(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】取っ手
(51)【国際特許分類】
E05B 1/00 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
E05B1/00 311A
E05B1/00 311J
(21)【出願番号】P 2018123788
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2020-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】518232146
【氏名又は名称】有限会社みの一テント
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 裕朗
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-315649(JP,A)
【文献】実開平2-13678(JP,U)
【文献】実公昭44-6371(JP,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第1460217(EP,A2)
【文献】特開平9-4285(JP,A)
【文献】実開平4-27069(JP,U)
【文献】実開昭63-162074(JP,U)
【文献】実公昭45-28780(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E06B 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の板状部材
が折り曲げられて形成されている取っ手であって、
所定の仮想平面に平行な略平板状の一対の支持部分であって、前記所定の仮想平面に平行な第1の方向に互いに離間して配置されている一対の支持部分と、
前記第1の方向に延びる略平板状の把持部分であって、少なくとも一部が前記第1の方向において前記一対の支持部分の間に配置されている把持部分と、
略平板状の一対の連結部分であって、前記把持部分における前記第1の方向の両端部と、前記一対の支持部分における前記把持部分側の端部と、をそれぞれ連結する一対の連結部分と、
を有し、
前記所定の仮想平面に垂直な第2の方向視で、前記把持部分における、前記第1の方向に略垂直な第3の方向の一方側の縁部の少なくとも一部は、前記一対の支持部分のそれぞれにおける前記第3の方向の前記一方側の縁部に対して、前記第3の方向の他方側に位置して
おり、
前記第1の方向視で、前記一対の連結部分は、それぞれ、前記把持部分の前記両端部から前記一対の支持部分の前記端部に向かって前記第2の方向に対して傾斜するように延びている、
取っ手。
【請求項2】
請求項1に記載の取っ手において、さらに、
前記把持部分における前記第3の方向の両側の縁部の少なくとも一方は、前記板状部材が折り曲げられている部分を有する、
取っ手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、取っ手に関する。
【背景技術】
【0002】
取っ手は、例えばカーテン、引き戸や開き戸などの移動体に取り付けられる。従来、円柱状の把持部と、把持部の両端にそれぞれ設けられた角形の脚部と、を備えた取っ手が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の取っ手は、円柱状の把持部と、把持部の両端にそれぞれ設けられた角形の脚部と、を備えた構成であるため、例えば、鋳造等によって製造せざるを得ず、製造工程が複雑化したり、製造コストが高くなったり、また、取っ手自体の重量が重くなったりするといった問題があった。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される取っ手は、板状部材で形成されている取っ手であって、所定の仮想平面に平行な略平板状の一対の支持部分であって、前記所定の仮想平面に平行な第1の方向に互いに離間して配置されている一対の支持部分と、前記第1の方向に延びる略平板状の把持部分であって、少なくとも一部が前記第1の方向において前記一対の支持部分の間に配置されている把持部分と、略平板状の一対の連結部分であって、前記把持部分における前記第1の方向の両端部と、前記一対の支持部分における前記把持部分側の端部と、をそれぞれ連結する一対の連結部分と、を有し、前記所定の仮想平面に垂直な第2の方向視で、前記把持部分における、前記第1の方向に略垂直な第3の方向の一方側の縁部の少なくとも一部は、前記一対の支持部分のそれぞれにおける前記第3の方向の前記一方側の縁部に対して、前記第3の方向の他方側に位置している。
【0008】
