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特許7013375血小板凝集阻害効果を有する化合物及びその塩、並びにそれを含む血栓性疾患予防又は治療用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】血小板凝集阻害効果を有する化合物及びその塩、並びにそれを含む血栓性疾患予防又は治療用組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 235/50 20060101AFI20220124BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 265/30 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 333/36 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 333/20 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 231/40 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 309/40 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 295/192 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 213/81 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 213/66 20060101ALI20220124BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20220124BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220124BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220124BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/4365 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/5375 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/405 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20220124BHJP
   A61K 31/166 20060101ALI20220124BHJP
   C07D 209/20 20060101ALI20220124BHJP
   C07C 235/56 20060101ALI20220124BHJP
   C07C 235/60 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
C07C235/50 CSP
C07D495/04 105A
C07D413/04
C07D401/12
C07D265/30
C07D333/36
C07D333/20
C07D231/40
C07D309/40
C07D295/192
C07D213/81
C07D213/66
A61P7/02
A61P29/00
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P9/14
A61K31/4365
A61K31/454
A61K31/381
A61K31/5375
A61K31/4545
A61K31/405
A61K31/415
A61K31/351
A61K31/495
A61K31/44
A61K31/166
C07D209/20
C07C235/56
C07C235/60
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018531279
(86)(22)【出願日】2016-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-22
(86)【国際出願番号】 KR2016009859
(87)【国際公開番号】W WO2017039395
(87)【国際公開日】2017-03-09
【審査請求日】2019-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2015-0125270
(32)【優先日】2015-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518073240
【氏名又は名称】シンプン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHIN POONG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リュ・ジェマン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ・カンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】パク・ジンホン
(72)【発明者】
【氏名】チョ・クムシル
(72)【発明者】
【氏名】イ・ギソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク・ウイル
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジェヨン
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-085932(JP,A)
【文献】特開平04-230623(JP,A)
【文献】特開昭60-058954(JP,A)
【文献】特開2006-273839(JP,A)
【文献】特開2007-197427(JP,A)
【文献】特開2001-139550(JP,A)
【文献】特表平08-512024(JP,A)
【文献】特表2005-531596(JP,A)
【文献】国際公開第2014/070983(WO,A1)
【文献】国際公開第92/020645(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/118361(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101648919(CN,A)
【文献】国際公開第2009/110942(WO,A2)
【文献】国際公開第2009/076618(WO,A2)
【文献】Bioorganic Chemistry,2010年,38(3),p.108-114
【文献】Phytotherapy Research,2015年,29(9),p.1381-1387
【文献】Chemistry Central Journal,2015年,9,p.1-9
【文献】European Journal of Medicinal Chemistry,2011年,46(6),p.2185-2192
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,2006年,14(6),p.1942-1948
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 235/00
C07D 495/00
C07D 413/00
C07D 401/00
C07D 265/00
C07D 333/00
C07D 231/00
C07D 309/00
C07D 295/00
C07D 213/00
A61K 31/00
C07D 209/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)又は(II)
【化1】
[式中、
は、ヒドロキシ又はC-C10アルコキシであり;
Xは、N又はOであり;
は、-(CH-5~12員複素環-(CH-C-C12アリール、5~12員複素環、-(CH-NHC(=O)-C-C12アリール、-CHR、5~12員ヘテロアリール、C-C12アリール、-C-C12アリール-O-5~12員ヘテロアリール、又は-(CH-5~12員ヘテロアリール{ここで、pは、1~10の整数であり、R及びRは、それぞれ独立して、C-Cアルコキシカルボニル基又は-CH-5~12員ヘテロアリールであり、複素環及びヘテロアリールは、N、O及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有してもよく、アリールは、アミノカルボニル、C-Cアルキル、ニトロ、ニトリル、C-Cアルキルアミノカルボニル、及びヒドロキシ-C-Cアルキルから選ばれる1~4個の置換基で置換され、および複素環は、ハロゲン、オキソ、アミノカルボニル、ニトロ、C-Cアルコキシ、ニトリル、C-Cアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ及びヒドロキシ-C-Cアルキルから選ばれる1~4個の置換基で置換され、ヘテロアリールは、ハロゲン、オキソ、アミノカルボニル、C-Cアルキル、ニトロ、C-Cアルコキシ、ニトリル、C-Cアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ及びヒドロキシ-C-Cアルキルから選ばれる1~4個の置換基で置換される}であり;
ただし、Rが、-(CH-5~12員ヘテロアリールであるとき、ヘテロアリールは、ピラジン、インドールまたはピリジンではなく、およびただし、Rが、5~12員ヘテロアリールであるとき、ヘテロアリールは、ベンゾチアゾールではない;
は、水素であり;
XがOのとき、Rは存在しなく;
XがNのとき、XはR及びRと共にO、N及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する5~12員複素環を形成していてもよく、前記複素環は、非置換またはハロゲンで置換されたO、N及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する6~12員ヘテロアリール、-O-CHR{ここで、R及びRは、それぞれ独立して、非置換又はハロゲンで置換されたC-C12アリール又はN、O及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する6~10員ヘテロアリールである}で置換され得、
ただし、XがNのとき、XはR及びRと共に6員複素環を形成し、複素環は、非置換またはハロゲンで置換された、O、N及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する6~12員ヘテロアリール、または-O-CHRで置換される]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は立体異性体。
【請求項2】
以下の群から選ばれる化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は立体異性体:
(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン;
(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン;
N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-3,4-ジヒドロキシベンズアミド;
3,4-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド;
N,N’-(ノナン-1,9-ジイル)ビス(3,4-ジヒドロキシベンズアミド);
(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン;
