(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】現在と以前のマップの併合による反復アブレーションの効率化
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20220124BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20220124BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20220124BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B34/10
A61B34/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018006200
(22)【出願日】2018-01-18
【審査請求日】2020-11-12
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】518020004
【氏名又は名称】ジョージ・モニール
【氏名又は名称原語表記】George Monir
【住所又は居所原語表記】927 Brightwater Circle, Maitland, FL 32751 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・モニール
(72)【発明者】
【氏名】アハロン・ツルゲマン
(72)【発明者】
【氏名】タル・ハイム・バロン
(72)【発明者】
【氏名】ガル・ハヤム
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-142744(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0282005(US,A1)
【文献】特開2007-268259(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0116681(US,A1)
【文献】特開2006-305358(JP,A)
【文献】特開2013-233436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12 - 18/16
A61B 34/10
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓治療のための
プロセッサの動作方法であって、
最初のアブレーション処置において、
前記プロセッサが、患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に取得して保存することと、
前記最初のアブレーション処置に続く、再アブレーション処置のための準備において、
前記プロセッサが、
前記チャンバの現在マップを取得することと、
前記初期マップを前記現在マップに位置合わせすることと、
前記現在マップに、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置をマーキングして表示することと、
を含む、
プロセッサの動作方法。
【請求項2】
前記初期マップを位置合わせすることは、前記初期マップ及び前記現在マップの両方において少なくとも1つの解剖学的ランドマークを識別することと、前記初期マップで識別された前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークを、前記現在マップで識別された前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークの位置と整合させることとを含む、請求項1に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項3】
前記チャンバは前記心臓の左心房であり、前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークは、前記左心房に繋がる上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部を含む、請求項2に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項4】
前記アブレーション損傷部の前記位置を表示することは、前記現在マップに、前記最初のアブレーション処置で作成された幅広の周方向アブレーション(WCA)ラインを重ね合わせることを含み、前記再アブレーション処置は、前記WCAの少なくとも1つの伝導ギャップを閉鎖するために選択された部位で、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含む、請求項1に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項5】
前記心臓の前記チャンバの電気活動を検知することと、前記アブレーション損傷部の間の伝導ギャップを示している前記検知された電気活動の表示を前記現在マップに表示することとを含む、請求項1に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項6】
前記再アブレーション処置は、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含み、前記
