IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社FTSの特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-燃料供給装置 図1
  • 特許-燃料供給装置 図2
  • 特許-燃料供給装置 図3
  • 特許-燃料供給装置 図4
  • 特許-燃料供給装置 図5
  • 特許-燃料供給装置 図6
  • 特許-燃料供給装置 図7
  • 特許-燃料供給装置 図8
  • 特許-燃料供給装置 図9
  • 特許-燃料供給装置 図10
  • 特許-燃料供給装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/035 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
B60K15/035 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017222809
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2019093787
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 孝典
(72)【発明者】
【氏名】下川 晋治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】田代 和浩
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-041336(JP,U)
【文献】特開2006-138260(JP,A)
【文献】特開2003-252071(JP,A)
【文献】特表2013-511666(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0157117(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタとを備え、
前記負圧バルブが、前記インレットパイプの外周又は前記インレットパイプと前記燃料タンクを連通させるブリーザパイプの外周に設けられ、
前記エアフィルタが、前記インレットパイプの外周と前記負圧バルブとを覆う形態又は前記ブリーザパイプの外周と前記負圧バルブとを覆う形態で配置されている燃料供給装置。
【請求項2】
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタと、
内部に前記負圧バルブの二次室が形成され、前記二次室内に弁口を開閉する弁体が収容されたバルブハウジングと、
内部に前記負圧バルブの一次室が形成され、前記エアフィルタにより前記一次室内が大気に連通する導入室と前記弁口に臨む清浄室とに区画されたフィルタユニットと、を備え、
前記フィルタユニットが前記バルブハウジングに対して着脱可能である燃料供給装置。
【請求項3】
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタとを備え、
前記負圧バルブは、弁体を収容する筒状部を有しており、
前記筒状部が、前記インレットパイプの周面又は前記インレットパイプと前記燃料タンクを連通させるブリーザパイプの周面から径方向へ一体的に突出した形態である燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料タンク内が負圧になったときに、大気中の空気を燃料タンク内に流入させる手段として、インレットパイプの給油口を開閉するフューエルキャップに、大気とインレットパイプ内とを連通させる空気流入経路を形成し、このエア流路に負圧バルブを設ける技術が開示されている。このフューエルキャップには、負圧バルブが開弁して大気がインレットパイプ内に流入する際に、大気中の塵埃がフィラーパイプ内に侵入するのを抑制する手段として、エア流路を屈曲した経路に形成し、このエア流路のうち負圧バルブより上流側に、塵埃を貯留するための塵溜め凹部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-301530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のフューエルキャップは、塵溜め凹部がエア流路に臨んでいるため、塵溜め凹部に貯留されている塵埃が、エア流路を通る空気流によって舞い上がり、負圧バルブの弁座や弁体に付着することが懸念される。負圧バルブに塵埃が付着すると、閉弁時に塵埃が弁座と弁体との間に噛み込み、負圧バルブが完全に閉塞しなくなる。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、負圧バルブの信頼性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタとを備え、
前記負圧バルブが、前記インレットパイプの外周又は前記インレットパイプと前記燃料タンクを連通させるブリーザパイプの外周に設けられ、
前記エアフィルタが、前記インレットパイプの外周と前記負圧バルブとを覆う形態又は前記ブリーザパイプの外周と前記負圧バルブとを覆う形態で配置されているところに特徴を有する。
第2の発明は、
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタと、
内部に前記負圧バルブの二次室が形成され、前記二次室内に弁口を開閉する弁体が収容されたバルブハウジングと、
内部に前記負圧バルブの一次室が形成され、前記エアフィルタにより前記一次室内が大気に連通する導入室と前記弁口に臨む清浄室とに区画されたフィルタユニットと、を備え、
前記フィルタユニットが前記バルブハウジングに対して着脱可能であるところに特徴を有する。
第3の発明は、
給油口から燃料タンクに至るインレットパイプと、
上流端が大気と連通し、下流端が前記燃料タンクと連通したエア流路と、
前記エア流路に設けられ、前記燃料タンク内が負圧になったときに開弁する負圧バルブと、
前記エア流路に設けられ、前記負圧バルブより上流側に配置されたエアフィルタとを備え、
前記負圧バルブは、弁体を収容する筒状部を有しており、
前記筒状部が、前記インレットパイプの周面又は前記インレットパイプと前記燃料タンクを連通させるブリーザパイプの周面から径方向へ一体的に突出した形態であるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
負圧バルブが開弁すると、大気がエアフィルタと負圧バルブを順に通って燃料タンク内に流入する。このとき、大気中の塵埃は、エアフィルタを通過できないため、負圧バルブには到達しない。したがって、負圧バルブが大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の燃料供給装置の正面図
図2】バルブモジュールの正断面図
図3】実施例2の燃料供給装置の正面図
図4】実施例3の燃料供給装置の正面図
図5】バルブモジュールの正断面図
図6】実施例4の燃料供給装置の正面図
図7】バルブモジュールの平断面図
図8】実施例5の燃料供給装置の正面図
図9】バルブモジュールの平断面図
図10】実施例6の燃料供給装置の正面図
