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特許7013025液体容器のディヒューザシステムおよび関連する使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】液体容器のディヒューザシステムおよび関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/14 20060101AFI20220124BHJP
   B65D 25/02 20060101ALI20220124BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
B25B27/14 Z
B65D25/02 A
A47J41/00 303C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018550663
(86)(22)【出願日】2016-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 US2016067029
(87)【国際公開番号】W WO2017106561
(87)【国際公開日】2017-06-22
【審査請求日】2019-12-11
(31)【優先権主張番号】62/269,534
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/379,294
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518216375
【氏名又は名称】ダイリン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DYLN Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アイレス,ドリアン アール.
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0367318(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0084610(US,A1)
【文献】米国特許第02820655(US,A)
【文献】米国特許第06901825(US,B1)
【文献】米国特許第07096551(US,B2)
【文献】特開2015-006658(JP,A)
【文献】実開平04-092779(JP,U)
【文献】実開昭61-075970(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B25/00-33/00
A47J41/00-41/02
B65D23/00-25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツールシステムであって、
基部、前記基部に連結された保持壁、および上縁部を有する液体収容容器であって、前記基部および前記上縁部は容器高さを画定する、液体収容容器と、
入れ子構成を呈するように前記保持壁と着脱可能に係合可能なディヒューザカートリッジと、
ツールであって、
下部区画であって、
前記ディヒューザカートリッジに対して形状において相補的な空洞を有し、かつ、前記ディヒューザカートリッジの一部を受け入れて前記ディヒューザカートリッジと選択的に係合されるように適合された第1の端部であって、前記第1の端部は、
端面と、
前記端面から延在する内面と、
前記端面から延在する外面と、
前記端面から第1の方向に、かつ前記内面から前記外面に向かって第2の方向に延在する通路であって、前記通路は、軸方向区画および半径方向区画を有し、前記半径方向区画は、前記端面から離間されており、かつ、第1の幅のものである第1の部分、および前記第1の幅よりも大きい第2の幅のものである第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記第2の部分と前記軸方向区画との間に位置づけられ、かつ、前記端面から離間されている凸表面により形成される、通路と、
を有する、第1の端部と、
下部区画コネクタを有する第2の端部と、
を有する、下部区画と、
前記下部区画から離れている中間区画であって、前記中間区画は、
前記下部区画コネクタと係合するように適合された第1の中間コネクタと、
第2の中間コネクタと、
を有する、中間区画と、
前記下部区画および前記中間区画から離れている上部区画であって、前記上部区画は、
前記第2の中間コネクタと係合するように適合された上部区画コネクタ
を有する、上部区画と、
を有する、ツールであり、
前記下部区画、前記中間区画、および前記上部区画のうち少なくとも1つは、その中に形成された溝穴を含み、
