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特許7013219環状電極搭載の操縦可能ガイドシース、及び関連する構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】環状電極搭載の操縦可能ガイドシース、及び関連する構築方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220124BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20220124BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61B5/25
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017234020
(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公開番号】P2018094405
(43)【公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】15/372,313
(32)【優先日】2016-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・ユエ-シン・タン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・レイズ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・グラッツ
(72)【発明者】
【氏名】コートニー・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】エリック・イー・ビーレフェルド
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0058971(US,A1)
【文献】特表2001-518325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0323964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0172717(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0088725(US,A1)
【文献】特開2016-137019(JP,A)
【文献】米国特許第05891114(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61B 5/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーメンを画定する内側ライナーと前記内側ライナーを囲繞する編み組み部材と前記編み組み部材を囲繞する外層とを有する細長いシャフトと、
前記細長いシャフト上に載置された環状電極と、
前記環状電極に連結された遠位端を有する導線と、
近位部分と遷移部分と遠位部分とを有し、かつ前記細長いシャフトに沿って長軸方向に延在するルーメンチューブと、
を備えるガイドシースであって、前記近位部分が前記編み組み部材よりも下位に延在し、前記遠位部分が前記編み組み部材よりも上位に延在し、かつ前記遷移部分が前記編み組み部材内の間隙を貫通しており、
前記導線は、前記ルーメンチューブのルーメンを通じて延在し、前記導線は、蛇行、ジグザグ、コイル、又はこれらの組み合わせの形状を有するか、又は、支持構造物の周りに巻装されている、ガイドシース。
【請求項2】
前記編み組み部材が、前記間隙の遠位にある編み組み遠位部分と、前記間隙の近位にある編み組み近位部分とを有し、前記編み組み遠位部分ではピッチがより大きく、前記編み組み近位部分ではピッチがより小さい、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項3】
前記ルーメンチューブが非円形断面を有する、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項4】
前記ルーメンチューブが略長方形断面を有する、請求項3に記載のガイドシース。
【請求項5】
前記外層が遠位部分と近位部分とを有し、前記遠位部分ではデュロ硬度がより低く、前記近位部分ではデュロ硬度がより高い、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項6】
前記編み組み部材が、前記外層の材料で充填される隙間空間を有する、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項7】
牽引ワイヤーと、
前記細長いシャフトに沿って前記長軸方向に延在し、かつ前記編み組み部材よりも下位に延在する牽引ワイヤーチューブと、
を更に備える、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項8】
遠位環を更に含み、前記遠位環に前記牽引ワイヤーの遠位端が固着されている、請求項に記載のガイドシース。
【請求項9】
