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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
E03C1/042 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018065453
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019173486
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正規
(72)【発明者】
【氏名】板頭 伸明
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-203530(JP,A)
【文献】特開2011-122356(JP,A)
【文献】特開2015-068364(JP,A)
【文献】特開平05-214749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓装置であって、
前記水栓装置が配置される被取付部に取り付けられる筒状の取付部を有し、電磁弁が設けられた水栓本体と、
前記水栓本体の一次側に装着される給水用ホースと、
ハーネスと、を備え、
前記給水用ホースは、ホース本体と、前記水栓本体に接続される接続部と、前記ホース本体と前記接続部とを固定するカシメ部と、を有し、
前記カシメ部は、前記取付部の内部に配置され、
前記ハーネスは、前記給水用ホースとともに、前記取付部の内周面に近接又は当接した状態で囲まれて、前記取付部の内部に通される水栓装置。
【請求項2】
前記ハーネスは、平板状に形成される請求項1に記載の水栓装置。
【請求項3】
前記水栓本体は、前記ハーネスを保持する保持部を有し、
前記取付部は、前記保持部に保持された前記ハーネスを前記取付部の内部に案内するテーパ部を有する請求項2に記載の水栓装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記被取付部の取付穴の中心軸の延長線上において前記水栓本体と接続される請求項1又は2に記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動水栓装置において、電磁弁を収容する水栓本体を馬蹄金具でカウンタなどを取り付ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3968615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、水栓本体を馬蹄金具で固定するため、給水用ホースを馬蹄金具で挟み込んでしまう可能性があった。給水用ホースを馬蹄金具で挟み込んでしまうと、給水用ホースにダメージを与えることになる。そのため、給水用ホースにダメージを生じさることを抑制できる構成が望まれる。
【0005】
また、給水用ホースが水栓本体の一次側に接続される一次側ホースである場合には、給水用ホースは、水栓本体に水が供給される際に、高い水圧を受けることがある。給水用ホースが、ホース本体と、水栓本体に接続するための接続部と、接続部とホース本体とを固定するカシメ部と、を有する場合に、一次側の水圧が高い場合に、給水用ホースは、カシメ部が膨れて破損する可能性がある。そのため、カシメ部が膨れて破損することを抑制できることが望まれる。
【0006】
本発明は、給水用ホースにダメージを生じさせることを抑制できると共に、給水用ホースのカシメ部が膨れて破損することを抑制できる水栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水栓装置(例えば、後述の自動水栓2)であって、前記水栓装置が配置される被取付部(例えば、後述の上面板112)に取り付けられる筒状の取付部(例えば、後述の取付脚40)を有し、電磁弁(例えば、後述の電磁弁34)が設けられた水栓本体(例えば、後述の水栓本体3)と、前記水栓本体の一次側に装着される給水用ホース(例えば、後述の給水用ホース14)と、ハーネス(例えば、後述の第2ハーネス302)と、を備え、前記給水用ホースは、ホース本体(例えば、後述のホース本体141)と、前記水栓本体に接続される接続部(例えば、後述のホース側接続部142)と、前記ホース本体と前記接続部とを固定するカシメ部(例えば、後述のカシメ部143)と、を有し、前記カシメ部は、前記取付部の内部に配置され、前記ハーネスは、前記給水用ホースとともに、前記取付部の内周面に近接又は当接した状態で囲まれて、前記取付部の内部に通される水栓装置に関する。
【0008】
また、前記ハーネスは、平板状に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記水栓本体は、前記ハーネスを保持する保持部(例えば、後述の底面側スリット溝521)を有し、前記取付部は、前記保持部に保持された前記ハーネスを前記取付部の内部に案内するテーパ部(例えば、後述のテーパ開口部421a)を有することが好ましい。
【0010】
また、前記接続部は、前記被取付部の取付穴(例えば、後述の取付穴112a)の中心軸の延長線上において前記水栓本体と接続されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、給水用ホースにダメージを生じさせることを抑制できると共に、給水用ホースのカシメ部が膨れて破損することを抑制できる水栓装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る自動水栓が設けられた洗面台装置を示す斜視図である。