前記下部区画、前記中間区画、および前記上部区画のうち少なくとも1つは、前記下部区画、前記中間区画、および前記上部区画のうち別の1つの溝穴内に延在可能であるような大きさにされかつ構成された突起を含み、
前記中間区画は、前記ツールが組み立てられた構成にあるときに前記下部区画および前記上部区画に接続され、前記ツールは、互いに連結された前記ディヒューザカートリッジおよび前記ツールのさが前記容器高さより大きい操作長を画定するような大きさにされかつ構成される、
ツールと、
を備える、ツールシステム。
【請求項2】
前記ツールの上部区画は、前記上部区画コネクタの反対側の拡張端部を含み、前記拡張端部は、ユーザにより把持可能であるような大きさにされかつ構成される、請求項1に記載のツールシステム。
【請求項3】
前記ツールは、前記第1の端部が前記ディヒューザカートリッジに係合されるときに、前記ディヒューザカートリッジからかつ前記液体収容容器の上縁部を超えて延在するような大きさにされかつ構成される、請求項1に記載のツールシステム。
【請求項4】
前記ツールの下部区画、中間区画、および上部区画は、プラスチック材質から形成されている、請求項1に記載のツールシステム。
【請求項5】
前記ツールの中間区画、および前記ツールの上部区画および下部区画の部分はそれぞれ、互いに等しい外径をそれぞれ画定する、請求項1に記載のツールシステム。
【請求項6】
前記通路は、前記内面から完全に前記外面へ前記第2の方向に延在する、請求項1に記載のツールシステム。
【請求項7】
ツールシステムであって、
基部および容器高さを画定する上縁部、および前記基部に連結された保持壁を有する液体収容容器と、
入れ子構成を呈するように前記保持壁と着脱可能に係合可能なディヒューザカートリッジと、
ツールであって、
前記ディヒューザカートリッジと選択的に係合されるように適合された第1の端部、およびユーザにより把持可能であるように適合された第2の端部を有する細長形のツール本体であって、前記第1の端部は、
端面と、
前記端面から延在する内面と、
前記端面から延在する外面と、
前記端面から第1の方向に、かつ前記内面から前記外面に向かって第2の方向に延在する通路であって、前記通路は、軸方向区画および半径方向区画を有し、前記半径方向区画は、前記端面から離間されており、かつ、第1の幅のものである第1の部分、および前記第1の幅よりも大きい第2の幅のものである第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記第2の部分と前記軸方向区画との間に位置づけられ、かつ、前記端面から離間されている凸表面により形成される、通路と、
を有する、ツール本体と、
前記第1の端部が前記ディヒューザカートリッジと係合されるときに、前記ディヒューザカートリッジの一部を受け入れるように適合された空洞と、
を有する、ツールであり、
前記細長形のツール本体は、互いと協働して係合可能な複数の本体区画を含み、前記複数の本体区画のうち第1のものは通路を含み、前記複数の本体区画のうち第2のものは、前記複数の本体区画のうち第1のものを前記複数の本体区画のうち第2のものに係合させるべく前記通路内に受け入れられるように構成された突起を含み、
前記細長形のツール本体は、前記ディヒューザカートリッジが前記入れ子構成にあるときに前記第1の端部が前記ディヒューザカートリッジと係合されるときに、前記ディヒューザカートリッジからかつ前記液体収容容器の上縁部を超えて延在するような大きさにされかつ構成される、
ツールと、
を備える、ツールシステム。
【請求項8】
前記複数の本体区画は、前記複数の本体区画が互いから着脱される係脱された構成と、前記複数の本体区画が互いに相互接続される組み立てられた構成との間で選択的に移り変わる、請求項7に記載のツールシステム。
【請求項9】
前記複数の本体区画のうち隣接するものは、ある本体区画の別の本体区画に対する相対的な回転を介して互いと係合されるようになるように適合される、請求項7に記載のツールシステム。
【請求項10】
前記細長形のツール本体は、プラスチック材質で形成されている、請求項に記載のツールシステム。
【請求項11】
前記通路は、前記内面から完全に前記外面へ前記第2の方向に延在する、請求項7に記載のツールシステム。
【請求項12】
ツールシステムであって、
ディヒューザカートリッジと、
基部、口、および前記基部に連結された保持壁を有するボトルであって、前記ディヒューザカートリッジは、入れ子構成を呈するように前記保持壁と着脱可能に係合可能であり、長さは、前記ディヒューザカートリッジの上部から、前記基部に取り付けられるときに、前記ボトルの口へ伸びる距離として画定される、ボトルと、
第1の端部が前記ディヒューザカートリッジと係合されるときに、前記ディヒューザカートリッジの一部を受け入れるように適合された凹部を有する前記第1の端部を有する細長形のツール本体であって、前記第1の端部は、端面、内面、および外面を有し、前記内面および前記外面の両方は、前記端面から延在する、ツール本体と、