前記細長いシャフトが屈曲区分を有する、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項10】
前記編み組み部材内の前記間隙が前記屈曲区分の近位にある、請求項に記載のガイドシース。
【請求項11】
操縦ハンドルと止血弁と更に備え、前記止血弁が、少なくとも1つの通気孔を設けた摩擦環を有する、請求項1に記載のガイドシース。
【請求項12】
前記少なくとも1つの通気孔が半径方向凹部を含む、請求項11に記載のガイドシース。
【請求項13】
前記少なくとも1つの通気孔が半径方向溝を含む、請求項11に記載のガイドシース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学的カテーテル、特に、電気生理学的感知及び3Dマッピングに対応するように適応されたガイドシースを導くうえで特に好適なガイドシースに関する。
【背景技術】
【0002】
ガイドシースは、治療又は診断カテーテル用の誘導経路において使用されることが周知されている。ヒト心臓のカテーテル処置では、多くの場合、カテーテルを大腿静脈及び大動脈を経由して心内腔へアクセスさせることが必要とされる。動作に多様性がもたらされることを期して、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤーを使用してガイドシースを(ガイドシースを貫通するカテーテルとほぼ同様に)操縦自在又は屈曲自在とし、患者の脈管系内での機動性を向上させることができる。しかしながら、ガイドシースは、カテーテル用経路を画定するルーメンがサイズ調整可能であることから、ガイドシース内の利用可能な空間(牽引ワイヤー用のルーメン空間を含む)が制限されてしまうことも多々ある。そのうえ、サイズ調整可能ルーメンは、ガイドシースのシャフト内で捻れや望まない屈曲特性を招くおそれもある。
【0003】
電気生理学的カテーテルは、患者の身体内の電気的信号(例えば、腔の解剖学的構造及び組織の電気的活性を表した、心不整脈診断用等の3D電気生理学マップを作製するための、心内腔内における電気的信号)を感知するための環状電極を担持することが公知されている。そのようなマップはまた、カテーテル上に担持されて局在している環状電極を表示することによって、カテーテルの部位を可視化できる。このカテーテルの部位/位置は、インピーダンス又は電流ベースの測定値を基に得られる。例えば、カテーテル上の環状電極と患者の身体面上に配置されたパッチ電極との間で、組織のインピーダンスが測定される。その後、このインピーダンス測定値からカテーテルの位置が導き出される。インピーダンスベースの位置感知のための方法は、例えば、米国特許第5,983,126号(Wittkampf)、同第6,456,864号(Swanson)、同第5,944,022号(Nardella)において開示されており、その開示全体は、参照により本明細書に援用されている。
【0004】
カテーテルに対しては、そのようにしてマッピング及び可視化用の電気的信号の感知が可能となる一方、ガイドシースに対しては、一般的にそのような適応が施されない。ガイドシースの可視化は通常、蛍光透視によって遂行される。
【0005】
ガイドシースは一般的に、操縦ハンドルから延在する止血弁を備え、流体をガイドシースのシャフト内に導入することを可能にしている。止血弁によって流体が封止されることから、結果として、シースのルーメン内の減圧によって、カテーテルが引き寄せられるか、さもなければ、変位する可能性がある。止血弁は、カテーテルを所定部位で脱着可能に保持するように適応された摩擦環を備えてもよい。ただし、カテーテルが最初に止血弁に入ったときに、この摩擦環によって、空気が偶発的にルーメン内に導入されてしまうおそれもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、捻れ又は座屈を最小限に抑えるように押し込み特性及び屈曲特性に改良を施したガイドシースが求められている。同様に、この種のガイドシースに対しては、環状電極を介して電気的な感知、マッピング及び可視化が可能であることも所望されている。そうした点で、そのようなガイドシースに対して更に所望されるのは、環状電極の導線が、押し込み特性及び屈曲特性を損なうことなしに、電気的な短絡、損傷、又は破損から保護されたままの状態を維持しながら、シャフトに沿って長軸方向に延在することを可能とするための改良を施したシャフト構築物を有することである。更に、ガイドシースの止血弁は、ガイドシース内に空気が導入されるリスクを抑えながら所定部位にてカテーテルを脱着可能に保持するように構成されていることが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、捻れ又は座屈のリスクを最小限に抑えて押し込み特性及び屈曲特性に改良を施し、操縦性及び機動性を向上させた、ガイドシースに関する。また、本ガイドシースには、電気的な感知、マッピング及び可視化に対応した環状電極のほか、シャフトの押し込み及び屈曲を妨げることなく環状電極の導線を保護するように改良を施したシャフト構築物も、装備されている。そのうえ、ガイドシースの止血弁は、ガイドシース内に空気が導入されるリスクなしに所定部位にてカテーテルを脱着可能に保持するように構成されている。