プロセッサの動作方法は、前記現在マップに、前記更なる組織をアブレーションすることにより作成された更なるアブレーション損傷部の前記位置を、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部と一緒にマーキングして表示することを含む、請求項1に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項7】
前記アブレーション損傷部は、前記心臓の前記チャンバの心筋組織に無線周波(RF)エネルギーを適用することによって生成される、請求項1に記載の
プロセッサの動作方法。
【請求項8】
心臓治療のためのシステムであって、
患者の心臓のチャンバの中に挿入するように構成されたプローブと、
プロセッサであって、最初のアブレーション処置で取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信するように構成されており、前記最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備で前記プローブを用いて前記チャンバの現在マップを取得し、前記初期マップを前記現在マップに位置合わせし、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置を前記現在マップにマークして表示するように結合されている、プロセッサと、
を備える、システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記初期マップ及び前記現在マップの両方において少なくとも1つの解剖学的ランドマークを識別することと、前記初期マップで識別された前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークを、前記現在マップで識別された前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークの位置と整合させることとによって、前記初期マップを位置合わせするように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記チャンバは前記心臓の左心房であり、前記少なくとも1つの
解剖学的ランドマークは、前記左心房に繋がる上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部を含む、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記現在マップに、前記最初のアブレーション処置で生成された幅広の周方向アブレーション(WCA)ラインを重ね合わせるように構成されており、前記再アブレーション処置は、前記WCAの少なくとも1つの伝導ギャップを閉鎖するために選択された部位で、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含む、請求項
8に記載のシステム。
【請求項12】
前記プローブは、前記心臓の前記チャンバの電気活動を検知するように構成されており、前記プロセッサは、前記アブレーション損傷部の間の伝導ギャップを示している前記検知された電気活動の表示を前記現在マップに表示するように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項13】
前記再アブレーション処置は、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含み、前記プロセッサは、前記現在マップに、前記更なる組織をアブレーションすることにより作成された更なるアブレーション損傷部の前記位置を、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部と一緒にマーキングして表示するように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項14】
前記アブレーション損傷部は、前記心臓の前記チャンバの心筋組織に、前記プローブによって無線周波(RF)エネルギーを適用することによって生成される、請求項
8に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記心臓内で前記プローブを動かしながら前記プローブの座標を追跡することにより前記現在マップを取得するように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項16】
コンピュータプログラム
であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって読み出された場合に、前記プロセッサに、最初のアブレーション処置において取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信させ、前記最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備において前記チャンバの現在マップを取得させ、前記初期マップを前記現在マップと位置合わせさせ、前記現在マップに、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置をマークして表示させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2017年1月19日出願の米国特許仮出願第62/447,936号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、広くは、侵襲的医療処置のためのシステム及び方法に関し、具体的には、そのような治療を追跡及び評価することに関する。
【背景技術】
【0003】