を備える、ツールシステムであり、
前記細長形のツール本体は、前記端面および前記内面から延在する通路を有し、前記通路は、前記ディヒューザカートリッジの一部を受け入れるように構成され、前記通路は、軸方向区画および半径方向区画を有し、前記半径方向区画は、第1の幅のものである第1の部分、および前記第1の幅よりも大きい第2の幅のものである第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記第2の部分と前記軸方向区画との間に位置づけられ、かつ、前記端面から離間されている前記ツール本体の凸表面により形成され、
前記細長形のツール本体は、第2の手把持端を有し、
前記細長形のツール本体は、前記長さより大きい、前記把持端から前記第1の端部へ延在する長さを有する、ツールシステム。
【請求項13】
前記ツール本体は、互いと協働して係合可能な複数の本体区画を含む、請求項12に記載のツールシステム。
【請求項14】
前記複数の本体区画は、前記複数の本体区画が互いから着脱される係脱された構成と、前記複数の本体区画が互いに相互接続される組み立てられた構成との間で選択的に移り変わる、請求項13に記載のツールシステム。
【請求項15】
前記複数の本体区画のうち隣接するものは、ある本体区画の別の本体区画に対する相対的な回転を介して互いと係合されるようになるように適合される、請求項13に記載のツールシステム。
【請求項16】
前記複数の本体区画のうち第1のものは、その中に形成された通路を含み、前記複数の本体区画のうち第2のものは、前記複数の本体区画のうち第1のものを前記複数の本体区画のうち第2のものに係合させるべく前記通路内に受け入れられるように構成された突起を含む、請求項13に記載のツールシステム。
【請求項17】
前記突起および前記通路は、前記突起が前記複数の本体区画のうち第1のものおよび第2のものの相対的な並進および回転により前記通路を通って前進可能であるように構成される、請求項16に記載のツールシステム。
【請求項18】
前記細長形のツール本体は、ユーザにより把持可能であるような大きさにされかつ構成される前記細長形の本体の拡張端部を画定するように、中間区画から前記第2の手把持端に向かって増加する直径を含む、請求項12に記載のツールシステム。
【請求項19】
前記通路は、前記内面から前記外面へ延在する、請求項12に記載のツールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年12月18日出願の米国仮出願第62/269,534号の受益を主張し、その内容は明示的に参照により本明細書に組み込まれる。

合衆国政府の助成による研究または開発に関する陳述
不適用
【背景技術】
【0002】
本開示は一般的に延長ツールに関し、より具体的にいうと、水のボトル内へのディヒューザカートリッジの挿入を容易にするようになされた細長形のツールに関する。
【0003】
身体の水分補給は、持ち運び可能な飲料容器およびボトルのニーズを含む。プラスチックおよび使い捨ての水のボトルに関連する持続可能性および環境問題により、消費者はステンレス鋼の水のボトルのような再使用可能な容器に魅力を感じている。ステンレス鋼のボトルはまた、より健康的な容器の作成に関し、BPA、鉛または他の有毒物質なしで形成可能である。また消費者は、アルカリ水のような処理された飲料の健康上の利点を認識してきた。この点で、アルカリ水のような液体の処理の簡易性と再使用可能な容器の利点を組み合わせるニーズが当業界に存在する。
【0004】
アルカリ水は、身体の安定性を維持すること、および健康な個人および血液の酸性化を起こす状態を有する人達の両方で身体内の酸の増加の処理を補助することに関し、健康に有益であると理解されている。アルカリ水は、消化、酸性の中和を補助し、フリーラジカルの減少をも補助すると言われる。またほとんどの場合、アルカリ水は、より小さい水のクラスタと、身体が水をより容易に吸収するのを可能にすると確認された7.0を超えるpHの特性を有する。一般的にアルカリ水は、水電解により、および/またはミネラル剤による化学的処理を通して得られる。アルカリ水を生成する多くの先行技術の装置で、機器に関連して電気が使用されるか、またはそうでなければそのような装置は複雑な構造を有し、それは飲料を持ち運び可能な方法で処理する助けとならない。アルカリ水を生成する種類およびシステムの考察は、2007年9月27日公開のChungの米国公開第2007/0221556号に記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術の装置はまた、処理されていない水が薬品と接触してアルカリ水を形成するのを可能にするよう、液体容器内のミネラル剤の使用を開示する。しかしそのような先行技術の装置は、使いやすくなく、意図されるように容器内で固定を保てないかもしれない複数の構造を有し、またはそうでなければ容器内で望ましくない容積量を使用し、ミネラル剤周辺の水の流れを容易にしない。そのように、容器の機能的使用を取り過ぎず、ボトルの望ましくない容積量を使用しない、持ち運び可能な液体容器内で反応性薬剤を懸念なく使用するニーズが当業界に存在する。