上記のような機能が提供される際に、ガイドシースのシャフトは、カテーテル経路のサイズが加算されずに空間が効率的に使用されるように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態において、ガイドシースは細長いシャフトを備え、この細長いシャフトは、ルーメンを画定する内側ライナーと内側ライナーを囲繞する編み組み部材と編み組み部材を囲繞する外層とを有する。ガイドシースはまた、細長いシャフト上に載置された少なくとも1つの環状電極と、この環状電極に連結された少なくとも1つの導線と、近位部分と遷移部分と遠位部分とを有し、かつシャフトに沿って長軸方向に延在するルーメンチューブとを含み、近位部分は編み組み部材よりも下位に延在し、遠位部分は編み組み部材よりも上位に延在し、かつ遷移部分は編み組み部材の繊維間の隙間空間又は間隙を通過している。
【0009】
いくつかの実施形態において、編み組み部材は、編み組みピッチがより大きい編み組み遠位部分と、編み組みピッチがより小さい編み組み近位部分とを有する。
【0010】
いくつかの実施形態において、ルーメンチューブは、非円形断面、例えば、略長方形断面を有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、導線はその長さに沿って、ルーメンチューブ内に非線形に延在する。
【0012】
いくつかの実施形態において、シャフトに沿って延在する外層は、遠位部分と近位部分とを有し、遠位部分ではデュロ硬度がより低く、近位部分ではデュロ硬度がより高い。
【0013】
いくつかの実施形態において、編み組み部材は、外層の材料で充填される隙間空間を有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ガイドシースは、牽引ワイヤーと、シャフトに沿って長軸方向に延在し、かつシャフトに沿って編み組み部材の下位に延在する牽引ワイヤーチューブと、を更に備える。
【0015】
いくつかの実施形態において、ガイドシースは遠位環を更に含み、この遠位環に牽引ワイヤーの遠位端が固着されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、細長いシャフトは屈曲区分を有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、ルーメンチューブの遷移部分は、シャフトの屈曲区分の近位にある。
【0018】
いくつかの実施形態において、ガイドシースは、操縦ハンドルと止血弁とを更に備え、この止血弁は、少なくとも1つの通気孔を設けた摩擦環を有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの通気孔は、半径方向凹部を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの通気孔は、半径方向溝を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、ガイドシースのシャフトを構築する方法は、内側ライナーを提供することと、ルーメンチューブを内側ライナーの外面に並行して長軸方向に位置決めすることと、を含む。また、本方法は、編み組み部材を繊維で形成することであって、シャフトの第1の部分については、内側ライナーの外面及びルーメンチューブの第1の部分の両方を覆うように繊維を編み組み、シャフトの第2の部分については、内側ライナーの外面を覆うように、ただし、ルーメンチューブの第2の部分の下に、繊維を編み組む、ことと、内側ライナー、編み組み繊維、及びルーメンチューブを覆うように外層を適用することと、を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、本方法は、シャフトの第1の部分と第2の部分との間の接合部においてルーメンチューブを遷移させて、ルーメンチューブを繊維より下位と繊維より上位との間で移行又は再位置決めすることを更に含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、編み組み部材を繊維で形成することは、ルーメンチューブの第1の部分を、内側ライナー及び繊維に対して第1の位置に位置決めすることと、繊維を編み組むことと、編み組みを中断することと、編み組みの中断後に、ルーメンチューブの第2の部分を、内側ライナー及び繊維に対して第2の位置に位置決めすることと、ルーメンチューブの第2の部分を位置決めした後に、編み組みを再開することとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、外層は、リフロー可能なプラスチック材料を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、外層を適用することは、外層をリフローさせることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することによってより充分な理解がなされるであろう。選択された構造及び特徴が、残りの構造及び特徴をより見やすくするために、特定の図面では示されていないことを理解されたい。