(S)-(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン;
(S)-メチル-2-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート;
4-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-1-メチル-3-プロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル3,4-ジヒドロキシベンゾエート;
(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-フェニルピペラジン-1-イル)メタノン;
(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン;
2-エチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート;
2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート;
4-ヒドロキシ-3-メトキシ-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)ベンズアミド;
4-(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアミド)フェノキシ)-N-メチルピコリンアミド;
4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン;
4-ヒドロキシ-N-((3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-4-イル)メチル)-3-メトキシベンズアミド;
(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(2,5-ジヒドロキシフェニル)メタノン;
(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(2,5-ジヒドロキシフェニル)メタノン;
N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド;
(2,5-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン;
N-(3,4-ジメトキシフェネチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド;
2,5-ジヒドロキシ-N-(2-(チオフェン-2-イル)エチル)ベンズアミド;及び
2,5-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド。
【請求項3】
有効成分として請求項1または2に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は立体異性体を含む、血栓性疾患の予防又は治療用組成物。
【請求項4】
血栓性疾患が、肺塞栓症、血栓性静脈炎、心不整脈血栓症、門脈血栓症、狭心症、動脈硬化症及び脳梗塞からなる群から選ばれる請求項3に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血小板凝集阻害効果を有する新規の化合物及びその塩類に関するものであり、さらに詳しくは、せん断応力による血小板凝集(shear stress-induced platelet aggregation)を選択的に阻害する新しい血小板凝集阻害剤及びそれを有効成分とする医薬組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体は、創傷部位の治療と血液の損失を防ぐための自己治療又は防御体系を有しており、これは、血小板と血漿の凝固、繊維素分解、及び凝固阻害の調節と均衡からなっている。これらの適切な調節と均衡が、様々な要因よって妨げられると、異常な血小板凝集が生じ、それが血栓性疾患を引き起こす。
【0003】
血栓症(thrombosis)は、血管内の血栓(blood clot)によって妨げられている状態を意味し、最悪の場合、血液の流れが遮断される。血栓症は、動脈血栓症(atherothrombosis)、静脈血栓症(phlebothrombosis)、肝門脈血栓症(hepatic portal vein thrombosis)、肺動脈塞栓症(pulmonary thromboembolism)、慢性静脈虚血(chronic limb ischemia)、下肢静脈瘤(Varicose vein)、心不整脈血栓症(deep vein thrombosis diseases)、狭心症(angina pectoris)、脳梗塞(cerebral infarction)、脳出血(cerebral hemorrhage)などを引き起こし、また、感染、血管の損傷、術後の合併症、凝固性疾患などを引き起こす。このような血栓症は、非正常的血管壁と血流力、血漿中の凝固タンパク質、血小板間の相互作用によって生成される。血小板は、多様なアゴニスト(アデノシン二リン酸、トロンボキサンA2、トロンビンなど)により活性化され、活性化された血小板の糖蛋白質IIb/IIIaなどが血液中の複合タンパク質(フィブリノーゲン、ヴォン・ヴィレブランド因子など)と結合して凝集反応を引き起こす。
【0004】
最近、化学的アゴニストだけでなく、物理的刺激によって、血小板が異常に活性化され、血栓症を引き起こすことが知られている。物理的刺激の中で、血小板の活性化における最も重要な因子はせん断応力(shear stress)である。これは、血流により血小板、赤血球、内皮細胞など血管内細胞に加えられる力を意味する。せん断応力の異常な変化は、生体内で引き起こされる病理学的動脈血栓発生の最も主要な原因であり、ステント(stent)、アテローム切除術、バルーン血管整形術(balloon angioplasty)のような経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention)による動脈薄利、血管痙攣(vascular spasm)又は高血圧(hypertension)、動脈硬化(atherosclerosis)等のような疾患に起因する。
【0005】
せん断応力が、異常に上昇する場合、血小板が活性化され、直接的にヴォン・ヴィレブランド因子と活性化された血小板の糖蛋白質IIb/IIIaが結合して、凝集が起こる。このような現像は、血小板内の信号体系を加速化し、細胞内カルシウム濃度を増加させ、微小体(granules)から多様な活性因子の放出を誘導し、それによって血小板の凝集を促進し、血栓症を引き起こす(非特許文献1)。
【0006】
現在、血栓疾患の予防と治療には、化学的アゴニストに拮抗する抗血小板剤(例えば、アスピリン、クロピドグレルなど)、抗凝固剤(例えば、ヘパリン、ワルファリンなど)、形成された血栓を治療するための血栓溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子など)等が使用されている。アスピリンは、かなり効果的であるが、胃腸管出血と消化性潰瘍などの副作用を起こすと知られている。また、その他の抗凝固剤として使用される薬物は、ほとんどの経口投与ができず、血栓に対する選択性が少なく、長期間服用時の出血、溶血現象、免疫反応、発熱、アレルギーなどの様々な副作用を示している。このような副作用と無効性に加えて、商業的に入手可能ないくつかの治療剤の価格が非常に高価であるという別の問題がある。
【0007】
前記理由から、せん断応力による血小板凝集に選択的に関与し、副作用の少ない抗血小板剤開発が必要である(非特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Nesbitt et al., Nature Medicine 15, 665 - 673 (2009)
【文献】Kiefer and Becker, Circulation, 2009, 120:2488-2495
【文献】Gilbert et al., Circulation, 2007, 116:2678-2686
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アミド及びエステル構造を含む抗血小板凝集阻害の構造活性研究(structure activity relationship)により得られた化合物が、出血などの副作用の少ない血栓性疾患予防又は治療に有用であることを見出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、下記の一般式(I)又は(II)
【化1】
[式中、
は、ヒドロキシ又はC-C10アルコキシであり;
Xは、N又はOであり;
は、-(CH-5~12員複素環-(CH-C-C12アリール、5~12員複素環、-(CH-NHC(=O)-C-C12アリール、-CHR、5~12員ヘテロアリール、C-C12アリール、-C-C12アリール-O-5~12員ヘテロアリール、-(CH-5~12員ヘテロアリール又は-(CH-C-C12アリール{ここで、pは、1~10の整数であり、R及びRは、それぞれ独立して、C-Cアルコキシカルボニル基又は-CH-5~12員ヘテロアリールであり、複素環及びヘテロアリールは、N、O及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有してもよく、複素環、ヘテロアリール及びアリールは、ハロゲン、オキソ、アミノカルボニル、C-Cアルキル、ニトロ、C-Cアルコキシ、ニトリル、C-Cアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ及びヒドロキシ-C-Cアルキルから選ばれる1~4個の置換基で置換され得る}であり;
は、水素であり;
XがOのとき、Rは存在しなく;
XがNのとき、XはR及びRと共にO、N及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する5~12員複素環を形成していてもよく、前記複素環は、C-C12アリール、非置換またはハロゲンで置換されたO、N及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する6~12員ヘテロアリール、-O-CHR{ここで、R及びRは、それぞれ独立して、非置換又はハロゲンで置換されたC-C12アリール又はN、O及びSから選ばれる1~3個のヘテロ原子を有する6~10員ヘテロアリールである}で置換され得る]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は異性体に関するものである。
【0011】
前記化合物の具体的な例は、以下の通りである:
1.(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
2.(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
3.N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-3,4-ジヒドロキシベンズアミド
4.3,4-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド
5.N,N’-(ノナン-1,9-ジイル)ビス(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)
6.(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
7.(S)-(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
8.(S)-メチル-2-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート
9.4-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-1-メチル-3-プロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
10.2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル 3,4-ジヒドロキシベンゾエート
11.(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-フェニルピペラジン-1-イル)メタノン
12.(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン
13.2-エチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート
14.2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート
15.4-ヒドロキシ-3-メトキシ-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)ベンズアミド
16.N-(3-エチニルフェニル)-4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアミド
17.4-(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアミド)フェノキシ)-N-メチルピコリンアミド
18.4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン
19.4-ヒドロキシ-N-((3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-4-イル)メチル)-3-メトキシベンズアミド
20.(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(2,5-ジヒドロキシフェニル)メタノン
21.(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(2,5-ジヒドロキシフェニル)メタノン
22.N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド
23.(2,5-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
24.N-(3,4-ジメトキシフェネチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド
25.2,5-ジヒドロキシ-N-(2-(チオフェン-2-イル)エチル)ベンズアミド
26.2,5-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド
【0012】
したがって、本発明の別の態様は、前記群から択一的に選ばれる化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は異性体に関する。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、有効成分として一般式(I)又は(II)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩又は異性体を含む、血小板凝集による血栓性疾患の予防又は治療用組成物に関する。本明細書で言及される血栓性疾患には、例えば、肺塞栓症、血栓性静脈炎、心不整脈血栓症、門脈血栓症、狭心症、動脈硬化症、又は脳梗塞が含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の医薬組成物は、通常使用される薬学的に許容しうる担体と共に適切な形態に製剤化することができる。‘薬学的に許容しうる’という用語は、生理学的に許容され、ヒトに投与された場合、通常的に、胃腸障害及び目眩などのアレルギー反応、又は同様の反応を引き起こさない成分を指す。このような薬学的に許容しうる担体の例には、水、適した油、食塩水、水性グルコース及びグリコールのような非経口投与用担体などが挙げられる。
【0015】
さらに、本発明に係る組成物は、安定化剤及び保存剤をさらに含んでもよい。適切な安定化剤は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸などの抗酸化剤が挙げられる。適切な保存剤は、塩化ベンザルコニウム、メチル-又はプロピル-パラベン及びクロロブタノールが挙げられる。さらに、本発明の組成物は、その投与方法や製剤によって、必要に応じて、懸濁剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存剤、吸着防止剤、界面活性化剤、希釈剤、賦形剤、pH調整制、注射痛みの緩和剤、緩衝剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。前記に例示されたものを含む、本発明に適した薬学的に許容しうる担体及び製剤は、文献[Remington’s Pharmaceutical Sciences, Current Edition]に詳細に記載されている。本発明の組成物は、単位製剤に製造してもよく、又は多用量容器内に組み込むことによって製造してもよい。医薬組成物において、本発明の化合物は、全組成物の総重量に対して、0.0001~10重量%、好ましくは0.001~1重量%の量で存在する。
【0016】
本発明の医薬組成物の投与方法は、製剤の種類に応じて容易に選択することができ、家畜、ヒトなどの哺乳動物に種々の経路、以下の経口又は非経口投与形態で投与することができる。
【0017】
経口投与用の製剤には、錠剤、丸剤、硬/軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤などが挙げられる。これらの製剤は、活性成分に加えて、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール)を含有している。錠剤はまた、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリジンなどの結合剤を含有してもよく、場合によりデンプン、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩などの崩壊剤、又は沸騰性混合物及び/又は吸収剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤を含む。
【0018】
非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁化剤には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、オレイン酸エチルなどの注射用エステルなどが挙げられる。坐剤の基剤には、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどが挙げられる。非経口投与用製剤を製剤化するために、前記一般式(I)又は(II)の化合物又はこれの薬学的に許容しうる塩を滅菌、及び/又は防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの補助剤、及びその他の治療上有用な物質と共に水に混合し、溶液又は懸濁液を製造し、これをアンプル又はバイアル単位剤形で製造することができる。
【0019】
本発明の前記一般式(I)又は(II)の化合物を有効成分として含有する医薬組成物の人体に対する好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び治療期間によって異なるが、当業者が適宜選択することができる。しかし、好ましくは、本発明の化合物を、0.001~100mg/体重kg、より好ましくは0.01~30mg/体重kgの1日用量で投与することができる。投与は、1日1回または1日に数回に分けて行うことができる。投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、排せつ率及び疾患の重症度などの様々な状態に応じて変化し得るので、前記投与量に加減があり得るということは当業者に自明である。従って、前記用量は、決して本発明の範囲を限定するものでない。投与回数は、所望の範囲内で1日に1回、又は1日数回であってもよく、投与期間も特に限定されない。
【0020】
前述の本発明の一般式(I)又は(II)で示される化合物は、抗血小板凝集阻害を活性化する。
【0021】
せん断応力(shear stress)は、血流によって血小板、赤血球などの血球細胞と血管内皮に加えられる物理的な刺激である。正常な状態では、300-1500s-1の低レベルに維持されるが、狭窄症、動脈硬化、癌、血管痙攣など血管が狭窄した場合、異常に増加し、さらに10,000s-1以上に増加する。この過度に上昇したせん断応力は、直接的に血小板を活性化及び凝集し、その状態はせん断応力による血小板凝集(SIPA)と定義される。せん断応力による血小板凝集は、ヴォン・ヴィレブランド因子(vWF)と糖タンパク質(GP)Ibの結合によって開始され、細胞内カルシウム濃度の増加、微小体(granule)から活性因子の分泌、及び付着タンパク質の発現を通じて安定した血小板凝集及び血栓形成を誘発する。
【0022】
実際、せん断応力は、生体内での病理学的動脈血栓の発生の最も重要な原因の一つであるが、今日まで、せん断応力による血小板凝集を標的とする薬物は開発されていなく、開発中でもない。従って、このような薬物の開発は、ファースト・イン・クラスであり、既存の製品を置き換えるだけでなく、新規市場の開拓が期待されている。特に、この薬物の場合、他の化学アゴニストとは異なり、新規機序により血小板活性化を誘導し、血流変化によって誘発される生体内環境を反映するのに有利であり、その作用機序は、vWF-GPIb結合、細胞内Ca2+変化、GPIIb/IIIa活性化、vWF分泌、ADAMTS13活性化の5段階に細分されることが期待される。
【0023】
また、本発明の一般式(I)又は(II)で示される化合物は、従来の抗血小板剤とは異なり、長期間服用しても出血などの副作用をほとんど見られない。
【0024】
本明細書で使用される用語「予防」は、本発明の組成物の投与時に関連疾患の発病を阻害又は遅延させる任意の作用を指す。本発明の組成物は、症状発生以前または初期に投与された場合に、このような疾患を予防することができることは当業者に自明であろう。
【0025】
本明細書で使用される用語「治療」は、本発明の組成物の投与時に関連疾患の症状を好転させるか、または有利な状態に変化させる人の行為を指し、緩和又は改善を含む。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、韓国医学協会などから提示されたデータを参考にして疾患の正確な基準を知ることができ、疾患の緩和、改善及び治療の程度を判断することができる。
【0026】
本発明のさらに別の態様は、本発明に係る組成物の治療有効量を血栓症の治療が必要とされる対象に投与することを含む血栓症の治療又は予防方法に関するものである。
【0027】
本明細書で使用される用語「対象」は、疾患の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒト又は非ヒトである霊長類、マウス、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ及びウシなどを含む哺乳類を意味する。
【0028】
本発明の組成物を対照に投与する方法は、前述のように実施することができる。
【0029】
