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特許7013443初期固定、骨折再建、および関節バイオメカニクスを改善可能なモジュール式付属品を備えたプラットフォームRTSA関節窩プロステーシス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】初期固定、骨折再建、および関節バイオメカニクスを改善可能なモジュール式付属品を備えたプラットフォームRTSA関節窩プロステーシス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/40 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
A61F2/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019505169
(86)(22)【出願日】2017-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 US2017044846
(87)【国際公開番号】W WO2018026785
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】62/369,519
(32)【優先日】2016-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501441669
【氏名又は名称】イグザクテック・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ピー・ロシュ
(72)【発明者】
【氏名】マット・ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】フォン・ディエップ
(72)【発明者】
【氏名】トム・バナス
(72)【発明者】
【氏名】コリー・ゲイドス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0100458(US,A1)
【文献】特表2009-531085(JP,A)
【文献】特表2014-511226(JP,A)
【文献】国際公開第2016/069867(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キットであって、
プロステーシス、および
複数の付属品
を有して成り、
前記プロステーシスが、関節窩球体、ボディ部分および幹部分を含む関節窩プレート、ならびに複数の付属品固定ポイント
を含み、
前記関節窩球体は、第1サイド、第1サイドに対向する第2サイド、第1サイド上にある関節面、第2サイド上にある空洞部分、および第1サイドと第2サイドとの交点にて外縁を有し、
前記関節窩プレートの前記ボディ部分は、第1サイドおよび第2サイドを有し、ボディ部分の第1サイドが関節窩球体に面するように関節窩球体の空洞部分に動作可能に接続されており、関節窩プレートの前記幹部分は、ボディ部分の第2サイドから延在し、患者の関節窩に固定されるように構成され、
複数の付属品固定ポイントの各々が、留め機構を用いて付属品固定ポイントに固定された付属品を受容するように構成され、複数の付属品固定ポイントの各々が関節窩球体に又は関節窩プレートに位置付けられており、
複数の付属品固定ポイントが、(a)関節窩球体の第2サイドに位置付けられ、関節窩球体の第2サイドの外縁の周囲に配置され、(b)関節窩プレートのボディ部分に設けられ、関節窩プレートの幹部分の周囲に配置され、又は(c)これらの組合せであり、
複数の付属品の各々がプロステーシスの複数の付属品固定ポイントのうちの選択された1つに取り付けられるように構成され、
複数の付属品の少なくとも1つは第1端部および第2端部を有し、第1端部は留め機構を用いてプロステーシスの複数の付属品固定ポイントのうちの選択された1つに取り付けられるように構成され、第2端部は関節窩球体の外縁の外側の位置にて患者の骨に取り付けられるように構成されている、キット。
【請求項2】
複数の付属品の少なくとも1つは、肩甲骨へのプロステーシスの固定を容易にするように構成されている、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
複数の付属品の少なくとも1つは、プロステーシスの複数の付属品固定ポイントのうちの選択された1つに取り付けられるように構成されている第1端部と、肩甲骨に取り付けられるように構成されている第2端部とを有する、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
複数の付属品の少なくとも1つの第2端部は、肩甲骨の前方部分、肩甲骨の後方部分、肩甲骨の肩峰、又は肩甲のうちの1つに取り付けられるように構成されている、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
複数の付属品の少なくとも1つの第1端部は、プロステーシスの複数の付属品固定ポイントのうちの選択された2つに取り付けられるように構成されている、請求項3に記載のキット。
【請求項6】
複数の付属品の少なくとも1つは、肩甲骨の一部分の形状に対応する形状を有する、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
複数の付属品の少なくとも1つは骨移植片を含むように構成されている、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
複数の付属品の少なくとも1つは、肩甲骨の一部分の形状に対応する形状を有するかまたは曲げ可能となっているかの一方である、請求項1に記載のキット。
【請求項9】
関節ラインを定位の方向に移すように、関節窩プレートと患者の関節窩との間に複数の付属品の少なくとも1つが位置付けられる、請求項1に記載のキット。
【請求項10】
複数の付属品の少なくとも1つは筋肉補強部材を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項11】