図1】本発明の実施形態によるガイドシースの頂面平面図である。
図2】切断線A-Aにおける、図1のガイドシースのシャフトの端面断面図である。
図3A】切断線B-Bにおける、図1のガイドシースのシャフトの端面断面図である。
図3B図3Aのガイドシースのルーメンチューブの詳細図である。
図4】本発明の実施形態による、組み立て中のガイドシースのシャフトにおいて、外層が部分的に適用された状態の、代表的な斜視図である。
図5A】本発明の実施形態による、導線の一部の斜視図である。
図5B】本発明の実施形態による、導線の一部の斜視図である。
図5C】本発明の実施形態による、導線の一部の斜視図である。
図6】本発明の実施形態による、ガイドシースのシャフトの遠位先端区分において外層を部分的に破断させた、頂面平面図である。
図7】本発明の別の実施形態による、シャフトの端面断面図である。
図8】環状電極を備える、図7のシャフトの端面断面図である。
図9】本発明の実施形態による、摩擦環を備える止血弁の分解斜視図である。
図10図9の摩擦環の斜視図である。
図11】本発明の実施形態による、摩擦環の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態では、ガイドシース10は、細長い可撓性シャフト12と、シャフト12の近位にある操縦ハンドル16とを備える。シャフト12は、近位区分13と、遠位屈曲区分14と、遠位先端区分15とを含む。操縦ハンドル16を電気的コネクタ17に連結しておくことによって、電気的信号が、例えば屈曲区分14を含むシャフト12上に好都合に担持された1つ又は2つ以上の環状電極19によって感知され、送信できるようになる。電気的信号の処理は、遠隔システム(不図示)、例えば、インピーダンス又は電流ベースの測定値に基づいて身体内部のシャフト12の部分を可視化を提供するマッピングシステムで行われる。そうしたシステムでは、環状電極19と患者の身体面上に配置されたパッチ電極(不図示)との間のインピーダンスが測定される。インピーダンスベースの位置感知のための方法は、例えば、米国特許第5,983,126号(Wittkampf)、同第6,456,864号(Swanson)、同第5,944,022号(Nardella)において開示されており、その開示全体は、参照により本明細書に援用されている。また、Biosense Webster,Inc.から入手可能なCARTO 3マッピングシステムでは、電流ベースのデータを用いたハイブリッド技術を利用して、センサベース及び非センサベースの両方のカテーテル、並びにそれらの電極の可視化も行える。アドバンスドカテーテルロケーション(Advanced Catheter Location、ACL)機能と呼ばれるハイブリッドシステムは、米国特許第7,536,218号(Govariら)において説明され、その開示全体は、参照により本明細書に援用されている。
【0028】
図1に示すように、操縦ハンドル16に更に取り付けられているのが、終端キャップ20付きの止血弁18である。この止血弁は、図2に示すようにガイドシース10の中央ルーメン22に通して前進させることができるカテーテル(不図示)を受容するように適応されている。この弁18はまた、ルアーハブ内で終端するサイドポート21(双方向止め栓22など)も有し、このサイドポートを1つ又は2つ以上の流体供給源(不図示)に連結することによって、ガイドシース10のルーメン22内に及びこのルーメンを通して流体を提供するようになっている。
【0029】
シャフト12(図2に示す)の近位部分13及び遠位屈曲区分14を通って延在しているのが、内側チューブ又は内側ライナー25(図3Aに示す)であり、これらはシャフト12の中央ルーメン22を画定している薄壁構築物を有する。ライナー25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む任意の好適な材料で構成することができる。
【0030】
同様に、図4を参照すると、編み組み撚り糸又は繊維27の可変の編み組み部材又は層26(それらの間の隙間空間又は間隙50で分離されている)は、ライナー25の外面23の周りに延在し、ライナーをその長さに沿って概ね囲繞することによって、シャフト12の捻れ、しわ又は座屈を最小限に抑える。編み組み層26は、シャフト12の押し込み特性と改良された屈曲特性との良好なバランスをもたらす。いくつかの実施形態において、編み組み層は、約20~50の範囲のピッチ、及び約50~22、好ましくは約45~27の範囲のインチ当たりピック数(PPI)を有する。撚り糸又は繊維は、例えば、高強度ステンレススチール又は高強度ポリマーを含む任意の好適な材料から構築することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、ピッチ及びPPIは、シャフト12の全長にわたって均一な状態に維持される。他の実施形態において、ピッチ及び/又はPPIは、該当する場合又は所望される場合、可変としてもよい。例えば、遠位屈曲区分14の編み組み層26において約45PPIとなる構成である一方、近位区分13の編み組み層26において約27PPIとなる構成である場合もある。
【0032】