【0006】
さらに、多くの液体容器は、閉じられた端部、および液体容器の細い頸部において形成された開かれた端部を有する形状である。液体容器の細い構成は、ミネラル剤に関連する構造を液体容器内へ挿入するのを困難にする。よって、ミネラル剤を液体容器内へ挿入するのを容易にする装置のニーズもまた当業界で存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
詳細をさらに後述するように、本開示の種々の態様がこの特定のニーズに対処する。
【0008】
本開示の1つの実施形態によると、ディヒューザカートリッジおよび液体容器と共に使用するようになされ、液体容器へおよび液体容器からのディヒューザカートリッジの挿入および除去を容易にするようになされたツールが提供される。ディヒューザカートリッジは、ミネラル剤ビーズまたは容器内に包含される液体の質を向上可能な他の素材を包含する。
【0009】
1つの実施形態によると、ツールは、ディヒューザカートリッジ、および、基部、基部に連結された保持壁、および上縁部を有し、基部および上縁部が容器の高さを形成する液体収容容器と共に使用するようになされる。ディヒューザカートリッジは、入れ子構成を想定するよう保持壁と着脱可能に係合可能である。ツールは、ディヒューザカートリッジを補完する形状で、ディヒューザカートリッジと選択的に係合可能であるようになされた第1の端部と、下部区画コネクタを持つ第2の端部を有する下部区画を有する。ツールはさらに、下部区画から分離し、下部区画コネクタと係合するようになされた第1の中間コネクタと、第2の中間コネクタを有する中間区画を有する。ツールはまた、下部区画および中間区画から分離し、第2の中間コネクタと係合するようになされた上部区画コネクタを有する上部区画を有する。ツールが組み立てられた構成にあるとき、中間区画が下部区画および上部区画に接合され、ディヒューザカートリッジの端面およびツールの上部区画の部分が集合的に容器の高さより大きい操作長を形成するように、ツールが大きさを持ちおよび構成される。
【0010】
下部区画は、下部区画の第1の端部がディヒューザカートリッジと係合されるとき、ディヒューザカートリッジの部分を受け入れるようになされた空洞を有してもよい。下部区画はまた、下部区画とディヒューザカートリッジの間の係合を実現するよう、ディヒューザカートリッジの部分を受け入れるようになされた通路を有してもよい。通路は、軸方向区画および半径方向区画を有してもよい。
【0011】
上部区画は、上部区画コネクタの反対側の拡張端部を有し、拡張端部はユーザが把持可能であるような大きさを持ちおよび構成されてもよい。
【0012】
ツールは、第1の端部がディヒューザカートリッジに係合されるとき、ディヒューザカートリッジから伸び液体収容容器の上縁部を超える大きさを持ちおよび構成されてもよい。
【0013】
下部区画、中間区画および上部区画を、プラスチック材質で形成してもよい。 中間区画、および上部区画および下部区画の部分はそれぞれ、互いに実質的に等しい外径を形成してもよい。
【0014】
ツールを複数の相互に連結可能な構成要素で形成してもよく、それは、接合されるとき、ユーザが液体容器にディヒューザカートリッジを挿入または取り除き、一方でユーザの手が容器の外側にあり続けることを可能にするのに十分な長さを形成する。そのように、ユーザは、そのような液体容器に一般的に関連する狭い開口部を通って彼または彼女の手を押し込む必要がない。ツールおよびその使用は、容器の下部に接近または開くメカニズムを有する必要なしに、ディヒューザを容器の下部に取り付けることを可能にする。液体容器に下部の開口を加えることは、製造コストを増し、とりわけ使用の複雑性を増す。またディヒューザを、例えば容器が完全にいっぱいでないときに液体がディヒューザと接触しない容器のふたに位置付けるのとは対照的に、ディヒューザを容器の下部に位置付けることは、ディヒューザの成分が液体と接する量を増やすのを助長する。
【0015】
本開示は、添付の図と併せて読むとき、後述の詳細な記載を参照することにより最もよく理解される。
【0016】
本明細書中に開示される種々の実施形態のこれらおよび他の機能および利点は、後述の記載および図に関連してよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】容器本体およびキャップを含む容器の上方斜視図である。
図2】容器本体内に位置する保持壁内に入れ子状になるようになされたディヒューザカートリッジの上方の斜視の、部分的に切り取られた分解図である。
図3】ディヒューザカートリッジの上方斜視図である。
