(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】プラズマコイル静電集塵器アセンブリを含む空気処理デバイス
(51)【国際特許分類】
F24F 8/192 20210101AFI20220121BHJP
F24F 8/20 20210101ALI20220121BHJP
F24F 8/30 20210101ALI20220121BHJP
B03C 3/02 20060101ALI20220121BHJP
A61L 9/22 20060101ALI20220121BHJP
B03C 3/40 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
F24F8/192
F24F8/20
F24F8/30
B03C3/02 A
A61L9/22
B03C3/40 A
(21)【出願番号】P 2020082229
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2017514955の分割
【原出願日】2015-05-27
【審査請求日】2020-06-08
(32)【優先日】2014-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516265218
【氏名又は名称】ノヴァーラス パテンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラハム ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン モーガン
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ ソベロン
(72)【発明者】
【氏名】ナイル オコナー
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-007426(JP,A)
【文献】特開2000-283520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0182672(US,A1)
【文献】国際公開第2011/152016(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103007328(CN,A)
【文献】国際公開第2004/105820(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0081600(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0949797(KR,B1)
【文献】特表2017-513660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/00-8/99
B03C 3/02
A61L 9/22
B03C 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ発生器静電集塵器アセンブリを含む空気処理デバイスであって、前記プラズマ発生器静電集塵器アセンブリは、
その付近の浮遊粒子を帯電させ、電荷を帯びた浮遊粒子を提供するように構成されている静電集塵器と、
前記静電集塵器に近接して位置決めされているプラズマ発生器であって、前記プラズマ発生器は、前記静電集塵器と協働するように構成されており、前記プラズマ発生器は、プラズマを放電し、浮遊粒子を不活性化させるように動作可能な不活性化ゾーンを前記プラズマ発生器の領域の中に提供するように構成されており、前記空気処理デバイスは、前記静電集塵器によって発生された電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中へ方向付けするための手段を含み、その結果、前記空気処理デバイスが、電荷を帯びた浮遊粒子を発生させるように適合され、および、前記電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中へ方向付けし、前記電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中のプラズマに曝すように適合される、プラズマ発生器と、を含み、
前記プラズマ発生器は、円筒コイルを備えるコイルアセンブリを含み、前記コイルアセンブリは、前記円筒コイルに係合するように適合されている絶縁スタンドを備え、前記絶縁スタンドは、前記円筒コイルを上昇させられた位置に装着するために構成されて
おり、
前記プラズマ発生器は、コイルアセンブリを含み、前記コイルアセンブリの少なくとも一部分は、前記静電集塵器の一部を形成しており、
前記絶縁スタンドは、前記コイルアセンブリが位置する任意の表面の上方に前記コイルアセンブリを上昇させるためのサポートプラットフォームとして機能しており、前記円筒コイルのそのような浮上させられた位置は、前記円筒コイルの上方および下方の空気循環を可能にし、それによって、電極アセンブリを浮上させることによって、前記不活性化ゾーンは、前記円筒コイルの周りに円周方向に延在しており、空気は、均一なレベルのプラズマを受けながら、前記コイルアセンブリの上方および下方の両方を通過することが可能であることを特徴とする空気処理デバイス。
【請求項2】
前記プラズマ発生器および前記静電集塵器のそれぞれは、物質を帯電させる帯電コンポーネントを含むことを特徴とする請求項1に記載の空気処理デバイス。
【請求項3】
前記プラズマ発生器の前記帯電コンポーネントは、前記静電集塵器と協働していることを特徴とする請求項2に記載の空気処理デバイス。
【請求項4】
前記静電集塵器は、絶縁サポートによって保持されている電極を含むことを特徴とする請求項
1に記載の空気処理デバイス。
【請求項5】
前記電極は、ワイヤ電極を含み、ループされて垂直方向に方向付けられた単一のワイヤを含むことを特徴とする請求項
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項6】
前記ワイヤは、前記絶縁サポートの両側部の間でループされていることを特徴とする請求項
5に記載の空気処理デバイス。
【請求項7】
前記電極は、ワイヤ電極を含み、前記絶縁サポートは、開口部を含み、前記開口部は、空気がそれを通って流れることを可能にするように構成されており、ワイヤ電極のワイヤは、前記開口部の上にグリッドを形成していることを特徴とする請求項
4から請求項
6のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項8】
前記ワイヤ電極の前記ワイヤは、前記ワイヤのそれぞれの端部に取り付けられている電気接点を含むことを特徴とする請求項
5から請求項
7のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項9】
前記電気接点は、前記ワイヤ電極への電力の供給のための電源に接続するように構成されていることを特徴とする請求項
8に記載の空気処理デバイス。
【請求項10】
前記電極は、静電ワイヤ電極を含み、前記静電ワイヤ電極は、アーチ形の電極であり、前記コイルアセンブリは、円筒電極であり、前記アーチ形の電極および円筒コイルアセンブリは、互いに同心円状になっていることを特徴とする請求項
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項11】
前記電極は、ニードル電極の直線状アレイを含むことを特徴とする請求項
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項12】
前記円筒コイルは、円筒形状の内側メッシュと、円筒形状の外側メッシュと、前記内側メッシュおよび前記外側メッシュを分離する円筒形状の誘電体とを有していることを特徴とする請求項
1または請求項
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項13】
前記コイルアセンブリは、前記円筒コイルの第1の端部および第2の端部のそれぞれにおいて絶縁スタンドを含み、前記絶縁スタンドは、前記円筒コイルを上昇させられた位置に装着するために構成されていることを特徴とする請求項1
2に記載の空気処理デバイス。
【請求項14】
前記コイルアセンブリは、それぞれの絶縁スタンドに除去可能に係合可能であることを特徴とする請求項1
3に記載の空気処理デバイス。
【請求項15】
前記内側メッシュおよび前記外側メッシュへの電圧の供給は、前記外側メッシュから放電されるプラズマを発生させることを特徴とする請求項1
2から請求項1
4のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項16】
前記内側メッシュおよび前記外側メッシュに電力を印加するために、前記絶縁スタンドの上に電気接点をさらに含むことを特徴とする請求項1
3に記載の空気処理デバイス。
【請求項17】
前記円筒コイルのそれぞれの端部において絶縁体キャップをさらに含むことを特徴とする請求項1
2から請求項1
6のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項18】
空気は、コイルアセンブリの向きに対して垂直な方向に流れ、円筒コイルに対する空気暴露が最大化されることを確実にすることを特徴とする請求項1から請求項1
7のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項19】
