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特許7013118収容体用プレートおよびプレート付き収容体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】収容体用プレートおよびプレート付き収容体
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220124BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20220124BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K10/42 A
A47K7/00 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2016136868
(22)【出願日】2016-07-11
(65)【公開番号】P2018008706
(43)【公開日】2018-01-18
【審査請求日】2019-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】三嶌 裕志
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-039931(JP,A)
【文献】実開昭51-157431(JP,U)
【文献】特開平11-225903(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021583(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0174963(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 10/42
A47K 7/00
B65D 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体に用いられる収容体用プレートであって、
前記取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する基部を備え、
前記基部は、
前記基部の中央部に設けられ前記取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴と、
前記穴と前記基部の最外形を形成する縁部とを空間的に接続する切り欠き部と、
を有し、
前記切り欠き部からみて一方の側に位置する前記基部の端部は、前記切り欠き部からみて他方の側に位置する前記基部の端部よりも外側に位置することを特徴とする収容体用プレート。
【請求項2】
取り出し口を有し、折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から前記取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体と、
前記収容体とは別体として設けられた請求項1に記載の収容体用プレートと、
を備えたことを特徴とするプレート付き収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットシートを収容する収容体に用いられる収容体用プレート、および収容体用プレートを備えたプレート付き収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、消毒用アルコール液、洗浄液、および洗顔料などの薬液が含浸されたウエットシートを収容する収容体がある。一般的に、ウエットシートは、折り畳まれるとともに、そのウエットシートの下に配置されたウエットシートの一部と重ね合わされた状態で収容体に収容され、収容体の取り出し口を通して順次取り出し可能とされている。すなわち、ウエットシートを収容する収容体には、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出すと、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートの一部が取り出し口から突出するポップアップ方式が採用されている。
【0003】
ポップアップ方式の収容体では、複数のウエットシート同士の貼り付きが強い場合がある。そうすると、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出したときに、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートが続けて取り出し口から取り出されるといういわゆる「ズル」が生ずることがある。
【0004】
ここで、特許文献1には、折り畳まれて重合するシート材よりも小さな通過口が設けられた浮き板が、シート材と容器本体の上面部との間に配設された包装容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実登第3001857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された包装容器では、利用者は、蓋材を補強シートから剥離して容器本体の取り出し口を開放させ、浮き板の通過口からシート材を摘まんで取り出す。すなわち、利用者が包装容器を利用するときには、浮き板は、すでに容器本体の内部に配設されている。そのため、利用者は、包装容器の使用を開始するときに、浮き板の下にある1枚目のシート材を浮き板の通過口を通して引っ張り出す必要があり、シート材を摘まみにくいという問題がある。また、浮き板がすでに容器本体の内部に配設されているため、包装容器の製造工程がより複雑になるという問題がある。また、特許文献1には、浮き板を容器本体の内部に配設する方法や手段が開示されていない。さらに、浮き板がそれぞれの包装本体の内部に配設されているため、包装本体を廃棄すると、浮き板は包装本体とともに廃棄される。そのため、資源の有効利用あるいは省エネルギー化を図るという点においては、改善の余地がある。