図4】ディヒューザカートリッジの下方斜視図である。
図5】ディヒューザカートリッジが保持壁内に入れ子状になり、ディヒューザカートリッジ内のミネラルビーズを見せるように、ディヒューザカートリッジの一部を切り取った容器本体の下位部分の前方断面図である。
図5A】ディヒューザカートリッジが保持壁内に入れ子状になった、容器本体の下位部分およびディヒューザカートリッジの他の実施形態の前方断面図である。
図5B図5Aで示された実施形態のそれぞれ部分的および完全な分解図である。
図5C図5Aで示された実施形態のそれぞれ部分的および完全な分解図である。
図6】容器へおよび容器からのディヒューザカートリッジの挿入および除去に適合されたツールの組み立てられた上方斜視図である。
図7図6に示されたツールの上方斜視分解図である。
図8】ディヒューザカートリッジが容器本体と係合された、ディヒューザカートリッジに係合されたツールを示す一部を切り取った上方斜視図である。
図9】ツールをディヒューザカートリッジに接合、およびツールを用いて容器からディヒューザカートリッジを取り除く一連を示す。
図10】ツールをディヒューザカートリッジに接合、およびツールを用いて容器からディヒューザカートリッジを取り除く一連を示す。
図11】ツールをディヒューザカートリッジに接合、およびツールを用いて容器からディヒューザカートリッジを取り除く一連を示す。
図12】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図13】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図14】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図15】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図16】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図17】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図18】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図19】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図20】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図21】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図22】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
図23】ツールの1つの特定の実施形態の種々の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同一の構成要素を示すのに、共通の参照番号を図および詳細な記載を通して使用する。
【0019】
添付の図と関連して後述する詳細な記載は、水のボトルのような液体保持容器内へディヒューザカートリッジを挿入するツールのある実施形態の記載として意図され、開発または利用しうる唯一の形態を示すことを意図するものではない。記載は示された実施形態と関連して種々の構造および/または機能を説明するが、しかし同一または均等の構造および/または機能が異なる実施形態により達成されるかもしれず、それもまた本開示の範囲内に包含されることが意図されるのを理解すべきである。第1および第2などのような関係を示す語の使用は、そのような物の間のあらゆる実際のそのような関係または順序を必ずしも必要とするまたは暗示することなく、単に1つの物を他から区別するために使用されることがさらに理解される。
【0020】
ここで図1図5を参照すると、容器本体12、および容器本体12に作動可能に係合可能なキャップ14を有する液体収容容器(例えばボトル)10が示されている。容器本体12は細長形のステンレス鋼の側壁16および基部18から形成され、側壁18はキャップ14と結合するようになされた頸部20において先細になっている。頸部20は上縁部21において終了し、容器本体12は基部18と上縁部21の間の距離に等しい第1の高さH1(図8参照)を有する。ユーザは、頸部20においてキャップ14を容器本体12に固定することにより、容器10を選択的に開閉可能である。容器10を閉めるためキャップ14を容器本体14に取り付けるとき、流体密の形成を補助するよう、キャップ14上にOリングを採用してもよい。
【0021】