本明細書で使用される用語「治療有効量」は、前述のような血栓症を治療、阻害、軽減または防止するのに十分な、本発明に係る化合物又は前記化合物を含む医薬組成物の量を指し、任意の薬物に適用される効果対リスク比(benefit/risk ratio)の決定を行う。しかし、1日総投与量は、医師の合理的な意見によって決定される。さらに、特定患者の1日投与量は、多様な要因、例えば、特定疾患の種類、疾患の重症度、投与された特定薬物の種類、使用された組成物の種類、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、薬物の吸収、分布及び排泄率、投与期間、使用される他の薬物の種類などの当業界に知らされた要因を考慮して決定することができる。さらに、薬物投与の初期段階では、所望の効果に必要な量より少ない量で投与し、所望の効果が得られるまで徐々に用量を増加させる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る化合物又はその薬学的に許容しうる塩又は異性体は、血小板凝集阻害効果を有し、出血などの副作用が少ない血栓性疾患を効率的に予防又は治療することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、本発明の理解を容易にするために実施例を提示する。ただし、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0032】
実施例
実験準備及び機器
1.分析器期
本実験で得られた生成物の構造を同定するために、以下の機器を使用した。核磁気共鳴スペクトル(H-NMR)は、300MHz又は400MHzを、溶媒は、CDCl、DMSO-d6を使用した。結合定数(J)はHzで表した。質量(mass)スペクトル(メーカー:JEOL/モデル名:JMS-AX505wA、又はメーカー:JEOL/モデル名:JMS-HX/HX110Aスペクトロメーター)を製造者のマニュアルに従って、m/z形式で表した。
【0033】
2.TLC及びカラムクロマトグラフィー
Merck社製のシリカゲル(Merck F254)を薄層クロマトグラフィー(TLC)に使用し、シリカ(Merck EM9385、230-400メッシュ)をカラムクロマトグラフィーに使用した。さらに、TLC上で分離された物質を確認するために、UVランプ(=254nm)下でモニターし、又はプレートをアニスアルデヒド(anisaldehyde)及び過マンガン酸カリウム(KMnO)発色試薬に浸漬し、続いて加熱した。
【0034】
3.使用試薬
本実験で使用された試薬は、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)社からランカスター(Lancaster)、プルルカ(Fluka)製品を購入し、反応に使用された溶媒は、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)社、マック(Merck)社、純正化学株式会社から購入した。一級試薬は精製することなく使用した。溶媒として使用されたTHFは、アルゴン気流中でベンゾフェノン存在下、Na金属上で加熱還流し、青色になるまで加熱して製造した。また、ジクロロメタン(CHCl)は、アルゴン気流中にCaHを添加し、加熱還流して製造した。酢酸エチルとヘキサンをアルゴン気流中で加熱還流し、精製した。
【0035】
製造例1:1,3-ジアセトキシ安息香酸の製造
精製水(150mL)及びTEA(36.1mL)の混合液にPCA(10.0g)を加え、20℃以下で無水醋酸(18.4mL)を滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。そこに塩酸を加えてpH=3.0に調整し、室温で1時間撹拌した。生成された固体をろ過し、精製水で洗浄し、40℃で乾燥して、白色固体として表題化合物(9.2g)を得た。
【0036】
収率:59.5%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.05 (dd, J = 2.0 and 8.4 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.35(d, J = 8.8 Hz, 1H), 2.35(s, 3H), 2.34 (s, 3H)
【0037】
製造例2:4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸の製造
精製水(150mL)及びTEA(16.5mL)の混合液にバニリン酸(10.0g)を加え、20℃以下で無水醋酸(8.4mL)を滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。そこに塩酸を加えてpH=3.0で調整し、室温で1時間撹拌した。生成された固体をろ過し、精製水で洗浄した。40℃で乾燥して、黄土色固体として表題化合物(10.7g)を得た。
【0038】
収率:85.5%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.78 (dd, J = 6.4 and 8.0 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.16(d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.93(s, 3H), 2.37 (s, 3H)
【0039】
実施例1:(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、混合物を10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌し、精製水(10mL)を加えて抽出した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2,c]ピリジン塩酸塩(0.33g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温まで昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨てた。有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加えて4時間還流した。MeOHを濃縮してEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を濃縮し、少量のDCMを加え、5分間超音波処理した。生成された固体をろ過し、少量のDCMで洗浄して、白色固体として表題化合物(0.38g)を得た。
【0040】
収率:65.7%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.30 (brs, 2H), 7.35(d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.88(brs, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.77(d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.64(s, 1H), 3.96(s, 1H), 3.87 (s, 1H), 2.89 (s, 1H), 2.81 (s, 1H)
【0041】
実施例2:(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、混合物を0~10℃に保持しながら2時間撹拌し、精製水(10mL)を加えて抽出した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、6-フルオロ-3-(4-ピペリジニル)-1,2-ベンゾイソオキサゾール塩酸塩(0.48g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)でさらに抽出し、残った水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物に、MeOH(5mL)精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOH相を濃縮し、EtOAc(10mL)及び精製水(10mL)を加えて抽出した。有機層を濃縮し、少量のDCMを加えた後、5分間超音波処理した。生成された固体をろ過し、少量のDCMで洗浄して、白色固体として表題化合物(0.42g)を得た。
【0042】
収率:56.1%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.23 (brs, 2H), 8.07(dd, J = 5.6 and 8.8 Hz, 1H), 7.71(dd, J = 2.0 and 9.2 Hz, 1H), 7.30(td, J = 2.0 and 9.2 Hz, 1H), 6.84(d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.76~6.75(m, 2H), 4.19(brs, 2H), 3.53~3.46(m, 2H), 3.12(brs, 1H), 2.10~2.07(m, 2H), 1.83~1.73(m, 1H)
【0043】
実施例3:N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-3,4-ジヒドロキシベンズアミド
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(3.0g)をDCM(60mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(3.9g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌し、精製水(60mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(60mL)を加え、0℃に冷却し、3-アミノメチル-4-(4-フルオロベンジル)モルホリン(2.7g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(5.2mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(60mL)及び精製水(60mL)を加えて、抽出した。水層をEtOAC(60mL)でさらに抽出し、残った水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物に、MeOH(3mL)、精製水(3mL)及びTEA(17.5mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(60mL)及び精製水(60mL)を加えて、抽出した。有機層を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空乾燥して、泡状物として表題化合物(2.9g)を得た。
【0044】
収率:63.8%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.45 (brs, 1H), 9.11(brs, 1H), 8.18(t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.33(dd, J = 5.6 and 8.4 Hz, 2H), 7.27(d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.19~7.11(m, 3H), 6.75(d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.77(d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.59~3.40(m, 4H), 3.29~3.17(m, 2H), 2.73(d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.55(d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.04(t, J = 10.4 Hz, 1H), 1.82(d, J = 10.4 Hz, 1H)