前記円筒コイルは、前記コイルアセンブリの内側メッシュおよび外側メッシュの上に設けられた電気接点を含み、前記電気接点は、第1のリム部を含み、前記第1のリム部は、前記内側メッシュおよび前記外側メッシュの平面の中にあり、前記電気接点は、第2のリム部を有しており、前記第2のリム部は、前記内側メッシュおよび前記外側メッシュの前記平面に対して垂直になっていることを特徴とする請求項1
2から請求項
18のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項20】
前記電気接点は、概して、L字形状の電気接点の形態になっていることを特徴とする請求項
19に記載の空気処理デバイス。
【請求項21】
絶縁スタンドまたはそれぞれの絶縁スタンドには、電気接点の第2のリム部を受け入れるように適合されているスロットが設けられており、それによって、使用時に、前記電気接点の前記第2のリム部が前記絶縁スタンドまたはそれぞれの絶縁スタンドの中の前記スロットの中へ挿入されるときに、前記電気接点は、電源に接続するように構成され、前記コイルアセンブリが前記絶縁スタンドの中に位置するときに、内側メッシュおよび外側メッシュに対して電力を供給することを特徴とする請求項
19または請求項2
0に記載の空気処理デバイス。
【請求項22】
前記プラズマ発生器は、1W/cm
2未満のパワー密度で動作し、コイルアセンブリの長手方向軸線の周りに円周方向にプラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項2
1のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項23】
前記コイルアセンブリは、0.1W/cm
2から0.5W/cm
2の範囲にあるパワー密度で動作されることを特徴とする請求項2
2に記載の空気処理デバイス。
【請求項24】
前記静電集塵器によって発生された前記電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中へ方向付けするための前記手段は、前記静電集塵器と前記プラズマ発生器との間に印加される電圧を含み、前記空気処理デバイスが、電荷を帯びた浮遊粒子を発生させるように適合されており、それと同時に、前記プラズマ発生器に向けて前記不活性化ゾーンの中へ前記電荷を帯びた浮遊粒子を引き付けることによって、発生された前記電荷を帯びた粒子を方向付けし、前記電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中のプラズマに曝すように適合されていることを特徴とする請求項1から請求項2
3のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項25】
前記静電集塵器と前記プラズマ発生器との間に印加される前記電圧は、1,000ボルトから10,000ボルトの間の範囲、2,000から9,000の間の範囲、3,000ボルトから8,000ボルトの間の範囲、4,000ボルトから7,000ボルトの間の範囲のいずれかの範囲にあるか、若しくは
、5,000ボルトであることを特徴とする請求項2
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項26】
前記静電集塵器によって発生された前記電荷を帯びた浮遊粒子を前記不活性化ゾーンの中へ方向付けするための前記手段は、空気のフローを前記プラズマ発生器に向けて方向付けするためのダクティングを含むことを特徴とする請求項1から請求項2
5のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項27】
前記プラズマ発生器は、前記静電集塵器に近接して位置決めされているが、アーク放電が回避されるように前記静電集塵器から所定の距離に位置決めされていると同時に、前記プラズマ発生器と前記静電集塵器との間の協働を可能にすることを特徴とする請求項1から請求項2
6のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項28】
前記静電集塵器と前記プラズマ発生器との間の前記所定の距離は、0.5cmから2cmの範囲にある距離であることを特徴とする請求項2
7に記載の空気処理デバイス。
【請求項29】
前記所定の距離は
、1cmであることを特徴とする請求項
28に記載の空気処理デバイス。
【請求項30】
請求項1から請求項
29のいずれか一項に記載の空気処理デバイスを含むことを特徴とするコンジット。
【請求項31】
前記コンジットは、静電的に帯電されている電極をその内部表面の上に含み、前記内部表面は、前記電荷を帯びた浮遊粒子を操作可能に反発することを特徴とする請求項3
0に記載のコンジット。
【請求項32】
空気処理デバイスであって、
アーチ形の静電ワイヤ電極であって、電極の付近の浮遊粒子を帯電させるように構成されているアーチ形の静電ワイヤ電極と、
アーチ形のワイヤ電極に隣接して位置決めされている円筒コイルアセンブリであって、
前記円筒コイルアセンブリは、前記ワイヤ電極と協働するように構成されており、前記円筒コイルアセンブリは、電荷を帯びた浮遊粒子をそれに引き付けるように、および、プラズマを放電
し、浮遊粒子を不活性化させるように動作可能な不活性化ゾーンを前記円筒コイルアセンブリの領域の中に提供するように構成されている、円筒コイルアセンブリと
を含み、
アーチ形の電極および前記円筒コイルアセンブリは、互いに同心円状になっており、
前記円筒コイルアセンブリは、円筒コイルを備えるコイルアセンブリを含み、前記コイルアセンブリは、前記円筒コイルに係合するように適合されている絶縁スタンドを備え、前記絶縁スタンドは、前記円筒コイルを上昇させられた位置に装着するために構成されて
おり、
前記絶縁スタンドは、前記コイルアセンブリが位置する任意の表面の上方に前記コイルアセンブリを上昇させるためのサポートプラットフォームとして機能しており、前記円筒コイルのそのような浮上させられた位置は、前記円筒コイルの上方および下方の空気循環を可能にし、それによって、電極アセンブリを浮上させることによって、前記不活性化ゾーンは、前記円筒コイルの周りに円周方向に延在しており、空気は、均一なレベルのプラズマを受けながら、前記コイルアセンブリの上方および下方の両方を通過することが可能であることを特徴とする空気処理デバイス。
【請求項33】
ニードル電極の直線状アレイであって、電極の付近の浮遊粒子を帯電させるように構成されている、ニードル電極の直線状アレイと、
直線状電極のアレイに隣接して位置決めされているコイルアセンブリであって、
前記コイルアセンブリは、前記直線状電極のアレイと協働するように構成されており、前記コイルアセンブリは、電荷を帯びた浮遊粒子をそれに引き付けるように、および、プラズマを放電
し、浮遊粒子を不活性化させるように動作可能な不活性化ゾーンを前記コイルアセンブリの領域の中に提供するように構成されている、コイルアセンブリと
を含み、
前記コイルアセンブリは、円筒コイルと、前記円筒コイルに係合するように適合されている絶縁スタンドとを備え、前記絶縁スタンドは、前記円筒コイルを上昇させられた位置に装着するために構成されて
おり、
前記絶縁スタンドは、前記コイルアセンブリが位置する任意の表面の上方に前記コイルアセンブリを上昇させるためのサポートプラットフォームとして機能しており、前記円筒コイルのそのような浮上させられた位置は、前記円筒コイルの上方および下方の空気循環を可能にし、それによって、電極アセンブリを浮上させることによって、前記不活性化ゾーンは、前記円筒コイルの周りに円周方向に延在しており、空気は、均一なレベルのプラズマを受けながら、前記コイルアセンブリの上方および下方の両方を通過することが可能であることを特徴とする空気処理デバイス。
【請求項34】
ニードル電極アレイと前記コイルアセンブリとの間の電圧は、1,000ボルトから10,000ボルトの間の範囲、2,000から9,000の間の範囲、3,000ボルトから8,000ボルトの間の範囲、4,000ボルトから7,000ボルトの間の範囲のいずれかの範囲にあるか、若しくは
、5,000ボルトであることを特徴とする請求項3
3に記載の空気処理デバイス。
【請求項35】
前記コイルアセンブリは、前記直線状アレイのニードル電極に近接して位置決めされているが、アーク放電が回避されるように前記直線状アレイのニードル電極から所定の距離に位置決めされていると同時に、前記コイルアセンブリと前記ニードル電極との間の協働を可能にし、電極の付近にある前記浮遊粒子を帯電させると同時に、前記コイルアセンブリに向けて前記電荷を帯びた浮遊粒子を引き付けることを特徴とする請求項3
3または請求項3
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項36】
静電集塵器とプラズマ発生器との間の前記所定の距離は、0.5cmから2cmの範囲にある距離であることを特徴とする請求項3
5に記載の空気処理デバイス。
【請求項37】
前記所定の距離は
、1cmであることを特徴とする請求項3
6に記載の空気処理デバイス。
【請求項38】
プラズマ発生器を含む空気処理デバイスであって、
前記プラズマ発生器は、その付近の浮遊粒子を帯電させ、電荷を帯びた浮遊粒子を提供するように構成されている静電集塵器と協働するように構成されており、前記プラズマ発生器は、プラズマを放電し、浮遊粒子を不活性化させるように動作可能な不活性化ゾーンを前記プラズマ発生器の領域の中に提供するように構成されており、前記プラズマ発生器は、円筒コイルを備えるコイルアセンブリを含み、前記コイルアセンブリは、前記円筒コイルに係合するように適合されている絶縁スタンドを含み、