心臓内の低侵襲的なアブレーションは、各種不整脈の治療の選択肢である。このような治療を実施するために、医師は、典型的には、血管系を介して心臓にカテーテルを挿入し、異常な電気活動の区域においてカテーテルの遠位端を心筋組織と接触させ、続いて、組織壊死を生じさせるために、遠位端で又は遠位端の近傍で1つ又は2つ以上の電極に通電する。
【0004】
Biosense Webster Inc.(カリフォルニア州Irvine)により提供されるCARTO(登録商標)システムのような、心臓内アブレーション療法のための数多くのシステムが市販されている。CARTOはカテーテルの遠位端の位置及び動作パラメータを追跡し、その情報を電子的に心臓の3次元(3D)生体構造マップに表示する。CARTOは、システムオペレータがアブレーションされた場所をマップ上に電子的に標識付けすることを可能にし、したがって、処置の進行を追跡記録することを可能にする。
【0005】
これらの種類の機能は、例えば、米国特許第8,900,225号に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本特許は、プローブを患者の身体内の器官に接触させる医療処置を実行するための方法を記載する。器官のマップが表示され、そのマップに対するプローブの位置が追跡される。療法は、プローブとの接触がもたらされる器官における多数の組織部位で、プローブを介して適用される。療法を適用している間に、プローブと組織部位との間の接触の安定性が評価される。療法が適用された組織部位を示すために、評価された安定性に応答して、マップは自動的にマーキングされる。
【0006】
心房細動(AF)は、肺静脈区域及び肺静脈周囲の区域に由来する不整脈電気活動に起因することが多い。この症状は、肺静脈隔離(PVI)により治療されることができ、治療では、カテーテルを左心房に挿入し、肺静脈口の周囲の心筋組織を、通常、無線周波(RF)エネルギーを適用することによってアブレーションして、組織に損傷部を形成する。手術中の医師は、カテーテルを用いて複数の重なり合うアブレーション損傷部を形成し、それは肺静脈の周囲の組織に幅広の周方向アブレーション(WCA)ラインを形成し、これにより肺静脈と心房との間の任意の伝導路を遮断する。この治療は、例えば心臓の形状及び電気活動をマッピングすることと、組織をアブレーションするためにRFエネルギーを適用することとの両方が可能である、上述のCARTOシステムを用いて実行され得る。RFアブレーション(RFA)によるPVIは、成功した場合に、不整脈電流を完全にブロックし、したがってAFを永久的に解決する。
【0007】
しかし、多くの場合では、AFは治療後に再発し、元のPVI処置日から長くたっている場合もある。この種のAFの再発は、かなりの割合の患者で肺静脈から左心房への伝導の再発に関連することが示されている。再発を治療して解決するため、医師は再度、カテーテルを左心房に挿入し、適切な位置に新規RFA損傷部を追加してWCAラインに存在する伝導ギャップ(CGs)を閉鎖し、PVsを完全に隔離する。この種の反復RFA処置は、「再アブレーション(redo ablation)」として当該技術分野で既知である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に記載される本発明の実施形態は、アブレーション処置を実行する方法及びシステム、特に再アブレーションの容易さ及び有効性を向上する方法及びシステムを提供する。
【0009】
したがって、本発明の実施形態によれば、最初のアブレーション処置において、患者の心臓のチャンバの初期マップを、初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に取得して保存することを含む、心臓治療の方法を提供する。最初のアブレーション処置に続く、再アブレーション処置の準備において、チャンバの現在マップが取得され、初期マップは現在マップと位置合わせされ、位置合わせされた初期マップからのアブレーション損傷部の位置は現在マップにマークされて表示される。
【0010】
いくつかの実施形態では、初期マップを位置合わせすることは、初期マップ及び現在マップの両方において少なくとも1つの解剖学的ランドマークを識別することと、初期マップで識別された少なくとも1つのランドマークを、現在マップで識別された少なくとも1つのランドマークの位置と整合させることとを含む。開示された実施形態では、チャンバは心臓の左心房であり、少なくとも1つのランドマークは、左心房に繋がる上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部を含む。
【0011】
追加的又は代替的に、アブレーション損傷部の位置を表示することは、現在マップに、最初のアブレーション処置で生成された幅広い周方向アブレーション(WCA)ラインを重ね合わせることを含み、再アブレーション処置は、WCAの少なくとも1つの伝導ギャップを閉じるために選択された部位で、チャンバ内の更なる組織をアブレーションすることを含む。
【0012】
