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特許7013392エアロゾル発生システム用の流体透過性ヒーター組立品及びエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム用の流体透過性ヒーター組立品及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20220207BHJP
   H05B 3/42 20060101ALI20220207BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
A24F40/46
H05B3/42
H05B3/10 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018562072
(86)(22)【出願日】2017-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2017062257
(87)【国際公開番号】W WO2017207322
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】16172198.0
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィチ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/117701(WO,A1)
【文献】中国特許第102425023(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用の流体透過性ヒーター組立品であって、導電性の平面のフィラメント装置と、
前記平面のフィラメント装置を電気接触させるための第1接触点及び第2接触点とを備える流体透過性ヒーター組立品であって、長手方向軸が前記第1接触点と前記第2接触点との間に画定され、
中央抵抗Rcが前記長手方向軸上に位置する2点の間の電気抵抗であり、前記2点のうちの一方が、前記第1と第2接触点との間の距離のうち、前記第1接触点から40パーセントに相当する距離に位置し、前記2点のうちの他方が、前記第1接触点から60パーセントに相当する距離に位置し、
第1抵抗R1が、前記第1接触点と、前記第1と前記第2接触点との間の距離のうち、前記第1接触点から20パーセントに相当する距離において、前記長手方向軸上に位置する点との間の電気抵抗であり、
第2抵抗R2が、前記第2接触点と、前記第1と前記第2接触点との間の距離のうち、前記第1接触点から80パーセントに相当する距離において、前記長手方向軸上に位置する点との間の電気抵抗であり、
第1抵抗に対する前記中央抵抗の比Rc/R1が2から400の間であり、前記第2抵抗に対する前記中央抵抗の比Rc/R2が2から400の間である、流体透過性ヒーター組立品。
【請求項2】
前記第1接触点と前記第2接触点との間の前記電気抵抗に相当する合計抵抗Rtを備え、
前記合計抵抗に対する前記中央抵抗の比Rc/Rtが少なくとも0.5に相当し、
前記合計抵抗に対する前記第1抵抗の比R1/Rtが0.005から0.125の間であり、前記合計抵抗に対する前記第2抵抗の比R2/Rtが0.005から0.125の間である、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記長手方向軸上に位置する2点の間の前記電気抵抗に相当する第1境界抵抗R1tpであって、前記2点のうちの一方は、前記第1と前記第2接触点との間の距離のうち、前記第1接触点から20パーセントに相当する距離に位置し、前記2点のうちの他方は、前記第1接触点から40パーセントに相当する距離に位置する第1境界抵抗R1tpと、
前記長手方向軸上に位置する2点の間の前記電気抵抗に相当する第2境界抵抗R2tpであって、前記2点のうちの一方は、前記第1と前記第2接触点との間の距離のうち、前記第1接触点から60パーセントに相当する距離に位置し、前記2点のうちの他方は、前記第1接触点から80パーセントに相当する距離に位置する第2境界抵抗R2tpとをさらに備え、
前記第1抵抗に対する前記第1境界抵抗の比R1tp/R1が1.1から400の間であり、
前記第2抵抗に対する前記第2境界抵抗の比R2tp/R2が1.1から400の間であり、
前記第1境界抵抗に対する前記中央抵抗の比Rc/R1tpが1.1から400の間であり、
前記第2境界抵抗に対する前記中央抵抗の比Rc/R2tpが1.1から400の間である、請求項1または請求項2のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記第1接触点と前記第2接触点との間の前記電気抵抗に相当する合計抵抗Rtが0.5オームから4オームの間であり、前記中央抵抗Rcが0.5オームより高く、前記第1抵抗R1及び前記第2抵抗R2がそれぞれ、100mオームより低い、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記第1接触点から前記第2接触点に延在する中央長手方向領域を備え、前記中央長手方向領域の電気抵抗が前記中央長手方向領域の外側の電気抵抗より低い、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記導電性の平面のフィラメント装置がパーフォレートされたシートであり、前記パーフォレートされたシートの中央面が複数のヒーターフィラメントを含み、前記パーフォレートされたシートの第1及び第2側面が複数の開口部を含み、前記第1及び第2側面が、前記中央面の対向する側面に配置され、前記第1側面が前記第1接触点を含み、前記第2側面が前記第2接触点を含む、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記導電性の平面のフィラメント装置が、中央面と、第1及び第2側面を含むメッシュ装置であり、中央面のメッシュと第1及び第2側面のメッシュがそれぞれ、メッシュ密度を含み、前記中央面の前記メッシュ密度が、前記第1及び第2側面のそれぞれにおける前記メッシュ密度より低く、前記第1及び第2側面が、前記中央面の反対側に配置され、前記第1側面が前記第1接触点を含み、前記第2側面が前記第2接触点を含む、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項8】
メッシュ密度勾配が、前記第1側面と前記中央面との間、及び、前記中央面と前記第2側面との間に配置される、請求項7に記載のヒーター組立品。
【請求項9】
前記第1及び前記第2側面の前記メッシュが、ゼロより大きい横糸開口を備え、縦糸開口部は備えない、請求項7から請求項8のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項10】
前記フィラメント装置の織方向において、同数のフィラメントが、前記中央面において、及び、前記第1及び前記第2側面において、互いに隣接して配置される、請求項7から請求項9のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項11】
前記フィラメント装置の織方向において、前記中央長手方向領域の外側よりも多いフィラメントが中央長手方向領域に配置される、請求項7から請求項10のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項12】
