(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】在外オブジェクト検出を使用してビークルを位置決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20220124BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220124BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20220124BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220124BHJP
B60L 53/126 20190101ALI20220124BHJP
B60L 53/122 20190101ALI20220124BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20220124BHJP
B60L 53/36 20190101ALI20220124BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20220124BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J50/60
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60L53/126
B60L53/122
B60L53/65
B60L53/36
B60L53/66
(21)【出願番号】P 2019515417
(86)(22)【出願日】2017-08-07
(86)【国際出願番号】 US2017045758
(87)【国際公開番号】W WO2018052574
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-05-27
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513307922
【氏名又は名称】ワイトリシティ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】WITRICITY CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・シーバー
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/111155(WO,A1)
【文献】特開2015-100173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/90
H02J 50/10
H02J 50/60
H02J 7/00
B60L 53/126
B60L 53/122
B60L 53/65
B60L 53/36
B60L 53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルの位置合わせ情報を決定するための装置であって、前記ビークルは、アンテナ回路を含み、前記アンテナ回路は、前記アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成され、前記装置は、
複数の磁場を生成するように構成される、複数のセンサ回路であって、前記複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路は、前記アンテナ回路が前記複数の磁場のうちの1つを介して前記少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、前記アンテナ回路の前記変調された電気特性をセンシングするように構成される、複数のセンサ回路と、
前記センシングした変調された電気特性に基づいて前記ビークルの位置合わせ情報を決定するように構成される、コントローラ回路と
を含む、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサ回路は、前記アンテナ回路の変調または変化されたインピーダンスとして前記変調された電気特性をセンシングする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のセンサ回路の各センサ回路は、1つまたは複数の巻線を有するコイルを含み、前記1つまたは複数の巻線は、前記少なくとも1つのセンサ回路の上方にあるセンスエリア内に前記複数の磁場のうちの1つを生成するために電流で駆動される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数の電気特性は、前記アンテナ回路を一意に識別する固有の変調パターンに基づいて変調され、前記少なくとも1つのセンサ回路は、前記アンテナ回路との結合度に応じた前記少なくとも1つのセンサ回路の磁場における乱れの固有の変化に基づいて前記固有の変調パターンをセンシングするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のセンサ回路の少なくとも2つ以上のセンサ回路は、前記アンテナ回路が前記2つ以上のセンサ回路と結合すると、前記変調された電気特性をセンシングするように構成され、前記コントローラ回路は、前記2つ以上のセンサ回路の各々における前記センシングした変調された電気特性の大きさの比較に基づいて前記少なくとも2つのセンサ回路に対する前記アンテナ回路の位置を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記変調された電気特性は、前記ビークルを一意に識別し、前記コントローラ回路は、前記センシングした変調された電気特性を介して前記ビークルを一意に識別することに基づいて前記ビークル上の前記アンテナ回路の位置および前記ビークル上の受電回路の位置を読み出し、前記ビークルの前記受電回路に対する前記アンテナ回路の位置を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つのセンサ回路に対して位置決定される送電回路をさらに含み、前記コントローラ回路は、前記受電回路に対する前記アンテナ回路の位置および前記少なくとも2つのセンサ回路に対する前記送電回路の位置に基づいて前記少なくとも2つのセンサ回路に対する前記アンテナ回路の前記位置を前記送電回路に対する前記受電回路の位置に変換するように構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラ回路は、送電回路に対する受電回路の位置に基づいて前記受電回路を前記送電回路と位置合わせするための位置合わせ情報を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラ回路は、前記ビークル上の受電回路を前記センサ回路に対して位置決定される送電回路と位置合わせするための前記ビークルのユーザへの前記位置合わせ情報
を通信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のセンサ回路は、前記ビークルの前記アンテナ回路以外のオブジェクトを検出するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ビークルの位置合わせ情報を決定するための方法であって、前記ビークルは、アンテナ回路を含み、前記アンテナ回路は、前記アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成され、前記方法は、
複数のセンサ回路によって、複数の磁場を生成するステップと、
前記複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路によって、前記アンテナ回路が前記複数の磁場のうちの1つを介して前記少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、前記アンテナ回路の前記変調された電気特性をセンシングするステップと、
前記センシングした変調された電気特性に基づいて前記ビークルの位置合わせ情報を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記変調された電気特性をセンシングするステップは、前記アンテナ回路の変調または変更されたインピーダンスをセンシングするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の磁場を生成するステップは、前記少なくとも1つのセンサ回路の上方にあるセンスエリア内に前記複数の磁場のうちの1つを生成するために電流で前記複数のセンサ回路の1つまたは複数の巻線を駆動するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アンテナ回路との結合度に応じた前記少なくとも1つのセンサ回路の磁場における乱れの固有の変化に基づいて固有の変調パターンをセンシングするステップであって、前記電気特性は、前記固有の変調パターンに基づいて変調される、ステップと、
前記センシングした固有の変調パターンに基づいて前記アンテナ回路を一意に識別するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のセンサ回路の少なくとも2つ以上のセンサ回路によって、前記アンテナ回路が前記2つ以上のセンサ回路と結合すると、前記変調された電気特性をセンシングするステップと、
前記2つ以上のセンサ回路の各々における前記センシングした変調された電気特性の大きさの比較に基づいて前記少なくとも2つのセンサ回路に対する前記アンテナ回路の位置を決定するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記センシングした変調された電気特性に基づいて前記ビークルを一意に識別するステップと、
前記ビークルを一意に識別するステップに基づいて前記ビークル上の前記アンテナ回路の位置および前記ビークル上の受電回路の位置を読み出すステップと、
前記ビークルの前記受電回路に対する前記アンテナ回路の位置を決定するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記受電回路に対する前記アンテナ回路の位置および前記少なくとも2つのセンサ回路に対する送電回路の位置に基づいて前記少なくとも2つのセンサ回路に対する前記アンテナ回路の位置を前記送電回路に対する前記受電回路の位置に変換するステップをさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
送電回路に対する受電回路の位置に基づいて前記受電回路を前記送電回路と位置合わせするための位置合わせ情報を決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のセンサ回路によって前記ビークルの前記アンテナ回路以外のオブジェクトを決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
ビークルの位置合わせ情報を決定するための装置であって、前記ビークルは、アンテナ回路を含み、前記アンテナ回路は、前記アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成され、前記装置は、
複数のセンサ回路によって複数の磁場を生成するための手段と、
前記複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路によって前記アンテナ回路が前記複数の磁場のうちの1つを介して前記生成するための手段と結合すると前記アンテナ回路の前記変調された電気特性をセンシングするための手段と、
前記センシングした変調された電気特性に基づいて前記ビークルの位置合わせ情報を決定するための手段戸を含む、装置。
【請求項21】
前記複数の磁場を生成するための手段は、複数のコイルと、電流を用いて前記複数のコイルを駆動するように構成される、少なくとも1つの駆動回路とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記変調された電気特性をセンシングするための手段は、複数のコイルと、前記生成するための手段の前記磁場における乱れに基づいて前記変調された電気特性をセンシングするように構成される、少なくとも1つのセンシング回路とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記位置合わせ情報を決定するための手段は、コントローラ回路を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記変調された電気特性をセンシングするための手段は、前記アンテナ回路の変調または変更されたインピーダンスをセンシングする、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記アンテナ回路との結合度に応じた前記生成するための手段の磁場における乱れの固有の変化に基づいて固有の変調パターンをセンシングするための手段であって、前記電気特性は、前記固有の変調パターンに基づいて変調される、手段と、
前記センシングした固有の変調パターンに基づいて前記アンテナ回路を一意に識別するための手段と
をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記アンテナ回路が前記磁場の少なくとも2つを介して前記生成するための手段と結合すると、前記センシングした変調された電気特性の大きさの比較に基づいて前記センシングするための手段に対する前記アンテナ回路の位置を決定するための手段をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
前記センシングするための手段は、前記複数のセンサ回路によって前記ビークルの前記アンテナ回路以外のオブジェクトを検出するようにさらに構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項28】
プロセッサによって実行されると、無線電力送電システムにビークルの位置合わせ情報を決定するための方法を行わせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ビークルは、アンテナ回路を含み、前記アンテナ回路は、前記アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成され、前記方法は、
複数のセンサ回路によって、複数の磁場を生成するステップと、
前記複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路によって、前記アンテナ回路が前記複数の磁場のうちの1つを介して前記少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、前記アンテナ回路の前記変調された電気特性をセンシングするステップと、