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、いわゆる「ズル」を抑制することができるとともに、利用者が楽に設置することができる収容体用プレートおよびプレート付き収容体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明によれば、折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体に用いられる収容体用プレートであって、前記取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する基部を備え、前記基部は、前記基部の中央部に設けられ前記取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴と、前記穴と前記基部の最外形を形成する縁部とを空間的に接続する切り欠き部と、を有し、前記切り欠き部からみて一方の側に位置する前記基部の端部は、前記切り欠き部からみて他方の側に位置する前記基部の端部よりも外側に位置することを特徴とする収容体用プレートにより解決される。
【0009】
前記構成によれば、収容体用プレートは、折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートを収容する収容体に用いられる。すなわち、収容体用プレートは、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出すと、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートの一部が取り出し口から突出するポップアップ方式の収容体に用いられる。
【0010】
ポップアップ方式の収容体では、複数のウエットシート同士の貼り付きが強い場合がある。そうすると、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出したときに、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートが続けて取り出し口から取り出されるといういわゆる「ズル」が生ずることがある。
【0011】
これに対して、前記構成によれば、収容体用プレートは、収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する基部を備える。また、基部は、基部の中央部に設けられた穴であって、収容体の取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴を有する。そのため、収容体用プレートが収容体の内部において収容体の上部とウエットシートとの間に設置され、ウエットシートが収容体用プレートの基部の穴を通して取り出されると、収容体用プレートは、穴の周縁部によりウエットシートに抵抗を与えることができる。
【0012】
すなわち、収容体用プレートは、収容体の取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴を有するため、収容体用プレートが用いられない状態でウエットシートが収容体の取り出し口から取り出されるときに与えられる抵抗よりも高い抵抗をウエットシートに与えることができる。これにより、いわゆる「ズル」が生ずることを抑えることができる。
【0013】
また、収容体用プレートの基部は、収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する。そのため、収容体の内部において収容体の上部とウエットシートとの間に設置された収容体用プレートが、収容体の取り出し口を通して抜けることを抑えることができる。これにより、収容体用プレートは、より安定的にウエットシートに抵抗を与えることができる。
【0014】
また、基部は、穴と、基部の最外形を形成する縁部と、を空間的に接続する切り欠き部を有する。そのため、収容体用プレートの基部が収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有していても、利用者は、切り欠き部を利用し収容体用プレートを適宜回転させることで、収容体の取り出し口を通して収容体の内部に収容体用プレートを楽に挿入し設置することができる。また、利用者は、ウエットシートを切り欠き部に通すことで、ウエットシートが基部の穴に通った状態に容易に設定することができる。このように、収容体用プレートは収容体の内部に予め設置されているわけではなく、利用者が収容体用プレートを収容体の内部に設置する。そのため、利用者は、収容体の使用を開始するときに、収容体用プレートの穴の開口面積よりも広い開口面積を有する取り出し口を通して、ウエットシートを楽に摘まみ引っ張り出すことができる。
【0015】
さらに、利用者は、収容体に収容されたウエットシートの全てを使用した後には、収容体用プレートを収容体から取り出し、別の収容体の内部に楽に挿入し設置することができる。すなわち、利用者は、1つの収容体用プレートを複数の収容体において再利用することができる。そのため、資源の有効利用あるいは省エネルギー化を図ることができる。
また、前記構成によれば、切り欠き部からみて一方の側に位置する基部の端部が、切り欠き部からみて他方の側に位置する基部の端部よりも外側に位置するため、一方の側の基部の端部を先に収容体の取り出し口に挿入することができる。そうすると、利用者は、収容体の取り出し口から収容体の内部に収容体用プレートを楽に挿入することができる。すなわち、一方の側の基部の端部は、取り出し口から収容体の内部への挿入の案内として機能することができる。
【0023】
前記課題は、本発明によれば、取り出し口を有し、折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から前記取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体と、前記収容体とは別体として設けられた上記の収容体用プレートと、を備えたことを特徴とするプレート付き収容体により解決される。
【0024】
