直径118内側に配置されている。示された例において、第三のピペッティング機構150は、第一のカルーセル102とは離れた上方の高さ(level)で搭載されている。特に、第三のピペッティング機構150は、第一のカルーセル102とは離れた上方のプラットホーム126に搭載されている。
第三のピペッティング機構150は、多自由度を有する。示された例において、第三のピペッティング機構150は、第三のプローブアーム152を有する。第三のプローブアーム152は、第三の進行経路154(例えば、水平弧)に沿って回転して、第三のプローブアーム152の遠心端に位置した第三のピペット156を用いて液体を吸引/分注する。第三のピペッティング機構150は、Z方向(例えば、縦方向)にも移動可能である。
示された例において、第三のピペッティング機構150は、例えば、サンプル(例えば、検査サンプルまたは試料)を第二のカルーセル104上にある一つ以上のベッセル112a-n中に分注するために使われてもよい。いくつかの例において、検査サンプルは、第三のピペッティング機構150の第三の進行経路に沿ってサンプルコンテナ(これは運搬具内にあってもよい)から吸引される。いくつかの例において、検査サンプルは、搬送具(transporter)またはポジショナ(positioner)によって分析機100の背面に運ばれ、そして第三のプローブアーム152は、第三のピペッティング機構150がサンプル管よりも離れた上方に一直線になるように、第三の進行経路に沿って動く(例えば、回転または旋回する)。サンプル管からサンプルを吸引した後、第三のピペッティング機構150は、第三のピペット156が地点Cになる(達する)まで、第三の進行経路154に沿って第三のプローブアーム152を動かす(例えば、回転または旋回する)。地点Cとは、第三のピペット156が第二のカルーセル104上にある反応ベッセル112a-nのうちの一つに垂直方向に離れた上方に(vertically aligned above)並んでいる地点である。第三のピペッティング機構150は、第二のカルーセルに向かって垂直に下方に動いて、第二のカルーセル104上にある複数のベッセル112a-nのうちの一つにサンプルを分注する。
【0038】
示された例において、三つのピペッティング機構130、140、150は、自動検査を実行するために用いられている。しかし、その他の例示的な分析機において、これより多くのまたはこれより少ないピペッティング機構が使われてもよい(例えば、一つ、二つ、四つ、五つ、など)。例えば、四つのピペッティング機構でもよく、この四つのピペッティング機構は、第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nのうちの一つにサンプルを分注するのに使われてもよい。また、いくつかの例において、一つ以上のピペッティング機構が二つのプローブを含んでいてもよい。それは、ピペッティング機構が同時に二つのコンテナおよび/またはベッセルから吸引する/または分注することを可能にするためである。例えば、第三のピペッティング機構150上にある二つのプローブで、第三のピペッティング機構150は、第一のベッセルに第一のサンプルを、また第二のベッセルに第二のサンプルを、分注することができる。加えて、いくつかの例において、複数のピペッティング機構は、分析のための複数のステップを実行するために、異なる位置に配置されていてもよい。さらに、いくつかの例示的な分析機において、ピペッティング機構130、140、150は、それぞれ三つの進行経路に沿って多数の供給源から吸引して多数の位置(例えば、コンテナやベッセル)に分注してもよい。
【0039】
図1―4に示された例示的な分析機100において、第一と第二のピペッティング機構130と140とは、既知の分析機におけるピペッティング機構に比べてより広いZ方向幅を有している。その理由は、第一と第二のピペッティング機構130と140とは、より低い高さでの第一のカルーセル102上にあるコンテナ108a-n、コンテナ110a-nと、より高い高さでの第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nとにアクセスするためである。このようにして、いくつかの例において、第一のカルーセル102上にあるコンテナ108a-n、コンテナ110a-nから液体を吸引するピペット136、146での高さ(例えば、ピペット136、146の先端の垂直位置)は、ベッセル112a-nに液体を分注するピペット136、146での高さとは異なる。例示的なピペット136、146の先端は、第一のカルーセル102上にあるコンテナ108a-n、コンテナ110a-nにアクセスするための第一の高さと第一のカルーセル102の上にあるベッセル112a-nにアクセスするための第二の高さとでは、第一の高さの方が第二の高さよりも低い(例えば、ベース106により近い)。いくつかの例において、それぞれのプローブアーム132、142は、下方または垂直に下降する部分133、143を含み、ピペッティング機構130、140が標準的な寸法のピペットまたはプローブを組み込むことを可能にする。このような例において、プローブアーム132、142の下方部分133、143は、ピペットまたはプローブをプローブアーム132、142からさらに移動させる。その理由は、ピペットを第一のカルーセル102上にあるコンテナ108a-n、コンテナ110a-n中に確実にアクセスさせるためである。下方部分133、143で、ピペットは、例えば、プラットホーム126がプローブアーム132、142の下方または垂直下降を妨げることがないから、第一のカルーセル102上にあるコンテナ108a-n、コンテナ112a-nの底にアクセスすることができる。標準サイズのピペットまたはプローブの使用は、より長いピペットまたはプローブと比較すると、ピペットまたはプローブへの振動(例えば、モータ、撹拌子)の影響を減らし、結果的に操作精度が格段に向上する。
【0040】
いくつかの例において、プローブアーム132、142、152の長さおよび/または進行経路134、144、154の長さは、いくつかの既知の分析機のプローブアームよりも短い。図示された例の長さが減った(短くなった、decreased)プローブアームは、それぞれのピペッティング機構130、140、150への振動(例えば、モータ、撹拌子)の影響を減らす。その理由は、それぞれのピペット136、146、156は、それぞれのピペッティング機構130、140、150のベースにより近く、従って、質量中心により近く且つより頑丈であるからである。より頑丈なプローブアーム132、142、152は、例示的なピペッティング機構130、140、150が操作における精度が格段に向上するのを可能にする。例示的なピペッティング機構130、140、150は、操作における速度も格段に速くなるが、その理由として、振動が収まるまで待つ必要がなく、またはその反対でピペッティング機構130、140、150の操作の前に振動が弱まるからである。示された例において、第一、第二、第三のピペッティング機構130、140、150は、それぞれベース組立部品135、145、155を含む。いくつかの例において、ベース組立部品135、145、155は、駆動構成部品(drive components)と第一、第二、第三のプローブアーム132、142、152をZ方向に動かせるためのその他作動構成要素(actuating components)とを含む。
