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特許7012802錠剤に対する印刷及び検査を行う錠剤印刷及び検査装置ならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】錠剤に対する印刷及び検査を行う錠剤印刷及び検査装置ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/06 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
A61J3/06 Q
A61J3/06 R
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020182916
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2021194513
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0071223
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年11月5日~7日にCPhI worldwideにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】517361454
【氏名又は名称】株式会社 エンクロニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】イ キュン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン-イン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000208(JP,A)
【文献】特開2016-055057(JP,A)
【文献】特開2018-117949(JP,A)
【文献】特表2018-513766(JP,A)
【文献】特開2020-49164(JP,A)
【文献】特開2020-49226(JP,A)
【文献】国際公開第2017/131211(WO,A1)
【文献】特開2017-6457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる移送部と、
一列に配置された前記錠剤の位置ずれ及び姿勢のずれを判別するように前記錠剤が移送される移送経路に沿って位置し、移送中の前記錠剤の外観画像を撮影するように配置される事前撮影部と、
前記錠剤が移送される移送経路に沿って前記事前撮影部の次に位置し、前記事前撮影部で撮影した画像を介して獲得した判別結果を考慮して印刷を行う錠剤印刷部と、
前記錠剤が移送される移送経路に沿って前記錠剤印刷部の次に位置し、前記印刷された錠剤の外観又は印刷結果を検査するように移送中の前記錠剤の外観を撮影する印刷後撮影部と、を含み、
前記事前撮影部は、移送中の錠剤の外観画像を獲得して錠剤の位置を認識し、画像処理を介して獲得した前記錠剤の位置、姿勢、シフト変化、及びローテーション情報のうち少なくとも一つを含む錠剤の情報を制御部に伝達し、
前記制御部は、前記錠剤の情報を基に、前記錠剤印刷部の位置変化値及び回転値を含む補正値をリアルタイムで演算し、前記補正値を基準に前記錠剤印刷部のレーザー照射位置又はレーザー照射量を制御する、錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項2】
前記事前撮影部は、前記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように前記錠剤の表面状態を撮影する錠剤表面検査部をさらに含む、請求項1に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項3】
前記移送部は、前記錠剤供給部からの供給を受けた前記錠剤を移送させる第1移送部、及び前記第1移送部からの伝達を受けた前記錠剤の姿勢を反転して移送させる第2移送部を含む、請求項1に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項4】
前記事前撮影部は第1事前撮影部及び第2事前撮影部を含み、
前記第1移送部の錠剤が移送される移送経路に沿って前記錠剤の第1面に対して事前撮影を行う前記第1事前撮影部が配置され、前記第2移送部の姿勢が反転された錠剤が移送される移送経路に沿って前記第1面の反対面である前記錠剤の第2面を撮影する前記第2事前撮影部が配置される、請求項3に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項5】
前記錠剤印刷部は、前記第1移送部及び前記第2移送部のうち少なくとも一つの移送経路に沿って配置される、請求項4に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項6】
前記印刷後撮影部は第1印刷後撮影部及び第2印刷後撮影部を含み、
前記第1移送部の錠剤が移送される移送経路に沿って前記錠剤の第1面を基準に全体的な外観を撮影する前記第1印刷後撮影部が配置され、前記第2移送部の姿勢が反転された錠剤が移送される移送経路に沿って前記第1面の反対面である前記錠剤の第2面を基準に全体的な外観を撮影する前記第2印刷後撮影部が配置される、請求項4に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項7】
錠剤印刷部は、前記錠剤の一面である第1面に対して印刷を行う第1錠剤印刷部、及び姿勢が反転された前記錠剤の前記第1面の反対面である第2面に対して印刷を行う第2錠剤印刷部を含み、
前記第1移送部の錠剤が移送される移送経路に沿って配置される前記第1事前撮影部、前記第1錠剤印刷部、及び前記第1印刷後撮影部と、
前記第2移送部の姿勢が反転された錠剤が移送される移送経路に沿って配置される前記第2事前撮影部、前記第2錠剤印刷部、及び前記第2印刷後撮影部と、を含む、請求項6に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項8】
ベースフレームと、前記ベースフレームに配置され、ホッパーを介して供給される錠剤を遠心力によって一列に整列する前記錠剤供給部と、をさらに含み、
前記事前撮影部は、前記錠剤供給部の一側に配置され、前記錠剤供給部から吐出されて移送される印刷前の錠剤を撮影し、
前記錠剤印刷部は、前記移送される錠剤に対してレーザー光を照射する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項9】
前記第1印刷後撮影部は、移送中の錠剤の印刷面である第1面及び第1側面端の外観を検査するように撮影を行い、
前記第2印刷後撮影部は、前記第1面の反対面である第2面及び第2側面端の外観を検査するように撮影を行う、請求項6に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項10】
前記第1印刷後撮影部及び前記第2印刷後撮影部のうち少なくとも一つは、
錠剤の一面の正面及び前後方向の側面端部を上部から撮影する2Dカメラ部と、錠剤一面の全体的な形状を上部から撮影する3Dカメラ部と、を含み、
前記第1印刷後撮影部及び前記第2印刷後撮影部のうち残りの一つは、
錠剤の他面の正面及び前後方向の側面端部を下部から撮影する2Dカメラ部と、錠剤の他面の全体的な形状を下部から撮影する3Dカメラ部と、を含む、請求項6に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項11】
制御部と、錠剤が分類排出されるように不良品排出口及び正常品排出口を含む錠剤排出部と、をさらに含み、
前記制御部は、前記事前撮影部から得られた画像に応じて前記錠剤の一定の位置に印刷を行うように前記錠剤印刷部の内部のミラー部を制御し、前記印刷後撮影部から得られた画像に応じて少なくとも1回以上の錠剤の良品判別を行って前記錠剤が分類排出される排出口を決定する、請求項4に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項12】