前記コイルアセンブリの少なくとも一部分は、前記静電集塵器の一部を形成しており、前記絶縁スタンドは、前記プラズマ発生器が位置する任意の表面の上方に前記円筒コイルを上昇させるためのサポートプラットフォームとして機能しており、前記円筒コイルのそのような浮上させられた位置は、前記プラズマ発生器の上方および下方の空気循環を可能にし、それによって、前記円筒コイルを浮上させることによって、
前記不活性化ゾーンは、前記プラズマ発生器の周りに延在しており、空気は、均一なレベルのプラズマを受けながら、前記プラズマ発生器の上方および下方の両方を通過することが可能であることを特徴とする空気処理デバイス。
【請求項39】
前記空気は、前記プラズマ発生器の向きに対して垂直な方向に流れ、前記プラズマ発生器に対する空気暴露が最大化されることを確実にすることを特徴とする請求項
38に記載の空気処理デバイス。
【請求項40】
前記プラズマ発生器は、コイルアセンブリを含み、前記コイルアセンブリは、内側メッシュ電極および外側メッシュ電極を含み、また、前記コイルアセンブリの内側メッシュおよび外側メッシュの上に設けられた電気接点を含むことを特徴とする請求項
38または請求項
39に記載の空気処理デバイス。
【請求項41】
前記電気接点は、前記内側メッシュおよび前記外側メッシュと同一平面上にある第1のリム部を含み、前記電気接点は、前記内側メッシュおよび前記外側メッシュの平面に対して垂直になっている第2のリム部を有することを特徴とする請求項4
0に記載の空気処理デバイス。
【請求項42】
前記電気接点は、概して、L字形状の電気接点の形態になっていることを特徴とす
る請求項4
1に記載の空気処理デバイス。
【請求項43】
前記絶縁スタンドまたはそれぞれの絶縁スタンドには、電気接点の第2のリム部を受け入れるように適合されているスロットが設けられており、それによって、使用時に、前記電気接点の前記第2のリム部が前記絶縁スタンドまたはそれぞれの絶縁スタンドの中の前記スロットの中へ挿入されるときに、前記電気接点は、電源に接続するように構成され、コイルアセンブリが前記絶縁スタンドの中に位置するときに、内側メッシュおよび外側メッシュに対して電力を供給することを特徴とする請求項
41または請求項4
2に記載の空気処理デバイス。
【請求項44】
前記絶縁スタンドは、サポートレッジ部を含み、コイルアセンブリが前記絶縁スタンドに係合されるときに、前記コイルアセンブリがサポートレッジ部に当接することを特徴とする請求項
38から請求項4
3のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【請求項45】
前記サポートレッジ部は、スロットを含み、前記スロットを通して、電気の第2のリム部が挿入され得ることを特徴とする請求項4
4に記載の空気処理デバイス。
【請求項46】
前記絶縁スタンドは、前記プラズマ発生器に除去可能に係合するように適合されていることを特徴とする請求項
38から請求項4
5のいずれか一項に記載の空気処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気処理方法およびデバイスに関する。より具体的には、本発明は、空気消毒および汚染制御のためのプラズマ発生器静電集塵器アセンブリを含む空気処理デバイスに関する。
【0002】
プラズマ発生器静電集塵器アセンブリは、好ましくは、プラズマコイル静電集塵器アセンブリを含み、浮遊粒子を捕獲するために、および、粒子の中に存在する病原菌および汚染物質を不活性化させるために使用され得る。病原菌および汚染物質が不活性化される不活性化ゾーンを提供するために、大気プラズマ放電が使用される。
【背景技術】
【0003】
健康を脅かす浮遊汚染物質は、3つのグループへと細分化され得、その3つのグループは、すなわち、(a)空気を介して環境全体に広がる病気を引き起こす任意の微生物を含む浮遊病原、(b)摂取、吸入、または接触されるときに、アレルギー反応を引き起こす任意の物質を含む浮遊アレルゲン、および、(c)空気中に浮いたままの微粒子の形態で高圧でスプレイされるように設計されている任意の製品を含む浮遊揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)である。最後のカテゴリは、多くのクリーニング化学薬品、ヘアスプレイ、さまざまなタイプのプライマ、ならびに、ガソリンおよびケロシンなどのような燃料、ならびに、他の家庭用品、美容用品、またはホビー用品を含む。また、いくつかの織物、とりわけ、最近製造されているものは、時間の経過とともに、それらがガス放出するときに、または、ガス状の形態で化学物質を漏出させるときに、室内浮遊VOCの一因となる。
【0004】
浮遊汚染物質は、室内環境において著しく高まる可能性があり、我々が吸い込む空気が汚染され得るという結果を伴う。平均的に、人間は、その時間の約90%を室内環境において過ごすことを考えると、室内空気からの汚染物質の除去は、アレルギーを低減させるために、および、シックハウス症候群などのような感染伝播を防止するために、重要であることを理解されたい。
【0005】
浮遊病原菌の制御に関する既存の従来技術は、(a)浮遊物捕捉(airborne trapping)システムまたはフィルタ、(b)浮遊物不活性化システム、および、(c)上記のいくつかの組み合わせとして分類され得る。
【0006】
また、既存の浮遊物不活性化技術は、化学物質、UV放射、およびプラズマ放電副産物を利用するものを含む。
【0007】
化学的な不活性化の例は、抗菌性の気化器、典型的に、オゾンまたは過酸化水素の使用を含む。これらのシステムは効果的であるが、それらは、破壊的でもあり、処理されることとなる室内スペースの排出を必要とし、したがって、通常の生活環境下での使用には適切でない。
【0008】
空気の浄化のための代替的なシステムは、浮遊バクテリアを殺すために紫外線(UV)放出を使用することを含む。たとえば、特許文献1は、流体(たとえば、空気)がUVランプのアレイを通過させられるデバイスを説明している。この解決策では、唯一の不活性化メカニズムが、UV放射を介するものである。
【0009】
また、先行技術は、空気フィルタ媒体の殺菌のためにプラズマラジカルの使用を含む(たとえば、特許文献2を参照)。この文献では、上流のプラズマ放電は、活性ラジカルを発生させることが可能であり、活性ラジカルが、媒体フィルタへ上流に流れ、フィルタによって捕捉された任意のバクテリアまたはウィルスを殺すことが提案されている。しかし、病原菌を捕獲するためにフィルタ媒体を使用することは、依然として、感染保有部としての役割を果たす可能性があり、また、それが詰まったときに空気フローストリームに影響を及ぼす可能性がある。
【0010】
また、空気の中の病原菌を不活性化させる抗病原体を解放するプラズマ放電を使用することが知られている。先行技術は、空気が電極コイルアセンブリの周りに引き込まれる、プラズマ放電を使用した空気処理に関する方法および装置を含む。プラズマ放電は、放電の付近に流れる任意の浮遊病原菌を不活性化させる。そのようなデバイスの有効性は、病原菌および浮遊汚染物質がデバイスによって発生されたプラズマ放電および抗病原体に曝される期間に依存することが理解されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開第03/092751号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2004/0184972号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0233172号明細書
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明の第1の実施形態は、添付の請求項1による空気処理装置を提供する。有利な実施形態は、従属請求項に提供されている。また、本出願は、請求項34、35、および40に詳述されているような空気処理装置に提示されている他の態様を提供する。他の特徴は、本説明から明らかになることとなる。
【0013】
1つの態様では、本発明は、空気処理装置を提供し、空気処理装置は、静電集塵器の付近の浮遊粒子を帯電させ、電荷を帯びた浮遊粒子を提供するように構成されている静電集塵器と、静電集塵器の近接であるが、静電集塵器から所定の距離に位置決めされているプラズマ発生器であって、プラズマ発生器は、静電集塵器と協働するように構成されており、プラズマ発生器は、不活性化ゾーンをプラズマ発生器の領域の中に生成させるように構成されており、空気処理デバイスは、静電集塵器によって発生された電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中へ方向付けするための手段を含み、その結果、空気処理デバイスが、電荷を帯びた浮遊粒子を発生させるように適合され、および、次いで、即座に、電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中へ方向付けし、電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中のプラズマに曝すように適合される、プラズマ発生器と、を含む。静電集塵器によって発生された電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中へ方向付けするための手段は、静電集塵器とプラズマ発生器との間に印加される電圧を含むことが可能であり、空気処理デバイスが、電荷を帯びた浮遊粒子を発生させるように適合されており、それと同時に、プラズマ発生器に向けて不活性化ゾーンの中へ前記電荷を帯びた浮遊粒子を引き付けることによって、発生された電荷を帯びた粒子を方向付けし、電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中のプラズマに曝すようになっている。
