IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青▲島▼海▲尓▼洗▲滌▼▲電▼器有限公司の特許一覧 ▶ 海尓智家股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-ドラム式洗濯機 図1
  • 特許-ドラム式洗濯機 図2
  • 特許-ドラム式洗濯機 図3
  • 特許-ドラム式洗濯機 図4
  • 特許-ドラム式洗濯機 図5
  • 特許-ドラム式洗濯機 図6
  • 特許-ドラム式洗濯機 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20220207BHJP
   D06F 21/02 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
D06F39/12 Z
D06F21/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020528288
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2018109928
(87)【国際公開番号】W WO2019100860
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-07-10
(31)【優先権主張番号】201711194899.5
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521527325
【氏名又は名称】青▲島▼海▲尓▼洗▲滌▼▲電▼器有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520150337
【氏名又は名称】海尓智家股▲分▼有限公司
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】翁宗元
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲凱▼
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-125832(JP,A)
【文献】実公昭48-002789(JP,Y1)
【文献】特表2007-517579(JP,A)
【文献】特開2017-127338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/02,37/04,39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、前記キャビネットに配置された外槽と内槽とを備え、前記キャビネットには扉体が配置され、前記キャビネットと前記外槽との間にはシール用の窓ガスケットが配置されているドラム式洗濯機であって、
前記内槽の前部フランジには、洗濯機の脱水段階で内槽に空気を導入するための前方に突起する流れ案内構造が設けられており、前記窓ガスケットには前記内槽の前部フランジと前記外槽との間の空間を連通する複数の通気口が設けられていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
前記内槽の脱水回転時に、前記流れ案内構造の風上側に少なくとも1つの流れ案内孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
前記流れ案内構造は、前方に突起して互いに傾斜して近接する第1の端面と第2の端面を有し、前記第1の端面と第2の端面との交線の前記内槽の前部フランジの投影は、前記内槽の前部フランジの径方向にあることを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】
前記キャビネットの前面パネルには、衣類投入口が開設されており、前記扉体は前記衣類投入口に開閉可能に設置され、前記窓ガスケットは、前記外槽にシールされた内側リップと、前記内側リップに沿って前方に延伸するプリーツと、前記内側リップに沿って内径方向に延伸するバッフルと、を備え、前記バッフルと前記プリーツとの間に空洞が形成させ、前記通気孔が前記バッフルに開設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のドラム式洗濯機。
【請求項5】
前記バッフルの内端部には、前記バッフルと前記内槽の前部フランジとの間の隙間からの空気の流れを遮断する後方へ延伸するスポイラー部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のドラム式洗濯機。
