(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】リモート送信ユニット、リモート受信ユニット及びリモートユニット
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20220121BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20220121BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20220121BHJP
H04B 7/022 20170101ALI20220121BHJP
【FI】
H04B7/06 150
H04L27/26 100
H04B7/08 420
H04B7/022
(21)【出願番号】P 2020143977
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2020034604
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:令和1年10月4日、集会名:一般社団電子情報通信学会 通信ソサイエティ MIKA 2019、開催場所:北海道大学
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:令和1年11月4日、集会名:SmartCom 2019-The 6th International Workshop on Smart Wireless Communications、開催場所:ラトガーズ大学 イン アンド カンファレンス センター
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:令和1年11月22日、集会名:Wireless Innovation Forum WinnComm 2019、開催場所:アトキンソンホール
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、総務省、「電波資源拡大のための研究開発」の「第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】591280197
【氏名又は名称】株式会社構造計画研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義巳
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/225056(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/087775(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/013451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/02-7/12
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナエレメントを有するリモート送信ユニットであって、
ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメントに対応した振幅・位相制御信号を抽出する送信ビームフォーミング制御信号分配部と、
時間領域のI-Q信号であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT(Fast Fourier Transform)入力ポイント数を統一する送信CP除去部と、
前記FFT入力ポイント数を統一した前記OFDM変調信号をFFT処理し、前記OFDM変調信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する送信FFT部と、
送信ユニット部と、
を備え、
前記送信ユニット部は、
分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する送信サブキャリア振幅・位相制御部と、
前記乗算信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理する送信IFFT部と、
IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する送信CP付加部と、
生成した前記OFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換するDAC部と、
変換した前記アナログベースバンド信号をRF(Radio Frequency)信号に周波数変換し、増幅して、前記アンテナエレメントに供給する周波数変換増幅部と、
を有することを特徴とするリモート送信ユニット。
【請求項2】
請求項
1に記載のリモート送信ユニットにおいて、
前記送信ユニット部を複数備え、
前記各送信ユニット部の前記周波数変換増幅部から前記アンテナエレメントに前記RF信号が供給されることを特徴とするリモート送信ユニット。
【請求項3】
複数のアンテナエレメントを有するリモート受信ユニットであって、
ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメントに対応した振幅・位相制御信号を抽出する受信ビームフォーミング制御信号分配部と、
受信ユニット部と、
を備え、
前記受信ユニット部は、
前記アンテナエレメントから送信されたRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換する増幅周波数変換部と、
変換した前記アナログベースバンド信号をサンプリングし、ディジタルI-Q信号に変換するADC部と、
前記ディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する受信CP除去部と、
前記FFT入力ポイント数を統一した前記ディジタルI-Q信号をFFT処理し、前記ディジタルI-Q信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する受信FFT部と、
分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する受信サブキャリア振幅・位相制御部と、
を有し、
生成した乗算信号を加算し、周波数領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を生成する加算部と、
を備えることを特徴とするリモート受信ユニット。