前記センシングした変調された電気特性に基づいて前記ビークルの位置合わせ情報を決定するステップと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記変調された電気特性をセンシングするステップは、前記アンテナ回路の変調または変更されたインピーダンスをセンシングするステップを含む、請求項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記アンテナ回路との結合度に応じた前記少なくとも1つのセンサ回路の磁場における乱れの固有の変化に基づいて固有の変調パターンをセンシングするステップであって、前記変調された電気特性は、前記固有の変調パターンに基づいて変調される、ステップと、
前記センシングした固有の変調パターンに基づいて前記アンテナ回路を一意に識別するステップと
をさらに含む、請求項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線電力に一般的に関する。より詳細には、開示は、エレクトリックビークルを無線電力送電システムと位置合わせすることに関連するデバイス、システム、および方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
無線電力送電システムは、回路トポロジ、磁気レイアウト、および送電性能または要件を含む多くの態様において異なり得る。無線電力送電システムのコンポーネント間で送電される電力の量および送電の効率は、無線電力送電システムの送電パッドとエレクトリックビークルの受電パッドとの間の位置合わせに依存し得る。無線電力送電システムは、一般的に、専用の補助的位置決定および位置合わせシステムを含み得る。しかしながら、これらの補助システムは、かなりの量に達する無線電力送電システムの総合的なコストおよび複雑度を付加することになる。したがって、既存のコンポーネントおよびシステムを利用して受電パッドと送電パッドとを位置合わせすることを支援している先行技術において送電の効率を改善する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
添付の特許請求の範囲の範囲内にあるシステム、方法、およびデバイスの様々な実施形態の各々はいくつかの態様を有し、そのうちの単一の1つがそれのみで本明細書に記載の望ましい属性に関与しているわけではない。添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものではないが、いくつかの卓越した特徴を本明細書において説明する。
【0004】
本明細書において説明した発明特定事項の1つまたは複数の実施形態についての詳細を、以下の添付の図面および説明において記載している。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。以下の図についての相対的な次元は縮尺通りに描写されていない場合があることを留意されたい。
【0005】
本開示のある態様は、ビークルの位置合わせ情報を決定するための装置を提供している。ビークルは、アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成される、アンテナ回路を含む。装置は、複数の磁場を生成するように構成される、複数のセンサ回路を含む。複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路は、アンテナ回路が複数の磁場のうちの1つを介して少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、アンテナ回路の変調された電気特性をセンシングするように構成される。装置は、センシングした変調された電気特性に基づいてビークルの位置合わせ情報を決定するように構成される、コントローラ回路をさらに含む。
【0006】
本開示の別の態様は、ビークルの位置合わせ情報を決定するための方法を提供している。ビークルは、アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成される、アンテナ回路を含む。方法は、複数のセンサ回路によって、複数の磁場を生成するステップを含む。方法はまた、複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路によって、アンテナ回路が複数の磁場のうちの1つを介して少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、アンテナ回路の変調された電気特性をセンシングするステップを含む。方法は、センシングした変調された電気特性に基づいてビークルの位置合わせ情報を決定するステップをさらに含む。
【0007】
本開示の別の態様は、ビークルの位置合わせ情報を決定するための装置を提供している。ビークルは、アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成される、アンテナ回路を含む。装置は、複数の磁場を生成するための手段を含む。装置はまた、アンテナ回路が複数の磁場のうちの1つを介して生成するための手段と結合するとアンテナ回路の変調された電気特性をセンシングするための手段を含む。装置は、センシングした変調された電気特性に基づいてビークルの位置合わせ情報を決定するための手段をさらに含む。
【0008】
本開示の別の態様は、プロセッサによって実行されると、無線電力送電システムにビークルの位置合わせ情報を決定するための方法を行わせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体を提供している。ビークルは、アンテナ回路の1つまたは複数の電気特性を変調するように構成される、アンテナ回路を含む。方法は、複数のセンサ回路によって、複数の磁場を生成するステップを含む。方法はまた、複数のセンサ回路のうちの少なくとも1つのセンサ回路によって、アンテナ回路が複数の磁場のうちの1つを介して少なくとも1つのセンサ回路と結合すると、アンテナ回路の変調された電気特性をセンシングするステップを含む。方法は、センシングした変調された電気特性に基づいてビークルの位置合わせ情報を決定するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態による、無線電力送電システム内の送電パッド上に位置合わせされるエレクトリックビークルの図である。
【
図2】ある例示的な実施形態による、無線電力送電システムの機能ブロック図である。
【
図3】別の例示的な実施形態による、送電回路および受電回路を用いた
図2の無線電力送電システムの機能ブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態による、送電アンテナまたは受電アンテナを含む、
図3の送電回路または受電回路の一部の概略図である。
【
図5】別の例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システムにおいて使用され得る送電機の機能ブロック図である。
【
図6】別の例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システムにおいて使用され得る受電機の機能ブロック図である。
【
図7】無線電力送電システムにアプローチするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークルの図である。
【
図8】例示的な実施形態による、
図1のエレクトリックビークルの相対位置を決定するために使用される
図5の在外オブジェクト検出器回路480の少なくとも一部の図である。
【
図9A】例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100と位置合わせするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークルの図である。
【
図9B】例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100と位置合わせするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークルの図である。
【
図9C】例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100と位置合わせするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークルの図である。
【
図10】例示的な実施形態による、
図6のビーコンアンテナ620の少なくとも一部と
図5の在外オブジェクト検出器回路480との概略図である。
【
図11】別の例示的な実施形態による、
図6のビーコンアンテナ620の少なくとも一部と
図5の在外オブジェクト検出器回路480の一部との概略図である。
【
図12】例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100とエレクトリックビークル604を位置合わせするために
図1のエレクトリックビークル604の位置合わせ情報を決定する方法を示すフローチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面に関連して以下に記載した詳細な説明は、発明のある実施形態の説明を意図したものであり、発明が実施される可能性がある実施形態のみを表すことを意図したものではない。本説明を通して使用される「例示的な」という用語は、「例、事例、または例示の代わりになる」ことを意味しており、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。詳細な説明は、開示した実施形態の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含んでいる。いくつかの事例においては、いくつかのデバイスをブロック図の形式で示している。
【0011】
無線電力送電は、電場、磁場、電磁場に関連するまたさもなければ物理的な導電体を使用しない(例えば、電力が自由空間を介して送電され得る)送電機から受電機への任意の形式のエネルギーを送電することを指し得る。無線場(例えば、磁場または電磁場)への電力出力が、送電を実現するために「受電アンテナ」によって受電、捕捉、または結合(例えば、動作可能となるように結合)され得る。
【0012】
図1は、例示的な実施形態による、無線電力送電システム100内の送電パッド420上に位置合わせされるエレクトリックビークル604の図である。(
図1の)エレクトリックビークル604は、(
図2の)無線電力送電システム100を使用して全体的または部分的に充電または電力供給され得る。
図5に関連して以下で説明しているように、送電回路206は送電機104の一部(
図2)であり得る。
図1の実施形態において示したように、送電回路206は、電力バックボーン602(例えば、電力グリッド)に結合され得る。送電回路206は、電力バックボーン602から電力を受電するように構成される。
図5に関連して以下でさらに説明しているように、送電パッド420(送電回路とも称し得る)は、送電回路206に結合され、送電回路206から電力を受電するように構成され得る。送電パッド420は、送電回路206に結合される少なくとも1つの送電アンテナ114(例えば、コイル)を含み得る。
図1の実施形態において示したように、送電パッド420は、(点線で表したように)地面または地下に設置され得る。
【0013】
エレクトリックビークル604は、送電パッド420の近くに駐車され得る。エレクトリックビークル604は、受電アンテナ118(例えば、コイル)を含み得る。
図6に関連して以下でさらに説明しているように、受電アンテナ118は、受電機108の一部であり得る受電パッド530(受電回路とも称し得る)の一部であり得る。受電アンテナ118は、送電アンテナ114から電力を受電するために送電アンテナ114の充電エリア内に位置し得る。
図1の実施形態において示したように、エレクトリックビークル604は、受電アンテナ118の出力に結合された受電回路210を含み得る。
図6に関連して以下でさらに説明しているように、受電回路210は、受電アンテナ118から電力を受電するように構成される。
図1の実施形態において示したように、エレクトリックビークル604はまた、受電回路210の出力に結合された負荷550(
図3に関連して説明しているようなエレクトリックビークルバッテリ236またはエレクトリックビークルエンジンなど)を含み得る。負荷550は、受電回路210から電力を受電するように構成される。受電回路210は、負荷550に電力供給または充電するために受電アンテナ118によって受電された電力を処理するように構成される。
【0014】
図2は、ある例示的な実施形態による、無線電力送電システム100の機能ブロック図である。入力電力102が、送電を行うための無線場105(例えば、磁場または電磁場)を生成するために、送電回路(本図には図示せず)などの送電機104に電源から提供され得る。
【0015】
受電機108は、無線場105に結合され、出力電力110に結合された負荷(例えば、
図1の負荷550)による蓄電または消費のために出力電力110を生成するように構成される。受電機108は、受電機108が送電機104によって生成される無線場105内に位置する場合に、受電アンテナ118(例えば、コイル)を介して電力を受電し得る。無線場105は、送電機104によって出力されたエネルギーが受電機108によって捕捉され得る領域に相当する。無線場105は、以下でさらに説明しているような送電機104の「近接場」に相当し得る。送電機104は、エネルギーを受電機108に送信するための送電アンテナ114(例えば、コイル)を含み得る。受電機108は、送電機104から送電されたエネルギーを受電または捕捉するための受電アンテナ118を含み得る。近距離場は、送電アンテナ114から電力を最小限で放射する送電アンテナ114における電流および変化をもたらす強力な反応場が存在する領域に相当し得る。近距離場は、送電アンテナ114の約1波長(またはその分数)以内に存在する領域に相当し得る。送電機104および受電機108の双方は、距離112で隔離されている。
【0016】
ある例示的な実施形態においては、送電機104および受電機108は、相互共振関係に従って構成される。受電機108の共振周波数と送電機104の共振周波数とが実質的に同一または非常に近い場合には、送電機104と受電機108との間の伝送損失は最小となる。そのため、無線電力送電は、非常に近接(例えば、時にはミリメートル以内)した大きなアンテナを必要とする単なる誘導的ソリューションと対比してより長い距離にわたって提供され得る。そのため、共振誘導結合技法は、様々な距離にわたっておよび様々な誘導アンテナ構成において改善された効率および送電を可能とし得る。
【0017】
上記で説明したように、効率的なエネルギー送電は、電磁波でエネルギーの大部分を遠距離場へと伝搬するのではなく、無線場105内のエネルギーの大部分を受電アンテナ118と結合することによって生じ得る。無線場105内に配置されると、「結合モード」が送電アンテナ114と受電アンテナ118との間で展開され得る。この結合が生じ得る送電アンテナ114および受電アンテナ118の周辺のエリアを、ここでは、結合モード領域と称する。
【0018】
図3は、別の例示的な実施形態による、送電回路206および受電回路210を用いた