開示された実施形態では、方法は、心臓のチャンバの電気活動を検知することと、アブレーション損傷部の間の伝導ギャップを示している検知された電気活動の表示を現在マップに表示することとを含む。追加的又は代替的に、再アブレーション処置は、チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含み、方法は、現在マップに、更なる組織をアブレーションすることにより形成された更なるアブレーション損傷部の位置を、位置合わせされた初期マップからのアブレーション損傷部と一緒にマーキングして表示することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、アブレーション損傷部は、心臓のチャンバの心筋組織に無線周波(RF)エネルギーを適用することによって生成され、初期マップ及び現在マップは、プローブを心臓のチャンバの中に挿入することと、心臓内でカテーテルを動かしながらプローブの座標を追跡することにより取得される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、患者の心臓のチャンバの中に挿入するように構成されたプローブを備える、心臓治療のためのシステムも提供される。プロセッサは、最初のアブレーション処置で取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信するように構成されており、最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備でプローブを用いてチャンバの現在マップを取得し、初期マップを現在マップと位置合わせし、位置合わせされた初期マップからのアブレーション損傷部の位置を現在マップにマークして表示するように結合されている。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、コンピュータソフトウェア製品が更に提供され、コンピュータソフトウェア製品は、プログラム命令が記憶されるコンピュータ可読媒体を含み、命令がプロセッサにより読み出されると、プロセッサに、最初のアブレーション処置で取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信させ、最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備においてチャンバの現在マップを取得させ、初期マップを現在マップと位置合わせさせ、位置合わせされた初期マップからのアブレーション損傷部の位置を現在マップにマークして表示させる。
【0016】
本発明は、以下の発明を実施するための最良の形態を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による心臓内アブレーションのためのシステムを概略的に示す絵図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、最初のアブレーレーション治療の終了時の患者の左心房のマップの概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、再アブレーション処置を開始する直前に生成された、
図2に示す左心房のマップの概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、再アブレーション処置を実行するための方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による、互いにマップを位置合わせするのに用いられるランドマークを示す
図2及び
図3のマップの概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、以前及び現在のアブレーション損傷部の両方を表すタグを有する左心房のマップの概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、以前及び現在のアブレーション損傷部の両方を表すタグを有する左心房のマップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概論
再アブレーション処置の課題のうちの1つは、以前の処置で作成されたWCAラインの正確な位置を見つけることであり、その結果、肺静脈の再隔離を達成するために必要な位置に新規RFA損傷部を正確に配置することができる。この目的のために、以前のマッピング及びアブレーション処置の間に取得されたデータは、再アブレーションの間に利用可能であり、特に、これらの早期データは、医師が再アブレーションの実行中に現在観察している心房のマップの中に組み込まれる。一部の既存のマッピングツールは、ユーザが心臓の異なる画像を重ね合わせて位置合わせすることを可能にするが、医師が、現在マップ上の以前の処置から、WCAラインを含むマッピング及びアブレーションデータを観察して使用することを可能にしない。以前に取得されたマップ及びアブレーションデータを現在マップに組み込むことが不可能なことで、RFAの不必要な反復をまねき、処置時間を延長させる。
【0019】
より一般的には、医師は、心室頻脈(VT)のような、心臓の、異なるチャンバに由来する様々な別のリズム障害の治療において、同じ種の課題に遭遇する。以前のセッションで取得されたマッピング及びアブレーションデータの使用が不可能なことで、重大な制限を生じる。これらのデータは、再実行において、以前のアブレーションの正確な標的づけ及び/又は価値づけのために重要になり得る。
【0020】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、以前に取得されたマップとRFAデータを、再アブレーション処置において医師により使用される現在マップと位置合わせして重ね合わせるための、ソフトウェアで実施される新規技術を提供する。位置合わせ及び重ね合わせは、以前のマップと現在マップとの正確な整合に依拠し、以前及び現在マップの心臓チャンバの内面は、以前と現在処置との間に長期間(場合によっては約1年以上)が経過している場合であっても、互いに正確に位置合わせされる。
【0021】
