(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018031161
(22)【出願日】2018-02-23
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】若林 貴之
(72)【発明者】
【氏名】小林 典生
(72)【発明者】
【氏名】矢部 翼
【審査官】橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-015134(JP,A)
【文献】特開2014-18261(JP,A)
【文献】特開2013-63123(JP,A)
【文献】特開2016-137169(JP,A)
【文献】特開2011-092355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域内に、遊技球が入賞可能な入賞手段と、図柄を変動/確定表示するとともに種々の表示演出を実行する表示手段とが備えられている一方、前記入賞手段への遊技球の入賞を検出するとともに前記表示手段の動作を制御する制御手段が備えられており、
前記制御手段は、前記入賞手段への遊技球の入賞検出にもとづいて、少なくとも前記表示手段での図柄の確定表示態様と図柄の変動時間とを決定するとともに、決定した前記変動時間に応じた詳細変動パターンにしたがい前記図柄を変動させた後、決定した前記確定表示態様で前記図柄を確定表示させ、
さらに、所定の特定条件が成立すると、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を生起させる遊技機であって、
前記表示手段の左右両側を遊技球が流下可能となっており、前記表示手段の左側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第1入賞手段が、前記表示手段の右側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第2入賞手段が夫々設けられているとともに、
前記第2入賞手段に開閉動作する可動部が備えられており、前記制御手段は、前記特定状態として前記可動部が前記通常状態よりも開動作しやすい遊技状態を生起させ、
さらに、前記制御手段に、前記変動時間として特別変動時間が記憶されているとともに、前記特別変動時間に対応する前記詳細変動パターンとして、遊技者に遊技球を前記表示手段の左側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターンが記憶されており、
前記制御手段は、前記通常状態において前記第2入賞手段への遊技球の入賞を検出すると、前記特別詳細変動パターンにしたがって前記表示手段での表示動作を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球が流下する遊技領域内に、遊技球が入賞可能な入賞手段と、図柄を変動/確定表示するとともに種々の表示演出を実行する表示手段とが備えられている一方、前記入賞手段への遊技球の入賞を検出するとともに前記表示手段の動作を制御する制御手段が備えられており、
前記制御手段は、前記入賞手段への遊技球の入賞検出にもとづいて、少なくとも前記表示手段での図柄の確定表示態様と図柄の変動時間とを決定するとともに、決定した前記変動時間に応じた詳細変動パターンにしたがい前記図柄を変動させた後、決定した前記確定表示態様で前記図柄を確定表示させ、
さらに、所定の特定条件が成立すると、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を生起させる遊技機であって、
前記表示手段の左右両側を遊技球が流下可能となっており、前記表示手段の左側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第1入賞手段が、前記表示手段の右側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第2入賞手段が夫々設けられているとともに、
前記第2入賞手段に開閉動作する可動部が備えられており、前記制御手段は、前記特定状態として前記可動部が前記通常状態よりも開動作しやすい遊技状態を生起させ、
さらに、前記制御手段に、前記変動時間として特別変動時間が記憶されているとともに、前記特別変動時間に対応する前記詳細変動パターンとして、遊技者に遊技球を前記表示手段の右側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターンが記憶されており、
前記制御手段は、前記特定状態において前記第1入賞手段への遊技球の入賞を検出すると、前記特別詳細変動パターンにしたがって前記表示手段での表示動作を制御することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばパチンコ機等といった遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ機としては、通常時は所謂左打ちを行い、大当たり状態や確変状態等が生起すると所謂右打ちに変更して遊技するようなものがある(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような遊技機は、遊技の経験が浅い初心者等にしてみると遊技しづらいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、現在どのような遊技を行えばいいのか指示することで、初心者等にとっても遊技しやすい遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域内に、遊技球が入賞可能な入賞手段と、図柄を変動/確定表示