【請求項6】
前記内槽の前部フランジには、前記衣類投入口方向に延伸する内槽リムが設けられ、前記内槽リムの前端には、外向きの折り返し部が設けられ、前記スポイラー部の後部は前記折り返し部の外側に位置することを特徴とする請求項5に記載のドラム式洗濯機。
【請求項7】
前記スポイラー部は、前記バッフルに沿って後方かつ外方に延伸する円弧状の面であることを特徴とする請求項6に記載のドラム式洗濯機。
【請求項8】
前記プリーツは、前記内リップに沿って前方に延伸する第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部の前端に沿って屈曲して前記バッフルの内端に向かって延伸する第2の傾斜部と、を有することを特徴とする請求項4に記載のドラム式洗濯機。
【請求項9】
前記バッフルには、前方及び外方に延伸する流れ案内部が設けられ、前記流れ案内部は、前記第2の傾斜部と平行に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のドラム式洗濯機。
【請求項10】
前記洗濯機が脱水する時に、前記内槽が高速で回転し、前記内槽の前部フランジと前記外槽との間の空気が前記流れ案内構造を介して前記内槽に流れ、前記内槽の前部フランジと前記外槽との間に負圧が形成され、前記窓ガスケットにある空気は前記通気口を介して前記内槽の前部フランジと前記外槽との間に流入させ、前記窓ガスケットの内面に大きな気流を形成し、前記窓ガスケットの内面を急速に乾燥させることを特徴とする請求項1から3のいずれかの一項に記載のドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ユーザは、ドラム式洗濯機を使用した後、洗濯機の扉を閉めてスペースを節約し、美しい外観を維持する。ドラム式洗濯機を使用した後、窓ガスケットに少量の残留水が残り、その中にさまざまな脂質、皮脂、ほこり、洗剤が混入している。扉を閉めると、洗濯機の内部に比較的密閉された空間が形成され、窓ガスケットに溜まった水は、拡散が非常に遅く、長時間湿った状態になり、悪臭やバクテリアの繁殖を引き起こし、消費者体験は非常に悪くなり、その後の洗濯衣類に二次汚染を引き起こして、消費者の健康を危険に曝す。
【0003】
従来技術では、窓ガスケット内の残留水を除去するための主な技術的解決策として下記の2つがある、即ち、解決策1:窓ガスケット内の残留水を除去するために、一般に窓ガスケットの周囲の最下点にある窓ガスケットの側壁に多数の通水孔が設計され、窓ガスケットの側壁の通水孔穴が外槽の内側と連通しており、重力の作用で窓ガスケット周りの水(水滴)が窓ガスケット外周の最下部(時計約6時の位置)に集まり、次にいくつかの通水孔から外槽の内部に導入され、外槽の底に排水装置に連通するホースを有し、残留水は排水装置を介して洗濯機から排出される。解決策2:窓ガスケット内の残留水を除去するために、一般に窓ガスケットの周囲の最下点にある円周壁に排水孔が設計され、一つの追加の管路を介して排水装置に連通され、重力の作用で窓ガスケット周りの水(水滴)が窓ガスケット外周の最下部(時計約6時の位置)に集まり、次にこの排水孔を介して排水装置に導入される、つまり、排水装置によって洗濯機から排出される。解決策1と解決策2とは、ほとんどの残留水分を排出するのに一定の役割を果たすが、解決策1と解決策2は、収集された水を排水孔に通して最終的に排水装置に到達させるだけで、窓ガスケットの周りの湿気を取り除くことはできない。つまり、窓ガスケットの表面はまだ濡れている。扉を閉めると、洗濯機の内部に比較的密閉された空間が形成され、窓ガスケットの表面が長時間濡れたり、悪臭やバクテリアの繁殖を引き起こしたりして、その後の洗濯衣類に二次汚染を引き起こして、消費者の健康を危険に曝す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における上記の問題に鑑みて、脱水回転段階中に窓ガスケットを通って流れる気流を形成し、窓ガスケットの表面を急速に乾燥させ、バクテリアの繁殖を減らし、悪臭を取り除くドラム式洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的目的を達成するために、本発明は、次の技術的解決策を用いて実現する。
【0006】
キャビネットと、キャビネットに配置された外槽と内槽とを備え、キャビネットには扉体が配置され、キャビネットと外槽との間にはシール用の窓ガスケットが配置されているドラム式洗濯機であって、前記内槽の前部フランジには、洗濯機の脱水回転段階で内槽に空気を導入するための前方に突起する流れ案内構造が設けられており、前記窓ガスケットには前記内槽の前部フランジと前記外槽との間の空間を連通する複数の通気口が設けられている。