図2の無線電力送電システム100の機能ブロック図である。
図2に関連して説明しているように、システム100は、送電機104および受電機108を含む。
図3の実施形態において示しているように、送電機104は、送電回路206を含み得る。送電回路206は、オシレータ222を含み得る。オシレータ222は、周波数制御信号223に応答して調整され得る所望の周波数で発信信号を生成するように構成される。
【0019】
送電回路206は、オシレータ222の出力に結合された駆動回路224を含み得る。駆動回路224は、オシレータ222から発信信号を受信して駆動信号を出力するように構成される。駆動回路224は、例えば、入力電圧信号(VD)225に基づいて送電アンテナ214の共振周波数で、送電アンテナ214を駆動するように構成され得る。駆動回路224は、オシレータ222から方形波を受信して正弦波を出力するように構成される、スイッチングアンプであり得る。例えば、駆動回路224は、クラスEの増幅器であり得る。
【0020】
送電回路206は、駆動回路224の出力に結合されたフィルタおよび整合回路226を含み得る。フィルタおよび整合回路226は、駆動回路224から駆動信号を受信するように構成される。フィルタおよび整合回路226は、駆動信号から高調波または他の不要な周波数をフィルタで除去し、送電機104のインピーダンスを送電アンテナ114と整合させてフィルタ処理済みの信号を生成するように構成される。
【0021】
図2に関連して説明しているように、送電機104は、送電アンテナ114を含み得る。
図3の実施形態において示しているように、送電アンテナ114は、フィルタおよび整合回路226の出力に結合され、フィルタおよび整合回路226からフィルタ処理済みの信号を受信するように構成され得る。送電アンテナ114は、無線場105を生成して負荷を充電するのに十分なレベルで電力を無線出力するように構成される。
【0022】
図2に関連して説明しているように、受電機108は、受電アンテナ118を含み得る。
図3の実施形態において示しているように、受電アンテナ118は、送電アンテナ114によって生成された無線場105を受電するように構成される。送電アンテナ118は、無線場105からの電力を受電回路210によって処理され得る電力に変換するように構成される。
【0023】
受電機108は、受電回路210を含み得る。受電回路は、受電アンテナ118の出力に結合されている。受電回路210は、受電アンテナ118の出力に結合された整合回路232を含み得る。整合回路232は、受電アンテナ118から出力された電力を受信し、受電回路210のインピーダンスを受電アンテナ118と整合させ得る。
【0024】
受電回路210は、整流回路234を含み得る。整流回路234は、整合回路232の出力に結合されている。整流回路234は、整合回路232の出力を受信するように構成される。整流回路234は、交流(AC)の電力入力から直流(DC)の電力信号出力を生成するように構成される。
【0025】
無線送電システム100は、エレクトリックビークルバッテリ236を含み得る。エレクトリックビークルバッテリ236は、整流回路234の出力に結合され、整流回路234から直流(DC)の電力信号出力を受信するように構成され得る。さらに、受電機208と送電機204とは、別個の通信チャネル219(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、セルラなど)上で通信し得る。あるいは、受電機208と送電機204とは、無線場205の特性を使用して帯域内シグナリングを介して通信し得る。
【0026】
図4は、例示的な実施形態による、送電アンテナ114または受電アンテナ118を含む、
図3の送電回路206または受電回路210の部分回路350の概略図である。
図4の実施形態において示しているように、送電アンテナ114または受電アンテナ118は、アンテナ352を含み得る。アンテナ352はまた、「ループ」アンテナ352と称し得る、または「ループ」アンテナ352として構成され得る。アンテナ352はまた、本明細書では「磁気」アンテナまたは「誘導」アンテナと称し得る、または「磁気」アンテナまたは「誘導」アンテナとして構成され得る。「アンテナ」という用語は、一般的に、別の「アンテナ」と結合するためのエネルギーを無線で出力または受電し得るコンポーネントを指す。アンテナはまた、電力を無線で出力または受電するように構成されるタイプのアンテナも指し得る。いくつかの実施形態においては、アンテナは、1つまたは複数の巻線を有するコイルとして構成され得る。本明細書で使用しているように、アンテナ352は、電力を無線で出力および/または受電するように構成されるタイプの「送電コンポーネント」の例である。
【0027】
アンテナ352は、空芯またはフェライトコア(本図には図示せず)などの物理コアを含み得る。空芯となっているアンテナ352は、コアの近辺に配置されている外部の物理デバイスに対してより耐性があり得る。さらに、空芯となっているアンテナ352は、コアの領域内における他のコンポーネントの配置を可能にし得る。加えて、空芯となっているアンテナ352は、送電アンテナ114の平面内における受電アンテナ118の配置をより容易に可能にし得る、ここで、送電アンテナ114の結合モード領域は、より強力なものとなり得る。
【0028】
前述のように、送電機104と受電機108との間のエネルギーの効率的な送電は、送電機104と受電機108との間で整合またはほぼ整合している間に生じ得る。しかしながら、送電機104と受電機108との間の共振が整合していない場合であっても、エネルギーは送電され得るが、効率は影響を受けることになり得る。例えば、効率は、共振が整合されていないと、低くなり得る。エネルギーの送電は、エネルギーを送電アンテナ114から自由空間へと伝搬するのではなく、無線場105からのエネルギーを受電アンテナ118と結合することによって生じ得る。
【0029】
アンテナの共振周波数は、インダクタンスおよびキャパシタンスに基づき得る。インダクタンスは、単に、アンテナ352によって作り出されたインダクタンスであり得る一方で、キャパシタンスは、所望の共振周波数で共振構造を作り出すためにアンテナのインダクタンスに追加され得る。非限定的な例としては、コンデンサ354およびコンデンサ356が、共振周波数の信号358を選択する共振回路を作成するために、送電機104または受電機108に追加され得る。それゆえ、大口径アンテナについては、共振を持続するために必要となるキャパシタンスのサイズは、ループの直径またはインダクタンスが増大するにつれて低減されることになり得る。
【0030】
図2および
図3を参照すれば、送電機104は、送電アンテナ114の共振周波数に対応する周波数で時間的に変化する磁場(または電磁場)を出力し得る。受電機108が無線場105内に存在する場合には、時間的に変化する磁場(または電磁場)が受電アンテナ118に電流を誘導し得る。上記で説明したように、受電アンテナ118が送電アンテナ114の周波数で共振するように構成されている場合には、エネルギーは効率的に送電され得る。受電アンテナ118において誘導されたAC信号は、負荷を充電または電力供給するために提供され得るDC信号を生成するために、上記で説明したように整流され得る。
【0031】
図5は、別の例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100において使用され得る送電機104の機能ブロック図である。
図3に関連して説明しているように、送電機104は、送電回路206を含み得る。送電回路206は、オシレータ222を含み得る。送電回路206は、駆動回路224を含み得る。
【0032】
図5の実施形態において示したように、送電回路206は、駆動回路224の出力に結合されたローパスフィルタ(LPF)408を含み得る。ローパスフィルタ408は、駆動回路224から駆動信号を受信するように構成される。ローパスフィルタ408は、(
図3の)受電機108のセルフジャミングを防止するレベルまで駆動回路224の高調波放射を低減し、ローパスフィルタ処理済みの信号を出力するように構成される。
【0033】
送電回路206は、ローパスフィルタ408の出力に結合された整合回路410を含み得る。整合回路410は、ローパスフィルタ408からローパスフィルタ処理済みの信号を受信するように構成される。整合回路410は、送電回路206のインピーダンスを少なくとも1つの送電アンテナ114と整合させるように構成される。
【0034】
送電回路206は、整合回路410の出力に結合されたセレクタ回路430を含み得る。セレクタ回路430は、整合回路410の出力を受信するスイッチとして構成される。セレクタ回路430は、以下でより詳細に説明しているように、コントローラ回路416から命令信号を受信することによって送電アンテナ114を選択的に有効または無効にするように構成される。送電アンテナ114を有効にすることによって、セレクタ回路430は、送電回路206を有効化された送電アンテナ114に接続し、有効化された送電アンテナ114に渡されることになる整合回路410の出力を許可するように構成される。送電アンテナ114を無効化することによって、セレクタ回路430は、無効化された送電アンテナ114を送電回路206から切断することによって無効化された送電アンテナ114に渡されることになる整合回路の出力を許可しない(例えば、ブロックする)ように構成される。それゆえ、駆動信号からの電力が、送電アンテナ114によって選択的に送電され得るまたは送電され得ないことになる。
【0035】
送電機104は、送電パッド420(「ベース送電パッド」とも称する)を含み得る。送電パッド420は、少なくとも1つの送電アンテナ114を含み得る。送電アンテナ114は、セレクタ回路430の出力に結合され得る。送電パッド420は、セレクタ回路430の出力を受信してセレクタ回路430の出力を送電アンテナ114に渡すように構成される。送電パッド420は、以降「充電領域」と称する、領域に、電磁気または磁場を生成するように構成される。また、送電パッド420の送電アンテナ114は、以降「充電エリア」と称する、充電領域のエリア内に、電磁気または磁場を生成するように構成される。送電アンテナ114は、送電アンテナ114の充電エリア内にある受電機108に電力を送電するように構成される。例示的な実施形態においては、送電アンテナ114は、受電機108が受電した電力の量に関する受電機108からの確認応答を受信し得る。送電アンテナ114はまた、以下で説明しているように、受電機108の様々な仕様に関する受電機108からの情報を受信し得る。1つの送電アンテナ114のみを特に図示しているが、さらに以下で説明しているように、送電機104は、異なる実施形態によっては任意の数(1つまたはそれ以上)の送電アンテナを含み得る。
【0036】
送電回路206は、セレクタ回路430に結合されているコントローラ回路416、オシレータ222、および駆動回路224を含み得る。コントローラ回路416は、セレクタ回路430、オシレータ222、および駆動回路224を含む、送電回路206の様々なコンポーネントを制御するように構成される。
【0037】
送電回路206は、メモリ470を含み得る。メモリは、コントローラ回路416に結合され得る。メモリ470は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、メモリ470を制御するように構成される。メモリ470は、コントローラ回路416の決定における使用のためにデータを一時的または恒久的に記憶するように構成される。メモリ470はまた、以下で説明するような決定における使用のために送電機104および/または受電機108のコンポーネントの様々な仕様を記憶し得る。
【0038】
送電回路206は、存在検出器回路460を含み得る。存在検出器回路460は、コントローラ回路416に結合され得る。存在検出器回路460は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、存在検出器回路460を制御するように構成される。存在検出器回路460は、少なくとも1つの送電アンテナ114の充電エリア内の受電アンテナ118の存在を検出するように構成される。ある実施形態においては、存在検出器回路460は、受電アンテナ118を検出するように構成される、モーションセンサであり得る。モーションセンサは、超音波センサ、マイクロ波センサ、または断層撮影モーションセンサ(に限定されるわけではないが)であり得る。いくつかの実施形態においては、存在検出器回路460は、人間などの生物の存在を検出し、生物の存在に基づいて電力の調整を選択的にトリガするように構成され得る。
【0039】
送電回路206は、コントローラ回路416および駆動回路224に結合されている負荷センシング回路418を含み得る。負荷センシング回路418は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、負荷センシング回路418を制御するように構成される。負荷センシング回路418は、駆動回路224へ流れる電流をモニタするように構成される。
【0040】
送電回路206は、クロック482を含み得る。クロック482は、コントローラ回路416に結合され、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、クロック482を制御するように構成される。クロック482は、コントローラ回路416が送電回路206によって行われるアクションを同期することを可能にするクロック信号を生成するように構成される。ある実施形態においては、コントローラ回路416は、クロック信号を使用して、送電機104と受電機108との間のクロック同期を維持し得る。
【0041】
送電回路206は、在外オブジェクト検出器回路480を含む。在外オブジェクト検出器回路480は、コントローラ回路416に結合されている。在外オブジェクト検出器回路480は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、在外オブジェクト検出器回路480を制御するように構成される。
図5の実施形態において示しているように、在外オブジェクト検出器回路480は、1つまたは複数のセンサ回路405に結合され得る。センサ回路405はまた、センスコイル405とも称され得る、または、センスコイル405として構成され得る。いくつかの実施形態においては、在外オブジェクト検出器回路480は、1つまたは複数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nと通信するように構成される、ここで、「n」は任意または所定の数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを指し、以降まとめて「405」とする。センスコイル405は、在外オブジェクトを検出するように構成される。センスコイル405の各々は、送電アンテナ114に関連付けられた充電エリア内の在外オブジェクトを検出するように構成され得る。在外オブジェクトは、エレクトリックビークル604、エレクトリックビークル604の任意の一部もしくはコンポーネント、または任意の金属オブジェクト、コイン、宝飾品類、眼鏡、キーチェーンなどを含み得る。