するとともに種々の表示演出を実行する表示手段とが備えられている一方、前記入賞手段への遊技球の入賞を検出するとともに前記表示手段の動作を制御する制御手段が備えられており、前記制御手段は、前記入賞手段への遊技球の入賞検出にもとづいて、少なくとも前記表示手段での図柄の確定表示態様と図柄の変動時間とを決定するとともに、決定した前記変動時間に応じた詳細変動パターンにしたがい前記図柄を変動させた後、決定した前記確定表示態様で前記図柄を確定表示させ、さらに、所定の特定条件が成立すると、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を生起させる遊技機であって、前記表示手段の左右両側を遊技球が流下可能となっており、前記表示手段の左側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第1入賞手段が、前記表示手段の右側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第2入賞手段が夫々設けられているとともに、前記第2入賞手段に開閉動作する可動部が備えられており、前記制御手段は、前記特定状態として前記可動部が前記通常状態よりも開動作しやすい遊技状態を生起させ、さらに、前記制御手段に、前記変動時間として特別変動時間が記憶されているとともに、前記特別変動時間に対応する前記詳細変動パターンとして、遊技者に遊技球を前記表示手段の左側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターンが記憶されており、前記制御手段は、前記通常状態において前記第2入賞手段への遊技球の入賞を検出すると、前記特別詳細変動パターンにしたがって前記表示手段での表示動作を制御することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域内に、遊技球が入賞可能な入賞手段と、図柄を変動/確定表示するとともに種々の表示演出を実行する表示手段とが備えられている一方、前記入賞手段への遊技球の入賞を検出するとともに前記表示手段の動作を制御する制御手段が備えられており、前記制御手段は、前記入賞手段への遊技球の入賞検出にもとづいて、少なくとも前記表示手段での図柄の確定表示態様と図柄の変動時間とを決定するとともに、決定した前記変動時間に応じた詳細変動パターンにしたがい前記図柄を変動させた後、決定した前記確定表示態様で前記図柄を確定表示させ、さらに、所定の特定条件が成立すると、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定状態を生起させる遊技機であって、前記表示手段の左右両側を遊技球が流下可能となっており、前記表示手段の左側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第1入賞手段が、前記表示手段の右側を流下させることで遊技球の入賞を狙える位置に前記入賞手段として第2入賞手段が夫々設けられているとともに、前記第2入賞手段に開閉動作する可動部が備えられており、前記制御手段は、前記特定状態として前記可動部が前記通常状態よりも開動作しやすい遊技状態を生起させ、さらに、前記制御手段に、前記変動時間として特別変動時間が記憶されているとともに、前記特別変動時間に対応する前記詳細変動パターンとして、遊技者に遊技球を前記表示手段の右側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターンが記憶されており、前記制御手段は、前記特定状態において前記第1入賞手段への遊技球の入賞を検出すると、前記特別詳細変動パターンにしたがって前記表示手段での表示動作を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制御手段に、変動時間として特別変動時間が記憶されているとともに、特別変動時間に対応する詳細変動パターンとして、遊技者に遊技球を表示手段の左側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターン(請求項1)や、遊技者に遊技球を表示手段の右側を流下させることを指示する指示表示を含んだ特別詳細変動パターン(請求項2)が記憶されている。そして、通常状態において第2入賞手段への遊技球の入賞を検出したり(請求項1)、特定状態において第1入賞手段への遊技球の入賞を検出したり(請求項2)すると、特別詳細変動パターンにしたがって表示手段での表示動作を制御するようになっている。したがって、たとえば遊技の経験の浅い初心者等であっても、現在どのような遊技を行えばいいのかを知ることができるため、遊技者の興趣を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】パチンコ機を前面側から示した説明図である。
【
図3】パチンコ機を後面側から示した説明図である。
【
図4】パチンコ機の制御機構を示したブロック図である。
【
図5】dカウンタの数値と特別図柄の確定表示態様との対応を示した説明図である。
【
図6】抽選入賞口への入賞時におけるeカウンタの数値と基本変動パターンとの対応を示した説明図である。
【
図7】可動入賞装置への入賞時におけるeカウンタの数値と基本変動パターンとの対応を示した説明図である。
【