図11】バルブモジュールの正断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、前記負圧バルブと前記エアフィルタとが一体化され、前記エア流路に対して着脱可能なバルブモジュールを備え、前記バルブモジュールが、前記インレットパイプのフューエルキャップとは別体の部品であってもよい。この構成によれば、エアフィルタや負圧バルブのメンテナンスを行う際の作業性が良い。
【0010】
本発明は、前記インレットパイプと前記燃料タンクを連通させるブリーザパイプと、大気とキャニスタを連通させるキャニスタ用パイプとを備え、前記負圧バルブが前記ブリーザパイプと前記キャニスタ用パイプとを連結する形態で設けられていてもよい。この構成によれば、ブリーザパイプとキャニスタ用パイプが負圧バルブを介して一体化させるので、走行中にブリーザパイプとキャニスタ用パイプが振動することを抑制できる。
【0014】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図2を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図1,2にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図1,2にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0015】
本実施例1の燃料供給装置10は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、バルブモジュール18とを備えている。インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は燃料タンク11に連通状態で接続されている。フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。
【0016】
インレットパイプ12の上流端部(給油口13の近傍位置)の外周には、バルブモジュール18をインレットパイプ12に取り付けるための筒状取付部15が突出した形態で形成されている。筒状取付部15の内部空間はインレットパイプ12の内部(燃料の流入経路)と連通している。インレットパイプ12の外周には、筒状取付部15を包囲するように配置された複数の弾性ロック片16が突出した形態で形成されている。
【0017】
インレットパイプ12のうち筒状取付部15から燃料タンク11に至る領域は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるためのエア流路17を構成している。
【0018】
バルブモジュール18は、ハウジング19内に、常閉式の負圧バルブ23とエアフィルタ30を収容して一体化したものである。ハウジング19は、複数の部材を組み付けて合体したものである。ハウジング19の側面には、筒状嵌合部20が形成されている。筒状嵌合部20の内周にはシールリング21が装着されている。筒状嵌合部20の外周には段差状のロック部22が形成されている。バルブモジュール18は、筒状嵌合部20を筒状取付部15に外嵌させ、ロック部22に弾性ロック片16を係止させることにより、インレットパイプ12の上端部外周に取り付けられている。
【0019】
ハウジング19内には、負圧バルブ23を構成する一次室24と二次室25が設けられている。一次室24と二次室25は、インレットパイプ12とともにエア流路17を構成する。一次室24の下端部(エア流路17の上流端)には、一次室24を大気と連通させる導入口26が形成されている。二次室25は、一次室24の上端部と左右に隣り合うように配され、筒状嵌合部20の内部空間と連通している。
【0020】
二次室25と一次室24を仕切る仕切壁には、弁口27が貫通して形成されている。二次室25内には、弁口27を開閉するための弁体28と、弁体28を閉弁方向に付勢するバネ部材29とが収容されている。二次室25は筒状嵌合部20と筒状取付部15を介してインレットパイプ12(エア流路17)と連通している。
【0021】
負圧バルブ23は、常には、弁体28がバネ部材29の付勢により弁口27を気密状に閉塞するので、一次室24と二次室25が気密状に隔絶された閉弁状態に保持されている。二次室25内(燃料タンク11内)の圧力が一次室24内の圧力より低くなると、弁体28がバネ部材29の付勢に抗して弁口27を開口させる方向へ移動するので、一次室24と二次室25が連通し、負圧バルブ23は開弁状態となる。負圧バルブ23が開弁状態になると、大気中の空気が、導入口26から一次室24に導入され、弁口27、二次室25、筒状嵌合部20、筒状取付部15、エア流路17(インレットパイプ12)を順に通って燃料タンク11内に流入する。
【0022】
大気中(空気中)には塵埃が浮遊しているため、負圧バルブ23が開弁したときに、空気と一緒に塵埃が一次室24に流入する。塵埃が負圧バルブ23の弁口27や弁体28に付着すると、負圧バルブ23が閉弁したときに弁口27の開口縁と弁体28との間に塵埃が噛み込み、負圧バルブ23が完全に閉弁しない状態となることが懸念される。
【0023】
この対策として、本実施例1の燃料供給装置10は、一次室24を蛇腹状のエアフィルタ30によって上下に区画している。エアフィルタ30は、大気(空気)は通過させるが、大気中の塵埃が通過することを阻止する。一次室24のうちエアフィルタ30より下方の空間(エア流路17のうちエアフィルタ30より上流側の空間)は、導入口26において大気中に開放された導入室31となっている。一次室24のうちエアフィルタ30より上方の空間(エア流路17のうちエアフィルタ30より下流側の空間)は、弁口27を介して二次室25と連通可能な清浄室32となっている。
【0024】
燃料タンク11内が負圧になって負圧バルブ23が開弁し、導入口26から導入室31(一次室24)に流入した空気がエアフィルタ30を通過する過程では、空気中の塵埃がエアフィルタ30により捕捉される。これにより、清浄室32には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ23が閉弁したときに弁口27の開口縁と弁体28との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0025】
本実施例1の燃料供給装置10は、給油口13から燃料タンク11に至るインレットパイプ12と、上流端が大気と連通し、下流端が燃料タンク11と連通したエア流路17と、エア流路17に設けられ、燃料タンク11内が負圧になったときに開弁する負圧バルブ23と、エア流路17に設けられ、負圧バルブ23の弁口27(二次室25)より上流側に配置されたエアフィルタ30とを備えている。
【0026】
この構成によれば、負圧バルブ23が開弁すると、大気がエアフィルタ30と負圧バルブ23を順に通って燃料タンク11内に流入するが、大気中の塵埃は、エアフィルタ30を通過できないため、負圧バルブ23には到達しない。したがって、負圧バルブ23が大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【0027】