前記事前撮影部は、位置追跡センサーが設けられたカメラを含、請求項に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記事前撮影部を介して得られた移送中の前記錠剤の外観画像を獲得して前記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査する、請求項に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項14】
前記制御部は、獲得した前記錠剤の情報に応じた補正値を学習し、前記錠剤のローテーション及びシフト変化による前記錠剤の印刷位置の変化が最小限になるように前記錠剤印刷部を制御する、請求項に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記印刷後撮影部が撮影した前記錠剤の一面の印刷部の文字境界線と印刷を意図した文字境界線が同一であるかを比較し、前記錠剤印刷部の文字境界線の位置が前記錠剤の中心部にあるかを確認して、前記錠剤の印刷面が正常品であるか否かを判別する、請求項11に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記印刷後撮影部が撮影した前記錠剤の外観境界線及び前記錠剤の表面を検査して前記錠剤が正常品であるか否かを判別する、請求項11に記載の錠剤印刷及び外観検査装置。
【請求項17】
移送部により、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる移送段階と、
事前撮影部により、一列に配置された前記錠剤の位置ずれ及び姿勢のずれを判別するように移送中の前記錠剤の外観画像を撮影する事前撮影段階と、
錠剤印刷部により、前記事前撮影部で撮影した画像を介して獲得した判別結果を考慮して印刷を行う印刷段階と、
印刷後撮影部により、前記印刷された錠剤の外観又は印刷結果を検査するように移送中の前記錠剤の外観を撮影する検査段階と、を含み、
前記事前撮影部を介して移送中の錠剤の外観画像を獲得して錠剤の位置を認識し、画像処理を介して獲得した前記錠剤の位置、姿勢、シフト変化、及びローテーション情報のうち少なくとも一つを含む錠剤の情報を制御部に伝達する段階、及び、
前記制御部により前記錠剤の情報を基に、前記錠剤印刷部の位置変化値及び回転値を含む補正値をリアルタイムで演算し、前記補正値を基準に前記錠剤印刷部のレーザー照射位置又はレーザー照射量を制御する段階をさらに含む、錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項18】
前記事前撮影段階は、前記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように前記錠剤の表面状態を撮影する段階をさらに含む、請求項17に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項19】
前記事前撮影段階は、錠剤の第1面を撮影し、前記錠剤の第1面の撮影後に移送中の前記錠剤の姿勢を反転させて前記第1面の反対面である前記錠剤の第2面を撮影する、請求項17に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項20】
前記印刷段階は、錠剤の第1面に対して印刷を行うか、又は移送中の錠剤の姿勢を反転させて前記第1面の反対面である錠剤の第2面に対して印刷を行う、請求項19に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項21】
前記検査段階は、錠剤の第1面を基準に、全体的な外観を撮影し、前記撮影後に移送中の前記錠剤の姿勢を反転させて前記第1面の反対面である前記錠剤の第2面を基準に全体的な外観を撮影する、請求項19に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項22】
錠剤の第1面に対して前記移送段階、前記事前撮影段階、前記印刷段階、及び前記検査段階を行った後、
移送中の錠剤の姿勢を反転させて前記第1面の反対面である前記錠剤の第2面に対して前記移送段階、前記事前撮影段階、前記印刷段階、及び前記検査段階を繰り返して行う、請求項17に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項23】
前記印刷段階は、
前記錠剤の一定の位置に印刷を行うように前記事前撮影部が撮影を介して得られた前記錠剤の情報に応じて内部のミラー部を調整してレーザー光を照射する、請求項17から請求項22のいずれか一項に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項24】
前記検査段階は、
移送中の錠剤の一面及び他面のうち少なくとも一つの正面及び前後方向の側面端部を撮影する段階と、前記移送中の錠剤の一面及び他面のうち少なくとも一つの全体的な形状を撮影する段階と、を含む、請求項17から請求項22のいずれか一項に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項25】
前記印刷後撮影部によって獲得した画像に応じて複数の錠剤の良品判別を行い、前記良品判別によって錠剤を分離排出する段階をさらに含む、請求項17から請求項22のいずれか一項に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【請求項26】
前記印刷後撮影部が撮影した錠剤の印刷部の文字境界線と印刷を意図した文字境界線が同一であるかを比較し、前記文字境界線の位置が前記錠剤の中心部にあるか否かを確認する段階と、
前記印刷後撮影部が撮影した前記錠剤の外観境界線及び前記錠剤の表面を検査する段階のうち少なくとも一つの段階を行って前記錠剤の良品判別を行う、請求項23に記載の錠剤印刷及び外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤印刷及び検査装置ならびに方法に関するものであって、特に、錠剤印刷及び錠剤外観検査を同時に行う錠剤印刷及び検査装置ならびに上記装置を用いた錠剤印刷及び検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
錠剤は、錠剤の識別性を高め、それに応じて、錠剤を調製するか、又は服用ミスを防止し、且つ正しい情報を伝達するために、錠剤の一面に錠剤の名称や成分などの情報を印刷する必要がある。
【0003】
また、錠剤は、自動化プロセスを介して大量に生産される過程において、異物の付着又は汚染、錠剤間の接触や衝撃によるクラック又は部分損傷、変形や印刷不良などのような外観上の欠陥が発生する可能性があるため、正常品及び不良品を分類して排出する過程が必要である。
【0004】
従来技術では、錠剤に対する印刷、及び錠剤の外観に対する検査を別の装置で行っていたことから、印刷のための装置、及び錠剤の外観上の欠陥を検査するための装置を別に置く必要があった。そのため、かなりの体積を有する装置がそれぞれの空間を占めていたことから、場所的且つ空間的制約が存在し、コストが大幅に増加する上に、錠剤印刷後に行う検査までにかなりの時間がかかった。
【0005】
また、従来技術では、錠剤に対する印刷を行う前に錠剤を単に感知するためのセンサーだけが設けられ、印刷部は、錠剤のおおよその位置感知だけを行っていたため、錠剤の一定の位置に精密な印刷を行うことは不可能であった。また、印刷後に検査を行っても、錠剤印刷に対する検査のみを行うだけであって、錠剤の外観全体に対する外観検査を行うことは不可能であることから、ユーザーが手動で操作しなければならないという煩わしさがあった。
【0006】
