(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 27/04 20060101AFI20220124BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20220124BHJP
G01G 19/387 20060101ALN20220124BHJP
【FI】
B65G27/04
B65G47/14 101C
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2017012943
(22)【出願日】2017-01-27
【審査請求日】2019-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩次
(72)【発明者】
【氏名】佐野 祥平
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-038578(JP,A)
【文献】実開昭48-026570(JP,U)
【文献】特開2011-088707(JP,A)
【文献】特開昭52-097582(JP,A)
【文献】特開平05-192641(JP,A)
【文献】特開2014-089146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 27/04
G01G 19/387
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される物品を搬送する前段搬送機構と、前記前段搬送機構による前記物品の搬送経路の複数個所において、搬送されてきた物品の通過を許容する許容状態と、搬送されてきた物品を前記搬送
経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、複数個所に振分け搬送する分配搬送機構とを備えると共に、前記分配搬送機構の各振分け先に搬送されてきた各物品をそれぞれ搬送する振動フィーダを複数備え、
前記複数の各振動フィーダは、組合せ秤の複数の物品投入口へ前記物品を搬送するものであり、
前記振動フィーダは、物品が載置されるトラフを振動させて、前記物品を搬送する振動フィーダであって、
前記トラフの少なくとも底部に、前記物品の搬送方向に沿って延びる開口が複数形成されている、
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記トラフが、前記搬送方向に向かって先下がり傾斜している、
請求項1に記載の
物品供給装置。
【請求項3】
前記先下がり傾斜の傾斜角度が変更調節可能である、
請求項2に記載の
物品供給装置。
【請求項4】
前記開口が、前記搬送方向に沿った長孔である、
請求項1ないし3のいずれかに記載の
物品供給装置。
【請求項5】
前記開口の複数が、前記搬送方向に沿って列設されてなる開口群の複数を、前記搬送方向に直交する方向に沿っ
て備える、
請求項1ないし4のいずれかに記載の
物品供給装置。
【請求項6】
前記トラフは、前記物品が載置されるトラフ本体と、前記トラフ本体の底部の下面に沿って連結された補強底板とを備え、前記開口が、前記トラフ本体の底部及び前記補強底板に亘って上下に貫通形成されている、
請求項1ないし5のいずれかに記載の
物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の物品を振動搬送する振動フィーダを用いた物品供給装置に関し、更に詳しくは、物品の供給が人手によって行われる半自動式の組合せ秤への物品の供給に好適な振動フィーダを用いた物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤は、複数の計量部を有し、各計量部に供給された物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲となる計量部の組合せを選択し、選択した計量部の物品を排出するものである。
【0003】
この組合せ秤は、計量部への物品の供給方法及び排出方法の違いにより、自動式、半自動式、手動式に大別することができる。手動式の組合せ秤では、物品の供給と排出が人手によって行われる。また、半自動式の組合せ秤では、物品の供給は人手によって行われ、物品の排出は自動で行われる。また、自動式の組合せ秤では、人手によらず、物品の供給と排出が自動で行われる。
【0004】
例えば、特許文献1には、ブロイラー(肉用鶏)を解体した肉片などを、組合せ秤に並列装備された多数の投入口に人手によって投入して、組合せ計量する組合せ秤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような半自動式の組合せ秤では、人手で物品を組合せ秤に供給するので、単体重量が比較的大きく不定形な物品や機械によるハンドリングが難しい物品、例えば、上記のような肉片や魚介類などの物品を計量するのに好適であるが、多数の投入口に、作業者が物品を一々掴んで供給しなければならず、多量の物品の計量処理には、多大な労力を要するものである。
【0007】
そこで、半自動式の組合せ秤の投入口へ振動フィーダによって物品を振動搬送することが考えられるが、従来の振動フィーダでは、単体重量が比較的大きく不定形であって、粘着性を有し、柔軟で扱いにくい物品の搬送を円滑に行うことができず、特に、ブロイラーの肉片のように、油脂成分を含む物品では、
物品表面の油脂や油液が、振動フィーダのトラフに付着残留して円滑な搬送が妨げられるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記のような点に着目してなされたものであって、肉片のような不定形で粘着性を有し、柔軟で扱いにくい物品を、的確に搬送することができる振動フィーダを用いた物品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る物品供給装置は、供給される物品を搬送する前段搬送機構と、前記前段搬送機構による前記物品の搬送経路の複数個所において、搬送されてきた物品の通過を許容する許容状態と、搬送されてきた物品を前記搬送経路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、前記物品排出機構で前記搬送経路外へ排出された物品を、複数個所に振分け搬送する分配搬送機構とを備えると共に、前記分配搬送機構の各振分け先に搬送されてきた各物品をそれぞれ搬送する振動フィーダを複数備え、前記複数の各振動フィーダは、組合せ秤の複数の物品投入口へ前記物品を搬送するものであり、前記振動フィーダは、物品が載置されるトラフを振動させて、前記物品を搬送する振動フィーダであって、前記トラフの少なくとも底部に、前記物品の搬送方向に沿って延びる開口が複数形成されている。
【0011】
本発明の物品供給装置によると、前段搬送機構の搬送方向の上手側において物品を供給すると、前段搬送機構によって搬送される物品は、その搬送経路の複数個所において物品排出機構によって搬送経路外に排出され、排出された物品は、分配搬送機構によって複数個所に振分け搬送され、更に、分配搬送機構で振分けられた各物品を、複数の振動フィーダによって物品の供給先へ搬送することができる。したがって、例えば、物品排出機構を搬送経路の3箇所に配備すると共に、分配搬送機構で更に3箇所に分配するようにすると、前段搬送機構の上手側の1箇所で供給した物品を、所定の9箇所に分配供給することが可能となる。
また、複数の各振動フィーダにおいて、物品を任意の搬送速度で搬送したり、搬送を停止したりすることができ、これによって、物品の供給先の要求に応じたタイミングで物品を供給するのが容易となる。
また、前段搬送機構の上手側の1箇所に、従来、半自動式の組合せ秤へ人手によって供給されていた物品を供給することによって、半自動式の組合せ秤の複数の物品投入口へ物品を分配して供給することができるので、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する必要がなく、作業者の労力が大幅に軽減される。
更に、振動フィーダによると、肉片などの柔軟で粘着性があり、かつ、表面に油脂や油液が浮き出ているような物品の場合、物品を振動移動させながら、物品表面の油脂や油液を開口に導いて排出することができる。従って、トラフの主たる搬送面である底面に油脂や油液が多量に付着残留することがなくなり、これらの付着残留物によって物品の搬送が阻害されることを回避することができる。