【0007】
さらに、前記内槽の脱水回転時に、前記流れ案内構造の風上側に少なくとも1つの流れ案内孔が設けられている。
【0008】
さらに、前記流れ案内構造は、前方に突起して互いに傾斜して近接する第1の端面と第2の端面を有し、前記第1の端面と第2の端面との交線の内槽の前部フランジの投影は、内槽の前部フランジの径方向にある。
【0009】
さらに、前記流れ案内構造は、前方に突起して互いに傾斜して近接する第1の端面と第2の端面を有し、前記第1の端面と第2の端面との交線は、前記内槽の径方向にある。
【0010】
さらに、前記キャビネットの前面パネルには、衣類投入口が開設されており、前記扉体は前記衣類投入口に開閉可能に設置され、前記窓ガスケットは、前記外槽にシールされた内側リップと、前記内側リップに沿って前方に延伸するプリーツと、前記内側リップに沿って内径方向に延伸するバッフルと、を備え、前記バッフルと前記プリーツとの間に空洞が形成され、前記通気孔が前記バッフルに開設されている。
【0011】
さらに、前記バッフルの内端部には、前記バッフルと前記内槽の前部フランジとの間の隙間からの空気の流れを遮断する後方へ延伸するスポイラー部が設けられている。
【0012】
さらに、前記内槽の前部フランジには、前記衣類投入口方向に延伸する内槽リムが設けられ、前記内槽リムの前端には、外向きの折り返し部が設けられ、前記スポイラー部の後部は前記折り返し部の外側に位置する。
【0013】
さらに、前記スポイラー部はバッフルに沿って後方かつ外方に延伸する円弧状の面である。
【0014】
さらに、前記プリーツは、前記内リップに沿って前方に延伸する第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部の前端に沿って屈曲して前記バッフルの内端に向かって延伸する第2の傾斜部と、を有する。
【0015】
さらに、前記バッフルには、前方及び外方に延伸する流れ案内部が設けられ、前記流れ案内部は、前記第2の傾斜部と平行に設けられている。
【0016】
さらに、前記窓ガスケットは、前記衣類投入口とシールされる外側リップと、前記外側リップとプリーツとの間に位置する接続部とをさらに備える。
【0017】
さらに、前記洗濯機の脱水時に、前記内槽が高速で回転し、前記内槽の前部フランジと前記外槽との間の空気が流れ案内構造を介して前記内槽に流れ、前記内槽の前部フランジと前記外槽との間に負圧が形成され、前記窓ガスケットにある空気は通気口を介して前記内槽の前部フランジと外槽との間に流入させることで、窓ガスケットの内面に大きな気流を形成し、窓ガスケットの内面を急速に乾燥させる。
【0018】
さらに、前記内槽を脱水すると、前記流れ案内構造と、窓ガスケットと、通気口と、を流れる循環気流が形成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明が提供するドラム式洗濯機によれば、内槽に空気を導入するための前方に突出する流れ案内構造が前記内槽の前部フランジに設けられている。内槽の前部フランジと外槽との間に大きな負圧を形成するように内槽の前部フランジの前側の空気を内槽の前部フランジの後側に導入し、つまり内槽の内部に導入する。また、窓ガスケットに通気孔が設けられ、洗濯機が脱水するとき、前記内槽は高速で回転し、内槽の前部フランジの前側の空気を内槽の前部フランジの後側に導入し、内槽の前部フランジと外槽との間に大きな負圧を形成させ、窓ガスケットにある空気は、通気孔を介して内槽の前部フランジと外槽との間の空間に流入することによって、窓ガスケットの内面に多くの気流が形成され、窓ガスケットの内面が急速に乾燥する。流れ案内構造と、窓ガスケットと、通気孔と、を通る循環気流が形成される。窓ガスケットの乾燥速度を向上し、バクテリアの繁殖を抑え、悪臭を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るドラム式洗濯機の一実施例の簡略構造図である。
図2図1の部分構造の拡大簡略構造図である。
図3図2の窓ガスケットの部分の拡大簡略構造図である。
図4図2の内槽の前部フランジの部分の拡大簡略構造図である。
図5】内槽の前部フランジの正面視の構造の簡略図である。
図6図5のA-A方向の断面の拡大簡略構造図である。
図7図5の領域Bの拡大簡略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術的解決策及び利点をより明確するために、次に本発明の実施例の図面を併せて本発明の実施例の技術的解決手段を明白に、詳細に説明する。