図8】基本変動パターンと詳細変動パターンとの対応を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を支持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0011】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の上寄りとなる位置には、「0」~「9」の数字からなる装飾図柄や種々のメッセージ等を表示するための表示部6a、6aを備えた表示装置6が設置されている。さらに、表示装置6の下方で遊技領域16の中央部から下部にかけて、遊技球が進入する進入口51、51、各進入口51を開閉する羽根部材52、進入口51、51から進入した遊技球を合流させる合流路53、53、合流路53、53の下流端から分岐しつつ下方へ延びる遊技球流路54、54、遊技球を種々の分岐路へ振り分けるための複数の電動装置、種々の分岐路へ振り分けられつつも遊技球が最終的に到達するステージ55、及びステージ55の前側に設けられた遊技球が通過可能な特別領域56やアウト口57、57等を備えた第1大入賞装置26が設置されている。
【0012】
また、表示装置6及び第1大入賞装置26の左方には、遊技球が流下可能で、遊技球が入賞可能な抽選入賞口19、及び複数の普通入賞口84、84・・等が設置された左打ち用スペースSLが形成されており、この左打ち用スペースSLを流下させることで、抽選入賞口19への遊技球の入賞が狙えるようになっている。一方、表示装置6及び第1大入賞装置26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。この右打ち用スペースSRには、遊技球が通過可能なゲート部材20、開閉動作する可動片(可動部)を有する可動入賞装置17、遊技球の特別領域56の通過に起因して開成する第2大入賞装置18、及び普通入賞口84が設置されている。そして、この右打ち用スペースSRを流下させることで、ゲート部材20を通過させたり、開動作している可動入賞装置17へ入賞させたり、開成している第2大入賞装置18へ入賞させたりすることができるようになっている。
【0013】
なお、左打ち用スペースSLや右打ち用スペースSRには、多数の遊技釘が植設されている。また、第1大入賞装置26への遊技球の入賞は、左打ち用スペースSL及び右打ち用スペースSRのどちらを流下させても、ほぼ同じ確率で狙うことができる。さらに、遊技領域16の最下端には、当該位置まで到達した遊技球を遊技領域16外へ排出するための排出口58が設けられている。加えて、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、第1特別図柄と第2特別図柄とを夫々別個に表示可能とした特別図柄表示部83が設けられている。
【0014】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、発射装置10へ供給する遊技球を貯留するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する夫々一対のスピーカ14、14が設けられている。加えて、前扉4の左右両側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
【0015】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(
図4に示す)、表示装置6における表示動作等を制御する表示制御装置61(
図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置62(
図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置63(
図4に示す)、及び表示制御装置61や音制御装置63等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(
図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
【0016】
次に、パチンコ機1の制御機構について、
図4をもとに説明する。
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、後述するような各種抽選の実行とともに第1大入賞装置26を始めとした各種部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、抽選入賞口19やゲート部材20、可動入賞装置17、第1大入賞装置26、第2大入賞装置18、及び特別図柄表示部83等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、
図4では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29、普通入賞口84等ともインターフェイス35を介して接続されている。
【0017】
記憶手段33には、可動入賞装置17を開動作させるか否かの抽選に使用するaカウンタ、第1大入賞装置26の開放抽選に使用するcカウンタ、特別図柄表示部83における第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ、及び主に特別図柄の変動時間となる基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0~100(101通り)の間を、cカウンタは0~1(2通り)の間を、dカウンタは0~9(10通り)の間を、eカウンタは0~9(10通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材20における通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の抽選入賞口19や可動入賞装置17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(開放抽選を実行する)。なお、本実施形態では、cカウンタの数値は全て小当たり数値として設定されている。
【0018】