【0012】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記トラフが、前記搬送方向に向かって先下がり傾斜している。
【0013】
この実施態様によると、トラフは、搬送方向に向かって先下がり傾斜しているので、この先下がりの傾斜角度を、適切な角度範囲に設定することによって、柔軟で粘着性を有するような搬送しにくい物品であっても、振動によって円滑に搬送することができる一方、振動フィーダの駆動を停止したときに、物品が、トラフ上を滑って移動することなく、確実に停止させることができる。
【0014】
(3)本発明の他の実施態様では、前記先下がり傾斜の傾斜角度が変更調節可能である。
【0015】
この実施態様によると、搬送のし易さが異なる物品の性状や大きさなど応じて、トラフの先下がりの傾斜角度を変更調節することによって、性状や大きさの異なる物品の搬送にも容易に対応することができる。
【0016】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記開口が、前記搬送方向に沿った長孔である。
【0017】
この実施態様によると、トラフの開口は、物品の搬送方向に沿った長孔であるので、柔軟な物品の一部が長孔に入り込んだ場合に、物品の搬送を妨げる長孔の端縁、すなわち、物品の搬送方向の下手側となる長孔の端縁を小さくすることができ、その分、物品の引っ掛かりによる搬送抵抗を抑制することができる一方、長孔を物品の搬送方向に沿って長くすることによって、長孔の開口面積を確保して、物品表面の油脂や油液を長孔から確実に排出することができる。
【0018】
(5)本発明の一実施態様では、前記開口の複数が、前記搬送方向に沿って列設されてなる開口群の複数を、前記搬送方向に直交する方向に沿って備える。
【0019】
この実施態様によると、複数の開口が、搬送方向に沿って列設されて開口群が構成され、この開口群の複数が、前記搬送方向に直交する方向に沿って配置されるので、前記直交する方向で隣合う開口群の間には、開口の無い連続した搬送面が、搬送方向の全長に亘って形成されることになり、物品は、この一連の搬送面に受止められて円滑に搬送される一方、複数の開口群によって、トラフの全長において、物品表面の油脂や油液を確実に排出することができる。
【0020】
(6)本発明の他の実施態様では、前記トラフは、前記物品が載置されるトラフ本体と、前記トラフ本体の底部の下面に沿って連結された補強底板とを備え、前記開口が、前記トラフ本体の底部及び前記補強底板に亘って上下に貫通形成されている。
【0021】
この実施態様によると、トラフ本体を薄い板材で形成しながら、剛性の高い底部を構成することができ、重量の大きい物品でも好適に振動搬送することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の物品供給装置によれば、前段搬送機構の搬送方向の上手側において物品を供給すると、前段搬送機構によって搬送される物品は、その搬送経路の複数個所において物品排出機構によって搬送経路外に排出され、排出された物品は、分配搬送機構によって複数個所に振分けられ、複数の振動フィーダによって更に搬送されるので、前段搬送機構の上手側の1箇所で供給した物品を、複数の供給先に分配して供給することが可能となる。
【0029】
これによって、前段搬送機構の上手側の1箇所に、従来、半自動式の組合せ秤へ人手によって供給されていた物品を、供給することによって、半自動式の組合せ秤の複数の物品投入口へ物品を分配して供給することができるので、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する必要がなく、作業者の労力が大幅に軽減される。
更に、振動フィーダによれば、肉片のような不定形で粘着性を有し、柔軟で扱いにくい物品を、的確に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の物品供給装置を備える計量システムの全体斜視図である。
【
図4】
図4は一組の物品分配箇所を示す斜視図である。
【
図5】
図5は
図1の振動フィーダのトラフを示す側面図である。
【
図6】
図6は
図1の振動フィーダのトラフの縦断側面図である。
【
図7】
図7は
図1の振動フィーダのトラフの分解斜視図である。
【
図8】
図8は一組の物品分配箇所を示す概略正面図である。
【
図10】
図10は物品を検知する物品検知センサの配置状態を示す概略平面図である。
【
図12】
図12は物品供給装置の全体制御の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は振動フィーダの制御の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は分配搬送機構の制御の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は物品排出機構の制御の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は振動フィーダのトラフの別実施形態を示す側面図である。
【
図17】
図17は振動フィーダのトラフの他の実施形態を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係る振動フィーダを用いた物品供給装置及びそれを備えた計量システムを図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る振動フィーダを用いた物品供給装置を備えた計量システムの全体構成を示す斜視図、
図2はその平面図、
図3はその側面図である。この実施形態の計量システムは、物品供給を行う物品供給装置1と、従来では、物品の供給が人手によって行われていた半自動式の組合せ秤2とを備えている。
【0033】
この計量システムは、半自動式の組合せ秤2に対して、物品供給装置1によって物品を、自動で供給するものであり、全体として、物品の供給及び排出を自動で行う、自動式の組合せ秤と称することもできる。
【0034】
この実施形態では、単体重量が比較的大きく不定形で粘着性を有し、柔軟で扱いにくい物品、例えば、ブロイラー(肉用鶏)を解体したモモ肉あるいはムネ肉といったブロック状の肉片を計量対象としている。
【0035】
すなわち、この実施形態の計量システムは、ブロイラーの解体ラインの計量工程に好適なシステムである。
【0036】
物品供給装置1は、水平に配備した前段搬送機構3と、その搬送経路の複数箇所、この例では3箇所に配備した物品排出機構4と、各物品排出機構4にそれぞれ対応する3台の分配搬送機構5と、各分配搬送機構5に対応して複数台ずつ、この例では3台ずつ並列配備した後段搬送機構としての振動フィーダ6とを備えている。
【0037】
前段搬送機構3は、水平に巻回した搬送ベルト7を、
図2において、矢符Aで示されるように、右方から左方に一定の速度で回転駆動されるベルトコンベヤで構成されている。前段搬送機構3の搬送ベルト7の右方の始端側において、
解体されたブロイラーの肉片が、物品wとして供給される。
【0038】
物品排出機構4は、前段搬送機構3における搬送
経路を挟む一方側に設置されて縦支点aを中心にして、揺動駆動可能な長板状のガイド部材8を備えている。このガイド部材8は、
図2中の実線で示すように、搬送
経路の前記一方側に外れて搬送方向に沿った退避姿勢となる許容状態では、前段搬送機構3による搬送
経路上の物品wの通過が許容される。ガイド部材8が駆動されて、
図2中の仮想線で示すように、前記縦支点aを中心に搬送経路側へ揺動すると、長板状のガイド部材8が、平面視で搬送
経路に斜めに交差した排出姿勢の排出状態となる。この排出状態では、搬送
経路に沿って搬送される物品wは、搬送経路を斜めに横切るように交差しているガイド部材8の板面に沿って、徐々に搬送
経路の他方側の外方へ案内されて、搬送経路から排出される。
【0039】
前段搬送機構3の排出側には、下窄まりの傾斜した排出シュート9が固定配備されており、ガイド部材8によって案内排出された物品wは、排出シュート9を介して前記他方側の下方に滑落案内される。
【0040】