【0041】
第一と第二のカルーセル102、104とは、本実施形態では試薬カルーセルと反応カルーセルとしてそれぞれ、開示されているが、本開示の教示は、第一のカルーセル102および/または第二のカルーセル104のどちらかが試薬、反応ベッセル、および/またはサンプルを含む例に、適用されてもよい。このようにして、第一のカルーセル102は複数の反応ベッセルを含む反応カルーセルであってもよいし、そして第二のカルーセル104は反応ベッセルにおけるサンプルと反応させるための試薬を有する複数の試薬コンテナを含む試薬カルーセルであってもよい。
【0042】
示された例において、分析機100は、検査処理において異なるステップを実行するための追加のモジュールまたは構成部品を含んでいてもよく、例えば、撹拌するための撹拌子、反応ベッセルに光を当てるための光源、検査サンプルを分析するための読取機、ベッセルを洗うための洗浄ゾーン、などである。
図2に示されるように、例示的な分析機100は、読取機158、複数の撹拌子160a-d、そして反応ベッセルを洗うための洗浄ステーション162を含む。いくつかの例において、反応ベッセル112a-nは、地点Dにおいて洗浄ステーション162で洗浄される。いくつかの例において、撹拌子160a-d(例えば、経路内ボルテックス(in-track vortexers)(ITV))は、第一のカルーセル102と第二のカルーセル104との間に配置されたプラットホーム162に連結されており、これは例えば、撹拌子160a-dの振動の影響を抑えてもよいし、撹拌子160a-dがピペッティング機構130、140、150と分析機100のその他の構成部品に与える影響を減らしてもよい。いくつかの例において、撹拌子160a-dは、第二のカルーセル104上にあるベッセル112a-nのすぐ下に配置されている。いくつかの例において、分析機100は、プラットホーム126に連結されて第一、第二、第三の進行経路134、144、154に沿って配置された、一つ以上の洗浄ゾーンを含む。いくつかの例において、ピペット136、146、156は、洗浄ゾーンにおける吸引/分注機能の間で清潔にされる。
【0043】
示された例において、第一と第二のカルーセル102、104は、診断検査の間に間隔をあけてまたはロックステップで回転する。それぞれの間隔は、カルーセルが動く間の進行ステップと、カルーセルがアイドリング状態の間の停止ステップとを有する。実行される診断検査の種類にもよるが、カルーセル102、104は、異なるロックステップの回数と回転角度とを有していてもよく、このロックステップ回数と回転角度とは、進行ステップの間に横切って挿入される(are traversed)。示された例において、第二のカルーセル104は、約四秒(つまり、第二のカルーセル104が約四秒毎に漸次的に(インクリメントに:incrementally)異なる位置に回転するということ)の合計ロックステップ時間(進行ステップと停止ステップとの組み合わせ)を有する。ロックステップの進行ステップの間に、第二のカルーセル104は約90度回転する(例えば、約四分一回転)。その他の例において、第二のカルーセル104は、程度の差はあるが、特定の分析機に対しておよび/または特定の診断検査プロトコルに対して設計されたスケジューリングプロトコルによって回転してもよい。いくつかの例において、第二のカルーセル104は、ロックステップの進行ステップの間に約1度から約15度まで回転する。その他の例において、第二のカルーセルロックステップの進行ステップの間に約15度から約90度まで回転する。
【0044】
示された例において、進行ステップは、四秒のロックステップの約一秒の間に行われてもよいし、第二のカルーセル104はロックステップの停止ステップの間に約三秒アイドリング状態(例えば、固定された状態)のままでもよい。これらの三秒の間に、第一、第二、第三のピペッティング機構130、140、150は、この三つの機構の中に入っている任意の微小粒子を含む、液体を吸引および/または分注し、そしてその他の機能的なモジュールは、カルーセル102、104の周りを操作する。機能的なモジュールの中には、例えば、読取機158などがあり、ロックステップの進行ステップの間に操作するものもある。追加としてまたは代わりに、読取機158がロックステップの停止ステップの間に操作する。
【0045】
いくつかの例において、第一のカルーセル102は、約二秒のロックステップ時間を有する。それぞれのロックステップに対して、第一のカルーセル102は一秒(例えば、進行ステップ)の間に回転し、一秒(例えば、停止ステップ)の間アイドリング状態(例えば、固定された状態)になる。第一のカルーセル102に対するロックステップ時間は、第一のカルーセル102が第二のカルーセル104の一ロックステップの間に通常位置に戻れるように、第二のカルーセル104に対するロックステップ時間の半分であり、そして二番目の試薬が第一のカルーセル102から吸引されて、第二のカルーセル104の一ロックステップの間に第二のカルーセル104中に分注される可能性がある。例えば、外側環状配列コンテナ108a-nの上にある第一の試薬コンテナと内側環状配列コンテナ110a-nの上にある第二の試薬コンテナとは、第一のカルーセル102の上にある同一の放射状スロット103a-nの上にあってもよい。この例では、仮に両方の試薬が第一のカルーセル102の単一のロックステップの間、第一のカルーセル102に対する第一のロックステップの間、に使われるならば、第二のピペッティング機構140は外側環状配列コンテナ108a-nのから試薬を吸引してもよい。第二のピペット146がコンテナを離れた後に、第一のカルーセル102は、第一のピペッティング機構130が第二のカルーセル104の同じロックステップの間に内側環状配列コンテナ110a-nから第一のピペッティング機構130所望する試薬を吸引できるようにするため、第一のカルーセル102は、第一のカルーセル102の第二のロックステップ位置まで回転する。いくつかの例において、ピペッティング機構の位置にもよるが、第一のカルーセル102は、次のピペッティング機構が検査プロトコルに従って吸引と分注とができるように、次の位置までおよそ180度回転させられる。このようにして、第一と第二のピペッティング機構130、140の両方が、第二のカルーセル104の一ロックステップにおいて、第一のカルーセル102の任意のスロット103a-nにおけるコンテナから吸引が出来る。さらに、いくつかの例において、第一と第二のピペッティング機構130、140は、第二のカルーセル104が第二のカルーセル104のロックステップの進行ステップにおいて回転する一方で、第一のカルーセル102のロックステップの停止ステップ部分の間に、第一のカルーセル102と相互に作用しあってもよい。
【0046】