基体であって、前記基体を通る開口部を含み、前記導電性の平面のフィラメント装置が前記基体における前記開口部の上に延在する基体と、
前記平面のフィラメント装置を前記基体に取り付ける締付手段とをさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項13】
前記締付手段が導電性であり、前記フィラメント装置を通した加熱電流を供給するための電気接点としての役目をする、請求項12に記載のヒーター組立品。
【請求項14】
前記締付手段が、クランプ、スクリュー、又はフォームロックの締付手段といった、機械的な締付手段である、請求項12から請求項13のいずれか1つに記載のヒーター組立品。
【請求項15】
電気的に動作するエアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生装置、及び、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジと、
液体エアロゾル形成基体を加熱するための、請求項1から14のうちのいずれか1つに記載の流体透過性ヒーター組立品と、を備え、
前記カートリッジが、開口部を有する筺体であって、前記ヒーター組立品が前記カートリッジの前記筺体の前記開口部を横断して延在している筺体を備え、
前記エアロゾル発生装置が、前記カートリッジを受容するための空洞部画定する本体と、電気電源と、前記電気電源を前記ヒーター組立品に接続させるための電気接点と備える、電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の流体透過性ヒーター組立品に関連する。特に、本発明は、平面のフィラメント配置を含む、平面の流体透過性ヒーター組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
性能が改良された流体透過性ヒーター組立品を有することが望ましいであろう。特に、接点と加熱性能が最適化された流体透過性ヒーター組立品を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0003】
本発明によれば、エアロゾル発生システム用の流体透過性ヒーター組立品が提供されている。流体透過性ヒーター組立品は、平面の導電性フィラメント配置と、平面のフィラメント配置に電気接触し、平面のフィラメント配置を外部電源に接続するための第1接触点及び第2接触点とを含む。長手方向軸は、第1接触点と第2接触点との間に画定される。ヒーター組立品では、中央抵抗Rcは、長手方向軸上に位置する2点の間の電気抵抗であり、2点のうちの一方は、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から40パーセントに相当する距離に位置し、2点のうちの他方は、第1接触点から60パーセントに相当する距離に位置する。第1抵抗R1は、第1接触点と、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から20パーセントに相当する距離において、長手方向軸上に位置する点との間の電気抵抗である。第2抵抗R2は、第2接触点と、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から80パーセントに相当する距離において、長手方向軸上に位置する点との間の電気抵抗である。第1抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R1は、2から400の間であり、第2抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R2は、2から400の間である。
【0004】
第1抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R1は、2から300の間が好ましく、40から200の間がさらに好ましい。
【0005】
第2抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R2は、2から300の間が好ましく、40から200の間がさらに好ましい。
【0006】
ヒーター組立品は、第1接触点と第2接触点との間の電気抵抗に相当する、合計抵抗Rtを含む。
【0007】
合計抵抗に対する中央抵抗の比Rc/Rtは、少なくとも0.3又は0.4、好ましくは0.5、0.6、又は0.7が好ましい。
【0008】
合計抵抗に対する第1抵抗の比R1/Rtは、0.005から0.125の間が好ましく、0.01より大きいことが好ましく、0.01から0.1の間がさらに好ましく、0.05から0.1の間がさらにより好ましい。
【0009】
合計抵抗に対する第2抵抗の比R2/Rtは、0.005から0.125の間が好ましく、0.01より大きいことが好ましく、0.01から0.1の間がさらに好ましく、0.05から0.1の間がさらにより好ましい。
【0010】
中央抵抗Rcは、第1と第2接触点との間のヒーター組立品の合計電気抵抗Rtの少なくとも50パーセントに相当するのが好ましい。第1及び第2抵抗はそれぞれ、最大で合計電気抵抗の約13パーセントに、最小で合計電気抵抗Rtの約0.5パーセントに相当するのが好ましい。
【0011】
中央抵抗Rcは、最大で合計抵抗Rtの約99パーセントに相当し得る。中央抵抗は、合計抵抗Rtの約80パーセントから約98パーセントに相当するのが好ましく、約90パーセントから約95パーセントがより好ましい。フィラメント配置の、選択したある領域においてそのように電気抵抗が高くなることによって、この加熱領域において目標を定めてフィラメントを抵抗加熱し、蒸発することになるエアロゾル形成流体を効率的に蒸発させることができる。
【0012】
原則として、特定の値に関連して「約」という用語が本明細書全体を通して使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値は、技術的な考慮事項のため、厳密に正確なその特定の値を持つ必要はないと理解される。ただし、特定の値に関連して使用される「約」という用語は常に、用語「約」に続く特定の値を含み、かつ明示的に開示するものと理解されるだろう。
【0013】
比較的低い第1抵抗R1及び第2抵抗R2を含む、第1と第2接触点に隣接した、且つ、第1と第2接触点との間にある領域は、ヒーター組立品の電気接触領域を画定する。フィラメント配置の接触領域を通って流れる電流が熱に変換されないよう、又は実質的に変換されないように、接触領域が設計される。比較的高い中央抵抗を含む、第1と第2接触点との間の中央領域は、ヒーター組立品の加熱領域を画定する。
【0014】
上記で画定された範囲における、中央抵抗と第1抵抗、及び、中央抵抗と第2抵抗との間の電気抵抗の比、特に、最大でそれぞれの合計電気抵抗の約13パーセントに相当し、同時に、最小で合計電気抵抗の約0.5パーセントに相当する、第1及び第2接触点に近い低電気抵抗との比が、ヒーター組立品の性能に有益であることがわかっている。
【0015】
接触点に近い低電気抵抗は、加熱領域の電気抵抗よりずっと小さいことが好ましい。接触点に近い電気抵抗はまた、規定の最小値を有してもよい。
【0016】