側壁16が中心軸22の周囲に配置され、頸部20は、液体が容器本体12から挿入または引き出し可能で、容器本体12から直接飲むのを助長するのに十分に広い開口部を提供する。側壁16の一部を、そのグリップ性の強化のため、把持パッドで覆ってもよい。側壁16は1つの壁または二重の壁であってもよいと考えられ、二重の壁の構成は容器本体12の断熱特性の強化のため採用される。これらの線に沿って、二重の壁の間に断熱材または断熱物質を配置してもよい。
【0022】
ディヒューザカートリッジ24は、基部18に着脱可能に付着可能/係合可能であり、容器本体12内に包含される液体と相互作用および処理可能なミネラル剤のビーズ26(図5参照)または他の物質を有するようになされる。ミネラル剤のビーズ26は、カートリッジ24から容器本体12の空間内に漏れ出さないように、カートリッジ24内に固定される。例示的なカートリッジ24は円筒状の形状であるが、カートリッジ24は球形の形状、立方体の形状またはあらゆる他の形状を含むが、それらに限定されない他の形状をとってもよいことを、当業者は容易に理解するだろう。
【0023】
カートリッジ24は、その中に形成された複数の穿孔28を有し、ミネラルビーズ26をカートリッジ24内に保持し、一方で同時にビーズ26が容器本体12内に包含される水/液体内に浸かることを可能にするように、穿孔28はミネラルビーズ26に対応する大きさである。図に示される穿孔28は行と列の形で配置されるが、穿孔28をあらゆる配列またはパターンでカートリッジ24上に形成してもよい。図に示されるカートリッジ24は2つの部分の構体で、上位本体25、および上位本体25と係合する下位本体27を有する。カートリッジ24の2つの部分の構造は、カートリッジ24の製造中に濾過ビーズ26の挿入を容易にする。下位本体27は、その中に形成された穿孔を有する端部壁、および端部壁から伸び、上位本体25と係合する環状壁を有する。上位本体25は下位本体27を受け入れる開放端部を有し、上位本体25は下位本体27と係合し下位本体27を保持するように、開放端部近辺でわずかに減少した直径を有する。例示的なカートリッジ上に形成された穿孔28は、上位本体25および下位本体27の両方に形成される。1つの実施形態によると、カートリッジ24は、望ましくは0.5~2.0インチの間、より望ましくはおよそ1.125インチに等しい外径を形成する。さらにカートリッジ24の高さは、望ましくは1.0~3.0インチの間であり、より望ましくはおよそ1.6875インチに等しい。
【0024】
カートリッジ24は保持壁30と係合するように適応され、保持壁30は保持空洞32周辺を伸び、容器10の基部18に連結される。保持壁30および対応する保持空洞32は形状においてカートリッジ24を補完し、カートリッジ24が保持空洞32内に選択的に入れ子状にされ、カートリッジ24と係合され、カートリッジ24が容器本体12に付着するのを可能にする。ユーザが容器本体12内に包含される水を飲むためそれを繰り返し傾けるときにカートリッジ24を入れ子の位置に保つように、カートリッジ24が保持空洞32内に入れ子状にされるとき、カートリッジ24および保持壁30は、互いに充分に係合されるようになるよう構成される。この点で、カートリッジ24および保持壁30を、摩擦のしまりばめ、スプリングタイプのタブ33、固定縁などによりそのような係合を生むように適応してもよい。
【0025】
図5は容器10の低位部分の断面図であり、雨壁30と係合されたカートリッジ24を示す。図5で示される実施形態で、保持壁30は環状部31および底部プレート35を有し、環状部31は底部プレート35から上方に伸びる。底部プレート35は、直接の平坦な係合で容器本体12の基部18に接合される。すなわち、底部プレート35の底部平面表面が基部18の平面表面に対して対向して取り付けられる。底部プレート35を、溶接、接着、または当業者に公知の他の機械的結合技術により基部18に装着してもよい。
【0026】
ここで図5A図5Cを参照すると、容器110の下位部分の別の実施形態が示される。容器本体112が、図5で示される基部18とわずかに異なる基部118を有して示される。特に基部118は、側壁116との曲線的な移行部を有するが、図5で示される実施形態では基部18と側壁16との間の移行部は直角である。
【0027】
容器110はさらに、環状部131および底部区画135を含む保持壁130を有する。底部区画135は底部プレート139から伸びる複数の小隆起または突起137を有し、小隆起/突起137は、それに基部118がスポット溶接または別の方法で連結されうる構造を提供する。この点で、底部区画135の全体は基部18と平坦な係合ではなく、実際に小隆起/突起137が基部118に連結されるとき、底部プレート139を基部118から離間してもよい。
【0028】