【0042】
在外オブジェクト検出器回路480は、本明細書で説明したような1つまたは複数のオブジェクトを検出するように構成され得る。例えば、ある実施形態によれば、在外オブジェクト検出器回路480は、以降「センスエリア」と称する、センスコイル405の上のエリアに、磁場を生成するように構成される、1つまたは複数のセンスコイル405を含み得る。したがって、1つまたは複数のセンスコイル405および/または在外オブジェクト検出器回路480は、複数の磁場を生成するための1つの手段の例であり得る。各センスコイル405は、センスエリア内の金属オブジェクト(例えば、
図6のアンテナ回路620)などといったオブジェクトの存在(
図5には図示せず)によって生じるその場における乱れを検出またはセンシングするように構成される。例えば、オブジェクトが所与のセンスコイル405のセンスエリア内に位置すると、オブジェクトがセンスコイル405によって生成される場における乱れを引き起こし、磁気結合がオブジェクトとセンスコイル405との間で展開される。磁気結合は、その場における乱れを引き起こし、センスコイル405によって検出される反応、例えば、センスコイル405の複素インピーダンスにおける変化を生成する。したがって、センスコイル405は、変調された電気特性をセンシングするための1つの手段の例であり得る。在外オブジェクト検出器回路480は、例えば、センスエリア内に磁場を生成するための電流または電圧レベルにおける変化として、インピーダンスにおけるこの変化をセンシングするように構成される。したがって、在外オブジェクト検出器回路480は、例えば、センスコイル405によって生成された磁場における乱れに基づいて変調された電気特性をセンシングするように構成される少なくとも1つのセンシング回路として、変調された電気特性をセンシングするための手段の例であり得る。いくつかの実施形態においては、センスコイル405は、送電パッド420の各々の充電領域内の任意の場所のオブジェクトを検出するように送電パッド420の表面一面に提供され得る。したがって、1つまたは複数のセンスコイル405および/または在外オブジェクト検出器回路480は、変調された電気特性をセンシングするための1つの手段の例であり得る。いくつかの実施形態においては、複数のセンスコイル405が、在外オブジェクト検出器回路480の感度を増大するために提供され得る。別の例としては、在外オブジェクト検出器回路480は、在外オブジェクトの存在を検出する存在検出器回路460を参照して上記で説明したタイプのセンサなどといったセンサを含み得る。
【0043】
上記で説明したように、在外オブジェクト検出器回路480は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、在外オブジェクト検出器回路480に制御信号を送信することによって在外オブジェクト検出器回路480を制御するように構成される。例えば、在外オブジェクト検出器回路480は、所定の反復レート、以降「スキャンレート」で、センスコイル405をスキャンするように構成され得る。コントローラ回路416の制御信号は、スキャンレートを示し得る。在外オブジェクト検出器回路480は、スキャンレートに基づいて各センスコイル405を駆動するように構成され、それによって、センスコイル405を介してスキャンしている。いくつかの実施形態においては、スキャンレートは6.25Hzであるが、他のスキャン周波数(例えば、25Hzまたはそれ以上)も可能である。コントローラ回路416の制御信号はまた、時には「プローブ電流」とも称する、磁場を生成するために各センスコイル405に印加されることになる電流の量を示し得る。いくつかの実施形態においては、電流は、約30mARMSから約100mARMSの範囲内にあり得る。しかしながら、在外オブジェクト検出器回路480がこの電流をセンスコイル405に伝えることができるような他の電流値も可能である。いくつかの実施形態においては、電流が、周波数(以降「スキャン周波数」)を有するAC電流として供給され得る。いくつかの実施形態においては、スキャン周波数は約3MHzであり得るが、他の周波数も可能である。したがって、在外オブジェクト検出器回路480および/またはコントローラ回路416は、1つまたは複数の磁場を生成するために電流で1つまたは複数のセンスコイル405を駆動するように構成される、駆動回路の例であり得る。いくつかの実施形態においては、磁場を生成するための手段は、変調された電気特性をセンシングするための手段のコンポーネントの一部またはすべてを含み得る(例えば、センスコイル405は、磁場を生成するための手段および変調された電気特性をセンシングするための手段の一部であり得る)。
【0044】
例示的な実施形態においては、在外オブジェクト検出器回路480は、センスコイルが常にアクティブとなるようにセンスコイル405に情報を送信するように構成される。本実施形態においては、センスコイル405は、在外オブジェクト検出器回路がセンスコイル405のセンスエリアのうちの任意のセンスエリア内のオブジェクトの存在を検出することができるように、スキャンレートに基づいて電流が絶えず供給される。別の実施形態においては、コントローラ回路416の制御信号に基づいて、在外オブジェクト検出器回路480は、1つまたは複数のセンスコイル405を選択的に有効または無効にして対応する磁場を生成するためにセンスコイル405に情報を送信するように構成され得る。コントローラ回路416の制御信号に基づいて、在外オブジェクト検出器回路480は、オブジェクト(例えば、在外オブジェクト、
図1のエレクトリックビークル604、
図6のアンテナ回路など)が1つまたは複数のセンスコイル405のセンスエリア内に存在する場合には、1つまたは複数のセンスコイル405を選択的に有効にするように構成される。例えば、存在検出器回路460は、送電アンテナ114の充電エリア内のオブジェクト(例えば、エレクトリックビークル604)を検出し、検出をコントローラ回路416に通信する。コントローラ回路416は、センスコイル405のうちの1つまたは複数を有効にするために在外オブジェクト検出器回路480に制御信号を通信し得る。別の例としては、エレクトリックビークル604は、
図6のコントローラ回路516を介して、送電アンテナ114にアプローチしているエレクトリックビークル604を示す信号を送信し得る。コントローラ回路516は、送電アンテナ114にアプローチしているエレクトリックビークル604を示す通信回路566への制御信号を送信し得る。通信回路566は、
図5および
図6に関連して上記で説明したように、通信リンクを介して
図5の通信回路472に確認要求を送信するように構成され得る。通信回路472は、指示をコントローラ回路416に渡し得る。コントローラ回路416は、1つまたは複数のセンスコイル405を有効にすることを示す在外オブジェクト検出器回路480への制御信号を送信し得る。コントローラ回路416の制御信号に応答して、在外オブジェクト検出器回路480は、電流をセンスコイル405のうちの1つまたは複数に供給し得る。それによって、センスコイル405を選択的に有効および/または無効にすることによって、コントローラ回路416は、センスエリア内のオブジェクトを識別するために有効化されるとともにオブジェクトが存在しない場合には無効化されるように在外オブジェクト検出器回路480を利用することができる。
【0045】
オブジェクトを検出したことに基づいて、センスコイル405は、在外オブジェクト検出器回路480と通信するように構成される。各センスコイル405は、上記で説明したように、そのセンスエリア内で在外オブジェクトを検出したことを示す検出信号を送信するように構成される。在外オブジェクト検出器回路480は、コントローラ回路416に検出信号を送信することによってコントローラ回路416と通信するように構成される。検出信号に基づいて、コントローラ回路416は、
図8に関連して説明しているように、1つまたは複数のセンスコイル405に対するオブジェクトの位置を決定するように構成され得る。検出信号に基づいて、コントローラ回路416はまた、
図6および
図8に関連して説明しているように、在外オブジェクトまたはエレクトリックビークル604の一部(例えば、アンテナ回路620)としてオブジェクトを識別するように構成され得る。
【0046】
上記で説明したように、送電回路206は、セレクタ回路430を含み得る。セレクタ回路430は、コントローラ回路416と通信するように構成される。コントローラ回路416は、セレクタ回路430に制御信号を送信することによってセレクタ回路430を制御するように構成される。コントローラ回路416の制御信号に基づいて、セレクタ回路430は、送電アンテナ114を選択的に有効または無効にするために送電パッド420に情報を送信するように構成される。コントローラ回路416の制御信号に基づいて、セレクタ回路430は、在外オブジェクト検出器回路480が送電アンテナ114の充電エリア内で在外オブジェクトを検出すると、送電アンテナ114を選択的に有効または無効にするように構成される。別の例としては、コントローラ回路416の制御信号に基づいて、セレクタ回路430は、送電アンテナ114の充電エリア内の受電アンテナ118(または受電パッド530)に示すために、在外オブジェクト検出器回路480がコントローラ回路416によって識別されたオブジェクトを検出すると、送電アンテナ114を選択的に有効または無効にするように構成される。それによって、送電アンテナ114を選択的に有効および/または無効にすることによって、送電機は、無線電力送電に役立つ場合には有効化されるとともに役立たない場合には無効化されるように送電アンテナ114をより効率的に利用することができる。
【0047】
コントローラ回路416の制御信号に基づいて、セレクタ回路430はまた、存在検出器回路460が特定の送電アンテナ114の充電エリア内で受電アンテナ118を検出すると、特定の送電アンテナ114を選択的に有効または無効にするように構成され得る。例えば、セレクタ回路430は、選択的に、存在検出器回路が送電アンテナ114の充電エリア内で受電アンテナ118を検出した場合には送電アンテナ114を有効にし得るし、存在検出器回路が送電アンテナ114の充電エリアにおいて受電アンテナ118を検出しなかった場合には送電アンテナ114を無効にし得る。
【0048】
送電回路206は、通信回路472を含み得る。通信回路472は、コントローラ回路416に結合され得る。コントローラ回路416は、通信回路472を制御するように構成される。通信回路472は、コントローラ回路416へのおよびコントローラ回路416からの情報を渡すように構成される。例えば、通信回路472は、コントローラ回路416が受電機108(
図3)との通信リンクを確立することによって受電機108と通信することができるように構成される。通信リンクは、任意の通信プロトコル(例えば、超広帯域無線通信プロトコル、Wi-Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルなど)で作成され得る。通信リンクのさらなる詳解を
図6に関連して提供している。別の例としては、通信回路472は、コントローラ回路416がエレクトリックビークル604の受電機108または他のコンポーネントを介してエレクトリックビークル604のドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)と通信することができるように構成される。
【0049】
図5は機能ブロックの形式で多くの異なるコンポーネントを示しているが、実際の物理的実施形態では単一の統一されたコンポーネントに1つまたは複数の機能ブロックを組み合わせてもよい。例えば、クロック482または在外オブジェクト検出器回路480は、コントローラ回路416と組み合され得る。別の物理的実施形態においては、コンポーネントは、個別のコンポーネントとして含まれ得る。また、別の物理的実施形態においては、各センスコイル405は、
図5に示した在外オブジェクト検出器回路480を共有している複数のセンスコイル405a、405b、405nではなく、それ自身の在外オブジェクト検出器回路480を有し得る。
【0050】
図6は、別の例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システム100において使用され得る受電機108の機能ブロック図である。
図6の実施形態において示したように、受電機108は、受電パッド530(「ビークル受電パッド」とも称する)を含み得る。受電パッド530は、少なくとも1つの受電アンテナ118を含み得る。受電アンテナ118は、(
図5の)送電アンテナ114から無線電力を受電するように構成される。受電アンテナ118は、必要に応じて、送電アンテナ114と通信するように構成される。本通信は、受電機108が情報を送電機104に送信することを可能にし得る。1つの受電アンテナ118のみを特に図示しているが、受電機108は、異なる実施形態によっては任意の数(1つまたはそれ以上)の受電アンテナを含み得る。
【0051】
図3に関連して説明しているように、受電機108は、受電回路210を含み得る。
図6の実施形態において示したように、受電回路210は、1つまたは複数のアンテナ回路620に結合されているビーコン回路610を含み得る。アンテナ回路620はまた、「ビーコン」アンテナ620とも称され得る、または、「ビーコン」アンテナ620として構成され得る。ビーコン回路610は、コントローラ回路516に結合されている。コントローラ回路516は、ビーコン回路610を制御するように構成される。ビーコン回路610は、以下で説明しているように、ビーコンアンテナ620を制御するように構成される。例示的な実施形態においては、ビーコンアンテナ620は、受電アンテナ118に統合され得る。しかしながら、
図9A~
図9Cに関連して以下で説明しているように、ビーコンアンテナ620はまた、エレクトリックビークル604の他の部位またはそのコンポーネントに取り付けまたは統合され得る。
【0052】
ビーコンアンテナ620はまた、ビーコン「ループ」アンテナ620とも称され得る、または、ビーコン「ループ」アンテナ620として構成され得る。ビーコンアンテナ620はまた、ここで、「磁気」アンテナまたは「誘導」アンテナとも称され得る、または、「磁気」アンテナまたは「誘導」アンテナとして構成され得る。いくつかの実施形態においては、ビーコンアンテナ620は、1つまたは複数の巻線を有するコイルとして構成され得る。本明細書で使用しているように、ビーコンアンテナ620は、
図5の在外オブジェクト検出器回路480によって検出可能な1つまたは複数の在外オブジェクトの例である。ビーコンアンテナ620は、
図10および
図11に関連して説明しているように、その構造およびコンポーネントの電気特性に基づいた1つまたは複数の電気特性(例えば、インピーダンス)を有する。1つのビーコンアンテナ620のみを特に図示しているが、
図9A~
図9Cに関連してさらに以下で説明しているように、エレクトリックビークル604は、異なる実施形態によっては任意の数(1つまたはそれ以上)のビーコンアンテナを含み得る。
【0053】