図5は、代替的な構造を備えるカルーセルとピペッティング機構の例示的な分析機500を描いている。この例において、分析機500は、第一のカルーセル502と第二のカルーセル504とを含み、そのそれぞれがベース506に回転可能に連結されている。第二のカルーセル504は、第一のカルーセル502から離れ且つ重なるように配置されている。第一のカルーセル502は、例えば、複数の試薬コンテナを有する試薬カルーセルであってもよいし、そして第二のカルーセル504は、例えば、複数の反応ベッセルを有する反応カルーセルであってもよい。
【0047】
示された例において、第一のカルーセル502は、コンテナのための外側環状部分508とコンテナのための内側環状部分510とを有する。いくつかの例において、外側環状部分508の上にあるコンテナは、例えば、検査処理における第一のステップで使われる第一の試薬を保持する試薬コンテナであってもよいし、内側環状部分510の上にあるコンテナは、例えば、検査処理における第二のステップおよび/または第一の検査処理とは異なる第二の検査処理において、のどちらかで使われる第二の試薬を保持する試薬コンテナであってもよい。
【0048】
図示されるように、第一のカルーセル502は第一のボア512と第一の直径514を、第二のカルーセル504は第二のボア516と第二の直径518とを有している。この例において、第二のカルーセル504の中心は、第一のカルーセル502の中心からオフセットの関係にあり、第一の直径516内(つまり、第二のカルーセル504は、第一のカルーセル502から離れた上方に垂直に並ぶように配置され、第一のカルーセル502の外側境界内に位置されている)にある。
【0049】
分析機500は、第一のカルーセル502の第一の直径514の内側と第二のカルーセル504の第二の直径518の内側とに配置された、第一のピペッティング機構520を含む。示された例において、第一のピペッティング機構520は、第一のカルーセル502の第一のボア512と第二のカルーセル504の第二のボア516との内側にも配置されている。いくつかの例において、第一のピペッティング機構520は、ベース506に搭載されている。その他の例において、第一のピペッティング機構520は、第一のカルーセル502と第二のカルーセル504との間に配置されたプラットホームに搭載されている。示された例において、第一のピペッティング機構520は、Z方向に(例えば、垂直に)動いて回転する、あるいはその反対に、第一のプローブアームの半径または可動域522内にある微小粒子を有する液体を含む液体を吸引/分注するために動く。第一のプローブアーム半径522は、第一のカルーセル502の内側環状区域510の部分を超えて、また第二のカルーセル504の部分を超えて、拡張することができるが、第一のピペッティング機構520が第一のカルーセル502の内側環状区域510の上に配置されたコンテナまたはベッセル、および/または第二のカルーセル504の上に配置されたコンテナまたはベッセル、から/に、吸引/分注することができるのと同様である。このようにして、第一のピペッティング機構520は、例えば、第一のカルーセル502の上にあるコンテナから試薬を吸引し、第二のカルーセル504の上にある反応ベッセル中に試薬を分注するために使われてもよい。
【0050】
分析機500は、第一のカルーセル502の第一の直径514の外側と第二のカルーセル504の第二の直径518の外側とに配置された第二のピペッティング機構524を含む。いくつかの例において、第二のピペッティング機構524は、ベース506に搭載されている。その他の例において、第二のピペッティング機構524は、第一のカルーセル502と第二のカルーセル504との間に配置されたプラットホームに搭載されている。第二のピペッティング機構524は、Z方向に(例えば、垂直に)動いて回転する、あるいはその反対に、第二のプローブアームの半径または可動域526内にある流体を吸引/分注するために動く。図示されているとおり、第二のプローブアーム半径526は、第一のカルーセル502の外側環状区域508の部分を超えて、また第二のカルーセル504の部分を超えて、拡張するが、第二のピペッティング機構524が第一のカルーセル502の外側環状区域508の上に配置されたコンテナまたはベッセル、および/または第二のカーセル504の上に配置されたコンテナまたはベッセル、から/に、吸引/分注することができるのと同様である。このようにして、第二のピペッティング機構524は、例えば、第一のカルーセル502の上にあるコンテナから試薬を吸引し、第二のカルーセル504の上にある反応ベッセル中に試薬を分注するために使われてもよい。
【0051】
分析機500は、第一のカルーセル502の第一の直径514の外側と第二のカルーセル504の第二の直径518の外側とに配置された第三のピペッティング機構528を含む。いくつかの例において、第三のピペッティング機構528は、ベース506に搭載されている。その他の例において、第三のピペッティング機構528は、第一のカルーセル502と第二のカルーセル504との間に配置されたプラットホームに搭載されている。第三のピペッティング機構528は、Z方向に(例えば、垂直に)動いて回転する、あるいはその反対に、第三のプローブアームの半径530内にある流体を吸引/分注するために動く。図示されているとおり、第三のプローブアーム半径または可動域530は、第一のカルーセル502の外側環状区域508の部分、第二のカルーセル504の部分、そして分析機500のベース506の外側の領域を超えて、拡張する。第三のピペッティング機構528は、例えば、ベース506の外側に配置された検査サンプル管から(例えば、分析機500のもう一つの部分から)サンプルを吸引し、第二のカルーセル504の上にあるコンテナまたはベッセルへとサンプルを分注するために使われてもよい。
【0052】
示された例において、内側環状区域510と外側環状区域508とは、同一のカルーセル502内に形作られており、従って、一緒に回転する。しかし、その他の例において、内側環状区域510と外側環状区域508とは、それぞれの方向に独立して回転可能な個別のカルーセルであってもよい。
【0053】
示されたとおり、第一、第二、そして第三のピペッティング機構520、524、528は、第一と第二の直径514、518の内側および/またはベース506の縁内に配置されている。加えて、第一のカルーセル502と第二のカルーセル504とは積み重なっている。このようにして、例示的な分析機500の設置面積は、同一平面上にカルーセルを備えた分析機よりもより小さくなる。
【0054】
図6は、自動分析診断装置、例えば、上で開示した分析機100、500などを用いて使用するための例示的な処理システム600のブロック図である。例示的な処理システム600は、診断検査の間に使われる器具や機構を制御する、ステーション/器具コントローラ602を含む。示された例において、ステーション/器具コントローラ602は、器具604a-nと通信可能に接続されている。器具604a-nは、例えば、第一のピペッティング機構130、第二のピペッティング機構140、第三のピペッティング機構150、ITV 160a-d、洗浄ゾーン162および/または読取機158を含む、上で開示した例示的な分析機100の構成部品を含んでいてもよい。例示的な処理システム600は、ステーション/器具コントローラ602を操作する例示的なプロセッサ606を含み、従って、本実施形態で開示されたようなスケジュールまたは検査プロトコルに従う器具604a-nも含む。