【0014】
不活性化ゾーンは、プラズマが解放されるゾーンであり、病原菌を含む浮遊汚染材料を不活性化させるのに効果的である。そのような浮遊汚染材料(すなわち、浮遊汚染物質)は、健康を脅かす可能性があり、それは、3つのグループへと細分化され得、その3つのグループは、すなわち、(a)空気を介して環境全体に広がる病気を引き起こす任意の微生物を含む浮遊病原、(b)摂取、吸入、または接触されるときに、アレルギー反応を引き起こす任意の物質を含む浮遊アレルゲン、および、(c)空気中に浮いたままの微粒子の形態で高圧でスプレイされるように設計されている任意の製品を含む浮遊揮発性有機化合物(VOC)である。本発明の空気処理装置の中のプラズマ発生器によって発生されるプラズマは、(a)から(c)の細区分に定義されているような浮遊汚染材料のいずれかを不活性化させるのに効果的である。
【0015】
したがって、空気処理装置は、電荷を帯びた浮遊粒子を不活性化ゾーンの中へ引き付けるように構成されている。これは、すべての電荷を帯びた粒子をプラズマ発生器の表面の上に引き付けようとすることと同じではない。その理由は、すべての電荷を帯びた粒子がプラズマ発生器の表面の上にあるとすれば、それは、プラズマ発生器の効果的な動作を妨げる可能性があるので、実際に、そのようなことは望ましくないからである。
【0016】
本発明の空気処理装置は、プラズマ発生器、好ましくは、プラズマコイルアセンブリを含み、それは、1W/cm2未満のパワー密度で動作し、プラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されている。好適な実施形態では、プラズマ発生器は、コイルアセンブリ、最も好ましくは、概して円筒形状のコイルアセンブリであり、それは、1W/cm2未満のパワー密度で動作し、コイルアセンブリの長手方向軸線の周りに円周方向にプラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されている。
【0017】
最も好ましくは、プラズマ発生器は、0.1W/cm2から0.5W/cm2の範囲にあるパワー密度で動作されるように構成されている。これは、プラズマ発生にとって比較的低いパワー密度であり、プラズマ発生器の周りに不活性化ゾーンを生成させるのに効果的である。これは、本発明のプラズマ発生器の動作のこの低いパワー密度は、たとえば自動車産業などにおける排気ガスの浄化に関するプラズマ発生器の従来の使用に必要とされる、比較的高いレベルのパワー密度とは完全に対照的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで、本出願は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【
図1】本教示によるプラズマコイル静電集塵器アセンブリの斜視図である。
【
図3】
図1の静電ワイヤ電極アセンブリの斜視図である。
【
図4】
図3の静電ワイヤ電極アセンブリの異なる図である。
【
図5】
図1のコイルアセンブリおよび高電圧電力供給部の展開図である。
【
図8】
図5から
図7の展開図に示されているコイルアセンブリの代替的実施形態の展開図である。
【
図9】コイルアセンブリがコイルアセンブリのそれぞれの端部に設けられた絶縁スタンドの中に挿入されている状態の、
図8に示されているコイルアセンブリの断面図であり、電気接点が、絶縁スタンドの中に設けられているスロットを通して位置しており、また、電源への接続のために構成されていることを示す図である。
【
図10】空気がそれを通過して流れるときの、
図1のプラズマコイル静電集塵器アセンブリの側面図である。
【
図11】本教示による病原菌不活性化方法のフローチャートダイアグラムである。
【
図12】本教示によるプラズマコイル静電集塵器アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図13】本教示によるプラズマコイル静電集塵器アセンブリのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図14】
図13のコイルアセンブリの平面図であり、電極のニードルのアレイの配置を示す図である。
【
図16】コイルアセンブリの内側メッシュおよび外側メッシュへの電力供給のための接続を示す概略ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本教示は、浮遊病原菌の処理の有効性がプラズマ放電装置と静電集塵器を組み合わせることによって改善させられ得るという発明者による理解に基づいている。静電集塵器は知られているが、これまで、それらは、ユニットを通るガスのフローを最小にしか妨げない、誘起された静電電荷の力を使用して、ダストおよび煙のような微粒子を、流れているガスから除去する非常に効率的な濾過デバイスとして専ら使用されてきた。本発明者らは、プラズマ発生器と組み合わせた静電集塵器によって提供される機能性を使用することによって、浮遊病原菌の処理の効率を改善することが可能であることに気付いた。これまでは一緒にまたは両立して有用に用いられると考えてこられなかった2つの公知の技法の機能を組み合わせる装置によって、相乗効果が提供される。
【0020】
公知の静電集塵器は、2セットの電極から構成されており、非常に細く鋭い縁部を備える第1の電極が、典型的に、より大きい面積の第2の電極またはプレートに対してマイナスにバイアスされる。マイナスの鋭い電極は、近くの浮遊粒子に電子を供給し、それらをマイナスに帯電させる。プラスのプレートまたは電極は、電荷を帯びた粒子を静電的に引き付けて収集し、それによって、それらを空気から除去する。たとえば、内蔵式の静電集塵器を備える空気清浄機を開示する特許文献3を参照されたい。
【0021】
静電集塵器は浮遊粒子除去において効率的であることが理解されている。しかし、これらのデバイスは、それらの電極によって捕獲された病原菌を不活性化させない。いくつかの病原菌は、たとえば胞子のケースでは、最大数カ月もの期間にわたり好ましくない条件を生き抜く可能性があることに留意されたい。そのような病原菌は、時間の経過とともに、捕獲された粒子のいくつかが環境へ解放されて戻され得るので、病気伝播につながる可能性がある。
【0022】
本発明者らは、静電集塵器とプラズマ放電発生器を組み合わせることによって、以前には可能であると考えられなかったように、病原菌を効果的に捕捉して破壊することが可能であることに気付いた。ここで、本教示は、例示的なプラズマコイル静電集塵器アセンブリのいくつかの実施形態を参照して説明されることとなる。これらの例示的なアセンブリは、本教示の理解を支援するために提供されており、いかなる形でも限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。そのうえ、任意の1つの図を参照して説明されているエレメントまたはコンポーネントは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の図のものと置き換えられ得る。図示の簡単化および明確化のために、適当であると考えられる場合には、参照番号は、図の間で、対応するまたは同様のエレメントを示すために繰り返され得ることを理解されたい。
【0023】
本教示によるプラズマコイル静電集塵器アセンブリは、浮遊汚染物質を捕獲し、プラズマ放電場を発生させ、微生物または病原菌を含む空気汚染物質を効果的に殺菌し、または、有機の浮遊材料および粒子を酸化させる。
【0024】
プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100の構成が、
図1を参照して説明されており、それは、本発明による第1の実施形態を示している。プラズマコイルアセンブリ201は、静電ワイヤ電極アセンブリ301に隣接して示されている。より詳細に以降で説明されることとなるように、
図1および
図4に示されている矢印Aの方向に、電極アセンブリ301を通して、および、プラズマコイルアセンブリ201を通過して、空気が流される。空気フローが、プラズマコイルアセンブリ201の上および下にあることに留意されたい。空気フローはプラズマコイルアセンブリ201を通らないことに留意することが重要である。静電ワイヤ電極アセンブリ301は、空気フローの中の浮遊粒子の上に電荷を置く。電荷を帯びた粒子は、プラズマコイルアセンブリ201のコイル101に引き付けられ、コイル101の上に収集される。コイル101は、プラズマを放電するように構成されている。コイル101の上に収集された電荷を帯びた粒子の中に存在する病原菌は、このプラズマ放電に曝され、それによって不活性化される。
【0025】
図2は、説明の明確化の目的のために、静電ワイヤ電極アセンブリ301なしで示されている、