また、負圧バルブ23とエアフィルタ30はハウジング19を介して一体化され、バルブモジュール18を構成している。このバルブモジュール18は、エア流路17を構成するインレットパイプ12に対して着脱可能となっている。したがって、エアフィルタ30や負圧バルブ23のメンテナンスを行う際には、弾性ロック片16を弾性変形させてロック部22から解離させることにより、バルブモジュール18をインレットパイプ12から取り外すことができる。ハウジング19は、複数の部材を組み付けて合体したものなので、ハウジング19を分解すれば、エアフィルタ30や負圧バルブ23を取り外すことができる。したがって、メンテナンスの作業性が良い。
【0028】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2を図3を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図3にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図3にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0029】
本実施例2の燃料供給装置33は、エア流路35を上記実施例1と異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0030】
本実施例2の燃料供給装置33は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、給油中に燃料タンク11内の空気を外部へ放出させるブリーザパイプ34と、バルブモジュール18とを備えている。インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は燃料タンク11に連通状態で接続されている。
【0031】
フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。ブリーザパイプ34の上端部はインレットパイプ12のうち給油口13より少し下方の位置(給油経路における給油口13より下流側の位置)に連通状態で接続されている。ブリーザパイプ34の下端部は燃料タンク11に連通状態で接続されている。
【0032】
ブリーザパイプ34の外周には、バルブモジュール18をブリーザパイプ34に取り付けるための筒状取付部15(図3には省略)が突出した形態で形成されている。筒状取付部15の内部空間はブリーザパイプ34の内部と連通している。ブリーザパイプ34の外周には、筒状取付部15を包囲するように配置された複数の弾性ロック片16が突出した形態で形成されている。
【0033】
ブリーザパイプ34のうち筒状取付部15から燃料タンク11に至る領域は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるためのエア流路35を構成している。バルブモジュール18は、実施例1と構造及び作用効果が同じものである。尚、以下の説明では、バルブモジュール18に関して文中には符号を付すが、図3では図示を省略する。
【0034】
燃料タンク11内が負圧になって負圧バルブ23が開弁し、導入口26から導入室31(一次室24)に流入した空気がエアフィルタ30を通過する過程では、空気中の塵埃がエアフィルタ30により捕捉されるので、清浄室32には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ23が閉弁したときに弁口27の開口縁と弁体28との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0035】
<実施例3>
次に、本発明を具体化した実施例3を図4図5を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図4,5にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図4,5にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0036】
本実施例3の燃料供給装置36は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、給油中に燃料タンク11内の空気を外部へ放出させるブリーザパイプ37と、キャニスタ用パイプ38と、フィルタユニット41と、バルブユニット48とを備えている。フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。
【0037】
インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。ブリーザパイプ37の上端部は、インレットパイプ12のうち給油口13より少し下方の位置(給油経路における給油口13より下流側の位置)に連通状態で接続されている。ブリーザパイプ37の下端部は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。
【0038】
キャニスタ用パイプ38の途中にはキャニスタ40が設けられ、キャニスタ用パイプ38の下端部は燃料タンク11に接続されている。給油中に燃料タンク11内で発生した燃料ペーパはキャニスタ40内の活性炭に吸着され、きれいな空気がキャニスタ用パイプ38とフィルタユニット41を通って大気中に放出される。また、キャニスタ40に吸着された燃料ペーパがエンジン(図示省略)の負圧パージによって離脱される際には、キャニスタ40内が負圧になるため、外気が、フィルタユニット41とキャニスタ用パイプ38を通ってキャニスタ40に取り込まれる。
【0039】
キャニスタ用パイプ38の上端部は、インレットパイプ12の上端部の近傍に位置している。キャニスタ用パイプ38の上端部は連通口39となっており、連通口39にはフィルタユニット41が取り付けられている。フィルタユニット41は、フィルタハウジング42と、フィルタハウジング42内に収容したエアフィルタ43とから構成されている。フィルタハウジング42は、インレットパイプ12の上端部(給油口13の近傍)の外周に取り付けられている。
【0040】
フィルタハウジング42内は、エアフィルタ43によって上下に仕切られている。エアフィルタ43は、空気は通過させるが、空気中の塵埃が通過することを阻止する。フィルタハウジング42内のうちエアフィルタ43より上方の空間は、導入口44によって大気と連通した導入室45となっている。フィルタハウジング42内のうちエアフィルタ43より下方の空間は、キャニスタ用パイプ38の連通口39に連通する清浄室46となっている。
【0041】
ブリーザパイプ37の一部とキャニスタ用パイプ38の一部は、概ね平行をなして接近した状態で配索され、この略平行配索部分では、ブリーザパイプ37とキャニスタ用パイプ38が、いずれも途中で分断されている。バルブユニット48は、ブリーザパイプ37の分断部37Sとキャニスタ用パイプ38の分断部38Sとに取り付けられている。ブリーザパイプ37とキャニスタ用パイプ38は、夫々の分断部37S,38S同士においてバルブユニット48により連通可能な状態で連結されている。
【0042】