接触点に近い低電気抵抗は、例えば、例えばフィラメント配置の加熱領域用に好まれるメッシュのような、メッシュ密度の低いメッシュを含むフィラメント配置を含むヒーター組立品と比較すると、ヒーター組立品の電気接点に良い影響を及ぼし得る。さらに、低電気抵抗によって、加熱が所望される、より中央に配置された加熱領域に加熱電流が良好に送られる。一方、第1及び第2抵抗に対して中央抵抗、特に、接触領域における最小電気抵抗の特定比を有することにより、加熱領域から接触領域への熱の放散を限定する利点を有する。これによって、蒸発が起こる、ヒーター組立品の中央面に熱が保持され得る。ヒーター及び各エアロゾル発生装置の全体電力消費量が制限されてもよい。さらに、接触領域における、通常はポリマー材である現在可能な任意の外側被覆材は、熱による影響がより少ない。
【0017】
例えば加熱領域及び接触領域における特定の材料、サイズ、又は構造の選択といった、ヒーター組立品の抵抗配分のこのような多様性によって、加熱領域を変化、特に、拡大させすぎることなく、フィラメント配置の全サイズを変化、特に、拡大させることができる。エアロゾル発生装置の電源システムに過度な要求が課されないよう、これが要求されるか、又は所望され得る。
【0018】
本発明によるヒーター組立品は、約0.5オームから約4オームの間の合計抵抗Rtを有し得、約0.8オームから約3オームの間がさらに好ましく、約2.5オームがさらにより好ましい。
【0019】
中央抵抗Rcは、約0.5オームより高いことが好ましく、約1オームより高いのがさらに好ましく、約2オームより高いのがさらにより好ましい。
【0020】
第1抵抗R1は、約100mオームより低いことが好ましく、例えば、抵抗が約5mオームと約25mオームとの間といった、約50mオームより低いことがさらに好ましい。第1抵抗は、約3mオームより高いことが好ましく、約5mオームより高いことがより好ましい。
【0021】
第2抵抗R2は、約100mオームより低いことが好ましく、例えば、抵抗が約5mオームと約25mオームとの間といった、約50mオームより低いことがさらに好ましい。第2抵抗は、約3mオームより高いことが好ましく、約5mオームより高いことがより好ましい。
【0022】
本明細書を通して値が述べられる時はいつでも、その値が明示的に開示されることが理解される。しかし、値は技術的考慮のために厳密に特定の値ではなくてもよいことも理解される。
【0023】
本発明におけるヒーター組立品の抵抗は、メッシュフィラメントを含む従来のヒーター組立品とは異なり、その従来のヒーター組立品は例えば、フィラメント配置全体において同一のメッシュ密度を有する同種のメッシュがヒーター組立品に取り付けられているか、又は、フィラメント配置が接触点として2つの金属側面プレートを有するメッシュで構成されている。例えば、中央加熱領域に使用される材料又はフィラメント構造によっては、接触領域における抵抗は、接触点として金属プレートを使用する場合より高いが、加熱領域では同じか又は高くてもよい。
【0024】
接触点の近くで画定された低電気抵抗により、フィラメント配置の接触及び加熱を考慮して、及び、組立品及びヒーター組立品の使用を考慮して、ヒーター組立品にかかる抵抗が最適化され得る。
【0025】
ヒーター組立品の中央抵抗値は、所望の蒸発結果によって、又は、例えば、ヒーター組立品のパラメータ、又は、ヒーター組立品が共に使用されることになるエアロゾル発生装置のパラメータによって、画定及び選択され得る。例えば、中央抵抗値は、蒸発することになる液体によって(粘度、蒸発温度、蒸発物質量、等)、選択され得る。
【0026】
加熱領域の配置と電気抵抗は、フィラメント配置の中央面のフィラメントによって効率的に加熱され、蒸発されることになる液体のために提供され、適合されることが好ましい。
【0027】
ヒーター組立品の接触領域の配置及び電気抵抗、又は、フィラメント配置の第1及び第2側面の配置及び電気抵抗は、外部電源にフィラメント配置を良好に電気接触させるよう提供され、適合されるの好ましい。接触領域はまた、加熱領域、又は、フィラメント配置の中央面と最適に相互作用するようそれぞれ適合される。
【0028】
本発明によるヒーター組立品はさらに、長手方向軸上に位置する2点の間の電気抵抗に相当する第1境界抵抗R1tpを含み得、2点のうちの一方は、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から20パーセントに相当する距離に位置し、2点のうちの他方は、第1接触点から40パーセントに相当する距離に位置する。ヒーター組立品はさらに、長手方向軸上に位置する2点の間の電気抵抗に相当する第2境界抵抗R2tpを含み得、2点のうちの一方は、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から60パーセントに相当する距離に位置し、2点のうちの他方は、第1接触点から80パーセントに相当する距離に位置する。第1抵抗に対する第1境界抵抗の比R1tp/R1は、1.1から400の間であり、第2抵抗に対する第2境界抵抗の比R2tp/R2は、1.1から400の間であり、第1境界抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R1tpは、1.1から400の間であり、第2境界抵抗に対する中央抵抗の比Rc/R2tpは、1.1から400の間である。
【0029】
比R1tp/R1、R2tp/R2、Rc/R1tp、Rc/R2tpは、2から300の間が好ましく、40から200の間がより好ましい。
【0030】
第1境界抵抗R1tpを含むフィラメント配置の第1境界面は、第1側面と、フィラメント配置又はヒーター組立品の中央面それぞれとの間に配置される。第2境界抵抗R2tpを含むフィラメント配置の第2境界面は、第2側面と中央面との間に配置される。各境界面は、実質的には、対応する第1及び第2側面の第1及び第2抵抗から、中央面の中央抵抗までの範囲で、電気抵抗を含む。
【0031】
例えば、電気抵抗に勾配(gradient)を設ける、といった、境界電気抵抗を設けることによって、ヒーター組立品における電力分配のスムーズな移行及びそれぞれの加熱を達成し得る。
【0032】
境界抵抗は、中央抵抗よりも第1及び第2抵抗に近いことが好ましい。
【0033】
第1及び第2境界抵抗は、ヒーター組立品の第1と第2接触点との間において、長手方向軸の20パーセントを超えて延在する。
【0034】
「平面の」ヒーター組立品又は「平面の」フィラメント配置という用語は、本明細書全体を通して実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態であるフィラメント配置又は平面のヒーター組立品を意味するために使用される。従って、平面のフィラメント配置及び平面のヒーター組立品は、実質的に第三の寸法よりも大きい表面に沿って二次元的に延在する。特に、その表面内での二次元的な平面のフィラメント配置の寸法は、表面に対して垂直の第三の寸法よりも少なくとも5倍大きい。平面のフィラメント配置及び平面のヒーター組立品の例は、2つの実質的に平行な架空表面間の構造であって、ここでこれらの2つの架空表面間の距離は、実質的にその表面内の延長部分よりも小さい。いくつかの好適な実施形態では、平面のフィラメント配置は平坦であり、平面のヒーター組立品は実質的に平坦である。その他の実施形態では、平面のフィラメント配置及び平面のヒーター組立品は、一つ以上の寸法に沿って曲がっており、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。
【0035】
平面のフィラメント配置は、平面の加熱要素において使用されるのが好ましく、その加熱要素は、製造中に簡単に取り扱うことができ、丈夫な構造を提供する。