屈曲区分14において(単方向又は双方向のいずれかの)屈曲を有効にするため、1つ又は2つの細長い牽引ワイヤーチューブ30はそれぞれ、各々の牽引ワイヤー32用のルーメン31を含み、内側ライナー25の外面上を長軸方向に延在している。2つのチューブ30が提供されている場合、それらのルーメンチューブ30を、ルーメン22全域において平面内で双方向に屈曲させることが可能なように、直径に沿って互いに反対側に配置することができる。図2図3A及び図4に示すように、チューブ30は、編み組み層26よりも下位にあり、例えば、シャフト12の全長にわたって編み組み層26よりも下位にあるライナー25の外面23に直接当接し得る。牽引ワイヤー32及びチューブ30が編み組み層26よりも下位に延在していることで、屈曲区分14はその屈曲特性が改良されている。
【0033】
同様に、1つ又は2つ以上の細長い導線チューブ40も、シャフト12に沿って長軸方向に延在している。それらのチューブはそれぞれ、1つ又は2つ以上の導線42用のルーメン41を含み、各導線がそれぞれ環状電極19に連結されており、それによって、環状電極19によって感知された電気的信号が送信されるようになっている。1つ又は2つ以上のルーメンチューブ40は、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤーチューブ30の半径方向部位とは異なる半径方向部位にある。図2図3A及び図4を参照すると、シャフト12の近位部分13において、各チューブ40は、編み組み層26の下又はそれよりも下位に配され、この編み組み層で囲繞されている(例えば、内側ライナー25の外面に直接当接して配されている)。シャフト12の遠位屈曲部分14において、各チューブ40は、編み組み層26よりも上位又はそれよりも外側に配されている。各チューブ40において、編み組み層26の下位と上位との間で遷移する遷移部分の部位は、接合部Jで画定されている。図4に、チューブ40の遷移部分の周りの接合部Jにおける概ね均一な編み組みが示されているが、ピッチ及び/又はPPIは、遷移部分に適合するように可変であり、結果として、編み組み層26の撚り糸間又は繊維27間の部位Sにおいて隙間空間若しくは間隙が拡大し、この隙間空間若しくは間隙をチューブ40が通って延在することが理解される。
【0034】
編み組み層26の外部と内部との間でチューブ40を遷移させることによって、例えば、製造及び組み立ての容易性、導線の損耗防止、空間効率、並びにシャフトの放射相称を含めた様々な競合因子のバランスを取りながら、好都合にも、シャフト12上に担持されている環状電極19に導線42を連結させることができる。
【0035】
ルーメン41を通じて延在する導線42は、好都合にも、非線形パターンで構成されていることから、チューブ40及びシャフト12の長さに対して過度な長さになり、その結果、導線にある程度の弛みを生じ、シャフト12が撓んだ場合、特に撓みが繰り返し生じた場合には、導線が「折れ曲がり(give)」、破損が回避される。非線形パターンとしては、例えば、蛇行(図5A)、ジグザグ(図5B)、コイル(図5C)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。また、屈曲中の破損を回避する目的で、マンドレル又は何らかの好適な支持構造物の周りに導線42を巻装してもよい。
【0036】
他の実施形態において、ガイドワイヤーチューブ40はまた、導線又は他の好適な構成部品を追加できるように、図7及び図8に示すようなマルチルーメン型とすることもできる。
【0037】
チューブ30及び40はそれぞれ非円形断面を有し、それによって、シャフト12の全外径を最小限に抑えながら、構成部品を受容するのに十分な大きさのルーメン22が提供されている。例えば、チューブの断面は、長軸:短軸の比率が約2:1を超えることを特徴としている。
【0038】
シャフト12は、その長さに沿って、外層又はコーティング48を含み、この外層又はコーティングは、編み組み層26を覆うように延在して、下に配されたすべての構成部品を封入している。外層48は、材料を浸出させる方法で(例えば、チューブ30及び40の上に、更には編み組み層26の撚り糸間又は繊維27間に材料をリフローさせることによって、そこに設けてある隙間空間50を概ね充填させるようにして)適用された材料を含む。外層48内には、チューブ30及び40、編み組み層26が埋め込まれており、更には遠位環45も埋め込まれている。外層48に適した材料としては、例えば、VESTAMID等のポリフタルアミド、及び/又はPEBAX等のポリエーテルブロックアミドが挙げられる。
【0039】
外層48には、例えば、シャフト12の区分ごとにデュロ硬度が異なる材料を含めてもよい。そうすることによって、例えば「C」曲線又は「U」曲線などの異なった屈曲特性が得られるようになる(図1を参照)。図1の実施形態において、シャフト12は、VESTAMIDで構築された外層を備える第1(最)近位区分13Aと、PEBAX 6333で構築された外層を備える第2近位区分13Bと、PEBAX 5583で構築された外層を備える第3近位区分13Cと、PEBAX:PEBAX 4533を50%:50%含んで構築された外層を備える遠位区分14とを有する。シャフト12の屈曲(単方向性又は双向性のいずれか)を可能とするため、(その区分の)外層48のデュロ硬度が、その近位端からその遠位端に向かって漸減していく。換言すれば、外層48の可撓性は、シャフト12の長さに沿って、その近位端からその遠位端に向かって漸増していく。