前記構成によれば、収容体用プレートは、収容体とは別体として設けられ、収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する基部を備える。また、基部は、基部の中央部に設けられた穴であって、収容体の取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴を有する。そのため、収容体用プレートが収容体の内部において収容体の上部とウエットシートとの間に設置され、ウエットシートが収容体用プレートの基部の穴を通して取り出されると、収容体用プレートは、穴の周縁部によりウエットシートに抵抗を与えることができる。
【0025】
すなわち、収容体用プレートは、収容体の取り出し口の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴を有するため、収容体用プレートが用いられない状態でウエットシートが収容体の取り出し口から取り出されるときに与えられる抵抗よりも高い抵抗をウエットシートに与えることができる。これにより、いわゆる「ズル」が生ずることを抑えることができる。
【0026】
また、収容体用プレートの基部は、収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有する。そのため、収容体の内部において収容体の上部とウエットシートとの間に収容体とは別体として設置された収容体用プレートが、収容体の取り出し口を通して抜けることを抑えることができる。これにより、収容体用プレートは、より安定的にウエットシートに抵抗を与えることができる。
【0027】
また、基部は、穴と、基部の最外形を形成する縁部と、を空間的に接続する切り欠き部を有する。そのため、収容体用プレートの基部が収容体の取り出し口の開口面積よりも広い面積の主面を有していても、利用者は、切り欠き部を利用し収容体用プレートを適宜回転させることで、収容体とは別体として設けられた収容体用プレートを、収容体の取り出し口を通して収容体の内部に楽に挿入し設置することができる。また、利用者は、ウエットシートを切り欠き部に通すことで、ウエットシートが基部の穴に通った状態に容易に設定することができる。このように、収容体用プレートは、収容体の内部に予め設置されているわけではなく、収容体とは別体として設けられている。そして、利用者は、収容体用プレートを収容体の内部に設置することができる。そのため、利用者は、収容体の使用を開始するときに、収容体用プレートの穴の開口面積よりも広い開口面積を有する取り出し口を通して、ウエットシートを楽に摘まみ引っ張り出すことができる。
【0028】
さらに、利用者は、収容体に収容されたウエットシートの全てを使用した後には、収容体とは別体として設けられた収容体用プレートを収容体から取り出し、別の収容体の内部に楽に挿入し設置することができる。すなわち、利用者は、1つの収容体用プレートを複数の収容体において再利用することができる。そのため、資源の有効利用あるいは省エネルギー化を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、いわゆる「ズル」を抑制することができるとともに、利用者が楽に設置することができる収容体用プレートおよびプレート付き収容体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係るプレート付き収容体を表す上面図である。
図2図1に表した切断面C2-C2における断面図である。
図3】本実施形態に係るプレート付き収容体を図2に表した矢印A11の方向に見たときの状態を表す底面図である。
図4】本発明の実施形態に係る収容体用プレートを表す上面図である。
図5】本実施形態のウエットシート包装体を表す上面図である。
図6】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図7】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図8】利用者がウエットシートを所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図9図8に表した切断面C9-C9における断面図である。
図10】利用者がウエットシートを所定方向に取り出しているときの収容体用プレートの位置を表す上面図である。
図11】利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図12図11に表した切断面C12-C12における断面図である。
図13】利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出しているときの収容体用プレートの位置を表す上面図である。
図14】本発明の他の実施形態に係るプレート付き収容体を表す上面図である。
図15図14に表した切断面C15-C15における断面図である。
図16】本発明の他の実施形態に係る収容体用プレートを表す上面図である。
図17】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図18】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図19】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図20】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図21】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図22】本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図23】利用者がウエットシートを所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図24図23に表した切断面C24-C24における断面図である。
図25】利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図26図25に表した切断面C26-C26における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るプレート付き収容体を表す上面図である。
図2は、図1に表した切断面C2-C2における断面図である。