【0036】
「フィラメント」という用語は、本明細書全体を通して、2つの電気接点間に配置された電気的な経路を意味するために使用される。フィラメントは任意に、いくつかの経路またはフィラメントにそれぞれ枝分かれ・分岐させてもよく、またはいくつかの電気的な経路から一つの経路に合流させてもよい。フィラメントは丸型、正方形、平坦型、またはその他の任意の断面形状を有してもよい。フィラメントは、真っ直ぐな様式または曲がった様式で配置されてもよい。
【0037】
「フィラメント配置」という用語は、本明細書全体で1つの、または好ましくは複数のフィラメントの配置を意味するために使用される。フィラメント配置は、例えば相互に並列に配列された、フィラメントのアレイであってもよい。フィラメントはメッシュを形成しうることが好ましい。メッシュは織物または不織布であってもよい。フィラメント配置は、約0.5マイクロメートルから約500マイクロメートルの間の厚さを持つことが好ましい。フィラメント配置は、例えば、平行または交差した導電性フィラメントのアレイの形態としうる。フィラメントは、例えば、エッチング加工されてフィラメント又は中央面及び側面における開口部を画定する導電性の箔、例えば、ステンレス鋼スチール箔から形成された、電気接点と一体型として形成され得る。
【0038】
フィラメント配置の中央面は常に、フィラメント配置の第1側面と第2側面との間に配置される。中央面は、第1と第2側面との間の幾何学的中央(geometric middle)に配置されるのが好ましい。例えば、長方形状のフィラメント配置といった、横方向延長部より縦方向延長部が長いフィラメント配置では、中央面及び側面もまた、縦方向又は長方形状を有し得る。
【0039】
フィラメント配置の第1及び第2側面の電気抵抗は、フィラメント配置全体の加熱レジームに応じて、又は、フィラメント配置がヒーター基体に接触する方法又はヒーター組立品に接触する方法に応じて、選択され得る。
【0040】
第1及び第2抵抗は、2つ側面のそれぞれの上で同様に分配されてもよい。
【0041】
第1及び第2抵抗は、それぞれの側面の上で不規則に分配されてもよい。例えば、より高い電気抵抗が縁部領域において提供されてもよく、より低い電気抵抗が側面の中央領域において提供されてもよい。
【0042】
第1及び第2抵抗は、中央抵抗と同じか、又は、中央抵抗に対して対称であってもよい。しかしながら、第1及び第2抵抗は、異なってもよい。印加される電圧を考慮したフィラメント配置の配置(第1及び第2接触点が、接地されているか、又は、電圧に接続されている)によって、局地加熱がわずかに異なってもよい。異なる電気抵抗、例えば、第1及び第2側面における異なるフィラメント材又はフィラメント密度は、加熱における差を均一にするのに使用され得、さらに、ヒーター組立品の温度のばらつきを平衡化する。従って、フィラメント配置の加熱領域全体にわたる、一定の加熱が支持される。
【0043】
本発明による平面の流体透過性ヒーター組立品はまた、多様な中央抵抗又は第1及び第2抵抗、又は、長手方向軸に対する中央抵抗及び第1及び第2抵抗の多様性を含み得る。
【0044】
ヒーター組立品は、例えば、第1接触点から第2接触点まで延在する中央長手方向領域を含み得、中央長手方向領域における電気抵抗は、中央長手方向領域の外側の電気抵抗より低い。
【0045】
例えば、中央長手方向領域よりも、フィラメント配置に沿った縁部領域において、より少ない又はより小さいフィラメントが配置され得る。例えば、メッシュ密度は、フィラメント配置に沿った横長手方向領域よりも、中央長手方向領域において高くてもよい。これによって、電力分配が、中央面の中央領域上に集中し得る。そのような特定の電力分配は、例えば、平面のフィラメント配置によって実現され得、長手方向軸の方向において、より多くのフィラメントが、中央長手方向領域の外側よりも、中央長手方向領域において配置される。
【0046】
電気抵抗は、フィラメント配置に使用される材料の選択によって、又は、フィラメント配置におけるフィラメントのサイズ及び配置によって、画定され、変化してもよい。電気抵抗は、予め選択されたフィラメント材によって、フィラメント配置の全エリアに対する開エリアの比によって画定されるのが好ましい。
【0047】
例えば、流体透過性ヒーター組立品は、導電性の平面のフィラメント配置と、平面のフィラメント配置に電気接触するための第1接触点及び第2接触点とを含み得る。長手方向軸は、第1接触点と第2接触点との間に画定される。ヒーター組立品では、中央面Scは、長手方向軸に垂直に置かれ、長手方向軸上に配置された2点において長手方向軸と交差する2つの線の間を延在する、ヒーター組立品のエリアであり、2点のうちの一方は、第1と第2接触点との間の距離のうち、第1接触点から40パーセントに相当する距離に位置し、2点のうちの他方は、第1接触点から60パーセントに相当する距離に位置する。第1側面S1は、長手方向軸に垂直に置かれ、第1接触点と、長手方向軸上に配置され、第1と第2接触点との間の距離のうち第1接触点から20パーセントに相当する距離に位置する点とにおいて長手方向軸と交差する2つの線の間を延在する、ヒーター組立品のエリアである。第2側面S2は、長手方向軸に垂直に置かれ、第2接触点と、長手方向軸上に配置され、第1と第2接触点との間の距離のうち第1接触点から80パーセントに相当する距離に位置する点とにおいて長手方向軸と交差する2つの線の間を延在する、ヒーター組立品のエリアである。
【0048】
中央面Scは、開エリアScOAを画定する複数の開口部を含み、第1側面S1は、開エリアS1OAを画定する複数の開口部を含み、第2側面S2は、開エリアS2OAを画定する複数の開口部を含む。第1側面の開エリアに対する中央面の開エリアの比ScOA/S1OAは、1.1から30の間であり、第2側面の開エリアに対する中央面の開エリアの比ScOA/S2OAは、1.1から30の間である。第1側面対する中央面の開エリアの比ScOA/S1OA、又は、第2側面対する中央面の開エリアの比ScOA/S2OAは、例えば、2から15の間、又は、15から28の間といった、2から28の間であることが好ましい。
【0049】
中央面ScOAの開エリアは、中央面の全エリアの約40パーセントから約90パーセントの間であってもよい。中央面の開エリアは、約50パーセントから約80パーセントの間であることが好ましく、約50パーセントから約70パーセントの間がより好ましい。
【0050】
ヒーター組立品は、フィラメント配置に対して、長手方向軸の長さに沿った一定の幅を有し得る。
【0051】
ヒーター組立品は、長手方向軸の長さに沿って変化する幅を有し得る。これらの場合、開エリアを計算するため、ヒーター組立品を、長手方向軸から最も離れたフィラメント配置の点を通過する、長手方向軸に平行な2つの線の間の長方形エリアと考える。これによって、ヒーター組立品のより狭い部分にフィラメント配置がない場合は、開エリアとしてカウントされる。
【0052】
加熱のほとんどは、2つの接触点の間のヒーター組立品の中央面で起こり得る。側面では、発熱はほとんど起こらなくてもよい。
【0053】
中央面の開エリアは、複数の開口部によって形成され、その開口部は、蒸発することになる流体に対して最適化されたサイズ及び配分を有し、開口部内に貫通し、流体を直接、効率的に加熱可能であることが好ましい。
【0054】