【0045】
実施例4:3,4-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド
DMF(10mL)にプロトカテク酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、ホモシステインチオラクトン塩酸塩(0.55g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨てた。有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.28g)を得た。
【0046】
収率:34.1%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 9.52(brs, 1H), 9.17(brs, 1H), 8.42(d, J=8.0, 1H), 7.29(d, J=2.0, 1H), 7.20(dd, J=2.0 and 8.4, 1H), 6.77(d, J=8.8, 1H), 4.79(sex, J=7.6, 1H), 3.47~3.29(m, 2H), 2.46~2.22(m, 2H)
【0047】
実施例5:N,N’-(ノナン-1,9-ジイル)ビス(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、1,9-ジアミノノナン(0.13g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.65g)を白色固体として得た。
【0048】
収率:71.9%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.40 (brs, 2H), 9.08(brs, 2H), 8.10(t, J = 5.6 Hz, 2H), 7.26(d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.17(dd, J = 2.0 and 8.0 Hz, 2H), 6.74(d, J = 8.0 Hz, 2H), 3.09(q, J = 6.8 Hz, 4H), 1.47(t, J = 6.0 Hz, 4H), 1.27(s, 10H)
【0049】
実施例6:(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌し、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、2-[(4-クロロフェニル)(4-ピペリジニルオキシ)メチル]ピリジン(0.57g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水5mL、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、泡状物として表題化合物(0.72g)を得た。
【0050】
収率:78.1%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.25 (brs, 2H), 8.47 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.81 (td, J = 1.6 and 7.6 Hz, 1H), 7.57(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44~7.24(m, 5H), 6.80~6.67(m, 3H), 5.70(s, 1H), 3.76(brs, 1H), 3.66(brs, 2H), 3.19(brs, 2H), 1.85(brs, 2H), 1.53(brs, 2H)
【0051】
実施例7:(S)-(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジヒドロキシフェニル)メタノン
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mLに加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mLを加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、(s)-2-[(4-クロロフェニル)(4-ピペリジニルオキシ)メチル]ピリジン(0.57g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、泡状物として表題化合物(0.47g)を得た。
【0052】
収率:51.0%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.50 (brs, 2H), 7.72 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.38~7.21(m, 5H), 6.84(s, 1H), 6.72(s, 2H), 5.65(s, 1H), 3.91(brs, 1H), 3.69(brs, 2H), 3.40(brs, 1H), 3.31(brs, 1H), 1.73(brs, 4H)
【0053】
実施例8:(S)-メチル-2-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパノエート
DMF10mLにプロトカテク酸(0.5g、3.24mmol)、EDC(0.68g、3.57mmol)、HOBt(0.48g、3.57mmol)、TEA(1.58mL、11.35mmol)、D-トリプトファンメチルエステル塩酸塩(1.0g、3.89mmol)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、泡状物として表題化合物(0.37g)を得た。
【0054】
収率:33.6%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.84 (s, 1H), 9.51(s, 1H), 9.14(s, 1H), 8.42(d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.54(d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.33(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.26(d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.21~7.19(m, 2H), 7.08~6.97(m, 2H), 6.75(d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.63(td, J = 5.6 and 7.6 Hz, 1H), 3.61(s, 3H), 3.27~3.21(m, 2H)
【0055】
実施例9:4-(3,4-ジヒドロキシベンズアミド)-1-メチル-3-プロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌し、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、4-アミノ-1-メチル-3-プロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド塩酸塩(0.41g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して得た泡状物の残渣をEtOAC/DCMの混合溶媒中で結晶化して、微白色固体として表題化合物(0.21g)を得た。
【0056】
収率:31.4%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 9.83(s, 1H), 9.69(brs, 1H), 9.29(brs, 1H), 7.38 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.34(dd, J = 2.0 and 8.0 Hz, 1H), 6.84(d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.94(s, 3H), 1.56(sextet, J = 7.2 Hz, 2H), 1.17(t, J = 7.2 Hz, 2H), 0.85(t, J = 7.2 Hz, 3H)
【0057】
実施例10:2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル3,4-ジヒドロキシベンゾエート
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸0.5gをDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、マルトール(0.24g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を濃縮し、少量のDCMを加え、5分間超音波処理した。生成された固体をろ過し、少量のDCMで洗浄して、白色固体として表題化合物(0.40g)を得た。
【0058】
収率:72.6%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 9.79(brs, 2H), 8.19 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.47~7.44(m, 2H), 6.89(d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.46(d, J = 6.0 Hz, 1H), 2.26(s, 3H)
【0059】
実施例11:(3,4-ジヒドロキシフェニル)(4-フェニルピペラジン-1-イル)メタノン
製造例1で得られた3,4-ジアセトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.66g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌後精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、1-フェニルピペラジン(0.31g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.44mLを滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(2.9mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.28g)を得た。
【0060】
収率:45.2%
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 9.35(s, 1H), 9.21(s, 1H), 7.24~7.21(m, 2H), 6.96~6.75(m, 6H), 3.62(brs, 4H), 3.14(brs, 4H)
【0061】
実施例12:(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2,c]ピリジン塩酸塩(0.4g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、生成された固体をろ過し、精製水で洗浄して、白色固体として表題化合物(0.55g)を得た。
【0062】
収率:79.9%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.48 (s, 1H), 7.35 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.93~6.90(m, 2H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.60(s, 1H), 3.79(s, 3H), 3.74(brs, 2H), 2.88 (t, J = 4.8 Hz, 2H)