フィルタユニット41の内部空間と、キャニスタ用パイプ38のうち連通口39からバルブユニット48との接続部に至る領域と、バルブユニット48の内部空間と、ブリーザパイプ37のうちバルブユニット48との連通部から燃料タンク11との連通部(接続部)に至る領域は、エア流路47を構成している。エア流路47は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるための流入経路である。
【0043】
バルブユニット48は、バルブハウジング49内に常閉式の負圧バルブ53を収容したものである。バルブハウジング49は、複数の部材を組み付けて合体したものである。バルブハウジング49は、ブリーザパイプ37に接続するためのブリーザ側筒状接続部50と、キャニスタ用パイプ38に接続するためのキャニスタ側筒状接続部51と、ブリーザ側筒状接続部50とキャニスタ側筒状接続部51とを連通させる筒状連結部52とから構成されている。
【0044】
ブリーザ側筒状接続部50のうち筒状連結部52から上方及び下方へ突出した上下両端部は、ブリーザパイプ37の分断部37Sに内嵌した状態で気密状に固着されている。これにより、ブリーザパイプ37の分断部37Sはブリーザ側筒状接続部50によって1本に接続されている。ブリーザ側筒状接続部50は、ブリーザパイプ37とエア流路47を構成している。
【0045】
キャニスタ側筒状接続部51のうち筒状連結部52から上方及び下方へ突出した上下両端部は、キャニスタ用パイプ38の分断部38Sに内嵌した状態で気密状に固着されている。これにより、キャニスタ用パイプ38の分断部38Sはキャニスタ側筒状接続部51によって1本に接続されている。キャニスタ側筒状接続部51は、キャニスタ用パイプ38とエア流路47を構成している。キャニスタ側筒状接続部51の内部は、負圧バルブ53の一次室54として機能する。キャニスタ側筒状接続部51のうち筒状連結部52に連なる領域には、キャニスタ側筒状接続部51の内周から外周に貫通した弁口55が形成されている。
【0046】
筒状連結部52は、ブリーザ側筒状接続部50と一体に形成され、ブリーザ側筒状接続部50の外周からキャニスタ側筒状接続部51に向かって突出した形態である。筒状連結部52の突出端部はキャニスタ側筒状接続部51の外周に気密状に固着されている。筒状連結部52の内部空間は、ブリーザ側筒状接続部50と連通し、負圧バルブ53の二次室56として機能する。二次室56は、エア流路47を構成する。二次室56(筒状連結部52の内部)には、弁口55を開閉するための弁体57と、弁体57を閉弁方向に付勢するバネ部材58とが収容されている。
【0047】
負圧バルブ53は、常には、弁体57がバネ部材58の付勢により弁口55を気密状に閉塞するので、一次室54と二次室56が気密状に隔絶された閉弁状態に保持されている。二次室56内(燃料タンク11内)の圧力が一次室54内の圧力より低くなると、弁体57がバネ部材58の付勢に抗して弁口55を開口させる方向へ移動するので、一次室54と二次室56が連通し、負圧バルブ53は開弁状態となる。負圧バルブ53が開弁状態になると、大気中の空気が、導入口44からフィルタハウジング42の導入室45に導入されてエアフィルタ43を通過し、清浄室46、キャニスタ用パイプ38、一次室54、弁口55、二次室56、筒状嵌合部、ブリーザパイプ37を順に通って燃料タンク11内に流入する。
【0048】
負圧バルブ53が開弁したときに、大気中(空気中)に浮遊している塵埃もフィルタハウジング42内に流入するが、エアフィルタ43を通過する過程で、空気中の塵埃がエアフィルタ43により捕捉されるので、清浄室46には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ53が閉弁したときに弁口55の開口縁と弁体57との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0049】
本実施例3の燃料供給装置36は、給油口13から燃料タンク11に至るインレットパイプ12と、上流端が大気と連通し、下流端が燃料タンク11と連通したエア流路47と、エア流路47に設けられ、燃料タンク11内が負圧になったときに開弁する負圧バルブ53と、エア流路47に設けられ、負圧バルブ53の弁口55(二次室56)より上流側に配置されたエアフィルタ43とを備えている。
【0050】
この構成によれば、負圧バルブ53が開弁すると、大気がエアフィルタ43と負圧バルブ53を順に通って燃料タンク11内に流入するが、大気中の塵埃は、エアフィルタ43を通過できないため、負圧バルブ53には到達しない。したがって、負圧バルブ53が大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【0051】
また、本実施例3の燃料供給装置36は、インレットパイプ12のうち給油口13の下流側近傍位置と燃料タンク11とを連通させるブリーザパイプ37と、ブリーザパイプ37に沿うように配されて大気とキャニスタ40とを連通させるキャニスタ用パイプ38とを備えている。そして、負圧バルブ53を備えたバルブユニット48は、ブリーザパイプ37とキャニスタ用パイプ38とを連結する形態で設けられている。この構成によれば、ブリーザパイプ37とキャニスタ用パイプ38が負圧バルブ53(バルブユニット48)を介して一体化しているので、ブリーザパイプ37とキャニスタ用パイプ38は、走行中に振動することが抑制される。
【0052】
<実施例4>
次に、本発明を具体化した実施例4を図6図7を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図6にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0053】
本実施例4の燃料供給装置59は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、給油中に燃料タンク11内の空気を外部へ放出させるブリーザパイプ60と、キャニスタ用パイプ61と、バルブモジュール64とを備えている。フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。
【0054】
インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。ブリーザパイプ60の上端部は、インレットパイプ12のうち給油口13より少し下方の位置(給油経路における給油口13より下流側の位置)に連通状態で接続されている。ブリーザパイプ60の下端部は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。
【0055】
ブリーザパイプ60にはバルブモジュール64が取り付けられている。バルブモジュール64と、ブリーザパイプ60のうちバルブモジュール64から燃料タンク11に至る領域は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるためのエア流路63を構成している。キャニスタ用パイプ61の上端部は、バルブモジュール64の下面に接続されている。
【0056】
バルブモジュール64は、ハウジング65と、常閉式の負圧バルブ70と、エアフィルタ78と、取付部材81とを備えて構成されている。ハウジング65には、負圧バルブ70とエアフィルタ78が一体化されている。ハウジング65は、内部に負圧バルブ70の一次室67が形成された一次側筐体66と、内部に負圧バルブ70の二次室69が形成された二次側筐体68とを備えて構成されている。一次側筐体66の平面視形状は、内周の曲率半径がブリーザパイプ60の外径と同じ寸法の略半円弧形をなしている。二次側筐体68は、一次側筐体66の内周から突出した形態である。