例示的な実施形態においては、コントローラ回路516は、ビーコン回路610に制御信号を送信することによってビーコン回路610を制御するように構成される。ビーコン回路610は、ビーコンアンテナ620に結合され、制御信号に基づいてビーコンアンテナ620の電気特性を変化するように構成される。例えば、ビーコン回路610は、コントローラ回路516の制御信号に応答して、ビーコンアンテナ620の1つまたは複数の電気特性を変調、変更、または修正するように構成される。例示的な実施形態においては、ビーコン回路610は、
図10および
図11に関連して説明しているように、ビーコンアンテナ620の電気特性に固有の変調を付与するように構成される。固有の変調パターンは、別の在外オブジェクトからビーコンアンテナ620を一意に識別し得る。例えば、固有の変調パターンは、所定および/または静的なものであり得る。
【0054】
例示的な実施形態においては、コントローラ回路516は、ビーコンアンテナ620を有効にすることを示すビーコン回路610への制御信号を送信することによってビーコンアンテナ620を選択的に有効にするように構成される。コントローラ回路516は、(
図7に関連して説明しているように)エレクトリックビークル604が送電アンテナ114にアプローチしていることを示すドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)からの入力を受信するように構成され得る。例えば、ドライバは、駐車スペース(例えば、
図7の駐車スペース707の1つ)への駐車を示すエレクトリックビークルを操作し得る。いくつかの実施形態においては、コントローラ回路516は、通信リンクを介して、送電アンテナ114へのアプローチを示す
図5のコントローラ回路416からの入力を受信し得る。入力を受信したことに応答して、コントローラ回路516は、制御信号をビーコン回路610に送信し得るし、それによって、ビーコンアンテナ620の1つまたは複数の電気特性を変調している。
【0055】
電気特性の変調は、ビーコンアンテナ620を識別するために、本明細書で説明したように、在外オブジェクト検出器回路480によってセンシングされ、コントローラ回路416によって使用され得る。例えば、(時には「パッシブビーコンアンテナ」と称する)
図10に関連して以下で説明しているように、ビーコン回路610は、ビーコンアンテナ620のインピーダンスを変調するように構成され得る。インピーダンスの変調は、
図5のセンスコイル405の少なくとも1つによって生成される場の乱れにおける固有の変化を生成し得る。乱れの固有の変化はまた、ここで、「予測可能な」、「所定の」、「識別可能な」ものなどとも称され得る、または、「予測可能な」、「所定の」、「識別可能な」ものなどとなるように構成され得る。ある実施形態においては、固有の乱れは、少なくとも1つのセンスコイル405のセンスエリア内のビーコンアンテナ620の存在を示し得る。いくつかの実施形態においては、固有の乱れは、本明細書で説明したように、在外オブジェクトからビーコンアンテナ620を識別し、エレクトリックビークル604の一部としてビーコンアンテナ620を識別し、および/または特定のビークルとしてエレクトリックビークル604を識別するように構成され得る。別の例としては、(時には「アクティブビーコンアンテナ」と称する)
図11に関連して以下で説明しているように、ビーコン回路610は、所定の電流で少なくとも1つのビーコンアンテナ620を駆動するように構成され得る。在外オブジェクト検出器回路480は、その後、ビーコンアンテナ620を在外オブジェクトと区別するために各センスコイル405にわたって電圧を測定し得る。ある実施形態においては、エレクトリックビークル604は、
図10に関連して説明したビーコンアンテナを含み得る。別の実施形態においては、エレクトリックビークル604は、
図11に関連して説明したビーコンアンテナを含み得る。さらに別の実施形態においては、エレクトリックビークル604は、
図10および
図11に関連して説明した各ビーコンアンテナのうちの1つであり得るまたは含み得る複数のビーコンアンテナを含み得る。本明細書で使用しているように、ビーコンアンテナ620は、エレクトリックビークル604を示す在外オブジェクト検出器回路480によって検出可能な在外オブジェクトの例である。
【0056】
上記で説明したように、
図6のコントローラ回路516は、特定のビークルとしてエレクトリックビークル604を識別するようにビーコン回路610を制御するように構成される。例えば、コントローラ回路516は、識別情報を示すビーコン回路610への制御信号を通信し得る。識別情報は、ビークル識別情報(例えば、エレクトリックビークル604の製造元およびモデルを識別する番号)、所有者識別情報(例えば、エレクトリックビークルの法的所有者)、または任意の他のエレクトリックビークルから特定のエレクトリックビークル604を識別することを可能にする他の情報を含み得る。ビーコン回路610は、識別情報に基づいてビーコンアンテナ620の電気特性を変調または修正するように構成され得る。例えば、ビーコン回路610は、識別情報を示す所定のおよび識別可能なパターンまたはスキームで固有の変調を付与するように構成され得る。所定のおよび識別可能なパターンまたはスキームにおける固有の変調は、エレクトリックビークル604を一意に識別し得る。いくつかの実施形態においては、
図5のコントローラ回路416は、
図6のコントローラ回路516を用いて識別情報を確認するように構成され得る。例えば、識別情報を受信すると、コントローラ回路416は、識別情報を確認する要求を示す通信回路472への制御信号を送信するように構成され得る。通信回路472は、
図5および
図6に関連して上記で説明したように、通信リンクを介して通信回路566に確認要求を送信するように構成され得る。通信回路566は、識別情報が正しいことを検証するために、受電機108のコントローラ回路516に要求を渡し得る。検証時に、コントローラ回路516は、コントローラ回路416に返信される通信リンクを介して確認応答指示を通信し得る。したがって、コントローラ回路416および/またはコントローラ回路516は、ビーコンアンテナ620および/またはエレクトリックビークル604を一意に識別するための手段の一例であり得る。
【0057】
図6の実施形態において示したように、受電回路210は、受電アンテナ118の出力に結合されたセレクタ回路532を含み得る。セレクタ回路532は、受電アンテナ118によって出力された電力を受電するように構成される。以下で説明しているように、セレクタ回路532は、コントローラ回路516によって制御されるように構成される。セレクタ回路532は、受電回路210から受電アンテナ118を選択的に(接続することによって)有効または(切断することによって)無効にするように構成される。受電アンテナ118の無効化は、負荷が受電アンテナ118から電力を受電しないように負荷550の充電を一時停止し得る。セレクタ回路532は、在外オブジェクトが送電アンテナ114の充電エリア内で検出されると、送電アンテナ114から電力を受電する受電アンテナ118を選択的に有効または無効にするように構成される。送電機104は、任意の通信プロトコルを使用して受電機108に在外オブジェクトの存在を通信し得る。それによって、セレクタ回路532を使用して受電アンテナ118を選択的に有効および/または無効にすることによって、セレクタ回路532は、エレクトリックビークル604が無線電力送電システム100と位置合わせされると、有効化された受電アンテナ118によって出力された電力を整合回路232に渡して、負荷550に電力供給または充電し得る。
【0058】
セレクタ回路532はまた、存在検出器回路460が送電アンテナ114の充電エリア内で受電アンテナ118を検出すると、受電アンテナ118を選択的に有効または無効にするように構成され得る。存在検出器回路460は、任意の通信プロトコルを使用して受電機108に送電アンテナ114の充電エリア内の受電アンテナ118の検出を通信し得る。
【0059】
図3に関連して説明しているように、受電回路210は、整合回路232を含み得る。
図6の実施形態に関連して示したように、整合回路232は、セレクタ回路532の出力に結合され得る。整合回路232は、有効化された受電アンテナ118の出力を受信するように構成される。
図3に関連して説明しているように、受電回路210は、整合回路232に結合されている整流回路234を含み得る。
【0060】
図6の実施形態に関連して示したように、受電回路210は、整流回路234の出力に結合されたDC/DCコンバータ522を含み得る。DC/DCコンバータ522は、整流回路234の出力から直流(DC)の電力信号を受信するように構成される。DC/DCコンバータ522は、直流(DC)の電力信号を負荷550の充電または電力要件に適合するエネルギーポテンシャル(例えば、電圧)に変換し得る。負荷550は、DC/DCコンバータ522の出力に結合され、DC/DCコンバータ522によるエネルギーポテンシャル出力を受電するように構成され得る。
【0061】
受電回路210は、DC/DCコンバータ522に結合されているコントローラ回路516、整合回路232およびセレクタ回路532を含み得る。コントローラ回路は、DC/DCコンバータ522、整合回路232、およびセレクタ回路532を含む、受電回路210の様々なコンポーネントを制御するように構成される。上記で説明したように、コントローラ回路516は、セレクタ回路532を制御するように構成される。コントローラ回路516は、セレクタ回路532に制御信号を送信することによってセレクタ回路532を制御するように構成される。それによって、コントローラ回路516の制御信号に基づいて、セレクタ回路532は、受電回路210から受電アンテナ118を(接続することによって)有効または(切断することによって)無効にするように構成される。
【0062】
受電回路210は、クロック560を含み得る。クロック560は、コントローラ回路516と結合するように構成され得るし、コントローラ回路516と通信するように構成される。コントローラ回路516は、クロック560を制御するように構成される。クロックは、コントローラ回路516がコントローラ回路516によって行われるアクションを同期することを可能にするクロック信号を生成するように構成される。ある実施形態においては、コントローラ回路516は、クロック信号を使用して、送電機104と受電機108とのアクションを同期し得る。
【0063】
受電回路210は、通信回路566を含み得る。通信回路566は、コントローラ回路516に結合され得る。コントローラ回路516は、通信回路566を制御するように構成される。通信回路566は、コントローラ回路516へのおよびコントローラ回路516からの情報を渡すように構成される。通信回路566は、(
図5の)通信回路472との通信リンクを確立することによって、コントローラ回路516と(
図5の)コントローラ回路416との間の通信を可能にするように構成される。通信リンクは、任意の通信プロトコルを使用して実施され得る。ある実施形態においては、通信リンクは、二方向通信プロトコル(例えば、超広帯域無線通信プロトコル、Wi-Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルなど)であり得る。それによって、コントローラ回路416は、(
図5の)在外オブジェクト検出器回路480によって検出されたオブジェクトの存在をコントローラ回路516に通信し得る。また、コントローラ回路416は、(
図5の)送電アンテナ114の充電エリア内における受電アンテナ118の存在検出器回路460の検出をコントローラ回路516に通信し得る。
【0064】
図6は機能ブロックの形式で多くの異なるコンポーネントを示しているが、実際の物理的実施形態では単一の統一されたコンポーネントに1つまたは複数の機能ブロックを組み合わせてもよい。例えば、クロック560またはセレクタ回路532は、コントローラ回路516と組み合され得る。別の物理的実施形態においては、コンポーネントは、個別のコンポーネントとして含まれ得る。別の物理的実施形態においては、受電回路210は、受電回路206または送電パッド420に在外オブジェクトの検出を通知するように構成され得る在外オブジェクト検出器回路(図示せず)を含み得る。
【0065】
図7は、無線電力送電システムにアプローチするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークル604の図である。
図7は、まとめて駐車スペース「707」と称する、複数の駐車スペース707a、707b、・・・、707nを含む駐車場700を図示している。各駐車スペース707は、それぞれ、まとめて送電パッド420と称する、送電パッド420a、420b、・・・、420nを含み得る。ビークル無線充電システムの効率を向上させるために、コントローラ回路416は、駐車スペース707内にエレクトリックビークル604が位置するように(
図7中の矢印703で示した)X方向および(
図7中の矢印702で示した)Y方向に沿ってエレクトリックビークル604をガイドするために、受電機108と通信リンクを介して制御信号を通信するように構成され得る。例えば、コントローラ回路416の制御信号は、駐車スペース707a内にエレクトリックビークル604が位置するようにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)を支援するために、エレクトリックビークル604の通信回路566に通信回路472を介して通信され得る。そのため、エレクトリックビークル604の受電パッド530は、無線電力送電のために送電パッド420にアプローチする、以降「アプローチフェーズ」と称する。アプローチフェーズ中に、エレクトリックビークル604またはその一部が、(
図5の)在外オブジェクト検出器回路480または存在検出器回路460によって検出されない場合がある。コントローラ回路416は、低または高周波数帯域を使用した無線位置決定の原理に依存し得る。コントローラ回路416は、度合いを示す出力、例えば、ドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信される音または表示を生成し得る。
【0066】
エレクトリックビークル604が数メートル(例えば、1から2メートル)以内にガイドされると、コントローラ回路416は、エレクトリックビークル604のガイドから受電パッド530と送電パッド420aとの位置合わせに切り替えるように構成される。例えば、エレクトリックビークル604の受電パッド530が送電パッド420にアプローチすると、
図5に関連して上記で説明したように、エレクトリックビークル604またはその一部が在外オブジェクト検出器回路480によって検出される。そのため、在外オブジェクト検出器回路480は、無線電力送電のためにエレクトリックビークル604を位置合わせするようにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)を支援するように構成され得る。例えば、一般的にビーコンアンテナ620がセンスコイル405のうちの1つまたは複数の1から2メートル(