【0055】
例示的な処理システム600は、分析機の一つ以上のカルーセルを制御するカルーセルコントローラ608も含む。示された例において、カルーセルコントローラ608は、第一のカルーセル610と第二のカルーセル612とに通信可能に接続されている。第一のカルーセル610と第二のカルーセル612とは、例えば、例示的な分析機100に関連して上で開示された第一と第二のカルーセル102、104と一致していてもよい。カルーセルコントローラ608は、例えば、モータを使うようにして(例えば、分析機100に関連して開示されたモータ125、127)、第一と第二のカルーセル610、612の回転を制御する。また、例示的なプロセッサ606はカルーセルコントローラ608を操作し、従って、スケジュールまたは検査プロトコルに従うカルーセル610、612も操作する。
【0056】
例示的な処理システム600は、例示的なシステム600の操作に関する情報を格納してもよいデータベース614も含む。この情報は、例えば、検査プロトコル、試薬識別情報、試薬ボリューム情報、サンプル識別情報、サンプルの位置(例えば、反応ベッセル、ロックステップおよび/または回転)に関する位置情報、中身および/または反応ベッセルの位置に関する状態情報、ピペット位置情報、カルーセル位置情報、ロックステップ継続時間情報などを含んでもよい。
例示的な処理システム600は、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)616などのユーザインターフェースも含む。操作者または技術者は、処理システム600と相互に作用し、従って、インターフェース600を通して、例えば、検査プロトコルに関する指示、検査されるサンプルに関する情報、試薬や検査において使われるその他流体に関する情報などを提供するために、分析機100、500とも相互に作用する。インターフェース616は、操作者によって、任意の完了した検査および/または検査中の状態および/または結果に関する情報を取得するために使われてもよい。
【0057】
示された例において、処理システム構成要素602、606、608、614は、コミュニケーションリンク618を通して、例示的な処理システム600のその他の構成要素と通信可能に接続されている。このコミュニケーションリンク618は、過去、現在、または未来の任意のコミュニケーションプロトコル(例えば、ブルートゥース、USB 2.0、USB3.0など)を使っている、任意の種類の有線接続(例えば、データバス、USB接続など)および/または任意の種類の無線接続(例えば、電波周波数、赤外線など)であってもよい。また、処理システム600の構成要素は、一つのデバイスに統合されていてもよいし、または二つ以上のデバイスに分配されていてもよい。
【0058】
図1―5の分析機100、500を実行する例示的な方法が
図6に図示されている一方で、
図6に描かれている一つ以上の要素、処理および/または装置は、任意のその他の方法で組合せ、分割、再配置、省略、除去および/または実行されてもよい。さらに、例示的なステーション/器具コントローラ602、例示的な器具604a-n、例示的なプロセッサ606、例示的なカルーセルコントローラ608、例示的な第一のカルーセル610、例示的な第二のカルーセル612、例示的なデータベース614、例示的なグラフィカルユーザインターフェース616および/またはより一般的に、
図6の例示的な処理システム600は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアおよび/またはハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアの任意の組み合わせによって実行されてもよい。このようにして、例えば、任意の例示的なステーション/器具コントローラ602、例示的な器具604a-n、例示的なプロセッサ606、例示的なカルーセルコントローラ608、例示的な第一のカルーセル610、例示的な第二のカルーセル612、例示的なデータベース614、例示的なグラフィカルユーザインターフェース616および/またはより一般的に、例示的な処理システム600は、一つ以上のアナログまたはデジタル回路(複数の回路)、論理回路、プログラマブルプロセッサ(複数のプロセッサ)、特定用途向け集積回路(複数の回路)(ASIC(s))、プログラマブル論理デバイス(複数のデバイス)(PLD(s))および/またはフィールドプログラマブル論理デバイス(複数のデバイス)(FPLD(s))によって実行される可能性がある。純粋なソフトウェアおよび/またはファームウェア実行を<特許請求の>範囲とする(カバーする、cover)本願の任意の装置請求項またはシステム請求項を読む際に、例示的なステーション/器具コントローラ602、例示的な器具604a-n、例示的なプロセッサ606、例示的なカルーセルコントローラ608、例示的な第一のカルーセル610、例示的な第二のカルーセル612、例示的なデータベース614、および/または例示的なグラフィカルユーザインターフェース616のうちの少なくとも一つは、有形コンピュータ可読格納デバイスまたはメモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク、ブルーレイディスクなど、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを格納している格納ディスクを含むように、本明細書において明示的に定義されている。さらに、
図6の例示的な処理システム600は、
図6に図示されたものに追加で、または代わりに、一つ以上の要素、処理および/または装置を含んでいてもよく、および/または図示された要素、処理、そして装置のうちの一つまたはこれらの全てを含んでいてもよい。
【0059】
図1―6の分析機100、500および/または処理システム600を実行するための例示的な方法700を表すフローチャートが
図7に示されている。この例において、この方法は、
図9に関連して後ほど論じられる、例示的なプロセッサプラットフォーム900で示されたプロセッサ912のように、プロセッサによる実行のためのプログラムを有する機械可読指示として実行されてもよい。このプログラムは、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、またはプロセッサ912に関連付けられたメモリなどのように、有形コンピュータ可読格納媒体上に格納されたソフトウェアにおいて実施されてもよいが、プログラム全体および/またはそのプログラムの一部は、プロセッサ912以外のデバイスによって、代替的に実行することが可能および/またはファームウェアもしくは専用ハードウェアにおいて実現することが可能である。さらに、例示的なプログラムは、
図7に描かれたフローチャートを参照しながら説明されているが、例示的な分析機100、500、および/または例示的な処理システム600を実施するたくさんのその他の方法が、代替的に使用されてもよい。例えば、ブロックの実行の順序は変更されてもよいし、および/または説明されたブロック中には、変更、除去、組み合わさるものがあってもよい。
【0060】
上述のように、