図3は、本実施形態に係るプレート付き収容体を図2に表した矢印A11の方向に見たときの状態を表す底面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る収容体用プレートを表す上面図である。
図5は、本実施形態のウエットシート包装体を表す上面図である。
なお、図1および図2は、収容体用プレート30がウエットシート容器10の内部に設置された状態を表している。図3では、説明の便宜上、ウエットシート容器10の底部12と、ウエットシート包装体20と、を省略している。
【0033】
本実施形態に係るプレート付き収容体2は、ウエットシート容器(収容体)10と、収容体用プレート30と、を備える。収容体用プレート30は、ウエットシート容器10とは別体として設けられ、ウエットシート容器10に用いられる。すなわち、利用者がプレート付き収容体2の使用を開始する前において、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部には設置されていない。本実施形態に係るプレート付き収容体2では、ウエットシート容器10が、本発明の収容体に相当する。
【0034】
ウエットシート容器10は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの硬質な材料により形成された箱形の容器であり、本体部11と、底部12と、蓋部13と、を有する。本体部11には、取り出し口14が形成されている。つまり、ウエットシート容器10は、取り出し口14を有する。取り出し口14の形状は、略長円形または略楕円形である。但し、取り出し口14の形状は、特には限定されず、例えば略四角形であってもよい。
【0035】
蓋部13は、本体部11に対して回動自在に軸支されており、取り出し口14を上から覆い隠すことができる。図1に表したように、蓋部13には、蓋部13が閉じたときに本体部11に向かって突出する突起部16が設けられている。蓋部13の表面に対して垂直方向にみたときの突起部16の形状は、略長円形または略楕円形である。突起部16は、蓋部13が閉じたときに本体部11に接触または近接することにより気密性を確保することができる。
【0036】
ウエットシート容器10は、ウエットシート41を収容する。具体的には、ウエットシート41は、本体部11と、底部12と、の間に設けられる。ウエットシート41は、消毒用アルコール液、洗浄液、および洗顔料などの清拭等のための薬液が含浸された紙あるいは不織布で形成されたシート体である。
【0037】
図2および図5に表したように、ウエットシート41は、ウエットシート包装体20の内部に折り畳まれた状態で収容され、折り畳まれた状態からウエットシート包装体20の開口部24およびウエットシート容器10の取り出し口14を通して順次取り出し可能とされている。すなわち、ウエットシート包装体20には、利用者がウエットシート41を開口部24から取り出すと、そのウエットシート41の下に配置されている次のウエットシート41の一部が開口部24から突出するポップアップ方式が採用されている。
【0038】
ウエットシート包装体20は、例えばアルミニウムやポリエチレンラミネートフィルムなどの気密性を有するフィルム素材により形成されており、軟質性あるいは可撓性を有する。ウエットシート包装体20は、一方の端部21および他方の端部22が熱圧着された略直方体の袋であり、ウエットシート41を収容している。すなわち、ウエットシート包装体20は、例えば、ピローフィルム包装あるいはピロータイプ合掌貼り包装などと呼ばれる。但し、本実施形態のウエットシート包装体20は、ピロータイプの包装には限定されない。ウエットシート包装体20の開口部24は、ウエットシート41を取り出すための穴として形成され、ウエットシート包装体20に予め形成されている。あるいは、ウエットシート包装体20の開口部24は、利用者がウエットシート包装体20の使用を開始するときに切り取ることで形成されてもよい。開口部24の形状は、略長円形または略楕円形である。但し、開口部24の形状は、特には限定されず、例えば略四角形であってもよい。
【0039】
このように、ウエットシート容器10は、折り畳まれた状態のウエットシート41を収容したウエットシート包装体20を収容することで、ウエットシート41を間接的に収容する。なお、ウエットシート41の折り畳み方については、公知のポップアップ方式の折り畳み方を採用することができる。ウエットシート41の折り畳み方は、特には限定されない。また、ウエットシート41は、ウエットシート包装体20を介して間接的ではなく、ウエットシート容器10に直接的に収容されていてもよい。
【0040】
図2に表したように、本実施形態に係る収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部において、ウエットシート容器10の上部15と、ウエットシート41と、の間に利用者により設置される。上部15は、ウエットシート容器10の本体部11のうちで、取り出し口14が設けられた部分である。収容体用プレート30の設置方法の詳細については、後述する。
【0041】
図4に表したように、本実施形態に係る収容体用プレート30は、例えば樹脂材料により形成された基部31を有し、約1~2mm程度の厚さの板状を呈する。図2および図3に表したように、基部31は、ウエットシート容器10の取り出し口14の開口面積よりも広い面積の主面34を有する。図2に表したように、基部31の主面35は、基部31の主面34とは反対側の面(裏面)であり、主面34の面積と略同じ面積を有する。そのため、図3において、主面34とは反対側の主面35の面積が取り出し口14の開口面積よりも広いことは、主面34の面積が取り出し口14の開口面積よりも広いことと等価である。
【0042】
図4に表したように、基部31は、穴32と、切り欠き部33と、を有する。穴32は、基部31の中央部に設けられ、ウエットシート容器10の取り出し口14の開口面積よりも狭い開口面積を有する。穴32の形状は、略長円形または略楕円形である。但し、穴32の形状は、特には限定されず、例えば略四角形であってもよい。穴32は、ウエットシート容器10の取り出し口14の開口面積よりも狭い開口面積を有する。切り欠き部33は、穴32と、基部31の最外形を形成する縁部38と、を空間的に接続している。ここで、本願明細書において「空間的に接続」とは、基部31の一部が離れて形成された空間により穴23と縁部38とが空間的に接続された状態だけではなく、基部31の一部が接触している場合であっても、ウエットシート41の通過により変形し、ウエットシート41が通過可能な空間が穴23と縁部38との間に形成される状態を含むものとする。