図1のコイルアセンブリ201の斜視図である。コイル101の上方および下方の空気フローを可能にする位置において、コイル101が絶縁スタンド204によって支持および保持されており、1つの絶縁スタンド204は、コイル101の長手方向軸線のそれぞれの端部に設けられていることが理解され得る。誘電体リテーナ202が、絶縁スタンド204の上の適切な場所に円筒コイル101を固定するために使用されている。また、誘電絶縁体キャップ203が、円筒コイル101のそれぞれの端部に設けられ、絶縁されたスタンド204からコイル101をさらに絶縁する。絶縁体キャップ203と絶縁されたスタンド204の組み合わせは、円筒コイル101が、コイルアセンブリ201が装着され得る任意の表面から絶縁されることを確実にする。以降でさらに説明されることとなるように、絶縁体キャップ203は、それらが円筒コイル101のさまざまな円筒形状のエレメントを一緒に保持するという点において、さらなる機能を有している。
【0026】
図3は、再び説明の明確化のために、コイルアセンブリ201なしの
図1の静電ワイヤ電極アセンブリ301を示している。絶縁サポート302は、ワイヤ電極303を保持している。電極303は、ループされて(looped)垂直方向に方向付けられている単一のワイヤを含む。電気接点304は、ワイヤのそれぞれの端部に取り付けられており、ワイヤ電極303を終端させている。これらの接点304は、電力供給部(図示せず)のための適切な電気的接続を提供している。電力供給部は、ワイヤ電極303に電力を提供し、ワイヤ電極303は、電極303を取り囲む電気的な電荷を操作可能に提供する。ワイヤ電極303は、放電電極と考えられ得る。その理由は、それが、充電電流を放出し、電圧を提供し、電圧が、ワイヤ電極303と円筒コイル101との間に電界を発生させるからである。電界は、空気の中の粒子をプラズマ発生器円筒コイル101に向けて移動させる。したがって、ワイヤ電極303によって発生された電荷を帯びた浮遊粒子は、不活性化ゾーンの中へ引き付けられ、不活性化ゾーンは、プラズマ発生器の周りにあり、具体的には、円筒コイル101のケースでは、不活性化ゾーンは、円筒コイル101の周りに外向きに円周方向に延在している。不活性化ゾーンは、約1~2cmの距離だけ、円筒コイル101の外側表面から外向きに延在している。浮遊粒子が不活性化ゾーンの中へ進入すると、次いで、プラズマ放電がすべての病原菌を破壊し、すべての望ましくない浮遊粒子を不活性化させるので、それらが無害にさせられる。次いで、浮遊粒子のうちのいくらかは、コイル101の上に沈着することとなることを理解されたい。しかし、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100が効果的に動作し、アセンブリ100のそばを流れている空気フローから望ましくない浮遊粒子を除去するためには、すべての浮遊粒子がプラズマ発生器円筒コイル101の上に沈着することは必須ではない。実際に、すべての浮遊粒子がプラズマ発生器円筒コイル101の上に沈着することは望ましくないことを理解されたい。必要とされるものは、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100が効果的に動作するために、浮遊粒子が不活性化ゾーンの中へ引き付けられることだけである。
【0027】
絶縁サポート302は、静電ワイヤ電極アセンブリ301が装着されている表面に電力が提供されないことを確実にする。
【0028】
ワイヤ電極303のワイヤは、適切に細いワイヤリングゲージのものであり、ワイヤ電極303の表面積が最小になるようになっている。たとえば、米国ワイヤゲージ規格(AWG)値の38(0.1mm直径)またはそれより大きいもの(0.1mm直径<)が、適切であることが見出されている。任意のゲージのワイヤが、それを通る空気フローをそれが著しくは妨げないという条件で、使用され得ることが当業者によって理解されることとなる。より大容量の静電ワイヤ電極アセンブリ301に関して、より大きいゲージワイヤが必要であることとなる。
【0029】
図4は、
図3に示されているものとは反対側から、静電ワイヤ電極アセンブリ301を示している。サポート302の上にワイヤ電極303を形成するためのワイヤのループされた配置は、この図からより良好に理解され得る。ワイヤは、絶縁サポート302の両側部の間でループされている。303に関するグリッド配置が、互いに平行になっている垂直方向のワイヤセクションによって示されている。しかし、さらなるワイヤセクションが互いに交差するグリッド配置も使用され得る。あるいは、
図4のワイヤセグメントが水平方向に配置されているグリッド配置も用いられ得る。当業者によって理解されることとなるように、空気フローを過度に妨げることなく、ワイヤ電極303を通過する空気粒子の上に十分な電荷を置く任意の配置が、本教示の静電ワイヤ電極アセンブリ301において使用され得る。空気フローの方向は、矢印「A」によって示されている。
【0030】
ここで、コイルアセンブリ201のさらなる詳細および特徴が、
図5、
図6、および
図7を参照して説明される。
図5に示されているように、プラズマコイルアセンブリ201は、高電圧電力供給部501が動作することを必要とする。プラズマコイルアセンブリ201は、1W/cm
2未満のパワー密度で動作し、プラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されている。
【0031】
好適な実施形態では、プラズマ発生器は、概して円筒形状のコイルアセンブリを含み、概して円筒形状のコイルアセンブリは、1W/cm
2未満のパワー密度で動作し、コイルアセンブリの長手方向軸線の周りに円周方向にプラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されている。最も好ましくは、プラズマ発生器は、0.1W/cm
2から0.5W/cm
2の範囲にあるパワー密度で動作されるように構成されている。これは、プラズマ発生にとって比較的低いパワー密度であり、プラズマ発生器の周りに不活性化ゾーンを生成させるのに効果的である。電気接点502は、
図5から
図7に示されている実施形態において、絶縁されたスタンド204の上に設けられており、電気接点502は、プラズマ発生用円筒コイル101に高電圧を印加するために使用される。
図5から理解され得るように、絶縁されたスタンド204は、1組のサポートホルダとしての役割を果たしており、円筒コイル101は、絶縁スタンド204から取り外し可能である。円筒コイル101は、円筒コイル101のためのサポートホルダとして機能する絶縁されたスタンド204に除去可能に係合可能である。とりわけ、絶縁体キャップ203の寸法および絶縁スタンド204の寸法が、対応するように構成されており、それぞれの絶縁体キャップ203をそのそれぞれの絶縁スタンド204の中へ押し込むことによって、絶縁体キャップ203が、タイトフィットな係合で絶縁スタンド204に係合され得るようになっているので、円筒コイル101の絶縁体キャップ203は、絶縁スタンド204に係合するように適合されている。とりわけ、絶縁体キャップ203の幅は、絶縁スタンド204の幅と同じであり、絶縁スタンド204と絶縁体キャップ203との間にタイトフィットを提供するようになっている。そのうえ、絶縁スタンド204には、アーチ形のレッジ部205が設けられており、絶縁体キャップ203が絶縁スタンド204の中に挿入されるときに、絶縁体キャップ203がアーチ形のレッジ部205に当接する。アーチ形のサポートレッジ部205は、絶縁スタンド204の中へさらに下に押し込まれている絶縁体キャップ203に対するストッパーとしての役割を果たし、また、アーチ形のサポートレッジ部205は、円筒コイル201を適切な位置に支持し、それが、円筒コイル101の上方および下方の空気フローを可能にするように最適に位置するようになっている。円筒コイル101は、本明細書で提示されている実施形態において、容易に除去および交換され得ることを理解されたい。これは、単に、絶縁体キャップ203に接触している状態から誘電体リテーナ202を後退させること、および、示されている矢印の方向に、円筒コイル101を持ち上げることを必要とする。
【0032】
本教示のプラズマコイルアセンブリ201の主な利点の1つは、円筒コイル101が、バッテリーまたは電球を取り換えるように、容易に交換され得ることであることを理解されたい。
【0033】
また、電力は、電力供給部501から電気接点502へ提供されることが当業者によって理解されることとなる。接点502と電力供給部との間の接続(たとえば、ワイヤリング)の正確な性質は、必要に応じて選ばれ得、また、電力供給部501およびコイルアセンブリ201が一緒に置かれることは必要ではない。次いで、電力供給部501からの電力は、絶縁されたスタンド204の上の接点502を通して、円筒コイル101の電気接点503へ渡される。上記に示されているように、プラズマコイルアセンブリ201は、1W/cm2未満のパワー密度で動作し、プラズマ放電を操作可能に発生させるように構成されている。最も好ましくは、プラズマ発生器は、0.1W/cm2から0.5W/cm2の範囲にあるパワー密度で動作されるように構成されている。
【0034】
また、変圧器(図示せず)が、電力供給部と接点503との間で使用され、高電圧の交流電流を提供することが可能である。また、電力供給部501は、本教示の静電ワイヤ電極アセンブリ301に電力を提供するために使用され得る。繰り返しになるが、具体的なワイヤリング構成は、必要に応じて、当業者によって選ばれ得る。
【0035】
