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特許7012897ラウンドファスナー財布製作用のラウンドファスナー治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】ラウンドファスナー財布製作用のラウンドファスナー治具
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/08 20060101AFI20220121BHJP
   A45C 1/02 20060101ALI20220121BHJP
   A45C 13/10 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
A45C1/08
A45C1/02 Z
A45C13/10 J
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021142821
(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公開番号】P2021192809
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521314677
【氏名又は名称】今里 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100119769
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 清
(72)【発明者】
【氏名】今里 真由美
【審査官】柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-201714(JP,A)
【文献】登録実用新案第3002140(JP,U)
【文献】特開昭63-270088(JP,A)
【文献】登録実用新案第3042282(JP,U)
【文献】登録実用新案第3016721(JP,U)
【文献】登録実用新案第3214216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1-00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラウンドファスナー財布を製作する際に使用するラウンドファスナー治具であって、
同一形状の2枚の外側板と、該2枚の外側板の間に挟んで取り付ける中間板と、2個の丸棒で構成され、
外側板は長方形状でその一長辺側面と、該長辺側面と交わる両側面との角部は丸みをつけた形状にされており、前記中間板は該外側板の側面形状を相似形に縮小した形状で、3枚の板を重ねると4周辺部に同じ深さの浅い溝が形成される形状に形成されており、
そのように重ねた状態の側面2ケ所に3枚の板を貫く貫通孔が形成され、該貫通孔に該孔径に等しい外径で、3枚の板の合計厚みに等しい長さの前記丸棒を挿入することにより3枚の板が周囲に浅い溝を形成した状態で維持されるように構成されていることを特徴とするラウンドファスナー治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラウンドファスナーを使用して開閉を行なうラウンドファスナー財布を製作する際に使用するラウンドファスナー治具に関する。
【背景技術】
【0002】
薄い長方形状をした長財布の一種に、3周面をラウンドファスナーと呼ばれるファスナーで開閉する方式のラウンドファスナー財布と呼ばれるものがある。図3はそのラウンドファスナー財布21の外観の一例である。この財布21は財布の作成を正確かつ容易に行なうための治具であるラウンドファスナー治具と呼ばれる治具を使用して手作り製作される。図4は代表的なラウンドファスナー治具22の外観である。このラウンドファスナー治具22は3枚の板を貼り合わせたものであり、外側2枚の板23は同じ形状、その間に挟まれた中間板24は外側板23より僅かに小さく形成してある。貼り合わせにより外側2枚の板の間に中間板24の板厚に等しい幅の浅い溝25が形成されている。ラウンドファスナー財布21を製作する際は、図5に示すように治具22の外側枚23の広い側面に財布本体内側となる形状の内側材料26をクリップ27などで固定する。その状態でラウンドファスナー28の務歯29と呼ばれる金具部を細長い溝25にはめ込み、財布の内側材料26とファスナー28のテープが重なる部分をボンドで貼り合わせて取り付ける。図6は貼り合わせを終えた状態である。最後に本体外側の材料29を図7に示すようにして貼り合わせる。ボンドが固まるのを待ってファスナー28を開くと図8に示す状態になっており、治具22を取り外すとラウンドファスナー財布21の本体ができあがる。その後は必要に応じて小銭収納部、紙幣収納部、カード収納部等を財布内側に取り付けてラウンドファスナー財布21を完成させる。
【0003】