図7の例示的な処理は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または任意のその他格納デバイスまたは格納ディスクなどの有形コンピュータ可読格納媒体上に格納されたコード化された指示(例えば、コンピュータ可読指示および/または機械可読指示)を使用して実施され得る。これらの媒体の中に、情報が任意の継続時間の間(例えば、延長された時間期間の間、恒久的に、簡単な事例に対して、一時的なバッファリングの間、および/または情報のキャッシングの間)に格納される。本明細書で使用されるように、「有形コンピュータ可読格納媒体」という用語は、任意の種類のコンピュータ可読格納デバイスおよび/または格納ディスクを含み、伝播/伝搬(propagating)信号を除外するように明示的に定義される。本明細書で使用されるように、「有形コンピュータ可読格納媒体」と「有形機械可読格納媒体」とは互換的に使用される。追加としてまたは代替として、
図7の例示的な処理700は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、および/または任意のその他格納デバイスまたは格納ディスクなどの非一時的なコンピュータ可読媒体および/または機械可読媒体上に格納されたコード化された指令(例えば、コンピュータ可読指令および/または機械可読指令)を使用して実行されてもよい。これらの媒体の中に、情報が任意の継続時間の間(例えば、延長された時間期間の間、恒久的に、簡単な事例に対して、一時的なバッファリングの間、および/または情報のキャッシングの間)に格納される。本明細書で使用されるように、「非一時的なコンピュータ可読格納媒体」という用語は、任意の種類のコンピュータ可読デバイスまたはディスクを含み、伝播信号を除外するように明示的に定義される。本明細書で使用されるように、「少なくとも」という語句が請求項の前置きにおいて移行語(transition term)として使用される際、「~を備える」という用語は制約がない(open-ended)のと同様に、「少なくとも」という語句も制約がない。
【0061】
図7は、診断検査のための例示的な処理700を描いており、例えば、本明細書に開示される例示的な分析機100、500および/または処理システム600によって、実施されてもよい。
図7の例示的な処理700は、多数のロックステップを通して分析機のカルーセルの上にある反応ベッセルが回転するように、単一の反応ベッセルに対する操作の視点から述べられたものである。しかし、例示的な処理700は、多数の反応ベッセルに対して同時におよび/または順序通りに繰り返し実行される。例示的な診断検査は、例えば、臨床化学検査であってもよい。上に開示された例示的な分析機100は、複数の反応ベッセルを有する反応カルーセル(例えば、第二のカルーセル104)を含む。いくつかの例において、反応カルーセルは、第二のカルーセルの外周の周りに配置させた187個の反応ベッセルを有している(例えば、ガラス製キュベット)。反応カルーセルは、ロックステップで回転する(例えば、離散間隔で)。それぞれのロックステップで、反応カルーセルは、反時計回りに約四分の一(例えば、90度)回転する。この例において、それぞれのロックステップにおいて、反応カルーセルは、一秒間回転して(例えば、モータを通して)三秒間アイドリング状態(例えば、固定された状態)のままである。
【0062】
例示的なプロセス700において、反応カルーセルの完全な回転数は変数Xで表され、この変数Xは例示的なプロセス700の開始時には0に設定されており、実行される機能のまたは検査操作の所定のタイミングは、N1、N2、N3、そしてN4によって表される。特に、この例において、N1、N2、N3、そしてN4は、整数値であり、それぞれの機能または検査操作を実行するきっかけに使われる経過ロックステップの数を表す。言い換えれば、N1ロックステップが経過または完了した際に、第一の機能または検査操作が実行されてもよく、N2ロックステップが経過または完了した際に、第二の機能または検査操作が実行されてもよく、以後同様に実行されてもよい(and so on)。上述のように、反応カルーセルは、四分の一回転強である(is slightly more than a quarter turn)ロックステップ回転を有する。いくつかの例において、回転は四つのロックステップの後、または一つの完全な回転の後のような回転が例に挙げられる。所定の反応ベッセルは、前回の回転においてその反応ベッセルが存在したところを一カ所過ぎたら、インデックスされる。
【0063】
例示的な処理は、ロックステップ4X+1(ブロック702)を含む。最初に、完全な一回転がまだ起こっていない際、Xは0であり、これが第一のロックステップである(つまり、ロックステップ(4*0)+1)。この第一のロックステップにおいて、もし4X+1=N1(ブロック704)ならば、反応ベッセルに機能が実行される。上にも記したように、N1は、反応ベッセルに関連して実行される特定の機能または検査操作でのタイミングまたはロックステップを示す。例えば、上に開示された例示的な分析機100において、第三のピペッティング機構150は、反応カルーセル104の近くに配置され、地点Cでサンプルを反応ベッセル中に分注する。いくつかの例において、所定の反応ベッセルにおける所定の検査の第一のロックステップは、反応ベッセルが地点Cのときに起こる。従って、分注サンプルの機能、N1は、仮にN1が反応ベッセルに対する第一のロックステップ(ブロック704)であるのと同様に、1に設定されていてもよく、4X+1=N1(例えば、(4*0)+1=1)であるから、機能が実行される(ブロック706)(つまり、サンプルが反応ベッセルに分注される。)後に続く回転において、N1が引き続き1に設定されている間、Xは0ではないということであり、反応ベッセルはアイドリング状態(ブロック708)で、4X+1≠N1なので(例えば、(4*1)+1≠1)、このロックステップでの例示的な分析機100、500の操作者またはロボット機構による反応ベッセルには何も機能が実行されない。このようにして、この例において、仮に第一のロックステップ(例えば、サンプルを分注する)でのみ機能が起こるならば、その次に例示的なシステムは、後に続く回転(例えば、X>1のとき)の間の第一のロックステップのそれぞれ後に続く発生の間アイドリング状態のままとなる。このアイドリング状態は、例えば、後に続く検査に対して反応ベッセルが洗浄されて準備が完了し、そして例示的な処理700の後に続く実行に対してXが0に再設定されるまで続く。
【0064】
例示的な処理700は、次のロックステップ(ブロック710)への進行と読取機を通過する任意の反応ベッセルの中身の読み取り(例えば、分析)とを含む。上述のとおり、反応カルーセルは、ロックステップ毎に約四分の一回転する。いくつかの例において、反応カルーセルは、四秒の第二ロックステップ時間の約一秒間回転する。このロックステップの進行の間に、反応カルーセルの上にある反応ベッセルの約四分の一は、分析機(例えば、分析機158)の反応ベッセルの中身が分析されるところの全面を通過する。第一の二、三の(few)ロックステップの間に、全てのまたは殆どの反応ベッセルが空になっていてもよい。しかし、いくつかの例において、読取機は取得されたデータ(data acquired)は使われなくても、読み取りを続ける。ロックステップ毎の間の読み取りによって、読取機は、反応が起こっている最中として、それぞれの反応の間に、一通りの読取を取得する。その他の例において、所定量の時間の間、および/または所定数の反応ベッセルがサンプルおよび/または試薬で一杯になった後、読取機の読取が少し遅れてもよい。