【0043】
図3に表したように、基部31の主面35の面積は、ウエットシート容器10の上部15の表面積よりも狭い。前述したように、基部31の主面35は、基部31の主面34とは反対側の面であり、主面34の面積と略同じ面積を有する。そのため、基部31の主面34の面積は、ウエットシート容器10の上部15の表面積よりも狭い。
【0044】
次に、本実施形態に係る収容体用プレート30の設置方法について、図面を参照しつつ説明する。
図6および図7は、本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
図6(a)は、ウエットシート41が穴32に通される前の状態を表す上面図である。図6(b)は、ウエットシート41が穴32に通された後の状態を表す上面図である。
【0045】
図6(a)に表したように、利用者は、収容体用プレート30を設置するときに、まず、ウエットシート包装体20の開口部24から突出したウエットシート41を収容体用プレート30の切り欠き部33に通す。続いて、図6(b)に表したように、利用者は、ウエットシート41を穴32に向かって切り欠き部33のさらに奥側に通し、穴32に導く。つまり、利用者は、ウエットシート41を切り欠き部33に通すことにより、ウエットシート41が穴32に通った状態に容易に設定することができる。
【0046】
続いて、図7に表したように、利用者は、ウエットシート41が穴32に通った状態であって収容体用プレート30がウエットシート包装体20の上に設置された状態で、ウエットシート包装体20の上から本体部11を被せる。本体部11が底部12に嵌まると、ウエットシート41を収容したウエットシート包装体20がウエットシート容器10の内部に収容される。これにより、収容体用プレート30が、ウエットシート容器10の上部15と、ウエットシート41と、の間に設置される。収容体用プレート30がウエットシート容器10の上部15とウエットシート41との間に設置された状態は、図1に表した通りである。
【0047】
ここで、ポップアップ方式では、複数のウエットシート同士の貼り付きが強い場合がある。そうすると、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出したときに、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートが続けて取り出し口から取り出されるといういわゆる「ズル」が生ずることがある。
【0048】
これに対して、本実施形態に係るプレート付き収容体2および収容体用プレート30によれば、収容体用プレート30の基部31に設けられた穴32の開口面積は、取り出し口14の開口面積よりも狭い。そのため、利用者が収容体用プレート30の基部31に設けられた穴32を通してウエットシート41を取り出すと、収容体用プレート30は、穴32の周縁部によりウエットシート41に抵抗を与えることができる。
【0049】
すなわち、収容体用プレート30は、取り出し口14の開口面積よりも狭い開口面積を有する穴32を有するため、収容体用プレート30が用いられない状態でウエットシート41が取り出し口14から取り出されるときに与えられる抵抗よりも高い抵抗をウエットシート41に与えることができる。これにより、いわゆる「ズル」が生ずることを抑えることができる。
【0050】
また、収容体用プレート30の基部31は、取り出し口14の開口面積よりも広い面積の主面34を有する。そのため、ウエットシート容器10の内部においてウエットシート容器10の上部15とウエットシート41との間に設置された収容体用プレート30が、取り出し口14を通して抜けることを抑えることができる。これにより、収容体用プレート30は、より安定的にウエットシート41に抵抗を与えることができる。
【0051】
このように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部に予め設置されているわけではなく、利用者が収容体用プレート30をウエットシート容器10の内部に設置する。そのため、利用者は、ウエットシート容器10の使用を開始するときに、収容体用プレート30の穴32の開口面積よりも広い開口面積を有する取り出し口14を通して、ウエットシート41を楽に摘まみ引っ張り出すことができる。
【0052】
さらに、利用者は、ウエットシート容器10に収容されたウエットシート41の全てを使用した後には、収容体用プレート30をウエットシート容器10から取り出し、別のウエットシート容器10の内部に楽に設置することができる。すなわち、利用者は、1つの収容体用プレート30を複数のウエットシート容器10において再利用することができる。そのため、資源の有効利用あるいは省エネルギー化を図ることができる。
【0053】
なお、本実施形態の収容体用プレートの設置方法は、図6および図7に関して説明した方法には限定されない。収容体用プレートは、ウエットシート41を取り出すための取り出し口を通して、収容体と、ウエットシート41と、の間に設置されてもよい。この設置方法の詳細については、後述する。
【0054】
図8は、利用者がウエットシートを所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図9は、図8に表した切断面C9-C9における断面図である。
図10は、利用者がウエットシートを所定方向に取り出しているときの収容体用プレートの位置を表す上面図である。
なお、図9では、説明の便宜上、利用者の手を省略している。
【0055】
図1図5に関して前述したように、基部31の主面34の面積は、ウエットシート容器10の上部15の表面積よりも狭い。そのため、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10に固定されず、ウエットシート容器10の内部において動くことができる。すなわち、収容体用プレート30がウエットシート容器10の内部に設置された状態において、収容体用プレート30の遊びが存在する。