筋肉補強部材は、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、または棘上筋のうちの1つのモーメントアームを増やすために、作用線を移すように構成されている、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列されている、請求項1に記載のキット。
【請求項13】
固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在している、請求項1に記載のキット。
【請求項14】
複数のスロットが、関節窩プレートのボディ部分の第2サイドにある固定ポイントへの付属品のアクセスを可能とするように、関節窩球体の第2サイドに形成され、外縁から空洞部分まで延在している、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
固定ポイントのいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列され、固定ポイントのいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在している、請求項1に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年8月1日に出願された「初期固定、骨折再建、および関節バイオメカニクスを改善可能なモジュール式付属品を備えたプラットフォームRTSA関節窩プロステーシス」と題する、共同所有の同時係属中の米国仮特許出願第62/369519号に関し、当該出願の利益を要求する国際(PCT)出願である。その内容は、その全体が参照により本明細書に全て組み入れられる。
【0002】
本発明の様々な実施形態は、逆肩関節形成術(rTSA)のための装置および方法に関する。特に、本発明の様々な実施形態は、深刻な関節窩摩耗および関節窩/肩甲骨骨折の発生において固定、安定および機能を達成するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
短期および中期の臨床転帰研究では、現代の逆肩関節形成術(rTSA)デザインで、無菌性関節窩弛緩率が0~12%であることが報告されている。rTSA関節窩弛緩速度に影響を及ぼす潜在的な要因は数多くあり、限定されないが、機械的衝突、経過観察、骨の質、骨の蓄積、初期固定強度、および患者の要求の高まりが挙げられる。逆肩関節窩コンポーネントは固定されていないため、初期固定が不十分なことに起因して無菌関節窩弛緩が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最初の関節窩固定、関節安定性、および機能の達成に関連した同様の課題が、関節窩、肩峰および/または肩甲骨の骨折で生じる。インプラント固定を達成するためにrTSAプロステーシスを関節窩骨に押し込む前に、外科医はまず骨折を整復し、骨折した骨片を押し込んで固定しなければならないため、骨折した関節窩または肩甲骨におけるrTSA関節窩固定の達成は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、1)重度の骨喪失/骨折の場合に、関節窩インプラント固定を改善するために追加の肩甲骨固定(すなわち関節窩の外側)を供し、2)重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合に、組織安定性を改善するために関節ラインの側方化(又は定位化:lateralization)を供し、3)重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合、特に関節窩の欠損が包囲されていない/末梢である場合に、関節窩骨移植片の使用と封じ込めを容易にし、4)肩甲骨骨折、関節窩骨折、および/または肩峰骨折の場合に肩甲骨を同時に再建しつつ関節窩固定を達成し、および5)棘下筋と小円筋の作用線を変更して、これら筋緊張を改善し、又各筋肉の外部回転と外転モーメントの腕長さを増やすことで、改善されたrTSA関節バイオメカニクス、特に後方回旋腱板の効率改善を供することができる複数の異なる種類のモジュール式アタッチメント(又は付属品又は留め具;attachment)の取付けを支持する逆肩関節窩(reverse shoulder glenoid)プロステーシス(又はプロテーゼ又は人工器官又は補綴;prosthesis)を供する。
【0006】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、関節窩球体の背部、又は関節窩ベースプレートの前部、又は関節窩ベースプレートの背部に直接接続する。
【0007】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは追加の肩甲骨固定を供し、追加の固定は重度の骨喪失および/または骨折をした患者におけるインプラント固定を改善するように構成される。
【0008】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは関節ラインを側方化し、関節ライン側方化は重度の骨喪失および/または骨折をした患者の組織安定性を改善するように構成される。
【0009】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、肩甲骨の重度の骨喪失および/または包囲されていない関節窩欠損のある患者内に関節窩骨移植片を含む。
【0010】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、肩甲骨骨折、関節窩骨折、および/または肩峰骨折をした患者において、関節窩を固定し、肩甲骨を再構成するように構成されている。
【0011】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、rTSA関節バイオメカニクスの改善を必要とする患者のrTSA関節バイオメカニクスを改善するように構成された筋肉補強部材(又は筋肉補完部材又は筋肉増強部材;muscle augment)である。