【0065】
例示的な処理は、ロックステップ4X+2(ブロック712)を含む。完全な一回転がまだ起こっていないと仮定すると、Xは0であり、これが第二のロックステップである(つまり、ロックステップ(4*0)+2)。この第二のロックステップの間に、もし4X+2=N2(ブロック714)ならば、第二の機能または検査操作が反応ベッセルに関連して実行されてもよい。N1と同様に、N2は反応ベッセルに関連して実行される特定の機能または検査操作での特定のタイミングを示す。例えば、上に開示された例示的な分析機100において、第二のピペッティング機構140は、第二のカルーセル104の近くに配置され、地点Bで第一の試薬を反応ベッセル中に分注する。いくつかの例において、第一のカルーセル102は、例えば、第一の試薬のために使われる試薬など、外側環状配列のコンテナを含む。第二のピペッティング機構140は、外側環状配列コンテナの上にあるコンテナのうちの一つから吸引し、地点Bで第二のカルーセル104の上にある反応ベッセルに液体を分注する。いくつかの例において、第二のロックステップの間に反応ベッセル中に分注される試薬は、その間に第一のロックステップが反応ベッセルにサンプルを継ぎ足すことを含む。従って、第一の試薬を分注する機能に対する、N2が2に設定されてもよく、仮にこれが反応ベッセルに対する第二のロックステップ(ブロック714)であるのと同様に(such that)、4X+2=N2(例えば、((4*0)+2=2)であるから、機能が実行されて(ブロック716)、第一の試薬が反応ベッセル中に分注される(ブロック716)。仮にXが0でなければ、例えば、その後に続く回転の間、その次に反応ベッセルはアイドリング状態(ブロック718)で、4X+2≠N2(例えば、(4*1)+2≠2)なので、このロックステップでの例示的な分析機100、500の操作者またはロボット機構による反応ベッセルには何も機能が実行されない。このようにして、この例において、仮に第二のロックステップ(例えば、第一の試薬を分注する)でのみ機能が起こるならば、その次に例示的なシステムは、後に続く回転の間の第二のロックステップのそれぞれ後に続く発生の間はアイドリング状態のままとなる。このアイドリング状態は、例えば、後に続く検査に対して反応ベッセルが洗浄されて準備が完了し、そして例示的な処理700の後に続く実行に対してXが0に再設定されるまで続く。
【0066】
例示的な処理700は、次のロックステップ(ブロック720)への進行と反応ベッセルの中身の読み取り(例えば、分析)とを含む。このロックステップの進行の間に、反応カルーセル上にある反応ベッセルの約四分の一は、分析機(例えば、分析機158)の反応ベッセルの中身が分析されるところの全面を通過する。
【0067】
例示的な処理は、ロックステップ4X+3(ブロック722)を含む。完全な一回転がまだ起こっていないと仮定すると、Xは0であり、これが第三のロックステップである(つまり、ロックステップ(4*0)+3)。この第三のロックステップ間に、もし4X+3=N3(ブロック724)ならば、第三の機能または検査操作が反応ベッセルに関連して実行されてもよい。N1、N2と同様に、N3は、反応ベッセルに関連して実行される特定の機能または検査操作の特定のタイミングまたはロックステップを示す。例えば、上に開示された例示的な分析機100において、第一のピペッティング機構130は、第二のカルーセル104の第二の直径120の内側に配置され、第二のカルーセル104地点Aの上にある反応ベッセルに第二の試薬を分注する。いくつかの例において、第一のカルーセル102は、例えば、第二の試薬のために使われる試薬など、内側環状配列コンテナ110a-nを含む。第一のピペッティング機構130は、内側環状配列コンテナ110a-nの上にあるコンテナのうちの一つから吸引し、地点Aで反応ベッセル中に液体を分注する。従って、第二の試薬を分注する機能は、N3を任意の数のロックステップに設定することで、特定のベッセルに対して作動するようにしてもよい。いくつかの例において、診断検査は、サンプルを反応ベッセルに注ぎ足すこと、第一の試薬を反応ベッセルに注ぎ足すこと、そして、第二の試薬を分注する前にある程度の時間の間恒温化する(incubating)ことを含む。いくつかの例において、反応ベッセルが79番目のロックステップであるように、または第二の試薬が注ぎ足された際に検査の19番目の回転の第三番目のロックステップであるように、N3は79に設定されうる。それぞれのロックステップが約四秒だと仮定すると、反応ベッセルの中身は、第二の試薬が反応ベッセル中に分注される前に約五分間吸引される。従って、第二試薬分注の機能は、79番目のロックステップ(ブロック724)で、4X+3=N3(例えば、(4*19)+3=79)であるから、機能が実行され(ブロック728)と第二の試薬が反応ベッセル中に分注されるように、N3を79までにセットすることできっかけとなってもよい。仮にXが19でなければ、例えば、前回の回転の間にまたは後に続く回転の間には、その時反応ベッセルはアイドリング状態(ブロック726)で、4X+3≠N3(例えば、(4*0)+3≠79)なので、このロックステップでの例示的な分析機100、500の操作者またはロボット機構による反応ベッセルには何も機能が実行されない。このようにして、この例において、仮に79番目のロックステップ、つまり第三のロックステップの19番目の回転(例えば、第二の試薬を分注する)でのみ機能が起こるならば、その次に例示的なシステムは、前の回転と後に続く回転の間の第三のロックステップのそれぞれ前の発生と後に続く発生との間はアイドリング状態のままとなる。このアイドリング状態は、例えば、後に続く検査に対して反応ベッセルが洗浄されて準備が完了し、そして例示的な処理700の後に続く実行に対してXが0に再設定されるまで続く。
【0068】
例示的な処理700は、次のロックステップ(ブロック730)への進行と、読取機を通過する反応ベッセルの中身の読み取り(例えば、分析)とを含む。