本取っ手は、板状部材で形成されているものであるため、比較的簡単な製造方法により低コストで製造することが可能である。また、本取っ手では、把持部分における所定の方向(第3の方向)の一方側の縁部は、一対の支持部分における該一方側の縁部に対して、該所定方向の他方側に位置している。このため、本取っ手によれば、把持部分における一方側の縁部が、一対の支持部分のそれぞれにおける一方側の縁部に対して、第3の方向において同じ位置に配置された構成に比べて、移動体に取り付けられた取っ手の把持部分の背後に手が入りやすく、把持しやすい。以上のように、本取っ手によれば、把持しやすく、かつ、比較的に簡単または低廉に製造可能な取っ手を提供することができる。
【0009】
(2)上記取っ手において、さらに、前記把持部分における前記第3の方向の両側の縁部の少なくとも一方は、前記板状部材が折り曲げられている部分を有する構成としてもよい。
【0010】
本取っ手によれば、把持部分における両縁部の少なくとも一方は、板状部材が折り返された部分を有するため、把持部分が折り返された部分を有しない構成に比べて、把持部分の縁部の円味の程度が高くなるため、把持部分の握り心地を向上させることができる。
【0011】
本明細書によって開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、カーテン、引き戸や開き戸など、各種の移動体に取り付けられる取っ手、その製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における仕切具10の外観構成を概略的に示す正面図である。
【
図2】第1の取っ手100Rの構成を示す斜視図である。
【
図3】第1の取っ手100Rの構成を示す正面図である。
【
図4】第1の取っ手100Rの構成を示す左側面図である。
【
図5】変形例1に係る取っ手100aの把持部分110aのXZ断面構成を示す斜視図である。
【
図6】変形例2に係る取っ手100bにおける把持部分110と連結部分130との接続部分を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.実施形態:
A-1.仕切具10の構成:
図1は、本実施形態における仕切具10の外観構成を概略的に示す正面図である。
図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向といい、X軸正方向を右方向といい、X軸負方向を左方向といい、Y軸正方向を後ろ方向といい、Y軸負方向を前方向というものとするが、仕切具10は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。なお、
図2以降についても同様である。
【0014】
仕切具10は、建物(工場など)の内外の仕切りや建物内の間仕切りのために設置されるものである。仕切具10の設置により、例えば、建物内の作業環境や衛生管理が改善される。
【0015】
図1に示すように、仕切具10は、一対の取っ手100(第1の取っ手100Rと、第2の取っ手100L)と、レール200と、一対のシート300(第1のシート300R、第2のシート300L)と、一対のサイドポール350(第1のサイドポール350R、第2のサイドポール350L)と、を備える。
【0016】
レール200は、レール本体210と、複数のランナー220と、を含む。レール本体210は、左右方向(X軸方向)に延びているレール体である。レール本体210は、例えば建物内の天井や梁等に固定されている。なお、レール本体210の上下方向(Z軸方向)視での形状は、直線状に延びている形状であってもよいし、曲線状に延びている形状であってもよい。複数のランナー220は、レール本体210の下面側に配置され、かつ、レール本体210に沿って移動可能に設けられている。各ランナー220には、シート300を吊り下げるためのフックが設けられている。
【0017】
シート300は、例えば矩形状のビニールカーテンである。シート300の上辺側の縁部には、複数のハトメ310(貫通孔)が左右方向(X軸方向)に等間隔で並ぶように形成されている。各シート300に形成された複数のハトメ310は、それぞれ、レール本体210に移動可能に設けられた複数のランナー220のフックに引っ掛けられている。これにより、各シート300は、レール200に吊り下げられつつ、左右方向に移動可能になっている。
【0018】
サイドポール350は、上下方向(Z軸方向)に延びる棒状体であり、サイドポール350の上下方向の寸法は、シート300の上下方向の寸法と略同一である。サイドポール350は、例えばアルミニウム等の軽金属により形成されている。一対のサイドポール350は、一対のシート300の間に配置されている。各サイドポール350の上端は、レール本体210に設けられた1つのランナー220に連結されているため、サイドポール350は、シート300と同様に、左右方向(X軸方向)に移動可能になっている。第1のサイドポール350Rは、第1のシート300Rの左辺側の縁部を挟み込むように保持しており、第2のサイドポール350Lは、第2のシート300Lの右辺側の縁部を挟み込むように保持している。なお、第1のサイドポール350Rと第2のサイドポール350Lとの互いの対向面には、マグネットプレート(図示せず)が配置されており、第1のサイドポール350Rと第2のサイドポール350Lとが磁力で互いに引き合うようになっている。