各側面の開エリアは、中央面の開エリアより小さい。しかしながら、第1側面の開エリアは、第1側面の全エリアの約10パーセントより大きくはなく、また、第2側面の開エリアは、第2側面の全エリアの約10パーセントよりは大きくないことが好ましい。側面の開エリアはそれぞれ、約5から約35パーセントの間、例えば、側面の全エリアの約5から約20パーセントの間、又は、約5から約15パーセントの間といった範囲にあってもよい。
【0055】
側面の開エリアが小さいか又はほとんどないことによって、例えば、フィラメント配置の中央面に好適なメッシュ、といった、例えば密度の低いメッシュと比べ、これらの側面における電気接触を向上させるこができる。
【0056】
さらに、側面の複数の開口部は、ヒーター組立品の外に液体が漏れるの制限し得る。通常、液体は、例えばタンクシステム又はカートリッジといった、液体保存リザーバから、ヒーター組立品へ供給される。液体は、液体が加熱され、蒸発され得る中央面の複数の開口部内に浸透する。
【0057】
液体は、例えば毛細管現象を介して、ヒーター基体と、ヒーターの径方向外向きの接触部分との間を通過する傾向がある。従来のフィラメント配置で箔を接触部分と使用する場合、この効果は有意であり得る。
【0058】
側面に複数の開口部を設けることによって、液体は開口部に浸入し、従って側面において保持されることになる。
【0059】
さらには、接触部分の外側被覆が容易になる。外側被覆は通常、例えば、薄い接触箔又は荒いメッシュを使用する場合、接触部分を安定化させる目的で使用される。側面は、例えば、耐熱ポリマーで外側被覆されてもよい。外側被覆は、個々のフィラメントの誤配置、又はフィラメント縁部がほどけるのを防止し得る。側面又は接触部分全体を外側被覆すれば、側面の安定化が向上され得る。これによって、ヒーター組立品を組み立てるとき、フィラメント配置を取付けやすくなり得る。また、フィラメント配置の形態及び形状が保持されやすくなり得る。従って、フィラメント装置を使用したヒーターの再現性及び信頼性が向上され得る。
【0060】
外側被覆材は、本発明による流体透過性ヒーターで使用するのに好適な、任意の材料であってよい。外側被覆材は、例えば、ポリイミド、又は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)といった、熱可塑性物質といった、高温(摂氏300度超)に耐え得る材料であってもよい。
【0061】
フィラメント配置において、外側被覆材は、第1及び第2側面の開口部内に入り込み得る。開口部は、例えば、フィラメント配置においてマイクロチャネルを形成し得る。従って、フィラメント配置の材料と外側被覆材との間の接続が向上され得る。開エリア、特にサイズの小さい開口部の低値によって、外側被覆材が側面において保持され、流れないことをさらに支持され得る。
【0062】
フィラメント配置に複数の開口部が設けられると、漏れが、外側被覆された側面によって防止されるか又は低減され得る。外側被覆された側面の表面が平面でないことにより、表面の不規則性が液体保持の役目となり得る。
【0063】
フィラメント配置の中央面の開エリアの比又は開エリアの値、又は、中央面の複数の開口部の開口部の数、サイズ、及び配置は、例えば、蒸発することになる液体に応じて選択され得る(粘度、蒸発温度、蒸発物質量、等)。
【0064】
フィラメント配置の第1及び第2側面の開エリアの比又は開エリアの値は、例えば、フィラメント配置を通る加熱レジームによって、又は、フィラメント配置をヒーター基体に接触させるか又はヒーター組立品を接触させる方法によって、選択され得る。2つの側面の開エリアの値はまた、例えば、使用される外側被覆材によって選択され得る(流速、外側被覆中の温度、等)。
【0065】
側面の複数の開口部は、2つの側面のそれぞれにわたって同様に、及び、規則的に配置され得る。
【0066】
側面の複数の開口部は、側面のそれぞれにわたって不規則に配置され得る。例えば、より多い、又はより大きい開口部が、縁部領域に設けられ得、より小さい、又はより少ない開口部が側面の中央領域に設けられ得る。
【0067】
2つの側面の開口部の量及び配分は、中央面と同一か、又は、中央面に対して対称であってもよい。しかしながら、例えば、フィラメント配置に特定の電力を適用することによる加熱の差異を平衡化するため、2つの側面の開口部の量及び配分は、2つの側面において異なってもよい。
【0068】
側面と中央面との間に配置される境界面は、側面の開エリアから中央面の開エリアまでの範囲にわたって開エリア勾配を含み得る。
【0069】
平面のフィラメント配置は、例えば、パーフォレートされたシートであってもよい。パーフォレートされたシートの中央面は、複数の開口部によって互いから分離され、距離を置かれた複数のヒーターフィラメントを含み得る。パーフォレートされたシートの側面はそれぞれ、複数の開口部を含み得る。
【0070】
開口部は、例えば、化学エッチング又はレーザー処理によって製造され得る。
【0071】
平面のフィラメント配置は、例えば、メッシュ配置であってもよく、中央面のメッシュと、第1及び第2側面のメッシュがそれぞれ、メッシュ密度を含む。中央面のメッシュ密度は、第1及び第2側面のそれぞれにおけるメッシュ密度よりも低い。従って、電気抵抗は、中央面のよりも2つの側面の方が低い。メッシュのフィラメント間の隙間は、中央面の開エリアと、第1及び第2側面のそれぞれの開エリアとを画定する。
【0072】
メッシュ配置は、メッシュの異なる表面を製造するための異なる織り方法を適用して織ることによって製造されてもよい。これによって、側面及び中央面のメッシュ密度が様々である、メッシュの単一ストリップ又は一続きのバンドが製造され得る。一続きに製造されたメッシュのバンドは、メッシュの適切なサイズのストリップに切断され得る。
【0073】
フィラメント配置は、低コストで、信頼可能且つ繰り返し可能な方法で製造され得る。フィラメント配置は、1つの製造ステップで製造することができ、個々のフィラメント配置部品の組立てを必要としない。
【0074】
メッシュ配置では、電気抵抗勾配に一致するメッシュ密度勾配は、第1側面と中央面との間、及び、中央面と第2側面との間に配置され得る。これらのメッシュ勾配は、中央面と側面との間の境界面を表わし得る。
【0075】
中央面のメッシュは、中央面のメッシュの縦糸開口と同じサイズを有する横糸開口を含み得る。これによって、中央面に規則的な、方形状の開口部を有するメッシュが製造され得る。
【0076】
第1及び第2側面のメッシュは、ゼロより大きい横糸開口を備えてもよいし、縦糸開口を含まなくてもよい。これによって、2つの側面のメッシュの、非常に小さい、規則的に配置された開口部が製造され得る。
【0077】
フィラメント配置の織方向に、同数の(縦糸)フィラメントが、フィラメント配置の全長に沿って互いに隣り合って配置されることが好ましい。これらの実施形態では、一続きの縦糸フィラメントが、少なくとも第1側面から第2側面まで延在するのが好ましく、フィラメント配置の全長に沿うのがより好ましい。この方法によって、メッシュ配置が製造され得、2つの側面の縦糸開口は、中央面の縦糸開口に等しい。
【0078】
フィラメント配置がメッシュ配置であることが好ましい。
【0079】
フィラメント配置のフィラメントについては、フィラメント配置を製造するのに、及び、加熱されるのに好適な任意の導電性の材料が使用され得る。
【0080】
フィラメント配置用の好適な材料とは、金属合金、カーボンファイバを含む、金属である。カーボンファイバは、フィラメントの抵抗を変化させるよう、金属又はその他のキャリア材料に追加され得る。