図5)内に存在する場合には、在外オブジェクト検出器回路480は、エレクトリックビークル604を示すビーコンアンテナ620を検出し、送電パッド420との受電パッド530の位置合わせを支援するためにコントローラ回路416に検出信号を通信する。
【0067】
図8は、例示的な実施形態による、
図1のエレクトリックビークル604の相対位置を決定するために使用される
図5の在外オブジェクト検出器回路480の少なくとも一部の図である。
図8の実施形態において示したように、在外オブジェクト検出器回路480は、複数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを含み得る、ここで、「n」は任意の数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを指し、以降まとめて「405」とする。16個のセンスコイル405のみを特に図示しているが、本出願の実施形態はそのことに限定されない。在外オブジェクト検出器回路480は、任意の数(2つまたはそれ以上)のセンスコイル405を含み得る。例えば、在外オブジェクト検出器回路480は、64個またはそれ以上のセンスコイル405を含み得る。在外オブジェクト検出器回路480の感度は、センスコイル405の数に関連し得る(例えば、センスコイル405の数が多くなるほど在外オブジェクト検出器回路480の感度は高くなる)。センスコイル405の配置は、アレイである必要はなく、任意の物理的配置であり得る。また、
図8に示したように、オブジェクト820は、センスコイル405のうちの1つまたは複数と重なるようにそして相対するように位置する。オブジェクト820は、エレクトリックビークル604の一部または在外オブジェクトであり得る。下記で説明しているように、オブジェクト820は、エレクトリックビークル604の存在および/または位置を示すことになるセンスコイル405によって検出可能な
図6のビーコンアンテナ620と同一であり得るまたは含み得る。
【0068】
例示的な実施形態においては、在外オブジェクト検出器回路480は、(
図6の)受電パッド530を送電パッド420と位置合わせする際に支援するためにコントローラ回路416と通信するように構成される、複数のセンスコイル405を含む。オブジェクト820がセンスコイル405の1つの場に位置していると、磁気結合が、オブジェクト820とセンスコイル405との間で展開される(まとめて結合ライン830と称する、ライン830a、830b、830c、および820dで表される)。4つの結合ライン830のみを特に図示しているが、オブジェクト820は、異なる実施形態によっては任意の数(1つまたはそれ以上)のセンスコイルとの磁気結合を展開し得る。例えば、オブジェクト820は、少なくとも、センスコイル405のすべてと部分的に結合され得る。
図5に関連して上記で説明したように、センスコイル405は、
図5に関連して上記で説明したように、センスコイルとのオブジェクト820の磁気結合を検出するように構成される。オブジェクト820の存在はセンスコイル405によって生成される場に乱れを引き起こし、乱れは特定のセンスコイル405によって検出される。例えば、乱れは、センスコイル405のうちの1つまたは複数によってセンシングされるようなオブジェクト820のインピーダンスにおける変化によって引き起こされ得る。上記で説明したように、各センスコイル405は、乱れを示すコントローラ回路416への検出信号を通信するように構成される。
【0069】
コントローラ回路416は、複数のセンスコイル405のうちの1つまたは複数から検出信号を受信するように構成され得る。2つ以上のセンスコイル405を使用する1つの非限定的な利点は、オブジェクト820のロケーションを検出信号に基づいて決定することができることである。例えば、
図8において示しているように、オブジェクト820は、4つのセンスコイル405a~d上に少なくとも部分的に位置し得るし、それによって、少なくともセンスコイル405a~dと結合している。上記で説明したように、各センスコイル405a~dのセンスエリア内のオブジェクト820の存在は、各センスコイル405によって生成される場における乱れを引き起こす。オブジェクト820が、例えば、センスコイル405aに対して移動すると、乱れは、センスコイル405aの変化によってセンシングまたは検出される反応(例えば、センスコイル405の複素インピーダンスにおける変化)を生成する。センシングした反応における変化は、乱れの強度または大きさにおける変化を示すセンシングした反応における強度における変化であり得る。例えば、オブジェクト820がセンスコイル405aに近づくように移動すると、センシングした反応の強度(例えば、オブジェクト820に起因するセンシングした複素インピーダンス)が増大するように乱れの大きさが増大する。別の例としては、オブジェクト820がセンスコイル405dから離れるように移動すると、センシングした反応の大きさが減少する。センスコイル405によって送信される検出信号は、センシングした反応の大きさまたは強度における変化を示す。
【0070】
コントローラ回路416は、検出信号を受信し、検出信号に基づいて各センスコイル405に対するオブジェクト820の位置を決定するように構成される。例えば、オブジェクト820の位置は、各センスコイル405からの検出信号を比較することによって決定され得る。ある実施形態においては、オブジェクト820の位置は、各センスコイル405からの検出信号の合計の中心点を比較することによって決定され得る。別の例としては、オブジェクト820の位置を特定のセンスコイル405の最大の検出信号に基づいて決定し得る。別の例としては、オブジェクト820の位置は、2つ以上またはすべてのセンスコイル405からの検出信号の三角測量により決定され得る。64個以上のセンスコイル405を含む在外オブジェクト検出器回路480の1つの非限定的な利点は、コントローラ回路416が数センチメートル以内でオブジェクトの位置を決定することを可能とし得るということである。
【0071】
例示的な実施形態においては、コントローラ回路416は、
図1のエレクトリックビークル604の受電パッド530を送電パッド420と位置合わせすることを支援するために在外オブジェクト検出器回路480と通信するように構成される。例えば、センスコイル405に対するオブジェクト820の位置のコントローラ回路416の決定は、コントローラ回路416がドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に制御信号を通信してオブジェクト820を位置決定することを可能にし得る。しかしながら、コントローラ回路416は、無線電力送電が可能なコンポーネントを示すもの(例えば、オブジェクト820がエレクトリックビークル604であることまたはその一部であること)としてオブジェクト820を識別することができる必要がある。そのため、エレクトリックビークル604をあらゆる任意の在外オブジェクトと区別するために、在外オブジェクト検出器回路480は、(
図1の)ビーコンアンテナ620を検出するように構成され、コントローラ回路416は、エレクトリックビークル604を示すものとしてビーコンアンテナ620を識別するように構成される。
【0072】
例えば、上記で説明したように、オブジェクト820は、
図6のビーコンアンテナ620であり得るまたは含み得るし、在外オブジェクト検出器回路480は、ビーコンアンテナ620を識別するためにコントローラ回路416と通信するように構成され得る。任意の在外オブジェクトと同様に、センスコイル405は、1つまたは複数の各センスコイル405のセンスエリア内のビーコンアンテナ620の存在を検出するように構成される。
図6に関連して上記で説明したように、ビーコン回路610は、固有のまたは識別可能な方式でビーコンアンテナ620の電気特性を変調、変更、または修正するように構成される。センスコイル405は、各センスコイル405によって生成される場の乱れにおける変化に起因する反応における固有の変化をセンシングすることによって電気特性の変化を検出する。センスコイル405によって送信される検出信号は、固有の変化を示す。コントローラ回路416は、検出信号をセンスコイル405から受信し、ビーコンアンテナ620の電気特性の変調または変更を取り出すことに基づいてビーコンアンテナ620として在外オブジェクトを識別する。コントローラ回路416は、ビーコンアンテナ620の存在がエレクトリックビークル604を示していると決定するように構成される。それゆえ、コントローラ回路416は、ビーコンアンテナ620がエレクトリックビークル604を示しているとの識別と連動して、上記で説明したように、センスコイル405に対するビーコンアンテナ620の位置決定を使用して、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせすることを支援するように構成され得る。
【0073】
例示的な実施形態においては、ビーコンアンテナ620の電気特性の1つは、ビーコンアンテナ620のインピーダンスである。そのため、ビーコンアンテナ620のインピーダンスは、ビーコンアンテナ620がセンスコイル405によって生成される場に侵入すると、その場に測定可能な乱れを引き起こす。センスコイル405は、その場を生成するセンスコイル405を流れる電流における変化に基づいてビーコンアンテナ620のインピーダンスにおける変化をセンシングするように構成される。測定したインピーダンスにおけるこのセンシングした変化が検出信号としてコントローラ回路416に通信される。それゆえ、センスコイル405は、ビーコンアンテナ620の存在を検出する。
【0074】
エレクトリックビークル604の一部としてビーコンアンテナ620を識別するために、ビーコン回路610は、ビーコンアンテナ620のインピーダンスに固有のインピーダンス変調を付与する。固有のインピーダンス変調は、各センスコイル405によってセンシングされる場の固有の乱れを引きこす。インピーダンスにおける固有の変化は、検出信号としてコントローラ回路416に通信される。固有の変調に基づいて、コントローラ回路416は、ビーコンアンテナ620が、在外オブジェクトではなく、エレクトリックビークル604を示していると識別することができる。コントローラ回路416は、変調変化に対して在外オブジェクトがセンスコイル405にアプローチすると在外オブジェクトが測定したインピーダンスにおいて不断の変化を一般的に生成するため、本決定を行うことができる。
【0075】
図9A~
図9Cは、例示的な実施形態による、
図2の無線電力送電システムと位置合わせするように
図5のコントローラ回路416によって制御される
図1のエレクトリックビークル604の図である。
図9A~
図9Cは、アプローチフェーズ(例えば、
図9A)および無線電力送電のための送電パッド420との
図6の受電パッド530の位置合わせ(例えば、
図9Bおよび
図9C)中の
図5の送電パッド420に対する異なる位置におけるエレクトリックビークル604を図示している。エレクトリックビークル604は、
図9A~
図9Cの各々において同一のエレクトリックビークルである。
【0076】
図9A~
図9Cは、受電パッド530と、まとめてビーコンアンテナ「620」と称する、複数のビーコンアンテナ620aおよび620b(例えば、
図6のビーコンアンテナ620)とを含む、エレクトリックビークル604を図示している。ある実施形態においては、ビーコンアンテナ620aは、受電パッド530に統合され、ビーコンアンテナ620bは、異なる位置(例えば、
図9A~
図9Cにおいて示しているように、エレクトリックビークル604のフロントバンパー内)でエレクトリックビークル604に統合または取り付けられている。いくつかの実施形態においては、各ビーコンアンテナ620は、
図5に示したビーコン回路610を共有している複数のビーコンアンテナ620aおよび620bではなく、それ自身のビーコン回路610を有し得る。ビーコンアンテナ620はそれらの対応する電気特性を同様に変更するように構成され得る、またその変更は異なっていてもよい。2つのビーコンアンテナ620のみを特に図示しているが、エレクトリックビークル604は、異なる実施形態によってはエレクトリックビークル604の任意のエリアに位置する任意の数(1つまたはそれ以上)のビーコンアンテナを含み得る。
図9A~
図9Cはまた、例示的な実施形態による、在外オブジェクト検出器回路480を含む
図5の送電パッド420を図示している。
【0077】
例示的な実施形態においては、コントローラ回路416は、エレクトリックビークル604の受電パッド530を無線電力送電のための送電パッド420と位置合わせすることを支援するように構成される。エレクトリックビークル604は、複数のビーコンアンテナ620および受電パッド530がその中に配置されている幾何学的構造を有する。ビーコンアンテナ620は、受電パッド530に相対するように物理的に位置するように構成される。受電パッド530とビーコンアンテナ620との相対位置およびエレクトリックビークル604の幾何学的構造は、エレクトリックビークルの製造元およびモデルの各々に関して既知であり得るし一貫性があり得る。例えば、ビーコンアンテナ620と受電パッド530との相対位置は、エレクトリックビークル604の製造元およびモデルを識別することに基づいて決定され得る。この物理的関係は、メモリ470に記憶され得るまたは
図5の通信回路472を通って通信リンクを介して通信され得るし、コントローラ回路416に通信され得る。
【0078】
様々な実施形態において、
図5のコントローラ回路416は、
図6に関連して上記で説明したように、識別情報を利用して、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせする際に支援するように構成される。例えば、コントローラ回路416は、識別情報に基づいてビーコンアンテナ620と受電パッド530との相対位置を取り出すように構成され得る。例えば、識別情報は、エレクトリックビークル604の製造元およびモデルを示す、そのため、エレクトリックビークル604の物理的構造が(例えば、メモリ470からまたはコントローラ回路416による
図5の通信回路472と
図6の通信回路566との間の通信を介して)取り出され得る。
図8に関連して上記で説明したように、コントローラ回路416はまた、在外オブジェクト検出器回路480のセンスコイル405に対するビーコンアンテナ620の位置を決定するように構成される。送電パッド420に対するセンスコイル405の物理的位置は、メモリ470に記憶(または通信回路472を介して通信)され得る。そのため、コントローラ回路416は、送電パッド420に対するビーコンアンテナ620の位置を決定し得る。ある実施形態においては、コントローラ回路416は、受電パッド530に対するビーコンアンテナ620の位置およびセンスコイル405に対する送電パッド420の位置に基づいて、センスコイル405に対するビーコンアンテナ620の位置を送電パッド420に対する受電パッド530の位置に変換するように構成され得る。エレクトリックビークル604のコンポーネントの物理的関係および送電パッド420に対するビーコンアンテナ620の位置に基づいて、コントローラ回路416は、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせするための位置合わせ情報を決定するように構成される。コントローラ回路416の制御信号は、位置合わせ情報を示し得るし、無線電力送電のためにエレクトリックビークル604を位置決定するようにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)を支援するためにエレクトリックビークル604の通信回路566に通信回路472を介して通信され得る。したがって、コントローラ回路416は、位置合わせ情報を決定するための手段の一例であり得る。