よって、正常品の錠剤を最終的に製造するためには、錠剤に対する印刷及び印刷部が良好であるか否かに対する判定を含む全体的な錠剤外観検査が必要である。また、上記過程を一括して行うようにして、時間的及び場所的制約を克服し、作業効率を高め、且つコストを削減するだけでなく、印刷精度及び錠剤外観全体の外観検査を行うことで精度を向上させる装置の必要性が台頭しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、錠剤に対する印刷及び錠剤外観検査を一括して行うことにより、時間的及び場所的制約を克服し、作業効率を高め、且つ一つの装置で複数の機能を行ってコストを削減させる発明を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によると、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる移送部と、錠剤の位置及び姿勢を判別するように錠剤が移送される移送経路に沿って位置し、移送中の錠剤の外観画像を撮影するように配置される事前撮影部と、錠剤が移送される移送経路に沿って上記事前撮影部の次に位置し、上記事前撮影部で撮影した画像を介して獲得した判別結果を考慮して印刷を行う錠剤印刷部と、錠剤が移送される移送経路に沿って上記錠剤印刷部の次に位置し、印刷された錠剤の外観又は印刷結果を検査するように移送中の錠剤の外観を撮影する印刷後撮影部と、を含む錠剤印刷及び検査装置を提供する。
【0009】
また、本発明の一実施形態によると、上記事前撮影部は、上記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように上記錠剤の表面状態を撮影する錠剤表面検査部をさらに含むことができる。
【0010】
一方、本発明の他の一実施形態によると、上記移送部は、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を移送させる第1移送部、及び上記第1移送部からの伝達を受けた上記錠剤の姿勢を反転して移送させる第2移送部を含むことができる。すなわち、複数個の移送部を含み、且つ上記事前撮影部、錠剤印刷部、及び印刷後撮影部を各移送部に多様に配置させることができ、上記構成の様々な配置により、各錠剤の面を多様に印刷及び検査することができることから、一つの装置で複数の印刷及び検査工程を行うことができる。
【0011】
一方、本発明のさらに他の実施形態によると、上記錠剤印刷及び外観検査装置によって行われる錠剤印刷及び外観検査方法を提供することができる。本発明のさらに他の実施形態によると、移送部により、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる移送段階と、事前撮影部により、錠剤の位置及び姿勢を判別するように移送中の錠剤の外観画像を撮影する事前撮影段階と、錠剤印刷部により、上記事前撮影部で撮影した画像を介して獲得した判別結果を考慮して印刷を行う印刷段階と、印刷後撮影部により、印刷された錠剤の外観及び印刷結果を検査するように移送中の錠剤の外観を撮影する検査段階と、を含むことができる。
【0012】
また、上記事前撮影段階は、上記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように上記錠剤の表面状態を撮影する段階をさらに含むことができる。
【0013】
上記方法は、複数個の移送部において、移送段階、事前撮影段階、印刷段階、及び検査段階を行うことができ、各段階の組み合わせを介して様々な印刷及び検査工程を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によると、錠剤印刷を行った後、錠剤印刷不良及び錠剤クラックの有無などといった錠剤外観欠陥を一括して検査して作業効率を高め、且つ印刷前の画像撮影を介した錠剤事前センシングを行うことで、印刷精度及び正確度を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図2】本発明の他の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図3】本発明のさらに他の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図4】本発明のさらに他の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図5a】本発明のさらに他の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図5b】本発明のさらに他の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査装置を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態による装置を具体的に示すものである。
図7】本発明の一実施形態による錠剤印刷装置を示す拡大図である。
図8】本発明の一実施形態による錠剤外観検査装置を示す拡大図である。
図9】本発明の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に示されてもできる限り同一の符号を有するようにしている点に留意する必要がある。
【0017】
以下、本発明による装置に用いられる錠剤は、例えば、錠剤又はカプセルなどであってもよい。
【0018】
本発明は、錠剤供給部50、事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、及び錠剤排出部70を含むことができる。また、上記過程を行う装置によって錠剤印刷及び錠剤外観検査を同時に行うことができる。
【0019】
本発明の一実施形態によると、錠剤供給部50は、ベースフレーム、及びホッパーを介して供給される錠剤を遠心力を用いて外側に一列に配列すべく、上記ベースフレームに回転するように設置され、傾斜して配置される回転板を備え、上記回転板の傾斜面に整列されて遠心力及び傾斜面による滑動力を介して移送部60に吐出されるようにするガイド部を含むことができる。
【0020】
或いは、本発明の他の一実施形態によると、ホッパーを介して供給される錠剤を一粒ずつ排出し、落下する錠剤を収集して離隔されるように配列させ、移送部60に薬剤を排出する通路を置いて薬剤を移送させる供給通路を含むことができる。すなわち、錠剤供給部50は、上記実施形態に制限されず、矛盾しない限り、他の実施形態を適用することができる。
【0021】
上記事前撮影部10は、錠剤供給部50を介して供給されて移送部60上に配列される錠剤の位置及び姿勢、例えば、前の錠剤に対する印刷が錠剤印刷部40によって行われた時点から現在の錠剤までの離隔距離や、錠剤一面がローテーションするか否かなどを撮影することで、画像処理を介して確認することができる。また、事前撮影部10を介して得られた情報を基に錠剤印刷部40を制御することで、錠剤印刷部40による印刷実行の際に錠剤の一側に偏って印刷されないように精密に制御することができる。
【0022】
これは、錠剤の一面に対する印刷が錠剤の中央部から一定の範囲以上外れないようにするためであって、事前撮影部10を介して錠剤印刷の精度及び成功率を高めることができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態によると、上記事前撮影部10は、上記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように上記錠剤の表面状態を撮影する錠剤表面検査部(図示せず)をさらに含むことができる。印刷を行う前に、錠剤の表面状態を検査し、異物が付着して印刷が行われない状態であるかなどを確認することができ、錠剤の表面状態検査ならびに錠剤の位置及び姿勢判別結果を介して精密な印刷を行うことができる。
【0024】