また、記憶手段33には、dカウンタの数値と特別図柄表示部83に確定表示する第1特別図柄や第2特別図柄とを対応づけた確定表示態様決定テーブル(
図5に示す)や、dカウンタの数値と特別図柄表示部83に確定表示する第2特別図柄とを対応づけた確定表示態様決定テーブル(図示せず)、及び
図6や
図7に示すようなeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブル等が記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。
【0019】
一方、サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置61、発光制御装置62、及び音制御装置63と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、メイン制御基板31から開放抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や表示装置6における表示動作等を制御する。
【0020】
また、記憶手段43には、表示装置6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、表示装置6における装飾図柄の詳細な変動表示態様や表示装置6で所定のキャラクターを動かすキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域(図示せず)とが設けられている。そして、それらの詳細変動パターンは、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている(
図8に示す)。
【0021】
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が抽選入賞口19や可動入賞装置17へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、記憶手段33に一時的に記憶する。ただ、乱数から数値を取得したタイミング(取得した数値の一時的な記憶のタイミングとも言える)が、特別図柄表示部83における特別図柄の変動表示中、第1大入賞装置26を開動作させる小当たり状態の生起中、若しくは第2大入賞装置18を断続的に開成させる大当たり状態の生起中の何れかであると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を参照することなく記憶手段33から削除する。一方、乱数から数値を取得したタイミングが、特別図柄の変動表示中でなく、小当たり状態中でもなく、更に大当たり状態中でもないと、今回取得した数値のうちcカウンタからの取得数値が小当たり数値であることを確認する(開放抽選の結果が「小当たり」であることの確認)とともに、dカウンタからの取得数値及び抽選入賞口19と可動入賞装置17との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定する。さらに、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
【0022】
その後、メインCPU32は、抽選入賞口19と可動入賞装置17との何れへの入賞に伴うものであるか、開放抽選の結果(「小当たり」であること)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部83において、抽選入賞口19への入賞にもとづく場合には第1特別図柄を、可動入賞装置17への入賞にもとづく場合には第2特別図柄を所定の態様で夫々変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、開放抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値及び抽選入賞口19と可動入賞装置17との何れへの入賞であるかにもとづく確定表示態様で対応する特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。なお、記憶手段33に一時的に記憶した乱数からの取得数値に関しては、当該乱数からの数値の取得に係る特別図柄の確定表示をもって消去する。
【0023】
また、特別図柄の確定表示に係り、メインCPU32は、抽選入賞口19への入賞にもとづく「小当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”であると、第1特別図柄を「7」(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。さらに、抽選入賞口19への入賞にもとづく「小当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“1”~”9”のいずれかであると、第1特別図柄を「3」(第2の特別確定表示態様)で確定表示させる。加えて、可動入賞装置17への入賞にもとづく「小当たり」であると、dカウンタからの取得数値がどの数値であっても第2特別図柄を「7」(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。そして、当該確定表示後、小当たり状態の開始を報知する開始デモ、及び第1大入賞装置26の開成(具体的には、所定時間にわたり羽根部材52、52を1回だけ開動作させる)からなる小当たり状態を生起させる。
【0024】