【0019】
A-2.取っ手100の構成:
図2は、第1の取っ手100Rの構成を示す斜視図であり、
図3は、第1の取っ手100Rの構成を示す正面図であり、
図4は、第1の取っ手100Rの構成を示す左側面図である。
図1および
図2に示すように、第1の取っ手100Rは、第1のサイドポール350Rの前面352に固定されている。以下、第1の取っ手100Rの構成について説明する。
【0020】
第1の取っ手100Rは、例えば1枚の長方形状の板状部材が折り曲げられて形成されている。第1の取っ手100R(板状部材)は、例えばステンレス等の金属により形成されている。第1の取っ手100Rは、把持部分110と、一対の支持部分120と、一対の連結部分130と、を有する。
【0021】
一対の支持部分120は、第1の取っ手100Rのうち、第1のサイドポール350Rに固定される部分である。
図3および
図4に示すように、各支持部分120は、上下方向に延びている略長方形の平板状の部分である。また、一対の支持部分120(支持部分120の背面)は、いずれも、所定の仮想平面M(第1のサイドポール350Rに固定されたときには、第1のサイドポール350Rの前面352)に平行であり、かつ、該仮想平面M上に配置されている(
図4参照)。また、一対の支持部分120は、上下方向に互いに離間して配置されている。また、各支持部分120には、1または複数(本実施形態では2つ)の固定用孔122が貫通形成されている。各支持部分120に形成された固定用孔122に挿入されたビス360が、第1のサイドポール350Rの前面352に形成されたビス孔(図示しない)に螺合されることにより、第1の取っ手100Rが第1のサイドポール350Rに固定されている。なお、複数の固定用孔122は、上下方向に並ぶように配置されていることが好ましい。また、
図3に示すように、支持部分120の角部は、面取り(例えばC面取り)されていることが好ましい。
【0022】
把持部分110は、第1の取っ手100Rのうち、人に把持される部分である。
図3および
図4に示すように、把持部分110は、上下方向に延びる略長方形の平板状の部分である。本実施形態では、把持部分110の上下方向の寸法は、各支持部分120の上下方向の寸法に比べて、長い。具体的には、把持部分110の上下方向の寸法は、各支持部分120の上下方向の寸法の2倍以上である。把持部分110は、各支持部分120(仮想平面M)に略平行である。ただし、把持部分110は、仮想平面M上に配置されておらず、支持部分120より前側に配置されている。また、把持部分110は、上下方向において一対の支持部分120の間に配置されている。
【0023】
一対の連結部分130は、第1の取っ手100Rのうち、把持部分110と各支持部分120とを連結するための部分である。
図3および
図4に示すように、各連結部分130は、上下方向(Z軸方向)および仮想平面Mに対して傾斜した方向に延びている略長方形状の平板状の部分である。一対の連結部分130は、把持部分110における上下方向の両端部と、一対の支持部分120における把持部分110側の端部と、をそれぞれ連結する。具体的には、上側に位置する連結部分130の上端側は、上側に位置する支持部分120の下端側に一体的に接続されており、該上側に位置する連結部分130の下端側は、把持部分110の上端側に一体的に接続されている。下側に位置する連結部分130の下端側は、下側に位置する支持部分120の上端側に一体的に接続されており、該下側に位置する連結部分130の上端側は、把持部分110の下端側に一体的に接続されている。
図3および
図4に示すように、本実施形態では、各連結部分130は、支持部分120に対して略垂直であり、かつ、把持部分110に対して略垂直である。また、
図4に示すように、一対の連結部分130は、仮想平面Mとの距離が長くなるに連れて、連結部分130同士の距離が短くなる方向に傾斜している。仮想平面Mに対する連結部分130の傾斜角度(鋭角)は、30度以上、60度以下であることが好ましく、略45度であることがより好ましい。
【0024】
図3に示すように、第1の取っ手100Rでは、前後方向(Y軸方向)視で、把持部分110における左側の縁部112の少なくとも一部は、一対の支持部分120のそれぞれの左側の縁部124に対して、右側に位置している。具体的には、一対の支持部分120のそれぞれの左端の縁部124は、上下方向に平行な第1の仮想直線L1に沿って延びる直線状であり、把持部分110における左側の縁部112は、全長にわたって、上下方向に平行な第2の仮想直線L2に沿って延びる直線状である。把持部分110における左側の縁部112(第2の仮想直線L2)は、一対の支持部分120のそれぞれの左端の縁部124(第1の仮想直線L1)に対して、右側に位置している。より具体的には、把持部分110における左側の縁部112(第2の仮想直線L2)は、一対の支持部分120のそれぞれの右端の端部に対して、さらに、右側に位置している。なお、第1の仮想直線L1と第2の仮想直線L2との距離は、把持部分110の周囲に人の指が十分に入る空間が確保される程度の距離が好ましく、例えば2cm以上、あるは、3cm以上であることが好ましい。