図2】本実施形態の自動水栓の水栓本体の外観を示す斜視図である。
図3】本実施形態の自動水栓の水栓本体を示す断面図である。
図4】水栓本体からカバー部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図5】電磁弁ボディ部、第1キャップ部及び第2キャップ部を左右方向の一方側の側方から見た斜視図である。
図6】電磁弁ボディ部、第1キャップ部及び第2キャップ部を左右方向の他方側の側方から見た斜視図である。
図7】電磁弁ボディ部の断面斜視図である。
図8】水栓本体からカバー部材を取り外した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動水栓2が設けられた洗面台装置1を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る自動水栓2は、洗面台装置1に設けられる。洗面台装置1は、洗面器11と、本発明に係る自動水栓2(水栓装置)と、洗浄液吐出装置13と、排水管15と、止水栓装置16と、を有する。本発明に係る自動水栓2は、水栓本体3と、電池ボックス7(電源回路)と、給水用ホース14と、を有する。
【0015】
洗面器11は、凹状に形成されるボウル部111と、洗面器11の奥側の上部に配置される上面板112(被取付部)と、を有する。ボウル部111は、自動水栓2から吐出された水を受ける。
【0016】
排水管15は、ボウル部111の下部に接続され、上下方向に延びる。排水管15は、ボウル部111から排出された水を、洗面台装置1の外部に導出する。
【0017】
水栓本体3は、洗面器11の上面板112に取り付けられる。洗面器11の上面板112は、水栓本体3が配置される被取付部である。水栓本体3は、吐水部32を有する。水栓本体3においては、センサ部35が物体を検知することにより、吐水部32からは、水が吐出される。
【0018】
給水用ホース14は、水栓本体3の下端部に装着され、水栓本体3の下端部から下方に延びる。給水用ホース14は、給水管(図示せず)により供給される水を、止水栓装置16を介して、水栓本体3に供給する。
【0019】
電池ボックス7は、洗面器11の上面板112の上面よりも下方であって、洗面器11の下方に配置される。電池ボックス7は、センサ部35の電源や電磁弁34(後述、図3参照)の電源となる電源回路を構成する。電池ボックス7は、洗面所の壁(図示せず)と止水栓装置16とを連結する給水管(図示せず)に取り付けられている。
【0020】
次に、本実施形態に係る自動水栓2について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の自動水栓2の水栓本体3の外観を示す斜視図である。図3は、本実施形態の自動水栓2の水栓本体3を示す断面図である。図4は、水栓本体3からカバー部材31を取り外した状態を示す斜視図である。図5は、電磁弁ボディ部60、第1キャップ部501及び第2キャップ部502を左右方向の一方側の側方から見た斜視図である。図6は、電磁弁ボディ部60、第1キャップ部501及び第2キャップ部502を左右方向の他方側の側方から見た斜視図である。図7は、電磁弁ボディ部60の断面斜視図である。図8は、水栓本体3からカバー部材31を取り外した状態を示す断面図である。
【0021】
自動水栓2は、前述の通り、図1に示すように、水栓本体3と、電池ボックス7と、給水用ホース14と、を備える。水栓本体3は、図2及び図3に示すように、カバー部材31と、吐水部32と、吐水部側流路構成部33(第2流路構成部)と、取付脚40(取付部)と、電磁弁ボディ部60と、電磁弁34と、センサ部35と、回路ユニット36と、を備える。
【0022】
カバー部材31は、図2及び図3に示すように、上面311aを有して上下方向に延びる胴体筒部311と、胴体筒部311の上方側の前方側の側面に接続される傾斜筒部312と、を有する。傾斜筒部312は、胴体筒部311の上方側の前方側の側面から、前方側に向かうに従って下方に下るように傾斜する。胴体筒部311及び傾斜筒部312は、一体部材で形成され、継ぎ目が存在しない。
【0023】
胴体筒部311は、図3に示すように、水栓本体3の胴体の外表面を構成する。胴体筒部311の後方側の側面には、水抜き穴311bが形成される。水抜き穴311bは、胴体筒部311高さ方向において、取付脚40(後述)の径方向環状突出板44(後述)の上面と周壁部43(後述)の上面との間の上下方向の範囲に少なくとも貫通するように形成されている。水抜き穴311bは、後述するように、取付脚40(後述)の中間半円ガイド板部53(後述、図4参照)及び立設ガイド壁54(後述、図4参照)により取付脚40の周壁部43(後述)の外側に導かれた水を、水栓本体3の外部に排出する。
【0024】
カバー部材31は、後述する取付脚40に着脱可能に取り付けられる。カバー部材31の内部には、図3に示すように、吐水部32、吐水部側流路構成部33、取付脚40の一部分、電磁弁ボディ部60、電磁弁34、センサ部35及び回路ユニット36が配置される。カバー部材31は、吐水部32、吐水部側流路構成部33、取付脚40の一部分、電磁弁ボディ部60、電磁弁34、センサ部35及び回路ユニット36を覆う。
【0025】
取付脚40からカバー部材31を取り外した状態においては、電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50(後述)のボディ側導出縦管部516(後述)から吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331(後述)が外れて、カバー部材31側には、吐水部32、吐水部側流路構成部33、センサ部35及び回路ユニット36が配置され、取付脚40側には、電磁弁34及び電磁弁ボディ部60(ボディ側流路構成部50)が配置された状態となる(図8参照)。