さらに、メインCPU32は、小当たり状態の生起に伴い開動作した第1大入賞装置26へ進入した遊技球が特別領域56を通過すると、サブ統合CPU42へ大当たり確定コマンドを送信し、サブ制御装置40による制御のもと、表示装置6にて後述するような大当たり演出を実行させる。また、大当たり演出の実行後、サブ統合CPU42へ大当たり開始コマンドを送信するとともに、第2大入賞装置18の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。このとき、第1特別図柄を「7」で確定表示させたことに起因して生起させた小当たり状態か、第2特別図柄を「7」で確定表示させたことに起因して生起させた小当たり状態であると、特別領域56の通過に伴い、第2大入賞装置18を10回にわたり断続的に開成させる第1大当たり状態を生起させる。一方、第1特別図柄を「3」で確定表示させたことに起因して生起させた小当たり状態であると、特別領域56の通過に伴い、第2大入賞装置18を2回しか断続的に開成させない第2大当たり状態を生起させる。ただ、どちらの大当たり状態であっても、開成した第2大入賞装置18に遊技球が入賞すると、抽選入賞口19や可動入賞装置17へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。なお、小当たり状態の生起に伴い開動作した第1大入賞装置26へ進入したものの、特別領域56を通過しなかった遊技球は、アウト口57から排出される。そして、遊技球がアウト口57から排出された場合には、上述したような大当たり状態も生起することはない。
【0025】
加えて、メインCPU32は、第1大当たり状態の終了後には、特別図柄の確定表示回数が所定回数(たとえば10回)に達するまで、第2特別図柄の変動時間の平均値が短くなる上、可動入賞装置17が開状態となりやすい、若しくは、可動入賞装置17が長時間にわたって開状態となるとの少なくとも何れか一方としたことで、可動入賞装置17へ遊技球が入賞しやすくなるサポート状態(特定状態)を生起させる。したがって、第1特別図柄を「7」で確定表示させたことに起因して生起させた小当たり状態か、第2特別図柄を「7」で確定表示させたことに起因して生起させた小当たり状態かにおいて、遊技球が特別領域56を通過することが特定条件の充足となる。そして、第1大当たり状態の終了後、再び第1大当たり状態、第2大当たり状態の何れも生起することなく特別図柄の確定表示回数が所定回数に達したことをもって、可動入賞装置17が開状態となりにくい遊技開始当初の通常状態へ復帰させる。なお、第2大当たり状態の終了後には、サポート状態を生起させることなく、通常状態に復帰させる。また、上述したように第1大当たり状態は、第2大当たり状態よりも第2大入賞装置18の開成回数が多い上、その終了後にサポート状態を生起させることから、遊技者にとって一層有利な遊技状態であると言える。
【0026】
また、メインCPU32は、可動入賞装置17の開閉動作についても制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得するとともに、aカウンタからの取得数値が所定の「当たり数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”~“99”の100通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「当たり数値」であると、閉状態にある可動入賞装置17を開動作させて開状態とする。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で作動させる。したがって、可動入賞装置17へ遊技球が入賞しやすくなる。一方、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない態様等でしか可動入賞装置17を作動させない。したがって、サポート状態が生起していない場合には、たとえ可動入賞装置17が開動作したとしても、遊技球は可動入賞装置17へ極めて入賞しにくくなっている。
【0027】
さらに、aカウンタからの取得数値が「当たり数値」であった際、サポート状態が生起している場合には、遊技球のゲート部材20の通過から比較的早いタイミング(たとえば1秒後)で可動入賞装置17が開動作する一方、サポート状態が生起していない場合には、遊技球のゲート部材20の通過から遅いタイミング(たとえば60秒後)にしか可動入賞装置17が開動作しない。なお、aカウンタからの取得数値が「当たり数値」でないと、可動入賞装置17を閉状態のまま作動させない。
【0028】
一方、サブ統合CPU42は、開始コマンドを受信すると、その開始コマンドに含まれている特別図柄の確定表示態様や基本変動パターン等に応じて表示装置6における詳細変動パターンを決定し、タイマ44により計時しながら詳細変動パターンにしたがって装飾図柄を変動/確定表示させる等の表示演出を表示装置6で実行し、最終的に小当たり表示を行う。また、サブ統合CPU42は、大当たり確定コマンドを受信すると、たとえば開始デモ中に、表示装置6を利用して生起する大当たり状態の種別や大当たり状態の開始を報知するとともに右打ちの実行を指示する等の大当たり演出を実行する。さらに、大当たり開始コマンドを受信すると、大当たり状態専用の演出態様に沿って表示装置6における表示動作を制御し、終了デモになると、表示装置6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。さらにまた、サポート状態の生起中には、表示装置6を利用してサポート状態が生起している旨等を遊技者に報知する。加えて、サポート状態の生起中に小当たり状態が生起したものの、当該小当たり状態の生起中に遊技球が特別領域56を通過しなかった場合には、小当たり状態の終了デモ中に、サポート状態が終了するまでの特別図柄の確定表示回数(すなわち残り回数)を表示装置6に表示する。
【0029】