但し、上述のように、事前撮影部10が錠剤表面検査部をさらに含むようにして、錠剤の印刷及び姿勢判別のための撮影画像とは別に錠剤表面状態に対する撮影画像を獲得してもよいが、本発明の他の一実施形態により、錠剤の印刷前の表面状態を撮影することが、事前撮影部10が錠剤の印刷及び姿勢を判別するために撮影することと同時に行われるようにして、錠剤の印刷前の表面状態ならびに錠剤の印刷及び姿勢判別結果をともに獲得することもできる。
【0025】
印刷後撮影部20は、事前撮影部10で撮影した画像を得て錠剤印刷部40が印刷を行うと、その後、錠剤の外観を撮影し、上記撮影画像を分析して、複数の錠剤外観検査を行うことができる。印刷後撮影部20は、錠剤の印刷面に対する印刷結果及び外観に対する検査を行ってもよく、錠剤の印刷面とその反対面に対して全体の外観検査を行ってもよい。錠剤の外観を検査するために、複数のカメラを用いて錠剤外観領域に対する画像を撮影し、これを分析して錠剤印刷の精度を検査するだけでなく、錠剤にクラックがあるか否か、錠剤外観に異物が付いているかなどの錠剤の全体的な外観及び形状を検査することにより、印刷が完了した錠剤が正常品であるか、又は不良品であるかを判別し、それに応じて、錠剤を分類することができる。
【0026】
錠剤排出部70は、印刷後撮影部の結果に応じて、錠剤を正常品又は不良品に分類して排出を行うことができる。
【0027】
図1図5bは本発明の一実施形態による錠剤印刷及び検査を行う装置の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【0028】
錠剤印刷及び検査装置において、錠剤供給部、移送部、及び錠剤排出部は、本発明と矛盾しない様々な実施形態で提供されることができ、本発明の例示的な実施形態に制限されない。
【0029】
図1に示すように、本発明の一実施形態によると、錠剤供給部50、事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、及び錠剤排出部70を含むことができる。このとき、上記構成は、一つの移送部60の移送経路に沿って順に配置されることができる。
【0030】
或いは、移送部60は、第1移送部61及び第2移送部62を含むことができる。このとき、第1移送部61は、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を移送させ、第2移送部62は、第1移送部61からの伝達を受けた上記錠剤の姿勢を反転して移送させることができる。
【0031】
図2に示すように、上記第1移送部61及び上記第2移送部62の移送経路に沿って錠剤供給部50、事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、及び錠剤排出部70が配置されることができる。
【0032】
或いは、図3に示すように、第1移送部61の移送経路に沿って第1事前撮影部10a、第1錠剤印刷部40a、及び第1印刷後撮影部20aを配置し、錠剤の第1面に対する印刷、及び全体的な外観検査を行うことができ、上記第2移送部62の移送経路に沿って第2事前撮影部10b、第2錠剤印刷部40b、及び第2印刷後撮影部20bを設置して錠剤の第2面に対する印刷、及び全体的な外観検査を行うこともできる。
【0033】
錠剤は、立体的な形状を有するため、固定された一位置では全体的な外観検査を行うことが難しいことから、一つの移送部60に沿って他の構成の配置を多様に調整して錠剤印刷及び外観検査を行うことができる。或いは、複数の移送部61、62に沿って複数の構成を配置して錠剤印刷及び外観検査を同時に行うこともできる。
【0034】
さらに、本発明の一実施形態によると、移送部60の移送経路上に配置され、錠剤の位置及び姿勢を判別するように移送中の錠剤の外観画像を撮影する事前撮影部10、錠剤が移送される移送経路に沿って上記事前撮影部10の次の位置に位置し、上記事前撮影部10で撮影した画像を介して獲得した判別結果を考慮して印刷を行う錠剤印刷部40、及び錠剤が移送される移送経路に沿って上記錠剤印刷部40の次の位置に位置し、印刷された錠剤の外観又は印刷結果を検査するように移送中の錠剤の外観を撮影する印刷後撮影部20を含むことができる。
【0035】
特に、事前撮影部10、錠剤印刷部40、及び印刷後撮影部20は、錠剤の全体的な外観の撮影を介して錠剤位置補正及び錠剤外観検査を行うことができるため、錠剤に対する多角的な方向からの撮影が必要な構成である。
【0036】
そのため、図4に示すように、移送部60が第1移送部61及び第2移送部62を含むことができる。第1移送部61の移送経路に沿って配置される第1事前撮影部10cは、錠剤供給部50からの供給を受けた錠剤が第1移送部61の移送経路に沿って移動すると、錠剤の第1面に対して事前撮影を行うことで、錠剤に異物があるか否かを判別し、錠剤の位置検出を行うことができる。
【0037】
また、第2移送部62の移送経路に沿って配置される第2事前撮影部10dは、錠剤の位置を反転させて第2移送部62の移送経路に沿って移動する錠剤の第2面に対して事前撮影を行うことで、錠剤に異物があるか否かを判別し、錠剤の位置検出を行うことができる。
【0038】
すなわち、第1移送部61に沿って第1事前撮影部10cが錠剤をセンシングし、第2移送部62に沿って第2事前撮影部10dが錠剤をセンシングし、その後、錠剤印刷部40d及び印刷後撮影部20dを設置することができる。
【0039】
このとき、本発明の一実施形態において、錠剤印刷部40dは、第1移送部61に配置されてもよく、第2移送部62に配置されてもよく、又は第1移送部61及び第2移送部62の両方に配置されてもよい。
【0040】
或いは、図5a及び図5bに示すように、移送部60が第1移送部61及び第2移送部62を含むことができる。第1移送部61の移送経路に沿って設置される第1印刷後撮影部20eは、錠剤が第1移送部の移送経路に沿って移動すると、錠剤の第1面に対して撮影を行うことで、錠剤の印刷状態及び全体的な外観検査を行うことができる。
【0041】
また、第2移送部62の移送経路に沿って設置される第2印刷後撮影部20f、30は、錠剤の位置を反転させて第2移送部62の移送経路に沿って移動する錠剤の第2面に対して印刷した後、撮影を行うことで全体的な外観検査を行うことができる。
【0042】
すなわち、第1移送部61に沿って第1事前撮影部10が錠剤をセンシングし、それに応じて、錠剤印刷部40が印刷を行ったものに対して、第1印刷後撮影部20eが錠剤の第1面の印刷結果及び全体的な外観を検査し、錠剤の姿勢を反転させて移送する第2移送部62に沿って第2印刷後撮影部20f、30が第2面の全体的な外観を検査することができる。
【0043】
このとき、図5aに示すように、第2移送部62に沿って設置される第2印刷後撮影部20fは、第2移送部の移送経路に沿って上部面に設置してもよく、図5bに示すように、第2移送部62の移送経路に沿って下部面に第2印刷後撮影部30を設置してもよい。
【0044】
また、本発明の一実施形態によると、図1図5bに示すように、錠剤印刷部は、第1移送部61及び第2移送部62のうち少なくとも一つの移送経路に沿って設置されることができる。
【0045】
具体的には、錠剤印刷部40は、第1移送部61に設置されてもよく、第2移送部62に設置されてもよい。
【0046】
或いは、錠剤印刷部40は、少なくとも第1錠剤印刷部及び第2錠剤印刷部を含み、第1移送部61及び第2移送部62に第1錠剤印刷部及び第2錠剤印刷部がそれぞれ設置されることもできる。これにより、錠剤印刷部は、移送部60の移送経路に沿って設置されることができ、一つ又は複数個が設置されることができる。
【0047】
すなわち、錠剤の両面に印刷を行う場合、第1移送部61の移送経路に沿って第1事前撮影部及び第1錠剤印刷部を配置し、錠剤の位置を反転させて移送する第2移送部62の移送経路に沿って第2事前撮影部及び第2錠剤印刷部を配置することができる。
【0048】
一方、事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、及び錠剤排出部70は、移送部60に沿って配置され、上記錠剤印刷及び外観検査は、移送部60に沿って行われるようになる。以下、移送部60について説明する。