【0056】
そのため、ウエットシート41が図8に表した矢印A12および図9に表した矢印A13の方向に取り出されると、図8および図10に表したように、収容体用プレート30は、ウエットシート41が取り出される方向に応じて、ウエットシート容器10の内部で移動することができる。具体的には、図10に表したように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部で図8に表した矢印A12の方向に移動することができる。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。そして、収容体用プレート30は、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができる必要最小限の抵抗をウエットシート41に安定的に与えることができる。
【0057】
また、図9に表したように、収容体用プレート30の遊びが存在するため、収容体用プレート30は、ウエットシート41が取り出される角度A21に応じて、ウエットシート容器10の内部において傾くことができる。具体的には、基部31の主面34の法線が図8に表した矢印A12の方向の成分を有するように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部において傾くことができる。例えば、角度A21は、図9に表した矢印A13と、ウエットシート容器10が設置された面45(例えば水平面)と、の間のなす角度である。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。
【0058】
図11は、利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図12は、図11に表した切断面C12-C12における断面図である。
図13は、利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出しているときの収容体用プレートの位置を表す上面図である。
なお、図12では、説明の便宜上、利用者の手を省略している。
【0059】
図8図10に関して前述したように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10に固定されず、ウエットシート容器10の内部において動くことができる。
【0060】
そのため、ウエットシート41が図11に表した矢印A14および図12に表した矢印A15の方向に取り出されると、図11および図13に表したように、収容体用プレート30は、ウエットシート41が取り出される方向に応じて、ウエットシート容器10の内部で移動することができる。具体的には、図13に表したように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部で図11に表した矢印A14の方向に移動することができる。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。そして、収容体用プレート30は、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができる必要最小限の抵抗をウエットシート41に安定的に与えることができる。
【0061】
また、図12に表したように、収容体用プレート30の遊びが存在するため、収容体用プレート30は、ウエットシート41が取り出される角度A22に応じて、ウエットシート容器10の内部において傾くことができる。具体的には、基部31の主面34の法線が図11に表した矢印A14の方向の成分を有するように、収容体用プレート30は、ウエットシート容器10の内部において傾くことができる。例えば、角度A22は、図12に表した矢印A15と、ウエットシート容器10が設置された面45と、の間のなす角度である。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。
【0062】
次に、本発明の他の実施形態に係るプレート付き収容体2Aおよび収容体用プレート30Aついて説明する。
図14は、本発明の他の実施形態に係るプレート付き収容体を表す上面図である。
図15は、図14に表した切断面C15-C15における断面図である。
図16は、本発明の他の実施形態に係る収容体用プレートを表す上面図である。
なお、図14および図15は、収容体用プレート30Aがウエットシート包装体20の内部に設置された状態を表している。
【0063】
本実施形態に係るプレート付き収容体2Aは、ウエットシート包装体(収容体)20と、収容体用プレート30Aと、を備える。収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20とは別体として設けられ、ウエットシート包装体20に用いられる。すなわち、利用者がプレート付き収容体2Aの使用を開始する前において、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部には設置されていない。本実施形態に係るプレート付き収容体2Aでは、ウエットシート包装体20が、本発明の収容体に相当する。
【0064】
ウエットシート包装体20およびウエットシート41は、図1図5に関して前述した通りである。すなわち、ウエットシート包装体20は、例えばアルミニウムやポリエチレンラミネートフィルムなどの気密性を有するフィルム素材により形成されており、軟質性あるいは可撓性を有する。ウエットシート41は、消毒用アルコール液、洗浄液、および洗顔料などの清拭等のための薬液が含浸された紙あるいは不織布で形成されたシート体である。ウエットシート41は、ウエットシート包装体20の内部に折り畳まれた状態で収容され、折り畳まれた状態からウエットシート包装体20の開口部(取り出し口)24を通して順次取り出し可能とされている。本実施形態に係るプレート付き収容体2Aでは、開口部24が、本発明の取り出し口に相当する。
【0065】