【0057】
ハウジング65は、平面視略半円弧形をなす板状の取付部材81を用いてブリーザパイプ60に固定されている。ハウジング65をブリーザパイプ60に固定した状態では、一次側筐体66と取付部材81が、ブリーザパイプ60の外周に密着してブリーザパイプ60を径方向に挟み付ける。そして、一次側筐体66と取付部材81が、双方の周方向における両端部同士がボルトとナット等の締結部材(図示省略)により固着される。また、二次側筐体68は、ブリーザパイプ60に貫通形態で形成した取付孔82に対し気密状に嵌入され、ブリーザパイプ60の内部に臨んでいる。
【0058】
一次室67と二次室69は、ブリーザパイプ60とともにエア流路63を構成する。一次側筐体66には、その外周壁部における周方向の一端部を貫通させることで一次室67を大気と連通させる導入口71が形成されている。一次側筐体66の下壁部における周方向の他端部には、貫通形態の連通口72と貫通形態の水抜口74とが形成されている。連通口72の開口縁には、全周に亘って一次室67側(上方)へ突出した堤壁部73が形成されている。
【0059】
連通口72には、キャニスタ用パイプ61の上端部が気密状に接続されている。キャニスタ用パイプ61の途中にはキャニスタ62が設けられている。キャニスタ用パイプ61の下端部は燃料タンク11に接続されている。給油中に燃料タンク11内で発生した燃料ペーパはキャニスタ62内の活性炭に吸着され、きれいな空気がキャニスタ用パイプ61とバルブモジュール64の導入口71を通って大気中に放出される。また、キャニスタ62に吸着された燃料ペーパがエンジン(図示省略)の負圧パージによって離脱される際には、キャニスタ62内が負圧になるため、外気が、導入口71からバルブモジュール64とキャニスタ用パイプ61を通ってキャニスタ62に取り込まれる。
【0060】
一次側筐体66の内周壁部には、一次室67と二次室69とを連通させるための弁口75が形成されている。二次室69内には、弁口75を開閉するための弁体76と、弁体76を閉弁方向に付勢するバネ部材77とが収容されている。二次室69はブリーザパイプ60と連通している。負圧バルブ70は、常には、弁体76がバネ部材77の付勢により弁口75を気密状に閉塞するので、一次室67と二次室69が気密状に隔絶された閉弁状態に保持されている。
【0061】
二次室69内(燃料タンク11内)の圧力が一次室67内の圧力より低くなると、弁体76がバネ部材77の付勢に抗して弁口75を開口させる方向へ移動するので、一次室67と二次室69が連通し、負圧バルブ70は開弁状態となる。負圧バルブ70が開弁状態になると、大気中の空気が、導入口71から一次室67に導入され、弁口75、二次室69、ブリーザパイプ60を順に通って燃料タンク11内に流入する。
【0062】
大気中(空気中)には塵埃が浮遊しているため、負圧バルブ70が開弁したときに、空気と一緒に塵埃が一次室67に流入する。塵埃が負圧バルブ70の弁口75や弁体76に付着すると、負圧バルブ70が閉弁したときに弁口75の開口縁と弁体76との間に塵埃が噛み込み、負圧バルブ70が完全に閉弁しない状態となることが懸念される。
【0063】
この対策として本実施例4の燃料供給装置59は、周方向に沿って配置した蛇腹状のエアフィルタ78により、一次室67を内周側の空間と外周側の空間とに区画している。エアフィルタ78は、大気(空気)は通過させるが、大気中の塵埃が通過することを阻止する。一次室67のうちエアフィルタ78より外周側の空間(エア流路63のうちエアフィルタ78より上流側の空間)は、導入口71において大気中に開放された導入室79となっている。一次室67のうちエアフィルタ78より内周側の空間(エア流路63のうちエアフィルタ78より下流側の空間)は、弁口75を介して二次室69と連通可能な清浄室80となっている。
【0064】
燃料タンク11内が負圧になって負圧バルブ70が開弁し、導入口71から導入室79(一次室67)に流入した空気がエアフィルタ78を通過する過程では、空気中の塵埃がエアフィルタ78により捕捉されるので、清浄室80には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ70が閉弁したときに弁口75の開口縁と弁体76との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0065】
本実施例4の燃料供給装置59は、給油口13から燃料タンク11に至るインレットパイプ12と、上流端が大気と連通し、下流端が燃料タンク11と連通したエア流路63と、エア流路63に設けられ、燃料タンク11内が負圧になったときに開弁する負圧バルブ70と、エア流路63を構成する一次室67に設けられ、負圧バルブ70の弁口75(二次室69)より上流側に配置されたエアフィルタ78とを備えている。
【0066】
この構成によれば、負圧バルブ70が開弁すると、大気がエアフィルタ78と負圧バルブ70を順に通って燃料タンク11内に流入するが、大気中の塵埃は、エアフィルタ78を通過できないため、負圧バルブ70には到達しない。したがって、負圧バルブ70が大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【0067】
また、負圧バルブ70とエアフィルタ78はハウジング65を介して一体化され、バルブモジュール64を構成している。このバルブモジュール64は、エア流路63を構成するブリーザパイプ60に対して着脱可能となっている。したがって、エアフィルタ78や負圧バルブ70のメンテナンスを行う際には、締結部材を緩めることにより、バルブモジュール64のバルブハウジング65をブリーザパイプ60から取り外すことができる。ハウジング65は、複数の部材を組み付けて合体したものなので、ハウジング65を分解すれば、エアフィルタ78や負圧バルブ70を取り外すことができる。したがって、メンテナンスの作業性が良い。
【0068】
また、負圧バルブ70は、ブリーザパイプ60の外周側(一次室67)から二次室69を経由してブリーザパイプ60の内周側へ空気を流入させるように設けられている。また、エアフィルタ78は、ブリーザパイプ60の外周及び負圧バルブ70を覆う形態で略円弧状に配置されている。この構成によれば、負圧バルブ70とエアフィルタ78をブリーザパイプ60の外周から径方向へ突出するように設ける場合に比べると、省スペース化を図ることができる。
【0069】
<実施例5>
次に、本発明を具体化した実施例5を図8図9を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図8にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0070】
本実施例5の燃料供給装置83は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、給油中に燃料タンク11内の空気を外部へ放出させるブリーザパイプ60と、キャニスタ用パイプ61と、バルブモジュール64とを備えている。フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。