このように物品排出機構4は、長板状のガイド部材8を、前段搬送機構3の搬送経路に対して傾斜するように交差させて、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、ガイド部材8の板面に沿って案内して排出するので、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを確実に所定の箇所で排出することができる。
【0041】
前記分配搬送機構5は、物品排出機構4によって排出されてきた物品wを受け取る上拡がり漏斗状の投入ファネル10と、投入ファネル10に投入された物品wを搬送すると共に、所定角度だけ回動駆動可能な旋回コンベヤ14とを備えている。旋回コンベヤ14は、投入ファネル10で滑落案内された物品wを載置して水平に搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11の両脇に起立配備された左右の側板12と、両側板12の終端部に取付けられた平面形状がU形の排出カバー13とを備えている。
【0042】
排出カバー13は、搬送ベルト11で載置搬送されてきた物品wを、搬送方向へ飛び出させることなく落下させる落下口を形成するものであり、
図4に示されるように、両側板12に対して搬送方向に沿って位置調節可能にボルト締め連結されている。この排出カバー13の位置調節によって物品wの大きさに対応して落下口の搬送方向の開口長さを変更し、物品wが詰まることなく的確に所定位置に落下放出されるようになっている。
【0043】
旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品が滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として、サーボモータによって所定角度だけ回動駆動可能である。この旋回コンベヤ14は、回動範囲における中央位置とその両側の回動端位置の3位置において、搬送ベルト11の搬送終端の落下口が、各振動フィーダ6の直上方に位置するようになっている。すなわち、旋回コンベヤ14は、縦支点bを中心として、所定角度だけ旋回して、物品wを、3台の各振動フィーダ6に振分ける。
【0044】
上記のように旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品が滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として回動するので、旋回コンベヤ14がどの回動位置にあっても、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、物品排出機構4のガイド部材8によって排出して、旋回コンベヤ14の搬送始端側に供給することができる。したがって、旋回コンベヤ14の搬送始端側へ物品を供給する必要があるときには、旋回コンベヤ14の回動位置に拘わらず、前段搬送機構3の物品を物品排出機構4によって排出して、旋回コンベヤ14へ迅速に物品を供給することができる。
【0045】
後段搬送機構としての振動フィーダ6は、搬送方向に向かって先下がり傾斜した樋状のトラフ15を、
図3に示される加振機16に脱着可能に連結し、トラフ15を振動駆動することで載置した物品wを組合せ秤2に直進搬送し、また、振動を停止することで載置した物品wをその位置に停止させることができるようになっている。
【0046】
この実施形態のトラフ15の詳細な構造が、
図5~
図7に示されている。各トラフ15は、
図7に示すように、例えばステンレス鋼板を樋状に湾曲形成してなるトラフ本体15aと、その下面の大部分に沿って溶接された補強底板15bと、トラフ長手方向の複数個所において、トラフ本体15aの横外側面と補強底板15bの下面とに亘って溶接された補強リブ材15cと、補強底板15bの下面に溶接された、厚板材をU字形に屈曲形成してなる支持フレーム15dとで構成されている。また、トラフ本体15aの物品投入側である上端は背板15eによって閉塞され、投入された物品wの背部への零れ落ちが防止されている。
【0047】
トラフ15の下面を構成する支持フレーム15dは、
図7に示すように、底部15d1と両側部15d2,15d2とを備えており、両側部15d2,15d2は、その高さが、長手方向の一端側である物品投入側から他端側に向かって徐々に低くなっている。
【0048】
この支持フレーム15dの両側部15d2,15d2の上端に、トラフ本体15aを連結することによって、支持フレーム15dの底面を水平にした状態で、トラフ本体15aを、長手方向に沿って、すなわち、物品wの搬送方向に沿って傾斜させることができる。
【0049】
上記のように構成されたトラフ15の下面、すなわち、支持フレーム15cの下面には、
図5に示すように、バックル式の連結機構18を構成する操作レバー18aと、加振機構16への連結用突起18bとが備えられている。組み付けに際しては、先ず、連結用突起18bを、
図3に示される加振機構16の上端部に備えられた振動ヘッド16aの係合連結部に前方からスライド係合して係合エンドで位置決めする。次に、操作レバー18aに枢支装着したバネ線材からなるループ状の連結部材18cの遊端部を、振動ヘッド16aの係止箇所に引っ掛け、操作レバー18aを、デッドポイントを越えて上方まで揺動操作することで、トラフ15を振動ヘッド16a側に弾性的に引き寄せ付勢し、これによって、トラフ15を振動ヘッド16aに一定姿勢で締結固定することができる。
【0050】
また、洗浄、等のためにトラフ15を取り外す場合には、上記締結状態から操作レバー18aを、デッドポイントを越えて下方に大きく揺動操作して、連結部材18cの引っ掛けを外して自由状態にし、連結用突起18bを振動ヘッド16aの係合連結部から前方に抜き外すことで、トラフ15全体を振動ヘッド16aから取り外すことができる。
【0051】
トラフ本体15aの底部と左右側部には、物品wの搬送方向であるトラフ本体15の長手方向に沿ったスリット状の長孔からなる開口19が、縦横に整列して形成されている。
【0052】
すなわち、複数の開口19が、トラフ本体15aの長手方向(縦方向)に沿って一定のピッチで列設されて開口19群が構成され、複数の開口19群が、トラフの長手方向に直交する方向(横方向)に沿って並設されている。
【0053】
この例では、トラフ本体15aの底部及び左右の各側部に、それぞれ3列の開口19群が形成されている。
【0054】
また、補強底板15bには、トラフ本体15aの底部に形成された各列の開口19群とそれぞれ重複する長い長孔からなる3つの開口19´が形成されている。この開口19(19´)は、ブロイラーの肉片である物品wの表面に浮き出た油脂や油液を流出させ、トラフ本体15aの内面にこれら油脂や油液が多量に付着残留して物品wの搬送を妨げるのを阻止している。
【0055】
トラフ本体15aの開口19の、物品wの搬送方向の下手側の端縁は、柔軟な物品wが引っ掛かって搬送抵抗の一因となりやすいが、開口19は、物品wの搬送方向であるトラフ本体15の長手方向に沿って長い長孔からなるので、搬送抵抗となる開口19の前記下手側の端縁を小さくすることができ、その分、物品wの引っ掛かりによる搬送抵抗を抑制することができる一方、開口19を物品wの搬送方向に沿って長くすることによって、開口面積を確保して、物品表面の油脂や油液を開口19から確実に排出することができる。
【0056】
なお、開口19を、物品wの搬送方向に沿って長い長孔ではなく、例えば、物品wの表面の油脂や油液を排出できる程度の丸孔にすると、物品wの丸孔の端縁への引っ掛かり抵抗が大きくなり、長孔に比べて、搬送しにくくなる。
【0057】
また、トラフ本体15aの内面にコーティング処理を行うと、搬送の当初は、円滑に搬送できるが、徐々に、物品wの表面の油脂や油液が残留してコーティング面を覆うために、物品wの円滑な搬送が難しくなる。
【0058】
この実施形態では、後述するように、トラフ本体15aの側部の始端側と終端側の2箇所において、搬送される物品wを、透過形の光電センサで検知するようにしており、物品検知用の光路を形成するための透孔23が互いに対向するよう形成され、各透孔23の外側に光電センサを構成する投光器と受光器がそれぞれ臨設配備される。
【0059】