容器110はさらに、前述のカートリッジ24とわずかに異なるカートリッジ124を有する。特にカートリッジ124は、上位本体125および下位本体127を有する。図5に示されたカートリッジ24に対する図5A図5Cに示されたカートリッジ124の主要な差異は、下位本体127が下位本体27に対して反転していることである。特に、下位本体127は上位本体125内に位置する端部壁129を有し、下位本体127は、下位本体127が上位本体125に係合されるとき、端部壁129から上位本体125の開放端部に近接する上位本体125の末端縁部へ伸びる環状壁133を有する。上位本体125と下位本体127の間のそのような係合を、押下装着の係合、または接着剤、留め具などを含むがそれらに限定されない他の機械的固定機構の使用を通して容易にしてもよい。
【0029】
容器本体およびディヒューザカートリッジの構造に関連するより多くの情報に関しては、米国特許出願公開第2014/0367318号、”Fluid Container with Internal Perforated Compartment”を参照されたく、この内容は明示的に参照により本明細書に組み込まれる。後述の説明は、図6図23に示される、ディヒューザカートリッジ24を容器本体12内へ挿入し、その後容器本体12からディヒューザカートリッジ24を取り除くため特に構成されたツール34の構造および使用に焦点を当てる。さらに、後述の説明はディヒューザカートリッジ24に言及するが、この説明がディヒューザカートリッジ124および対応する容器110にも同様にあてはまることを当業者は容易に理解するだろう。
【0030】
1つの実施形態によると、ツール34は細長形であり、下部構成要素36、中間構成要素38、および上部構成要素40を含む複数の分離したツール構成要素から形成される。容器本体12へディヒューザカートリッジ24を挿入、または容器本体12から取り除くよう個人がツール34を手動で操作または保持するように、ツール34は構成され、ツール34は、挿入または除去処理中に個人の手が容器本体12の外側にあり続けることを可能にするよう構成される。この点で、ツール34およびディヒューザカートリッジ24は集合的に高さH2を形成し、これは容器本体12の高さH1より高く、これが、ツール34がディヒューザカートリッジ24と係合され、ディヒューザカートリッジ24が保持空洞32内で入れ子状であるとき、ツールの部分が容器本体12の上縁部21を越えて伸びることを可能にする。
【0031】
下部構成要素36は、ディヒューザカートリッジ24と結合するようになされた第1の端部42、および中間構成要素38と結合するようになされた第2の端部44を有する。第1の端部42は、空洞の周辺に配置された円筒状の壁を有し、円筒状の壁は末端部46において終了する。空洞はディヒューザカートリッジ24を受け入れるようになされ、円筒状の壁の内径はディヒューザカートリッジ24の外径よりわずかに大きい。一対の直径方向に対向した切り欠き48が末端部46から円筒状の壁内へ伸び、それぞれの切り欠きは軸方向区画50および半径方向区画52を有する。軸方向区画50は末端部46から伸び、半径方向区画52は末端部46から離間される。切り欠き48の大きさは、ディヒューザカートリッジ24上に形成された、一対の直径方向に対向した小隆起または突起54に対応する。特に、それぞれの小隆起54がそれぞれの切り欠き48内に受け入れられ、下部構成要素36をディヒューザカートリッジ24に作動可能に連結するように、切り欠き48は構成される。
【0032】
第2の端部44は中間の細長形の区画56を介して第1の端部42に接合され、第1の端部42の円筒状の壁より小さい直径を有する。第2の端部44は、中間の細長形の区画56の直径より小さい外径を持つオスコネクタ壁58を有する。一対の直径方向に対向した固定タブ60が、オスコネクタ壁58から半径方向に外側に伸びる。1つの実施形態によると、それぞれの固定タブ60は、中間の細長形の区画56の直径とオスコネクタ壁58の直径の間の差の半分に等しい距離で、半径方向に外側に伸びる。
【0033】
中間構成要素38は、第1の端部62および第2の端部64、およびそれらの間に配置された中間区画66を有する。第1の端部62は下部構成要素36と結合するようになされ、第2の端部64は上部構成要素40と結合するようになされる。例示的な実施形態で、第1の端部62は下部構成要素36のオスタイプのコネクタと係合するようになされたメスタイプのコネクタを形成し、一方で第2の端部64は、上部構成要素40のメスタイプのコネクタと係合するようになされたオスタイプのコネクタを形成する。
【0034】
第1の端部62は、末端部70から円筒状の壁内へ伸びる一対の直径方向に対向した切り欠き68を持つ円筒状の壁を形成する。それぞれの切り欠き68は、軸方向区画および半径方向区画を有する。切り欠き68は、下部構成要素36を中間構成要素38に連結するため、下部構成要素36の固定タブ60がその中を伸びるのを可能にする大きさであり、およびそのように構成される。
【0035】
第1の端部62の円筒状の壁は中間区画66へ移行し、円筒状の壁の外径は中間区画66の外径と同一である。
【0036】