【0063】
実施例13:2-エチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、エチルマルトール(0.31g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下して、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.34g)を得た。
【0064】
収率:49.2%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.23 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.53(s, 1H), 6.95 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.85(s, 3H), 2.62 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.15 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
【0065】
実施例14:2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエート
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、マルトール(0.27g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、生成された固体をろ過し、精製水で洗浄して、白色固体として表題化合物(0.35g)を得た。
【0066】
収率:53.2%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.53(s, 1H), 6.95 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.85(s, 3H), 2.83(s, 3H)
【0067】
実施例15:4-ヒドロキシ-3-メトキシ-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)ベンズアミド
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌後精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、4-メトキシ-2-ニトロアニリン(0.40g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAc(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、赤色固体として表題化合物(0.54g)を得た。
【0068】
収率:71.3%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 10.32(s, 1H), 9.81(brs, 1H)7.63(d, J=8.8, 1H), 7.52~7.46(m, 3H), 7.35(dd, J=2.8 and 8.8, 1H), 3.86(s, 1H), 3.85(s, 3H)
【0069】
実施例16:N-(3-エチニルフェニル)-4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアミド
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、3-アミノフェニルアセチレン(0.25g)を加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAC(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAC(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮した。生成された固体に少量のIPAに加え、撹拌して、白色固体として表題化合物(0.30g)を得た。
【0070】
収率:47.2%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.07 (s, 1H), 9.75(brs, 1H), 7.92 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 1.2 and 8.4 Hz, 1H), 7.54~7.50(m, 2H), 7.36 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 1.2 and 8.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.18(s, 1H), 3.87(s, 3H)
【0071】
実施例17:4-(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアミド)フェノキシ)-N-メチルピコリンアミド
製造例2で得られた4-アセトキシ-3-メトキシ安息香酸(0.5g)をDCM(10mL)に加え、10℃で撹拌した。10℃以下でPCl(0.74g)を加え、0~10℃に保持しながら2時間撹拌、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層を捨て、有機層をNaSOで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCM(10mL)を加え、0℃に冷却し、4-(4-アミノフェノキシ)-N-メチルピコリンアミド(0.55gを加えた。0℃に保持しながらTEA(0.5mL)を滴下し、徐々に室温に昇温し、2時間撹拌した。DCMを濃縮し、EtOAc(10mL)と精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で抽出し、水層を捨て、有機層を濃縮した。この濃縮物にMeOH(5mL)、精製水(5mL)、TEA(3.3mL)を加え、4時間還流した。MeOHを濃縮し、EtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。有機層を減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体として表題化合物(0.48g)を得た。
【0072】
収率:51.3%
1H NMR(400MHz, CDCl3) 8.60(s, 1H), 8.39(d, J=5.6, 1H), 8.10(q, J=5.2, 1H), 7.71~7.65(m, 3H), 7.52(d, J=2.0, 1H), 7.43(dd, J=2.0 and 8.4, 1H), 7.04~6.90(m, 4H), 6.73(brs, 1H), 3.78(s, 3H), 3.01(d, J=5.2, 3H)
【0073】
実施例18:4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メタノン
DMF(10mL)にバニリン酸(0.5g)、EDC(0.51g)、HOBt(0.44g)、TEA(1.44mL)、2-[(4-クロロフェニル)(4-ピペリジニルオキシ)メチル]ピリジン(0.99g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体として表題化合物(0.40g)を得られた。
【0074】
収率:31.6%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.41 (brs, 1H), 8.47 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 7.0, 1H), 7.57(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44~6.94(m, 6H), 6.84~6.67(m, 3H), 5.71(s, 1H), 3.87(s, 3H), 3.74~3.69(m, 2H), 3.37(brs, 2H), 1.85(brs, 2H), 1.72(brs, 2H)
【0075】
実施例19:4-ヒドロキシ-N-((3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-4-イル)メチル)-3-メトキシベンズアミド
DMF(10mL)にバニリン酸(0.5g、EDC(0.51g)、HOBt(0.44g)、TEA(1.44mL)、ピリドキサミン2HCl(0.72g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体として表題化合物(0.62g)を得た。
【0076】
収率:65.6%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 10.50(s, 1H), 9.76(s, 1H), 9.18(t, J=5.6, 1H), 7.29(s, 1H), 7.47(d, J=2.0, 1H), 7.42(dd, J=2.0 and 8.4, 1H), 6.83(d, J=8.4, 1H), 5.25(t, J=5.2, 1H), 4.67(d, J=4.8, 2H), 4.48(d, J=6.0, 2H), 3.82(s, 3H), 2.35(s, 3H)
【0077】
実施例20:(6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)(2,5-ジヒドロキシ-フェニル)メタノン
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.93g)、HOBt(0.66g)、TEA(1.35mL)、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2,c]ピリジン塩酸塩(0.62g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。反応物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、撹拌した。生成された固体をろ過し、EtOAc(10mL)中で1時間還流し、次いでろ過した。少量のEtOAcで洗浄して、アンズ色固体として表題化合物(0.38g)を得た。
【0078】
収率:42.6%
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.08 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 7.34 (brs, 1H), 7.35 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.93~6.90(m, 2H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.60(s, 1H), 3.79(s, 3H), 3.74(brs, 2H), 2.86 (t, J = 4.8 Hz, 1H)
【0079】
実施例21:(4-((4-クロロフェニル)(ピリジン-2-イル)メトキシ)ピペリジン-1-イル)(2,5-ジヒドロキシフェニル)メタノン
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、2-[(4-クロロフェニル)(4-ピペリジニルオキシ)メチル]ピリジン(1.08g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、泡状物として表題化合物(0.78g)を得た。
【0080】