【0026】
吐水部32は、図3に示すように、水を前方に吐出する吐水口321を有する。吐水口321は、カバー部材31の傾斜筒部312の先端側の開口312aの内部において、下方側寄りに配置される。吐水部32は、吐水部側流路構成部33の先端部に取り付けられている。
【0027】
吐水部側流路構成部33は、図3に示すように、傾斜筒部312の内部の下方側において吐水部32に接続され、傾斜筒部312の傾斜方向に沿って延びる。吐水部側流路構成部33の後端部は、カバー部材31の胴体筒部311の内部において、後述する電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516に接続される。吐水部側流路構成部33は、吐水部側導入縦管部331(接続部分)と、吐水部側導出傾斜管部332と、を有する。
【0028】
吐水部側導入縦管部331は、上下方向に延びる筒状に形成される。吐水部側導入縦管部331の下端部は、下方側に向けて開口しており、取付脚40からカバー部材31を着脱する際に、後述する電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516(接続部分)に着脱される部分である。吐水部側導入縦管部331の吐水部側導入縦管部331の内部には、後述する電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516から導入された水を下方側から上方側へ流通させる吐出部側第1流路F11が形成される。
【0029】
吐水部側導入縦管部331の下端の開口の内周面には、僅かに傾斜する下端側テーパ面331a(テーパ面)が形成される。下端側テーパ面331aは、吐水部側導入縦管部331の下端の開口の内周面において、上方側から下方側に向かうに従って径が大きくなるように僅かに傾斜する。下端側テーパ面331aが形成されることで、取付脚40にカバー部材31を取り付ける際に、下端側テーパ面331aの下方側の径が大きく形成されているため、吐水部側導入縦管部331の内部に、電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516を誘導しやすい。
【0030】
吐水部側導出傾斜管部332は、傾斜筒部312の傾斜方向に沿って、吐水部側導入縦管部331の上端部から吐水部32まで下り傾斜で延びる筒部を有して構成される。吐水部側導出傾斜管部332の内部には、吐水部側導入縦管部331により導入された水を吐水部32に向けて流通させる吐出部側第2流路F12が形成される。
【0031】
センサ部35は、図3に示すように、カバー部材31の傾斜筒部312の先端側の開口312aにおいて、吐水部32の吐水口321よりも上方側に配置される。センサ部35は、人の手等の物体を検知する。自動水栓2は、人の手等の物体がセンサ部35の検知範囲内に入ることでセンサ部35が物体を検知すると、自動的に吐水部32の吐水口321から水を吐出する。
【0032】
回路ユニット36は、傾斜筒部312の内部の上方側においてセンサ部35の後部に接続され、傾斜筒部312の傾斜方向に沿って、センサ部35から上り傾斜で延びる。回路ユニット36は、傾斜筒部312の内部において、吐水部側導出傾斜管部332の上方側に配置される。
【0033】
回路ユニット36は、電気回路基板361と、ケース体362と、を有する。電気回路基板361は、制御用のICなどが実装され、ケース体362に収容される。電気回路基板361には、センサ部35のセンサ回路や、電磁弁34を駆動するための電磁弁回路などが配置されている。回路ユニット36は、カバー部材31の内部において第1ハーネス301(ハーネス)を介して電磁弁34に接続されると共に、図1及び図3に示すように、第2ハーネス302(ハーネス)を介して、洗面器11の下方に配置される電池ボックス7に接続されている。
【0034】
即ち、第1ハーネス301は、図3に示すように、回路ユニット36と電磁弁34とを接続する。第2ハーネス302は、回路ユニット36と電池ボックス7とを接続する。これにより、電磁弁34は、第1ハーネス301により回路ユニット36に接続され、回路ユニット36を経由して、第2ハーネス302により電池ボックス7に接続される。回路ユニット36は、第2ハーネス302により電池ボックス7に接続される。このように、第1ハーネス301及び第2ハーネス302は、回路ユニット36及び電磁弁34への電源供給用のハーネスである。本実施形態においては、例えば、第2ハーネス302は、平板状の帯状に形成される。
【0035】
取付脚40は、図3に示すように、筒状に形成され、洗面器11の上面板112(被取付部)に取り付けられる。取付脚40には、上下方向に貫通する貫通穴40aが形成される。取付脚40は、台座部41と、台座部41の下面から下方に延びる雄ネジ管48と、を有する。台座部41は、図3及び図4に示すように、環状底板部42と、周壁部43と、径方向環状突出板44(突出部)と、周方向溝部45と、を有する。
【0036】
環状底板部42は、図3及び図4に示すように、略円板状に形成される。環状底板部42は、カバー部材31の下端部の開口の内部に配置される。環状底板部42は、カバー部材31の前方側において、ネジ部材42aにより、カバー部材31に固定される。
【0037】