【0012】
ある実施形態では、キットは、プロステーシス、および複数の付属品を含む。プロステーシスは、関節窩球体、関節窩プレート、および複数の付属品固定ポイントを含み、関節窩球体は、第1サイド(又は第1の側又は第1側部;first side)、第1サイドに対向する第2サイド(又は第2の側又は第2側部;second side)、第1サイド上にある関節面、第2サイド上にある空洞部分、および第1サイドと第2サイドとの交点に外縁を有し、関節窩プレートは、ボディ部分および幹部分を含み、ボディ部分は、第1サイドおよび第2サイドを有し、ボディ部分の第1サイドが関節窩球体に面するように関節窩球体の空洞部分に動作可能に接続されており、幹部分は、ボディ部分の第2サイドから延在し、患者の関節窩に固定されるように構成され、複数の付属品固定ポイントの各々が付属品を受容するように構成され、複数の付属品の各々がプロステーシスの付属品固定ポイントのうちの選択された1つに取り付けられるように構成される。
【0013】
ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは、肩甲骨へのプロステーシスの固定を容易にするように構成される。ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは、プロステーシスの付属品固定ポイントのうちの選択された1つに取り付けられるように構成されている第1端部と、肩甲骨に取り付けられるように構成されている第2端部とを有する。ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つの第2端部は、肩甲骨の前方部分、肩甲骨の後方部分、肩甲骨の肩峰、又は肩甲骨脊椎のうちの1つに取り付けられるように構成される。ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つの第1端部は、プロステーシスの付属品固定ポイントのうちの選択された2つに取り付けられるように構成される。
【0014】
ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは、肩甲骨の一部分の形状に対応する形状を有する。ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは、輪郭付けされているかまたは曲げ可能となっているかの一方である。ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは骨補強部材を含む。ある実施形態では、骨補強部材は、プロステーシスと肩甲骨との間に位置付けられるように構成される。
【0015】
ある実施形態では、複数の付属品の少なくとも1つは筋肉補強部材を含む。ある実施形態では、筋肉補強部材は、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、または棘上筋のうちの1つのモーメントアームを増やすために、作用線を移すように構成される。
【0016】
ある実施形態では、固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列される。ある実施形態では、固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在する。ある実施形態では、複数のスロットが、関節窩プレートのボディ部分の第2サイドにある固定ポイントへのアクセスを可能とするように、関節窩球体の第2サイドに形成され、外縁から空洞部分まで延在する。ある実施形態では、固定ポイントのいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列され、固定ポイントのいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在する。
【0017】
ある実施形態では、プロステーシスは、関節窩球体、関節窩プレート、および複数の付属品固定ポイントを含む。関節窩球体は、第1サイド、第1サイドに対向する第2サイド、第1サイド上にある関節面、第2サイド上にある空洞部分、および第1サイドと第2サイドとの交点に外縁を有する。関節窩プレートはボディ部分および幹部分を含み、ボディ部分は第1サイドおよび第2サイドを有し、ボディ部分の第1サイドが関節窩球体に面するように関節窩球体の空洞部分に動作可能に接続されており、幹部分はボディ部分の第2サイドから延在し、患者の関節窩に固定されるように構成され、複数の付属品固定ポイントの各々が付属品を受容するように構成される。
【0018】
ある実施形態では、固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列される。ある実施形態では、固定ポイントの少なくともいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在する。ある実施形態では、複数のスロットが、関節窩プレートのボディ部分の第2サイドにある固定ポイントへのアクセスを可能とするように、関節窩球体の第2サイドに形成され、外縁から空洞部分まで延在する。ある実施形態では、固定ポイントのいくつかは、関節窩球体の第2サイドにある空洞部分の周りに配列され、固定ポイントのいくつかは、関節窩プレートを介して関節窩プレートのボディ部分の第1サイドから関節窩プレートのボディ部分の第2サイドまで延在する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付図面を参照して本発明を更に説明する。いくつかの図面を通して、類似の構造は類似の数字により参照される。図示される図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を示す際に強調が概してなされる。更に、いくつかの特徴は特定の構成要素の詳細を示すために誇張されることがある。
【0020】