【請求項4】
請求項
3に記載のリモート受信ユニットにおいて、
前記受信ユニット部を複数備え、
前記各受信ユニット部の前記増幅周波数変換部が前記アンテナエレメントから前記RF信号を受信することを特徴とするリモート受信ユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のリモート送信ユニットと、請求項
3に記載のリモート受信ユニットとを備えることを特徴とするリモートユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート送信ユニット、リモート受信ユニット及びリモートユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信方式の技術仕様の標準化に際して、第4世代の1000倍の通信スピードの実現を目指すeMBB(enhanced Mobile Broadband)と並んで実現目標の一つとされたmMTC(massive Machine Type Communication)を実現するためには、1台の基地局に対して、数千台の端末との通信を可能にする必要がある。
【0003】
通信速度の向上のためには、周波数、タイムスロット、送信電力等の限られた無線リソースの最適化を要する。この送信電力やS/Nの最適化を図る手段として、多数のアンテナエレメントの集合体として構築されるアレーアンテナを利用し、通信を必要とする端末にビームを集中させるビームフォーミング技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第5世代移動通信方式の仕様である3GPP(3rd Generation Partnership Program)Release15~17で規定されているビームフォーミングでは、基地局に割当てられる100MHz~数百MHzの帯域全体が一つのビームとして制御されるので、ある瞬間においては特定の1方向のみにビームを振り向けることしかできない。
【0006】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、同一タイムスロットにおいてスペクトラムを分割してそれぞれを個別の端末に向けたビームを形成することができるリモート送信ユニット、リモート受信ユニット及びリモートユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るリモート送信ユニットは、複数のアンテナエレメントを有するリモート送信ユニットであって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメントに対応した振幅・位相制御信号を抽出する送信ビームフォーミング制御信号分配部と、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT(Fast Fourier Transform)入力ポイント数を統一する送信CP除去部と、前記FFT入力ポイント数を統一した前記OFDM変調信号をFFT処理し、前記OFDM変調信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する送信FFT部と、送信ユニット部と、を備え、前記送信ユニット部は、分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する送信サブキャリア振幅・位相制御部と、前記乗算信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理する送信IFFT部と、IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する送信CP付加部と、生成した前記OFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換するDAC部と、変換した前記アナログベースバンド信号をRF(Radio Frequency)信号に周波数変換し、増幅して、前記アンテナエレメントに供給する周波数変換増幅部と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記リモート送信ユニットにおいて、前記送信ユニット部を複数備え、前記各送信ユニット部の前記周波数変換増幅部から前記アンテナエレメントに前記RF信号が供給されることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るリモート受信ユニットは、複数のアンテナエレメントを有するリモート受信ユニットであって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメントに対応した振幅・位相制御信号を抽出する受信ビームフォーミング制御信号分配部と、受信ユニット部と、を備え、前記受信ユニット部は、前記アンテナエレメントから送信されたRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換する増幅周波数変換部と、変換した前記アナログベースバンド信号をサンプリングし、ディジタルI-Q信号に変換するADC部と、前記ディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する受信CP除去部と、前記FFT入力ポイント数を統一した前記ディジタルI-Q信号をFFT処理し、前記ディジタルI-Q信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する受信FFT部と、分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する受信サブキャリア振幅・位相制御部と、有し、生成した乗算信号を加算する加算部と、加算した前記乗算信号をIFFT処理する受信IFFT部と、IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する受信CP付加部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
前記リモート受信ユニットにおいて、前記受信ユニット部を複数備え、前記各受信ユニット部の前記増幅周波数変換部が前記アンテナエレメントから前記RF信号を受信することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るリモートユニットは、リモート送信ユニットと、リモート受信ユニットとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のリモート送信ユニット、リモート受信ユニット及びリモートユニットでは、同一タイムスロット内においても割当てられたリソース毎に複数の個別の端末向けのビームを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る基地局の説明図である。