【0025】
なお、上述したように、第1の取っ手100Rは、例えば1枚の長方形状の板状部材が折り曲げられて形成されている。このため、把持部分110と支持部分120と連結部分130とは、互いに、厚さが略同一であり、長手方向に直交する方向の横幅が略同一である。なお、把持部分110の握り心地の向上のため、少なくとも把持部分110のエッジが面取りされていることが好ましい。
【0026】
図1に示すように、第2の取っ手100Lは、第2のサイドポール350Lの前面352に固定されている。第2の取っ手100Lも、第1の取っ手100Rと同様、例えば1枚の長方形状の板状部材が折り曲げられて形成されている。第2の取っ手100L(板状部材)は、例えばステンレス等の金属により形成されている。第2の取っ手100Lは、把持部分110と、一対の支持部分120と、一対の連結部分130と、を有する。ただし、第2の取っ手100Lは、前後方向(Y軸方向)視で、把持部分110における右側の縁部の少なくとも一部は、一対の支持部分120のそれぞれの右側の縁部に対して、左側に位置している点で、第1の取っ手100Rとは異なる(
図1参照)。
【0027】
なお、Z軸方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、Y軸方向(前後方向)は、特許請求の範囲における第2の方向に相当し、X軸方向(左右方向)は、特許請求の範囲における第3の方向に相当する。
【0028】
また、上述の取っ手100は、次の方法により作製することができる。まず、略長方形状の平板状部材を準備し、次に、この平板状部材に対して所定の金型を用いてプレス加工を施すことにより、平板状部材が折り曲げ加工され、その結果、取っ手100が製造される。
【0029】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の取っ手100は、板状部材が折り曲げられて形成されているものであるため、比較的簡単な製造方法により低コストで製造することが可能である。また、本実施形態の取っ手100は、従来の取っ手に比べて軽量であるため、取っ手の重量に起因して移動体が移動し難くなることを抑制することができる。また、把持部分110における左右方向(X軸方向)の一方側の縁部は、一対の支持部分120における該一方側の縁部に対して、該左右方向の他方側に位置している。このため、本実施形態によれば、把持部分110における一方側の縁部が、一対の支持部分120のそれぞれにおける一方側の縁部に対して、左右方向において同じ位置に配置された構成に比べて、サイドポール350に取り付けられた取っ手100の把持部分110の背後に手が入りやすく、把持しやすい。以上のように、本実施形態によれば、把持しやすく、かつ、比較的に簡単または低廉に製造可能な取っ手100を提供することができる。
【0030】
具体的には、
図1に示すように、本実施形態の仕切具10は、一対のシート300を備える両開きの構成であり、一対のシート300を閉じた状態で、一対のサイドポール350が隣接配置される。ここで、一対の取っ手100は、上述の構成により、互いの把持部分110が離間した状態になる。このため、使用者は、一対の取っ手100を把持し易く、一対のシート300を円滑に移動させることができる。
【0031】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0032】
上記実施形態における仕切具10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、取っ手100は、1枚の長方形状の平板状部材が折り曲げられて形成されたものであったが、これに限らず、互いに重ねられた複数枚の板状部材が折り曲げられて形成されたものでもよい。また、取っ手100は、板状部材が折り曲げられて形成されたものに限らず、プレス成形により取っ手100の形状に形成されたものでもよい。また、取っ手100は、長方形状以外の形状(例えば把持部分となる部分の横幅が、支持部分や連結部分となる部分の横幅に比べて広い形状)の板状部材が折り曲げられて形成されたものでもよい。また、支持部分120の前後方向(Y軸方向)視での形状は、略長方形に限らず、略正方形、湾曲した形状、屈曲した形状などでもよい。また、上記実施形態では、一対の支持部分120は、互いに共通の仮想平面M上に配置されていたが、互いに異なる仮想平面上に配置されていてもよい。また、各支持部分120をサイドポール350に固定する方法は、ビス締めに限らず、公知の各種の固定方法を採用することができる。