【0071】
インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。ブリーザパイプ60の上端部は、インレットパイプ12のうち給油口13より少し下方の位置(給油経路における給油口13より下流側の位置)に連通状態で接続されている。ブリーザパイプ60の下端部は、燃料タンク11に対し連通状態で接続されている。
【0072】
上記実施例4では、バルブモジュール64がブリーザパイプ60に取り付けられているが、本実施例5では、実施例4と同一構成のバルブモジュール64がインレットパイプ12に取り付けられている。キャニスタ用パイプ61の上端部は、バルブモジュール64の下面に接続されている。バルブモジュール64と、インレットパイプ12のうちバルブモジュール64から燃料タンク11に至る領域は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるためのエア流路84を構成している。
【0073】
バルブモジュール64は、ハウジング65と、常閉式の負圧バルブ70と、エアフィルタ78と、取付部材81とを備えて構成されている。ハウジング65には、負圧バルブ70とエアフィルタ78が一体化されている。ハウジング65は、内部に負圧バルブ70の一次室67が形成された一次側筐体66と、内部に負圧バルブ70の二次室69が形成された二次側筐体68とを備えて構成されている。一次側筐体66の平面視形状は、内周の曲率半径がインレットパイプ12の外径と同じ寸法の略半円弧形をなしている。二次側筐体68は、一次側筐体66の内周から突出した形態である。
【0074】
ハウジング65は、平面視略半円弧形をなす板状の取付部材81を用いてインレットパイプ12に固定されている。ハウジング65をインレットパイプ12に固定した状態では、一次側筐体66と取付部材81が、インレットパイプ12の外周に密着してインレットパイプ12を径方向に挟み付ける。そして、一次側筐体66と取付部材81が、双方の周方向における両端部同士がボルトとナット等の締結部材(図示省略)により固着される。また、二次側筐体68は、インレットパイプ12に貫通形態で形成した取付孔82に対し気密状に嵌入され、インレットパイプ12の内部に臨んでいる。
【0075】
一次室67と二次室69は、インレットパイプ12とともにエア流路84を構成する。一次側筐体66には、その外周壁部における周方向の一端部を貫通させることで一次室67を大気と連通させる導入口71が形成されている。一次側筐体66の下壁部における周方向の他端部には、貫通形態の連通口72と貫通形態の水抜口74とが形成されている。連通口72の開口縁には、全周に亘って一次室67側(上方)へ突出した堤壁部73が形成されている。
【0076】
連通口72には、キャニスタ用パイプ61の上端部が気密状に接続されている。キャニスタ用パイプ61の途中にはキャニスタ62が設けられている。キャニスタ用パイプ61の下端部は燃料タンク11に接続されている。給油中に燃料タンク11内で発生した燃料ペーパはキャニスタ62内の活性炭に吸着され、きれいな空気がキャニスタ用パイプ61とバルブモジュール64の導入口71を通って大気中に放出される。また、キャニスタ62に吸着された燃料ペーパがエンジン(図示省略)の負圧パージによって離脱される際には、キャニスタ62内が負圧になるため、外気が、導入口71からバルブモジュール64とキャニスタ用パイプ61を通ってキャニスタ62に取り込まれる。
【0077】
一次側筐体66の内周壁部には、一次室67と二次室69とを連通させるための弁口75が形成されている。二次室69内には、弁口75を開閉するための弁体76と、弁体76を閉弁方向に付勢するバネ部材77とが収容されている。二次室69はインレットパイプ12と連通している。負圧バルブ70は、常には、弁体76がバネ部材77の付勢により弁口75を気密状に閉塞するので、一次室67と二次室69が気密状に隔絶された閉弁状態に保持されている。
【0078】
二次室69内(燃料タンク11内)の圧力が一次室67内の圧力より低くなると、弁体76がバネ部材77の付勢に抗して弁口75を開口させる方向へ移動するので、一次室67と二次室69が連通し、負圧バルブ70は開弁状態となる。負圧バルブ70が開弁状態になると、大気中の空気が、導入口71から一次室67に導入され、弁口75、二次室69、インレットパイプ12を順に通って燃料タンク11内に流入する。
【0079】
大気中(空気中)には塵埃が浮遊しているため、負圧バルブ70が開弁したときに、空気と一緒に塵埃が一次室67に流入する。塵埃が負圧バルブ70の弁口75や弁体76に付着すると、負圧バルブ70が閉弁したときに弁口75の開口縁と弁体76との間に塵埃が噛み込み、負圧バルブ70が完全に閉弁しない状態となることが懸念される。
【0080】
この対策として本実施例5の燃料供給装置83は、周方向に沿って配置した蛇腹状のエアフィルタ78により、一次室67を内周側の空間と外周側の空間とに区画している。エアフィルタ78は、大気(空気)は通過させるが、大気中の塵埃が通過することを阻止する。一次室67のうちエアフィルタ78より外周側の空間(エア流路84のうちエアフィルタ78より上流側の空間)は、導入口71において大気中に開放された導入室79となっている。一次室67のうちエアフィルタ78より内周側の空間(エア流路84のうちエアフィルタ78より下流側の空間)は、弁口75を介して二次室69と連通可能な清浄室80となっている。
【0081】
燃料タンク11内が負圧になって負圧バルブ70が開弁し、導入口71から導入室79(一次室67)に流入した空気がエアフィルタ78を通過する過程では、空気中の塵埃がエアフィルタ78により捕捉されるので、清浄室80には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ70が閉弁したときに弁口75の開口縁と弁体76との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0082】
本実施例5の燃料供給装置83は、給油口13から燃料タンク11に至るインレットパイプ12と、上流端が大気と連通し、下流端が燃料タンク11と連通したエア流路84と、エア流路84に設けられ、燃料タンク11内が負圧になったときに開弁する負圧バルブ70と、エア流路84を構成する一次室67に設けられ、負圧バルブ70の弁口75(二次室69)より上流側に配置されたエアフィルタ78とを備えている。
【0083】
この構成によれば、負圧バルブ70が開弁すると、大気がエアフィルタ78と負圧バルブ70を順に通って燃料タンク11内に流入するが、大気中の塵埃は、エアフィルタ78を通過できないため、負圧バルブ70には到達しない。したがって、負圧バルブ70が大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【0084】