【0040】
各導線42は、その環状電極19の各々に連結されている。図3Bに示すように、外層48及びチューブ40全体にわたって開口55が形成されているため、導線42は、ルーメン41の内側から外層48の外側へと通過させることによって、環状電極19の各々に連結させることができる。図1に示すように、導線42は、環状電極19に感知された電気的信号を操縦ハンドル16の近位にある電気的コネクタ17を介して遠隔システムに伝達する。
【0041】
示されている実施形態において、導線チューブ40の遠位端は、最遠位の環状電極19Dと遠位環45との間にある。図6の実施形態において、チューブ40は、最遠位の環状電極19D用の導線42Dを有する。各牽引ワイヤーチューブ30の遠位端も同様に、最遠位の環状電極19Dと遠位環45との間にある。各々のチューブ30の遠位端から出現している各牽引ワイヤー32の遠位端は、最遠位の環状電極19Dの遠位にある内側ライナー25上に載置されている遠位環45にしっかりと取り付けられ、かつこの遠位環に係留されている。各牽引ワイヤー32の遠位端は、Wで示した溶接(welding)を含む任意の好適な方法で、環45に固着させることができる。遠位環45は、内径が編み組み層26の外径よりも僅かに大きいため、編み組み層26の遠位端を囲繞して、これを内側ライナー25の上に固定することができる。遠位環45の外径は、外層48の外径よりも小さいため、この遠位環は、外層48内に埋め込まれている。放射線不透過性マーカー、例えば、遠位環46を設けることによって、蛍光透視下でシャフトの遠位端を可視的に表示することができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、ガイドシース10のシャフト12の製造方法は、
a)内側ライナーを提供することと、
b)ルーメンチューブ(例えば、導線チューブ)を内側ライナーの外面に並行して長軸方向に位置決めすることと、
c)編み組み部材又は層を繊維で形成することであって、
i)シャフトの第1の部分すなわち近位部分については、内側ライナーの外面及びルーメンチューブの第1の部分すなわち近位部分の両方を覆うように繊維を編み組み、
ii)シャフトの第2の部分すなわち遠位部分については、内側ライナーの外面を覆うように、ただし、ルーメンチューブの第2の部分すなわち遠位部分の下に繊維を編み組む、ことと、
d)内側ライナー、編み組み繊維、及びルーメンチューブを覆うようにシャフトの長さに沿って外層を適用することと、
を含む。
【0043】
本方法は、シャフトの第1の部分と第2の部分との間の接合部においてルーメンチューブを遷移させて、このルーメンチューブを、編み組み部材に対して(例えば、繊維より下位と繊維より上位との間で)位置を変更することを含んでもよい。
【0044】
より詳細な実施形態では、本方法は、
a)ルーメンチューブの第1の部分を、内側ライナー及び繊維に対して第1の位置に位置決めすることと、
b)繊維を編み組むことと、
c)編み組みを中断することと、
d)編み組みの中断後に、ルーメンチューブの第2の部分を、内側ライナー及び繊維に対して第2の位置に位置決めすることと、
e)ルーメンチューブの第2の部分を位置決めした後に、編み組みを再開することと、
を含むことができる。
【0045】
所望される場合又は適切な場合、編み組みは、シャフトの遠位端から始めて、シャフトの近位端に向かって進めることができ、その逆も同様であることは理解される。したがって、繊維を編み組んでいる間、ルーメンチューブを、編み組み部材より上位から編み組み部材より下位へと移動又は調整することができ、その逆も同様である。
【0046】
繊維を編み組むことは、繊維を第1の編み組みピッチで編み組むことを含んでもよく、繊維の編み組みを再開することは、第1の編み組みピッチとは異なる第2の編み組みピッチで編み組むことを含んでもよい。
【0047】
本方法はまた、例えば、蛇行、ジグザグ、又はコイル等の非線形構成を有する非線形導線をルーメンチューブに通過させることを含んでもよい。
【0048】
本方法は、
a)牽引ワイヤールーメンチューブを内側ライナーの外面に並行して長軸方向に位置決めすることと、
b)牽引ワイヤールーメンチューブ及び内側ライナーを覆うように繊維を編み組むことであって、
i)シャフトの第1の部分すなわち近位部分については、内側ライナーの外面及びルーメンチューブの近位部分の両方を覆うように繊維を編み組み、
ii)シャフトの第2の部分すなわち遠位部分については、内側ライナーの外面を覆うように、ただし、ルーメンチューブの第2の部分すなわち遠位部分の下に繊維を編み組む、ことと、
d)内側ライナー、編み組み繊維、及びルーメンチューブを覆うように外層を適用することと、
を更に含むこともできる。
【0049】