第2の端部64は、中間の細長形の区画66の直径より小さい外径を持つオスコネクタ壁72を有する。一対の直径方向に対向した固定タブ74が、オスコネクタ壁72から半径方向に外側に伸びる。1つの実施形態によると、それぞれの固定タブ74は、中間の細長形の区画66の直径とオスコネクタ壁72の直径の間の差の半分に等しい距離で、半径方向に外側に伸びる。
【0037】
上部構成要素40は、第1の端部76および第2の端部78を有する。第1の端部76は、末端部82から円筒状の壁内へ伸びる一対の直径方向に対向した切り欠き80を持つ円筒状の壁を形成する。それぞれの切り欠き80は、軸方向区画および半径方向区画を有する。切り欠き80は、中間構成要素38を上部構成要素40に連結するため、中間構成要素38の固定タブ74がその中を伸びるのを可能にする大きさであり、およびそのように構成される。
【0038】
円筒状の壁は第2の端部78内へ移行し、第2の端部78は外側へ先細状の壁を有し、人間工学的に把持しやすい部分を提供する。
【0039】
前述のツール34の基本構造とともに、後述の説明はツール34の例示的な使用に焦点を当てる。ディヒューザカートリッジ24を容器本体12内へ挿入するため、ユーザはまず、中間構成要素38の第1の端部62を下部構成要素36へ、および中間構成要素38の第2の端部64を上部構成要素40へ接合することにより、ツール34を組み立てるであろう。ツール34が組み立てられると、ユーザは、下部構成要素36上に形成された切り欠き48をディヒューザカートリッジ24上に形成された小隆起54と整列することにより、ディヒューザカートリッジ24をツール34に取り付ける。ユーザはそれからカートリッジ24上でツール34を前進させ、それが小隆起54を対応する切り欠き48の軸方向区画50を通過させる。ユーザはそれからツール34を第1の方向に回転し、小隆起54が対応する切り欠き48の半径方向区画52を通過するのを可能にする。小隆起54が軸方向区画50および半径方向区画54の両方を通過すると、ディヒューザカートリッジ24がツール34に装着される。
【0040】
それから、ツール34を上部構成要素40において保持し、ディヒューザカートリッジ24およびツール34の下部構成要素36を容器本体12の開口部と整列することにより、ディヒューザカートリッジ24が容器本体12内へ挿入される。ユーザは、ディヒューザカートリッジ24が保持壁30に到達するまで、ツール/カートリッジ構体を容器本体12内へ下げる。ディヒューザカートリッジ24が保持壁30と整列するとき、ユーザはディヒューザカートリッジ24が保持空洞32内で入れ子状態になるまで、その中にツール34を圧迫する/押す。ディヒューザカートリッジ24が保持空洞32内で固定される/入れ子状態になると、ユーザはツール34を第1の方向と反対方向の第2の方向に回転し、それが小隆起54が下部構成要素36内に形成された切り欠き48の半径方向区画52を通って後退する状態を起こす。ユーザはそれからツール34を上げ、それが小隆起54が軸方向区画50を通って後退する状態を起こし、それが最終的にツール34がディヒューザカートリッジ24から離脱するのを可能にする。ツール34はそれから容器本体12から完全に取り除かれ、ユーザは容器本体12の使用を続けてもよく、ディヒューザカートリッジ24はその中に固定される。
【0041】
ディヒューザカートリッジ24を取り除くのに、ツール34が分解されている場合、ユーザは前述のように再度ツール34を組み立てる。組み立てられたツール34はそれから、下部構成要素36がディヒューザカートリッジ24に到達するまで、容器本体12内へ挿入される。ユーザはそれからツール34を回転し、切り欠き48を小隆起54と整列させる。小隆起54が整列すると、ユーザは押し下げ小隆起54が軸方向区画50を通るのを可能にし、それからツール34を第1の方向に回転し、小隆起54が半径方向区画52を通るのを可能にし、最終的にツール34をディヒューザカートリッジ24に固定する。ユーザはそれから容器本体12を片手で保持して、ツール34を引き寄せ、ディヒューザカートリッジ24を保持壁30へ拘束する係合力を解消し、それによってディヒューザカートリッジ24を保持壁30から解放する。ユーザはそれから、ツール34およびディヒューザカートリッジ24が容器本体12から完全に取り除かれるまで、容器本体12からツール/カートリッジ構体を引く。
【0042】
本明細書で示された詳細は、例示の説明の目的の例としてのみであり、最も有用で本開示の種々の実施形態の原理および概念的な態様の記載を容易に理解すると思われるものを提供するために示してはいない。この点で、種々の実施形態の様々な機能の基本的理解に必要である以上の詳細を示す試みはされておらず、図とともに挙げられた記載は、これらを実際にどのように実施しうるかを当業者に明らかにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23