収率:54.9%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 9.05(s, 1H), 8.89(s, 1H), 8.47(dd, J=0.8 and 4.0, 1H), 7.81(td, J=1.6 and 8.0, 1H), 7.57(d, J=7.6, 1H), 7.43~7.25(m, 5H), 6.67~6.60(m, 2H), 6.46(d, J=2.8, 1H), 5.69(s, 1H), 3.93(brs, 1H), 3.64(p, J=4.4, 1H), 3.14(brs, 2H), 1.85(brs, 1H), 1.55~1.52(m, 2H)
【0081】
実施例22:N-((4-(4-フルオロベンジル)モルホリン-2-イル)メチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、3-アミノメチルl-4-(4-フルオロベンジル)モルホリン(0.73g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、泡状物として表題化合物(0.80g)を得た。
【0082】
収率:68.5%
1H NMR(400MHz, CDCl3) 7.31~7.27(m, 2H), 7.05~7.00(m, 4H), 6.89~6.88(m, 2H), 3.96~3.67(m, 4H), 3.49~3.33(m, 3H), 2.79(d, J=11.6, 1H), 2.69(d, J=11.6, 1H), 2.24~1.91(m, 2H)
【0083】
実施例23:(2,5-ジヒドロキシフェニル)(4-(5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、6-フルオロ-3-(4-ピペリジニル)-1,2-ベンゾイソオキサゾール塩酸塩(0.83g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層にEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.64g)を得た。
【0084】
収率:55.4%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 9.07(s, 1H), 8.92(s, 1H), 8.02(dd, J=5.6 and 8.8, 1H), 7.70(dd, J=1.6 and 8.8, 1H), 6.70~6.54(m, 3H), 4.57(brs, 1H), 3.61~3.45(m, 3H), 3.09(brs, 2H), 2.06(brs, 2H), 1.80(brs, 2H)
【0085】
実施例24:N-(3,4-ジメトキシフェネチル)-2,5-ジヒドロキシベンズアミド
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、3,4-ジメトキシフェネチルアミン(0.6mL)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.73g)を得た。
【0086】
収率:71.0%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 11.63(brs, 1H), 9.00(brs, 1H), 8.72(t, J=5.2, 1H), 7.22(d, J=2.8, 1H), 6.88~6.71(m, 5H), 3.72(s, 3H), 3.71(s, 3H), 3.50(q, J=6.8, 2H), 2.78(t, J=7.6, 2H)
【0087】
実施例25:2,5-ジヒドロキシ-N-(2-(チオフェン-2-イル)エチル)ベンズアミド
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、チオフェン-2-エチルアミン(0.4mL)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.56g)を得た。
【0088】
収率:65.6%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 11.62(brs, 1H), 9.03(brs, 1H), 8.83(t, J=5.2, 1H), 7.34(dd, J=1.2 and 4.8, 1H), 7.23(d, J=3.2, 1H), 6.97~6.85(m, 3H), 6.73(d, J=8.8, 1H), 3.53(q, J=6.8, 2H), 3.08(t, J=6.8, 2H)
【0089】
実施例26:2,5-ジヒドロキシ-N-(2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンズアミド
DMF(10mL)にゲンチジン酸(0.5g)、EDC(0.68g)、HOBt(0.48g)、TEA(1.4mL)、ホモシステインチオラクトン塩酸塩(0.55g)を加え、60~80℃で4時間撹拌した。この反応混合物にEtOAc(10mL)、精製水(10mL)を加え、層分離した。水層をEtOAc(10mL)で1回抽出し、水層を捨て、有機層を精製水(10mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過した。減圧下蒸留して濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として表題化合物(0.21g)を得た。
【0090】
収率:25.6%
1H NMR(400MHz, DMSO-d6) 11.33(brs, 1H), 9.06(brs, 1H), 8.92(d, J=8.0, 1H), 7.24(d, J=3.2, 1H), 6.89(dd, J=2.8 and 8.8, 1H), 6.77(d, J=8.8, 1H), 4.84(sex, J=5.6, 1H), 3.50~3.25(m, 2H), 2.56~2.26(m, 2H)
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
実験例
実験例1:せん断応力による血小板凝集阻害効果の測定
1-1.ヒト多血小板血漿(PRP)を用いた血小板凝集阻害効果の測定
血液は、2週間以上薬物を服用しなかった健常な男性志願者の静脈から採取し、これと関連した実験過程は、全部ソウル大学校生命倫理審議委員会の承認下で行われた(IRB No. 1305/001-016)。実験全過程において、ガラス器やガラスピペットの使用は避け、室温で行った。多血小板血漿(PRP)を分離するために、抗凝固剤として3.2%クエン酸ナトリウムを用いた血液を採取した。全血を150gで15分間遠心分離した後上清(PRP)を得、残渣を2,000gで20分間遠心分離し、多血小板血漿(PPP)を得た。このように得られたPRPの血小板数は、血球計を用いた光学顕微鏡で計測した。PRPを1mL当たり3×10個の血小板が含まれるようにPPPで希釈し、実験に使用した。PRPは、コーンプレート粘度計(Thermo Fischer Scientific, USA)に載置し、10,800s-1のせん断速度で、37℃で3分間せん断応力をかけた。候補物質評価のために、血小板凝集誘導以前に、25μMの候補物質(1.2μL)をPRP(598.8μL)で処理し、サーモミキサーを用いて37℃で3分間培養した。せん断応力をかけた後、20μLのPRPを、0.5%クルルタアルデヒドを含む浮遊緩衝液(134mM NaCl、2.9mM KCl、1.0mM MgCl・6HO、10.0mM HEPES、5.0mM デキストロース、12.0mM NaHCO、0.34mM NaHPO、0.3% BSA、pH7.4)280μLに入れて固定させた。次いで、懸濁液中の単独存在する血小板数を、血球計を用いて計数した。候補物質の阻害程度を下記数式(1)により算出した。阻害程度は、下記方法で測定した。せん断応力をかけないものを対照群とし、せん断応力のみをかけたものを陽性対照群とした。
【0097】
【数1】
A:候補物質処理後、せん断応力をかけたサンプルの単独血小板数
B:せん断応力をかけなかった対照群の単独血小板数
C:せん断応力のみをかけた陽性対照群の単独血小板数
【0098】
【表6】
【0099】
前記表2に示されるように、実施例14及び実施例20(各25μM)では、断応力による血小板凝集阻害効果が30%以上であることが確認された。また、実施例1、実施例12、実施例13、実施例15、実施例23(各25μM)において、前記効果は20~30%であることが確認された。
【0100】
1-2.ヒト洗浄血小板(WP)を用いたた血小板凝集阻害効果の測定
ヒト洗浄血小板(WP)を分離するために、抗凝固剤として酸性クエン酸ブドウ糖(ACD)を用いて健常な男性の静脈から血液を採取した。採血時、1μMのプロスタグランジンE(PGE)を処理して血小板の活性化を阻害した。採血した血液を150gで15分間遠心分離し、上清よりPRPを得、これを500gで10分間遠心分離して血小板を得た。これを洗浄溶液(washing buffer)(134mM NaCl、2.9mM KCl、1.0mM MgCl・6HO、10.0mM HEPES、5.0mM デキストロース、12.0mM NaHCO、0.34mM NaHPO、10% ACD、0.3%ウシ血清アルブミン、1μM PGE、pH7.4)で懸濁して洗浄した後、400gで10分間再遠心分離した。こうして得られた血小板を浮遊緩衝液で懸濁した。WP中の血小板数は血球計(hemacytometer)を利用して計数したし、浮遊緩衝液で希釈して1mL当たり3×10個の血小板が含まれるようにした後、CaClを最終濃度が2mMになるように加えて実験に使用した。vWFをWPに加えて、10μg/mLの最終濃度を得た。WPをコーンプレート粘度計に載置し、10,800s-1のせん断速度で、37℃で3分間せん断応力をかけた。候補物質の効力評価のために、血小板凝集誘導以前に候補物質10、25、50μMをWPに処理し、サーモミキサーを用いて、37℃で3分間培養した。せん断応力をかけた後、20μLのWPを0.5%クルルタアルデヒドを含む浮遊緩衝液(280μL)に入れて固定させた。その後、この懸濁液中に単独存在する血小板数を血球計で計数した。前記数式(1)の方式で候補物質の阻害程度を計算した。阻害程度は、せん断応力をかけないものを対照群とし、せん断応力のみをかけたものを陽性対照群とした。
【0101】
【表7】
【0102】
前記表3に示されるように、せん断応力による血小板凝集阻害効果は、WPで実施例1、実施例12、実施例13、実施例14、実施例15及び実施例20によって容量相関的に阻害されることが確認された。
【0103】
実験例2:動脈血栓生成モデルにおける薬効評価
一晩絶食させたSDラット(雄性、250~300g)に、ビヒクル(DMSO:ツイーン80:DW=1:2:17)又は候補物質(25mg/kg)を経口投与した後、30分後にウレタン(1.25g/kg)を腹腔投与して麻酔させた。麻酔した動物を手術台に載せ、全手術中に加熱パッドを用いて体温を保持した。実験動物の首を切開して右頸動脈を慎重に露出させ、血管に付着した脂肪組織を慎重に除去した。露出した頸動脈にドップラーフロープローブ(Doppler flow probe)(直径0.5mm、MA0.5PSB、Transonic System Inc., USA)を露出した頸動脈に固定し、ドップラ流量計(TS420、Transonic System Inc., USA)に結びつけた。経口投与から60分後に、プローブが固定された下にある血管に、50%FeCl溶液に浸したWhatman No.1ろ紙(2mm×1mm)を付着させた。ろ紙を10分後に除去し、除去した時点から60分間頸動脈内の血栓生成による血流の変化を測定した。閉塞時間は、初めて血流が0になり、1分以上持続する時点とした。
【0104】
【表8】
【0105】
前記表4に示されるように、塩化鉄による血栓生成モデルにおける対照群対比2.5倍以上の効果を示した候補物質は、実施例1、実施例20であることが確認された。