【0081】
フィラメント径は、約8マイクロメーターから約50マイクロメーターの間の範囲であり得、約10マイクロメーターから約30マイクロメーターの間が好ましく、例えば約16マイクロメーターといった、約12マイクロメーターから約20マイクロメーターの間がさらに好ましい。
【0082】
メッシュから成る側面は、圧縮され得る。これによって、メッシュの個々のフィラメント間の電気接触、従って、フィラメント配置との接触が、向上され得る。
【0083】
中央面の開口部のサイズは、例えば、約60マイクロメーターから約80マイクロメーターの間の長さ及び幅又は径といった、例えば、約25マイクロメーターから約75マイクロメーターの間の長さ及び幅、又は径を有し得る。
【0084】
側面の開口部サイズは、例えば、約0.5マイクロメーターから約75マイクロメーターの間の長さ及び幅を有し得る。側面の開口部のサイズは、例えば、約0.5マイクロメーターに対して長さが減少するとき、幅が最大で約75マイクロメーターであることが好ましい。側面の開口部のサイズは、約5マイクロメーターから約50マイクロメーターの間の径、又は、対応する開口部エリアの径を有するのが好ましい。
【0085】
平面のフィラメント配置の中央面は、例えば約25平方ミリメートルといった、例えば約10平方ミリメートルから約30平方ミリメートルの間の範囲といった、例えば約5平方ミリメートルから約35平方ミリメートルの間の範囲のサイズを有し得る。中央面は、例えば、約5×5平方ミリメートルといった、実質的には方形形態が好ましいが、長方形を有することが好ましい。熱放散は、ほぼ同じ長さ及び幅を有する表面において低く保持され得る。
【0086】
側面は、例えば、約5平方ミリメートル又は約10平方ミリメートルといった、例えば、約5平方ミリメートルから約10平方ミリメートルの間の範囲といった、例えば、約3平方ミリメートルから約15平方ミリメートルの間の範囲のサイズを有し得る。
【0087】
フィラメント上の接触位置又は接触点によって、接触点間の距離は、フィラメント配置の全長に等しくてもよい。通常、2つの接触点間の距離は、フィラメント配置の全長より短い。接触点を超えて長手方向に延在する、フィラメント配置の残りの長手端部の仕様は、側面の仕様に等しいか又は類似し、且つ、本明細書に説明される通りであるのが好ましい。特に、メッシュフィラメントの長手端部は、側面のような抵抗と開エリアとを含むのが好ましい。
【0088】
側面は、例えば、約5×(1-2)平方ミリメートルの長方形ストリップといった、ストリップの形態を有するのが好ましい。
【0089】
接触部分又は側面のサイズはそれぞれ、例えばポゴピンとの接触といった、ヒーター組立品を電源に接続するのに使用されるコネクタを使用して、良好な接触をもたらすよう適合され得る。
【0090】
中央面の複数の開口部の開口部数は、例えば、1平方ミリメートルあたり、開口部の数が約5から約100の範囲であり得ることが好ましく、例えば1平方ミリメートルあたり開口部の数が約40と言った、1平方ミリメートルあたり開口部の数が約15から約70の間が好ましい。
【0091】
側面の複数の開口部の開口部数は、例えば、1平方ミリメートルあたり、開口部の数が約20から約400の間の範囲であり得、例えば1平方ミリメートルあたり開口部の数が約300から約350の間といった、1平方ミリメートルあたり開口部の数が約50から約350の間であるのが好ましい。
【0092】
フィラメント配置は、事前処理され得る。事前処理は、例えば、フィラメント表面の表面特性を変えるといった、化学的又は物理的事前処理であってもよい。例えば、フィラメントの湿潤性を向上させるためにフィラメント表面が処理されてもよく、その処理は中央面又は加熱領域のみであることが好ましい。湿潤性の増加は、電気蒸発装置で通常使用される液体、すなわちE液体(e-liquids)にとっては特に好ましいことが見出されている。E液体は通常、グリセリン又はプロピレングリコールといった、エアロゾル形成体を含む。液体はさらに、風味材又はニコチンを含んでもよい。
【0093】
本発明による、加熱されたフィラメント配置によって蒸発されるエアロゾル形成液体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体及び液体添加剤を含む。
【0094】
エアロゾル形成液体は水を含んでもよい。
【0095】
液体添加剤は、液体風味または液体刺激物質のうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせであってもよい。液体風味は、例えばたばこ風味、たばこ抽出物、果実風味、またはコーヒー風味を含んでもよい。液体添加剤は、例えばスイート系の液体(例えば、バニラ、キャラメル、およびココアなど)、ハーブ液、スパイス系の液体、または刺激的な液体(例えば、カフェイン、タウリン、ニコチン、もしくは食品業界で使用される公知の他の刺激剤を含有する液体)であってもよい。
【0096】
有利には、流体透過性ヒーター組立品は基体を含み、その基体は、基体を貫通する開口部を含む。導電性の平面のフィラメント配置は、基体の開口部にわたって延在する。ヒーター組立品はさらに、平面のフィラメント配置を基体に取り付ける締付手段を含む。
【0097】
締付手段はそれ自体が導電性であってよく、締付手段はフィラメント配置を通した加熱用電流を供給するための電気接点としての役目をする。
【0098】
締付手段は、化学的又は機械的な締付手段であってもよい。フィラメント配置は、例えば、結合又は接着することによって基体に取り付けられ得る締付手段は、クランプ、スクリュー、又はフォームロックの締付手段といった、機械的な締付手段であることが好ましい。クランプ及びフィラメント配置をヒーター基体にクランプするためのクランプを使用する平面のヒーター組立品は、国際特許公開WO2015/117701に詳細が説明されてきた。これによって、この国際特許公開WO2015/117701を参照し、本明細書で使用され、説明されるヒーター組立品及びクランプに関するその内容が、これによって取り込まれる。
【0099】
締付手段は、前述の締付手段の1つ又は組み合わせであってもよい。
【0100】
ヒーター組立品は平面のヒーター組立品であることが好ましく、抵抗加熱可能な流体透過性の、平面のヒーター組立品であることが好ましい。
【0101】
本発明によれば、電気的に動作するエアロゾル発生システムがまた、提供されている。システムは、エアロゾル発生装置と、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジを含む。システムは、本発明による、加熱液体エアロゾル形成基体用に本明細書で説明した流体透過性ヒーター組立品をさらに含む。カートリッジは、開口部を有する筺体を含み、ヒーター組立品が、カートリッジの筺体の開口部を横切って延在する。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するための空洞部を画定する本体と、電気電源と、フィラメント配置を加熱するため、電気電源をヒーター組立品に接続する、つまり、ヒーター組立品の第1及び第2接触点に接続するための電気接点とを含む。
【0102】
カートリッジは、少なくともエアロゾル形成体と液体添加剤とを含む液体を含むことが好ましい。
【0103】
エアロゾル発生システムの特徴及び利点が、本発明によるヒーター組立品に関して説明されてきた。