【0049】
本発明の一実施形態によると、移送部60は、回転トレイであってもよい。また、錠剤の両面を検査するために、第1移送部61及び第2移送部62として第1回転トレイ及び第2回転トレイを含むことができる。
【0050】
本発明による移送部60は、回転軸が貫通して設置され、内部に少なくとも部分的に負圧がかかる負圧空間を形成し、少なくとも負圧空間と連通する吸入孔が設けられる固定板、及び回転軸に結合して回転し、負圧空間と連通し得る凹溝が円柱状に形成される回転トレイを含む。
【0051】
回転板は、結合ねじによって回転軸に結合する。上記回転軸は、例えば、モータなどのような駆動部に連結されて回転する。この回転板は、固定板の一面を覆うように形成されることができる。ここで、外周先端部が固定板に向かって折り曲げられて延長部を形成し、この延長部が固定板の先端面を遮蔽するようになる。
【0052】
この延長部に凹溝が形成され、回転板の円周に沿って配置されるようになる。凹溝の側壁には、回転しながら吸引孔又は排出孔と連通し得る複数の連通孔が一定の間隔で形成される。
【0053】
このように、回転トレイが固定板の一面を覆って回転し、回転トレイの延長部に沿って円柱状に形成される凹溝の連通孔を介して固定板の吸入孔と連通する位置では凹溝内に負圧がかかり、固定板の排出孔と連通する位置では凹溝内に正圧がかかる。
【0054】
これにより、負圧がかかる区間では、錠剤が回転板の円周に沿って設けられる凹溝上に位置する安着部材に吸着された状態で支持されて順に回転板とともに回転して移送される。ここで、安着部材に吸着された錠剤の位置は、必ずしも連通孔の位置と対応することなく、不均一な間隔で円周上の凹溝において一列に整列するようになる。
【0055】
すなわち、錠剤が移動する位置は一定の間隔で固定されるものではなく、不均一な間隔であるため、錠剤に対する錠剤印刷部40の印刷位置がずれる可能性があることから、錠剤の中心を合わせて精密印刷を行うためには、錠剤に合わせたカメラの位置制御が含まれる必要がある。
【0056】
そのため、本発明の移送部60は、錠剤供給部50を介して順に、且つ一列に供給される錠剤を円周方向に順に、そして、供給間隔とは関係なく吸着させて移送しながら錠剤の外観を事前撮影部10によってセンシングした後、錠剤印刷部40による印刷、及び印刷後撮影部20、30による外観検査に用いられることができる。
【0057】
或いは、移送部60は、上述のように傾斜を有する回転トレイに限定されるものではなく、矛盾しない限り、他の実施形態を適用することができる。
【0058】
本発明による他の一実施形態によると、移送部は、垂直回転ディスク又は垂直回転ドラムであってもよく、時計回りに回転するディスク又はドラムの円周面に沿って錠剤が配置される凹溝を有し、凹溝内部の負圧及び正圧に応じて錠剤が吸着又は脱着され、そして、上記垂直回転ディスク又はドラムの円周面に沿って外部に事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、30、及び錠剤排出部70を配置して錠剤印刷及び検査を行うこともできる。
【0059】
上述のように、垂直回転ディスク又はドラムの円周面に沿って事前撮影部10、錠剤印刷部40、及び印刷後撮影部20、30が配置されることができる。このとき、移送部は、必ずしも第1移送部61及び第2移送部62として二つ垂直回転ディスク又はドラム移送部を有するわけではなく、一つの垂直回転ディスク又は一つのドラム移送部を角度によって分離し、第1移送部61及び第2移送部62として示すこともできる。
【0060】
ここで、錠剤排出部70は、時計回りに回転する垂直回転ディスク又はドラムにおいて、上から下の方向に移送する移送部の円周方向側面に配置されることができる。また、排出を容易にするために、一定の角度範囲内に設置されることができる。
【0061】
本発明のさらに他の一実施形態によると、移送部60は、コンベアベルトの形で水平移送するベルト構造を有することができる。また、第1水平コンベアベルト61aの上部に錠剤を位置させて一面が移送するようにし、第1水平コンベアベルトと連結された第2水平コンベアベルト62aの下部に錠剤を移動させ、錠剤の位置を反転することなく錠剤を吸着移動させて他面が外部に露出した状態で移送するようにすることができる。尚、コンベアベルトの上部又は下部に事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、30、及び錠剤排出部70を配置することで、錠剤印刷及び検査を行うこともできる。
【0062】
或いは、移送部60bが無限軌道の形で回転するコンベアベルトの形で設置されることもできる。コンベアベルトの移送部60の上下部に事前撮影部10、錠剤印刷部40、印刷後撮影部20、30、及び錠剤排出部70を配置して錠剤が移送される間に錠剤印刷及び検査を行うこともできる。
【0063】
上述した移送部はすべて、錠剤を移送する移送部内部に負圧がかかる区間及び正圧がかかる区間を備え、吸着を介した移送を行うものである。簡単な説明のために、重複される内容は省略する。
【0064】
上記移送部は、本発明の一実施形態又は一実施形態の組み合わせからなることができる。尚、錠剤の上下部及び端をすべて露出させることができるため、錠剤印刷及び外観検査の遂行が可能な移送部であれば、吸着を介した移送部でも非吸着を介した移送部でもすべて本発明に含まれることができる。
【0065】
また、移送部は、一つの移送部の移送経路に沿って他の構成を配置してもよく、複数の移送部の移送経路に沿って他の構成を配置してもよい。すなわち、上述した例示的な実施形態によって制限されない。
【0066】
上記移送部についての実施形態は例示的な説明に過ぎず、これに限定されるものではなく、本発明の実施形態に矛盾しない構成が含まれることができる。
【0067】
以下、移送部は、第1移送部61及び第2移送部62を含むことを想定して説明する。但し、これは例示的な実施形態に過ぎず、矛盾しない限り、一つの移送部60を適用して説明することができる。
【0068】
上記錠剤供給部50から第1移送部61に錠剤が供給されると、位置追跡用カメラを含む事前撮影部10において各錠剤を撮影し、撮影により得られた画像を介してセンシングした錠剤の状態を錠剤印刷部40に伝達すると、錠剤印刷部40が第1移送部61において移送中の錠剤の一面に正確に印刷を行うことができる。
【0069】
さらに、第1印刷後撮影部20が、印刷を完了した錠剤の一面、及び一面の側面端部に対して撮影を行うことで錠剤の外観不良があるか否かを1次的に判別し、第1移送部61から移送された錠剤の一面を吸着して錠剤の位置を反転させた第2移送部62に移送する。また、第2印刷後撮影部30が、印刷を完了した錠剤面の反対側面である他面、及び他面の側面端部に対して撮影を行うことで錠剤の外観不良があるか否かを2次的に判別することができる。
【0070】
また、正常品として判別されると正常品排出口に排出され、不良品として判別されると不良品排出口に排出されることができる。
【0071】
本発明の一実施形態による錠剤排出部70は、移送部60の吸引孔の外部に、移送部60に沿って設置される少なくとも一つの空気噴射機、少なくとも一つの不良品排出口及び正常品排出口を含むことができる。
【0072】
具体的には、吸入孔内部から錠剤を排出するための空気噴射機を置くと、錠剤との距離も近く、精度も高くなるものの、正圧及び負圧が形成される吸引孔を通り抜けて錠剤を排出する程度の空気噴射力を有するようにすることは非常に難しいことから、錠剤排出率を高めるために、錠剤の外部に空気噴射機を設置する。
【0073】
しかし、外部に空気噴射機を設置しても錠剤排出が容易でない場合には、外部に少なくとも一つの空気噴射機、及び吸引孔の内部に少なくとも一つの空気噴射機を設置することで錠剤排出の効率及び精度を向上させることができる。
【0074】