内側ライナー、編み組み繊維及びルーメンチューブを覆うように外層を適用することは、リフロー可能なプラスチック又は熱可塑性材料を含む外層を、リフローさせることを含んでよい。外層をリフローさせることによって、材料を繊維間に浸出(seep)させて、編み組み部材の繊維間の隙間空間を埋めることができる。本明細書中で言及されているように、シャフトの異なる区分の外層は、デュロ硬度が異なるリフロー可能なプラスチック又は熱可塑性物質を含んでもよい。
【0050】
本方法はまた、
a)内側ライナーの遠位端に又はその付近に遠位環を提供することであって、この遠位環に牽引ワイヤーの遠位端が固着されている、ことと、
b)この遠位環を覆うように外層を適用することと、
を含むこともできる。
【0051】
図1及び図9に示すように、操縦ハンドル16の近位にある止血弁18は、カテーテル又はそれに類する器具(不図示)が通過できる中央通路34を備えたハブハウジング33を含む。ハウジング33は、中央通路34に連通するサイドポート37を備えて構成されており、流体(例えば、生理食塩水)が、遠隔の供給源(不図示)から中央通路34内に入ってシャフト12を遠位に通過できるようになっている。弁18は、ハブハウジング33の近位端上に載置された終端キャップ35を含む。終端キャップ35は中央開口部36を有し、この中央開口部は中央通路34への入口を画定している。終端キャップ35の開口部36の遠位にある中央通路34内に位置決めされているのが、円盤状構成を有するシール弁部材37である。この円盤状構成は、サイズ及び形状が、円形断面形状及び中央通路34のサイズに対応しており、中央通路を遮断して封止するようになっている。ただし、変形可能な中央開口部34(例えば、1つ又は2つ以上のスリット)は、中立構成にて閉じた又は封止された状態に維持されており(それにより、弁18から外部へ流体が漏れ出すのを防止していて)、例外的に、カテーテル又はそれに類する器具(本明細書中で、同義に使用されている器具類)の遠位端の荷重下では、ガイドシース10内へ遠位に前進するようになっている。
【0052】
弁18はまた、ガイドシース内に挿入されたカテーテルを脱着可能に保持するための摩擦環38を含む。摩擦環38は、カテーテルを受容するための中央通路39を備える、ワッシャとして構成されている。示されている実施形態において、摩擦環38及びシール弁部材37は、シール弁部材37の遠位にある摩擦環38と、互いに当接接触して配列されていて、シール弁部材37と終端キャップ35との間に位置決めされている。摩擦環38の中央通路39は、シール弁部材37の変形可能な開口部34に対して軸方向に整列配置され、カテーテルは、弁18内に挿入された場合、変形可能な開口部34及び中央通路39の両方を貫通する。その点において、シール弁部材37及び摩擦環38は両方とも、変形可能な弾性材料から構築される。しかしながら、荷重を受けないときには、シール弁部材37の変形可能な開口部34は閉じたままであるように構成されるのに対して、摩擦環38の中央通路39は開いたままであるように構成され、ガイドシースと一緒に使うのに適したカテーテルのフレンチサイズに応じて半径がサイズ調整されるため、カテーテルを中央通路39に通して動かすことが可能となる。ただし、ユーザーが把持していたカテーテルを放したときには常に、摩擦環38の中央通路39の周縁との周摩擦接触が生じて、弁10に対して所定位置にカテーテルが保持される。
【0053】
カテーテルを弁18内に導入して、終端キャップ35の中央開口部36を超えて前進させたときに、カテーテルの遠位端が摩擦環38の中央通路39に進入するため、中央通路39を占領している空気を変位させる場合がある。変位した空気がシール弁部材37の中央開口部34を遠位に貫通するのを防止するため、摩擦環38は好都合にも、変位した空気をシール弁部材37の中央開口部34から遠ざかる向きに移動させる、1つ又は2つ以上の通気孔58を備えて構成されていている。図10に示されている実施形態において、通気孔は、中央通路39の周りに設けられた1つ又は2つ以上の半径方向凹部60を備える。それらの凹部は、中央通路39を通って延在しているカテーテルとは接触しない空隙であり、結果として、変位した空気を、半径方向凹部60を通して、その後、中央開口部34から遠ざかる向きに、放射状に排出することができる。半径方向凹部60は、摩擦環38の厚さT全体を長軸方向に通じて延在している。示されている実施形態において、半径方向凹部60は、中央通路39の周りに直径の対で配列される。
【0054】
図11に示されている実施形態において、通気孔58は、1つ又は2つ以上の半径方向溝61を含む。そうした溝は、摩擦環38の近位面62内、外周面63内、及び外側遠位面64内に形成される。示されている実施形態において、半径方向溝61は、中央通路39の周りに直径の対で配列される。
【0055】
止血弁18は、ねじ山付き終端キャップを備えたTuohy-Borst型のもので、この終端キャップを調整することによって、シール弁部材37及び/又は摩擦環38の圧縮を増減することができる。結果として、そこを貫通するカテーテルに対して、シール弁部材37及び/又は摩擦環38が及ぼす摩擦掴み(friction grip)を調整できるようになることが理解される。
【0056】