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
図1図1は、ヒーター組立品の抵抗配分の略図である。
図2図2は、メッシュ配置の略図である。図2aは、図2のメッシュ配置の抵抗配分の略図である。
図3図3は、メッシュ配置を有するヒーター組立品の分解図である。
図4図4は、図3の、組み立てられたヒーター組立品を示す。
図5図5は、メッシュ配置を有するヒーター基体を示す。
図6図6は、図5の拡大図である。
図7図7は、メッシュ配置の境界及び接触領域の拡大図を示す。
図8図8は、メッシュヒーターの、すずメッキされた接触領域を示す。
図9図9は、メッシュ配置の別の実施形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0105】
図1では、ヒーター組立品の長手方向軸100に沿った、位置0%の第1接触点と位置100%の第2接触点との間の、抵抗配分の一例の略図が示されている。縦軸は、最大でヒーター組立品の合計抵抗Rtである、ヒーター組立品の抵抗(R)を示す。横軸(L[%])は、第1接触点から第2接触点までの、長手方向軸上の位置を示す。
【0106】
図1の例では、ヒーター組立品は第1抵抗R1を含み、その第1抵抗R1は、0の第1接触点で始まり、第2接触点へ、長手方向軸に沿って20パーセントを超えて存在する。第1境界抵抗R1tpは、長手方向軸に沿って、20パーセントから40パーセントの間に存在する。中央抵抗Rcは、長手方向軸に沿って、第1接触点後の、40パーセントから60パーセントの間に存在する。第2境界抵抗R2tpは、長手方向軸に沿って、第1接触点後の、60パーセントから80パーセントの間に存在する。第2抵抗は、第1と第2接触点との間の長手方向軸に沿って、80パーセントから100パーセント、つまり、ヒーター組立品の最後の20パーセントにわたって存在する。
【0107】
ヒーター組立品は、第1及び第2接触点において接触され、電流がヒーター組立品のフィラメント配置を通って流れることができる。
【0108】
第1抵抗R1は、合計抵抗Rtの最大13パーセントまでであってよく、且つ、合計抵抗Rtの0.5パーセントと同じくらい低くてもよい。
【0109】
第1境界抵抗R1tp及び第2境界抵抗R2tpはそれぞれ、ヒーター組立品の境界面で加熱が拡大するのを防止するよう、中央抵抗よりも高くはない。通常、第1境界抵抗R1tp及び第2境界抵抗R2tpは、第1抵抗R1と中央抵抗Rcとの間、又は、中央抵抗Rcと第2抵抗R2との間の値をそれぞれ有する。中央抵抗Rcは、ヒーター組立品の合計抵抗Rtの約50パーセントである。中央抵抗Rcは、合計抵抗Rtの50パーセントより大きいことが好ましい。第2抵抗は、合計抵抗Rtの最大13パーセントまでであってよく、且つ、合計抵抗Rtの0.5パーセントと同じくらい低くてもよい。
【0110】
第1抵抗R1及び第2抵抗R2、第1境界抵抗R1tp及び第2境界抵抗R2tp、及び、中央抵抗Rcの合計が、ヒーター組立品の合計抵抗Rtとなる。
【0111】
図2では、抵抗加熱可能な平面の流体透過性ヒーター用メッシュ配置1が示されている。メッシュ配置は、長さ101(Lf)を有する長方形状を有する。メッシュフィラメントは、接触点28、48によって表示されるような1つのスポットにおいて、例えば、ポゴピンによって、接触され得る。接触点28、48に、電圧が印加される。
【0112】
ヒーター組立品内に配置され、接触点28、48において接触されると、フィラメント配置のエリアが、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の20パーセントを超えてそれぞれ延在するヒーター面を画定する。
【0113】
長手方向軸100は、第1接触点28と第2接触点48の間に画定され、長手方向軸は、フィラメント配置1の中央長手方向軸に相当する。長手方向軸100に沿って、ヒーター面の抵抗が測定される(図1参照)。
【0114】
第1側面11は、第1接触点28から、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の20パーセントにわたって、長手方向軸に沿って、第2接触点48の方向に延在する。
【0115】
第1境界面12は、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の20パーセントから40パーセントの間に、長手方向軸に沿って延在する。
【0116】
中央面13は、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の40パーセントから60パーセントの間に、長手方向軸に沿って延在する。
【0117】
第2境界面14は、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の60パーセントから80パーセントの間に、長手方向軸に沿って延在する。
【0118】
第2側面15は、第1接触点28と第2接触点48との間の距離の80パーセントから100パーセントの間に、第1接触点28から第2接触点48の方向にカウントした長手方向軸に沿って延在する。
【0119】
中央面13は、その表面全体にわたって、低メッシュ密度を含む。
【0120】
第1側面11及び第2側面15は、その表面全体にわたって高メッシュ密度を含む。
【0121】
第1境界表面12及び第2境界表面14は、高メッシュ密度を有する部分と、低メッシュ密度を有する部分とを含む。
【0122】
中央面13は、メッシュ配置の主要加熱領域であるよう設計される。
【0123】
図2では、ヒーター面はすべて長方形状を有し、2つの側面11、15は同サイズを有する。
【0124】
第1側面11と第2側面15のメッシュは、中央表面13のメッシュよりも高い密度を有する。側面のメッシュの密度は同一であることが好ましい。側面のメッシュ密度はまた、例えば、これら領域のメッシュフィラメントの異なるサイズを補うため、又は、例えば、メッシュ配置を通って流れる電流の流方向による加熱差異を均一にするため、異なっていてもよい。
【0125】
側面11、15のメッシュは、第1及び第2側面それぞれの合計エリアの、好ましくは20パーセントより少ないメッシュのフィラメント間の隙間の合計によって形成される開エリアを有する。従って、第1側面11及び第2側面15では、開エリアは、それぞれ最大約1平方ミリメートルであり、第1及び第2側面のそれぞれの合計サイズが約4から5平方ミリメートルであるのが好ましい。
【0126】
接触点28と48との間を流れる電流は、中央面13及び境界面12、14において、それらのより高い抵抗に応じて、メッシュフィラメントの抵抗加熱を引き起こす。
【0127】
図2aでは、図2のメッシュ配置の略抵抗配分が示されている。
【0128】
図2aでは、抵抗配分が、第1接触点28と第2接触点48との間の長手方向軸100に沿って示されている。
【0129】
通常、接触点28、48は、フィラメント配置の極端部(extreme ends)においては配置されない。従って、フィラメント配置の全長101が、フィラメント配置を含むヒーター組立品の抵抗に貢献するわけではない。
【0130】