【
図4】リモート送信ユニットの処理手順の説明図である
【
図5】リモート受信ユニットの処理手順の説明図である
【
図6】本発明の他の実施形態に係る基地局の説明図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るリモート送信ユニットの説明図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るリモート受信ユニットの説明図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係るリモート送信ユニットの処理手順の説明図である
【
図10】本発明の他の実施形態に係るリモート受信ユニットの処理手順の説明図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
<基地局10の構成>
以下に、本発明の実施形態に係る基地局10、リモート送信ユニット200及びリモート受信ユニット300を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る基地局10の説明図であり、
図2は、リモート送信ユニット200の説明図であり、
図3は、リモート受信ユニット300の説明図である。
【0017】
基地局10は、リモートユニット100(Remote Unit)、分散ノード400(Distributed Unit)及び集約ノード500(Central Unit)を備える。リモートユニット100は、アンテナエレメント102、リモート送信ユニット200及びリモート受信ユニット300を備える。ここで、アンテナエレメント102は、アンテナエレメント102-1、102-2・・・・102-nと複数のアレイアンテナから構成される。
【0018】
<リモート送信ユニット200の構成>
リモート送信ユニット200は、送信ビームフォーミング制御信号分配部202、送信CP除去部204、送信FFT部206及び送信ユニット部210を備える。
【0019】
送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、周波数領域のI-Q信号であるビームフォーミング(BF:Beam Forming)制御信号から各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出する手段である。
【0020】
送信CP除去部204は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT(Fast Fourier Transform)入力ポイント数を統一する手段である。
【0021】
送信FFT部206は、ベースバンドの時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号をFFT処理し、すなわち、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、前記OFDM変調信号をサブキャリア毎の、例えば、QPSK、16QAM、64QAM等の1次変調信号に分離する手段である。
【0022】
送信ユニット部210は、送信サブキャリア振幅・位相制御部212、送信IFFT部214、送信CP付加部216、DAC部218及び周波数変換増幅部220を備える。また、送信ユニット部210は、アンテナエレメント102に対応する数が設けられている。すなわち、送信ユニット部210は、送信ユニット部210-1、210-2・・・・210-nと複数ある。
【0023】
送信サブキャリア振幅・位相制御部212は、OFDM変調信号のサブキャリアから分離したサブキャリア毎の1次変調信号と、ビームフォーミング制御信号から抽出した振幅・位相制御信号(振幅・位相変換ベクトル)とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する手段である。
【0024】
送信IFFT部214は、受信した信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理し、すなわち、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する手段である。
【0025】
送信CP付加部216は、受信した信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する手段である。
【0026】
DAC部218は、受信したOFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換する手段である。
【0027】
周波数変換増幅部220は、アナログベースバンド信号をRF(Radio Frequency)信号に周波数変換し、増幅する手段である。
【0028】
<リモート受信ユニット300の構成>
リモート受信ユニット300は、受信ビームフォーミング制御信号分配部302、受信ユニット部310、加算部322、受信IFFT部324及び受信CP付加部326を備える。
【0029】
受信ビームフォーミング制御信号分配部302は、送信ビームフォーミング制御信号分配部202と同様の機能を有する手段である。
【0030】
受信ユニット部310は、増幅周波数変換部312、ADC部314、受信CP除去部316、受信FFT部318及び受信サブキャリア振幅・位相制御部320を備える。また、受信ユニット部310は、アンテナエレメント102に対応する数が設けられている。すなわち、受信ユニット部310は、受信ユニット部310-1、310-2・・・・310-nと複数有する。
【0031】
増幅周波数変換部312は、受信したRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換する手段である。
【0032】
ADC部314は、受信したアナログベースバンド信号をサンプリングし、ディジタルI-Q信号に変換する手段である。
【0033】
受信CP除去部316は、受信したディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する手段である。
【0034】