図15に表したように、本実施形態に係る収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部において、ウエットシート包装体20の上部25と、ウエットシート41と、の間に利用者により設置される。上部25は、ウエットシート包装体20のうちで、開口部24が設けられた部分である。収容体用プレート30Aの設置方法の詳細については、後述する。
【0066】
図16に表したように、本実施形態に係る収容体用プレート30Aは、例えば樹脂材料により形成された基部31を有し、約1~2mm程度の厚さの板状を呈する。基部31は、穴32と、切り欠き部33と、を有する。切り欠き部33からみて一方の側に位置する基部の端部36は、切り欠き部33からみて他方の側に位置する基部の端部37よりも外側に位置する。言い換えれば、穴32を基準にしてみたときに、一方の側に位置する基部の端部36は、他方の側に位置する基部の端部37よりも遠い位置に設けられている。
【0067】
基部31の主面34には、ウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部への挿入の案内を示す矢印A1および矢印A2が付されている。「ウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部への挿入の案内」とは、ウエットシート包装体20の開口部24を通して収容体用プレート30Aをウエットシート包装体20の内部に挿入し設置するときの案内をいう。例えば、矢印A1は、切り欠き部33からみて一方の側に位置する基部の端部36の近傍に付されている。例えば、矢印A2は、穴32からみて矢印A1とは反対側に付されている。但し、矢印A1および矢印A2が付された位置は、図16に表した例には限定されない。
【0068】
収容体用プレート30Aの基部31は、ウエットシート包装体20の開口部24の開口面積よりも広い面積の主面34を有する。また、基部31の主面34の面積は、ウエットシート包装体20の上部25の表面積よりも狭い。収容体用プレート30Aの他の構造は、図1図5に関して前述した収容体用プレート30の構造と同じである。
【0069】
次に、本実施形態に係る収容体用プレート30Aの設置方法について、図面を参照しつつ説明する。
図17図22は、本実施形態に係る収容体用プレートの設置方法を説明する上面図である。
【0070】
図17に表したように、利用者は、収容体用プレート30Aを設置するときに、まず、ウエットシート包装体20の開口部24から突出したウエットシート41を収容体用プレート30Aの切り欠き部33に通す。続いて、図18に表したように、利用者は、ウエットシート41を穴32に向かって切り欠き部33のさらに奥側に通し、穴32に導く。つまり、利用者は、ウエットシート41を切り欠き部33に通すことにより、ウエットシート41が穴32に通った状態に容易に設定することができる。
【0071】
続いて、図19に表したように、利用者は、ウエットシート41が穴32に通った状態で、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の開口部24に挿入する。このとき、一方の側の基部31の端部36が、他方の側の基部31の端部37よりも外側に位置するため、利用者は、他方の側の基部31の端部37よりも先に、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の開口部24に挿入することができる。そのため、利用者は、ウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部に収容体用プレート30Aを楽に挿入することができる。すなわち、一方の側の基部31の端部36は、ウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部への挿入の案内として機能することができる。
【0072】
また、矢印A1が基部31の主面34に付されているため、利用者は、収容体用プレート30Aの挿入方向を目視により確認することができる。これにより、利用者は、ウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部に収容体用プレート30Aを楽に挿入することができる。
【0073】
続いて、図20に表した矢印A5のように、利用者は、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部にさらに挿入する。このとき、図20に表したように、利用者は、切り欠き部33を利用することにより、他方の側の基部31の端部37をウエットシート包装体20の外側に配置させつつ、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の内部に挿入することができる。これにより、利用者は、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の内部に楽に挿入することができる。
【0074】
続いて、図21に表した矢印A6のように、利用者は、収容体用プレート30Aを適宜回転させつつ、一方の側の基部31の端部36をウエットシート包装体20の開口部24からウエットシート包装体20の内部にさらに挿入する。このとき、図21に表したように、利用者は、切り欠き部33を利用することにより、収容体用プレート30Aを楽に回転させることができる。
【0075】
また、矢印A2が基部31の主面34に付されているため、利用者は、収容体用プレート30Aの回転方向を目視により確認することができる。これにより、利用者は、収容体用プレート30Aを楽に回転させ、ウエットシート包装体20の内部にさらに挿入することができる。
【0076】
続いて、図22に表した矢印A7のように、利用者は、収容体用プレート30Aをさらに回転させ、収容体用プレート30Aの全体をウエットシート包装体20の内部に挿入し設置する。このように、収容体用プレート30Aの基部31は、穴32と、縁部38と、を空間的に接続する切り欠き部33を有する。そのため、収容体用プレート30Aの基部31が開口部24の開口面積よりも広い面積の主面34を有していても、利用者は、切り欠き部33を利用し収容体用プレート30Aを適宜回転させることで、ウエットシート包装体20の内部に収容体用プレート30Aの全体を楽に挿入し設置することができる。