因みに、1個が数百gのブロイラーの肉片を、物品wとする場合の振動フィーダ6の好適な仕様を以下に例示する。トラフ本体15は、厚さ1.5mm程度のステンレス鋼板を、横幅が100mm程度、深さが数十mm、全長が数百mmの樋状に湾曲形成されている。開口19は、長さが数十mm、幅が数mm程度の長孔とされている。補強底板15bや補強リブ材15cには、厚さ3mm程度のステンレス鋼板が用いられている。また、トラフ本体15の先下がり傾斜角度は、ブロイラーの肉片の滑動性能及び停止性能を考慮すると、10度~20度が好ましい。傾斜角度が10度未満では、搬送速度が不十分となり、傾斜角度が20度を超えると、駆動を停止しても直ちに物品wを停止させることができない。また、ブロイラーの肉片を円滑に振動搬送するために、加振機構16の振動振幅が3~6mm程度に設定されている。
【0060】
このように振動フィーダ6のトラフ15は、物品wの搬送方向に沿って長い多数の開口19を有すると共に、搬送方向に向かって先下がり傾斜しているので、油脂分を含み、粘着性を有し、柔軟で扱いにくいブロイラーの肉片である物品wを、円滑に振動搬送することができる一方、振動を停止させて任意の位置で停止させることができる。
【0061】
1台の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して、振動フィーダ6が3台ずつ並列配備され、旋回コンベヤ14の中央位置及びその両側の回動端位置への切換え回動に応じて、各旋回コンベヤ14から3台の各振動フィーダ6のトラフ15に物品wをそれぞれ供給することができる。したがって、全体として、直線状に並列配備された9台の振動フィーダ6によって、9箇所へ物品wを振動搬送することができる。
【0062】
各振動フィーダ6では、その駆動及び停止によって、物品wを搬送及び停止させることができるので、物品wを、振動フィーダ6のトラフ15の終端部まで搬送して待機させるように制御し、組合せ秤2の物品投入口25への投入要求に応じたタイミングで物品を、組合せ秤2へ供給することができる。
【0063】
3台一組の振動フィーダ6群のうち、中央のトラフ15とその両側のトラフ15との中間箇所には、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端回動軌跡に臨むように遊転ローラ20が、図示されていない固定台を介して搬送方向に水平に支承されている。この遊転ローラ20は、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が回動作動している途中で、中央のトラフ15と、その両側の一方側、すなわち、左または右のトラフ15との中間箇所に、不所望に落下した物品wを受け止めて、その自重によって中央のトラフ15または左右いずれかのトラフ15に回転落下させるものである。
【0064】
また、
図8の概略正面図に示すように、比較的長い物品wが遊転ローラ20に跨るように乗り掛かったまま滞留してしまうこともあるが、次に分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が逆向き(
図8の場合は左方)に回動作動する際に、旋回コンベヤ14の終端、つまり、排出カバー13の下端部で、遊転ローラ20に乗り掛かっている物品wが押し動かされて遊転ローラ20が回転し、旋回コンベヤ14が移動する側のトラフ15に物品wを落とし込むことができる。
【0065】
また、
図4などに示すように、3台一組のトラフ15群の内、両側の左右のトラフ15の横外側における搬送始端部には、トラフ15の内方に向けて傾斜する山形の傾斜案内板21が、図示されていない固定台を介して設置されており、左または右のトラフ15に投入される物品wが、トラフ15の外方の側壁に引っ掛かることなくトラフ内に落とし込み案内されるようになっている。
【0066】
図1,
図2に示すように、半自動式の組合せ秤2の上面には、多数個、この例では9個の物品投入口25が左右に直線状に列設されており、これら物品投入口25が物品供給装置1の分配排出部、すなわち、振動フィーダ6群の終端に臨むよう組合せ秤2が設置される。また、各物品投入口25には、内開き観音扉状に開閉される左右一対の投入ゲート26が駆動開閉可能に備えられている。各投入ゲート26は、物品の投入を要求している期間は開放される。
【0067】
この実施形態の計量システムでは、半自動式の組合せ秤2の物品の計量処理量が、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量を上回るように、物品の供給量や組合せ秤2の運転速度等が設定される。
【0068】
なお、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量が、一時的に、組合せ秤2の計量処理量を超えるような場合には、前段搬送機構3によって搬送される物品を、物品排出機構4のガイド部材8で排出させることなく、通過させることで対応することができる。
【0069】
【0070】
この組合せ秤2は、基本的に従来の半自動式の組合せ秤と同様である。組合せ秤2の各物品投入口25の投入ゲート26の直下には、供給ホッパ40が配設され、各々の供給ホッパ40の下方には、2つの収納室41-1、41-2を有する計量部としての計量ホッパ41が配設されている。
【0071】
各供給ホッパ40は、独立して開閉可能な2つの排出ゲート40a、40bを備え、一方の排出ゲート40aを開放することによって、計量ホッパ41の一方の収納室41-1に物品を排出し、他方の排出ゲート40bを開放することによって、計量ホッパ41の他方の収納室41-2に物品を排出することが可能である。
【0072】
各計量ホッパ41は、その一方の収納室41-1に排出ゲート41aが設けられると共に、他方の収納室41-2に排出ゲート41bが設けられ、各排出ゲート41a、41bを開放することにより、各収納室41-1,41-2から別々に物品を排出することが可能である。
【0073】
各計量ホッパ41には、ロードセル等の重量センサ42が取り付けられており、この重量センサ42によって計量ホッパ41内の物品の重量が検出され、その出力が、後述の組合せ秤2の制御部に送られる。これにより組合せ秤2の制御部は、計量ホッパ41内の物品の重量の変化に基づいて、計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量を算出し、各計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量に基づいて、後述の組合せ演算を行う。
【0074】
計量ホッパ41の下方には、計量ホッパ41から排出された物品を受けて搬送する集合コンベヤ43が配設されている。この集合コンベヤ43によって搬送された物品は、図示しない包装機へ供給される。包装機では、所定重量範囲となる物品を真空包装する。
【0075】
組合せ秤2の制御部は、物品を保持している計量ホッパ41の各収納室41-1、41-2内の物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲内となる収納室41-1、41-2の組合せを1つ選択する組合せ演算を行い、選択された収納室41-1、41-2の物品を、集合コンベヤ43へ排出する。
【0076】
上記のような構成を有する本実施形態の計量システムでは、前段搬送機構3の搬送方向の上手側である始端部に供給された物品wは、物品排出機構4によって搬送方向の3箇所から排出されて夫々の分配搬送機構5に送り込まれ、各分配搬送機構5に送り込まれた物品wは、更に3箇所に分配されて振動フィーダ6に送り込まれ、都合、9台の振動フィーダ6によって分配搬送された物品wが、組合せ秤2の各物品投入口25に供給される。なお、3台の物品排出機構4を通過して前段搬送機構3の終端に至った物品wは、搬出されて回収容器などに回収され、適時、人手によって再び前段搬送機構3の始端部に供給される。
【0077】
上記のような物品の供給においては、各箇所における物品wの有無、及び、組合せ秤2の各物品投入口25、各振動フィーダ6、各分配搬送機構5、物品排出機構4での物品の要求状況に応じて、各物品排出機構4、各分配搬送機構5、及び、各振動フィーダ6が制御されることになる。
【0078】
図10は、物品wを検知する物品検知センサの設置状態の一例を示す
図2に対応する概略平面図である。
【0079】
この実施形態の各物品検知センサSa(1)~Sa(3),Sb(1)~Sb(3),Sc(1)~Sc(3),Sd(1)~Sd(3),Se(1)~Se(9),Sf(1)~Sf(9)は、例えば、投光器と受光器を備える透過形の光電センサであり、対向配置された投光器と受光器の間の検知領域を通過する物品wを検知して検知出力を与える。