また、負圧バルブ70とエアフィルタ78はハウジング65を介して一体化され、バルブモジュール64を構成している。このバルブモジュール64は、エア流路84を構成するインレットパイプ12に対して着脱可能となっている。したがって、エアフィルタ78や負圧バルブ70のメンテナンスを行う際には、締結部材を緩めることにより、バルブモジュール64のバルブハウジング65をインレットパイプ12から取り外すことができる。ハウジング65は、複数の部材を組み付けて合体したものなので、ハウジング65を分解すれば、エアフィルタ78や負圧バルブ70を取り外すことができる。したがって、メンテナンスの作業性が良い。
【0085】
また、負圧バルブ70は、インレットパイプ12の外周側(一次室67)から二次室69を経由してインレットパイプ12の内周側へ空気を流入させるように設けられている。また、エアフィルタ78は、インレットパイプ12の外周及び負圧バルブ70を覆うように略円弧状に配置されている。この構成によれば、負圧バルブ70とエアフィルタ78をインレットパイプ12の外周から径方向へ突出するように設ける場合に比べると、省スペース化を図ることができる。
【0086】
<実施例6>
以下、本発明を具体化した実施例6を図10図11を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図10,11にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図10,11にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0087】
本実施例6の燃料供給装置85は、燃料タンク11と、燃料タンク11に燃料を供給するためのインレットパイプ12と、インレットパイプ12の給油口13を開閉するフューエルキャップ14と、常閉式の負圧バルブ86と、フィルタユニット100とを備えている。インレットパイプ12の下端部(給油経路における下流端)は燃料タンク11に連通状態で接続されている。フューエルキャップ14をインレットパイプ12に取り付けた状態では、給油口13が気密状に閉塞されるようになっている。
【0088】
インレットパイプ12の上流端部(給油口13の近傍位置)の外周には、軸線を概ね左右方向(インレットパイプ12の上端部の軸線と概ね直交する方向)に向けた筒状部87が、径方向外方(左方)へ一体的に突出した形態で形成されている。筒状部87は、負圧バルブ86を構成する。筒状部87の突出端面(左端面)には、後述するバルブキャップ91との隙間を気密状にシールする第1シールリング88が装着されている。筒状部87の突出端部の外周には、係止突起89が全周に亘って形成されている。筒状部87の内部空間は、インレットパイプ12の内部(燃料の流入経路)と連通する二次室90となっている。
【0089】
筒状部87の突出端部には、負圧バルブ86を構成するバルブキャップ91が取り付けられている。バルブキャップ91は、円環形の板状本体部92と、筒状嵌合部93と、複数の弾性係止片94とを有する単一部品である。板状本体部92の外周縁部は、フランジ状のロック部95として機能する。筒状嵌合部93は、板状本体部92の中心孔の孔縁から筒状部87と同軸に左方へ突出している。板状本体部92の中心孔と筒状嵌合部93の内部空間は、負圧バルブ86の弁口96として機能する。複数の弾性係止片94は、板状本体部92から筒状嵌合部93とは反対側(右方)へ片持ち状に突出した形態であり、弁口96と同心の円周上において周方向に間隔を空けて配置されている。
【0090】
バルブキャップ91は、板状本体部92を筒状部87の突出端面に当接させるとともに、複数の弾性係止片94を筒状部87の係止突起89に係止させた状態で、筒状部87に取り付けられている。バルブキャップ91と筒状部87は、バルブハウジング97を構成する。弾性係止片94を径方向外方へ弾性変形させて係止突起89から解離させると、バルブキャップ91を筒状部87から外すことができる。筒状部87にバルブキャップ91を取り付けた状態では、二次室90が、インレットパイプ12の外周と筒状部87とバルブキャップ91とによって構成されている。二次室90内には、弁口96を開閉する弁体98と、弁体98を閉弁方向に付勢するバネ部材99とが収容されている。
【0091】
フィルタユニット100は、フィルタハウジング101内にエアフィルタ110を収容したものである。フィルタハウジング101の内部は負圧バルブ86を構成する一次室104となっている。一次室104と、二次室90と、インレットパイプ12のうち筒状部87と連通する部位から燃料タンク11に至る領域は、燃料タンク11内が負圧に(大気圧より低く)なった場合に、大気を燃料タンク11内に流入させるためのエア流路105を構成している。
【0092】
一次室104の下端部(エア流路105の上流端部)には、フィルタハウジング101の外壁を貫通した形態であって一次室104を大気と連通させる導入口106が形成されている。一次室104の上端部には、フィルタハウジング101の外壁を貫通した形態であって、一次室104内とフィルタハウジング101の外部とを連通させる嵌合孔107が形成されている。フィルタハウジング101の外面のうち嵌合孔107を同心円状に包囲する領域には、バルブキャップ91との隙間を気密状にシールする第2シールリング108が装着されている。また、フィルタハウジング101の外面には、複数の弾性ロック片109が、片持ち状に突出した形態で形成されている。複数の弾性ロック片109は、第2シールリング108を同心円状に包囲するように配置されている。
【0093】
フィルタユニット100をバルブハウジング97(インレットパイプ12における給油口13の近傍位置)に取り付けると、負圧バルブ86が構成される。フィルタハウジング101をバルブハウジング97に取り付けた状態では、嵌合孔107が筒状嵌合部93に嵌合し、フィルタハウジング101の外面のうち第2シールリング108が装着されている領域(右側面上端部)がバルブキャップ91の板状本体部92に当接する。弾性ロック片109がロック部95に係止することで、フィルタユニット100がバルブハウジング97に対して取付け状態にロックされる。弾性ロック片109を径方向外方へ弾性変形させてロック部95から解離すると、フィルタユニット100をバルブハウジング97から外すことができる。
【0094】
負圧バルブ86は、常には、弁体98がバネ部材99の付勢により弁口96を気密状に閉塞するので、一次室104と二次室90が気密状に隔絶された閉弁状態に保持されている。二次室90内(燃料タンク11内)の圧力が一次室104内の圧力より低くなると、弁体98がバネ部材99の付勢に抗して弁口96を開口させる方向へ移動するので、一次室104と二次室90が連通し、負圧バルブ86は開弁状態となる。負圧バルブ86が開弁状態になると、大気中の空気が、導入口106から一次室104に導入され、弁口96、二次室90、エア流路105(インレットパイプ12)を順に通って燃料タンク11内に流入する。
【0095】
大気中(空気中)には塵埃が浮遊しているため、負圧バルブ86が開弁したときに、空気と一緒に塵埃が一次室104に流入する。塵埃が負圧バルブ86の弁口96や弁体98に付着すると、負圧バルブ86が閉弁したときに弁口96の開口縁と弁体98との間に塵埃が噛み込み、負圧バルブ86が完全に閉弁しない状態となることが懸念される。
【0096】