【0106】
実験例3:頸動脈せん断応力モデルにおける候補物質の血栓阻害効果の測定
SDラット(雄性、250~300g)に、ビヒクル(0.5%メチルセルロース)、クロピドグレル(8mg/kg)、アスピリン(50mg/kg)又は候補物質を経口投与した。投与2時間後に、ラットをケタミン/ロムプンカクテル0.1mL/100gで麻酔した。正常対照群を除いて、実験動物の右頚部皮膚を切開して総頚動脈を露出させた。露出した右頸動脈に長さ1mm、内径0.58mmの外科用チューブを挿入し、一本の糸で縛った。露出部位および手術部位を癒着防止剤で処理し、次いで、縫合して動物を回復させた。手術後、1日2回3日間、ビヒクル、クロピドグレル、アスピリン又は候補物質をラットに経口投与した。最終投与2時間後の4日目に、ラットにウレタン(100mg/300μL/100g)を腹腔投与して麻酔を誘導し、手術部位を開けて外科用チューブの上下5mmずつ合計1cmを分離した。分離された血管に、0.9%生理食塩水を0.3mL/minで0.2mL灌流して残りの血液を除去した後、1mLのタンパク質溶解緩衝液(NaOH 2g、NaCO 0.1g in 500mL D.W)を維持した。血管内血栓を収集した後、タンパク質溶解緩衝液と共に沸騰水で湯煎した。加熱された血栓10μLに反応液(ビシンコニン酸溶液10mL+200μL4%硫酸銅水溶液)200μLを混合した後、混合物を30分間37℃で反応させ、ELISAリーダー(562nm)で定量した。
【0107】
【表9】
【0108】
前記表5に示されるように、実施例1、実施例12、実施例13、実施例14、実施例15、実施例20及び実施例23の経口投動物では、対照群に比べて、せん断応力による血栓生成が有意的に顕著に阻害されることが確認された。これは、抗血小板剤として最も一般的に使用されるクロピドグレル投与群と比較したとき、候補物質の血栓生成阻害程度がクロピドグレルのそれに匹敵するほど優れることを示唆した。
【数2】
A:正常対照群の血栓量
B:陰性対照群の血栓量
C:候補物質処理時の血栓量
【0109】
実験例4:候補物質の化学的アゴニストによる血小板凝集阻害効果の測定
候物理的刺激によるせん断応力による血小板凝集に対する阻害選択性を有するかどうかを確認するために、化学的アゴニストであるトロンビン、コラーゲン、ADPで血小板を活性化させることにより、候補物質の阻害効果を調べた。
ヒトPRP(598.8μL)に候補物質を濃度当たり(25、100、250μM)1.2μLを処理し、ホーモミキサーを用いて37℃で3分間反応した。次に、PRP(495μL)を血小板凝集計キュベットに入れ、1分間予熱(preincubation)した後、血小板凝集誘発試料であるトロンビン(0.6~0.8U/mL)、コラーゲン(2~5μg/mL)、ADP(adenosine diphosphate、15~20μM)最大凝集を引き起こす最小濃度で加えた。血小板の凝集程度は、ルミ‐アグリゴメーター(Chrono-Log Co., USA)を用いて濁度変化によって測定した。PRPの濁度を0%とし、PPPの濁度を100%とした。測定時、反応混合物は、シリコーンでコーティングされた磁気撹拌棒を用いて1,000rpmで持続的に撹拌された。反応は、トロンビンまたはADPでは5分間、コラーゲンでは6分間を観察された。
【0110】
【表10】
【0111】
前記表6に示されるように、トロンビンのみを処理した群と比較したとき、候補物質は250μMまでの血小板凝集阻害効果を示さないことが確認された。対照的に、陽性対照群のDTIを処理する場合、血小板の凝集が阻害されることが確認された。
【0112】
【表11】
【0113】
前記表7に示されるように、コラーゲンだけを処理した群と比較したとき、候補物質は250μMまでの血小板凝集阻害効果は示さないことが確認された。
【0114】
【表12】
【0115】
前記表8に示されるように、adpを処理した群と比較したとき、候補物質は250μMまでの血小板凝集阻害効果は示さないことが確認された。対照的に、陽性対照群クロピドグレルを処理する場合、血小板の凝集が阻害されることが確認された。
【0116】
実験例5.候補物質の細胞毒性評価
5-1.EA.hy926細胞株を用いた候補物質の細胞毒性評価
ヒトの血管内皮細胞(EA.hy926)における候補物質の細胞毒性有無を確認するために実験を行った。EA.hy926は、DMEM(Dulbecco's Minimum Essential Medium)と10%ウシ胎仔血清(FBS)培養液で5%CO2/37℃の条件で継代培養した。細胞を96ウェルプレートで1×10細胞/ウェルで48時間培養し、DMEMで2回洗浄した後、24時間培養させた。候補物質は最終濃度25、100μMで製造し、ウェル当たり200μLずつ処理し、24時間培養した。MTTアッセイを用いて、紫色での発色後の570nmでの吸光度を測定した。
【0117】
【表13】
【0118】
前記表9に示されるように、候補物質はEa.hy926細胞株において、100μMまでの毒性を示さないことが確認された。
【0119】
5-2.ヒト血小板を用いた候補物質の細胞毒性評価
血小板から乳酸脱水素酵素(LDH)の流出を分光光度計法により測定した。PRP(598.8μL)に試験物質(1.2μL)を加え、サーモミキサーを用いて37℃で3分間反応させた。反応、後試料(100μL)を12,000gで2分間遠心分離し、上清(80μL)を採取し、評価するまで冷蔵保管した。評価は、24時間以内に行った。対照群(陽性対照)を50μMジギトニンで1時間処理した。予め加温したトリス-EDTA NADH溶液(56mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、5.6mM EDTA、0.17mM β-NADH pH7.4)1mLに試料(25μL)を添加し、37℃で5分の間反応させた。次に、予め37℃に加温した100μLの14mMピルビン酸塩溶液を加え、UV-分光光度計(UV-2201、Shidmadzu, Japan)を用いて、339nmの波長で1分間吸光度を直ちに測定した。吸光度減少速度は、NADHの酸化速度を意味し、血小板から遊離したLDHの活性度を示している。LDHの総活性度を、0.3%トリトンX-100で血小板の溶解を誘導することによって測定した。LDH(対照群)の基準水準は血漿中で測定した。各試料の活性度は、LDHの総活性度の百分率として測定した。
【0120】
【表14】
【0121】
前記表10に示されるように、候補物質は血小板中で250μMまでの毒性を示さないことが確認された。
【0122】
5-3.ヒト肝細胞を用いた候補物質の細胞毒性評価
ヒト肝細胞(HepG2)における細胞毒性評価のための実験を行った。ヒト肝癌細胞株であるHepG2細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したDMEM(Dulbecco's minimum essential medium)中で、37℃、CO 5%条件で培養した。48ウェルフロイトに4×10細胞/ウェルで24時間培養後、実験に使用した。HepG2細胞に候補物質(250μM)で18時間処理した後、培地を除去し、WST-1を加え、3時間遮光して反応させた。3時間後、上清を採取し、吸光度を450nmで測定した。細胞生存率は、候補物質を処理していないHepG2細胞にWST-1を加えた後に測定した吸光度を対比して計算した。対照物質としてはアセトアミノフェン(40mM)を使用した。
【0123】
【表15】
【0124】
前記表11に示されるように、候補物質は,HepG2細胞株において250μMまでの肝毒性を示さないことが確認された。
【0125】
実験例6:血漿凝固時間の測定
血漿を分離するために、3.2%クエン酸ナトリウを抗凝固剤として採血した。全血を2000gで20分間遠心分離して血漿を得た。血漿を試験物質で3分間処理した後、血漿凝固時間を測定した。血漿凝固時間のために、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、プロトロンビン時間(PT)をBBL(登録商標)蛍光計(Becton Dickinson,Cockeysville, MD)を用いて測定した。aPTT測定のために、血漿をフィブロメーターカップ中のaPTT試薬で処理し、3分間37℃で反応させた。反応後、CaClを加え、直ちに血液凝固時間を測定した。PTの測定のために、加温された血漿にPT試薬を加え、直ちに血液凝固時間を測定した。対照群として血漿凝固時間を延長すると知られているDTIを使用した。
【0126】
【表16】
【0127】
前記表12に示されるように、候補物質は対照群と比較してaPTTポイントを有意片はさせないことが確認された。候補物質がaPTTに影響しなかったことを示す。
【0128】
【表17】
【0129】
前記表13に示されるように、候補物質は対照群と比較してPTポイントを有意に変化させないことが確認され、候補物質がPTに影響しなかったことを示す。
【0130】
実験例7:実験動物における出血副作用(出血時間)の評価
雄性SDラット(250~300g)を一晩絶食させた後、各濃度の候補物質を経口投与した。1時間後、ラットをウレタン(1.25g/kg)の腹腔注射により麻酔した。ラットの尾の先端の3mm部分を切断し、毎30秒ごとに慎重に拭き取った。出血時間は、採血がなくなるまで数時間で測定し、出血が30分以上持続した場合、出血時間は30分と記録された。
【0131】
【表18】
【0132】
前記表14に示されるように、候補物質の副作用と予想される出血は、対照物質としてのクロピドグレルとアスピリンの出血よりも低いことが判明した。実施例の化合物の全てが出血の副作用を示さないことが確認された。
実験例8:反復投与による出血副作用の評価
ICRマウス(雄性、35~40g)に候補物質(50mg/kg)、クロピドグレル(15mg/kg)またはアスピリン(100mg/kg)を1日1回7日間経口投与した。最後の投与の1時間後に、マウスを呼吸麻酔し、マウスの尾の先端から4mm部分を切断した。次いで、マウスの尾の先端を、予め準備した37℃の食塩水を入れた透明な15mLチューブに浸した。血液がそれ以上拡散せずに出血が止まった時間を測定した。
【0133】
【表19】
【0134】
前記表15に示されるように、クロピドグレルの場合、臨床用量で出血を止める時間は35分を超えており、出血時間は対照群と比較して約22倍出血時間が遅れた。アスピリンの場合、出血を止める時間は12分を超えており、出血時間は約7.6倍遅れていた。しかし、実施例13及び実施例14の化合物を、1日1回、7日間反復投与した場合、出血を止まる時間は対照群とほぼ同じであり、出血時間は1分30秒であった。したがって、候補物質については出血副作用が殆ど見られず、既存の抗血小板剤の出血副作用の問題を克服した新規抗血小板剤候補であることが確認された。
【0135】
実験例9:2週反復投与毒性試験
ICRマウス(雌性、雄性、18~26g)に対して、低用量、中用量、高用量(100、300、1000mg/kg)のビヒクル(0.5%メチルセルロース)または候補物質を1日1回、2週間経口投与した後、死亡率、体重変化、臨床症状、飲食水摂取量、肉眼的検診所見、異常臓器の組織病理学的評価及び器官重量を観察し、記録することにより、候補物質のNOAEL値を算出した。
【0136】
【表20】
【0137】
前記表16に示されるように、実施例13または実施例14の化合物を100、300及び1000mg/kgの用量で1日1回2週間経口投与したところ、死亡例は認められず、体重変化、臨床症状、飲食水摂取量、肉眼的検診所見、異常臓器の組織病理学的評価及び器官重量などを観察した結果、異常所見は認められなかった。したがって、候補物質のNOAEL値は1000mg/kg以上であることが確認された。
【0138】
実験例10:統計分析
スチューデントのt検定(Student’s t-test)及び一元配置分散分析検定(one-way ANOVA test)を用いて、pが0.05以下で有意であると評価された。