【0080】
前段搬送機構3の搬送経路には、各物品排出機構4の直前における検知領域を通過する物品wをそれぞれ検知する前段物品検知センサSa(1)~Sa(3)が配置されている。
【0081】
また、各物品排出機構4によって排出された物品wが通過する各排出シュート9の基部には、排出された物品を検知する排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)がそれぞれ配置されている。なお、各排出シュート9の基部には、各排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
【0082】
各分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の、搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)がそれぞれ配置されている。なお、旋回コンベヤ14の側板12及び排出カバー13には、分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
【0083】
後段搬送機構としての各振動フィーダ6の各トラフ15の搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)が、それぞれ配置されている。なお、振動フィーダ6のトラフ15には、上記のように後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)の光路を遮らないように、透孔23が形成されている。
【0084】
図11は、この実施形態の計量システムの制御構成を示すブロック図である。
【0085】
この実施形態の計量システムは、全体を制御する制御装置として、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と略記する)27を備えている。
【0086】
このPLC27には、操作表示端末であるプログラマブル表示器29が接続されており、このプログラマブル表示器29では、前段搬送機構3や旋回コンベヤ14の搬送速度及び振動フィーダ6の振動強度等の各種の設定操作及び各種の表示が行われる。
【0087】
また、PLC27には、半自動式の組合せ秤2の制御部28から9個の各物品投入口25への物品の投入をそれぞれ要求するときに、投入要求信号(1)~(9)がそれぞれ入力されると共に、上記の各物品検知センサSa(1)~Sa(3),Sb(1)~Sb(3),Sc(1)~Sc(3),Sd(1)~Sd(3),Se(1)~Se(9),Sf(1)~Sf(9)の検知出力が入力される。
【0088】
PLC27は、前段搬送機構3を、前段搬送機構駆動制御回路30を介して制御し、物品排出機構4の各ガイド部材8を、ガイド部材駆動回路31を介して制御する。また、PLC27は、各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14を、旋回コンベヤ駆動制御回路32及び旋回コンベヤ旋回駆動制御回路33を介して制御し、各振動フィーダ6を、振動フィーダ駆動回路34を介して制御する。
【0089】
PLC27は、基本的に、組合せ秤2から各物品投入口25への物品の投入要求があると、投入要求のあった物品投入口25に直ちに物品を投入できるように制御するものであり、各振動フィーダ6のトラフ15の終端部へ物品を搬送して待機できるように制御する。
【0090】
すなわち、振動フィーダ6では、トラフ15の終端部に物品がないときには、トラフ15の始端部で検知された物品を、トラフ15の終端部まで搬送し、トラフ15の始端部で検知された物品がないときには、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して物品の投入を要求する。
【0091】
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14では、物品の投入要求のあった振動フィーダ6のトラフ15へ物品を直ちに投入できるように、旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送すると共に、回動位置が制御される。旋回コンベヤ14の終端部に物品がないときには、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品を終端部へ搬送し、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品がないとときには、物品排出機構4に対して物品の投入を要求する。
【0092】
物品の投入要求があった物品排出機構4では、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品が検知されると、ガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし、搬送される物品を、搬送経路外の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ供給する。
【0093】
次に、PLC27による制御の一例について更に詳細に説明する。
【0094】
図12は、この実施形態の物品供給装置1の全体制御の一例を示す概略フローチャートである。
【0095】
先ず、プログラマブル表示器29の運転スイッチがONされたか否か判断し(ステップS1)、ONされたときには、運転が開始され、半自動式の組合せ秤2から9個の物品投入口25に対応する投入要求信号(1)~(9)の入力があると(ステップS2)、物品供給装置1における物品の搬送方向の最も下手となる振動フィーダ6の制御を行い(ステップS3)、次に、その上手となる分配搬送機構5の制御を行い(ステップS4)、更に、その上手となる物品排出機構4の制御を行い(ステップS5)、運転スイッチがOFFされたか否かを判断し(ステップS6)、運転スイッチがOFFされたときには、終了する。
【0096】
図13は、
図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである振動フィーダ6の制御の一例を示すフローチャートである。
【0097】
基本的な制御は、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)で物品が検知されていない、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に、物品がないときには、振動フィーダ6を一定時間駆動して、トラフ15の始端部にある物品をトラフ15の終端部へ搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)によってトラフ15の終端部の物品が検知されるまで駆動するようにしてもよい。
【0098】
後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)で物品が検知されていないとき、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がないときには、振動フィーダ6のトラフ15へ物品を投入することを命令する物品投入命令フラグをONにして、分配搬送機構5から物品を振動フィーダ6へ投入させる。
【0099】
後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)で物品が検知され、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に物品があるときに、半自動式の組合せ秤2から物品の投入要求信号の入力があると、振動フィーダ6を一定時間駆動して、振動フィーダ6のトラフ15の終端部にある物品を半自動式の組合せ秤2の物品投入口25へ供給する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)でトラフ15の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が組合せ秤2の物品投入口25へ供給されたとして、振動フィーダ6の駆動を停止するようにしてもよい。