受信FFT部318は、受信したディジタルI-Q信号をFFT処理し、すなわち、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、前記ディジタルI-Q信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する手段である。
【0035】
受信サブキャリア振幅・位相制御部320は、送信サブキャリア振幅・位相制御部212と同様の機能を有する手段である。加算部322は、各受信ユニット部310から受信した信号を加算する手段である。受信IFFT部324は、送信IFFT部214と同様の機能を有する手段である。受信CP付加部326は、送信CP付加部216と同様の機能を有する手段である。
【0036】
<リモート送信ユニット200の動作の説明>
次に、リモート送信ユニット200の動作について、
図2、
図4を用いて説明する。
図4は、リモート送信ユニット200の処理手順の説明図である。
【0037】
送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、分散ノード400から送信された周波数領域のI-Q信号であるビームフォーミング制御信号を受信する(ステップS1)。送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、受信した前記ビームフォーミング制御信号から、各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出し、送信サブキャリア振幅・位相制御部212に送信する(ステップS2)。
【0038】
送信CP除去部204は、分散ノード400から送信されたベースバンドの時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を受信する(ステップS3)。送信CP除去部204は、受信した前記OFDM変調信号からサイクリックプレフィックスを除去し、固定サイズのFFT処理に合わせるために、FFT入力ポイント数を前記固定サイズに統一し、処理後のOFDM変調信号を送信FFT部206に送信する(ステップS4)。ここで、固定サイズは、例えば、2048ptである。
【0039】
送信FFT部206は、受信した前記OFDM変調信号をFFT処理し、サブキャリア毎の1次変調信号に分離し、送信サブキャリア振幅・位相制御部212に送信する(ステップS5)。
【0040】
送信サブキャリア振幅・位相制御部212は、受信した前記1次変調信号と、送信ビームフォーミング制御信号分配部202が抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算し、生成した乗算信号を送信IFFT部214に送信する(ステップS6)。
【0041】
送信IFFT部214は、受信した前記乗算信号をIFFT処理し、送信CP付加部216に送信する(ステップS7)。
【0042】
送信CP付加部216は、受信したIFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDMフレームを構築し、生成したOFDM変調信号をDAC部218に送信する(ステップS8)。
【0043】
DAC部218は、受信した前記OFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換し、周波数変換増幅部220に送信する(ステップS9)。
【0044】
周波数変換増幅部220は、受信した前記アナログベースバンド信号をRF信号に周波数変換し、増幅して、アンテナエレメント102に供給する(ステップS10)。なお、必要に応じて、BPF(Band Pass Filter)又は、LPF(Low Pass Filter)を挿入してスプリアス成分を除去しても良い。
【0045】
また、送信ユニット部210-1から生成されたRF信号は、アンテナエレメント102-1に供給されるように、各送信ユニット部210で生成されたRF信号が、対応する各アンテナエレメント102、すなわち、アンテナエレメント102-1、102-2・・・・102-nに供給される。
【0046】
リモート送信ユニット200は、複数のアンテナエレメント102を有するリモート送信ユニット200であって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出する送信ビームフォーミング制御信号分配部202と、時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する送信CP除去部204と、前記FFT入力ポイント数を統一した前記OFDM変調信号をFFT処理し、前記OFDM変調信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する送信FFT部206と、送信ユニット部210と、を備え、前記送信ユニット部210は、分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する送信サブキャリア振幅・位相制御部212と、前記乗算信号をIFFT処理する送信IFFT部214と、IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する送信CP付加部216と、生成した前記OFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換するDAC部218と、変換した前記アナログベースバンド信号をRF信号に周波数変換し、増幅して、前記アンテナエレメント102に供給する周波数変換増幅部220と、を有する。
【0047】
前記リモート送信ユニット200において、前記送信ユニット部210を複数備え、前記各送信ユニット部210の前記周波数変換増幅部220から前記アンテナエレメント102に前記RF信号が供給される。
【0048】
リモート送信ユニット200によれば、同一タイムスロット内においても割当てられたリソース毎に複数の個別の端末向けのビームを形成することができる。
【0049】
<リモート受信ユニット300の動作の説明>
次に、リモート受信ユニット300の動作について、
図3、
図5を用いて説明する。
図5は、リモート受信ユニット300の処理手順の説明図である
【0050】
受信ビームフォーミング制御信号分配部302は、分散ノード400から送信されたビームフォーミング制御信号を受信する(ステップS11)。受信ビームフォーミング制御信号分配部302は、受信した前記ビームフォーミング制御信号から、各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出し、受信ユニット部310に送信する(ステップS12)。