本発明の一実施形態による錠剤排出部70は、第2移送部62の末端に位置し、第2移送部62に沿って移送中の正常品又は不良品の判別が終了した錠剤を排出することができ、別の垂直ブラケットに支持された状態で、回転板の移送部に沿って曲面を有する支持部材に少なくとも一つの空気噴射機を設置して正常品は正常品排出口から、不良品は不良品排出口から空気を噴射して各排出口に錠剤を分類及び排出することができる。
【0075】
或いは、本発明の他の一実施形態によると、垂直回転するディスク又はドラムの形の第2移送部62において、第2移送部62の円周方向に沿った角度に応じて少なくとも一つの空気噴射機を配置することができ、底面と平行する垂直ディスクの直径の部分を0度にし、上下一定の角度、例えば、上側60度、下側60度以内に空気噴射機を置いて垂直ディスクの円周方向に沿って配置される事前撮影部10、錠剤印刷部40、及び印刷後撮影部20、30を通過して配置される正常品排出口及び不良品排出口に錠剤を分類することができる。
【0076】
ここで、角度を制限する理由は、上側60度よりも超過した角度では抽出された錠剤が上側方向に飛ばされて抽出されて上に跳ね上がる錠剤を排出口で受け止めるようにすることが容易でなく、逆に時計回りに垂直回転するディスク又はドラムの形で下から上に回転する方向に錠剤排出部を設置すると、錠剤の進行方向が上側に進行し、排出時の錠剤が上に跳ね上がるようになり、錠剤を容易に排出することが難しくなるためである。よって、錠剤排出部が設置される位置の角度を制限する。
【0077】
本発明のさらに他の一実施形態によると、水平移送するコンベアベルトの形の第2移送部62において正常品と判定された錠剤は第1ライン、不良品と判定された錠剤は第2ラインに移送するようにすることで、各ベルトの端から正常品排出口及び不良品排出口に排出されるようにすることもできる。或いは、ベルトの端で錠剤の良否判定を完了し、正常品は正常品排出口、そして、不良品は不良品排出口に分類することもできる。
【0078】
本発明の一実施形態によると、事前撮影部により錠剤印刷面の状態を正確に把握した状態で印刷を行うことから、精密印刷が可能であり、錠剤印刷及び錠剤外観全体の欠陥を検査して錠剤に印刷が正確に行われるようにすることができる。また、外観に異物やクラックが存在しない正常品のみを分類して抽出することができるため効率が高くなり、一つの装置で錠剤印刷及び外観検査をともに行うことができることから、作業効率が向上し、コストが削減されることができる。
【0079】
さらに、上述した例示的な実施形態は、第2移送部62を例に挙げて記載されているが、これに限定されず、移送部60の移送経路に沿って末端に位置する錠剤排出部70に沿って移送部60に移送中の錠剤を分類排出することができる。
【0080】
一方、図6は、第1回転トレイ及び第2回転トレイを第1移送部61及び第2移送部62として含む錠剤の印刷及び錠剤外観検査装置を示すものであって、錠剤の印刷及び外観検査を一括して行うことができる本発明による具体的な一実施形態を示すものである。説明の便宜のために、上述した内容と重複する内容は省略し、矛盾しない限り、上述した実施形態が排除されるものではない。
【0081】
図6に示すように、錠剤供給部50から回転トレイの第1移送部61に錠剤が供給されると、位置追跡用カメラを含む事前撮影部10において各錠剤を撮影し、撮影により得られた画像を介してセンシングした錠剤の状態を制御部に伝達する。その後、上記制御部が錠剤印刷部40を制御して錠剤印刷部40が第1移送部61において移送中の錠剤の一面に正確に印刷を行うことができるようにする。
【0082】
ここで、事前撮影部10は、錠剤供給部50と隣接する位置において移送部の移送経路に沿って配置され、移送部の側面に支持部材を位置させ、錠剤と対向配置されるように上記支持部材に錠剤移送面の上部と向かい合う支持ブラケットを設置することができる。上記支持ブラケット内にカメラを設置してもよく、レーザーカメラのレーザー方向を調整するようにミラー部を内側に設置し、カメラを外部に設置してもよい。上記カメラのレーザーがミラー部を介して支持ブラケットの内部孔を通過し、錠剤に照射されるようにすることができる。これにより、移送部に配置される錠剤の一面を正面から撮影することができる。
【0083】
このとき、事前撮影部10は、移送部60の移送経路に沿って配置されることができる。特に、移送部60のうち、第1移送部61の移送経路に沿って配置されることが好ましい。
【0084】
すなわち、事前撮影部10は、位置追跡用レーザーカメラを含むことができ、上記カメラで錠剤を撮影して画像情報を取得し、取得した画像情報を制御部に伝達することができる。このとき、制御部は、獲得した画像を画像処理して錠剤移送部において錠剤の位置をXY座標で認識し、錠剤の外観ラインに沿って回転させたり、又は傾いた程度をチェックすることができる。
【0085】
これにより、制御部は、上記錠剤よりも前の錠剤の中心に合わせられた錠剤印刷部をリアルタイムで位置補正するために、錠剤印刷部の回転値及び位置補正値を演算して錠剤印刷部内部のミラーを調整するように命令することができ、錠剤印刷部40のレーザーの照射位置及び照射量を制御することができる。
【0086】
具体的には、制御部は、上記事前撮影部10からの伝達を受けた錠剤の外観画像から錠剤の外観形状を認識し、既存の錠剤の外観画像から学習した結果に基づいて迅速に錠剤印刷部40の制御値を導出する。これにより、錠剤印刷部40の内部のミラー回転値を演算し、錠剤印刷部の移動なしに錠剤の中心にレーザーが照射されるようにすることができる。これは、錠剤印刷部40の移動による時間の無駄を削減し、ミラー部の調整だけで錠剤印刷部40の精密制御を迅速に行うことができるため、移送中に錠剤を撮影及び印刷する本発明の効果を最大化することができる。
【0087】
このとき、制御部は、事前撮影部10又は錠剤表面検査部のカメラを介して得られた移送中の錠剤の外観画像を獲得し、錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かをさらに検査することができる。
【0088】
本発明の一実施形態による錠剤印刷部40は、精密印刷を行うことで印刷される必要がある錠剤の基準点から誤差100μm以内に印刷を行うことができる。錠剤印刷部40は、移送部60の移送方向に沿って事前撮影部10の次に配置されることができ、移送部60に配置される錠剤に対して印刷を行うために錠剤と対向するように配置されることができる。
【0089】
錠剤印刷部40は、好ましくは、移送部と近接して配置されることができるが、空間活用のために、一定の距離以上離れて配置することもできる。本発明の一実施形態によると、空間を最大限に活用し、且つ効率的に管理するために、錠剤印刷部40は、移送部の傾斜角度と同一の角度で傾斜するように配置してもよく、垂直回転ディスクの形の移送部の場合には円周面に対する一接線の垂直方向に設置してもよい。また、レーザーが移送部に接するように移送部を基準に一定の半径でレーザーが照射されるように提供されることができる。
【0090】
本発明の一実施形態による錠剤印刷部40は、レーザー印刷を行うようにUVレーザーを用いて錠剤にレーザーを照射する。このとき、錠剤のコーティング成分のうち酸素が除去され、錠剤の酸素の割合を変化させて白色から灰色へ色の変化を起こすことがある。但し、色の変化が起こっても、錠剤コーティングの酸素の割合だけを変化させるように錠剤印刷部40のレーザー照射量を調整することで、錠剤成分に影響を与えることなく印刷を安全に行うことができる。
【0091】
また、本発明の他の一実施形態による錠剤印刷部40は、インクジェット方法で印刷を行うことができる。ここで、錠剤に対する印刷方式は、上述した例示的な実施形態によって制限されず、通常の技術者が自明に導出、置換、又は変更することができる印刷方法を適用することができる。
【0092】
印刷後撮影部は、第1印刷後撮影部20及び第2印刷後撮影部30を含むことができる。また、複数の撮影部を介して立体的な錠剤の外観全体を検査することができる。錠剤供給部からの供給を受けた錠剤が第1移送部61上に位置する場合には第1印刷後撮影部20、錠剤を反転させて移送する第2移送部62上に位置する場合には第2印刷後撮影部30により、錠剤の外観画像情報を取得することができる。