整合は、特に、発明者らが左心房の正確で信頼性のある位置合わせを容易にすることを発見した、上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部のような解剖学的ランドマーク、又は心臓の他の不整脈及びチャンバでは他の固定された解剖学的ランドマークを一致させることに通常基づく。例えば、他の心臓チャンバでは、冠状静脈洞、His束、又は上下大静脈のような解剖学的ランドマークが、個々に、若しくは組み合わせて、マップの位置合わせ及び整合のために用いられ得る。したがって、図面に示される実施形態は左心房における心房細胞のRFA治療に特に関連するが、本発明の原理は、心室頻脈のような心房又は心室の他の症状の治療に同様に適用されてもよい。
【0022】
更に、以下に記載される実施形態は特にRFAに関連するが、本発明の原理は、超音波アブレーション又は凍結アブレーションのような当該技術分野で既知である他のアブレーション様式を用いる再処置を容易にするため、必要な変更を加えて同様に適用されてもよい。
【0023】
このような方法で、以前のマップデータとRFA損傷部データの現在マップへの自動位置合わせ、重ね合わせ、及び視覚化は、これらのデータの重複にユーザの関与を必要とすることなく、再アブレーション時間を容易にし短縮することが分かった。事実上、再アブレーションは、以前の処置の延長となる。以前の損傷部セットを現在マップ上で直接観察する能力は、医師が以前の処置の失敗の原因を理解し、将来の治療を向上するのに役立つ。
【0024】
システムの説明
図1は、本発明の実施形態により動作する心臓マッピング及びアブレーションシステム20の概略的な絵図である。システム20は、例えば上述のCARTOシステムに基づく、システムソフトウェアに適切な追加をしたものであってよい。システム20は、カテーテル24などのプローブ及び制御コンソール34を備える。以下に説明する実施形態では、カテーテル24は患者30の心臓26の1つ以上のチャンバにおける不整脈の部位のアブレーションに使用される。
【0025】
例えば心臓専門医のようなオペレータ22は、カテーテルの遠位端が患者の心臓26のチャンバに入るように、カテーテル24を患者30の血管系を通して挿入する。オペレータ22は、カテーテルの遠位先端で電極28が所望のアブレーション部位で心臓内組織と係合するようにカテーテルを進める。カテーテル24は、典型的には、適したコネクタによりその近位端にてコンソール34に、具体的には、カテーテル24を介して電極28に伝送するためのRFエネルギーを発生する無線周波(RF)発生器36に、接続される。オペレータ22は、心臓の不整脈が疑われる部位で及び/又はその周りで組織のアブレーションを行うためにRF発生器36を作動する。
【0026】
この図示されている実施形態では、システム20は、磁気位置検出を用いて心臓26内部のカテーテル24の遠位端の位置座標を決定する。この目的のために、コンソール34内の駆動回路38が、磁場発生器32を駆動して、患者30の身体内に磁場を生成する。典型的には、磁場発生器32は、患者の胴体の下の、既知の定位置に配置されるコイルを含む。これらのコイルは、心臓26を含む既定の作業ボリューム内に磁場を生成する。カテーテル24の遠位端内の磁場センサ(図示せず)は、これらの磁場に反応して電気信号を生成する。信号プロセッサ40は、典型的には位置及び方向座標の両方を含むカテーテル24の遠位端の位置座標を決定するためにこれらの信号を処理し、心臓の内面のマップを作成するためにこれらの座標を追跡する。この位置検出法は、上述のCARTOシステムに導入されており、当該技術分野では公知である。代わりに又は加えて、システム20は、超音波又は電気インピーダンスに基づく方法など当該技術分野で公知の他の位置検出法を使用してもよい。
【0027】
加えて、カテーテル24は、カテーテル先端と心臓26の壁との間の接触力を測定するための力センサ(図示せず)をその遠位端に備えてもよい。CARTOシステムのためにBiosense Webster Inc.が開発したSmartTouch(商標)カテーテルはこのような能力を提供する。このようなカテーテルは、例えば、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる米国公開特許出願第2011/0130648号に記載されている。力の測定は、RFエネルギーを効果的に伝達し、心臓組織のアブレーションを行うために、電極28が心壁と十分にしっかりと接触していることを確認するために有用である。力の測定は、以下に説明するように、アブレーション部位の標識づけにおいてプロセッサ40によって使用することも可能である。
【0028】
コンソール34内のプロセッサ40は、典型的には、カテーテル24からの信号を受信するため、並びにコンソール34の他の構成要素からの入力を制御及び受信するための適切な前方端及びインターフェース回路を備える汎用コンピュータプロセッサを含む。プロセッサ40は、以下に説明される機能を実行するため、ソフトウェアにプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを通じて電子的形態でプロセッサ40にダウンロードされてもよく、あるいは、代わりに又は加えて、このソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記録媒体などの、実体のある、非一過性の媒体上に提供されてもよい。更に、代わりに又は加えて、プロセッサ40の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0029】