【0051】
増幅周波数変換部312は、アンテナエレメント102から送信されたRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換し、ADC部314に送信する(ステップS13)。
【0052】
ADC部314は、受信したアナログベースバンド信号をサンプリングし、時間領域の信号であるディジタルI-Q信号に変換し、受信CP除去部316に送信する(ステップS14)。
【0053】
受信CP除去部316は、受信した前記ディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、固定サイズのFFT処理に合わせるために、FFT入力ポイント数を前記固定サイズに統一し、処理後のディジタルI-Q信号を受信FFT部318に送信する(ステップS15)。ここで、固定サイズは、例えば、2048ptである。
【0054】
受信FFT部318は、受信したディジタルI-Q信号をFFT処理し、各サブキャリア毎の1次変調信号に分離し、受信サブキャリア振幅・位相制御部320に送信する(ステップS16)。
【0055】
受信サブキャリア振幅・位相制御部320は、受信した前記1次変調信号と、受信ビームフォーミング制御信号分配部302が抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算し、生成した乗算信号を加算部322に送信する(ステップS17)。
【0056】
加算部322は、各受信ユニット部310、すなわち、受信ユニット部310-1、310-2・・・・310-nから送信された乗算信号を加算し、受信IFFT部324に送信する(ステップS18)。
【0057】
受信IFFT部324は、受信した加算した乗算信号をIFFT処理し、受信CP付加部326に送信する(ステップS19)。
【0058】
受信CP付加部326は、受信したIFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDMフレームを構築し、生成した時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を分散ノード400に送信する(ステップS20)。
【0059】
リモート受信ユニット300は、複数のアンテナエレメント102を有するリモート受信ユニット300であって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出する受信ビームフォーミング制御信号分配部302と、受信ユニット部310と、を備え、前記受信ユニット部310は、前記アンテナエレメント102から送信されたRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換する増幅周波数変換部312と、変換した前記アナログベースバンド信号をサンプリングし、ディジタルI-Q信号に変換するADC部314と、前記ディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する受信CP除去部316と、前記FFT入力ポイント数を統一した前記ディジタルI-Q信号をFFT処理し、前記ディジタルI-Q信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する受信FFT部318と、分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する受信サブキャリア振幅・位相制御部320と、有し、生成した乗算信号を加算する加算部322と、加算した前記乗算信号をIFFT処理する受信IFFT部324と、IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を生成する受信CP付加部326と、を備える。
【0060】
前記リモート受信ユニット300において、前記受信ユニット部310を複数備え、前記各受信ユニット部310の前記増幅周波数変換部312が前記アンテナエレメント102から前記RF信号を受信する。
【0061】
リモート受信ユニット300によれば、同一タイムスロット内においても割当てられたリソース毎に複数の個別の端末向けのビームを形成することができる。
【0062】
<基地局10Aの構成>
以下に、本発明の他の実施形態に係る基地局10A、リモート送信ユニット200A及びリモート受信ユニット300Aを実施するための形態について、図面を用いて説明する。
図6は、本発明の他の実施形態に係る基地局10Aの説明図であり、
図7は、リモート送信ユニット200Aの説明図であり、
図8は、リモート受信ユニット300Aの説明図である。
【0063】
基地局10Aは、リモートユニット100A、分散ノード400及び集約ノード500を備える。リモートユニット100Aは、アンテナエレメント102、リモート送信ユニット200A及びリモート受信ユニット300Aを備える。なお、リモートユニット100Aは、O-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance)準拠のシステムである。
【0064】
<リモート送信ユニット200Aの構成>
リモート送信ユニット200Aは、送信ビームフォーミング制御信号分配部202及び送信ユニット部210Aを備える。リモート送信ユニット200Aは、リモート送信ユニット200に対して、リモート送信ユニット200が備える送信CP除去部204及び送信FFT部206を備えていない。また、送信ユニット部210Aは、送信サブキャリア振幅・位相制御部212A、送信IFFT部214、送信CP付加部216、DAC部218及び周波数変換増幅部220を備える。なお、リモート送信ユニット200Aが備える送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、リモート送信ユニット200が備える送信ビームフォーミング制御信号分配部202と同様であり、また、送信ユニット部210Aが備える送信IFFT部214、送信CP付加部216、DAC部218及び周波数変換増幅部220は、送信ユニット部210が備える送信IFFT部214、送信CP付加部216、DAC部218及び周波数変換増幅部220と同様であり、その構成の説明については省略する。さらに、送信ユニット部210Aは、アンテナエレメント102に対応する数が設けられている。すなわち、送信ユニット部210Aは、送信ユニット部210A-1、210A-2・・・・210A-nと複数ある。