例示的な処理は、ロックステップ4X+4(ブロック732)を含む。最初に、完全な一回転がまだ起こっていない際、Xは0であり、これが第四のロックステップである(つまり、ロックステップ(4*0)+4)(ブロック732)。この第四のロックステップにおいて、もし4X+4=N4(ブロック734)ならば、別の機能または検査操作が反応ベッセルに関連して実行されてもよい。N1、N2、そしてN3と同様に、N4は、反応ベッセルに実行される特定の機能または特定の検査操作の特定のタイミングを示す。例えば、上に開示された示的な分析機100において、洗浄ゾーン162は、地点Dで反応ベッセルを洗うために配置される。いくつかの例において、反応ベッセルは、反応ベッセルにおける検査が完了した後に洗浄される。従って、N4は、ベッセルを洗浄するきっかけとなる任意の数に設定される可能性がある。いくつかの例において、所定のサンプルの完全な検査は、カルーセルの完全な約37回転より多く発生する。従って、N4は、X=37の際に、4X+4=N3(例えば、(4*38)+4=156)であるように、152に設定されてもよく、反応ベッセルが洗浄される(ブロック738)。仮にXが37でない場合、例えば、前回の36回転の間に、その時反応ベッセルはアイドリング状態(ブロック736)であり、例えば、4X+4≠N4(例えば、(4*0)+4≠156)なので、このロックステップでの例示的な分析機100、500の操作者またはロボット機構による反応ベッセルには何も機能が実行されない。このようにして、この例において、仮に156番目のロックステップ、つまり、第四のロックステップの37番目の回転(例えば、反応ベッセルを洗浄する)のみで機能が発生する場合、その次に例示的なシステムは、前回の回転の間の第四のロックステップのそれぞれ前回の発生の間、アイドリング状態のままとなる。一旦、後に続く検査に対して反応ベッセルが洗浄されて準備が完了すると、例示的な処理700の後に続く実行に対してXが0に再設定される。
【0069】
上にも記したように、いくつかの例において、仮に反応ベッセルが洗浄されたならば(ブロック740)、処理700(ブロック742)は完了し、後に続く検査に対して清潔な反応ベッセルで開始してもよい。仮に診断検査が完了してないならば、反応ベッセルはアイドリング状態(ブロック740)であり、反応カルーセルは次のロックステップ(ブロック744)へと進む。例示的な処理は、ロックステップ4X+1(ブロック702)を継続することを含み、ここで1がXに足されているのは、完全な一回転が起こったからである。従って、第二の回転の開始、つまり、第二の回転の第一のロックステップは、五番目のロックステップ(つまり、ロックステップ(4*1)+1)となる(ブロック702)。この処理700は、テストプロトコルそしてスケジューリング順序(scheduling sequences)によって決定された回数だけ続いてもよい。
【0070】
加えて、この例は、診断検査を通して、一つの反応ベッセル処理の観点から見られたものである。しかし、多数のその他の反応が、同一のロックステップの間に発生し、この処理を同様に使いながら実行されてもよい。N1、N2、N3、そしてN4をきっかけとするロックステップは、それぞれサンプル、第一の試薬、第二の試薬、洗浄ゾーンを加えることと関連付けながら上に記載されたが、N1―N4は、例えば、経路内ボルテックス(in-track vortexer)、恒温器(incubator)(例えば、熱源)など、診断検査において使われる任意の機能、検査操作または検査器具と関連させられてもよい。従って、処理700は、一つ以上のベッセルやその一つ以上のベッセルの中に配置されたサンプルに関連して、実行される様々な機能のタイミングや順序について、診断検査がカスタマイズされるのを可能にする。
【0071】
さらに、この例は、それぞれの継続時間の間の各ロックステップに対する、機能N1、N2、N3、N4を含む。しかし、その他の例において、一つ以上の機能が、それぞれのロックステップで配置され得るし、完了した回転数によって区別され得る。例えば、第一の機能は第一の回転の第一のロックステップの間に実行されてもよいし、また第二の機能は第五のロックステップの間に実行されてもよい(つまり、第二の回転の第一のロックステップ)。
【0072】
図8は、診断検査の間に実行される特定の機能の数に対して使用されるタイミングを示す例示的な時系列800を描いている。この診断検査とは、例えば、上に開示された例示的な分析機100、500において実行されるような検査である。上で開示された例示的な分析機100は、地点Cでサンプルを分注するための第三のピペッティング機構150と、地点Bで第一の試薬を分注するための第二のピペッティング機構140と、地点Bで第二の試薬を分注するための第一のピペッティング機構130と、地点Dで反応ベッセルを洗うための洗浄ゾーン162とを含む。例証目的のために(For illustrative purposes)、連続しておよび/または一斉に実行される検査の数は、T1で第一のサンプルが第一の反応ベッセルに分注されることで開始となることが前提とされる。いくつかの例において、反応カルーセルは、別々のロックステップで回転する。ロックステップ毎に、第三のピペッティング機構は、地点C802でサンプルを反応ベッセル中に分注する。図示されたように、この機能は、T1からT7まで続く。例えば、仮に187回の検査が反応カルーセルの上にある187本の反応ベッセルで実行されるならば、次に第三のピペッティング機構は、全てのサンプルが分注されるまで、ロックステップ毎に一つのサンプルをそれぞれの反応ベッセル中に分注する。従って、いくつかの例において、T7は、いつのタイミングでまたはどのロックステップで、最後のサンプルが反応ベッセル中に分注されたのかを示してもよい。
【0073】
例示的な時系列800は、地点B804で第二のピペッティング機構を使う第一の試薬の分注も含む。上で述べたように、いくつかの例において、反応ベッセル中に分注される第一の試薬は、前回は地点C(つまり、サンプルを含む反応ベッセル)だった。この例において、第二のピペッティング機構は、地点BのときまたはロックステップT2で、第二のピペッティング機構は、第一の試薬を反応ベッセルに分注することを開始する。この例において、T2はロックステップの後の一ロックステップであり、この間はサンプルが第一の反応ベッセルに注ぎ足された間である。第二のピペッティング機構は、T8まで第一の試薬を分注し続け、このT8とは、例えば、最後のサンプルが最後の反応ベッセル中に分注された後の一ロックステップであってもよい(つまり、一旦第一の試薬が全てのサンプルに注ぎ足されたということ)。
例示的な時系列800は、反応ベッセル806の読み取りも含む。いくつかの例において、読取機は、ロックステップの進行部分の間に、読取機の前を通過する反応ベッセルとして反応ベッセルを分析する。従って、それぞれのロックステップ回転が約四分の一回転だと仮定すると、また反応カルーセルが187個/本の反応ベッセルを有すると仮定すると、約47個/本の反応ベッセルがそれぞれのロックステップの間に読取機の前を通過する。診断検査の第一の二、三のロックステップの間に、読取機の前を通過する全ての反応ベッセルまたは反応ベッセルの殆どは空である。従って、この例に図示されるように、読取機は時点(time)またはロックステップT4で読み取りを開始するが、この読み取りは、例えば、サンプルと試薬とを有する第一の反応ベッセルが読取機の前を通過する時でもよい。全ての回転の間に、それぞれの反応ベッセルが分析される。いくつかの例において、完全な診断検査は読取を38回必要とし、従って、完全な回転は38回となる。従って、読取機はT10まで読み取り続け、この読み取りは、例えば、分注された最後の反応ベッセルが38回読み取りされたときまで続いてもよい。
【0074】