図2のメッシュ配置は、例えば、メッシュ密度勾配を有する、任意の境界部分を有しない。従って、第1境界抵抗R1tpは、初めは側面11の第1抵抗R1に等しく、次いで、中央面13の中央抵抗Rcに等しい。従って、長手方向軸100に沿って第1接触点28から第2接触点48の方向で見ると、第2境界抵抗R2tpは、初めは中央面13の中央抵抗Rcに等しく、次いで、第2側面15の第2抵抗R2に等しい。従って、低メッシュ密度及び高抵抗を含む図2のメッシュ配置の加熱領域は、フィラメント配置の約50パーセントにわたって延在する。低メッシュ密度及び低第1抵抗R1及び低第2抵抗R2を含む2つの側面12、15はそれぞれ、2つの接触点28、48の間の距離の20パーセントにわたって延在する。
【0131】
図3及び図4は、メッシュ配置を有する、平面の流体透過性ヒーター組立品のセットアップの一例を略的に示す。図3のヒーターの分解図では、電気絶縁基体50と、メッシュ配置1及び2つの金属シート6の形態のヒーター要素及びフィラメント配置が示されている。金属シートは、例えば接触ピンといった、コネクタのメッシュ配置1の、長手方向端部20との電気接触を変更させるため、例えば、すずのシートであってよい。
【0132】
基体50は、円形のディスクの形態を有し、中央に配置された開口部51を含む。基体は、基体において互いに対向して対角線上に配置された2つのボア穴52を含む。ボア穴52は、例えば、エアロゾル発生装置内にヒーター組立品を位置決めし、取り付けるのに役立ち得る。
【0133】
メッシュ配置1は、中央面13を含み、図3及び図4に示された実施形態では、PEEKで外側被覆された2つの長手端部20を含む。メッシュ配置は、方形状に中央に配置された開口部51と基体50との上に配置される。低メッシュ密度を含む境界面のそれらの部分を具備するメッシュ配置の中央面13全体が、開口部51の上に置かれるようになる。2つの長手端部20、特に、PEEKで外側被覆され、すずメッキされた(金属シート6で覆われた)長手端部のそれらの部分が、基体50上に置かれることになる。
【0134】
中央面13の両横側に開口部51の開口部分511が形成されるように、中央面13のメッシュの幅は開口部51の幅よりも小さい。開部分511は、メッシュによって覆われていない。長手端部のすずメッキされた、密度の高いメッシュは、メッシュ自体よりも大きい、平らな接触エリア24を形成する。接触エリア24は、ヒーター組立品の基体50の上面に平行に配置される。接触部分24は、例えば電池からの電気コネクタによってヒーター組立品を接触させるためである。
【0135】
図4は、組み立てられた状態の図3のヒーター組立品を示す。メッシュ配置1は、機械的手段、又は、例えば接着剤によって、基体50に取り付けられ得る。
【0136】
図5は、メッシュ配置1が取り付けられたヒーター基体50を示す。メッシュ配置は、ヒーター組立品の接触エリア24では高密度メッシュを、及び、ヒーター組立品の加熱領域を画定する間では低密度メッシュを有する、メッシュの長方形ストリップである。
【0137】
これは、図6においてより良く見ることができ、これは図5の詳細拡大図である。メッシュ配置の中央面13の低密度メッシュは、例えば70マイクロメーターといった、マイクロメーター範囲において長方形隙間30を有する。フィラメントのワイヤ径が16マイクロメーターの場合、中央面の開エリアは、中央面の全体エリアの約75パーセントを占める。
【0138】
メッシュ配置の側面11の高密度メッシュは、約0.1マイクロメーター×5マイクロメーターの、より小さい隙間21を有する。フィラメント径が16マイクロメーターの場合、側面の開エリアは、側面それぞれの合計エリアの約3パーセントを占める。
【0139】
メッシュ配置は、様々な織方法によって一片に製造され得る。
【0140】
織方向におけるフィラメント量は、フィラメント配置全体にわたって同一である。織方向は、フィラメント配置の縦糸方向に一致し、縦糸方向は、メッシュ配置の主要電流流方向に一致する。しかしながら(縦糸方向に垂直な)横糸方向のフィラメントの織密度は、側面11において改善される。横糸方向におけるフィラメント間距離は、側面11、15においてゼロまで減少されてもよい。
【0141】
生産方法に応じて、例えばメッシュ密度における密度勾配といった、メッシュ密度の境界(transition)が、中央面13と側面11との間に設けられ得る。そのような密度勾配は、中央面のメッシュの低密度から側面のメッシュのより高い密度へスムーズに変化し、その逆も同様であることが好ましい。
【0142】
図7では、側面22におけるより高い密度メッシュは、メッシュの個々のフィラメントの間の電気接触を改良するよう圧縮されている。縦糸フィラメント35の間の、フィラメント間距離は、約25マイクロメーターから75マイクロメーターであり、図7では、約70マイクロメーターである。横糸フィラメント36のフィラメント間距離は、ゼロである。側面の開エリアは、織りながらフィラメント配置を製造することによって発生する。
【0143】
メッシュ配置の長手端部の電気接触を改善させるため、少なくとも側面22を部分的に含む、圧縮端部の最外部が、図8において見られるように、すずメッキ61されている。
【0144】
図9は、第1側面13と、中間中央面13と、反対の第2側面15とを有するメッシュ配置1を示す。2つの側面11、15のメッシュ密度は、中央面13のメッシュ密度より高い。メッシュ配置1は、メッシュ配置1の長手方向中央軸100に沿って配置された長手方向中央部分38を含む。この長手方向中央部分38のメッシュ密度は、メッシュ配置の横側領域37の外側よりも高い。長手方向軸中央部分38は、メッシュ配置1の全体幅の約50%から60%の幅を有する。
【0145】
中央面の中央領域33の、より高いメッシュ密度は、この領域に高電力密度をもたらし、主要加熱ゾーンを中央面13のこの中央領域33に集中させる。メッシュ配置の様々な領域における様々なメッシュ密度により、最高電力密度は、中央面13の中間又は中央領域33にある。中央面13における横領域37のより低密度エリアは、同等の高抵抗を有する。中央面13の幅にわたる電力密度カーブが、線85で示されている。
【0146】
側面11、15は、同等の低抵抗を有する高密度のメッシュ接触パッドの一部を形成する。電気接点は、電気抵抗が側面で最も低い、側面11、15における長手方向軸上に配置されることが好ましい。
【0147】
図に示された例は通常、同一サイズ及び同一メッシュ密度又は密度分配を有する対称的な側面を有する。そのような実施形態は、ヒーター組立品の製造及び対称的な配置を簡素化する。しかしながら、メッシュフィラメントにおいて所望の電力分配レジームを達成するよう、非対称のメッシュ配置及びメッシュ勾配が容易に設けられ得る。
【0148】
抵抗配分から明らかになる通り、例えば、フィラメント配置の側面がより小さくても、より大きくてもよいし、フィラメント配置の側面の開口部がより多く且つより小さくても、開口部がより少なく且つより大きくてもよいし、フィラメント配置の側面がより小さく且つメッシュ密度が高くても、フィラメント配置の側面がより大きく且つメッシュ密度がより低くてもよく、それらはすべてヒーター組立品の表面において、同一か又は特定の抵抗レジームを達成するためのものである。そのような多様性により、ヒーター組立品の用途において多大な柔軟性を可能にする。例えば、ヒーター組立品を、例えば多少粘性のある液体といった、エアロゾル化されることになる様々な液体に適合させることが可能になる。
【0149】
フィラメント配置は、異なるサイズのヒーターか、又は、ヒーター組立品を加熱するのに利用可能な幾分かの力を有するエアロゾル発生装置に簡単に適合され得る。
図1
図2-2a】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9