【0065】
送信サブキャリア振幅・位相制御部212Aは、ベースバンドの時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を受信し、受信したOFDM変調信号と、ビームフォーミング制御信号から抽出した振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する手段である。
【0066】
<リモート受信ユニット300Aの構成>
リモート受信ユニット300Aは、受信ビームフォーミング制御信号分配部302、受信ユニット部310及び加算部322を備える。リモート受信ユニット300Aは、リモート受信ユニット300に対して、リモート受信ユニット300が備える受信IFFT部324及び受信CP付加部326を備えていない。なお、リモート受信ユニット300Aが備える受信ビームフォーミング制御信号分配部302、受信ユニット部310及び加算部322は、リモート受信ユニット300が備える受信ビームフォーミング制御信号分配部302、受信ユニット部310及び加算部322と同様であり、その構成の説明については省略する。
【0067】
<リモート送信ユニット200Aの動作の説明>
次に、リモート送信ユニット200Aの動作について、
図7、
図9を用いて説明する。
図9は、リモート送信ユニット200Aの処理手順の説明図である。
【0068】
送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、分散ノード400から送信された周波数領域のI-Q信号であるビームフォーミング制御信号を受信する(ステップS1)。送信ビームフォーミング制御信号分配部202は、受信した前記ビームフォーミング制御信号から、各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出し、送信サブキャリア振幅・位相制御部212Aに送信する(ステップS2)。
【0069】
送信サブキャリア振幅・位相制御部212Aは、分散ノード400から送信されたベースバンドの時間領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を受信する(ステップS3a)。
【0070】
送信サブキャリア振幅・位相制御部212Aは、受信したOFDM変調信号と、送信ビームフォーミング制御信号分配部202が抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算し、生成した乗算信号を送信IFFT部214に送信する(ステップS6a)。
【0071】
以降のリモート送信ユニット200Aの処理手順は、リモート送信ユニット200の処理手順であるステップS7~ステップS10と同様であるので説明を省略する。
【0072】
リモート送信ユニット200Aは、複数のアンテナエレメント102を有するリモート送信ユニット200Aであって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出する送信ビームフォーミング制御信号分配部202と、送信ユニット部210Aと、を備え、前記送信ユニット部210Aは、周波数領域のI-Q信号であるOFDM変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する送信サブキャリア振幅・位相制御部212と、前記乗算信号をIFFT処理する送信IFFT部214と、IFFT処理した前記乗算信号にサイクリックプレフィックスを付加し、OFDM変調信号を生成する送信CP付加部216と、生成した前記OFDM変調信号をアナログベースバンド信号に変換するDAC部218と、変換した前記アナログベースバンド信号をRF信号に周波数変換し、増幅して、前記アンテナエレメント102に供給する周波数変換増幅部220と、を有する。
【0073】
<リモート受信ユニット300Aの動作の説明>
リモート受信ユニット300Aの処理手順は、リモート受信ユニット300の処理手順であるステップS11~ステップS17と同様であるので説明を省略する。
【0074】
加算部322は、各受信ユニット部310、すなわち、受信ユニット部310-1、310-2・・・・310-nから送信された乗算信号を加算し、周波数領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を生成する(ステップS18a)。
【0075】
リモート受信ユニット300Aは、複数のアンテナエレメント102を有するリモート受信ユニット300Aであって、ビームフォーミング制御信号から前記各アンテナエレメント102に対応した振幅・位相制御信号を抽出する受信ビームフォーミング制御信号分配部302と、受信ユニット部310と、を備え、前記受信ユニット部310は、前記アンテナエレメント102から送信されたRF信号を増幅し、アナログベースバンド信号に変換する増幅周波数変換部312と、変換した前記アナログベースバンド信号をサンプリングし、ディジタルI-Q信号に変換するADC部314と、前記ディジタルI-Q信号からサイクリックプレフィックスを除去し、FFT入力ポイント数を統一する受信CP除去部316と、前記FFT入力ポイント数を統一した前記ディジタルI-Q信号をFFT処理し、前記ディジタルI-Q信号をサブキャリア毎の1次変調信号に分離する受信FFT部318と、分離した前記1次変調信号と、抽出した前記振幅・位相制御信号とをサブキャリア毎に、複素数乗算した乗算信号を生成する受信サブキャリア振幅・位相制御部320と、有し、生成した乗算信号を加算し、周波数領域のI-Q信号であるOFDM変調信号を生成する加算部322と、を備える。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0077】
10、10A…基地局
100、100A…リモートユニット
102…アンテナエレメント
200、200A…リモート送信ユニット
202…送信BF制御信号分配部
204…送信CP除去部
206…送信FFT部
210、210A…送信ユニット部
212、212A…送信サブキャリア振幅・位相制御部
214…送信IFFT部
216…送信CP付加部
218…DAC部
220…周波数変換増幅部
300、300A…リモート受信ユニット
302…受信BF制御信号分配部
310…受信ユニット部
312…増幅周波数変換部
314…ADC部
316…受信CP除去部
318…受信FFT部
320…受信サブキャリア振幅・位相制御部
322…加算部
324…受信IFFT部
326…受信CP付加部
400…分散ノード
500…集約ノード