環状底板部42は、中央において、円形状に開口して上下方向に貫通する貫通開口部421が形成される。貫通開口部421は、上方側に配置されるテーパ開口部421a(テーパ部)と、下方側に形成される同径開口部421bと、を有する。
【0038】
テーパ開口部421aは、上方側から下方側に向かうに従って径が小さくなるように開口する。テーパ開口部421aは、電磁弁ボディ部60(後述)のボディ側流路構成部50の底面板52の底面側スリット溝521に保持された第2ハーネス302を、取付脚40の内部の貫通穴40a(環状底板部42の貫通開口部421、雄ネジ管48の雄ネジ管貫通穴481)に案内する。
【0039】
同径開口部421bは、テーパ開口部421aの下端部から、テーパ開口部421aの下端部と同じ径で下方側に延びる。同径開口部421bの下部は、雄ネジ管48の雄ネジ管貫通穴481(後述)に連通する。
【0040】
周壁部43は、図3及び図4に示すように、環状底板部42の径方向の端部近傍において、カバー部材31の胴体筒部311の内周面から内部側に離間した位置において、カバー部材31の胴体筒部311の内周面に対向して壁状に形成される。周壁部43は、環状底板部42の外縁から径方向の内側の位置に、環状底板部42の上面から立ち上がるように形成される。周壁部43は、環状底板部42の周方向の全域に形成される。周壁部43の径方向の内側には、後述する電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50の下端部が配置される。
【0041】
径方向環状突出板44は、周壁部43の外周面における上端部よりも下方の位置において、周壁部43の外周面から径方向の外側に突出する環状に形成される。
【0042】
周方向溝部45は、側方に開放する溝状に形成され、径方向環状突出板44の下面と周壁部43の外周面とを含んで形成される。周方向溝部45は、径方向環状突出板44の下方において、周壁部43の外周面の全周に亘って形成される。周方向溝部45には、Oリング451が配置される。Oリング451は、径方向環状突出板44の下方において、周壁部43の外周面とカバー部材31の内面との間に配置されることで、周壁部43の外側に導かれた水が環状底板部42の下面側に流れ込まないように止水する。
【0043】
雄ネジ管48は、環状底板部42の下面から下方に延びる。雄ネジ管48の外周面には、雄ネジが形成される。雄ネジ管48は、筒状に形成され、上下方向に貫通する雄ネジ管貫通穴481を有する。雄ネジ管貫通穴481は、環状底板部42の貫通開口部421に連通する。つまり、取付脚40には、環状底板部42の貫通開口部421及び雄ネジ管48の雄ネジ管貫通穴481が上下方向に連通する貫通穴40aが形成される。
【0044】
雄ネジ管48は、図3に示すように、洗面器11の上面板112に形成された取付穴112aに挿入された状態で、上面板112の下面において固定ナット482に締め付けられることで、洗面器11の上面板112に固定される。
【0045】
取付脚40の貫通穴40aには、給水用ホース14及び第2ハーネス302が通される。第2ハーネス302は、平板状に形成されており、カバー部材31の内部の上部側に配置される回路ユニット36から、カバー部材31の内部の下方まで通される。そして、カバー部材31の下方において、第2ハーネス302は、給水用ホース14とともに、取付脚40の貫通穴40aの内周面に近接又は当接した状態で囲まれて、取付脚40の内部の貫通穴40aを通されて、洗面器11の下方に配置される電池ボックス7(図1参照)まで延びる。第2ハーネス302及び給水用ホース14が取付脚40の貫通穴40aの内周面に近接又は当接した状態で配置される場合において、取付脚40の貫通穴40aの径の大きさは、例えば、給水用ホース14の径の2倍の大きさよりも小さいことが好ましく、給水用ホース14の径の1.5倍の大きさよりも小さいことがより好ましい。
【0046】
給水用ホース14は、図3に示すように、電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50の下端部に接続される。本実施形態においては、給水用ホース4は、水栓本体3に水を供給するホースであって、水栓本体3の一次側(供給側)に接続される一次側ホースである。給水用ホース14は、水栓本体3の一次側において、水が供給される際の水圧を受けやすいため、給水用ホース14として、所定の耐圧性能を有するものを用いている。給水用ホース14は、ホース本体141と、ホース側接続部142(接続部)と、カシメ部143と、を有する。
【0047】
ホース側接続部142は、上端部が、電磁弁ボディ部60のボディ側流路構成部50の下端部において水栓本体3の一次側に装着され、下方側が、取付脚40の内部に配置される。ホース側接続部142は、洗面器11の上面板112の取付穴112aの中心軸の延長線上において水栓本体3と接続される。これにより、ホース側接続部142を、上面板112の取付穴112aに挿入するだけで、ホース側接続部142を、水栓本体3の下端部に容易に装着することができる。
【0048】
カシメ部143は、ホース本体141とホース側接続部142とを固定する。カシメ部143は、雄ネジ管48の内部の雄ネジ管貫通穴481に配置される。そのため、カシメ部143が膨れて破損することを抑制できる。
ホース本体141は、上端部が雄ネジ管48の内部の雄ネジ管貫通穴481に配置され、下方側が下方に延びる。
【0049】
電磁弁ボディ部60は、図4図7に示すように、樹脂材料により一体に形成され、連結筒部61と、ボディ側流路構成部50(第1流路構成部)と、を備える。電磁弁ボディ部60は、例えば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂などの樹脂材料により一体に形成される。