【0022】
本発明の記載において、「上」、「下」、「左」、「右」等の用語で示される方向又は位置関係は、図面に基づく方向又は位置関係であり、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されることを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」の用語は、説明の目的を示すのに用いて、相対的な重要度を明示や暗示すると理解されない。
【0023】
図1図7に示すように、本発明によって提案されるドラム式洗濯機の実施形態に係るドラム式洗濯機は、キャビネット1と、キャビネット1内に配置された外槽2および内槽3と、キャビネット1のフロントパネルに開設された衣類投入口と、衣類投入口を開閉可能な扉体4と、衣類投入口と外槽2との間に設けられたシール用の窓ガスケット5と、を備える。扉体4を閉じた後、扉体4と窓ガスケット5は、衣類投入口を密閉させ、内槽3は、筒状の内槽本体31と、内槽本体31の前端に設置された内槽の前部フランジ32と、を有している。窓ガスケット5には、窓ガスケット5の内面を通る空気の流れを促進するための複数の通気孔541が設けられ、気流は、窓ガスケット5の内部を通って、通気孔541を経由した後、内槽3と外槽2との間に流れ、具体的には、内槽の前部フランジ32と外槽2との間に流れ込む。内槽の前部フランジ32には、内槽の前部フランジ32と外槽2との間の気流を内槽3に導入する前方へ突出した流れ案内構造323が設けられている。つまり、内槽の前部フランジ32の前側の空気を後側に導入する。
【0024】
本実施形態では、内槽の前部フランジ32に流れ案内構造323を設けることにより、洗濯機が脱水するとき、内槽の前部フランジ32の前側の空気が内槽の前部フランジ32の後側に導入される。すなわち、内槽3に導入され、内槽の前部フランジ32と外槽2との間に大きな負圧が形成される。窓ガスケット5に通気孔541が開設されることによって、前記洗濯機が脱水するとき、内槽3は高速で回転し、内槽の前部フランジ32の前側の空気を内槽の前部フランジ32の後側に導入し、内槽の前部フランジ32と外槽2との間に大きな負圧を形成する。窓ガスケット5の空気は、通気口541を介して内槽の前部フランジ32と外槽2との間の空間に流入し、窓ガスケット5の内面に大きな空気流が形成され、窓ガスケット5の内面の急速な乾燥が達成される。流れ案内構造323と、窓ガスケット5と、通気口541と、を通って流れる循環空気流が形成され、窓ガスケット5の乾燥速度を向上させて、バクテリアの繁殖を抑え、悪臭を取り除くことができる。
【0025】
本実施形態では、図2および図7に示すように、脱水のときに、内槽3が高速で回転し、内槽3が脱水回転するとき、少なくとも1つの流れ案内構造323の風上側表面に流れ案内孔3231が設けられる。内槽3が高速で回転することによって、風上側の面での風抵抗が大きく、流れ案内孔3231から内槽3に多くの空気流を流入させ、内槽の前部フランジ32と外槽2との間に比較的大きな負圧が形成される。好ましくは、流れ案内構造323は、内槽の前部フランジ32の円周方向において内槽本体31に近い側に等間隔で配置される。内槽3が回転するとき、軸線から遠いほど線速度が大きい。よって、流れ案内構造323が、内槽の前部フランジ32の円周方向において内槽本体31に近い側に設けられ、流れ案内構造3での速度が大きくなり、流れ案内構造を通る気流速度を改善し、循環気流の速度を向上するのに有効であり、乾燥速度をさらに向上する。複数の通気孔541は、窓ガスケット5の円周方向に等間隔で設けられ、流れ案内構造323も等間隔で配置される。このように、窓ガスケット5の内面上に均一に分布した大きな気流を形成するのに有効である。気流によって内面の湿気が取り除かれ、窓ガスケット5の乾燥速度がさらに向上する。
【0026】
本実施形態では、図6に示すように、流れ案内構造323は、前方に突出し互いに近接して傾斜する第1の端面3232と第2の端面3233を有し、第1の端面3232と第2の端面3233の交線の前部フランジ32の投影は、内槽の前部フランジ32の径方向にある。第1の端面3232と第2の端面3233は、内槽の前部フランジ32から前方に突出し、即ち、外槽2と内槽の前部フランジ32との間の空間に突出している。洗濯機が脱水するとき、現在一般に内槽3が反時計回りに回転するように設定され、第1の端面3232は風上側の面であり、第1の端面3232に流れ案内孔3231が設けられ、気流が流れ案内孔を介して内槽3に流入する。V字型である第1の端面3232と第2の端面3233を設置することによって、外槽2と内槽の前部フランジ32との間の空気を内槽3に導入することを確実にするとともに、傾斜した第1の端面3232と第2の端面3233は、大きな風抵抗が発生することを防止する。