カテーテル24及びシステム20の他の構成要素から受信した信号に基づいて、プロセッサ40はディスプレイ42を駆動して、心臓26の3次元(3D)マップ44をオペレータ22に提示する。マップは、患者の身体内のカテーテルの位置に関する可視フィードバック、並びに進行中の手技に関する状態情報及び案内を提供すると共に、カテーテル24が測定した心臓の電気生理学的活動を示すことができる。カテーテル24及びシステム20の他の構成要素により測定され、かつディスプレイ42に示され得る他のパラメータとしては、例えば、カテーテルと心臓組織との間の接触力、心臓組織の電気インピーダンス、局所的温度、及びカテーテルを通じて送達されるRF電力を挙げることができる。
【0030】
プロセッサ40は、それがシステム20から受信するパラメータを、心臓26のそれぞれの処置部位でのアブレーションの妥当性の指標として評価する。所与の部位のアブレーションパラメータが特定の既定の基準を満たすと、プロセッサはその部位を示すために、「タグ」ともいう、マーク46をマップ44に自動的に配置する。プロセッサはそれぞれの部位でパラメータに応じてマーク46の外観(それらの色など)を変えることができる。アブレーション部位の自動マーキングのための基準は予め構成されてもよく、あるいは、代わりに又は加えて、その基準はオペレータ22によって、ユーザーインターフェイスコントロール50及び画面上のメニューを典型的には使用して、設定されてもよい。加えて、又は代替的に、オペレータ22は、アブレーション部位にマーク46を配置するようにコントロール50を用いてプロセッサに指示することができる。
【0031】
図の実施形態では、カテーテル24はオペレータ22により手動操作されているが、システム20は、代わりに又は加えて、患者30の身体内でカテーテルを操作及び動作するための自動機構(図示せず)を備えてもよい。そのような実施形態では、プロセッサ40は、上述のもののように、カテーテルの磁場センサにより提供される信号及び他のシステムパラメータに基づいて、カテーテル24の動きを制御するための制御入力を生成する。
【0032】
操作方法
図2及び
図3は、それぞれ、AFを治療するための最初のPVI治療中、及びAFの再発を解決するために後続する再アブレーション治療の、患者の左心房のマップ60及び62の概略図である。これらの図面は、約1年経て実行された処置から得られた、実際のマップの再現である。処置は、CARTOシステムを用いて実行され、マップ60及び62は、手術中の医師が心臓内にマッピング及びアブレーションカテーテルを操作する間に、システムによって自動的に取得された。マップ60に示されたマーキングは、CARTOシステムにより同様に作成され、Visitag(商標)マーク46(図面では心臓表面に重ね合わせられた小さなボールとして表される)を含み、それはRFA位置を示し、また各位置でアブレーションパラメータに関するデータを保持してもよい。
【0033】
マップ60は、最初のアブレーション治療の終了時の左心房を示し、一方、マップ62は、再アブレーションを開始する直前(1年後)の同じ心房を示す。マップ60上のVisitagマーク46(及び/又は他のRFAマーク)は、肺静脈口の周囲の最初の治療で医師によりアブレーションされた周方向WCAラインの位置を示す。このようなマークは、最初にマップ62には現れず、したがって、再処置の間、どの位置が以前の処置で既にアブレーションされていたかを識別することがオペレータ22にとって困難になる。
【0034】
図4は、本発明の実施形態による、以前のマップ(マップ60など)から現在マップ(マップ62など)へRFA損傷部の位置を自動的に転送しながら、再アブレーション処置を実行するための方法を概略的に示すフローチャートである。この方法は、具体的及び明瞭化のために、システム20(
図1)の構成要素と、
図2、
図3及び
図5~
図7に示される左心房の例示的なマップのシーケンスを参照して説明される。代替的に、前述のように、この方法は、他の種のアブレーションシステムを用いて実行することができ、心臓の他のチャンバにも同様に適用することができる。
【0035】
最初のアブレーション処置において、本再アブレーションの前の予備工程70で、コンソール34は、例えば、
図2に示すように、初期マップにマークされたRFA損傷部の位置を有する心臓チャンバの初期マップを取得して保存する。続く再アブレーション処置を開始する前に、コンソール34は、マップ取得工程72で、
図3に示されたマップ62のようなチャンバの現在マップを取得する。次いで、コンソール34は、マップ位置合わせ工程74で、初期マップを現在マップと位置合わせする。この位置合わせは、初期マップと現在マップの両方の1つ以上の解剖学的ランドマークを識別することと、初期マップで識別されたランドマークを現在マップで識別された同じランドマークの位置と整合させることによって実行され得る。
【0036】
図5は、(
図2及び
図3からの)マップ60及び62の概略図であり、本発明の実施形態による、マップの位置合わせに用いられるランドマーク76、78、80を示す。マップ60及び62は、視覚化を助けるため、
図5に並べて示されている。この例では、左心房の左右側の上下肺静脈82の間の気管分岐部は、ランドマーク76及び78として役立つ。これらの気管分岐部は、便利なことに、オペレータアシスタンスの有無にかかわらず、マップ60及び62の幾何学的分析により自動的に見つけることができる。ランドマーク80は、本例では、二等辺三角形の頂点であるように選択されており、その底辺はランドマーク76と78との間に描かれる。コンソール34は、マップ60及び62のランドマーク76、78及び80を整合し、初期マップを現在マップのマップ表面と位置合わせする。
【0037】
ここで