【0100】
この例では、
図13に示すように、先ず振動フィーダ6の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS301)、番号kの振動フィーダ6が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS302)、駆動中フラグがONしているときには、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS303)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS304)。
【0101】
ステップS304で番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、一定時間の駆動が終了したとして、番号kの振動フィーダ6の駆動を停止し(ステップS305)、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをOFFし(ステップS306)、番号kをインクリメントし(ステップS307)、番号kが「10」になったか否か、すなわち、9台の振動フィーダ6についての処理が終了したか否かを判断し(ステップS308)、番号kが「10」になっていないときには、ステップS302に戻り、番号kが「10」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0102】
上記ステップS302において、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグがONしていないときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段終端物品検知センサSf(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS309)、物品を検知したときには、半自動式の組合せ秤2から番号kに対応する投入要求信号(k)の入力があったか否かを判断し(ステップS310)、投入要求信号の入力があったときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS311)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS312)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS313)。
【0103】
上記ステップS309において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知しなかったときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段始端物品検知センサSe(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS314)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS315)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS316)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS317)。
【0104】
上記ステップS314において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知しなかったときには、番号kに対応する分配搬送機構5に対して、番号kの振動フィーダ6のトラフ15へ物品の投入を命令する投入命令フラグをONしてステップS307に移る(ステップS318)。
【0105】
図14は、
図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである分配搬送機構5の制御の一例を示すフローチャートである。
【0106】
基本的な制御は、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなくなれば、すなわち、後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)で物品が検知されなくなると、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品を投入できるように、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送しておくものである。
【0107】
分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で物品が検知されていない、すなわち、物品が分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部になければ、旋回コンベヤ14を一定時間駆動して、旋回コンベヤ14の始端部の物品を、旋回コンベヤ14の終端部に搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で物品が検知された時点で、物品が旋回コンベヤ14の終端部に搬送されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
【0108】
分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)で物品が検知されていない、すなわち、旋回コンベヤ14の始端部に物品がなければ、物品排出機構4に対して旋回コンベヤ14への物品の排出を命令する排出命令フラグをONにする。
【0109】
また、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置ないときには、旋回コンベヤ14を、前記振動フィーダ6のトラフ15の投入位置に回動して、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ物品を投入する。振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置にあるときには、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ投入する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で旋回コンベヤ14の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が振動フィーダ6のトラフ15の始端部に投入されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
【0110】
1つの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を回動して3台の振動フィーダ6のトラフ15に物品を供給するが、サーボモータで旋回コンベヤ14を回動するので、投入位置制御は容易である。
【0111】
この例では、
図14に示すように、先ず分配搬送機構5の1台を指定する番号j、振動フィーダ6の1台を指定する番号k、及び、1台の分配搬送機構5が分配する振動フィーダ6の台数を規定する台数aを、それぞれ「1」とし(ステップS401)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS402)、駆動中フラグがONしているときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS403)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS404)。
【0112】
ステップS404で番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を停止し(ステップS405)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをOFFし(ステップS406)、振動フィーダ6を指定する番号k及び振動フィーダ6の台数aをインクリメントし(ステップS407)、台数aが「4」になったか否か、すなわち、3台の振動フィーダ6に対する分配処理を終了したか否かを判断し(ステップS408)、台数aが「4」になっていないときには、3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了していないとしてステップS402に戻る。