以上のようなパチンコ機1では、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させ(所謂左打ちを行い)、抽選入賞口19への遊技球の入賞を狙う。また、遊技球が抽選入賞口19へ入賞すると、表示装置6に小当たり表示がなされた後に、小当たり状態が生起して第1大入賞装置26が開成する。そこで、左打ちを継続し、第1大入賞装置26の左側から遊技球の第1大入賞装置26への進入(第1大入賞装置26への入賞)、ひいては特別領域56の通過を狙う。そして、遊技球が特別領域56を通過すると、表示装置6にて所定の大当たり演出が実行された後、大当たり状態が生起して第2大入賞装置18が所定回数にわたり断続的に開成する。そこで、遊技者は、遊技球を右打ち用スペースSRへ打ち込んで流下させる所謂右打ちを行い、断続的に開成する第2大入賞装置18への遊技球の入賞を狙う。なお、第1大入賞装置26へ進入したものの、特別領域56を通過できない遊技球は、何れかのアウト口57を介して遊技盤2の後面側へ排出される。
【0030】
また、大当たり状態が第1大当たり状態であると、その終了後にサポート状態が生起するため、遊技者は右打ちを継続し、ゲート部材20への遊技球の通過、及び頻繁に開状態となる可動入賞装置17への遊技球の入賞を狙う。そして、遊技球が可動入賞装置17へ入賞すると、表示装置6に小当たり表示がなされた後に再度小当たり状態が生起するため、右打ちを継続し、第1大入賞装置26の右側から遊技球の第1大入賞装置26への進入、ひいては特別領域56の通過を狙う。
【0031】
一方、大当たり状態が第2大当たり状態であると、サポート状態が生起することなく通常状態へ復帰するため、遊技者は、右打ちを止めて左打ちを行い、再び抽選入賞口19への入賞を狙う遊技を行うことになる。また、サポート状態中に遊技球が特別領域56を通過することなく、特別図柄(主に第2特別図柄となる)の確定表示回数が所定回数に達しても、遊技状態は通常状態へ復帰するため、遊技者は、再び抽選入賞口19への入賞を狙う遊技を行うことになる。
【0032】
(遊技方法を指示する表示に係る説明)
上述したように、パチンコ機1では、遊技状態に応じて左打ちから右打ちへ遊技方法を変更する等の必要がある。そこで、パチンコ機1では、以下のようにして遊技者に遊技方法を指示するようになっている。
まず、通常状態では、左打ちを行って抽選入賞口19への遊技球の入賞を狙う必要がある。しかしながら、そのような通常状態にあるにも拘わらず、たとえばサポート状態の終了に気づかない等の理由から右打ちを行ってしまう状況が考えられる。そこで、メインCPU32は、通常状態中に遊技球の可動入賞装置17への入賞を検出すると、
図7(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値にもとづいて基本変動パターンを「パターンD(第1特別変動時間)」と決定する。また、サブ統合CPU42は、開始コマンドに含まれている基本変動パターンが「パターンD」であると、遊技者へ左打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターン(第1特別詳細変動パターン)を記憶手段43の変動パターン記憶領域から読み出して、表示装置6にて遊技者に左打ちを行うよう指示する。遊技者へ左打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンとしては、たとえば図柄の変動開始直後に図柄の変動表示に代えて「左打ちに戻してください」というメッセージ表示を左から右に向かって2回流すように表示した後、再び図柄の変動表示に切り替えてから図柄を確定表示する等が考えられる。
【0033】
一方、サポート状態では、右打ちを行って可動入賞装置17への遊技球の入賞を狙う必要がある。しかしながら、そのようなサポート状態での遊技を知らない等の理由から、サポート状態が生起しているにも拘わらず左打ちを継続してしまう状況も考えられる。そこで、メインCPU32は、サポート状態中に遊技球の抽選入賞口19への入賞を検出すると、
図6(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値にもとづいて基本変動パターンを「パターンC(第2特別変動時間)」と決定する。また、サブ統合CPU42は、開始コマンドに含まれている基本変動パターンが「パターンC」であると、遊技者へ右打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターン(第2特別詳細変動パターン)を記憶手段43の変動パターン記憶領域から読み出して、表示装置6にて遊技者に右打ちを行うよう指示する。遊技者へ右打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンとしては、たとえば図柄の変動開始直後に図柄の変動表示に代えて「右を狙ってください」というメッセージ表示を左から右に向かって2回流すように表示した後、再び図柄の変動表示に切り替えてから図柄を確定表示する等が考えられる。
【0034】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、メイン制御装置30に、特別変動時間となる「パターンC」や「パターンD」が記憶されているとともに、サブ制御装置40に、「パターンC」に対応する詳細変動パターンとして遊技者へ右打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンが、「パターンD」に対応する詳細変動パターンとして遊技者へ左打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンが夫々記憶されている。そして、メインCPU32は、通常状態中に遊技球の可動入賞装置17への入賞を検出すると基本変動パターンを「パターンD」と決定し、サブ制御装置40による制御のもと、遊技者へ左打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンにしたがった表示動作を表示装置6で行わせる。また、メインCPU32は、サポート状態中に遊技球の抽選入賞口19への入賞を検出すると基本変動パターンを「パターンC」と決定し、サブ制御装置40による制御のもと、遊技者へ右打ちを指示する指示表示を含んだ詳細変動パターンにしたがった表示動作を表示装置6で行わせる。したがって、たとえば遊技の経験の浅い初心者等であっても、現在どのような遊技を行えばいいのかを知ることができるため、遊技者の興趣を損なうことがない。