【0093】
第1印刷後撮影部20は、傾斜した第1回転トレイ61cの側面に配置され、上記第1回転トレイ61c上に移送される錠剤の上面の第1側面を含む領域の画像情報を取得する少なくとも一つのカメラを含む第1カメラ部、及び上記錠剤を間に置いて上記第1カメラ部に対向するように配置され、上記第1回転トレイ61c上に移送される錠剤の上面の第2側面を含む領域の画像情報を取得する少なくとも一つのカメラを含む第2カメラ部を含むことができる。
【0094】
すなわち、第1印刷後撮影部20は、楕円形の錠剤の上面に対して対角線に上側及び左側を同時に撮影する第1カメラ部、及び楕円形の錠剤の上面に対して対角線に下側及び右側を同時に撮影する第2カメラ部を含むことができる。好ましくは、第1印刷後撮影部20は、楕円形の錠剤の上面に対して対角線に上側、右側、下側、及び左側を撮影する4台のカメラを含むことができ、上記第1回転トレイ61cの移送面の上側に対向するように配置され、移送される錠剤の上面の画像情報を取得する第3カメラ部をさらに含むことができる。第3カメラ部は、錠剤が移送される第1回転トレイの移送経路の上側に配置され、第3カメラ部の撮影窓を介して錠剤の上面の画像を撮影することができる。
【0095】
このとき、第3カメラ部は2Dカメラであってもよく、好ましくは、錠剤の上面全体を撮影することができる3Dカメラであってもよい。
【0096】
さらに、第2印刷後撮影部30は、第1回転トレイ61cと上記第2回転トレイ62cとの交差領域に隣接する上記第2回転トレイ62c上の第2撮影原点において錠剤の底面領域を撮影することができる。
【0097】
第2印刷後撮影部30は、上記第1回転トレイ61cと上記第2回転トレイ62cとの交差部に隣接して配置され、上記第2回転トレイ62cの底面に配置されることで、上記第2回転トレイ62cに反転移送される上記錠剤の底面の画像情報を取得することができる。第2印刷後撮影部30は、上記第2回転トレイ62c上に移送される錠剤の底面の第1側面を含む領域の画像情報を取得する少なくとも一つのカメラを含む第4カメラ部、及び上記錠剤を間に置いて上記第4カメラ部に対向するように配置され、上記第2回転トレイ62c上に移送される錠剤の底面の第2側面を含む領域の画像情報を取得する少なくとも一つのカメラを含む第5カメラ部を含むことができる。
【0098】
第4カメラ部は、上記第1回転トレイと上記第2回転トレイの交差領域である境界部分に隣接して配置され、第2回転トレイに錠剤の上面が吸着された状態で錠剤の底面を撮影することができる。
【0099】
すなわち、第2印刷後撮影部30は、楕円形の錠剤の底面に対して対角線に上側及び左側を同時に撮影する第4カメラ部、及び楕円形の錠剤の底面に対して対角線に下側及び右側を同時に撮影する第5カメラ部を含むことができる。好ましくは、第2印刷後撮影部30は、楕円形の錠剤の上面に対して対角線に上側、右側、下側、及び左側を撮影する4台のカメラを含むことができ、上記第2回転トレイ62cの移送面の上側に対向するように配置され、移送される錠剤の底面の画像情報を取得する第6カメラをさらに含むことができる。
【0100】
このとき、第6カメラ部は、2Dカメラであってもよく、好ましくは、錠剤の底面全体を撮影することができる3Dカメラであってもよい。
【0101】
第1回転トレイ61cと上記第2回転トレイ62cとの交差領域に隣接する領域において錠剤の底面領域の画像情報を収集する理由は、第2回転トレイ上に移送される時間を確保し、錠剤の底面の画像情報から錠剤の底面の不良有無を判断する時間を十分に確保して、第2回転トレイ62cの次に配置される正常品排出口と不良品排出口との分離が容易であるためである。
【0102】
これにより、第1印刷後撮影部20及び第2印刷後撮影部30が撮影した画像を基に、錠剤の外観に不良があるか否かを判別し、第2移送部62を介して移送される間に不良品及び正常品を排出口に排出することができる。
【0103】
上記錠剤排出部70の排出口は、第1移送部61と第2移送部62の接点の反対側に位置し、良品と不良品を分離排出することができる。また、第2印刷後撮影部30と排出口との距離を確保するほど、正確な良否判定後に錠剤排出を行うことができる。但し、これは、例示的な実施形態に過ぎず、これに限定されない。
【0104】
本発明によると、事前撮影部を介して錠剤印刷面の正確な状態を把握した状態で印刷を行うことから、精密印刷が可能であり、錠剤印刷及び錠剤外観全体の欠陥を検査して錠剤に印刷が正しく行われ、外観に異物やクラックが存在しない正常品のみを分類して抽出することができる。これにより、効率が高くなり、一つの装置で錠剤印刷及び外観検査をともに行うことができることから、作業効率が向上し、コストが削減されることができる。
【0105】
図7及び図8図6に示す本発明の一実施形態による装置を、印刷を行う印刷装置と外観検査を行う検査装置に分けて拡大した拡大図である。
【0106】
本発明の一実施形態によると、錠剤供給部50からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる第1移送部61、第2移送部62と、上記第1移送部61、第2移送部62の移送経路上に配置され、上記移送中の錠剤の外観画像を撮影して錠剤印刷面の状態を感知する事前撮影部10と、上記第1移送部61、第2移送部62の移送経路に沿って上記事前撮影部10の次に位置し、上記事前撮影部10で獲得した画像の画像処理を介して上記錠剤の位置及び姿勢を判別し、且つ上記判別結果を基に位置補正を行ってから印刷を行う錠剤印刷部40と、上記第1移送部61、第2移送部62の移送経路に沿って上記錠剤印刷部40の次に位置し、移送中の錠剤の印刷面である第1面及び第1側面端の外観を撮影して検査する第1印刷後撮影部20、及び上記第1面の反対面である第2面及び第2面端の外観を撮影して検査する第2印刷後撮影部30を含む印刷後撮影部と、を含むことができる。
【0107】
このとき、上記移送部は、錠剤供給部からの供給を受けた錠剤を移送させる第1移送部61、及び上記第1移送部61からの伝達を受けた上記錠剤の姿勢を反転して移送させる第2移送部62を含み、上記第1移送部61の移送経路に沿って上記事前撮影部10及び上記錠剤印刷部40が設置されることができる。
【0108】
具体的に見ると、図7及び図8に示すように、錠剤供給部50からホッパーを介して供給される錠剤を、遠心力によって一列に整列させ、回転トレイの第1移送部61に供給することができる。しかし、錠剤供給部50から第1移送部61に錠剤を供給するとき、第1移送部61が固定されず動いている上、錠剤供給部50と第1移送部61との間に一定の間隔が存在し、すべての錠剤が同一の位置及び姿勢で供給されることができないため、一定の範囲の位置誤差が存在する可能性がある。
【0109】
そのため、事前撮影部10が第1移送部61に吸着されて移送されている錠剤を撮影して錠剤の現在位置及び姿勢についての情報を取得し、これを錠剤印刷部40に伝達することで印刷精度を向上させることができる。
【0110】
本発明の一実施形態による事前撮影部10は、位置追跡センサーが設けられたカメラを含み、上記カメラを介して移送中の錠剤の外観画像を獲得して錠剤の位置を認識し、画像処理を介して獲得した上記錠剤の姿勢、シフト変化、及びローテーション情報のうち少なくとも一つを含む錠剤の情報を制御部に伝達する。また、上記制御部は、上記錠剤の情報を基に、上記錠剤印刷部40の位置変化値及び回転値を含む補正値をリアルタイムで演算し、上記補正値を基準に錠剤印刷部のレーザー照射位置及びレーザー照射量を制御することができる。
【0111】
このとき、上記制御部は、獲得した上記錠剤の情報に応じた補正値を学習し、上記錠剤のローテーション及びシフト変化に応じた錠剤の印刷位置の変化が最小限になるように上記錠剤印刷部40を制御することができる。
【0112】