【0050】
連結筒部61は、電磁弁ボディ部60の上方側において、上下方向に延びる筒状に形成される。連結筒部61には、電磁弁34が連結される。電磁弁34は、下部の部分が連結筒部61の内部に配置された状態で連結筒部61に連結され、上部が連結筒部61の上方側に突出する。これにより、電磁弁34は、連結筒部61及びボディ側流路構成部50に取り付けられる。電磁弁34は、ボディ側流路構成部50の流路の途中に配置されており、電磁弁34において弁の開閉動作が制御されることで、ボディ側流路構成部50における水の流通が制御される。
【0051】
ボディ側流路構成部50は、連結筒部61の下部に連続して形成されており、連結筒部61と一体で構成される。ボディ側流路構成部50は、図4図6に示すように、流路構成部本体51を有する。流路構成部本体51には、第1キャップ部501(キャップ部材)及び第2キャップ部502(キャップ部材)が取り付けられる。
【0052】
流路構成部本体51は、図7に示すように、ホース接続部510と、ボディ側導入貫通穴511と、ボディ側導入横管部512と、大径管部513と、内側管部514と、ボディ側導出横管部515と、ボディ側導出縦管部516(接続部分)と、を有する。また、流路構成部本体51は、図4図6に示すように、底部に形成される底面板52と、中間半円ガイド板部53(第1ガイド部、誘導部)と、立設ガイド壁54(第2ガイド部、誘導部)と、を有する。
【0053】
底面板52は、ボディ側流路構成部50の底部において、略円形板状に形成される。底面板52には、自動水栓2の水栓本体3の後方側に、底面側スリット溝521(保持部)が形成される。底面側スリット溝521は、底面板52において、水栓本体3の前後方向に直交する左右方向における一方側から他方側の途中までスリット状に延びて切り欠かれている。底面側スリット溝521には、図4に示すように、第2ハーネス302が通され、底面側スリット溝521は、第2ハーネス302を保持する。
【0054】
ホース接続部510は、図3及び図7に示すように、底面板52の略中央から立ち上がる筒状に形成される。ホース接続部510の内面には、給水用ホース14のホース側接続部142が接続される。
【0055】
ボディ側導入貫通穴511は、ホース接続部510の上端部において上方に開口して形成される。ボディ側導入貫通穴511の内側には、水を下方側から上方側に水を流通させるボディ側第1流路F1が形成される。
【0056】
ボディ側導入横管部512は、ボディ側導入貫通穴511の上端部に接続される。ボディ側導入横管部512は、水平方向に延びて形成され、水平方向の途中の下部の接続開口512aにおいて、ボディ側導入貫通穴511に接続される。ボディ側導入横管部512は、水平方向の一方側に第1開口512bが形成され、他方側が大径管部513に接続される。第1開口512bは、電磁弁ボディ部60が金型を用いた樹脂材料で形成されていることにより、金型を用いた樹脂材料の成形時において電磁弁ボディ部60の側方にアンダーカットとして形成された開口である。
【0057】
第1開口512bには、図5及び図6に示すように、第1開口512bを塞ぐ第1キャップ部501が取り付けられる。これにより、第1開口512bは、第1キャップ部501で塞がれる。第1キャップ部501には、上端部において、上下方向に延びる切り欠き溝501aが形成される。切り欠き溝501aのボディ側流路構成部50側には第2キャップ部502(後述)の板状突出部502aが嵌り込む。第1開口512bが第1キャップ部501で塞がれることで、図7に示すように、ボディ側導入横管部512の内部には、接続開口512aから導入された水を一方側から他方側に流通させて大径管部513まで導くボディ側第2流路F2が形成される。
【0058】
大径管部513及び内側管部514は、図3及び図7に示すように、上下方向に延びると共に同心円状に配置される二重管で構成され、内側管部514は、大径管部513の内側に同心円状に配置される。
【0059】
大径管部513は、図3及び図7に示すように、内側管部514の外側において、上下方向に延びる筒状に形成される。大径管部513は、下方側が、ボディ側導出横管部515の他方側に接続され、上端部が、電磁弁34が連結される連結筒部61の下端部に接続される。大径管部513と内側管部514との間には、ボディ側導入横管部512から導入された水を下方側から上方側に流通させて電磁弁34に導くボディ側第3流路F3が形成される。
【0060】
内側管部514は、大径管部513の内側において、上下方向に延びる筒状に形成される。内側管部514の内側には、電磁弁34から排出される水を上方側から下方側に流通させるボディ側第4流路F4が形成される。
【0061】
ボディ側導出横管部515は、内側管部514の上下方向の下方側に接続され、水平方向の一方側に延びて形成される。ボディ側導出横管部515の水平方向における内側管部514と反対側の一方側の端部には、第2開口515aが形成される。第2開口515aは、電磁弁ボディ部60が金型を用いた樹脂材料で形成されていることにより、金型を用いた樹脂材料の成形時において電磁弁ボディ部60の側方にアンダーカットとして形成された開口である。
【0062】
第2開口515aには、図5及び図6に示すように、第2開口515aを塞ぐ第2キャップ部502が取り付けられる。これにより、第2開口515aは、第2キャップ部502で塞がれる。第2キャップ部502には、上下方向に延びる板状突出部502aが形成される。第2キャップ部502は、第1キャップ部501により保持される。
【0063】