図1図1は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図2図2は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図3図3は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図4図4は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図5図5は、本発明のある態様による関節窩球体を示す。
図6図6は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図7図7は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図8図8は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図9図9は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図10図10は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図11図11は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図12図12は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図13図13は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図14図14は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図15図15は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図16図16は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図17図17は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図18図18は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図19図19は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図20図20は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントを示す。
図21図21は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
図22図22は、本発明のある態様によるモジュール式アタッチメントの別図を示す。
【0021】
開示されている利点および改良点のうち、本発明の他の目的および利点は、添付図面と併せて以下説明から明らかになろう。本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は様々な形態で具現化され得る本発明の単なる例示にすぎないことが理解されよう。更に、本発明の様々な実施形態に関連して供された各例は例示することを意図しており、限定することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して本発明を更に説明する。いくつかの図面を通して、類似の構造を類似の数字にて参照する。図示する図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を例示することに重点が置かれている。更に、いくつかの特徴は特定の構成要素の詳細を示すために誇張され得る。
【0023】
図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を含み、それらの様々な目的および特徴を例示する。更に、図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の構成要素の詳細を示すためにいくつかの特徴が誇張され得る。更に、図面に示されている任意の測定値、仕様等は例示的であり、限定的ではないことを意図している。したがって、本明細書に開示された特定の構造上および機能上の詳細は、限定して解釈されるべきではなく、本発明を様々用いることを当業者に教示するための代表的な基礎である解釈されるべきである。
【0024】
明細書および特許請求の範囲を通じて、下記の用語は、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、本明細書に明示的に関連した意味をとる。本明細書で使用される「一実施形態では」および「ある実施形態では」という語句は同じ実施形態を指してもよいが、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。更に、本明細書で使用される「別の実施形態では」および「ある他の実施形態では」という語句は異なる実施形態を指してもよいが、必ずしも異なる実施形態を指すわけではない。したがって、下記に説明するように、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を容易に組み合わせることができる。
【0025】
更に、本明細書を通じて、「a」、「an」および「the」の意味は複数の引用(又は参照又は基準;references)を含む。「in」の意味は、「内(in)」および「上(on)」を含む。
【0026】
ある実施形態では、本発明は、1)重度の骨喪失/骨折の場合に、関節窩インプラント固定を改善するために追加の肩甲骨固定(すなわち関節窩の外側)を供し、2)重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合に、組織安定性を改善するために関節ラインの側方化(又は定位化:lateralization)を供し、3)重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合、特に関節窩の欠損が包囲されていない/末梢である場合に、関節窩骨移植片の使用と封じ込めを容易にし、4)肩甲骨骨折、関節窩骨折、および/または肩峰骨折の場合に肩甲骨を同時に再建しつつ関節窩固定を達成し、および5)棘下筋と小円筋の作用線を変更して、これら筋緊張を改善し、又各筋肉の外部回転と外転モーメントの腕長さを増やすことで、改善されたrTSA関節バイオメカニクス、特に後方回旋腱板の効率改善を供することができる複数の異なる種類のモジュール式アタッチメントの取付けを支持する逆肩関節窩プロステーシスを供する。