図6は、絶縁スタンド204から除去されているときの円筒コイル101の斜視図である。円筒コイルは、誘電体絶縁体チューブ(dielectric insulator tube)601および外側メッシュ電極602を含むことが見られ得る。また、第1の電気接点603が設けられており、それは、より詳細に説明されることとなる。
【0036】
図7は、
図6の円筒コイルの斜視図であり、外側メッシュ電極602は、それが誘電体絶縁体チューブ601に部分的にだけ重なっているようにずらされている。それ加えて、内側電極701としての役割を果たす内側メッシュコイルも、見やすくするために、絶縁体チューブ601の中から延在するように示されている。操作可能に、内側メッシュコイル701は、誘電体絶縁体チューブ601の中に完全に囲まれている。また、第1の電気接点603は、内側電極701に直接的に取り付けられており、電力が、この電極701のメッシュコイルに直接的に供給されるようになっていることが理解され得る。別の電気接点702は、外側電極602に取り付けられている。
【0037】
内側および外側ワイヤメッシュは、内側電極701および外側電極602としての役割を果たし、内側および外側ワイヤメッシュは、それらのそれぞれの全表面積の周りにおいて、誘電体チューブ601との直接的な接触を維持する。これは、プラズマ発生の間に上昇したレベルのプラズマが作り出される空気ポケットが円筒コイルの周りにまったく存在しないことを確実にする。
【0038】
プラズマ放電は、電極の対、すなわち、内側電極701および外側電極602に電力を印加することによって、コイル101において発生される。印加された電力は、電極対の表面の間に、電極対の表面の周りに、および/または、電極対の表面の上に、DC放電またはAC放電のいずれかを維持する。
【0039】
本教示におけるプラズマ発生は、誘電体ガラスチューブ601によって絶縁された内側ワイヤメッシュシリンダ701を備える誘電体バリア放電(DBD)タイプのものである。コイル101の円筒形状の形状は、外側メッシュ602が円筒コイルの周りに円周方向に完全に延在すること、および、プラズマが円筒コイルからすべての方向に均一に放電されることを確実にする。
【0040】
誘電体バリア放電(DBD)は、絶縁誘電体バリアによって分離されている2つの電極の間の電気的な放電である。公知のDBDデバイスは、典型的に平面的であり、誘電体または円筒形状によって分離されている平行なプレートを使用し、それらの間に誘電体チューブを備える同軸のプレートを使用している。1つの同軸の構成では、誘電体は、共通の蛍光管と同じ形態で形状決めされている。それは、希ガスまたは希ガスハロゲン化物ミックスのいずれかによって、大気圧力で充填され、ガラス壁部が、誘電体バリアとしての役割を果たす。大気圧力レベルに起因して、そのようなプロセスは、維持するために高いエネルギーレベルを必要とする。共通の誘電材料は、ガラス、石英、セラミック、およびポリマーを含む。
【0041】
図8および
図9は、全体的に参照番号801によって示されているプラズマ発生器円筒コイルの代替的実施形態を示している。同様の数字は、
図5から
図7と
図8から
図9との間で、同様の特徴を示している。
図5から
図7を参照して上記に説明されているものと同様に、円筒コイル801は、円筒コイル801のためのサポートホルダとして機能する絶縁されたスタンド814に除去可能に係合可能である。とりわけ、絶縁体キャップ813の寸法および絶縁スタンド814の寸法が、対応するように構成されており、それぞれの絶縁体キャップ813をそのそれぞれの絶縁スタンド814の中へ押し込むことによって、絶縁体キャップ813が、タイトフィットな係合で絶縁スタンド4に係合され得るようになっているので、円筒コイル801の絶縁体キャップ813は、絶縁スタンド814に係合するように適合されている。とりわけ、絶縁体キャップ813の幅は、絶縁スタンド814の幅と同じであり、絶縁スタンド814と絶縁体キャップ813との間にタイトフィットを提供するようになっている。そのうえ、絶縁スタンド814には、アーチ形のレッジ部815が設けられており、絶縁体キャップ813が絶縁スタンド814の中に挿入されるときに、絶縁体キャップ203がアーチ形のレッジ部815に当接する。この実施形態では、それぞれのアーチ形のサポートレッジ部815がスロット816を含むことが留意されることとなる。アーチ形のサポートレッジ部215は、絶縁スタンド814の中へさらに下に押し込まれている絶縁体キャップ813に対するストッパーとしての役割を果たし、また、アーチ形のサポートレッジ部215は、円筒コイル801を適切な位置に支持し、それが、円筒コイル801の上方および下方の空気フローを可能にするように最適に位置するようになっている。円筒コイル801は、本明細書で提示されている実施形態において、容易に除去および交換され得ることを理解されたい。これは、単に、絶縁体キャップ813に接触している状態から誘電体リテーナ802を後退させること、および、示されている矢印の方向に、円筒コイル801を持ち上げることを必要とする。
【0042】
図8および
図9に示されている円筒コイル801の代替的実施形態は、円筒コイル801に関する電気接点803、803’の代替的な配置、とりわけ、プラズマ発生用円筒コイル801の内側メッシュ820および外側メッシュ822への電力供給のための電気接点の配置を含む。[単に簡単にするために、内側メッシュ820および外側メッシュ822は、シリンダとして
図8および
図9に示されていることに留意されたい。しかし、
図8および
図9の内側メッシュ820および外側メッシュ822は、
図5から
図7に示されている参照番号701、602によってそれぞれ示されているものと同じメッシュ構造を含むことを理解されたい。]プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100の動作は、
図5から
図7に示されている円筒コイル101、または、
図8および
図9に示されている円筒コイル801のいずれかを含むときに同じである。
図8は、絶縁スタンド814から除去されているときの円筒コイル801の斜視図である。円筒コイル801は、円筒コイル101のときと同様に、誘電体絶縁体チューブおよび外側メッシュ電極を含む。また、この実施形態では、より詳細に下記に説明されることとなるように、電気接点803、803’が設けられている。
【0043】
ここで
図9を参照すると、
図8の円筒コイル801の斜視図が示されており、外側メッシュ電極822は、それが誘電体絶縁体チューブ821に部分的にだけ重なっているようにずらされている。コイルアセンブリ801は、内側電極820として機能するための内側メッシュコイル820を含む。操作可能に、内側メッシュコイル820は、誘電体絶縁体チューブ821の中に完全に囲まれている。また、第1の電気接点803は、外側電極822に直接的に取り付けられており、電力が、この電極822のメッシュコイルに直接的に供給されるようになっていることが
図9から見られ得る。別の電気接点803’が、内側電極820に取り付けられている。それぞれの電気接点803、803’は、第1のリム部804、804’および第2のリム部805、805’を含む。このように、それぞれの電気接点803、803’は、概して、2つのリム部804、804’;805、805’からそれぞれ構成されるL字形状の部材の形態になっている。
図9において見ることができるように、第1のリム部804’は、内側電極820に直接的に接触しており、第2のリム部805’は、使用時に、絶縁スタンド814のアーチ形のサポートレッジ部815の上に設けられたスロット816を通して挿入され、第2のリム部805’が、アーチ形のサポートレッジ部815の下から下向きに延在するようになっており、また、電源への接続に関して、絶縁スタンド814の下側セクションの中で利用可能であるようになっている。また、
図9に示されているように、電気接点803は、電気接点803の第1のリム部804が外側電極822に直接的に接触している状態で、外側電極822に取り付けられており、第2のリム部805は、使用時に、絶縁スタンド814のスロット816を通して挿入されており、第2のリム部805は、電源への接続に関して、絶縁スタンド814のオープンセクションの中で利用可能である。
【0044】
内側ワイヤメッシュ820および外側ワイヤメッシュ822は、内側電極820および外側電極822としての役割を果たし、内側ワイヤメッシュ820および外側ワイヤメッシュ822は、それらのそれぞれの全表面積の周りにおいて、誘電体チューブ821との直接的な接触を維持する。これは、プラズマ発生の間に上昇したレベルのプラズマが作り出される空気ポケットが円筒コイルの周りにまったく存在しないことを確実にする。
【0045】
本教示におけるプラズマ発生は、誘電体ガラスチューブ601、821によって絶縁された内側ワイヤメッシュ円筒電極701、820を備える誘電体バリア放電(DBD)タイプのものである。コイル101、801の円筒形状の形状は、外側メッシュ602、822が円筒コイルプラズマ発生器101、801の周りに円周方向に完全に延在すること、および、プラズマが円筒コイル101、801からすべての方向に均一に放電されることを確実にする。
【0046】
プラズマ放電は、電極の対、すなわち、内側電極820および外側電極822に電力を印加することによって、コイル801において発生される。印加された電力は、内側電極820および外側電極822から構成される電極対の表面の間に、電極対の表面の周りに、および/または、電極対の表面の上に、DC放電またはAC放電のいずれかを維持する。