第2キャップ部502で第2開口515aを塞いだ状態で、第1キャップ部501で第1開口512bを塞ぐことにより、第1キャップ部501の切り欠き溝501aには、第2キャップ部502の板状突出部502aが嵌まり込む。この状態で、第1キャップ部501をボディ側流路構成部50にネジ止めで固定することで、第2キャップ部502が第2開口515aを塞ぐと共に第1キャップ部501が第1開口512bを塞いだ状態で、第1キャップ部501は、第2キャップ部502を押さえた状態で固定される。
【0064】
本実施形態においては、電磁弁ボディ部60の成形時において製造上のバラツキにより第1開口512b及び第2開口515aの位置がズレることを考慮して、第1開口512b及び第2開口515aを別々のキャップで構成することで、止水性能を確保している。なお、本実施形態においては、第1開口512b及び第2開口515aを別々のキャップで塞ぐように構成したが、これに限定されず、第1開口512b及び第2開口515aを1つのキャップで塞ぐように構成してもよい。また、第1キャップ部501及び第2キャップ部502は、ネジ止めで固定することに限定されず、例えば、溶着により接合してもよい。
【0065】
第2開口515aが第2キャップ部502で塞がれていることで、図3及び図7に示すように、ボディ側導出横管部515の内部には、内側管部514から導入された水を水平方向の他方側から一方側に流通させるボディ側第5流路F5が形成される。
【0066】
ボディ側導出縦管部516は、ボディ側導出横管部515の水平方向の途中の上面に接続される。ボディ側導出縦管部516は、上下方向に延びて形成される。ボディ側導出縦管部516の内部には、ボディ側導出縦管部516から導入された水を下方側から上方側に流通させるボディ側第6流路F6が形成される。ボディ側導出縦管部516の上端部には、上端側テーパ面516a(テーパ面)が形成される。
【0067】
上端側テーパ面516aは、ボディ側導出縦管部516の上端の外周面において、下方側から上方側に向かって径が小さくなるように傾斜する周面から形成される。上端側テーパ面516aが形成されることで、取付脚40にカバー部材31を取り付ける際に、上端側テーパ面516aにより先端側の径が小さく形成されているため、ボディ側導出縦管部516を、吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331の開口の内部に誘導しやすい。
【0068】
中間半円ガイド板部53及び立設ガイド壁54は、図4に示すように、カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)を、取付脚40の台座部41の周壁部43の外側に導く誘導部として機能する。
【0069】
中間半円ガイド板部53は、図4図6に示すように、ボディ側流路構成部50における底面板52の上方側において、取付脚40の周壁部43の上端面よりも高い位置において、自動水栓2の水栓本体3の前方側に略半円形板状に形成され、取付脚40の環状底板部42の貫通開口部421(貫通穴40a)の前方側の部分を覆うように配置される。中間半円ガイド板部53は、周壁部43の上端面よりも高い位置において、カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)を受け止めて、周壁部43の外側に水を誘導するガイド部を構成する。
【0070】
立設ガイド壁54は、図4に示すように、中間半円ガイド板部53に水を誘導するように、中間半円ガイド板部53の後方側の端部から上方側に立ち上がる壁である。立設ガイド壁54は、カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)を、水栓本体3の前方側の中間半円ガイド板部53に誘導するガイド部を構成する。
【0071】
立設ガイド壁54には、図4に示すように、第2ハーネス302を通すためのガイド壁側スリット溝541(スリット溝、ハーネス保持部)が形成される。ガイド壁側スリット溝541は、立設ガイド壁54における上下方向の途中の位置において、水栓本体3の前後方向に直交する左右方向における一方側から他方側の途中までスリット状に延びて切り欠かれている。ガイド壁側スリット溝541には、図4に示すように、第2ハーネス302が通される。ガイド壁側スリット溝541は、第2ハーネス302を保持する。
【0072】
第2ハーネス302は、図4に示すように、ガイド壁側スリット溝541を通して上方側から下方側に向けて配線されている。第2ハーネス302は、ガイド壁側スリット溝541よりも上方側において、立設ガイド壁54における中間半円ガイド板部53側(水栓本体3の前方側)に配置され、ガイド壁側スリット溝541から下方側において、立設ガイド壁54における中間半円ガイド板部53と反対側(水栓本体3の後方側)に配置される。これにより、カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)において第2ハーネス302に沿って下方側に移動された水を、ガイド壁側スリット溝541において、水栓本体3の後方側に浸入することを抑制して、水栓本体3の前方側に導くことができる。
【0073】
以上のように構成されるボディ側流路構成部50においては、ボディ側導入貫通穴511から導入された水は、図3及び図7に示すように、ボディ側導入貫通穴511においてボディ側第1流路F1を下方側から上方側に流通され、ボディ側導入横管部512に導入される。ボディ側導入横管部512に導入された水は、ボディ側第2流路F2を水平方向の一方側から他方側に流通され、大径管部513に導入される。大径管部513に導入された水は、ボディ側第3流路F3を下方側から上方側に流通され、電磁弁34に導入される。