【0027】
ある実施形態では、モジュール式アタッチメントは、関節窩球体の背部、又は関節窩ベースプレートの前部、又は関節窩ベースプレートの背部に直接接続する。
【0028】
ある実施形態では、モジュール式アタッチメントは、患者の骨へのモジュール式アタッチメントの取付けを容易にするように構成された様々な角度および位置において、支柱、(固定/圧縮/又は多軸固定)ネジ、フィン、および/又はケーブル/縫合糸を含む。
【0029】
ある実施形態では、モジュール式アタッチメントは、rTSAプロステーシスに取り付けることなく使用されてよい。具体的には、モジュール式アタッチメントは、rTSAプロステーシスに取り付けられてよく、又はプロステーシスなしで使用されてよい。この場合、モジュール式アタッチメントは骨に直接接続される。そのようなモジュール式アタッチメントは、修正関節形成術プラットフォームおよび肩関節の上腕骨又は同様の用途のための他の関節において使用され得る。
【0030】
モジュール式アタッチメントは、例えば、Co-Cr、ステンレス鋼、チタン、炭素繊維、セラミック、PMMA骨セメント、パイロカーボン、および/または骨移植片を含む異なる生体適合性材料から製造することができる。更に、モジュール式アタッチメントは、従前のコンピュータ付加製造工程によって、又は付加的な製造工程若しくは類似の工程を使用することによって製造することができる。
【0031】
モジュール式アタッチメントは、筋肉および/または骨への固定を促進するために、表面コーティングされる、又は様々な方法で処理され得る。
本発明のある実施形態による重度の骨喪失および/または骨折の場合にてインプラント固定を改善するために追加の肩甲骨固定を供するためのモジュール式rTSA関節窩アタッチメント。
【0032】
ある実施形態では、モジュール式アタッチメントは追加の肩甲骨固定を供し、追加の固定は重度の骨喪失および/または骨折をした患者におけるインプラント固定を改善するように構成される。
【0033】
図1図8を参照すると、肩甲骨の様々な領域の解剖学的形状に対応する複数のモジュール式輪郭プレートが図示されている。ある実施形態では、これらのモジュール式プレートは、1つ以上の固定用、圧縮用、または圧縮固定用のネジ(および/または縫合糸もしくはワイヤ等の他の固定デバイス)を受容し、rTSAベースプレートの裏側に固定を達成するのに不十分な骨がある臨床的状況にて追加の肩甲骨固定(すなわち、関節窩の外側)を容易にするために、関節窩球体の背部、またはベースプレートの背部または全部に固定することができる。
【0034】
関節窩球体または関節窩ベースプレートへのこれらデバイスのモジュール式取付け方法は変更することができ、モジュール式デバイスを固定するためのテーパー、クリップ、ネジ、または他の留め機構を含み得ることに留意されたい。
【0035】
異常な肩甲骨形態における追加の患者特有の機能性または改善された機能を供するために、モジュールプレートを完全にまたは所定の領域で曲げることができることで、外科医が手術中に特定の患者の特定の解剖学的/形態学的ニーズを満たすプレートを手術中に形作ることができるようにモジュール式プレートを設計できる。逆に、プレートは、多数の異なる解剖学的構造に適合するように、完全に機械加工され多数のサイズにて輪郭付けされ得る。
【0036】
ある実施形態では、モジュール式アタッチメントは、一次手術であるrTSA手術時又は骨折の発生後の補正で肩甲骨骨折の再建を手助けするために使用される。特定の患者の解剖学的構造または骨折のタイプ/位置により要求されるように、モジュール式アタッチメントは関節窩球体または関節窩ベースプレートの周りに360°で固定され得る。更に、追加のインプラント固定を容易にするために、肩甲骨内でネジ固定のための多数の追加の箇所を支持するこれらのモジュール式アタッチメントの多数の位置を下記に示す。
【0037】
図1は、追加の肩甲骨固定を容易にするために、ネジを受容し、ベースプレートの背部もしくは前部の一方に、または関節窩球体の背部に固定する、輪郭付けされたおよび/または曲げ可能なフレームの斜視図を示す。多数のネジを前肩甲骨に位置決めして方向付けるために、プレートが関節窩球体の背部にモジュール式に接続される実施形態を図1に示す。
【0038】
図2は、追加の肩甲骨固定を容易にするために、ネジを受容し、ベースプレートの背部もしくは前部の一方または関節窩球体の背部に取り付ける、輪郭付けされおよび/または曲げ可能なフレームの正面図を示す。多数のネジを前肩甲骨に位置決めして方向付けるために、プレートが関節窩球体の背部にモジュール式に接続されている実施形態を図2に示す。
【0039】
図3は、追加の肩甲骨固定を容易にするために、ネジを受容し、ベースプレートの背部もしくは前部の一方または関節窩球体の背部に取り付ける、輪郭付けされたおよび/または曲げ可能なフレームの斜視図を示す。多数のネジを後肩甲骨/肩峰の基部に位置決めして方向付けるために、プレートが関節窩球体の背部にモジュール式に接続されている実施形態を図3に示す。
【0040】
図4は、追加の肩甲骨固定を容易にするために、ネジを受容し、ベースプレートの背部もしくは前部の一方、または関節窩球体の背部に固定する、輪郭付けされたおよび/または曲げ可能なフレームの代替図を示す。後肩甲骨/肩峰の基部に多数のネジを位置決めして方向付けるために、プレートが関節窩球体の後部にモジュール式に接続されている実施形態を図4に示す。
【0041】