また、本発明の一実施形態による錠剤印刷部40は、上記事前撮影部10及び上記印刷後撮影部20、30の上部面に設置されてレーザー印刷を行うことができ、事前撮影部10及び上記印刷後撮影部20、30間の移送中の錠剤に対して印刷を行うことができる。
【0113】
より具体的には、本発明の一実施形態によると、ベースフレーム、及び上記ベースフレームに配置され、ホッパーを介して供給される錠剤を遠心力によって一列に整列する錠剤供給部50を含む。上記事前撮影部10は、上記錠剤供給部50の一側に配置され、上記錠剤供給部50から吐出されて、上記印刷後撮影部20、30を通過するように移送される錠剤を撮影する。また、上記錠剤印刷部40は、上記錠剤の一定の位置に印刷を行うように上記事前撮影部10が撮影を介して得られた情報に応じて内部のミラー部を調整し、レーザー光を照射することができる。
【0114】
すなわち、事前撮影部10は、錠剤供給部50の一側に配置され、上記錠剤供給部50から吐出されて、上記第1印刷後撮影部20及び第2印刷後撮影部30を通過するように移送される錠剤を撮影することができる。また、事前撮影部10が錠剤のローテーション情報及びシフト情報に応じて錠剤印刷部40の内部のミラー部を調整して錠剤の中央に印刷を行うことができるように、制御部は、錠剤の外観情報をアップデート及び学習して印刷精度及び迅速性を高めることができる。
【0115】
さらに、印刷後撮影部20、30の上部面に錠剤印刷部40を設置すると、第1移送部61及び第2移送部62の一側において印刷を行うよりも錠剤との距離が遠いことから印刷精度及び迅速性が低下する可能性はあるものの、装置の空間効率を高めるために、錠剤印刷部40を装置の上部に設置してもよい。但し、これは例示的な実施形態に過ぎず、第1移送部61、第2移送部62の一側において錠剤移送面に対向するように錠剤印刷部40を設置してもよい。
【0116】
印刷後撮影部20、30の上部面に錠剤印刷部40を設置する場合、錠剤印刷部40は、レーザー印刷部を介してレーザー印刷を行うことができる。また、レーザーに装置が届かないようにレーザー経路上の装置に溝を設置することができる。すなわち、図8に示すように、錠剤印刷部40が第1印刷後撮影部20の上部に設置される場合、第1印刷後撮影部20は、錠剤印刷部40のレーザー経路を妨げないように一側面に半円柱状の溝を設定することができる。
【0117】
一方、本発明の一実施形態による錠剤外観検査装置として、図8に示すように、第1印刷後撮影部20及び第2印刷後撮影部30を含むことができる。上記第1印刷後撮影部20は、錠剤の一面の正面及び前後方向の側面端部を上部から撮影する2Dカメラ部21、及び錠剤一面の全体的な形状を上部から撮影する3Dカメラ部22を含む。また、上記第2印刷後撮影部30は、錠剤の他面の正面及び前後方向の側面端部を下部から撮影する2Dカメラ部31、及び錠剤の他面の全体的な形状を下部から撮影する3Dカメラ部32を含むことができる。
【0118】
第1印刷後撮影部20は、第1移送部61に第2面が吸着された状態で錠剤の第1面を撮影し、第1面の正面を撮影する1台のカメラを含む3Dカメラ部22、及び第1面の前後方向の角側面を撮影する4台の2Dカメラ部21を含むことができる。上記カメラは、第1印刷後撮影部の2Dカメラ部21であってもよい。
【0119】
また、第1印刷後撮影部の2Dカメラ21に第1印刷後撮影部の3Dカメラ22をさらに設置して錠剤の全体的な外観及び形状を撮影することで、外観にクラックが存在するか否か、そして、一部が欠けて錠剤の欠片に該当するかなど、錠剤が不良品であるか否かをさらに判断することができる。
【0120】
すなわち、第1印刷後撮影部20は、第1印刷後撮影部の2Dカメラ21及び第1印刷後撮影部の3Dカメラ22を含むことができる。第1印刷後撮影部20による撮影を介して錠剤の第1面の正面及び前後方向の側面端部の外観欠陥を検査し、錠剤の印刷が外側に偏らず中央に印刷されたか否かを検査することができる。
【0121】
但し、錠剤が第1移送部61と吸着している面に対しては検査を行うことができないことから、第2移送部62に錠剤を移送させる。このとき、錠剤の姿勢が反転されて錠剤の第1面が第2移送部62で吸着され、錠剤の第2面に対して第2印刷後撮影部30が撮影を行うことができる。
【0122】
本発明の一実施形態による第2印刷後撮影部30は、第1印刷後撮影部20のように、第2面の正面及び第2面の前後方向の側面端部を撮影する第2印刷後撮影部の2Dカメラ31を含むことができ、錠剤の全体的な外観及び形状を撮影する第2印刷後撮影部の3Dカメラ32を含むことができる。第1印刷後撮影部20と重複する説明は、簡潔性のために省略する。
【0123】
本発明の一実施形態によると、制御部をさらに含むことができる。上記制御部は、上記事前撮影部10を介して得られた画像に応じて上記錠剤印刷部40のミラー部を制御し、第1印刷後撮影部20が撮影した画像を獲得して1次的に錠剤の外観不良を判断する。また、第2印刷後撮影部30が撮影した画像を獲得して2次的に錠剤外観不良を判断することで、上記錠剤が排出される排出部を決定することができる。このとき、最終的に正常品として判定された錠剤は正常品排出口に抽出して分類し、不良品として判定された錠剤は不良品排出口に抽出して分類することができる。
【0124】
具体的には、制御部は、上記第1印刷後撮影部20が撮影した錠剤の第1面の印刷部の文字境界線と印刷を意図した文字境界線が同一であるかを比較し、上記印刷部の文字境界線の位置が錠剤の中心部にあるかを確認して、上記錠剤の印刷部が正常品であるか否かを判別することができる。
【0125】
或いは、制御部は、上記第1印刷後撮影部が撮影した錠剤の外観境界線及び錠剤の表面を検査して錠剤が正常品であるか否かを判別することができる。
【0126】
これにより、錠剤の生産過程において不可欠な錠剤印刷を行い、錠剤印刷及び錠剤外観を一度に検査して錠剤の正常品及び不良品を分類する錠剤印刷及び検査装置は、作業効率を高め、且つ一つの装置を介して複数の作業を行うことで、時間及び空間上の効率を最大化することができる。
【0127】
一方、本発明のさらに他の実施形態によると、錠剤印刷及び外観検査方法を提供することができる。図9は本発明の一実施形態による錠剤印刷及び外観検査方法を示すフローチャートである。以下、説明の簡略性のために、重複する内容は省略する。
【0128】
S901において、移送部60により、錠剤供給部50からの供給を受けた錠剤を一列に配置して移送させる。
【0129】
S902において、事前撮影部10により、錠剤の位置及び姿勢を判別するように移送中の錠剤の外観画像を撮影することができる。
【0130】
このとき、上記錠剤の印刷前の表面に異常があるか否かを検査するように上記錠剤の表面状態を撮影する段階をさらに含むことができる。
【0131】
S903において、錠剤印刷部40により、上記事前撮影部10で撮影した画像を介して獲得した判別結果を基に、移送中の錠剤に対する位置補正を行うことで印刷を行うことができる。
【0132】
S904において、印刷後撮影部20、30により、印刷された錠剤の全体の外観を検査するように移送中の錠剤の外観を撮影することができる。
【0133】
上記S901~S904の段階は、第1移送部及び第2移送部のうち少なくとも一つにおいて行われてもよく、一つの移送部において行われてもよい。
【0134】
これにより、錠剤の生産過程において不可欠な錠剤印刷を行い、錠剤印刷及び錠剤外観を一度に検査して錠剤の正常品及び不良品を分類することができるため、作業効率を最大化することができる。
【符号の説明】
【0135】
10 事前撮影部、
20 第1印刷後撮影部、
21 第1印刷後撮影部の2Dカメラ、
22 第1印刷後撮影部の3Dカメラ、
30 第2印刷後撮影部、
31 第2印刷後撮影部の2Dカメラ、
32 第2印刷後撮影部の3Dカメラ、
40 錠剤印刷部、
50 錠剤供給部、
60 移送部、
61 第1移送部、
62 第2移送部、
70 錠剤排出部。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9