【0074】
電磁弁34から排出された水は、内側管部514に導入される。内側管部514に導入された水は、ボディ側第4流路F4を上方側から下方側に流通され、ボディ側導出横管部515に導入される。ボディ側導出横管部515に導入された水は、ボディ側第5流路F5を水平方向の他方側から一方側に流通されて、ボディ側導出縦管部516に導入される。ボディ側導出縦管部516に導入された水は、ボディ側第6流路F6を下方側から上方側に流通されて、吐水部側流路構成部33(図3参照)に導出される。
【0075】
吐水部側流路構成部33に導入された水は、図3に示すように、吐水部側導入縦管部331において吐出部側第1流路F11を下方側から上方側に流通され、吐水部側導出傾斜管部332に導入される。吐水部側導出傾斜管部332に導入された水は、吐出部側第2流路F12を斜め上方側から斜め下方側に流通され、吐水部32に導かれる。
【0076】
ここで、ボディ側流路構成部50には、異なる方向の2方向以上に延びる複数の流路が形成されている。ボディ側流路構成部50には、図3及び図7に示すように、下方側から上方側に水が流通する第1方向流路(ボディ側第1流路F1、ボディ側第3流路F3、ボディ側第6流路F6)と、上方側から下方側に水が流通する第2方向流路(ボディ側第4流路F4)と、水平方向において一方側から他方側に水が流通する第3方向流路(ボディ側第2流路F2)と、水平方向において他方側から一方側に水が流通する第4方向流路(ボディ側第5流路F5)と、が形成される。第1方向流路、第2方向流路、第3方向流路及び第4方向流路は、それぞれ異なる方向の流路である。
【0077】
本実施形態においては、水栓本体3の胴体が上下方向に延びるように構成されるため、水栓本体3の胴体を横方向においてコンパクトに形成することが求められる。そのため、本実施形態では、電磁弁34を電磁弁ボディ部60の上端部の連結筒部61に配置して、下方側から導入された水を電磁弁34を通らせて上方側に導くように、ボディ側流路構成部50において複数の異なる方向の流路を組み合わせた流路を形成することで、水栓本体3の胴体を横方向にコンパクトに形成する。本実施形態では、電磁弁34を電磁弁ボディ部60の上方側に配置して、ボディ側流路構成部50を含む電磁弁ボディ部60を樹脂材料で一体に形成することで、異なる方向の複数の流路を形成して、水栓本体3の胴体を横方向にコンパクトに形成することを実現している。
【0078】
次に、本実施形態の水栓本体3において、図3及び図4により、カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)の流れについて説明する。
【0079】
カバー部材31の内部を下方側に移動された水(Oリングの劣化による漏水や吐水口321が塞がれたときの漏水の水)は、流路構成部本体51において、立設ガイド壁54(図4参照)にガイドされて、中間半円ガイド板部53に導かれる。中間半円ガイド板部53に導かれた水は、中間半円ガイド板部53の径方向の外側に移動して、周壁部43の外側に導かれる。周壁部43の外側に導かれた水は、周壁部43の外側において、径方向環状突出板44の上面に流れ込む。径方向環状突出板44の上面に流れ込んだ水は、カバー部材31の内周面と周壁部43の外周面との間において、径方向環状突出板44の上面を周方向に流れて、水栓本体3の後方側の水抜き穴311b(図3参照)から外部に排出される。これにより、洗面器11の上面板112の上面に水を排出することができるため、洗面器11の下方へ水が流れ出ることを抑制できる。これにより、水栓本体3の排水性能を向上させることができる。
【0080】
また、以上のように構成される水栓本体3において、取付脚40に対してカバー部材31は着脱可能に構成される。この構成について詳細に説明する。
【0081】
本実施形態の水栓本体3においては、図8に示すように、カバー部材31は、下方に向けて開口しており、取付脚40の台座部41の周縁に取り付けられる。そのため、カバー部材31を上下方向に移動させることで、カバー部材31は、取付脚40の台座部41に着脱される。よって、取付脚40に対するカバー部材31の着脱方向は上下方向である。
【0082】
また、吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331の下部は、下方に向けて開口しており、ボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516は、上方に延びている。そのため、吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331を上下方向に移動させることで、吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331は、ボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516に着脱される。よって、吐水部側流路構成部33に対するボディ側流路構成部50の着脱方向は上下方向である。
【0083】
以上により、本実施形態においては、取付脚40に対するカバー部材31の着脱方向と、吐水部側流路構成部33に対するボディ側流路構成部50の着脱方向とは、共に上下方向であり、着脱方向が一致する。
【0084】