このラウンドファスナー治具22はラウンドファスナー財布21の製作には必須の治具である。上記例の治具22は3枚の板を貼り合わせた構成であるが、他には3枚貼り合わせた形状を木型で一体的に形成し、彫刻刀等で周囲に溝を形成した治具もある。しかし、こうした従来構成のラウンドファスナー治具は形状が固定であるため、一つのサイズの財布の製作にしか使用できない問題がある。例えば、厚みの異なる財布を製作する場合には、それに合わせた別形状の3枚板貼り合わせ型、又は、一体型の治具を準備する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3016721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は厚みのみ異なる財布を3枚板貼り合わせ型のラウンドファスナー治具を用いて製作する際、3枚板の中間板を財布の厚みに合わせた板厚の板に交換するだけで、外側2枚の板は交換せずに使用できる構成にしたラウンドファスナー治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ラウンドファスナー財布を製作する際に使用するラウンドファスナー治具であって、同一形状の2枚の外側板と、該2枚の外側板の間に挟んで取り付ける中間板と、2個の丸棒で構成され、外側板は長方形状でその一長辺側面と、該長辺側面と交わる両側面との角部は丸みをつけた形状にされており、前記中間板は該外側板の側面形状を相似形に縮小した形状で、3枚の板を重ねると4周辺部に同じ深さの浅い溝が形成される形状に形成されており、そのように重ねた状態の側面2ケ所に3枚の板を貫く貫通孔が形成され、該貫通孔に該孔径に等しい外径で、3枚の板の合計厚みに等しい長さの前記丸棒を挿入することにより3枚の板が周囲に浅い溝を形成した状態で維持されるように構成されていることを特徴とするラウンドファスナー治具である。
【0007】
このような構成によれば、側面形状が同じで厚みの異なる新しいラウンドファスナー財布を製作する際には、2本の丸棒を取り外して中間板を新しいラウンドファスナー財布の厚みに合わせた板厚の中間板に交換し、丸棒もそれに合わせた長さの丸棒に交換すれば、2枚の外側板は交換することなく新しいラウンドファスナー財布用のラウンドファスナー治具を構成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るラウンドファスナー治具1の図面である。
図2】ラウンドファスナー治具1の分解斜視図である。
図3】ラウンドファスナー財布21の外観の一例である。
図4】従来のラウンドファスナー治具22の外観の一例である。
図5】ラウンドファスナー治具22の使用法の説明図である。
図6】ラウンドファスナー治具22に財布の内側材料26とファスナー28を取り付けた状態である。
図7】本体外側の材料29の取り付け方の説明図である。
図8】ラウンドファスナー財布21を作り終えてファスナー28を開いた状態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための一形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るラウンドファスナー財布用のラウンドファスナー治具1の正面図、平面図、右側面図、図2は分解斜視図である。ラウンドファスナー治具1は同一形状の2枚の外側板2と、1枚の中間板3と、2本の丸棒4で構成される。
【0010】
外側板2は長方形状板の左上角と右上角に丸みを持たせた形状で、製作するラウンドファスナー財布内に丁度納まる大きさに形成されている。中間板3は2枚の外側板2の間に挟んで取り付ける板である。その側面形状は、外側板2の側面形状を相似形に縮小した形状であって、2枚の外側板2に挟んだ状態では図1に示すように板周囲に同じ深さの浅い溝3aが形成される形状に形成されている。
【0011】
2本の丸棒4は、中間板3の周囲に同じ深さの浅い溝3aが形成されるように2枚の外側板2と中間板3を重ねた状態を維持するための支持棒である。図2に示すように重ねた3枚の板を貫く貫通孔6を2個設け、その貫通孔6に丸棒4を差し込んで重ねた状態を維持する。丸棒4の外径は貫通孔6に丁度納まる寸法、長さは重ねた3枚の板の板厚合計に等しくしてある。
【0012】
3枚の板を重ねて丸棒4を通した状態のラウンドファスナー治具1の外形は、「背景技術」で説明した従来のラウンドファスナー治具22と同じである。従って、「背景技術」で説明した方法でラウンドファスナー財布製作用の治具として使用できる。ラウンドファスナー治具1の周囲に形成された浅い溝3aは、財布製作時に貼り付けるファスナーの務歯と呼ばれる金属部を嵌め込むための溝である。金属部を嵌め込むことによりファスナーを直線状に取り付けることができる。
【0013】
従来のラウンドファスナー治具は3枚の板を接着剤で貼り合わせた構成か、3枚貼り合わせた形状を木型で一体的に形成して彫刻刀等で周囲に溝を形成した構成である。こうした従来のラウンドファスナー治具は形状が固定であるため、一つのサイズの財布の製作にしか使用できない問題がある。厚みの異なる財布を製作する場合には、それに合わせた別形状の3枚板貼り合わせ型、又は、一体型の治具を準備する必要がある。
【0014】
これに対して本実施形態のラウンドファスナー治具1では、側面形状が同じで厚みの異なる新しいラウンドファスナー財布を製作する際には、2本の丸棒4を取り外して中間板3を新しいラウンドファスナー財布の厚みに合わせた板厚の中間板に交換し、丸棒4もそれに合わせた長さの丸棒に交換すれば、2枚の外側板2は交換することなく新しいラウンドファスナー財布用のラウンドファスナー治具として使用できる利点がある。
【符号の説明】
【0015】
図面中、1はラウンドファスナー治具、2は外側板、3は中間板、3aは浅い溝、4は丸棒、6は貫通孔、21はラウンドファスナー財布である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8