【0079】
図9Aに示しているように、エレクトリックビークル604は、例えば、
図7に関連して前述したように、無線電力送電システムにアプローチさせるように
図5のコントローラ回路416によって制御される。
図9Aはまた、アプローチフェーズ中のエレクトリックビークル604の移動の方向を示している(
図9A中の矢印905で表される)アプローチ方向を示している。上記で説明したように、コントローラ回路416は、送電パッド420へとエレクトリックビークル604をガイドするために、コントローラ回路516に通信リンクを介して制御信号を通信するように構成され得る。アプローチフェーズ中に、エレクトリックビークル604またはその一部が、(
図5の)在外オブジェクト検出器回路480または存在検出器回路460によって検出されない場合がある。コントローラ回路416は、度合いを示す出力、例えば、ドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信される音または表示を生成し得る。
【0080】
図9Bは、ビーコンアンテナ620が在外オブジェクト検出器回路480の数メートル(例えば、1から2メートル)以内に存在する場合に、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせするように
図5のコントローラ回路416によって制御されるエレクトリックビークル604の図である。
図7に関連して上記で説明したように、受電パッド530が送電パッド420の数メートル以内に存在する場合には、コントローラ回路416は、エレクトリックビークル604のガイドから受電パッド530と送電パッド420との位置合わせに切り替えるように構成される。エレクトリックビークル604が送電パッド420の受電パッド530にアプローチすると、エレクトリックビークル604またはその一部は在外オブジェクト検出器回路480によって検出される。例えば、
図9Bにおいて示しているように、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせする前に、ビーコンアンテナ620bが、(
図5を参照して上記で説明したように)在外オブジェクト検出器回路480によって検出される。在外オブジェクト検出器回路480のセンスコイル405は、ビーコンアンテナ620bを検出し、検出信号をコントローラ回路416に送信する。上記で説明したように、コントローラ回路416は、検出信号を受信し、エレクトリックビークル604を識別し、センスコイル405(
図9A~
図9Cには図示せず)に対するビーコンアンテナ620bの位置を決定する。コントローラ回路416の制御信号は、その後、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせする際に支援するためにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信される。
【0081】
図9Cは、受電パッド530が送電パッド420の数メートル(例えば、1から2メートル)以内に存在する場合に、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせするようにコントローラ回路416によって制御されるエレクトリックビークル604の図である。
図9Cにおいて示しているように、ビーコンアンテナ620aは、受電パッド530に統合されている。そのため、コントローラ回路416は、送電パッド420の数センチメートル以内で受電パッド530を位置合わせするようにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)を支援するために制御信号を送信するように構成される。例えば、ビーコンアンテナ620aは、送電パッド420に統合された在外オブジェクト検出器回路480によって検出される。センスコイル405は、受電パッド530と関連があるビーコンアンテナ620aを検出し、検出信号をコントローラ回路416に送信する。上記で説明したように、コントローラ回路416は、検出信号を受信し、エレクトリックビークル604を識別し、センスコイル405に対するビーコンアンテナ620aの位置を決定する。本決定に基づいて、コントローラ回路416は、送電パッド420に対する受電パッド530の位置を決定し得る。コントローラ回路416の制御信号は、その後、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせする際に支援するためにドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信される。
【0082】
複数のビーコンアンテナ620を含むエレクトリックビークル604の1つの非限定的な利点は、位置合わせ情報がドライバ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信される可能性がある範囲を増大し得ることである。いくつかの実施形態におけるビーコンアンテナ620の範囲は、様々なコンポーネントの電気特性によって制限され得る(例えば、
図10のパッシブビーコンアンテナ620については0.5メートル)。エレクトリックビークル604の周囲に分散された複数のビーコンアンテナ620を含むことによって、コントローラ回路416は、それが送電パッド420の数メートル以内に存在する前に、エレクトリックビークル604を識別し、受電パッド530の相対位置を決定し得る。前述した説明では在外オブジェクト検出器回路480を送電パッド420に統合されているものとして特徴付けているが、本出願の実施形態はそのことに限定されない。センスコイル405は、早期検出および位置合わせ支援を提供するために送電パッド420に対して任意の場所に配置され得る。
【0083】
ある実施形態においては、コントローラ回路416は、識別情報に基づいて送電パッド420を選択的に有効または無効にするように構成される。例えば、上記で説明したように、コントローラ回路416は、制御信号をセレクタ回路430に送信することによってセレクタ回路430を制御するように構成される。コントローラ回路416の制御信号に基づいて、セレクタ回路430は、エレクトリックビークル604を識別したことに基づいて送電パッド420(または送電アンテナ114)を選択的に有効または無効にするように構成される。セレクタ回路430は、コントローラ回路416が特定のエレクトリックビークル604を識別すると、送電パッド420を有効にする一方で、他のエレクトリックビークルのための送電パッド420は無効にするように構成され得る。
【0084】
図10は、例示的な実施形態による、
図6のビーコンアンテナ620の少なくとも一部と
図5の在外オブジェクト検出器回路480との概略図である。
図10はまた、パッシブビーコンアンテナとして構成されるビーコンアンテナ620の例示的な実施形態を図示している。本明細書で使用しているように、ビーコンアンテナ620は、エレクトリックビークル604を示す在外オブジェクト検出器回路480によって検出可能なオブジェクトの例である。
【0085】
図10はまた、複数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを含む、在外オブジェクト検出器回路480の少なくとも一部を図示している、ここで、「n」は任意または所定の数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを指し、以降まとめて「405」とする。3つのセンスコイル405のみを特に図示しているが、在外オブジェクト検出器回路480は、上記で説明したように、任意の数のセンスコイル405を含み得る。
図10の実施形態において示しているように、センスコイル405は、1つまたは複数の巻線を有するコイルとして構成され得る。
図5に関連して説明しているように、センスコイル405は、各センスコイル405に関連付けられたセンスエリア内に磁場を生成するように構成され得る。センスコイル405はまた、ビーコンアンテナ620と各センスコイル405との間で展開される(まとめて結合ライン830と称する、ライン830a、830b、・・・、830nで表される)磁気結合に基づいて、オブジェクト(例えば、ビーコンアンテナ620)を検出するように構成される。
【0086】
ある例示的な実施形態においては、センスコイル405およびビーコンアンテナ620は、相互共振関係に従って構成される。
図3に関連して上記で説明したように、ビーコンアンテナ620の共振周波数とセンスコイル405の共振周波数とが実質的に同一の範囲内にあるまたは非常に近い場合には、センスコイル405とビーコンアンテナ620との間の伝送損失は最小となる。そのため、センスコイル405によってセンシングした乱れは、非常に近接(例えば、時にはミリメートル以内)した大きなアンテナを必要とする単なる誘導的ソリューションと対比してより長い距離にわたっておよびより高い感度で提供され得る。そのため、共振誘導結合技法は、様々な距離にわたっておよび様々な誘導アンテナ構成において改善されたオブジェクト検出を可能とし得る。そのため、各センスコイル405は、その共振周波数に対応する周波数を用いて時間的に変化する磁場(または電磁場)を出力し得る。ビーコンアンテナ620がセンスエリア内にある場合には、時間的に変化する磁場(または電磁場)は、ビーコンアンテナ620によってエネルギーとして吸収され得る。上記で説明したように、ビーコンアンテナ620がセンスコイル405の周波数で共振するように構成されている場合には、その後、ビーコンアンテナ620はエネルギーを効率的に吸収し得る。エネルギーを効率的に吸収することによって、反応を検出する際のセンスコイル405の感度が同様に最大化されるように、ビーコンアンテナ620に起因する磁場における乱れは最大化され得る。
【0087】
図6に関連して説明しているように、ビーコンアンテナ620は、ビーコン回路610に結合されている。
図10に示した例示的な実施形態においては、ビーコン回路610は、ビーコンアンテナ620に電子的に接続されている、コンデンサ1005、スイッチ1010、および負荷1020を含む。コンデンサ1005は、ビーコンアンテナ620に対して並列に電子的に接続され、ビーコンアンテナ620との共振を作り出すように構成される。
図10はまた、ビーコンアンテナ620と並列に接続され、負荷1020の値に基づいてビーコンアンテナ620にインピーダンス変化を付与するように構成される、負荷1020を図示している。負荷1020は、「抵抗性」負荷、「容量性」負荷、または「誘導性」負荷と称し得る。本明細書で使用しているように、負荷1020は、影響がセンスコイル405によってセンシングされ得るようにビーコンアンテナ620のインピーダンスに影響を与えるように構成される、電気素子の例である。スイッチ1010は、負荷1020と直列に電気的に接続され、負荷1020を制御するように構成される。
【0088】
例示的な実施形態においては、
図6のコントローラ回路516(
図10には図示せず)は、(説明のみを目的として矢印として示した)制御信号1040をビーコン回路610に送信する。制御信号1040に基づいて、ビーコン回路610は、所与の周波数、以降「変調周波数」で負荷1020の値を変更することによってビーコンアンテナ620のインピーダンスを変調または作用するように構成される。例えば制御信号1040は、本明細書で説明したような変調スキームまたはパターンを示すスイッチ1010を制御するための命令を含み得る。スイッチ1010の状態に基づいて、負荷1020の値は、ビーコンアンテナ620に適用されると、変更され、ビーコンアンテナ620のインピーダンスにおける変化を引き起こす。それゆえ、コントローラ回路516は、固有のまたは識別可能なスキームまたはパターンでスイッチ1010を変調するようにビーコン回路610を制御するように構成され得る。それによって、負荷1020の変更は、
図8に関連して上記で説明したように、例えばより強いまたはより弱い乱れとしてセンスコイル405によってセンシングされ得るビーコンアンテナ620の固有のインピーダンス変調を引き起こす。
【0089】
負荷の値が0Ωである、例示的な変調スキームを実施してもよい。そのため、制御信号1040に基づいて、スイッチ1010は、開状態と閉状態との間でトグルされ、ビーコンアンテナ620のインピーダンスに対する負荷1020の影響を変更し得る。それゆえ、ビーコンアンテナ620のインピーダンスも同様にトグルされる。いくつかの実施形態においては、負荷1020は、スイッチ1010が閉じられると共振減衰を生成するように構成される実数値を含む。別の実施形態においては、負荷1020は、ビーコンアンテナ620の周波数シフトを生成するように構成される複素数値を含む。特定の変調スキームを本明細書において説明しているが、コントローラ回路516は、それがビーコンアンテナ620の共振および/またはインピーダンスに影響を与えるように構成される限り、任意の変調スキームによってビーコン回路610を制御するように構成され得る。
【0090】
上記で説明したように、コントローラ回路516は、制御信号1040に基づいてスイッチ1010を制御するように構成される。ある実施形態においては、制御信号1040は、スイッチ1010に適用される変調周波数を示し得る。いくつかの実施形態においては、変調周波数は、(
図5に関連して上述したような)在外オブジェクト検出器回路480のスキャンレートに実質的に同じまたは非常に近くなるように構成され得る。例えば、ここで、スキャン周波数は6.25Hzであり、負荷1020は3.125Hzの周波数で変調され得る。変調周波数の特定の例を本明細書に記載してきたが、他の実施形態も可能である。例えば、スキャンレートは(例えば、25Hzまで)増大されてもよく、変調周波数も同様に増大されてもよい。より高い変調周波数の1つの非限定的な利点は、
図9A~
図9Cに関連して上記で説明した識別情報が変調スキームで符号化され得ることである。
【0091】
図11は、別の例示的な実施形態による、
図1のビーコンアンテナ620の少なくとも一部と
図5の在外オブジェクト検出器回路480の一部との概略図である。
図11は、アクティブビーコンアンテナとして構成されるビーコンアンテナ620の別の例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態においては、
図11に図示したビーコンアンテナ620は、
図10のビーコンアンテナ620のより短い検出距離に対して、約1から2メートルの距離で検出され得る。