図16に示されている配置は、円筒コイル801に関する配置、また、円筒コイル101に関する配置の単なる1つの実施形態を示しており、それは、内側電極820および外側電極822へのAC電圧供給部であるとして示されていることを理解されたい。また、
図16に示されているように、この特定の実施形態では、たとえば、1,000Vから10,000V(1kVから10kV)の間の範囲にあるDC電圧、好ましくは、2,000ボルトから9,000ボルトの間の範囲にあるDC電圧、より好ましくは、3,000ボルトから8,000ボルトの間の範囲にあるDC電圧、最も好ましくは、4,000ボルトから7,000ボルトの間の範囲にあるDC電圧、また、理想的には、約5,000ボルトの電圧になっているDC電圧などが、ワイヤ電極、円筒電極、またはニードル電極アレイなどのような、静電集塵器と、円筒コイルプラズマ発生器101、801の外側メッシュとの間に印加される。
【0047】
誘電体バリア放電を実現するために必要とされる電圧パラメータおよび電流パラメータは、使用される誘電体の性質に主に依存することとなることを理解されたい。一般的に、1kVを下回る動作電圧は実用的ではなく、好ましくは、1kVから6kVの範囲にある動作電圧が、内側メッシュ電極と外側メッシュ電極との間に提供され、最も望ましくは、3kVから5kVの電圧が、内側メッシュ電極と外側メッシュ電極との間に提供される(たとえば、約4kVの電圧)。誘電体バリア放電を維持するために必要とされる電流は、それを開始させるために必要とされるものよりも著しく小さいことを理解されたい。プラズマ発生器ユニットの電流(ひいては、パワー)は、通常、起動電流の観点から表現される。1mAから10mAの範囲にある(起動)電流、好ましくは、少なくとも3mAの(起動)電流が使用されるべきである。プラズマ発生器のパワーは、当然のことながら、電圧および電流の組み合わせに依存することとなる。パワーは、一般的に、50ワット以下であるべきであり、また、好ましくは、少なくとも4ワットである。典型的に、パワーは、10ワットから40ワットの範囲にある。これらのパワーレベルは、とりわけ、プラズマ発生器が0.02m3から1.0m3程度のコンジット容積(conduit volume)を有する装置ユニットの一部として使用される場合に都合が良いことが見出された。
【0048】
プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100の個々のコンポーネントのそれぞれを説明してきたが、アセンブリ100の動作、すなわち、これらのコンポーネントの相互作用、および、プラズマコイルアセンブリ201と静電集塵器301との間の協働が、ここで説明されることとなる。
【0049】
図10を見てみると、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100の側面図が示されている。コイルアセンブリ201が静電ワイヤ電極アセンブリ301に隣接して位置決めされていることが見られ得る。
【0050】
高いDC電圧バイアスが、電極アセンブリ301の静電ワイヤ電極303とコイルアセンブリ201の外側ワイヤメッシュ電極602との間に印加される。変圧器を伴う上述の高電圧電力供給部501が、電圧を印加するために使用され得る。印加される電圧の極性は、ワイヤ電極303がコイル101の外側ワイヤメッシュ電極602に対してマイナスにバイアスされるようになっている。
【0051】
電極303と電極602との間の静電デバイスの正しい動作を可能にするために、ワイヤ電極303の表面積は、外側ワイヤメッシュ電極602のものよりも著しく小さくなっていることを理解されたい。当業者に知られているように、マイナスにバイアスされるワイヤ電極303は、尖っているべきであり、すなわち、それは、その周りの電界を強化するために、および、電子の放出を促進させるために、小さい面積を有しているべきである。他方では、コイル101に関して、その機能は、電荷を帯びた粒子を収集することであり(電子放出ではない)、したがって、表面積は、ワイヤ電極303のものほど小さくなっている必要はなく、そこでは、強化された電界は必要とされない。
【0052】
そのうえ、ワイヤ電極303と外側ワイヤメッシュ電極613との間の距離は、電極間の静電デバイスの正しい動作を可能にするように選ばれている。距離は、電極間に印加される所与の高電圧バイアスに関して最適化されるべきである。これらが近すぎる場合には、多過ぎる電子を解放するアーク放電がそれらの間に存在することとなり、電極に対する損傷を引き起こし、多過ぎる抗病原体を発生させることとなる。他方では、それらが、互いに遠く離れ過ぎている場合には、ワイヤ電極の上の電界は、十分に高くはなく、低い電子放出、および、不十分な粒子帯電性能をもたらす可能性がある。
【0053】
汚染物質および病原菌を運搬する、空気フロー901の中の浮遊粒子は、ワイヤ電極303によって静電的に帯電される。具体的には、浮遊粒子は、外側ワイヤメッシュ電極602に対してマイナスにバイアスされているワイヤ電極303によって放出された電子を収集する。次いで、電荷を帯びた浮遊粒子は、外側ワイヤメッシュ電極602に引き付けられ、外側ワイヤメッシュ電極602によって収集され、空気フロー901からそれらを効果的に除去する。外側ワイヤメッシュアセンブリ602に向かう空気フロー901の中の浮遊粒子および汚染物質のフローが、
図10の中で矢印902によって示されている。
【0054】
コイル101によるプラズマの発生は、コイル101の周りに不活性化ゾーンを生成させる。不活性化ゾーンは、プラズマが解放されるゾーンであり、病原菌を含む浮遊汚染材料を不活性化させるのに効果的であり、浮遊汚染材料は、電極602の上に収集され、空気フロー901の中に同伴されている。そのような浮遊汚染材料(浮遊汚染物質)は、健康を脅かす可能性があり、それは、3つのグループへと細分化され得、その3つのグループは、すなわち、(a)空気を介して環境全体に広がる病気を引き起こす任意の微生物を含む浮遊病原、(b)摂取、吸入、または接触されるときに、アレルギー反応を引き起こす任意の物質を含む浮遊アレルゲン、および、(c)空気中に浮いたままの微粒子の形態で高圧でスプレイされるように設計されている任意の製品を含む浮遊揮発性有機化合物(VOC)である。コイル101によって発生されるプラズマは、(a)から(c)の細区分に定義されているような浮遊汚染材料のいずれかを不活性化させるのに効果的である。
【0055】
また、サポートホルダとしての役割を果たす絶縁スタンド204が、コイルアセンブリ201が取り付けられ得る任意の表面の上方に円筒コイル101を浮上または上昇させることが
図10から見られ得る。そのような浮上させられたコイル101の構成は、空気フロー901によって示されているように、コイル101の上方および下方の空気循環を可能にする。具体的には、電極アセンブリを浮上させることによって、不活性化ゾーンが、円筒コイルの周りに円周方向に延在し、空気は、同じレベルのプラズマを受けながら、円筒コイル101の上方および下方の両方を通過することが可能である。コイルへの空気暴露を確実にする、コイル101の向きに対して垂直な方向への空気フローが最大化される。
【0056】
図11は、本発明のプラズマコイル静電集塵器アセンブリ100の動作における主要ステップを詳述している。ファンなどのようなインペラが、空気処理デバイス、または、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100を収容するダクティングを通して空気フローを強制的に送る(ステップ901)。発生された空気フローは、静電電極ワイヤアセンブリ301を通して空気ならびに浮遊粒子および汚染物質を強制的に送る(ステップ902)。浮遊粒子および汚染物質は、ワイヤ電極303の付近に持っていかれ、ワイヤ電極303は、電子を放出し、粒子および汚染物質をマイナスの電荷で帯電させる(ステップ903)。空気フローは、電荷を帯びた粒子および汚染物質をコイル101の付近に向けて強制的に送る(ステップ904)。コイル101の外側電極602は、プラスの電荷を有しており、したがって、マイナスに帯電された浮遊粒子および汚染物質は、外側ワイヤメッシュ電極602に引き付けられ、外側ワイヤメッシュ電極602によって収集される(ステップ905)。最後に、収集された浮遊粒子および汚染物質の中に存在している病原菌は、長期間にわたってプラズマ放電に曝され、連続的な分解をもたらし、完全な不活性化を確実にする(ステップ906)。それに加えて、浮遊しているままであり、すなわち、コイル101によって収集されておらず、上述の不活性化ゾーンの中にある、任意の粒子または病原菌が、コイル101からのプラズマ放電によって不活性化される。
【0057】
コイルアセンブリ201によって生成される上述の不活性化ゾーンの中のプラズマ濃度は、空気フローの中におよび収集された粒子の中に同伴されている浮遊汚染材料を効果的に不活性化させるのに十分であるが、プラズマの濃度を十分に低く維持することが望ましく、不活性化ゾーンの中のプラズマ放電によって生成される任意の抗病原体の濃度が、空気処理装置によって吐出される清浄空気の中で、生理学的に許容可能なレベルにあるようになっていることを理解されたい。本教示の静電集塵特徴は、プラズマ発生器の周りのプラズマ放電ゾーンによって生成される不活性化ゾーンの中へ、浮遊粒子および汚染物質を引き付けるように設計されており、また、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ100をその中に有する空気処理デバイスからの抗病原性副産物の出力の低減を可能にする。この低減は、高い不活性化の有効性を保ちながら、コイル101にプラズマ放電を維持するパワーの供給を安全に低減させることによって実現される。プラズマ発生器の周りのプラズマ放電ゾーンによって生成される不活性化ゾーンの中へ浮遊粒子および汚染物質を引き付けることは、コイル101の上に沈着および収集するそれらの浮遊粒子および汚染物質のいくらか(しかし、必ずしもまたは望ましくは、すべてではない)をもたらしながら、すべての浮遊粒子および汚染物質を不活性化されることを理解されたい。