【0077】
このように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部に予め設置されているわけではなく、利用者が収容体用プレート30Aをウエットシート包装体20の内部に設置する。そのため、利用者は、ウエットシート包装体20の使用を開始するときに、収容体用プレート30Aの穴32の開口面積よりも広い開口面積を有する開口部24を通して、ウエットシート41を楽に摘まみ引っ張り出すことができる。
【0078】
図23は、利用者がウエットシートを所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図24は、図23に表した切断面C24-C24における断面図である。
なお、図24では、説明の便宜上、利用者の手を省略している。
【0079】
基部31の主面34の面積は、ウエットシート包装体20の上部25の表面積よりも狭い。そのため、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20に固定されず、ウエットシート包装体20の内部において動くことができる。すなわち、収容体用プレート30Aがウエットシート包装体20の内部に設置された状態において、収容体用プレート30Aの遊びが存在する。
【0080】
そのため、ウエットシート41が図23に表した矢印A16および図24に表した矢印A17の方向に取り出されると、図23に表したように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート41が取り出される方向に応じて、ウエットシート包装体20の内部で移動することができる。具体的には、図23に表したように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部で図23に表した矢印A16の方向に移動することができる。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。そして、収容体用プレート30Aは、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができる必要最小限の抵抗をウエットシート41に安定的に与えることができる。
【0081】
また、図24に表したように、収容体用プレート30Aの遊びが存在するため、収容体用プレート30Aは、ウエットシート41が取り出される角度A23に応じて、ウエットシート包装体20の内部において傾くことができる。具体的には、基部31の主面34の法線が図24に表した矢印A17の方向を向くように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部において傾くことができる。例えば、角度A23は、図24に表した矢印A17と、ウエットシート包装体20が設置された面45(例えば水平面)と、の間のなす角度である。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。
【0082】
図25は、利用者がウエットシートを他の所定方向に取り出している状態を表す上面図である。
図26は、図25に表した切断面C26-C26における断面図である。
なお、図26では、説明の便宜上、利用者の手を省略している。
【0083】
図23および図24に関して前述したように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20に固定されず、ウエットシート包装体20の内部において動くことができる。
【0084】
そのため、ウエットシート41が図25に表した矢印A18および図26に表した矢印A19の方向に取り出されると、図25に表したように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート41が取り出される方向に応じて、ウエットシート包装体20の内部で移動することができる。具体的には、図25に表したように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部で図25に表した矢印A18の方向に移動することができる。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。そして、収容体用プレート30Aは、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができる必要最小限の抵抗をウエットシート41に安定的に与えることができる。
【0085】
また、図26に表したように、収容体用プレート30Aの遊びが存在するため、収容体用プレート30Aは、ウエットシート41が取り出される角度A24に応じて、ウエットシート包装体20の内部において傾くことができる。具体的には、基部31の主面34の法線が図25に表した矢印A19の方向を向くように、収容体用プレート30Aは、ウエットシート包装体20の内部において傾くことができる。例えば、角度A24は、図26に表した矢印A19と、ウエットシート包装体20が設置された面45と、の間のなす角度である。これにより、過度に高い抵抗がウエットシート41に与えられることを抑えることができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0087】
2、2A・・・プレート付き収容体、 10・・・ウエットシート容器、 11・・・本体部、 12・・・底部、 13・・・蓋部、 14・・・取り出し口、 15・・・上部、 16・・・突起部、 20・・・ウエットシート包装体、 21・・・端部、 22・・・端部、 23・・・穴、 24・・・開口部、 25・・・上部、 30、30A・・・収容体用プレート、 31・・・基部、 32・・・穴、 33・・・切り欠き部、 34、35・・・主面、 36、37・・・端部、 38・・・縁部、 41・・・ウエットシート、 45・・・面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図24
図25
図26