【0035】
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、指示表示を含んだ表示動作の制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0036】
上記実施形態では、通常状態中に遊技球の可動入賞装置17への入賞を検出したり、サポート状態中に遊技球の抽選入賞口19への入賞を検出したりすると、必ず指示表示を含む詳細変動パターンを選択するように構成しているが、たとえば所定時間(10秒間)内に所定数(3個)の入賞を検出する等の指示条件を設定し、その指示条件の充足をもって指示表示を含む詳細変動パターンを選択し、遊技者に遊技方法を指示するように構成してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、可動入賞装置17や抽選入賞口19を表示装置6の左側や右側に設けているが、遊技釘の配設態様によっては、可動入賞装置17及び抽選入賞口19を表示装置6の下側に設けることも可能である。すなわち、可動入賞装置17及び抽選入賞口19が表示装置6の下側に設けられているものの、抽選入賞口19については表示装置6の左側を、可動入賞装置17については表示装置6の右側を夫々流下させることで入賞を狙うことができるように構成することは可能である。
【0038】
さらに、上記実施形態では、可動入賞装置17のみ可動部を設けているが、抽選入賞口19についても同様の可動部を設けても何ら問題はない。
さらにまた、各指示表示を含む詳細変動パターンとしてそれぞれ複数の詳細変動パターンを設定し、どの詳細変動パターンを選択するかを抽選により決定するように構成することも可能である。
【0039】
またさらに、各詳細変動パターンにおいて、どのようなタイミングでどのような指示を表示するのかについては、言うまでもなく適宜設計変更可能である。
加えて、本発明は、所謂保留情報を記憶するようなパチンコ機や、小当たり状態等を経由することなく大当たり状態が生起するようなパチンコ機等、他のパチンコ機にも好適に採用することができる。したがって、特定状態とは上記サポート状態に限定されず、高確率状態を含んだ遊技状態等であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、第1特別変動時間及び第2特別変動時間を最も時間の長い変動時間としているが、最も時間の短い変動時間よりも長く設定されるのであれば、第1特別変動時間や第2特別変動時間をどのような長さの時間とするかについては適宜変更可能である。すなわち、第1特別変動時間や第2特別変動時間よりも時間の長い変動時間(たとえばプレミアムリーチ演出に係る変動時間等)を設定してもよいし、第1特別変動時間の長さと第2特別変動時間の長さとが異なっていてもよい。
【0041】
さらに、上記実施形態では、通常状態において可動入賞装置17へ遊技球が入賞した場合と、サポート状態において抽選入賞口19へ遊技球が入賞した場合との両方で指示表示を含んだ特別詳細変動パターンを選択するとしているが、何れか一方の場合においてのみ指示表示を含んだ特別詳細変動パターンが選択されるように構成する(たとえば、通常状態において可動入賞装置17へ遊技球が入賞した場合には指示表示を行わず、サポート状態において抽選入賞口19へ遊技球が入賞した場合のみ指示表示を行う等)ことも可能である。
【0042】
また、抽選入賞口19や可動入賞装置17を第1大入賞装置26や所謂センター部材等の一部として一体的に成形することも可能であるし、抽選入賞口19や可動入賞装置17を夫々複数個設けてもよい。
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置30からサブ制御装置40へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置40のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらにまた、上記実施形態では、メイン制御装置30とサブ制御装置40との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置30のみで制御するように構成してもよく、詳細変動パターンをメイン制御装置30に記憶することは当然可能である。
【0043】
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、入賞手段、表示手段、制御手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0044】
1・・パチンコ機(遊技機)、6・・表示装置(表示手段)、16・・遊技領域、17・・可動入賞装置(第2入賞手段)、18・・第2大入賞装置(特別入賞手段)、19・・抽選入賞口(第1入賞手段)、26・・第1大入賞装置(特別入賞手段)、30・・メイン制御装置(制御手段)、40・・サブ制御装置(制御手段)、SL・・左打ち用スペース、SR・・右打ち用スペース。