【0113】
ステップS408で台数aが「4」になったときには、番号jの分配搬送機構5による3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了したとして、番号jをインクリメントすると共に、台数sを「1」に戻し(ステップS409)、番号jが「4」になったか否か、すなわち、3台の分配搬送機構5に対する処理が終了したか否かを判断し(ステップS410)、「4」になっていないときには、ステップS402に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0114】
上記ステップS402において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグがONしていないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配終端物品検知センサSd(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS411)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグがONしているか否か、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入要求があるか否かを判断し(ステップS412)、物品投入命令フラグがONしているときには、ステップS413に移り、物品投入命令フラグがONしていないときには、ステップS407に移る。
【0115】
ステップS413では、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14は、その回動位置が番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にあるか否か、すなわち、旋回コンベヤ14の搬送ベルト11の終端が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の直上位置にあるか否かを判断し、投入位置にあるときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグをOFFし(ステップS414)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS415)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS416)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS417)。ステップS413で、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置へ回動、すなわち、旋回させてステップS407に移る(ステップS418)。
【0116】
上記ステップS411において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配始端物品検知センサSc(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS419)、物品を検知したときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS420)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS421)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS422)。
【0117】
上記ステップS419において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するように、番号jに対応する物品排出機構4への排出命令フラグをONしてステップS407に移る(ステップS423)。
【0118】
図15は、
図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである物品排出機構4の制御の一例を示すフローチャートである。
【0119】
基本的な制御は、上記分配搬送機構5の制御において、物品排出機構4への物品の排出命令フラグがONになると、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するために、前段物品検知センサSa(1)~Sa(3)で物品を検知すると、物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とする。これによって、物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側へ落下し、この落下する物品が、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)で検知される。
【0120】
物品排出機構4の制御プログラムは、一定時間毎にONされるので、例えば、10ms毎にONされるとすると、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の検知出力が10回継続すれば、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の光路を、10ms×10=100msの期間に亘って物品が遮ったことになり、物品の大体の排出量を把握できる。したがって、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)によって排出される物品が検知されている物品検知時間が、所定時間継続すると、物品排出機構4のガイド部材8を搬送経路から退避する退避姿勢に復帰させることで、適量の物品を、分配搬送機構5へ排出することができる。
【0121】
また、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(1)~(3)で物品を検知してガイド部材8を駆動すると、上記のように物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて、前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側に排出され、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)で物品を検知するはずであるが、所定時間内に物品を排出物品検知センサSb(1)~(3)が検知できなければ、何らかの不具合が生じていると判断できる。例えば、物品がガイド部材8と搬送ベルト7との間に挟まっているといった不具合を検出することができる。
【0122】
この例では、
図15に示されるように、先ず物品排出機構4の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS501)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS502)、排出検知中フラグがONであるときには、排出物品検知センサSb(k)がONしているか、すなわち、物品を継続して検知しているか否かを判断し(ステップS503)、継続して検知しているときには、番号kの物品排出機構4の物品排出の検知時間(k)を増やし(ステップS504)、物品排出の検知時間kが、所定時間になったか否かを判断し(ステップS505)、所定時間になったときには、適量の物品が排出されたとして、ガイド部材8をOFFする、すなわち、ガイド部材8を搬送経路から退避させる退避姿勢とし(ステップS506)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをOFFし(ステップS507)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをOFFし(ステップS508)、番号kをインクリメントし(ステップS509)、番号kが「4」になったか否か、すなわち、3台の物品排出機構4の排出処理が終了したか否かを判断し(ステップS510)、「4」になっていないときには、ステップS502に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0123】