【0058】
また、本発明のプラズマコイル静電集塵器アセンブリ100は、ダクティングシステムまたはコンジット(conduit)の中で用いられ得る。そのような構成では、空気は、ダクティングシステムを通して、コイル101からのプラズマ放電の周りに方向付けされ、または強制的に送られる。ダクティングシステムは、プラズマ放電の周りのすべての空気フローが放電の1センチメートル以内にあることを確実にするように設計されている。ダクティングは、外側ワイヤメッシュ電極602による粒子および汚染物質の収集を改善することが理解される。そのうえ、ダクティングは、静電的に帯電された電極をその内部表面の上に含むことが可能であり(マイナスに帯電されている)、マイナスに帯電された浮遊粒子および汚染物質を反発し、外側ワイヤメッシュ電極602による収集を改善する。具体的には、電極アセンブリ301によってマイナスに帯電された粒子は、ダクティングの(マイナスに帯電された)内部表面によって反発され、プラスに帯電されたメッシュ電極602に引き付けられる。
【0059】
図12は、本発明のプラズマコイル静電集塵器アセンブリの別の実施形態を示している。
図12の構成では、プラズマコイル静電集塵器アセンブリ1000は、以前の実施形態と同じコイルアセンブリ201を使用している。しかし、電極アセンブリ1001は異なっている。とりわけ、以前の実施形態の垂直方向のワイヤ電極303は、絶縁サポート1003によって適切な場所に保持される同心円状のワイヤ電極1002によって交換される。
【0060】
以前の実施形態のときと同様に、同心円状のワイヤ電極1002は、外側ワイヤメッシュ電極602に対してマイナスに帯電されており、空気フローは、同心円状のワイヤ電極1002を通して強制的に送られる。空気の中の粒子は、ワイヤ電極1002によってマイナスに帯電されており、プラスに帯電されたメッシュ電極602に引き付けられる。その後に、粒子は、メッシュ電極602の上に収集し、コイルアセンブリ201によって発生されたプラズマに曝される。
【0061】
電極アセンブリ1001の構成の利点は、外側ワイヤメッシュ電極601に対して同心円状のワイヤ電極1002を有することによって、両方の電極の間の距離が一定になっており、プラズマコイル静電集塵器アセンブリの最適化された性能をもたらすことを理解されたい。
【0062】
図13は、本発明のプラズマコイル静電集塵器アセンブリの好適な実施形態を示している。この実施形態では、垂直方向のワイヤ電極303は、直線状ニードル電極1101によって交換され、直線状ニードル電極1101は、絶縁サポート1102によって適切な場所に保持されている。絶縁スタンド814は、コイルアセンブリ801が取り付けられ得る任意の表面の上方に円筒コイル801を浮上または上昇させるように機能していることが
図13から見られ得る。そのような浮上させられたコイル801の構成は、
図10に示されているものと同じように、空気がコイル801の上方および下方を流れることを可能にする。具体的には、内側電極820および外側電極822を含む電極アセンブリを浮上させることによって、不活性化ゾーンは、円筒コイル801の周りに完全に延在しており、空気は、同じレベルのプラズマを受けながら、円筒コイル801の上方および下方の両方を通過することが可能である。空気は、コイル801の向きに対して垂直な方向に流れ、したがって、空気が直線状ニードル電極アレイ1101を通過した後のその空気フローの中の電荷を帯びた浮遊汚染材料が、不活性化ゾーンの中へ引き付けられることを確実にする。不活性化ゾーンは、約1cmから2cmだけ、プラズマ発生器から外向きに延在している。プラズマ発生器が円筒コイルアセンブリを含む、示されている実施形態では、不活性化ゾーンは、約1cmから2cmだけ円筒コイルから外向きに、円筒コイルの周りに円周方向に延在している。
【0063】
直線状ニードル電極アレイ1101は、鋭い先端部1106を有する複数のニードル電極1105を含む。直線状ニードル電極アレイ1101は、単一の直線状アレイ(linear array)のニードル電極として考えられ得、また、1つのラインだけの電極が
図11に示されているが、代替的実施形態では、複数の列のニードル電極1105が、たとえば、互いに対して平行に、ニードル電極の上に設けられ得る。たとえば、複数の平行な直線状ニードル電極アレイが、電極の上に設けられ得る。また、ニードル電極アレイの他の配置も提供され得る。
【0064】
図14および
図15に示されているように、電極1101は、静電集塵器801(または、静電集塵器101)から所定の距離に位置する。ワイヤ電極、もしくは、ニードル電極の先端部であろうと、または、他の形態の電極であろうと、所定の距離は、電極から外側メッシュ電極602の外側表面の上の最も近い点までの距離として測定される。たとえば、
図14に示されているように、それぞれのニードル電極1105のそれぞれのニードル先端部1106から外側メッシュ電極822の外側表面までの距離は、文字aによって示されている。この所定の距離「a」は、ニードル電極1101と静電集塵器801(または101)との間のアーク放電を防止するように構成されているが、それと同時に、ニードル電極静電集塵器とプラズマ発生器との間の協働を可能にし、ニードル電極静電集塵器によって帯電された電荷を帯びた浮遊粒子が、プラズマ発生器の周りの不活性化ゾーンの中へ引き付けられるようになっている。この所定の距離は、0.5cmから2cmの範囲にあり、好ましくは、その距離は、約1cmである。
【0065】
以前に説明された実施形態のときと同様に、高いDC電圧バイアスが、ニードル電極アレイ1101のニードル1105とコイルアセンブリ801の外側ワイヤメッシュ電極822との間に印加される。変圧器を伴う上述の高電圧電力供給部501が、電圧を印加するために使用され得る。印加される電圧の極性は、ニードル電極アレイ1101がプラズマ発生用コイルアセンブリ801の外側ワイヤメッシュ電極822に対してマイナスにバイアスされるようになっている。ニードル電極アレイ1101からの空気フローの中のマイナスに帯電された浮遊粒子が、コイルアセンブリ801の外側ワイヤメッシュ電極822に向けて引き付けられることを確実にするように、電圧が設定される。病原菌を含む電荷を帯びた浮遊汚染材料を含む電荷を帯びた浮遊粒子を、不活性化ゾーンの中へ引き付けるようなレベルに、電圧が設定され、浮遊汚染材料が不活性にかつ無害にされるようになっている。不活性化ゾーンは、約1cmから2cmだけ円筒コイルから外向きに、円筒コイルの周りに円周方向に延在している。ニードル電極アレイ1101とコイルアセンブリ801の外側ワイヤメッシュ電極822との間の電圧は、1,000ボルトから10,000ボルトの間の範囲にあり、好ましくは、2,000から9,000の間の範囲にあり、より好ましくは、3,000ボルトから8,000ボルトの間の範囲にあり、最も好ましくは、4,000ボルトから7,000ボルトの間の範囲にあり、理想的には、約5,000ボルトである。
【0066】
したがって、ニードル電極アレイ1101は、外側ワイヤメッシュ電極602に対してマイナスに帯電されている。空気フローは、ニードル電極1101を通過して静電集塵器801に向けて強制的に送られる。ニードル電極アレイ1101の利点は、ニードル電極1105の鋭い先端部1106が、ニードル電極アレイ1101のニードル電極1105によるより高い電子放出をもたらし、最適化された静電集塵性能をもたらすことであることを理解されたい。また、利点は、静電集塵器電極1101とコイル101との間のDC高電圧差を低減させるために使用され得、それは、不活性化の有効性を維持しながら、プラズマ放電による抗病原性副産物のより低い放出に貢献する。
【0067】
本教示は、浮遊病原菌をプラズマ放電の付近に引き付けるための、ならびに、デバイスによって発生されたプラズマ放電および抗病原性副産物に、それらが可能な限り長く曝されることを維持するための、空気処理デバイスを提供することを理解されたい。そのうえ、デバイスは、電極アセンブリの表面の上に浮遊病原菌を捕獲し、その上に、プラズマ放電が発生され、不活性化有効性を最適化する。
【0068】
また、別々の実施形態を参照したプラズマコイル静電集塵器アセンブリの上記の説明は、1つの実施形態を参照して説明されている特徴またはコンポーネントが、第2の実施形態を参照して説明されているものに関して使用または置き換えられることができないという限定を伝えることを意図していないことを理解されたい。含む(comprises/comprising)という語句は、本明細書において使用されるときに、述べられている特徴、整数、ステップ、またはコンポーネントの存在を特定するものであるが、1または複数の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント、または、それらのグループの存在または付加を除外するものではない。