図4に戻って、工程74での初期マップと現在マップとの間の位置合わせに基づき、コンソール34は、マーキング工程84で、初期マップからのRFA損傷部の位置を現在マップに(すなわち、本例ではマップ62に)マークして表示する。この方法では、初期マップからのWCAラインに対応しているVisitag及び/又は他のRFAマークは、現在マップに正確に対応する位置で表示されている。アブレーション工程90で、オペレータ22は、カテーテル24を操作し、システム20を作動して、左心房の更なる組織をアブレーションする。オペレータ(又は自動的に動作しているシステム20)は、現在マップのマーキングを用いて、以前のRFA損傷部に近接するアブレーション部位を選択し、特に以前にアブレーションされたWCAラインで開口した任意のギャップを閉鎖することができる。
【0038】
図6及び
図7は、本発明の実施形態による、2つの異なる角度から見たマップ62の概略図であり、工程84及び90で実行される操作を示す。マップ62は、最初のアブレーション処置で以前に作られたアブレーション損傷部を示すマーク86と、現在の処置でアブレーションされた部位の新規マーク92との両方を含む。マーク86は、工程74で実行される位置合わせに基づきマップ60からマップ62へ転送され、一方、マーク92は、工程90でアブレーションされる部位に対応するようにコンソール34によってマップ62に追加される。
【0039】
図6及び
図7はまた、マップ62の表面に重ね合わせられる電気活動マップ88を示す。システム20は、カテーテル24又は別のセンシングカテーテル(図示せず)を用いて、左心房の電気活動を検知することでこの電気活動マップを取得する。電気活動マップ88は、不整脈電気活動が「漏出する」WCAラインのギャップの位置を視覚化する際に、過去のRFA位置を示しているマーク86と共に有用である心房壁の電気活動の表示を与える。これによって、オペレータは、ギャップを閉じるために選択される位置に新規RFA損傷部を形成することができ、マップ88に示す電気活動に(対応するマーク92で示される)これら新規損傷部の効果を観察できる。
【0040】
臨床結果
発明者らは、再PVIにおける処置及びRFA時間の減少において本技術の利用効果を調べるために臨床研究を実行した。CARTOシステムで稼働するソフトウェアは、以前に取得されたマップとRFA損傷部マークを現在活動マップに用いるのに組み込む際に使用された。
【0041】
再発性心房細動のため再RFAを提示する50人の患者(Pts)が、この研究に登録された。グループ(GR)1には、現在マップに併合され得る以前のマップを有する23人のPtsが含まれた。GR2には、利用可能な以前のマップがない27人のPtsが含まれた。両グループは、左心房と肺静脈のCARTO 3Dマッピングを受け、解剖学的構造シェルを作成した。GR1では、以前のマップは現在の活動マップに併合された。電気活動マップ(特に活性化マップ)は、伝導ギャップ(CGs)を局所化するために作成され、焦点RFAは、肺静脈隔離(PVI)を達成する目的でWCAライン上のCGsを標的にするためにのみ送達された。GR2では、CG局所化と、PVIを達成するためのRFAの案内の標準的な方法が用いられた。
【0042】
両グループにおいて、以下のデータ、つまりPVペア(PVP)に対する、RFA時間(RFA-T)、完全RFAまでの持続時間(RFA-D)、及びPVIを達成するための総処置持続時間(TP-D)が収集されて比較された。TP-Dは、マッピング時間とRFA-Dの合計として定義される。
【0043】
結果:グループ1は、以下に表Iで示すように、測定された処置パラメータ(分)の統計的に有意な減少を有した。
【0044】
【0045】
結論:上記技術を用いる再PVIは、伝導ギャップの正確な局所化を容易にし、PVIを達成するためにRFA及び処置時間を有意に減少する。
【0046】
上に述べた実施形態は例として挙げたものであり、本発明は上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述されている種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者が想起するであろう、先行技術に開示されていないそれらの変形及び修飾を含む。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) 心臓治療のための方法であって、
最初のアブレーション処置において、患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に取得して保存することと、
前記最初のアブレーション処置に続く、再アブレーション処置のための準備において、
前記チャンバの現在マップを取得することと、
前記初期マップを前記現在マップに位置合わせすることと、
前記現在マップに、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置をマーキングして表示することと、
を含む、方法。
(2) 前記初期マップを位置合わせすることは、前記初期マップ及び前記現在マップの両方において少なくとも1つの解剖学的ランドマークを識別することと、前記初期マップで識別された前記少なくとも1つのランドマークを、前記現在マップで識別された前記少なくとも1つのランドマークの位置と整合させることとを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記チャンバは前記心臓の左心房であり、前記少なくとも1つのランドマークは、前記左心房に繋がる上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記アブレーション損傷部の前記位置を表示することは、前記現在マップに、前記最初のアブレーション処置で作成された幅広の周方向アブレーション(WCA)ラインを重ね合わせることを含み、前記再アブレーション処置は、前記WCAの少なくとも1つの伝導ギャップを閉鎖するために選択された部位で、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記心臓の前記チャンバの電気活動を検知することと、前記アブレーション損傷部の間の伝導ギャップを示している前記検知された電気活動の表示を前記現在マップに表示することとを含む、実施態様1に記載の方法。