例示的な時系列800は、第一のピペッティング機構によって、第二の試薬808分注すること、時点またはロックステップT5で開始することを含む。いくつかの例において、検査サンプルと第一の試薬とがしばらくの間反応し、それから第二の試薬が注ぎ足される。十分な恒温時間をとるために、一定期間の後にまたはロックステップ番号T5(number of)の後に、第二の試薬が分注されてもよい。T5で開始して、第一のピペッティング機構は、地点Aで第二の試薬を反応ベッセル中に分注する。これはT9まで続き、例えば、最後の反応ベッセルが地点Aに到達するまでであってもよく、従って、全ての反応ベッセルは第二の試薬が全ての反応ベッセル中に注がれている状態になるまででもよい。
【0075】
例示的な時系列800は、地点D810での洗浄も含む。例示的な分析機100において、洗浄ゾーン162は、地点Dで反応ベッセルを洗う。上で述べたように、反応の中には完全な回転が38回より多く発生するものがあってもよい。38番目の回転の後に、反応は反応ベッセルから洗い流される。従って、洗浄はT6で開始し、この洗浄は、例えば、第一の反応ベッセルが完全な38回転の検査を完了した際の時点またはロックステップであってもよい。洗浄810は、それぞれのベッセルがT11になるまで洗い続け、このT11は、例えば、最後の反応が38回転の検査を完了したときであってもよい。
【0076】
図8に描かれた機能は、反応カルーセルが回転するのと同時に操作してもよく、異なるタイミング順序が行われる検査の種類によって、また実行される手段の種類に基づいて決定されてもよい。加えて、機能は継続して操作してもよい。例えば、仮に第一の反応ベッセルがT7で洗浄されたならば、T8で後に続く検査のためにサンプルは第一の反応ベッセル中に分注されてもよく、また残りの機能が続いてもよい。
【0077】
図9は、
図1―
図6の装置および/またはシステムの一つ以上の部分を実行するための、
図7の一つ以上の指示を実行することが可能な例示的なプロセッサプラットフォーム900のブロック概要図である。プロセッサプラットフォーム900は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、スマートフォン、iPad
TMのようなタブレット型端末)、携帯情報端末(PDA)、インターネット機器、および/または任意のその他の種類のコンピューティングデバイスであってよい。
【0078】
図示された例のプロセッサプラットフォーム900は、プロセッサ912を含む。図示された例のプロセッサ912はハードウェアである。例えば、プロセッサ912は、任意の所望のファミリー(family)または製造業者からの一つ以上の複数の集積回路、論理回路、マイクロプロセッサ、またはコントローラによって実施可能である。
【0079】
図示された例のプロセッサ912は、ローカルメモリ913(例えば、キャッシュ)を含む。図示された例のプロセッサ912は、バス918を介して、揮発性メモリ814と不揮発性メモリ916とを含むメインメモリと通信する。揮発性メモリ914は、Synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、および/または任意のその他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実行されてよい。不揮発性メモリ916は、フラッシュメモリおよび/または任意のその他の所望の種類のメモリデバイスによって実行されてもよい。メインメモリ914、916へのアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
【0080】
図示された例のプロセッサプラットフォーム900は、インターフェース回路920も含む。インターフェース回路920は、イーサネット(登録商標)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/またはPCI expressインターフェースなどの任意の種類のインターフェース規格によって実施されてよい。
【0081】
図示された例では、1つ以上の複数の入力デバイス922が、インターフェース回路920に接続される。入力デバイス922は、ユーザがプロセッサ512にデータと指示とを入力することを可能にする。入力デバイスは、例えば、オーディオセンサ、マイクロホン、カメラ(静止画または動画)、キーボード、ボタン、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント(isopoint)、および/または音声認識システムによって実施可能である。
【0082】
一つ以上の複数の出力デバイス924も、図示された例のインターフェース回路920に接続される。出力デバイス924は、例えば、ディスプレイデバイス(例えば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT)、タッチスクリーン、触覚式出力デバイス、および/または発光ダイオード(LED)によって実施可能である。したがって、図示された例のインターフェース回路920は、典型的に、グラフィックスドライバカード、グラフィックスドライバチップ、またはグラフィックスドライバプロセッサを含む。
【0083】
図示された例のインターフェース回路920は、ネットワーク926(例えば、イーサネット(登録商標)接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、セルラー電話システムなど)を介した外部機械(例えば、任意の種類のコンピューティングデバイス)とのデータの交換を容易にするために、送信機、受信機、トランシーバ、モデム、および/またはネットワークインターフェースカードなどの通信デバイスを含む。
【0084】
図示された例のプロセッサプラットフォーム900は、ソフトウェアおよび/またはデータを格納するための一つ以上の複数の大容量記憶デバイス928も含む。そのような大容量記憶デバイス928の例としては、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、ブルーレイディスクドライブ、RAIDシステム、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブがある。
【0085】
図7の方法を実施するコード化された指示932は、大容量記憶デバイス928内、揮発性メモリ914内、不揮発性メモリ916内、および/またはCDもしくはDVDなどの着脱可能な有形コンピュータ可読記憶媒体上に格納されてもよい。
【0086】
本実施形態に開示された例示的な分析機100と500とは、第二のカルーセルの下の第一のカルーセルに位置しており、その結果、分析機の設置面積を減らすことにつながる(例えば、幅寸法と長さ寸法)。例示的な分析機100と500はピペッティング機構の設置面積とピペッティング機構が移動する距離を減らすために、第一および/または第二のカルーセルの範囲内にピペッティング機構が位置している。加えて、分析機の設置面積を減らすことで、カルーセルが比較的より幅の広いもの(例えば、格段に大きくなった直径を有する)および/または高くてもよく、従って、より多くの検査を実行するためにより多くのコンテナを含んでもよい。
いくつかの例示的な方法、装置、および製造品が本明細書で説明されてきたが、本特許の包含の範囲は、それに限定されない。逆に、本特許は、本特許の特許請求の範囲内に含まれるすべての方法と、装置と、製造品とを包含するものである。