図5は、本発明のある実施形態によるモジュール式アタッチメントを取り付けるように構成されたプロステーシス500の内側図および正面図を示す。プロステーシス500は、関節窩球体510および関節窩ベースプレート530を含む。関節窩球体510は、第1サイド512、第1サイド512に対向する第2サイド514、および第1サイド512が第2サイド514と交わる外縁516を有する。関節面518は関節窩球体510の第1サイド512に形成される。関節面512は、切除された上腕骨に固定されたカップ部分と係合するように構成されている。関節窩球体510の第2サイド514には空洞部分520が形成されている。空洞部分520の周囲には、外縁516に近接して複数の取付けポイント522が配列されている。
【0042】
図5の参照を続けると、関節窩ベースプレート530は、ボディ部分532および幹部分534を含む。ボディ部分532は、関節窩球体510の空洞部分520内に配置されている。ある実施形態では、ボディ部分532は、関節窩球体510の空洞部分520内に固定される。ある実施形態では、ボディ部分532は、関節窩球体510の空洞部分520内に取り外し可能に配置される。ボディ部分532は、第1サイド536と第1サイド536に対向する第2サイド538を有する。第1サイド536は関節窩球体510に面し、第2サイド538は関節窩球体510から離れて面している。ある実施形態において、第1サイド536は略平面である。ある実施形態では、第2サイド538は凸状である。幹部分534は、第2サイド538から延在し、患者の関節窩に固定されるように構成されている。複数の取付けポイント540は、幹部分534の周りに配列され、ボディ部分532を介して第1サイド536から第2サイド538まで延在する。付属品(又はアタッチメント又は留め具;attachment)は、様々な位置および向きに固定デバイスを位置付けるために、関節窩球体の360°周りの多数の異なる位置に取り付けられ得る。
【0043】
図6は、多数のネジを受容し、当該多数のネジを前肩甲骨に位置決めし方向付けるためにベースプレートに取り付ける、輪郭づけされおよび/または曲げ可能なフレームの代替の実施形態を示す。プロステーシスの動作範囲を制限し、又はプロステーシスの衝突の発生がして、不安定性につながることがないように、関節窩球体の関節は関節のない表面にて切り離されることに留意されたい。
【0044】
図7は、単一のネジを受容し、ネジを前肩甲骨に位置決めして方向付けるためにベースプレートに取り付ける、輪郭付けされおよび/または曲げ可能なフレームの代替の実施形態を示す。
【0045】
図8は、ネジを様々な位置に位置決めし、ネジを多数の角度に方向づけるために、ベースプレートの周り360°の多数の位置に異なるモジュール式固定デバイスをどのように取付け可能かを示す。ある実施形態では、モジュール式固定デバイスを関節窩球体に面するベースプレートの側部に固定できるように、関節窩球体の周囲にスロットが形成される。本発明のある実施形態によれば、重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合に、組織安定性を改善するために関節ラインの側方化を供するためのモジュール式rTSA関節窩骨補強アタッチメントが供される。
【0046】
ある実施形態において、モジュール式アタッチメントは、関節ラインを側方方向(又は横方向;lateral direction)にする(すなわち、線を側方方向に移動させる)。ある実施形態では、関節ラインの側方化は、重度の骨喪失および/または骨折をした患者の組織安定性を改善するように構成される。
【0047】
図9図12は、固定を改善し、ネジ/固定取付けのための選択肢を増やすために、ベースプレートの裏側に取り付けて、変形又は骨折した骨とのインプラント表面接触面積を増やす、多数のモジュール式骨補強部材を示す。
【0048】
ある実施形態では、包囲された又は包囲されていない/末端の欠損を含む、後方、上方、内側、または複合的な欠損等の複数の異なるタイプの関節窩/肩甲骨欠損を考慮し、
モジュール式骨補強部材は(均一または不均一、すなわちくさび形または円錐形等の)様々な形状、サイズ、および厚さで供される。
【0049】
ある実施形態では、モジュール式骨補強部材は、固定、圧縮、または圧縮固定のネジ(および/または縫合糸もしくはワイヤなどの他の固定デバイス)を受容し、それによって骨補強部材を変形した又は砕けた肩甲骨に直接取り付けることができ、および/または貫通孔を有することができ、それによって固定用ネジ、圧縮用ネジ、または圧縮固定用ネジ(および/または縫合糸もしくはワイヤなどの他の固定デバイス)を、これらネジ/固定デバイスをベースプレートに直接取り付ける際に、骨補強部材に通すことができる。更に、骨補強部材は、補強部材をベースプレートに取り付けるためのテーパー、クリップ、ネジ、または他の留め機構を含む様々な方法を用いてベースプレートにモジュール式に取り付けることができる。又は、骨補強部材は、ベースプレートの前部または関節窩球体の背部に取り付けることができる。
【0050】
ある実施形態では、補強部材は、大きなネロットシルボー(nerot-sirveaux)肩甲骨ノッチ欠損を埋めるように構成される。ある実施形態では、肩甲骨のネック(又は首;neck)くさび補強部材を肩甲骨のノッチに取り付け、ホスト(host)骨にネジで取り付け、モジュール式接続を介してベースプレートまたは関節窩球体の一方にモジュール式に接続するブーツストラップ法によって、補強部材は取り付けられる。
【0051】
図9は、ネジを受容しベースプレートの背部に固定して、変形または骨折した肩甲骨との表面接触面積を改善し、固定のための追加の位置のオプションを供する、モジュール式骨補強部材の一実施形態を示す。図10図12は、包囲された又は包囲されていない/末端の欠損を含む、後方、上方、内側、または複合的な欠損等の複数の異なるタイプの欠損を考慮し、例えばくさび形または円錐形等の、均一または不均一の厚さに形成可能な多数の異なる形状、サイズ、および厚さの骨補強部材の例を示す。図10は円錐形の補強部材を示す。図11は後部増強くさびを示す。図12は側方方向補強部材を示す。