【0048】
(6) 前記再アブレーション処置は、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含み、前記方法は、前記現在マップに、前記更なる組織をアブレーションすることにより作成された更なるアブレーション損傷部の前記位置を、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部と一緒にマーキングして表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記アブレーション損傷部は、前記心臓の前記チャンバの心筋組織に無線周波(RF)エネルギーを適用することによって生成される、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記初期マップ及び前記現在マップは、プローブを前記心臓の前記チャンバの中に挿入することと、前記心臓内で前記カテーテルを動かしながら前記プローブの座標を追跡することにより取得される、実施態様1に記載の方法。
(9) 心臓治療のためのシステムであって、
患者の心臓のチャンバの中に挿入するように構成されたプローブと、
プロセッサであって、最初のアブレーション処置で取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信するように構成されており、前記最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備で前記プローブを用いて前記チャンバの現在マップを取得し、前記初期マップを前記現在マップに位置合わせし、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置を前記現在マップにマークして表示するように結合されている、プロセッサと、
を備える、システム。
(10) 前記プロセッサは、前記初期マップ及び前記現在マップの両方において少なくとも1つの解剖学的ランドマークを識別することと、前記初期マップで識別された前記少なくとも1つのランドマークを、前記現在マップで識別された前記少なくとも1つのランドマークの位置と整合させることとによって、前記初期マップを位置合わせするように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0049】
(11) 前記チャンバは前記心臓の左心房であり、前記少なくとも1つのランドマークは、前記左心房に繋がる上肺静脈と下肺静脈との間の気管分岐部を含む、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記プロセッサは、前記現在マップに、前記最初のアブレーション処置で生成された幅広の周方向アブレーション(WCA)ラインを重ね合わせるように構成されており、前記再アブレーション処置は、前記WCAの少なくとも1つの伝導ギャップを閉鎖するために選択された部位で、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含む、実施態様9に記載のシステム。
(13) 前記プローブは、前記心臓の前記チャンバの電気活動を検知するように構成されており、前記プロセッサは、前記アブレーション損傷部の間の伝導ギャップを示している前記検知された電気活動の表示を前記現在マップに表示するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(14) 前記再アブレーション処置は、前記チャンバの更なる組織をアブレーションすることを含み、前記プロセッサは、前記現在マップに、前記更なる組織をアブレーションすることにより作成された更なるアブレーション損傷部の前記位置を、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部と一緒にマーキングして表示するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(15) 前記アブレーション損傷部は、前記心臓の前記チャンバの心筋組織に、前記プローブによって無線周波(RF)エネルギーを適用することによって生成される、実施態様9に記載のシステム。
【0050】
(16) プロセッサは、前記心臓内で前記プローブを動かしながら前記プローブの座標を追跡することにより前記現在マップを取得するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(17) プログラム命令が記憶されるコンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、命令は、プロセッサによって読み出された場合に、前記プロセッサに、最初のアブレーション処置において取得された患者の心臓のチャンバの初期マップを、前記初期マップにマークされたアブレーション損傷部の位置と共に受信させ、前記最初のアブレーション処置に続く再アブレーション処置のための準備において前記チャンバの現在マップを取得させ、前記初期マップを前記現在マップと位置合わせさせ、前記現在マップに、前記位置合わせされた初期マップからの前記アブレーション損傷部の前記位置をマークして表示させる、コンピュータソフトウェア製品。