【0033】
上記実施形態では、把持部分110は、支持部分120に略平行であったが、これに限らず、把持部分110は、支持部分120に対して傾斜していてもよい。また、上記実施形態において、把持部分110の上下方向の寸法は、各支持部分120の上下方向の寸法に対して、同じ、または、短い構成でもよい。また、上記実施形態において、把持部分110の一部が、上下方向(Z軸方向)において一対の支持部分120の少なくとも一方と同じ位置に配置されていてもよい。また、把持部分110の縁部は、直線状に限らず、曲線状であってもよい。
【0034】
図5は、変形例1に係る取っ手100aの把持部分110aのXZ断面構成を示す斜視図である。本変形例の取っ手100aの構成は、次の点を除いて、上記実施形態の取っ手100の構成と共通する。
図5に示すように、本変形例の取っ手100aでは、把持部分110aの左右方向(X軸方向)の両縁部は、板状部材が折り返されている折り返し部分113である。これにより、本変形例によれば、把持部分の縁部が折り返し部分113を有しない構成に比べて、把持部分110aの縁部(側辺)の円味の程度が高くなるため、把持部分110aの握り心地を向上させることができる。なお、本変形例において、把持部分110aの左右方向の両縁部の一方だけが、板状部材が折り返されている部分であってもよい。また、把持部分110aの左右方向の両縁部は、板状部材が折り返された部分に限らず、板状部材が折り返されている部分であればよく、例えば、板状部材が略90度に折り曲げられた部分でもよい。
【0035】
図6は、変形例2に係る取っ手100bにおける把持部分110と連結部分130との接続部分を拡大して示す説明図である。本変形例の取っ手100bの構成は、次の点を除いて、上記実施形態の取っ手100の構成と共通する。
図6に示すように、本変形例の取っ手100bでは、把持部分110と連結部分130との接続部分にリブ116が形成されている。具体的には、
図6(A)に示すように、把持部分110と連結部分130との接続部分における前面側に凹部118が形成されている。
図6(B)に示すように、把持部分110と連結部分130との接続部分における後面側にリブ116が突出するように形成されている。リブ116は、把持部分110と連結部分130とに跨がるように形成されている。これにより、把持部分110と連結部分130との間の接続強度を強化することができる。このリブ116は、例えば、上記実施形態の取っ手100に対して、把持部分110と連結部分130との接続部分における前面側に凹部118を形成する加工を施すことにより形成することができる。なお、上記実施形態において、取っ手100を製造する際、プレス加工により、取っ手100を形成するとともにリブ116が形成されるようにしてもよい。これにより、取っ手100とリブ116とを同時に形成することができる。なお、支持部分120と連結部分130との接続部分にリブを形成してもよい。
【0036】
上記実施形態では、各連結部分130は、支持部分120に対して略垂直であり、かつ、把持部分110に対して略垂直であったが、これに限らず、例えば、一対の連結部分130の少なくとも一方は、支持部分120および連結部分130の少なくとも一方と直交しない構成でもよい。また、上記実施形態において、一対の連結部分130の少なくとも一方は、仮想平面Mとの距離が長くなるに連れて、他方の連結部分130との距離が長くなる方向に傾斜していてもよい。
【0037】
上記実施形態の仕切具10における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。例えば、上記実施形態において、シート300は、ビニール製に限らず、ビニール以外の樹脂製、布製など、他の材料により形成されたものでもよい。
【0038】
上記実施形態では、本発明は、一対のシート300を備える両開きの仕切具10に適用されていたが、これに限らず、本発明は、1枚のシート(カーテン)を備える片開きの仕切具にも適用可能である。また、本発明は、カーテンに取り付けられる取っ手に限らず、引き戸や開き戸など、他の移動体に取り付けられる取っ手にも適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10:仕切具 100,100a,100b:取っ手 100L:第2の取っ手 100R:第1の取っ手 110,110a:把持部分 112,124:縁部 113:折り返し部分 116:リブ 118:凹部 120:支持部分 122:固定用孔 130:連結部分 200:レール 210:レール本体 220:ランナー 300:シート 300L:第2のシート 300R:第1のシート 310:ハトメ 350:サイドポール 350L:第2のサイドポール 350R:第1のサイドポール 352:前面 360:ビス L1:第1の仮想直線 L2:第2の仮想直線 M:仮想平面