本発明のある実施形態に従い、重度の関節窩/肩甲骨の骨喪失の場合、特に関節窩欠損が包囲されていない/末梢にある場合における、関節窩骨移植片の使用および封じ込めを容易にするためのモジュール型rTSA関節窩アタッチメント。
【0052】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、肩甲骨および/または関節窩の重度の骨喪失を伴う患者の関節窩骨移植片を含む。
【0053】
図13図16は、前部側および後部側外部関節窩/肩甲骨皮質の解剖学的形状に対応する多数のモジュール式輪郭プレートを示す。これらのモジュール式プレートは、関節窩球体の背部またはベースプレートの背部もしくは前部にモジュール式に接続することができ、外科医が骨移植片を使用して包囲されていない/末梢の関節窩欠損の再建を手助けすることを目的とする。
【0054】
包囲されていない/末梢の関節窩欠損は概して移植片置換に起因して移植することができない。しかしながら、この設計概念は、移植片を収容するための物理的ブロックを作成することによりそのような臨床シナリオにおける包囲されていない/末梢の欠陥の移植を容易にし、また移植片/ホスト骨への補強的固定のための追加の箇所を供する。
【0055】
ある実施形態では、患者が大きなネロットシルボー(nerot-sirveaux)肩甲骨ノッチを有する場合、(包囲されていない欠損のように機能する)当該ノッチを埋めて肩甲骨を強化するため、肩甲骨ノッチを覆うようにプレートを改訂して使用できる。ある実施形態では、外科医がノッチ付き肩甲骨を移植したい場合には、骨移植片を収容ためにU字形プレートを使用することもできる。
【0056】
これらの輪郭付けされたプレートを関節窩球体または関節窩ベースプレートにモジュール式に取り付ける方法は変更でき、モジュール式デバイスを取り付けるためのテーパー、クリップ、ネジ、または他の留め機構を含み得ることに留意されたい。
【0057】
ある実施形態では、異常な肩甲骨形態における追加の患者特有の機能性または改善された機能を供するために、モジュールプレートを完全にまたは所定の領域で曲げることができることで、外科医が手術中に特定の患者の特定の解剖学的/形態学的ニーズを満たすプレートを手術中に形作ることができるようにモジュール式プレートを設計できる。
【0058】
図13図15は、末梢欠損を伴う肩甲骨に関節窩骨移植片を包囲し当該移植を容易にするためにrTSA関節窩コンポーネントに取り付けるモジュール式の輪郭付けされまたは曲げ可能なプレートの実施形態を示す。図13は、前肩甲骨上にある当該プレートを示す。図14は、後肩甲骨上にある当該プレートを示す。
【0059】
ある実施形態では、モジュール式の輪郭付けされまたは曲げ可能なプレートは、関節窩コンポーネントの周囲全体に取り付けされ得る。図15は、末梢関節窩欠損の最も一般的な位置を説明するために、前肩甲骨および後肩甲骨に取り付けされたモジュール式に輪郭付けされまたは曲げ可能プレートを示す。
【0060】
図16は、輪郭付けされまたは曲げ可能プレートが関節窩球体の代わりにベースプレートにモジュール式に接続する設計の代替の実施形態を示す。
本発明のある実施形態により、肩甲骨骨折、関節窩骨折、および/または肩峰骨折の場合に、肩甲骨骨を同時に再構築しながら、関節窩固定を達成するためのモジュール式rTSA関節窩アタッチメント。
【0061】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、肩甲骨骨折、関節窩骨折、および/または肩峰骨折を伴う患者において、関節窩を固定し、肩甲骨を再構成するように構成される。
【0062】
図17図19は、肩甲骨の様々な領域の解剖学的形状に対応する多数のモジュール式割れ(又は破断又は骨折;fracture)プレートを示す。
【0063】
ある実施形態では、インプラント固定を達成しながら骨折した肩甲骨を再建する必要がある臨床状況のための追加の肩甲骨固定を容易にするために、モジュール式割れプレートが、1つ以上の固定用、圧縮用、または圧縮固定用のネジ(および/または縫合糸もしくはワイヤなどの他の固定デバイス)を受容し、関節窩球体の背部またはベースプレートの背部もしくは前部に取り付けることができる。図17図19に示される割れプレートは、特に、一般的なrTSA合併症である肩峰骨折のためのものであるが、肩甲骨に合うように輪郭付けされた他の割れプレートを使用することができることに留意されたい。更に、肩峰骨折のプレートの場合、プロステーシス(又は補綴物;prosthesis)の衝突を引き起こさないようにプレートは非常に薄型であるため、ROMが必要になり不安定になる可能性があることに留意されたい。更に、肩峰プレートが、追加の支持を供し骨折部を強化して再建を改善するために肩峰の下方に配置されることに留意されたい。そのような肩峰骨折のプレートは、肩峰が受ける負荷を軽減し、ひいては肩峰性疲労骨折、一般的なrTSA合併症の可能性を制限するために追加の肩峰剛性を供するため回避的/予防的に初期rTSA手術時にも使用できることに留意することが重要である。使用されるモジュール式骨折プレートの種類にかかわらず、これらの骨折プレートを関節窩球体または関節窩ベースプレートにモジュール式に取り付ける方法は変更でき、モジュール式デバイスを固定するためのテーパー、クリップ、ネジ、または他の留め機構を含むことができる。異常な肩甲骨形態における追加の患者特有の機能性または改善された機能を供するために、モジュールプレートを完全にまたは所定の領域で曲げることができることで、外科医が手術中に特定の患者の特定の解剖学的/形態学的ニーズを満たすプレートを手術中に形作ることができるようにこれらのモジュール式割れ(又は破断又は骨折;fracture)プレートを設計できる。ある実施形態において、肩峰プレートは、肩峰の下側に取り付けられるように構成される。ある実施形態では、肩峰プレートは肩峰の外側面に取り付けられるように構成される。ある実施形態において、モジュール式割れプレートは肩甲骨脊柱に取り付けられるように構成される。
【0064】