図11の実施形態において示しているように、ビーコンアンテナ620は、1つまたは複数の巻線を有するコイルとして構成され得る。本明細書で使用しているように、ビーコンアンテナ620は、エレクトリックビークル604を示す在外オブジェクト検出器回路480によって検出可能なオブジェクトの例である。
【0092】
図6に関連して説明しているように、ビーコンアンテナ620は、ビーコン回路610に結合されている。
図11に示した例示的な実施形態においては、ビーコンアンテナ620は、(矢印1110で表される)電流Iで駆動され得る。ビーコンアンテナ620は、増幅器1120を介してビーコンアンテナ620に電流Iを供給するように構成される電源(
図11には図示せず)の正極1125および負極1127に接続され得る。電源は、任意のタイプの電気出力電源、例えば、エレクトリックビークル604のバッテリであり得る。ビーコンアンテナ620は、電流Iに基づいて磁場を生成するように構成され得る。電流Iは、ビーコンアンテナ620に固有または識別可能なものとなるように構成され得る。
【0093】
図10と同様に、
図11はまた、複数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを含む在外オブジェクト検出器回路480の少なくとも一部を図示している、ここで、「n」は任意または所定の数のセンスコイル405a、405b、・・・、405nを指し、以降まとめて「405」とする。しかしながら、
図11の実施形態においては、センスコイル405は、(矢印1130a、1130b、・・・、1130nで表される)ビーコンアンテナ620から信号を受信するように構成される受電機アンテナとして構成され得る。いくつかの実施形態においては、
図11に示したセンスコイル405は、磁場を生成しないように構成されてもよい。1つまたは複数のセンスコイル405がビーコンアンテナ620によって生成された磁場内にある場合には、その場は、センスコイル405内の電圧を誘導し得る。センスコイル405は、各センスコイル405にわたる誘導電圧を測定するように構成され、それによって、信号をビーコンアンテナ620から受信している。測定した電圧に基づいて、センスコイル405は、
図5のコントローラ回路416(
図11には図示せず)に信号を受信したことを示す検出信号を送信するように更新される。検出信号に基づいて、
図5および
図8に関連して上記で説明したように、コントローラ回路416は、ビーコンアンテナ620の位置を決定し、エレクトリックビークル604の一部としてビーコンアンテナ620を識別し得る。
【0094】
上記で説明したように、
図6のコントローラ回路516(
図11には図示せず)は、ビーコン回路610を制御するように構成される。ある実施形態においては、コントローラ回路516は、ビーコン回路610によってビーコンアンテナ620に適用されることになる電流Iの振幅、周波数、および/または位相を示す(説明のみを目的として矢印として表した)制御信号1140を送信する。ビーコン回路610は、制御信号1140に基づいて振幅、周波数、および/または位相を変調するように構成され得る。それゆえ、制御信号1140は、ビーコンアンテナ620によって送信されるべき固有の信号を示し得る。例示的な実施形態においては、電流Iの周波数、すなわち、ビーコンアンテナ620によって送信される信号の周波数は、在外オブジェクト検出器回路480の共振周波数範囲と実質的に同じまたは非常に近くなるように構成され得る。ある実施形態においては、周波数範囲は、約3.0MHzである。いくつかの実施形態においては、電流Iの振幅は、電流(例えば、30~100mA
RMS)と実質的に同一の大きさのオーダとなるように構成される。別の実施形態においては、あるいはまたは組み合わせて、電流Iは、
図10のビーコン回路610の動作と同様に、スイッチ(
図11には図示せず)を介してオンおよびオフを切り替えられ得るし、それによって、オフからオンへと電流Iを変調している。
【0095】
別の実施形態においては、電流Iを変調する必要はない。コントローラ回路416は、非変調電流Iに基づいてビーコンアンテナ620を識別するように構成され得る。例えば、電流Iは、所定の電流であり得るし、ビーコンアンテナ620は、制御信号1140に基づいて連続波信号を生成するように構成され得る。センスコイル405は、連続波信号を受信し、連続波信号を示す検出信号をコントローラ回路416に送信する。コントローラ回路416はまた、受信した連続波信号がビーコンアンテナ620を示していることを確認するために、連続波信号を示す情報を取り出すように構成される。例えば、電流Iを示す情報は、
図5および
図6に関連して上記で説明したように、
図5のメモリ470に記憶され得るまたは通信リンクを介してコントローラ回路416に通信され得る。コントローラ回路416は、検出信号を受信した情報と比較し、ビーコンアンテナ620を識別するように構成され得る。センスコイル405が磁場を生成しない別の例としては、エレクトリックビークル604(または他のオブジェクト)は、在外オブジェクト検出器回路によって検出されなくてもよく、そのため、受信した連続波信号がビーコンアンテナ620を示し得る。
【0096】
図12は、例示的な実施形態による、エレクトリックビークル604を
図2の無線電力送電システム100と位置合わせするために
図1のエレクトリックビークル604の位置合わせ情報を決定する方法を示すフローチャートを図示している。
図5に関連して説明しているように、コントローラ回路416は、
図5の在外オブジェクト検出器回路480が
図5のセンサコイル405のセンスエリア内で
図6のビーコンアンテナ620を検出すると、
図6の受電パッド530を
図5の送電パッド420と位置合わせするための位置合わせ情報を決定し得る。
図11のプロセスは特定の順序で図示しているが、ある実施形態においては、本明細書のブロックが、異なる順序で行われても、省略されてもよく、追加のブロックを追加することもできる。図示した実施形態のプロセスは、在外オブジェクト検出器回路480がセンサコイル405のセンスエリア内でビーコンアンテナ620を検出すると受電パッド530を送電パッド420と位置合わせするための位置合わせ情報を決定するために、
図5のコントローラ回路416または在外オブジェクト検出器回路480のいずれかにおいて実施され得る。
【0097】
ブロック1210において、コントローラ回路416は、
図5および
図6に関連して説明しているように、エレクトリックビークル604が1つまたは複数のセンサコイル405のセンスエリア内に存在しているかどうかを決定し得る。
図11の実施形態において示したように、エレクトリックビークル604が存在しているとコントローラ回路416が決定した場合には、方法はブロック1220に進む。エレクトリックビークル604が1つまたは複数のセンサコイル405のセンスエリア内に存在しないまたは検出されなかった場合には、方法はブロック1210に戻る。
【0098】
ブロック1220において、コントローラ回路416は、エレクトリックビークル604の受電パッド530に対するビーコンアンテナ620の位置を決定し得る。例えば、
図8に関連して説明しているように、コントローラ回路416は、変調された電気特性に基づいて特定のエレクトリックビークル604を識別し、特定のエレクトリックビークル604のビーコンアンテナ620と受電パッド530との相対位置を取り出し得る。ブロック1230において、コントローラ回路416は、例えば、
図8に関連して上記で説明したように、ビーコンアンテナ620(例えば、エレクトリックビークル604)の存在に応答して、各センサコイル405においてセンシングした乱れにおける変化の大きさの比較に基づいて、センサコイル405に対するビーコンアンテナ620の位置を決定し得る。ブロック1240において、コントローラ回路416は、例えば、
図9A~
図9Cに関連して上記で説明したように、送電パッド420に対する受電パッド530の位置を決定し得る。
【0099】
ブロック1250において、コントローラ回路416は、例えば、
図9A~
図9Cに関連して上記で説明したように、受電パッド530を送電パッド420と位置合わせするための位置合わせ情報を決定し得る。ブロック1260において、コントローラ回路416は、無線電力送電のためのエレクトリックビークル604を位置合わせするための位置合わせ情報をエレクトリックビークル604のユーザ(または自動運転ビークルのケースにおいてはオートパイロット)に通信し得る。
【0100】
それぞれの無線電力送電システムが稼動することが見込まれる環境に応じて適切な回路が代替の実施形態において使用され得ることは理解されよう。さらに、開示は、受電機インダクタにおける電流を生成する特定の受信側の手段のいずれにも限定されないし、変圧器、変流器、および可逆整流器の技法を、単なる例として、本明細書では開示している。
【0101】
電力を無線送電することは、電場、磁場、電磁場に関連するまたさもなければ物理的な導電体を使用しない(例えば、電力が自由空間を介して送電され得る)送電機から受電機への任意の形式のエネルギーを送電することを指し得る。無線場(例えば、磁場)への電力出力が、送電を実現するために「受電コイル」によって受電、捕捉、または結合され得る。
【0102】
本明細書では、リモートシステムを説明するためにエレクトリックビークルを使用しており、その例としては、その移動性能の一部として、充電可能なエネルギー蓄積デバイス(例えば、1つまたは複数の充電可能な電気化学セルまたは他のタイプのバッテリ)から得られる電気動力を含むビークルがある。例として、いくつかのエレクトリックビークルは、正に移動のための従来の燃焼機関を含むまたはビークルのバッテリを充電するハイブリッドエレクトリックビークルであり得る。他のエレクトリックビークルは、電気動力から移動能力のすべてを引き出し得る。エレクトリックビークルは、自動車に限定されず、オートバイ、カート、スクータなどを含み得る。非限定的な例として、リモートシステムをエレクトリックビークル(EV)の形式として本明細書では説明している。さらに、充電可能なエネルギー蓄積デバイスを使用して少なくとも部分的に電力供給され得る他のリモートシステムも考慮される(例えば、パーソナルコンピューティングデバイスなど電子デバイスなど)。
【0103】
上記で説明した方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/もしくはソフトウェアコンポーネント、回路、ならびに/またはモジュールなどといった、動作を行うことが可能な任意の適切な手段によって行われ得る。一般的に、図に示した任意の動作は、動作を行うことが可能な対応する機能手段によって行われ得る。例えば、エレクトリックビークルを充電するための手段は送電アンテナ114を含み得るし、起動を無効にするための手段および維持するための手段はコントローラ回路516を含み得る。
【0104】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、上記の説明を通して参照され得る、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光子、または任意のその組合せによって表され得る。
【0105】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、一般的に、それらの機能性に関して、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが上記で記載されている。そのような機能性がハードウェアまたはソフトウェアのどちらとして実装されるかは、総合的なシステムに課される特定の適用および設計の制約に依存する。説明した機能性は特定の適用の各々に対して様々な方法で実施され得るが、そのような実施の決定を実施形態の範囲から逸脱するものとして解釈すべきではない。
【0106】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した様々な例示的なブロック、モジュール、および回路が、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載の機能を行うように設計された任意のその組合せを用いて実施または行われ得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、別の方法では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0107】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した方法またはアルゴリズムのブロックまたはステップおよび関数は、直接、ハードウェアの形式で、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの形式で、またはその2つの組合せの形式で具現化され得る。ソフトウェアの形式で実装される場合には、関数は、有形の非一時的コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または従来技術において知られている任意の他の形式の記憶媒体に存在し得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに接続されている。別の方法では、記憶媒体は、プロセッサに統合されていてもよい。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用しているように、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含む、ここで、通常、ディスク(disk)は磁気的にデータを再生する一方で、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるものとする。プロセッサと記憶媒体とがASICに存在していてもよい。
【0108】
開示を集約することを目的として、発明の態様、利点、および新規的特徴を本明細書において説明してきた。発明の任意の特定の実施形態によりそのような利点のすべてが必ずしも実現され得るわけではないことは理解されよう。そのため、発明は、本明細書において説明および示唆され得るような他の利点を必ずしも実現する必要はなく、本明細書で説明したような1つの利点または一群の利点を実現または最大限に利用する方式で具現化または実行され得る。
【0109】
上記で説明した実施形態の様々な変更は容易に明らかとなり得るであろうし、発明の精神または範囲から逸脱しない限り本明細書で定義した一般的な原理は他の実施形態に適用され得る。そのため、本発明は、本明細書に示した実施形態に限定されることを意図してはおらず、本明細書に開示の原理および新規的特徴と一致する最も広い範囲で認められるべきである。
【符号の説明】
【0110】
114 送電アンテナ
118 受電アンテナ
222 オシレータ
224 ドライバ
226 フィルタ、整合
232 整合回路
234 整流回路
352 アンテナ
410 整合回路
416 コントローラ
430 セレクタ回路
460 存在検出器
470 メモリ
472 通信機
482 クロック
516 コントローラ
522 DC/DCコンバータ
532 セレクタ回路
550 負荷
560 クロック
566 通信機
610 ビーコン回路