取付脚40からカバー部材31を取り外す場合には、図8に示すように、取付脚40に対するカバー部材31の着脱方向と、吐水部側流路構成部33に対するボディ側流路構成部50の着脱方向とが一致するため、カバー部材31を上方側へ移動させるだけで、ボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516から吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331が外れることにより、カバー部材31の内部に配置される流路を分断させて、取付脚40からカバー部材31を容易に取り外すことができる。なお、本実施形態においては、第1ハーネス301及び第2ハーネス302は、取付脚40からカバー部材31を取り外してカバー部材31を上方側に移動させることを考慮して、余分に長く形成されており、カバー部材31が取付脚40に取り付けられている時には、カバー部材31の内部に収容されている。
【0085】
取付脚40からカバー部材31を取り外した状態においては、図8に示すように、ボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516から吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331が外れた状態であり、カバー部材31側には、吐水部32、吐水部側流路構成部33、センサ部35及び回路ユニット36が配置され、取付脚40側には、電磁弁34及び電磁弁ボディ部60(ボディ側流路構成部50)が配置される。このように、取付脚40からカバー部材31を取り外した状態においては、電磁弁34が取付脚40側に残されるため、電磁弁34を交換するなどのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0086】
また、取付脚40にカバー部材31を取り付ける場合には、取付脚40に対するカバー部材31の着脱方向と、吐水部側流路構成部33に対するボディ側流路構成部50の着脱方向とが一致するため、カバー部材31を下方側へ移動させるだけで、ボディ側流路構成部50のボディ側導出縦管部516に吐水部側流路構成部33の吐水部側導入縦管部331を装着することにより、カバー部材31の内部に配置される流路を結合させて、取付脚40にカバー部材31を容易に取り付けることができる。
【0087】
また、吐水部側導入縦管部331の下端部の開口の内周面は、下端側テーパ面331aが形成され、ボディ側導出縦管部516の上端部の外周面には、上端側テーパ面516aが形成される。そのため、取付脚40にカバー部材31を取り付ける際に、ボディ側導出縦管部516の上端側テーパ面516aに吐水部側流路構成部33の下端側テーパ面331aが誘導されて、ボディ側流路構成部50に吐水部側流路構成部33を容易に取り付けることができる。
【0088】
以上説明した本実施形態に係る自動水栓2によれば、以下のような効果が奏される。
本実施形態の自動水栓2は、上面板112に取り付けられる筒状の取付脚40を有し、電磁弁34が設けられた水栓本体3と、水栓本体3の一次側に装着される給水用ホース14と、第2ハーネス302と、を備える水栓装置2であって、給水用ホース14は、ホース本体141と、水栓本体3に接続されるホース側接続部142と、ホース本体141とホース側接続部142とを固定するカシメ部143と、を有し、カシメ部143は、取付脚40の内部に配置され、第2ハーネス302は、給水用ホース14とともに、取付脚40の内周面に近接又は当接した状態で囲まれて、取付脚40の内部に通される。そのため、給水用ホース14は、取付脚40の内周面に近接又は当接した状態で囲まれて、取付脚40の内部に通されるため、カシメ部143を取付脚40の内部に配置することにより、カシメ部143が膨れて破損することを抑制できる。これにより、給水用ホース14にダメージを生じさせることを抑制できる。また、第2ハーネス302で給水用ホース14を押さえることができる。
【0089】
また、本実施形態においては、第2ハーネス302は、平板状に形成される。そのため、平板状の第2ハーネス302を用いることにより、取付脚40の径を小さくできるため、取付脚40をコンパクトに形成できる。
【0090】
また、本実施形態においては、水栓本体3は、第2ハーネス302を保持する底面側スリット溝521を有し、取付脚40は、底面側スリット溝521に保持された第2ハーネス302を取付脚40の内部に案内するテーパ開口部421aを有する。これにより、第2ハーネス302を、底面側スリット溝521に保持された状態で、テーパ開口部421aに案内することで、第2ハーネス302を取付脚40の内部に容易に導くことができる。よって、第2ハーネス302の配線作業が容易であると共に、第2ハーネス302を安定して保持できる。
【0091】
また、本実施形態においては、ホース側接続部142は、取付脚40を取り付けるための上面板112の取付穴112aの中心軸の延長線上において水栓本体3と接続される。これにより、ホース側接続部142を、上面板112の取付穴112aに挿入するだけで、ホース側接続部142を、水栓本体3の下端部に容易に装着することができる。よって、ホース側接続部142を水栓本体3の下端部に装着する作業性を向上できる。
【0092】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
2 自動水栓(水栓装置)
3 水栓本体
14 給水用ホース
34 電磁弁
40 取付脚(取付部)
112 上面板(被取付部)
112a 取付穴
141 ホース本体
142 ホース側接続部(接続部)
143 カシメ部
302 第2ハーネス(ハーネス)
521 底面側スリット溝(保持部)
421a テーパ開口部(テーパ部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8