ある実施形態では、特定の患者の解剖学的構造または骨折のタイプ/位置によって必要とされるように、モジュール式デバイスは関節窩球体または関節窩ベースプレートの周りに360°で取り付けることができる。
【0065】
図17は、インプラント固定を達成しつつ骨折した肩甲骨を再建するのを助けるためにrTSA関節窩コンポーネントに取り付けるモジュール式骨折プレートの実施形態の正面図を示す。図17には、一般的なrTSAの合併症である場合に、肩峰にて骨折した肩峰の再建状態が示される。
【0066】
図18は、インプラント固定を達成しつつ骨折した肩甲骨の再建を助けるためにrTSA関節窩コンポーネントに取り付けるモジュール式骨折プレートの実施形態の平面図を示す。図18には、一般的なrTSAの合併症である場合に、肩峰にて骨折した肩峰の再建状態が示される。
【0067】
図19は、インプラント固定を達成しつつ骨折した肩甲骨の再建を助けるためにrTSA関節窩コンポーネントに取り付けるモジュール式骨折プレートの実施形態の後方斜視図を示す。図19には、一般的なrTSAの合併症である場合に、肩峰にて骨折した肩峰の再建状態が示される。
本発明のある実施形態に従い、棘下筋と小円筋の作用線を変更して、これら筋緊張を改善し、又各筋肉の外部回転と外転モーメントの腕長さを増やすことで、改善されたrTSA関節バイオメカニクス、特に後方回旋腱板の効率の改善を供するモジュール式rTSA筋肉増強アタッチメントが供される。
【0068】
一実施形態では、モジュール式アタッチメントは、患者のrTSA関節バイオメカニクスの改善を必要とする患者のrTSA関節バイオメカニクスを改善するように構成された筋肉補強部材である。
【0069】
図20図22は、回旋筋腱板筋張力の改善および/または回旋筋腱板筋の作用線の変更により当該筋の回転と外転モーメントの腕長さを増やして、rTSAを用いた筋肉バイオメカニクスを改善するために、関節窩球体の背部またはベースプレートの前部若しくは背部に取り付け可能な複数のモジュール式rTSA筋肉補強部材を示す。画像は、後部回旋筋腱板筋(棘下筋および小棘筋)のバイオメカニクスを改善するため後部肩甲骨筋上にあるこれらの筋肉補強部材を用いることを具体的に示す。
【0070】
ある実施形態では、外部回転は全ての市販のrTSA設計で制限されるため、rTSAでは後部回旋腱板の機能を改善することが有利である。更に、ある実施形態では、患者の外部回転筋肉組織が制限されている場合、後部回旋腱板筋の効率改善をすることで、外科医は任意の追加の筋移行術を行う必要がない。
【0071】
ある実施形態では、筋肉補強部材は、棘下筋および小棘筋の作用線を後方に移動させ、これらの筋肉の外部回転モーメントアームを戦略的に増大させて、外部回転トルクの発生にて当該モーメントアームを効率的にし(それによって、外部回転運動/トルクを生み出すため各筋肉によって生成されるのに必要とされる力を減少させる)ために後肩甲骨上で用いられる。
【0072】
又、その作用線が関節回転中心に対してより上方位置にあり、関節回転中心に対してより上方の作用線により各筋肉がより大きな外転モーメントアームを有することができ、それによって、作用線が関節の回転中心の下方にある際に三角筋に反して作用するのとは対照的に三角筋が当該アームを上昇させることを助けるように、各筋肉の作用線はrTSAによりその正常位置に対してより上方に移される必要がある。
【0073】
ある実施形態では、動作範囲を減少させるかまたは不安定性をもたらす可能性がある、任意のrTSAプロステーシスの衝突を回避するために、筋肉補強部材の位置を可能な限り内側に配置することが重要である。
【0074】
ある実施形態では、肩甲骨下筋または棘上筋のモーメントアームを各々改善するために前肩甲骨又は上肩甲骨にも筋補強部材を設けることができる。
【0075】
筋肉補強部材の位置にかかわらず、ある実施形態では、収縮時に筋肉が補強部材上を滑動し、また筋肉が異なる動作範囲にわたり伸びるので、補強部材は高度に磨かれ、筋肉の摩耗を防止するために球状関節を有することに留意することが重要である。
【0076】
又は、これらのモジュール式筋肉補強部材は、(筋肉/筋肉モーメントアームが様々な回転位置を有するカムとして変化するように、曲率が均一または不均一であり得る)様々な形状、サイズ、および厚さで供され得る。これらのモジュール式筋肉補強部材は、肩甲骨に直接取り付けることができるように、固定、圧縮、又は圧縮固定ネジ(および/または縫合糸もしくはワイヤなどの他の固定デバイス)を受容することができる。更に、筋肉補強部材は、テーパー、クリップ、ネジ、又は他の留め機構等の様々な方法を用いて補強材を取り付けるために、ベースプレートおよび/関節窩球体にモジュール式に取り付けられ得る。
【0077】
図20は、後部腱板筋の作用線を変更して外部モーメントアームを増大させるためにrTSAコンポーネントに取り付けるモジュール式筋肉補強部材の一実施形態の後方斜視図を示す。
【0078】
図21は、後部腱板筋の作用線を変更して外部モーメントアームを増大させるためにrTSAコンポーネントに取り付けるモジュール式筋肉補強部材の一実施形態の後方図を示す。
【0079】
図22は、後部腱板筋の作用線を変更して外部モーメントアームを増大させるためにrTSAコンポーネントに取り付けるモジュール式筋肉補強部材の一実施形態の下方図を示す。
【0080】
本発明の多くの実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものにすぎず、限定的なものではなく、多くの修正が当業者には明らかとなり得ることを理解されよう。更になお、任意の所望の順序で様々なステップを実施し、(および任意の所望のステップを追加し、および/または任意の所望のステップを排除し得る。本明細書で言及した全ての刊行物および他の参考文献は、各個別の刊行物または参考文献が参照することにより具体的かつ個別に示されるかのようにその全体が参照により組み込まれる。
【0081】
本明細書に引用された刊行物および参考文献は先行技術であるとは認められない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22