【0027】
本実施形態では、図3に示すように、窓ガスケット5は、衣類投入口に密封する外側リップ51と、外槽2に密封する内側リップ52と、内側リップ52に沿って前方に延伸するプリーツ53と、リップ52の内径方向に延伸するバッフル54と、外側リップ51とプリーツ53との間に位置する、軸方向に延伸する連結部55と、を備え、バッフル54とプリーツ53との間に空洞56が形成され、窓ガスケット5に残留する水は主に空間56にあり、通気孔541はバッフル54に開設されている。このように、脱水のとき、内槽3は高速で回転し、第1の端面3232は風上側の面であり、内槽の前部フランジ32と外槽2との間の空気は、第1の端面3232の流れ案内孔3231を介して内槽3に流入し、内槽の前部フランジ32と外槽2との間の空間に大きな負圧が形成され、キャビティ56内の空気は通気孔541を介して内槽の前部フランジ32と外槽2との間に流入し、キャビティ56内の空気が流出した後、負圧が形成され、バッフル54とプリーツ53の間の隙間を通過し、即ち、キャビティ56の吸気口は空気を補足して流れ込み、このようにして、流れ案内構造323と、キャビティ56と、通気孔541との間に循環気流が形成され、キャビティ56の内面の水分を乾燥させる。
【0028】
本実施形態では、バッフル54の内端には、後方に延伸するスポイラー部542が設けられ、スポイラー部542は、バッフル54と内槽の前部フランジ32との隙間から内槽の前部フランジ32と外槽2との間に流れる空気を遮断し、循環空気が窓ガスケット5の内面を通って流れ、通気孔541を通って内槽の前部フランジ32と外槽2との間の空間に流入するのを確実にする。窓ガスケット5に流れる気流量を確実にすることによって、窓ガスケット5の乾燥速度を確実にするのに有効である。
【0029】
本実施形態では、図4に示すように、内槽の前部フランジ32に衣類投入口の方向に向かって延伸する内槽縁部321が設けられ、内槽縁部321の前端に外向きの折り返し部322が設けられ、スポイラー部542の後部は折り返し部322の外側に位置する。内槽3が回転部材であり、窓ガスケット5が固定部材であるため、スポイラー部542と折り返し部322とが密着せず、スポイラー部542が後方に延伸するよう設置し、その後部が折り返し部322の外側に位置することによって、バッフル54と内槽の前部フランジ32との間の隙間は遮断され、気流の通過を防止する。バッフル54の内端面は、内槽縁部321と面一である。好ましくは、スポイラー部542は、バッフル54の内側端部に沿って後方と外方に延伸する弧状表面であり、スポイラー部542が折り返し部322に接触することを防止した場合、気流を遮断することを確実にする。
【0030】
本実施形態では、図3に示すように、プリーツ53は、内側リップに沿って前方に延伸する第1の傾斜部531と、第1の傾斜部531の前端に沿って折り曲げてバッフル54の内側端に向かって延伸する第2の傾斜部532と、を有する。即ちキャビティ55は、小さな開口部と大きな底端部を有するキャビティであり、それにより、キャビティ55内の水分を揮発性からさらに悪化させる。バッフル54に前方かつ外方に延伸する流れ案内部543が設けられており、流れ案内部543は、第2の傾斜部532と平行に配置されている。即ちキャビティ56の入口に位置するバッフル54に前方かつ外方に延伸する流れ案内部543は設けられ、流れ案内部543とキャビティ56の入口に位置するプリーツ53の傾斜方向は同じである。このように、気流を第2の傾斜部532の内壁に沿って空洞56に平行に吹き込み、第2の傾斜部532と第1の傾斜部531との接合部での折り曲げ方向に沿って気流方向を調整し、続けて第1の傾斜部531に沿って通気孔541に向かって流すことができる。気流が空洞56の内壁に沿って流れることをさらに確実にし、窓ガスケット5を乾燥させる効果を改善する。
【0031】
以上に説明したのは、本発明の好ましい実施例であり、本発明を他の形式で制限するものではなく、当業者は上記に開示の技術的内容と同等の変化とする等価の実施例を変更または変形することができる。しかし、本発明の技術的解決手段内容から逸脱せず、本発明の実質的技術に基づいて上記の実施例を如何に簡単に修正、同等の変化と変形は、依然として本発明の技術的解決手段の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7