この対策として、本実施例6の燃料供給装置85は、一次室104内を蛇腹状のエアフィルタ110によって導入室111と清浄室112との2室に区画している。エアフィルタ110は、大気(空気)は通過させるが、大気中の塵埃が通過することを阻止する。導入室111は、導入口106において大気中に開放されている。清浄室112は、弁口96を介して二次室90と連通している。
【0097】
燃料タンク11内が負圧になって負圧バルブ86が開弁し、導入口106から導入室111(一次室104)に流入した空気がエアフィルタ110を通過する過程では、空気中の塵埃がエアフィルタ110により捕捉される。これにより、清浄室112には塵埃が殆ど混入していない清浄な空気が流入する。したがって、負圧バルブ86が閉弁したときに弁口96の開口縁と弁体98との間に塵埃が噛み込む虞はない。
【0098】
本実施例6の燃料供給装置85は、給油口13から燃料タンク11に至るインレットパイプ12と、上流端が大気と連通し、下流端が燃料タンク11と連通したエア流路105と、エア流路105に設けられ、燃料タンク11内が負圧になったときに開弁する負圧バルブ86と、エア流路105に設けられ、負圧バルブ86の弁口96(二次室90)より上流側に配置されたエアフィルタ110とを備えている。
【0099】
この構成によれば、負圧バルブ86が開弁すると、大気がエアフィルタ110と負圧バルブ86を順に通って燃料タンク11内に流入するが、大気中の塵埃は、エアフィルタ110を通過できないため、負圧バルブ86には到達しない。したがって、負圧バルブ86が大気中の塵埃の噛み込みに起因して作動不良を生じることを防止できる。
【0100】
また、燃料供給装置85は、バルブハウジング97と、フィルタユニット100とを備えている。バルブハウジング97の内部には負圧バルブ86を構成する二次室90が形成され、二次室90内には弁口96を開閉する弁体98が収容されている。フィルタユニット100の内部には負圧バルブ86を構成する一次室104が形成されており、一次室104内は、エアフィルタ110により大気に連通する導入室111と弁口96に臨む清浄室112とに区画されている。このフィルタユニット100は、バルブハウジング97に対して着脱可能である。
【0101】
具体的には、フィルタハウジング101をバルブハウジング97から外す際には、フィルタハウジング101の弾性ロック片109を弾性変形させてバルブハウジング97のロック部95から解離させればよい。このようにすれば、フィルタユニット100を交換することができるので、エアフィルタ110のメンテナンスを行う際の作業性が良い。
【0102】
また、バルブハウジング97は、弁体98とバネ部材99を収容する筒状部87と、筒状部87の開口部を閉塞するバルブキャップ91とを組み付けて構成されている。バルブキャップ91の弾性係止片94を弾性変形させて筒状部87の係止突起89から解離させれば、バルブキャップ91を筒状部87から外すことができる。バルブキャップ91を筒状部87から外せば、弁体98とバネ部材99の清掃や交換を行うことができる。したがって、負圧バルブ86のメンテナンスを行う際の作業性も良い。
【0103】
また、負圧バルブ86は、弁体98を収容する筒状部87を有しており、筒状部87は、インレットパイプ12の外周(周面)から径方向へ一体的に突出した形態である。この構成によれば、筒状部87をインレットパイプ12と別体にした場合に比べると、部品点数が少なくて済む。
【0104】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例3では、エアフィルタ43を、負圧バルブ53から大きく離間したキャニスタ用パイプ38の上流端に設けたが、エアフィルタ43はキャニスタ用パイプ38のうち負圧バルブ53に近い位置に配置してもよい。
(2)上記実施例3では、負圧バルブ53の二次室56を構成する筒状連結部52が、ブリーザパイプ37の外周から一体的に突出しているが、筒状連結部52は、キャニスタ用パイプ38の外周から一体的に突出した形態でもよく、ブリーザパイプ37及びキャニスタ用パイプ38の両パイプとは別体の部材であってもよい。
(3)上記実施例3において、フィルタユニット41をインレットパイプ12に対して着脱可能としてもよい。
(4)上記実施例4,5では、負圧バルブ70の二次室69を構成する二次側筐体68が、ブリーザパイプ60とは別体の部材であるが、二次側筐体はブリーザパイプに一体的に形成された形態であってもよい。
(5)上記実施例4,5では、二次側筐体68がブリーザパイプ60の内部に嵌入した形態であるが、二次側筐体はブリーザパイプの外周から径方向外方へ突出した形態であってもよい。
(6)上記実施例4,5において、キャニスタ用パイプ61をバルブモジュール64に接続したが、キャニスタ用パイプ61はバルブモジュール64と非接続の状態で設けてもよい。
(7)上記実施例6では、フィルタユニット100がインレットパイプ12に設けられているが、このフィルタユニット100はブリーザパイプの外周に設けてもよい。この場合、エア流路は、フィルタユニット100の内部空間と負圧バルブ86の内部空間とブリーザパイプの内部空間とによって構成される。
(8)上記実施例6では、負圧バルブ86の弁体98を収容する筒状部87がインレットパイプ12の外周から一体的に突出した形態であるが、負圧バルブ86をブリーザパイプの外周に設ける場合は、負圧バルブ86の筒状部87をブリーザパイプの外周から一体的に突出した形態としてもよい。
(9)上記実施例6では、筒状部87がインレットパイプ12の外周から突出しているが、筒状部87はインレットパイプ12の内周から径方向内側へ一体的に突出した形態であってもよい。また、負圧バルブ86をブリーザパイプに設ける場合は、筒状部87をブリーザパイプの内周から径方向内側へ一体的に突出する形態とすることもできる。
(10)上記実施例6の負圧バルブ86の筒状部87がインレットパイプ12の外周から一体的に突出する形態は、実施例4において二次側筐体68の筒状部をブリーザパイプ60の外周から一体的に突出させる形態として適用することができ、また、実施例4の変形としてバルブモジュール64をインレットパイプ12に着脱可能とした場合において、インレットパイプ12の外周から二次側筐体68の筒状部を一体に突出させる形態として適用することができる。
(11)上記実施例6において、フィルタハウジング101が、分離可能な2つの部材を気密状に合体して構成されていてもよい。このようにすれば、エアフィルタ110を交換することが可能である。
(12)上記実施例6では、筒状部87とバルブキャップ91を弾性係止片94によって固定したが、筒状部87とバルブキャップ91を溶着により一体化してもよい。
【符号の説明】
【0105】
10,33,36,59,83,85…燃料供給装置
11…燃料タンク
12…インレットパイプ
13…給油口
17,35,47,63,84,105…エア流路
18,64…バルブモジュール
23,53,70,86…負圧バルブ
30,43,78,110…エアフィルタ
34,37,60…ブリーザパイプ
38,61…キャニスタ用パイプ
40,62…キャニスタ
87…筒状部
90…二次室
96…弁口
97…バルブハウジング
98…弁体
100…フィルタユニット
104…一次室
111…導入室
112…清浄室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11