上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態を参照して示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構成に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。一実施形態に開示される任意の特徴又は構成は、必要に応じて又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴の代わりに又はそれに加えて援用することができる。当業者に理解されるように、図面及び相対的寸法は必ずしも一定の尺度ではない。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) ルーメンを画定する内側ライナーと前記内側ライナーを囲繞する編み組み部材と前記編み組み部材を囲繞する外層とを有する細長いシャフトと、
前記細長いシャフト上に載置された環状電極と、
前記環状電極に連結された遠位端を有する導線と、
近位部分と遷移部分と遠位部分とを有し、かつ前記シャフトに沿って長軸方向に延在するルーメンチューブと、
を備えるガイドシースであって、前記近位部分が前記編み組み部材よりも下位に延在し、前記遠位部分が前記編み組み部材よりも上位に延在し、かつ前記遷移部分が前記編み組み部材内の間隙を貫通している、ガイドシース。
(2) 前記編み組み部材が、前記間隙の遠位にある編み組み遠位部分と、前記間隙の近位にある編み組み近位部分とを有し、前記編み組み遠位部分ではピッチがより大きく、前記編み組み近位部分ではピッチがより小さい、実施態様1に記載のガイドシース。
(3) 前記ルーメンチューブが非円形断面を有する、実施態様1に記載のガイドシース。
(4) 前記ルーメンチューブが略長方形断面を有する、実施態様3に記載のガイドシース。
(5) 前記チューブのルーメンを通じて延在する導線を更に備える、実施態様1に記載のガイドシース。
【0058】
(6) 前記チューブの前記ルーメンにおいて、前記導線がその長さに沿って非線形に延在する、実施態様5に記載のガイドシース。
(7) 前記外層が遠位部分と近位部分とを有し、前記遠位部分ではデュロ硬度がより低く、前記近位部分ではデュロ硬度がより高い、実施態様1に記載のガイドシース。
(8) 前記編み組み部材が、前記外層の材料で充填される隙間空間を有する、実施態様1に記載のガイドシース。
(9) 牽引ワイヤーと、
前記シャフトに沿って長軸方向に延在し、かつ前記編み組み部材よりも下位に延在する牽引ワイヤーチューブと、
を更に備える、実施態様1に記載のガイドシース。
(10) 遠位環を更に含み、前記遠位環に前記牽引ワイヤーの遠位端が固着されている、実施態様9に記載のガイドシース。
【0059】
(11) 前記細長いシャフトが屈曲区分を有する、実施態様1に記載のガイドシース。
(12) 前記編み組み部材内の前記間隙が前記屈曲区分の近位にある、実施態様11に記載のガイドシース。
(13) 操縦ハンドルと止血弁と更に備え、前記止血弁が、少なくとも1つの通気孔を設けた摩擦環を有する、実施態様1に記載のガイドシース。
(14) 前記少なくとも1つの通気孔が半径方向凹部を含む、実施態様13に記載のガイドシース。
(15) 前記少なくとも1つの通気孔が半径方向溝を含む、実施態様13に記載のガイドシース。
【0060】
(16) ガイドシースのシャフトを構築する方法であって、
内側ライナーを提供することと、
ルーメンチューブを前記内側ライナーの外面に並行して長軸方向に位置決めすることと、
編み組み部材を繊維で形成することであって、前記シャフトの第1の部分については、前記内側ライナーの前記外面及び前記ルーメンチューブの第1の部分の両方を覆うように前記繊維を編み組み、前記シャフトの第2の部分については、前記内側ライナーの前記外面を覆うように、ただし、前記ルーメンチューブの第2の部分の下に繊維を編み組む、ことと、
前記内側ライナー、前記編み組み繊維、及び前記ルーメンチューブを覆うように外層を適用することと、
を含む、方法。
(17) 前記シャフトの前記第1の部分と第2の部分との間の接合部において前記ルーメンチューブを遷移させて、前記ルーメンチューブを前記繊維より下位と前記繊維より上位との間で移行させること、
を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記編み組み部材を繊維で形成することが、
前記ルーメンチューブの前記第1の部分を、前記内側ライナー及び前記繊維に対して第1の位置に位置決めすることと、
前記繊維を編み組むことと、
前記編み組みを中断することと、
前記編み組みの中断後に、前記ルーメンチューブの前記第2の部分を、前記内側ライナー及び前記繊維に対して第2の位置に位置決めすることと、
前記ルーメンチューブの前記第2の部分を位置決めした後に、前記編み組みを再開することと、
を含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記外層を適用することが、前記外層をリフローさせることを含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記外層がリフロー可能なプラスチック材料を含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11