上記ステップS502において、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONでないときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS511)、駆動中フラグがONしているときには、排出物品検知センサSb(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS512)、排出物品検知センサSb(k)がONしたときには、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをONしてステップS509に移る(ステップS513)。
【0124】
上記ステップS512で、排出物品検知センサSb(k)がONしないときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を検知するための排出不良検知時間を増やし(ステップS514)、排出不良検知時間が所定時間になったか否かを判断し(ステップS515)、所定時間になったときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を、例えば、プログラマブル表示器29に表示して報知し、ステップS509に移る(ステップS516)。
【0125】
上記ステップS511において、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしていないときには、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグがONしているか否かを判断し(ステップS517)、排出命令フラグがONしているときには、番号kの物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS518)、物品を検知したときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし(ステップS519)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをONし(ステップS520)、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグをOFFし(ステップS521)、番号kの物品排出機構4の排出不良検知時間を「0」にセットしてステップS509に移る(ステップS522)。
【0126】
上記のように、前段搬送機構3の搬送方向の上手側において物品を供給すると、その搬送径路の3箇所において、物品排出機構4のガイド部材8によって搬送経路外の3台の各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14へ排出され、各旋回コンベヤ14によって、3台の振動フィーダ6の各トラフ15にそれぞれ振分け搬送される。すなわち、前段搬送機構3の搬送方向の上手側1箇所で供給した物品を、9台の振動フィーダ6の各トラフ15に振分け搬送し、各振動フィーダ6の各トラフ15によって、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ供給することができる。
【0127】
各振動フィーダ6のトラフ15は、物品wの搬送方向に沿って長い多数の開口19を有すると共に、前記搬送方向に向かって先下がり傾斜しているので、油脂分を含み、粘着性を有し、柔軟で扱いにくいブロイラーの肉片である物品wを、円滑に振動搬送することができると共に、振動を停止して任意の位置で停止させることができ、物品wを、組合せ秤2の各物品投入口25へ必要なタイミングで供給することができる。
【0128】
したがって、ブロイラーの肉片である物品wを、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ自動で供給することができ、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する作業を行う必要がなく、大幅に作業者の労力を軽減することができる。
【0129】
因みに、半自動式の組合せ秤の後段の包装機で、例えば、ブロイラーの肉片の2kgの真空パックを製造する場合に、組合せ秤の計量能力を、例えば20回/分と想定すると、作業者は1時間に、2kg×20×60=2.4tに相当する量の肉片を掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口に投入することになる。しかも、作業者は立ったままで作業を行うので、長時間の作業を行えば、
体力を過大に消耗することになる。
【0130】
本実施形態よれば、物品供給装置1によって、組合せ秤2の物品投入口25へ物品wを自動で分配供給するので、作業者が、肉片を掴んで組合せ秤2の物品投入口25へ投入する必要はなく、多大な労力を削減することができる。
【0131】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0132】
(1)物品wの種類などに応じて、トラフ本体15aの傾斜角度を変更調節できることが望ましく、例えば、
図16に示すように構成してもよい。
図16では、支持フレーム15dを、加振機16に脱着可能に連結される下部フレーム15d(a)と、トラフ本体15aの底部に補強底板15bを介して連結固定した上部フレーム15d(b)とに分割する。下部フレーム15d(a)の前部に、上部フレーム15d(b)の前部を横向きの支点cを介して上下揺動可能に枢支連結する。更に、下部フレーム15d(b)と上部フレーム15d(b)の後部を、円弧状の上下長孔22と締付けボルト24を介して連結し、上下長孔22の範囲内で締結位置を変更調節することによって、トラフ本体15aの前下がり傾斜角度を無段階に変更調節するよう構成してもよい。なお、上部フレーム15d(b)を複数段階に角度調節できるようにしてもよい。
【0133】
(2)トラフ本体15aの開口19を千鳥状に配置してもよい。
【0134】
また、開口19をトラフ本体15aの底部にのみ形成してもよい。
【0135】
(3)トラフ本体15aの構成としては、開口19を打抜き形成した金属板材を屈曲して形成する他に、簀子状に構成することもできる。すなわち、
図17示すように、ステンレス鋼材からなる長い縦桟部材36の多数本を、小間隔を開けて樋状に並列配備し、搬送方向の複数個所において、縦桟部材36群の外側に横桟部材を補強リブ材15cとして溶接し、隣接する縦桟部材36の間に、搬送方向の全長に亘って油脂抜き用の開口19を形成した構造とすることもできる。これによると、トラフ本体15aの内面に、物品wの引っ掛かり箇所が全くない一連の搬送面を形成することができ、物品wの搬送方向への移動が一層円滑なものとなり、特に柔軟で粘着性が高い物品wの搬送に有効となる。
【0136】
(4)トラフ15を加振機16の振動ヘッド16aに脱着可能に連結する手段は、上記のようなバックル式の連結機構18に限られるものではなく、脱着操作に多少手間がかかるが簡易で安価に実施できる手段としては、単なるボルト連結構造を用いることもできる。
【0137】
(5)トラフ15の搬送面あるいは肉片等の物品wの表面を、水分で濡らすと、搬送がより円滑となるので、例えば、霧吹き装置などによって、トラフ15の搬送面や肉片等の物品wの表面に水を吹き付けて濡らすようにしてもよい。
【0138】
(6)上記実施形態では、搬送する物品として肉片に適用して説明したが、肉片に限らず、例えば、表面に粘液のある魚類、その他粘着性を有する物品に好適に適用できるものである。
【符号の説明】
【0139】
1 物品供給装置
2 組合せ秤
3 前段搬送機構
4 排出機構
5 分配搬送機構
6 振動フィーダ
15 トラフ
15a トラフ本体
15b 補強底板
15d 支持フレーム
16 加振機
16a 振動ヘッド
18 連結機構
19 開口
23 透孔
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